JP3789631B2 - 水処理方法および水処理装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子工業や医薬品工業に用いられる水処理方法に係り、特に、半導体の洗浄工程で用いられた洗浄水、市水および工業用水等の原水中に含有された有機物(TOC)を処理し該TOCがほぼ除去された純水を製造する水処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
液晶や半導体素子(LSI)、あるいは医薬品の製造工程においては、イオン状物質、微粒子、有機物、溶存ガスおよび生菌等の含有量の極めて少ない純水が使用されている。この中でも、電子工業においては、多量の純水が使用されており、ULSI(超高密度大規模集積回路)の集積度の増加に伴って純水の純度に対する要求は益々厳しくなってきている。
【0003】
ところで、ULSI等に代表される半導体の生産工程ではフォトレジストの剥離等に有機溶剤が多用されており、半導体の生産工程に伴って排出される排水には有機溶剤等の有機物が混入しているため、該排水を再生して半導体の生産工程に再利用するには、排水中に含有している有機物を除去する必要がある。
【0004】
従来、排水中に含有した有機物を除去する方法としては、排水にオゾンを添加して難分解性の有機物を分解した後、活性炭による処理を行って該排水中より有機物を除去する方法や、排水にオゾンを溶解させた後、紫外線照射を行って有機物を分解・除去する方法がとられてきた。
【0005】
しかしながら、これら従来の方法では、有機物の分解効率が低く、排水中より有機物を除去することが困難であるという問題があった。また、オゾンの添加および紫外線照射を併用した方法では、紫外線照射に伴う電力消費量が大きく、また、紫外線照射ランプ等の維持管理が必要であることから、経済的な負担が大きいという問題があった。
【0006】
さらに、排水にオゾンと過酸化水素を添加する方法も検討されているが、この方法でも、さほどの除去効率の改善は認められない。
【0007】
なお、以上の方法では、オゾンを水に溶解させる方法としてディフューザーやばっ気法が用いられており、この方法では3〜8ppm程度までしかオゾンを溶解させることができない。
【0008】
また、オゾンを強制的に被処理水に高濃度で溶解させて被処理水中の有機物を分解させる方法も開発されたが、単にオゾンを高濃度で有機物と接触させただけでは有機物の除去率はさほど向上せず、むしろ過酸化水素よりも低い除去率しか得られていない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
従来、排水中に含有した有機物を除去する方法としては、排水にオゾンを添加して難分解性の有機物を分解した後活性炭により処理する方法、排水にオゾンを溶解させた後紫外線照射を行って有機物を分解・除去する方法、排水にオゾンと過酸化水素を添加する方法、オゾンを強制的に被処理水に高濃度で溶解させて被処理水中の有機物を分解させる方法が知られているが、これらの方法ではいずれも十分な有機物の除去率が得られていない。
【0010】
本発明者等は、かかる従来の欠点を解消すべく鋭意研究をすすめてたところ、意外なことに、過酸化水素を溶解させた被処理水中に、高濃度でオゾンを溶解させた場合、それぞれ単独を用いた場合と比較した場合はもちろん、高濃度でオゾンを溶解させた場合と比較しても、飛躍的に除去効率が向上し、さらにイオン交換処理を併用することにより、これまで実現し得なかった高い除去率を達成できることを見出だした。
【0011】
本発明はかかる知見に基づいてなされたもので、半導体の洗浄工程で用いられた洗浄水、市水および工業用水等の原水中に含有された有機物(TOC:全有機炭素)を高効率で分解し、TOCがほぼ除去された純水を製造することができる水処理方法及び水処理装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明の水処理方法は、被処理水に過酸化水素及び塩基を添加するとともにオゾンを10〜25ppmの濃度に溶解させ、オゾン濃度と過酸化水素の濃度比(H 2 O 2 /O 3 (重量比))を1.0〜5.0として被処理水中に溶解させる有機物を酸化分解する工程と、有機物を酸化分解させる工程における未反応酸化剤を除去する工程と、有機物を酸化分解させる工程を経た被処理水に対してイオン交換を実行する工程と、を具備したことを特徴とする水処理方法である。
【0015】
本発明の水処理方法において、有機物を酸化分解させる工程における被処理水のpHを5〜8であることを特徴とする方法とすることができる。
【0017】
本発明の水処理装置は、被処理水にオゾンを溶解させる酸化剤溶解槽と、未反応の酸化剤を除去する酸化剤除去槽と、イオン交換装置とを被処理水の流路に沿って配設するとともに、酸化剤溶解槽又は酸化剤除去槽に被処理水を供給する流路に過酸化水素を供給する過酸化水素供給装置及び塩基を供給する塩基供給装置と、を設けたことを特徴とする水処理装置である。
【0019】
本発明の水処理装置は、イオン交換装置の前段に、未反応の酸化剤を除去する酸化剤除去槽を配設することもできる。
【0020】
本発明の水処理装置において、オゾン溶解槽の前段及び/又はイオン交換装置の前段に、逆浸透膜装置を配設することもできる。
【0021】
本発明の水処理装置において、被処理水を供給するタンクを具備するようにすることもできる。
【0022】
本発明の水処理方法によれば、被処理水中における有機物の酸化反応が著しく促進されるので、被処理水中の有機物を効率的かつ効果的に分解し、分解により生成した生成物を該被処理水より除去することが可能となる。
【0023】
本発明に係る水処理方法によれば、被処理水に、該被処理水中のオゾンの濃度を、10ppm以上、好ましくは13ppmとなるようオゾンを供給し、該オゾンの供給された被処理水に対して、前記オゾンの供給状態、すなわち被処理水中のオゾンの濃度が10ppm以上となるようなオゾンの供給状態を連続的に保ちながら、過酸化水素および塩基を供給したことにより、被処理水中における有機物の酸化反応が著しく促進されるので、被処理水中の有機物を効率的かつ効果的に分解し分解により生成した生成物を該被処理水より除去することが可能となる。 一般に、上述したオゾンの添加および紫外線照射を併用して被処理水中の有機物を分解させる場合、通常、被処理水中の有機物を過剰酸化することにより該有機物を水および炭酸ガスにまで分解させている。しかし、この場合には、被処理水中の有機物を水および炭酸ガスにまで酸化させるために多大なエネルギーを投入する必要がある。本発明においては、被処理水に対し、H2 O2 の存在下で、10ppm以上、好ましくは過飽和まで溶解させる。有機物の酸化により生じた有機酸はイオン交換により除去されて高いTOC除去率が実現される。なお、本発明者等の実験によれば、過酸化水素とオゾンの組合わせでも紫外線を用いた場合と同様にIPA(イソプロピルアルコール)の分解により酢酸と少量のギ酸が生じることが確認されている。
【0024】
このとき塩基を添加して、被処理水のpHをアルカリ側に傾けさせる。これにより、有機物の分解により生じた有機酸によりpHが酸性側に傾くのを抑えることができる。
【0025】
また、有機物を酸化分解させる工程における未反応残留物である酸化剤が除去されるためイオン交換樹脂などが酸化剤により分解されることが防止される。未反応残留物を除去する手段としては、例えば活性炭等による吸着処理が上げられる。
【0026】
また、有機物を酸化分解させる工程における被処理水のpHを5〜8とすれば、有機物の酸化剤か分解により一般に被処理液のpHは減少するが、被処理水のpH調整により分解反応を円滑にすすめるとともに、後段のイオン交換手段の負荷を軽減させ、また、酸化剤除去手段を設ける場合にはその負荷を軽減させる。
【0027】
また、10〜25ppmというオゾン濃度の範囲は、被処理水へのオゾン溶解の効率と有機物の酸化分解の効率とを勘案した最適範囲を示したものである。オゾンは過飽和にまで被処理水中に溶解させることが可能である。
【0028】
さらに、被処理水のオゾン濃度と過酸化水素の濃度比(H 2 O 2 /O 3 (重量比)) 1.0〜5.0は、オゾンと過酸化水素を併用したことによる相乗効果が顕著に認められる範囲である。
【0029】
本発明の水処理装置の基本的な構成であるオゾン溶解槽は、被処理水と気体状オゾンを同時に供給する入口配管と、この被処理水とオゾンの気液混合物を中空の回転軸から槽内に案内し先端に設けた回転翼近傍から槽内に供給する撹拌機を備えており、この撹拌機を高速回転させて、高速回転時のキャビティーション現象により、オゾンを被処理水中に高濃度で溶解させる。過酸化水素供給装置は、この槽内又は入り口配管に開口する注入配管と、この注入配管に所定の濃度の過酸化水素を注入する注入装置、濃度調整装置等から構成される。また、被処理液のpH低下を抑制する塩基を供給する装置は、過酸化水素供給装置と同様の機構から構成されている。
【0030】
また、本発明の水処理装置は、活性炭槽のような酸化剤除去装置をイオン交換装置の前段に配置して、イオン交換装置のイオン交換交換樹脂が酸化剤により分解するのを抑制することができる。
【0031】
また、本発明の水処理装置は、逆浸透膜装置を配設することができ、これにより有機物の除去率は一層向上する。逆浸透膜装置は、オゾン溶解槽の前段でもイオン交換装置の前段でも、場合によっては両方に設置してもよい。また、この場合、それぞれ2段に設置するようにすれば、一層効果的である。なお、イオン交換装置の前段に逆浸透膜装置を設ける場合も、膜の酸化劣化を防止するため、その前段に酸化剤除去装置を配置することが好ましい。
【0032】
また、本発明の水処理装置は、被処理水を供給するタンクを水処理装置の前段に配置することができ、これにより処理水の使用状況に応じて水処理作業を行うことが可能となる。
【0033】
本発明において、被処理水中に含有した有機物の酸化反応は、以下の機構により進行すると推測される。
【0034】
すなわち、オゾンおよび過酸化水素は、
H2 O2 +O3 →・OH+HO2 - +O2 ・・・[1]
HO2 - +O3 →・OH+O2 - +O2 ・・・[2]
に示されるように相互に反応して、OΗラジカル(・OH:ヒドロキシルラジカル)が生成する。
【0035】
一方、アルカリ性側において、オゾンおよび過酸化水素は、
H2 O2 +OH- →HO2 - +H2 O・・・[3]
H2 O2 →HO2 - +H+ ・・・[4]
O3 +OH- →・HO2 +O2 - ・・・[5]
に示されるように塩基と反応して、HO2 ラジカル(・HO2 )が生成する。なお、ここで生成したHO2 - は、オゾンと反応することにより上記OΗラジカルの生成にも関与する。したがって、被処理水中のオゾンの濃度が高いほど、OΗラジカルおよびHO2 ラジカルの生成が多くなることが理解される。
【0036】
そして、上記反応により生成したOΗラジカルおよびHO2 ラジカルにより、
RH+・OH→・R+H2 O・・・[6]
・R+O3 (O2 )→酸化生成物・・・[7]
RH+・HO2 →酸化生成物+H2 O・・・[8]
に示される反応が進行し有機物が酸化分解される。
【0037】
すなわち、本発明においては、被処理水に対し、過飽和または被処理水中の濃度が10ppm以上となるようオゾンを供給し、このオゾンの供給状態を保ちながら、被処理水中に過酸化水素を存在させるとともに該被処理水のpHをアルカリ側に傾けることにより、被処理水中におけるOΗラジカルおよびHO2 ラジカルの生成量を増大させることで、有機物の分解を著しく促進させることができるのである。ここで、被処理水中におけるOΗラジカルおよびHO2 ラジカルの生成量を増大させ、有機物の分解を著しく促進することができるオゾンの濃度について検討する。まず、被処理中に過酸化水素が十分に存在し、かつアルカリ側で酸化反応が実行されるのであれば、被処理水におけるオゾンの存在量が多いほど被処理水中の有機物の分解は促進される。すなわち、被処理水中においてオゾンが過飽和となるようオゾンを添加することにより、被処理水中の有機物の分解がより促進されることになる。オゾンの溶解度(CL )は、図6に示したように、
CL =0.604(1+t/273)1+0.063t *CG
(ただし、 tは水温(℃)、CG は気中オゾン濃度(mg/L)を示す)
によって与えられるので、被処理水中にオゾンを過飽和に達するまで溶解させる場合には、各温度における溶解度を越えるよう被処理水中にオゾンを添加する。なお、この場合、被処理水中への過酸化水素の添加は、上記反応が円滑に進行するよう、被処理水に添加されたオゾンの量に十分見合うだけの量を添加する。また、OH- の消費に伴う上記反応の低下を抑制するために、有機物の分解により生ずる有機酸を中和するのに見合った量の塩基を被処理水に添加する。しかしながら、経済性の点等を考慮して、例えば、半導体の生産工程に伴って排出される排水中の有機物を分解・除去する際に、オゾンを過飽和に達するまで被処理水
(排水)に添加しなくとも、被処理水(排水)中に含有された有機物を効率的に分解することが可能である。この場合、被処理水中のオゾンの濃度が10〜25ppmとなるよう被処理水にオゾンを添加すれば、被処理水中における有機物の酸化反応を促進することが可能である。被処理水中のオゾンの濃度が10ppmを下回った場合には、被処理水中における有機物の酸化反応を十分に進行させることが困難となる。また、被処理水中のオゾンの濃度が25ppmを上回った場合には、有機物の酸化反応の進行は促進されるものの経済性が低下する。したがって、被処理水中における有機物の酸化反応を十分に進行させ、かつ経済性を向上させる観点から、被処理水中のオゾンの濃度を10〜25ppmとなるようにするとよい。なお、被処理水中における有機物の酸化反応は反応系の温度条件によっても変化する。すなわち、反応系の温度が高くなると、被処理水に対するオゾンの溶解度が低下するために酸化反応の進行が停滞する傾向がある。一方、反応系の温度が低くなると、被処理水に対するオゾンの溶解度は増加するものの、反応系の温度が低いために酸化反応の進行が停滞する傾向がある。したがって、一般には、10〜40℃、より好ましくは20〜30℃の温度範囲において、被処理水中における有機物の酸化反応を進行させるようにすればよい。
【0038】
次に、被処理水に対し、該被処理水中の濃度が10〜25ppmとなるようオゾンを連続的に供給した場合について、該オゾンが連続的に供給されている被処理水に対する過酸化水素および塩基(分解生成物の有機酸を中和するための物質)の添加形態と、これらの添加量について検討する。
【0039】
はじめに、オゾンが連続的に供給されている被処理水に対する過酸化水素および塩基の添加形態について検討する。
【0040】
本発明において、オゾンが連続的に供給されている被処理水に対する過酸化水素および塩基の添加の形態は、酸化させる有機物の種類、量および温度等の反応条件に鑑みて、上記[1]−[8]式に示した反応が円滑に進行するように制御できるものであれば、いかなる形態をとることも可能である。すなわち、代表的な添加形態として、
1)オゾンが連続的に供給されている被処理水に対し、上記[1]−[8]式に示した反応を進行させるに十分な量の過酸化水素および塩基を1度だけ供給する(バッチ方式)、
2)オゾンが連続的に供給されている被処理水に対し、上記[1]−[8]式に示した反応の進行が妨げられないよう過酸化水素および塩基を随時供給する(間欠供給方式)、
3)オゾンが連続的に供給されている被処理水に対し、上記[1]−[8]式に示した反応の進行が常に最適化される(反応速度が最大となる)よう過酸化水素および塩基を連続的に供給する(連続供給方式)、
等の形態を挙げることができる。
【0041】
なお、上記2)間欠供給方式の場合には、予め定められた所定の間隔で過酸化水素および塩基を添加することもできるが、被処理水中の過酸化水素の濃度、被処理水のpH等の要素をモニタしておき、これらの要素がある規定した範囲をはずれた場合に該範囲を保つよう過酸化水素および塩基を添加することで、上記反応をより円滑に進行させることができる。また。3)連続供給方式の場合には、被処理水中の過酸化水素の濃度、被処理水のpH等をモニタしておき、上記の反応が最適化(反応速度が最大)されるように過酸化水素および塩基の添加量を最適化することで、高精度な酸化反応の制御を行うことができる。
【0042】
ここで、被処理水に対し、該被処理水中の濃度が10〜25ppmとなるようオゾンを連続的に供給した場合について、被処理水に対する過酸化水素および塩基の添加量について検討する。
【0043】
図7〜図10は、被処理水に含有された有機物としてIPAおよびDMSO
(ジメチルスルホキシド)を用い、過酸化水素併用オゾン酸化によりこれを酸化した場合の該有機物の除去率を示した図である。なお、これらの除去率は、後述する実施例1(図7〜図9の場合)および実施例2(図10の場合)において用いられた水処理装置を用い、反応時間を30分とした場合に得られた値である。ここで、IPAおよびDMSOは、それぞれ10ppmとなるように被処理水(20℃)中に添加されている。また、図10におけるKOHの添加量は、KOHのみを、10分間隔で、3回にわたり均等に投入した場合のKOHの総量として表わされている。これは、DMSOが分解されることにより生成する硫酸によって被処理水のpHが4.0〜4.2程度に急低下し、DMSOの酸化反応が低下することを防止するためである。なお、ここではIPAおよびDMSOの2種の有機物を用いて、過酸化水素および塩基の添加量を検討した。
【0044】
図7および図8から明らかなように、被処理水中におけるKOHの初期濃度が13ppm、オゾンの初期濃度が20ppmの場合、IPAに関しては過酸化水素の初期濃度が約20ppm、DMSOに関しては過酸化水素の初期濃度が約60ppmで有機物の除去率の増加が鈍くなる。一方、図9および図10から明らかなように、被処理水(20℃)中における過酸化水素の初期濃度が20ppm、オゾンの初期濃度が17ppmの場合、IPAに関してはKOHの初期濃度が約10ppm以上、DMSOに関してはKOHの濃度が約40ppm以上で有機物の除去率の増加がみられなくなる。
【0045】
したがって、1)バッチ方式の場合には、過酸化水素および塩基(KOH)は、被処理水中における過酸化水素の濃度が20〜60ppm、KOHの濃度が10〜40ppmとなるように被処理水に対して添加すれば、被処理水中の有機物を確実に分解できることが理解される。なお、上述したように、DMSOを酸化分解すると硫酸が生成し、該硫酸によって酸化反応が停止する恐れがあることから、DMSOの酸化分解に際しては間欠または連続供給方式を用いることが望ましい。 また、2)間欠供給方式の場合について検討したところ、過酸化水素および塩基(KOH)を、被処理水中における過酸化水素の濃度が20〜60ppm、KOHの濃度が5〜20ppmとなる範囲に保たれるように供給すれば、被処理水中の有機物を確実に分解することができることが確認された。
【0046】
さらに、3)連続供給方式の場合には、過酸化水素および塩基(KOH)を、被処理水中における過酸化水素の濃度が5〜20ppm、被処理水のpHが5〜8の範囲、好ましくはほぼ7に保たれるように供給すれば、被処理水中の有機物を確実に分解することができる。なお、バッチ方式、間欠供給方式、連続供給方式のいづれにおいても、被処理水への過酸化水素および塩基の供給に際しては、被処理水に含まれる有機物の量や種類等に鑑みて最適な条件を設定して実施されるが、該設定を上記の範囲内で行うことにより、被処理水中の有機物を確実に分解することができるのである。なお、被処理水に対し10ppm以上となるようオゾンを供給し、該供給状態を保ったまま過酸化水素および塩基を供給する場合には、上述したように、被処理水中への過酸化水素の添加は、上記反応が円滑に進行するよう被処理水に添加されたオゾンの量に十分見合うだけの量を添加するとともに、OH- の消費に伴う上記反応の低下を抑制するために、被処理水をアルカリ側に制御するための塩基に関しても被処理水に添加されたオゾンの量に十分見合うだけの量を被処理水に添加することになることから、上記バッチ方式、間欠供給方式、連続供給方式の場合にとらわれず、必要に応じてさらに多くの量を供給することができる。
【0047】
また、本発明において、被処理水に塩基を添加する方法は特に限定されず、通常、実施が容易なことから、上述したように、塩基または該塩基の水溶液を被処理水中に直接添加することが好ましい。塩基としては、例えば、水酸化カリウムや水酸化ナトリウム等の強塩基性の物質を用いることができる。また、過酸化水素の供給に際しては、通常、被処理水に対し過酸化水素の水溶液を供給することにより容易に実施される。なお、オゾンや過酸化水素の添加や被処理水のpHを制御する工程は順不同により行うことができ、また、ほぼ同時に実行してもよい。 さらに、本発明において、被処理中にオゾンを添加する方法は、特に限定はされないが、例えば、大気中の酸素から光化学反応法、化学法、プラズマ法、放射線照射法、無声放電法および電気分解法等によりオゾンを生成し、生成したオゾンを高速撹拌により被処理水中に添加する方法を挙げることができる。また、被処理水中にオゾンを過飽和に達するまで溶解させる場合には、例えば、オゾンを加圧したり、あるいは、オゾンを溶解する被処理水を減圧条件下におき、強制的にオゾンを被処理水に添加することにより実施することができる。
【0048】
さらに、被処理水中に含有した有機物を酸化した後には、有機酸や各種イオンに代表される分解生成物が処理水中に生成し存在するため、処理水中よりこれらの生成物を除去する必要がある。ここで有機物の酸化に伴って生成した生成物の除去を行う方法としては、例えば処理水をイオン交換手段に導入して処理水中の生成物を除去する方法を挙げることができる。このとき、イオン交換手段としては、被処理水中の有機酸、微量の二酸化炭素あるいは他のイオン成分を除去するための強塩基性アニオン交換樹脂及びカチオン交換樹脂を充填した再生型もしくは非再生型の混床式イオン交換装置を好ましく用いることができ、イオン交換樹脂としては、新品もしくはそれに類する破砕が無く、イオン交換性能が高く、また溶出の無いものが望ましい。また、イオン交換手段として混床式イオン交換装置等を用いた場合、該混床式イオン交換装置に導入される被処理水にオゾンや過酸化水素が溶解していると、これらの酸化作用により、該混床式イオン交換装置に充填されたイオン交換樹脂が劣化し、劣化により破砕したイオン交換樹脂や該イオン交換樹脂に捕捉された物質が被処理水中に溶解することにより水質を悪化させることから、該混床式イオン交換装置に導入される被処理水よりオゾンや過酸化水素を予め除去しておくことが望ましい。なお、本発明は、市水、河川水、工業用水および工業排水等を原水とした純水製造工程に適用できるのはもちろん、細菌やウイルスを含有した水の殺菌工程等にも適用できることはいうまでもない。
【0049】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態について詳細に説明する。なお、各図面において、同一の構成には同一の符号を付し、図面ごとの説明は省略することにする。また、本発明は、その要旨を逸脱しないならば、本実施の形態に限定されるものではない。
【0050】
(実施例1および比較例1)
図1は、実施例1〜10および比較例に用いた水処理装置の構成を示した図である。
【0051】
図1において、符号1は被処理水を一時的に貯水するタンク、符号2はオゾン発生装置より生成したオゾン、過酸化水素および水酸化カリウムや水酸化ナトリウム等の塩基性物質の水溶液が供給され、被処理水中の有機物の酸化反応が実施される反応槽、符号3は反応槽2より供給された被処理水中に残留したオゾンや過酸化水素等の酸化剤を該被処理水中より除去する除去装置(活性炭吸着装置)、符号4は除去装置3より供給された被処理水中より有機酸、微量の二酸化炭素あるいは他のイオン成分を除去するためのイオン交換装置である。なお、イオン交換装置4のイオン交換容量は4.0eq/l−Resinである。本水処理装置によれば、タンク1に有機物を含有した被処理水が供給されると、処理が実施される被処理水は反応槽2に導入されてオゾンが供給されるとともに、該オゾンの供給状態が保たれたまま、過酸化水素および水酸化カリウムや水酸化ナトリウム等の塩基の水溶液が添加され、反応槽2において有機物の酸化反応が進行する。このとき、反応槽2における酸化反応の過程で、被処理水の水温は25℃に保たれるように制御されている。反応槽2における酸化反応が完了すると、反応槽2より除去装置3に被処理水が供給され、被処理水中に残留したオゾンや過酸化水素等の酸化剤は該被処理水中より除去される。そして、過酸化水素等の酸化剤が除去された被処理水は、イオン交換装置4に導入されて、該被処理水中より各種の有機酸、微量の二酸化炭素およびイオン成分が除去される。
【0052】
実施例1および比較例1では、図1に示した水処理装置をともに用いて、被処理水中のオゾンの濃度が15ppm(実施例1)および8ppm(比較例1)となるよう該被処理水にオゾンを添加し、反応工程中、このオゾンの供給状態を保つようにして水処理を行った。なお、実施例1および比較例1においては他の条件は全く同一であり、被処理水にはIPAがTOC濃度として10ppmとなるように添加されている。また、被処理水に対し、該被処理水中の過酸化水素およびKOHの初期濃度がそれぞれ20ppmおよび15ppmとなるよう過酸化水素およびKOHが添加された。また、反応層2における反応温度は25℃、反応時間は30分とした。さらに、タンク1より反応槽2に供給される過程で採水された被処理水中のTOCおよびイオン交換装置4を通過した処理水中のTOCは燃焼−非分散形赤外線ガス分析装置(島津製作所:TOC−5000)により検出され、この検出結果に基づいてTOCの除去率が算出された。その結果を、表1に示す。
【0053】
【表1】
表1から明らかなように、実施例1においては、比較例1と比べて、被処理水からのTOCの除去率が著しく向上したことが理解できる。
【0054】
したがって、被処理水中のオゾンの濃度を15ppmとした実施例1においては、被処理水中のオゾンの濃度を8ppmとした比較例1と比べIPAの酸化反応が円滑に進行したことが確認された。また、実施例1においては、処理水中のTOCの濃度が0.5ppmにまで低減できたので、例えば、半導体の生産工程より排出された排水を再生し、これを半導体の生産工程に再利用することも十分に可能であることが確認された。
【0055】
(実施例2)
被処理水中のオゾンの濃度を変動させた以外は、実施例1と全く同様にして水処理を行い、処理水中のTOCの分解率および除去率を算出した。このとき、処理水中のTOCの分解率は、タンク1より反応槽2に供給される過程で採水された被処理水中のTOCおよび反応槽2の出口で採水された処理水中のTOCを測定した結果に基づいて算出された。また、処理水中のTOCの除去率は、実施例1と同様に、タンク1より反応槽2に供給される過程で採水された被処理水中のTOCおよびイオン交換装置4を通過した処理水中のTOCを測定した結果に基づいて算出された。なお、処理水中のTOCは、実施例1と同様にして燃焼−非分散形赤外線ガス分析装置により検出された。その結果を図2に示す。なお、図2において、処理水中のTOCの分解率は破線、処理水中のTOCの除去率は実線により表されている。
【0056】
図2から明らかなように、処理水中のTOCの分解率および除去率のいずれにおいても、被処理水中のオゾンの濃度が10ppmを越えた時点で急激に上昇することが理解できる。
【0057】
したがって、被処理水中のオゾンの濃度を10ppm以上とすることで、IPAの酸化反応が円滑に進行したことが確認された。また、被処理水中のオゾンの濃度を10ppm以上とすれば、処理水中のTOCの分解率および除去率のいずれもが急激に上昇することから、被処理水中の有機物の分解・除去に要する時間を短縮し、例えば、半導体の生産工程より排出された排水を再生し、これを半導体の生産工程に効率的に再利用することも十分に可能であることが確認された。(実施例3〜実施例9)
実施例1において、被処理水中のオゾンの濃度を20ppmとし、有機物として表2に示す化合物を用いた以外は実施例1と同様にして水処理を行い、処理水中のTOCの除去率を算出した。その結果を表2に示す。
【0058】
【表2】
表2から明らかなように、実施例3〜実施例9においては、有機物を変更した場合においても、実施例1とほぼ同等またはそれ以上のTOCの除去率を示したことが理解できる。
【0059】
したがって、被処理水中のオゾンの濃度を20ppmとした場合には、有機物の種類によらず該有機物の酸化反応が円滑に進行したことが確認された。また、実施例3〜実施例9においては、有機物の種類によらず該有機物の酸化反応が円滑に進行したので、例えば、IPAを含有した排水に限らず、半導体の生産工程より排出された各種の排水を再生し、これを半導体の生産工程に再利用することも十分に可能であることが確認された。
【0060】
(実施例10および実施例11)
図3は、実施例10および11に用いた水処理装置の構成を示した図である。
図3に示した水処理装置において、各構成は図1に示した水処理装置と同様であるが、タンク1に有機物を含有した被処理水が供給されると、該被処理水は反応槽2に導入されてオゾンが供給されるとともに、該オゾンの供給状態が保たれたまま、過酸化水素および水酸化カリウムや水酸化ナトリウム等の塩基の水溶液が間欠的に供給される点が異なっている。また、本水処理装置において、被処理水は1m3 /hの割合で処理されるように構成されている。本実施例では、被処理水中のオゾンの濃度が15ppmとなるよう該被処理水にオゾンを添加し、反応工程中、このオゾンの供給状態を保つようにして水処理を行った。また、実施例10および実施例11においては、被処理水に10ppmとなるようIPA(実施例10)あるいはDMSO(実施例11)を添加した以外は、他の条件は全く同一であり、過酸化水素およびKOHの供給に際し、供給時における被処理水中の過酸化水素およびKOHの濃度がそれぞれ60ppmおよび7ppmとなるよう、過酸化水素およびKOHが添加された。また、過酸化水素に関しては30分ごとに、KOHに関しては5分ごとに被処理水に対して供給され、反応層2における反応温度は25℃であった。さらに、タンク1より反応槽2に供給される過程で採水された被処理水中のTOCおよびイオン交換装置4を通過した処理水中のTOCは燃焼−非分散形赤外線ガス分析装置(島津製作所:TOC−5000)により検出され、この検出結果に基づいて処理水中からのTOCの除去率が算出された。その結果、被処理水からのTOCの除去率は、実施例10においては98.2%、実施例11においては95.5%であった。
【0061】
したがって、IPAの酸化反応はもちろんのこと、DMSOの酸化反応に関しても円滑に進行したことが確認された。また、実施例1と比較して、処理水中のTOCの除去率が向上していることから、有機物の酸化反応をより最適に制御できていることが確認された。したがって、例えば、半導体の生産工程より排出された排水を再生し、これを半導体の生産工程に再利用することが十分に可能であることが確認された。
【0062】
(実施例12)
被処理水中のオゾンの濃度を変動させ、被処理水中の有機物の濃度をIPAが3ppm、DMSOが7ppmとなるようにした以外は、実施例10および11と全く同様にして水処理を行い、処理水中のTOCの分解率および除去率を算出した。このとき、処理水中のTOCの分解率は、タンク1より反応槽2に供給される過程で採水された被処理水中のTOCおよび反応槽2の出口で採水された処理水中のTOCを測定した結果に基づいて算出された。また、処理水中のTOCの除去率は、実施例1と同様に、タンク1より反応槽2に供給される過程で採水された被処理水中のTOCおよびイオン交換装置4を通過した処理水中のTOCを測定した結果に基づいて算出された。なお、処理水中のTOCは、実施例1と同様にして燃焼−非分散形赤外線ガス分析装置により検出された。その結果を図4に示す。なお、図4において、処理水中のTOCの分解率は破線、処理水中のTOCの除去率は実線により表されている
図4から明らかなように、処理水中のTOCの分解率および除去率のいずれにおいても、被処理水中のオゾンの濃度を25ppmとすることで、ほぼ全てのTOCの分解および除去が達成できることが理解される。また、処理水中のTOCの分解率および除去率のいずれにおいても、被処理水中のオゾンの濃度が10ppmを越えた時点で急激に上昇することが理解できる。
【0063】
したがって、被処理水中のオゾンの濃度を25ppmとすることで、IPAおよびDMSOが混合された有機物の酸化反応が十分に進行したことが確認された。また、IPAおよびDMSOを含有した被処理水に対しても、被処理水中のオゾンの濃度を10ppm以上とすれば、処理水中のTOCの分解率および除去率のいずれもが急激に上昇することから、被処理水中の有機物の分解・除去に要する時間を短縮し、例えば、半導体の生産工程より排出された排水を再生し、これを半導体の生産工程に効率的に再利用することも十分に可能であることが確認された。
【0064】
(実施例13および実施例14)
図5は、実施例13および14に用いた水処理装置の構成を示した図である。
図5に示した水処理装置において、各構成は図1に示した水処理装置と同様であるが、タンク1から反応槽2に被処理水が供給される過程で、被処理水に対しオゾンが供給されるとともに、該オゾンの供給状態が保たれたまま、過酸化水素および水酸化カリウムや水酸化ナトリウム等の塩基の水溶液が連続的に供給される点が異なっている。また、本水処理装置において、被処理水は1m3 /hの割合で処理されるように構成されている。本実施例では、被処理水中のオゾンの濃度が15ppmとなるよう該被処理水にオゾンを添加し、反応工程中、このオゾンの供給状態を保つようにして水処理を行った。また、実施例13および実施例14においては、被処理水に10ppmとなるようIPA(実施例13)あるいはDMSO(実施例14)を添加した以外は、他の条件は全く同一であり、過酸化水素およびKOHの供給に際し、被処理水中の過酸化水素の濃度が30ppm、被処理水のpHが8〜10となるよう、過酸化水素およびKOHが添加され、反応層2における反応温度は25℃であった。さらに、タンク1より反応槽2に供給される過程で採水された被処理水中のTOCおよびイオン交換装置4を通過した処理水中のTOCは燃焼−非分散形赤外線ガス分析装置(島津製作所:TOC−5000)により検出され、この検出結果に基づいて処理水中のTOCの除去率が算出された。その結果、被処理水からのTOCの除去率は、実施例13においては99.8%、実施例14においては99.5%であった。
【0065】
したがって、IPAおよびDMSOの酸化反応がより円滑に進行したことが確認された。また、実施例10および11と比較して、処理水中のTOCの除去率が向上していることから、有機物の酸化反応をさらに最適に制御できていることが確認された。したがって、例えば、半導体の生産工程より排出された排水を再生し、これを半導体の生産工程に再利用することが十分に可能であることが確認(実施例15)
図5の装置を使用して、塩基による分解反応への影響を確認するため、オゾン濃度を11ppm、過酸化水素とオゾンの重量比を3.0(重量比)、反応時間を24分間とした以外は実施例13および14と同一条件で、塩基の添加量をはかることによりpHの値を変えてDMSO10ppmを含む水の酸化処理を行った。なお、塩基としては、NaOHを使用した。
【0066】
結果は、pH7とした場合にはTOC除去率は98%、pH5とした場合にははTOC除去率は91%、pH10とした場合にはTOC除去率は79%であり、pH7近傍が最もTOC除去率が高くなることが確認された。
【0067】
(実施例16,17)
実施例1で使用した装置における反応槽1をオゾン溶解槽と反応槽の2槽に分割した以外は実施例1と同一の方法を用いて被処理水の酸化処理を行った[タンク−オゾン溶解槽−反応槽−除去装置−イオン交換装置](実施例15)。また、実施例1で使用した装置における反応槽1を、オゾン溶解槽と反応槽の2槽に分割するとともに、イオン交換装置の前段に逆浸透膜装置を配置した以外は実施例1と同一の方法を用いて被処理水の酸化処理を行った[タンク−オゾン溶解槽−反応槽−除去装置−逆浸透膜装置(東レ(株)製SU−710)−イオン交換装置](実施例16)。
【0068】
なお、これらの実施例におけるオゾン溶解槽は、被処理水にオゾンと過酸化水素と塩基を添加し均一に混合するためだけの槽で、オゾン、過酸化水素、塩基の溶解された被処理液はオゾン溶解槽から別の反応槽に送られ、ここで酸化剤か反応が行われる。このようにオゾン溶解槽と反応槽に分けることによりオゾン溶解槽を小形化することができた。
【0069】
反応槽における被処理水の処理条件は次のとおりである。
【0070】
オゾン濃度13ppm、H2 O2 /O3 =1.5、pH=7(NaOHによりコントロール)
なお、入り口TOC濃度は2ppmである。
【0071】
この実施例における各装置の出口配管におけるTOC濃度は次のとおりであっ
【0072】
【発明の効果】
以上、詳述したように、本発明による水処理方法によれば、被処理水に10ppm以上となるようオゾンを供給し、該オゾンの供給された被処理水に対して、前記オゾンの供給状態、すなわち10ppm以上の濃度のオゾンと過酸化水素を併用して有機物の酸化分解を行うようにしたので、被処理水中における有機物の酸化反応が著しく促進され、さらにイオン交換処理を併用することにより、被処理水中の有機物を効率的かつ効果的に分解除去することが可能となる。
【0073】
したがって、過酸化水素併用オゾン酸化において、半導体の洗浄工程で用いられた洗浄水、市水および工業用水等の原水中に含有された有機物(TOC)を高効率で分解し、該TOCがほぼ除去された純水を製造する水処理方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1−9および比較例に用いた水処理装置の構成を示した図である。
【図2】実施例2において、処理水中のTOCの分解率および除去率を算出した結果を示した図である。
【図3】実施例10−12に用いた水処理装置の構成を示した図である。
【図4】実施例12において、処理水中のTOCの分解率および除去率を算出した結果を示した図である。
【図5】実施例13および14に用いた水処理装置の構成を示した図である。
【図6】オゾンの溶解度(CL )を示した図である。
【図7】被処理水に含有された有機物としてIPAを用い、過酸化水素の濃度を変化させて過酸化水素併用オゾン酸化を行った結果を示した図である。
【図8】被処理水に含有された有機物としてDMSOを用い、過酸化水素の濃度を変化させて過酸化水素併用オゾン酸化を行った結果を示した図である。
【図9】被処理水に含有された有機物としてIPAを用い、塩基性物質(KOH)の濃度を変化させて過酸化水素併用オゾン酸化を行った結果を示した図である。
【図10】被処理水に含有された有機物としてDMSOを用い、塩基性物質(KOH)の濃度を変化させて過酸化水素併用オゾン酸化を行った結果を示した図である。
【符号の説明】
1……タンク 2……反応槽
3……除去装置 4……イオン交換装置
Claims (8)
- 被処理水に過酸化水素及び塩基を供給するとともにオゾンを10〜25ppmの濃度に溶解させ、オゾン濃度と過酸化水素の濃度比(H2 O2 /O3 (重量比))を1.0〜5.0として被処理水中に溶解して、有機物を有機酸に酸化分解する工程と、前記有機物を酸化分解させる工程における未反応酸化剤を除去する工程と、前記有機物を酸化分解させる工程及び前記未反応酸化剤を除去する工程を経た被処理水に対してイオン交換を実行し、前記有機酸を除去する工程と、を具備したことを特徴とする純水を製造する水処理方法。
- 有機物を酸化分解させる工程における被処理水のpHが5〜8であることを特徴とする請求項1記載の純水を製造する水処理方法。
- 前記オゾンの溶解を、攪拌機で生じたキャビテーション現象により行うことを特徴とする請求項1又は2記載の純水を製造する水処理方法。
- 被処理水にオゾンを10〜25ppmの濃度に溶解させる酸化剤溶解槽と、未反応の酸化剤を除去する酸化剤除去槽と、イオン交換装置とを被処理水の流路に沿って配設するとともに、前記酸化剤溶解槽又は前記酸化剤除去槽に被処理水を供給する流路に過酸化水素を供給し、オゾン濃度と過酸化水素の濃度比(H 2 O 2 /O 3 (重量比))を1.0〜5.0とする過酸化水素供給装置及び塩基を供給する塩基供給装置と、を設け、被処理水中の有機物を有機酸に酸化分解し、この有機物を前記イオン交換装置で除去することを特徴とする純水を製造する水処理装置。
- イオン交換装置の前段に、未反応の酸化剤を除去する酸化剤除去槽を配設してなることを特徴とする請求項4記載の純水を製造する水処理装置。
- 酸化剤溶解槽の前段及び/又はイオン交換装置の前段に、逆浸透膜装置を配設したことを特徴とする請求項4又は5記載の純水を製造する水処理装置。
- 被処理水を供給するタンクを具備することを特徴とする請求項4乃至6のいずれか1記載の純水を製造する水処理装置。
- 前記酸化剤溶解槽に、キャビテーション現象を生じさせることができる攪拌機を具備することを特徴とする請求項4乃至7のいずれか1項記載の純水を製造する水処理装置。
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