JP3789538B2 - チエノピリミジン誘導体、その製造法および用途 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、優れた性腺刺激ホルモン放出ホルモン拮抗作用を示すチエノ〔2,3−d〕ピリミジン誘導体,その製造法およびこれを含有する医薬に関する。
【0002】
【従来の技術】
下垂体前葉ホルモンの分泌は、それぞれのホルモンの標的臓器から分泌される末梢ホルモン及び下垂体前葉の上位中枢である視床下部から分泌される分泌促進あるいは分泌抑制ホルモン(以下、本明細書においては、これらホルモン群を視床下部ホルモンと総称する。)の調節を受けている。現在までのところ、視床下部ホルモンとして例えば甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン(TRH)あるいは性腺刺激ホルモン放出ホルモン{GnRH(Gonadotropin releasing hormone):黄体形成ホルモン放出ホルモン〔LH−RH(Luleinizing hormone releasing hormone)〕とも呼ばれる}など9種の存在が確認されている(入来正躬、外山敬介編、生理学2、文光堂、P610-618、1986年)。これら視床下部ホルモンは下垂体前葉に存在すると考えられている受容体を介して、そのホルモン作用等を現すと推定されており(同)、ヒトの場合もふくめこれらに特異的な受容体遺伝子の解析が進められている(井村裕夫、他編、レセプター基礎と臨床、朝倉書店、p297-304、1993年)。従って、これら受容体に対する特異的かつ選択的な拮抗薬あるいは作動薬は、視床下部ホルモンの作用を調節し下垂体前葉ホルモンの分泌を制御することになる。この結果として、こうした下垂体前葉ホルモン依存性の疾患に対してその予防あるいは治療を期待することが出来る。
視床下部ホルモンのひとつである性腺刺激ホルモン放出ホルモン(以下GnRHと略称することもある)〔シャリー・エー・ブイ(Schally A. V.)ら、ジャーナル・オブ・バイオロジカル・ケミストリー(J. Biological Chemistry),246巻、7230-7236頁、1971年およびブルガス・アール(Burgus, R.)ら、プロシーデイング・オブ・ナチュラル・アカデミック・サイエンス・ユー・エス・エー(Proc. Natl. Acad. Sci.USA)、69巻、278-282頁、1972年〕の高活性誘導体である酢酸リュープロレリン〔藤野ら、バイオケミカル・アンド・バイオフイジカル・リサーチ・コミュニケーションズ(Biochemical and Biophysical Research Communications),60巻、406-413頁,1974年、およびオリバー・アール・ティー・デー(Oliver, R. T. D.)ら、ブリティシュ・ジャーナル・オブ・キャンサー(Br. J. Cancer),59巻、823頁、1989年および戸口ら,ジャーナル・オブ・インターナショナル・メディカル・リサーチ(J.Int.Med.Res.),18巻、35-41頁、1990年〕は、反復投与することにより、下垂体における性腺刺激ホルモンの放出・産生を低下させ、精巣および卵巣における性腺刺激ホルモンに対する反応性の低下を起こし、テストステロンおよびエストロゲンの分泌を抑制する。その結果、こうしたホルモン依存性の癌例えば前立腺癌に対して抗腫瘍活性を示すことが知られており臨床応用されている。酢酸リュープロレリンは、また、子宮内膜症や、思春期早発症などの治療薬としても臨床で広く用いられている。酢酸リュープロレリンの高い抗癌活性は、天然型GnRHと比較して蛋白分解酵素に対する抵抗性が高いこと、またGnRH受容体に対する親和性が高くレセプター数の減少によるGnRHの反応性の低下(desensitization)を起こすことに起因すると推定されている。しかしながら、酢酸リュープロレリンは、GnRH受容体に対する超作動薬であるため、初回投与直後に下垂体−性腺刺激作用(急性作用)による血清テストステロン濃度の上昇を伴った一過性の増悪が認められることが知られている。
このような背景のもとに、同様の治療効果を有し、しかも上記の一過性の下垂体−性腺刺激作用(急性作用)を起こさないと期待されるGnRH拮抗薬が望まれている。このようなGnRH拮抗作用を有する化合物としては、GnRHの誘導体である直鎖状ペプチド(米国特許第 5140009 号,同 5171835 号)、環状ヘキサペプチド誘導体(特開昭61-191698)や2環性ペプチド誘導体〔ジャーナル・オブ・メディシナル・ケミストリー(Journal of Medicinal Chemistry)、36巻、3265-3273頁、1993年〕など数多く知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これらの化合物はすべてペプチド性であることから、投与形態、薬剤の安定性、作用の持続性、代謝に対する安定性等の多くの問題点が残されている。これらの点を解決するために、経口性のGnRH拮抗薬、特に非ペプチド性の拮抗薬が強く要望されている。
本発明は、優れたGnRH拮抗作用を有するチエノ〔2,3−d〕ピリミジン誘導体、その製造法およびその用途を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、種々のチエノ〔2,3−d〕ピリミジン誘導体を製造し、その作用を検討していたところ、特定のチエノ〔2,3−d〕ピリミジン誘導体が、極めて優れたGnRH拮抗作用を有することを見いだした。本発明者らは、この知見に基づいてさらに研究した結果、本発明を完成した。
【0005】
即ち本発明は、
(1).一般式
【化9】
{式中、R1は水素、アルキル基または式−(CH2)pQ〔式中、pは0〜3の整数を、Qは(1)1個または2個以上の(i)ハロゲン,(ii)ニトロ,(iii)シアノ,(iv)アミノ,(v)置換されていてよいカルボキシル基,(vi)アルキレンジオキシ基または(vii)式−A−R5(式中、Aは化学結合もしくは介在基を、R5はアルキル基を示す)で表される基で置換されていてもよいアリール基、(2)置換されていてもよいシクロアルキル基または(3)置換されていてもよい複素環基を示す〕で表される基を、R2は水素,アルコキシで置換されていてもよいアルキル基,置換されていてもよいアリール基,置換されていてもよいアラルキル基または置換されていてもよいシクロアルキル基を、R3は置換されていてもよいアミノ基を、R4は置換されていてもよいアリール基を、rは0〜3の整数を示す}で表される化合物またはその塩、
(2).Aで表される介在基が−O−または−S(O)m−(式中、mは0〜2の整数を示す)で示される基である第(1)項記載の化合物、
(3).R1が式−(CH2)pQ〔式中、pは0〜3の整数を、Qは1個または2個以上の(i)ハロゲンおよび(ii)式−A−R5(式中、Aは−O−または−S(O)m−(式中、mは0〜2の整数を示す)を、R5はアルキル基を示す)で表される基で置換されていてもよいアリール基を示す〕で表される基である第(1)項記載の化合物、
(4).R2が(1)アルコキシで置換されていてもよいアルキル基、(2)1個または2個以上の(i)アミノ,(ii)アシル,(iii)カルバモイル,(iv)カルボキシ,(v)ニトロ,(vi)ヒドロキシ,(vii)アルコキシで置換されていてもよいアルコキシ,(viii)ハロゲンおよび(ix)式−S(O)n−R6(式中、nは0〜2の整数を、R6はアルキル基を示す)で表される基で置換されていてもよいアリール基、(3)ハロゲンで置換されていてもよいアラルキル基または(4)シクロアルキル基である第(1)項記載の化合物、
(5).R2が(1)アルコキシで置換されていてもよいアルキル基、(2)1個または2個以上の(i)ヒドロキシ,(ii)アルコキシで置換されていてもよいアルコキシ,(iii)ハロゲンおよび(iv)式−S(O)n−R6(式中、nは0〜2の整数を、R6はアルキル基を示す)で表される基で置換されていてもよいアリール基、(3)アラルキル基または(4)シクロアルキル基である第(4)項記載の化合物、
(6).R2が1個または2個以上の(1)アルコキシで置換されていてもよいアルコキシ、(2)ハロゲンおよび(3)式−S(O)n−R6(式中、nは0〜2の整数を、R6はアルキル基を示す)で表される基で置換されていてもよいアリール基である第(4)項記載の化合物、
(7).R3が式
【化10】
〔式中、R22'は(1)1個または2個以上の(i)アミノ,(ii)アシル,(iii)カルバモイル,(iv)カルボキシ,(v)ニトロ,(vi)ヒドロキシ,(vii)アルコキシで置換されていてもよいアルコキシ,(viii)ハロゲン,(ix)アルキルおよび(x)式−S(O)n−R6(式中、nは0〜2の整数を、R6はアルキル基を示す)で表される基で置換されていてもよいアリール基、(2)1個または2個以上の(i)アミノ,(ii)アシル,(iii)カルバモイル,(iv)カルボキシ,(v)ニトロ,(vi)ヒドロキシ,(vii)アルコキシ,(viii)ハロゲン,(ix)アルキルおよび(x)式−S(O)n−R6(式中、nは0〜2の整数を、R6はアルキル基を示す)で表される基で置換されていてもよい複素環基、(3)ハロゲンで置換されていてもよいアラルキル基、(4)式
【化11】
(式中、R24は水素,アルキル基またはアリール基を、R25は水素またはアルキル基を示し、R24とR25とが隣接する窒素原子と共に5〜7員含窒素環状基(該基は置換されていてもよい)を形成してもよい。xは0〜3の整数を示す)で表される基または(5)アルキルチオで置換されていてもよいアルキル基を、wは0〜3の整数を示し、R23'は水素またはアルキル基を示す。〕で表される基である第(1)項記載の化合物、
(8).R3が式
【化12】
〔式中、R22'''は(1)アルキルチオで置換されていてもよいアリール基、(2)複素環基、(3)式
【化13】
(式中、R24'は水素またはアルキル基を、R25'は水素またはアルキル基を示し、R24'とR25'とが隣接する窒素原子と共に5〜7員含窒素環状基を形成していてもよい。)で表される基または(4)アルキルチオで置換されていてもよいアルキル基を、wは0〜3の整数を示し、R23'''は水素またはアルキル基を示す。〕で表されるアミノ基である第(1)項記載の化合物、
(9).R4が1個または2個以上の(1)置換されていてもよいアミノ基、(2)アシル、(3)置換されていてもよいカルバモイル基、(4)カルボキシ、(5)ニトロ、(6)ヒドロキシ、(7)置換されていてもよいアルコキシおよび(8)置換されていてもよいアルケニル基で置換されていてもよいアリール基である第(1)項記載の化合物、
(10).R4が1個または2個以上の(1)式
【化14】
〔式中、R11'は(i)水素,(ii)アルキル,(iii)置換されていてもよいアルコキシ,(iv)置換されていてもよいアシルまたは(v)式−S(O)n−R6(式中、nは0〜2の整数を、R6はアルキル基を示す)で表される基を、R12'は水素またはアルキル基を示す。〕で表される基、(2)アシル、(3)カルバモイル、(4)N−モノまたはジ−アルキルカルバモイル、(5)ニトロ、(6)1個または2個以上のアルコキシ,アルカノイル,オキソ,ヒドロキシ,シクロアルキルおよびハロゲンで置換されていてもよいアルコキシ基,(7)アルコキシカルボニルまたはアルキルカルボニルでさらに置換されていてもよいアルケニル基および(8)アルケニルオキシで置換されていてもよいアリール基である第(1)項記載の化合物、
(11).R4が1個またはそれ以上の(1)式
【化15】
〔式中、R11''は(i)水素,(ii)アルキル,(iii)ハロゲンまたはアルコキシで置換されていてもよいアルコキシ,(iv)ホルミル,(v)ハロゲンまたはアルコキシで置換されていてもよいアルカノイル,(vi)ベンゾイルまたは(vii)式−S(O)n−R6(式中、nは0〜2の整数を、R6はアルキル基を示す)で表される基を、R12''は水素またはアルキル基を示す。〕で表される基、(2)アルコキシ,アルカノイルまたはシクロアルキルで置換されていてもよいアルコキシ基、(3)N−モノまたはジ−アルキルカルバモイル、(4)ニトロ,(5)アルコキシカルボニルまたはアルキルカルボニルでさらに置換されていてもよいアルケニル基または(6)アルケニルオキシで置換されていてもよいアリール基である第(1)項記載の化合物。
(12).化合物が2,4(1H,3H)−ジオキソ−5−(N−ベンジル−N−メチルアミノメチル)−1−(2−クロロ−6−フルオロベンジル)−6−(4−メトキシフェニル)−3−フェニルチエノ〔2,3−d〕ピリミジンまたはその塩である第(1)項記載の化合物、
(13).化合物が2,4(1H,3H)−ジオキソ−1−(2,6−ジフルオロベンジル)−6−(4−プロピオニルアミノフェニル)−5−(N−ベンジル−N−メチルアミノメチル)−3−(3−メトキシフェニル)チエノ〔2,3−d〕ピリミジンまたはその塩である第(1)項記載の化合物、
(14).化合物が2,4(1H,3H)−ジオキソ−1−(2,6−ジフルオロベンジル)−6−(4−イソブチリルアミノフェニル)−5−(N−ベンジル−N−メチルアミノメチル)−3−(3−メトキシフェニル)チエノ〔2,3−d〕ピリミジンまたはその塩である第(1)項記載の化合物、
(15).一般式
【化16】
{式中、R1は水素、アルキル基または式−(CH2)pQ〔式中、pは0〜3の整数を、Qは(1)1個または2個以上の(i)ハロゲン,(ii)ニトロ,(iii)シアノ,(iv)アミノ,(v)置換されていてもよいカルボキシル基,(vi)低級アルキレンジオキシ基または(vii)式−A−R5(式中、Aは化学結合もしくは介在基を、R5はアルキル基を示す)で表される基で置換されていてもよいアリール基,(2)置換されていてもよいシクロアルキル基または(3)置換されていてもよい複素環基を示す〕で表される基を、R2は水素、アルコキシで置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアリール基、置換されていてもよいアラルキル基、置換されていてもよいシクロアルキル基を、R4は置換されていてもよいアリール基を、Xは脱離基を、rは0〜3の整数を示す}で表される化合物又はその塩と、一般式 R3−H 〔式中、R3は置換されていてもよいアミノを示す〕で表される化合物又はその塩とを反応させることを特徴とする第(1)項記載の化合物又はその塩の製造法、
(16).第(1)項記載の化合物またはその塩を含有する医薬、
(17).性腺刺激ホルモン放出ホルモン拮抗剤である第(16)項記載の医薬、および
(18).性ホルモン依存性疾患予防治療剤である第(17)項記載の医薬である。
【0006】
【発明の実施の形態】
本文中の化合物の骨格となる2,4(1H,3H)−ジオキソ−チエノ〔2,3−d〕ピリミジンは、次式で表わされる。
【化17】
【0007】
上記R1およびR5で表されるアルキル基およびR2で表わされるアルコキシで置換されていてもよいアルキル基におけるアルキル基としては、C1-6のアルキル基が挙げられ、その例としては、例えばメチル,エチル,n−プロピル,イソプロピル,n−ブチル,イソブチル,sec-ブチル,t-ブチル,ペンチル,ヘキシル等が挙げられ、なかでも炭素数1〜3のアルキル基が好ましい。
上記Qにおけるアリール基、R2及びR4で表される置換されていてもよいアリール基におけるアリール基としては、例えば単環式または縮合多環式芳香族炭化水素基が挙げられる。好ましい具体例としては、例えばフェニル、ナフチル、アントリル、フェナントリル、アセナフチレニルなどのC6-14アリール基などが挙げられ、なかでもフェニル、1−ナフチル、2−ナフチルなどが好ましい。
該アリール基への置換基の数は1個または2個以上、好ましくは1〜3個である。該置換基としては、例えば(1)C1-6アルキル基(例、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、ペンチル、ヘキシルなど。該アルキル基は、アルキル−カルボニル、アルコキシ−カルボニルで置換されていてもよい。)、(2)置換されていてもよいC2-6アルケニル基(例、ビニル、アリル(allyl)、1−ブテニル、2−ブテニルなど。該アルケニル基は、1個または2個以上のC1-10アシルまたはC1-6アルコキシ−カルボニルで置換していてもよい。)、(3)C2-6アルキニル基(例、エチニル、プロパルギル、2-ブチニル、5−ヘキシニルなど)、(4)C3-7シクロアルキル基(例、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルなど)、(5)C6-14アリール基(例、フェニル、ナフチルなど。該アリール基は、置換基として、1個または2個以上の(i)ハロゲン,(ii)アルキル,(iii)アルコキシでさらに置換されていてもよいアルコキシ,(iv)ニトロ,(v)シアノ,(vi)式−S(O)n−R6(式中、nは0〜2の整数を、R6はアルキル基又はアミノを示す。)で示される基,(vii)アミノ,(viii)アシル,(ix)カルバモイル,(x)カルボキシおよび(xi)ヒドロキシを有していてもよい。)、(6)複素環基[例、窒素原子、酸素原子及び硫黄原子から選ばれる1ないし4個のヘテロ原子を含有する5ないし9員の芳香族複素環基(例、フリル、チエニル、ピロリル、チアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、ピリジルなど)、窒素原子、酸素原子及び硫黄原子から選ばれる1ないし4個のヘテロ原子を含有する5ないし9員の非芳香族複素環基(例、オキシラニル、アゼチジニル、オキセタニル、チエタニル、ピロリジニル、テトラヒドロフリル、チオラニル、ピペリジニル、テトラヒドロピラニル、モルホリニル、チオモルホリニル、ピペラジニルなど)。該複素環基は、1個または2個以上の(i)ハロゲン,(ii)アルキル,(iii)アミノ,(iv)アシル,(v)カルバモイル,(vi)カルボキシ,(vii)ニトロ,(viii)ヒドロキシ,(ix)アルコキシおよび(x)式−S(O)n−R6(式中、nは0〜2の整数を、R6はアルキル基を示す。)で表される基を置換基として有していてもよい。〕、(7)C7-13アラルキル基(例、ベンジル、フェネチル、ベンツヒドリルなど。該アラルキル基は、1個または2個以上のハロゲンを有していてもよい。)、(8)式
【化18】
〔式中、R11は(i)水素、(ii)ヒドロキシで置換されていてもよいC1-6アルキル、(iii)アシル(例、C1-6アルキル−カルボニル、ホルミル、アリールカルボニル。該アシルは1個または2個以上のハロゲンまたはアルコキシで置換されていてもよい。)、(iv)置換されていてもよいアルコキシ、(v)ヒドロキシで置換されていてもよいC3-7シクロアルキル、(vi)式−S(O)n−R6(式中、nは0〜2の整数を、R6はアルキル基を示す。)で表される基を示す。R12は水素またはC1-6アルキルを示す。〕で表される基、(9)式
【化19】
(式中、R24は水素,アルキル基またはアリール基を、R25は水素またはアルキル基を示し、R24とR25とが隣接する窒素原子と共に置換基を有していてもよい5〜7員含窒素環状基を形成していてもよい。xは0〜3の整数を示す)で表される基、(10)アミジノ基、(11)アシル基(例えば、ホルミル、アセチル、プロピオニル、ブチリル、オクタノイルなどのC1-8アルカノイル基、例えばメトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、ブトキシカルボニルなどのC1-8アルコキシカルボニル基、ベンゾイルなどのC6-14アリール−カルボニル基、ベンジルカルボニルなどのC8-11アラルキルカルボニル基、ベンジルオキシカルボニルなどのC7-12アラルキルオキシ−カルボニルなど。これらは置換されていてもよく、置換基としては例えば、1〜3個のハロゲン、アルキルチオ、アルコキシ、オキソ、ヒドロキシが挙げられる。)、(12)置換されていてもよいカルバモイル基(例、カルバモイル、N-モノ置換カルバモイル基(例えば、メチルカルバモイル、エチルカルバモイル、プロピルカルバモイル、イソプロピルカルバモイルなどのN−(C1-7アルキル)カルバモイル基など)、N,N-ジ置換カルバモイル基(例えば、ジメチルカルバモイル、ジエチルカルバモイル、N−エチル−N−メチルカルバモイル、N−プロピル−N−メチルカルバモイルなどのN,N-ジ(C1-6アルキル)カルバモイル基など)、(13)スルファモイル基、(14)N-モノ置換スルファモイル基(例えば、メチルスルファモイル、エチルスルファモイル、プロピルスルファモイル基などのN-(C1-6アルキル)スルファモイル基など)、(15)N,N-ジ置換スルファモイル基(例えば、ジメチルスルファモイル、ジエチルスルファモイルなどのN,N-ジ(C1-6アルキル)スルファモイル基など)、(16)カルボキシル基、(17)C1-3アルコキシ−カルボニル基(例、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニルなど)、(18)ヒドロキシル基、(19)置換基を有していてもよいアルコキシ基(例、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、sec-ブトキシ、t-ブトキシ、ペンチロキシ、ヘキシロキシなど。置換基としては、例えば、C1-6アルカノイル(前述と同様のものが挙げられる)、C1-3アルキル基、ハロゲン、C1-3アルキルチオ、C1-3アルコキシ、C3-7シクロアルキル(前述と同様のものが挙げられる)、オキソ、水酸基が挙げられる。)、(20)C2-4アルケニルオキシ基(例、ビニルオキシ、アリルオキシなど)、(21)C3-7シクロアルキル−オキシ基(例えばシクロプロピルオキシ、シクロペンチルオキシ、シクロヘキシルオキシなど)、(22)C7-13アラルキル−オキシ基(例えばベンジルオキシ、ベンツヒドリルオキシなど)、(23)C6-14アリールオキシ基(例、フェニルオキシ、ナフチルオキシなど)、(24)メルカプト基、(25)C7-13アラルキルチオ基(例えばベンジルチオ、ベンツヒドリルチオなど)、(26)C6-14アリールチオ基(例えばフェニルチオ、ナフチルチオなど)、(27)式−S(O)n−R6(式中、nは0〜2の整数を、R6はアルキル基を示す。)で表される基(例、メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、メチルスルフィニル、エチルスルフィニル、プロピルスルフィニル、メチルスルホニル、エチルスルホニル、プロピルスルホニルなど)、(28)C1-3アルキレンジオキシ(例、メチレンジオキシ、エチレンジオキシ、プロピレンジオキシなど)、(29)スルホ基、(30)シアノ基、(31)アジド基、(32)ニトロ基、(33)ニトロソ基、(34)ハロゲン(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素)などが挙げられる。
【0008】
上記におけるR1のQおよびR2で表される置換されていてもよいシクロアルキル基におけるシクロアルキル基としては、例えばC3-10シクロアルキル基やC3-10ビシクロアルキル基が挙げられる。それらの具体例としては、例えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、ビシクロ〔2,2,1〕ヘプチル、ビシクロ〔2,2,2〕オクチル、ビシクロ〔3,2,1〕オクチル、ビシクロ〔3,2,1〕ノニル、ビシクロ〔4,2,1〕ノニル、ビシクロ〔4,3,1〕デシルなどが挙げられる。なかでも、シクロペンチル、シクロヘキシルが好適である。
該シクロアルキル基の置換基は、前記のR2やR4で表されるアリール基における置換基と同様のものが挙げられる。なかでも、アルキル、アルコキシ、ハロゲンが好適である。
【0009】
上記R1のQで表される置換されていてもよい複素環基における複素環基としては、例えば環を構成する原子(環原子)として、酸素(O)、硫黄(S)、及び窒素(N)から選ばれる1ないし4個のヘテロ原子を有する5ないし13員環の芳香族複素環基、または飽和あるいは不飽和の非芳香族複素環基(脂肪族複素環基)などが挙げられる。
芳香族複素環基の好適なものとして、例えばフリル、チエニル、ピロリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、1,2,3-オキサジアゾリル、1,2,4-オキサジアゾリル、1,3,4-オキサジアゾリル、フラザニル、1,2,3-チアジアゾリル、1,2,4-チアジアゾリル、1,3,4-チアジアゾリル、1,2,3-トリアゾリル、1,2,4-トリアゾリル、テトラゾリル、ピリジル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、トリアジニルなどの芳香族単環式複素環基;例えばベンゾフラニル、イソベンゾフラニル、ベンゾ〔b〕チエニル、インドリル、イソインドリル、1H-インダゾリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾオキサゾリル、1,2-ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、1,2-ベンゾイソチアゾリル、1H-ベンゾトリアゾリル、キノリル、イソキノリル、シンノリニル、キナゾリニル、キノキサリニル、フタラジニル、ナフチリジニル、プリニル、プテリジニル、カルバゾリル、α-カルボリニル、β-カルボリニル、γ-カルボリニル、アクリジニル、フェノキサジニル、フェノチアジニル、フェナジニル、フェノキサチイニル、チアントレニル、フェナントリジニル、フェナントロリニル、インドリジニル、ピロロ〔1,2-b〕ピリダジニル、ピラゾロ〔1,5-a〕ピリジル、イミダゾ〔1,2-a〕ピリジル、イミダゾ〔1,5-a〕ピリジル、イミダゾ〔1,2-b〕ピリダジニル、イミダゾ〔1,2-a〕ピリミジニル、1,2,4-トリアゾロ〔4,3-a〕ピリジル、1,2,4-トリアゾロ〔4,3-b〕ピリダジニルなどの芳香族縮合複素環基などが挙げられる。
非芳香族複素環基として好適には、例えばオキシラニル、アゼチジニル、オキセタニル、チエタニル、ピロリジニル、テトラヒドロフリル、チオラニル、ピペリジル、テトラヒドロピラニル、モルホリニル、チオモルホリニル、ピペラジニルなどが挙げられる。
該複素環基としては、なかでも、フリル、チエニル、チアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、ピリジル、ピリミジル、ベンゾフリル、インドリルおよびキノリルが好適である。
また、該複素環基は適当な置換基を1個または2個以上、好ましくは1〜3個有していてもよく、該置換基は前記のR2およびR4で表される置換されていてもよいアリール基における置換基と同様のものが挙げられる。なかでも、ハロゲン、アルキル、アルキルチオ、アルコキシが好適である。
【0010】
上記式中、Qで表されるアリールの置換基であるハロゲンとしては、フッ素,塩素,臭素,ヨウ素が挙げられる。
上記Qにおける置換基を有していてもよいカルボキシル基における置換基としては、例えばアルキル、シクロアルキル、アリール、アラルキル、複素環基等が挙げられ、これらは前記と同意義を有する。
上記Qにおけるアルキレンジオキシとしては、例えばC1-6アルキレンジオキシ(例、メチレンジオキシ,エチレンジオキシ,プロピレンジオキシ,2,2−ジメチルメチレンジオキシ等)が挙げられる。
上記Aで表される介在基としては、例えばC1-4アルキレン(例、メチレン,エチレン等)、C2-6アルケニレン(例、ビニレン,ブタジエニレン等)、−(CH2)cNR26−〔式中、cは0〜3の整数を、R26は水素またはC1-6アルキル(具体例は、前記と同様のものを示す。)を示す〕で表される基、−CO−、−CONR27−〔式中、R27は水素,C1-6アルキル(具体例は、前記と同様のものを示す。),C3-7シクロアルキル(具体例は、前記と同様のものを示す。),C6-14アリール(具体例は、前記と同様のものを示す。),複素環基(具体例は、前記と同様のものを示す。)〕で表される基、−S(O)m−(mは0〜2の整数を示す。)で表される基、−O−、−NR27S(O)z−(式中、zは0〜2の整数を示し、R27は前記と同意義を有する)で表される基などが挙げられる。
【0011】
基R2で示されるアルコキシで置換されていてもよいアルキルにおけるアルコキシとしては、C1-6アルコキシが挙げられる。
上記R2で表される置換されていてもよいアラルキル基におけるアラルキル基としては、例えばアリール−アルキル基が挙げられる。該アリールとしては、上記R2で表される置換されていてもよいアリール基におけるアリール基と同意義を有する。該アルキルとしては、例えばメチル,エチル,プロピル,ブチル,ペンチル,ヘキシル等のC1-6アルキル基が挙げられる。該置換基は、上記R2およびR4で表される置換されていてもよいアリール基における置換基と同様のものが挙げられる。
【0012】
上記R3で表される置換されていてもよいアミノ基としては、例えば、(1)式
【化20】
(式中、R22はそれぞれ置換されていてもよい、アルキル基,シクロアルキル基,アリール基または複素環基を、wは0〜3の整数を、R23は水素、置換されていてもよいアルキル基を示す。)で表される基,(2)ヘキサメチレンテトラアミノが挙げられる。該基におけるアルキル基、シクロアルキル基、アリール基及び複素環基は前記と同意義を有する。これらに置換していてもよい基の例としては、上記R2およびR4で表される置換されていてもよいアリール基における置換基と同様のものが挙げられる。
【0013】
Aで表される介在基の好ましい例としては、−O−または−S(O)m−(式中、mは0〜2の整数を示す。)で示される基が挙げられる。
基R1の好ましい例としては、式Q−(CH2)p−(式中、Qおよびpは前記と同意義を示す。)で表される基が挙げられる。
上記式中、基R1の好ましい例としては、例えば水素または式−(CH2)pQ’〔式中、Q’は、ハロゲン,ニトロ,シアノ,アミノ又は式−A'−R5’(式中、A’は−O−又は−S−を、R5’はアルキルを示す)で表わされる基で置換されていてもよいアリール基を示す。pは前記と同意義を有する〕で表される基が挙げられる。
R1のさらに好ましい例としては、式−(CH2)pQ〔式中、pは0〜3の整数を、Qは1個または2個以上の(i)ハロゲンおよび式−A−R5(式中、Aは−O−または−S(O)m−(式中、mは0〜2の整数を示す)を、R5はアルキル基を示す)で表される基で置換されていてもよいアリール基を示す〕で表される基が挙げられる。
R1のさらに好ましい例としては、ハロゲンもしくは式−A''−R5''(式中、A''は−O−又は−S−を、R5''はアルキル基を示す)で表される基で置換されていてもよいC6-14アリール−メチル基が挙げられる。
R1のさらに好ましい例としては、式Q'''−(CH2)p−(式中、Q'''はハロゲンで置換されていてもよいアリールを、pは0〜3の整数を示す。)で表される基が挙げられる。
【0014】
R2の好ましい例としては、(1)アルコキシで置換されていてもよいアルキル基、(2)1個または2個以上の(i)アミノ,(ii)アシル,(iii)カルバモイル,(iv)カルボキシ,(v)ニトロ,(vi)ヒドロキシ,(vii)アルコキシで置換されていてもよいアルコキシ,(viii)ハロゲンおよび(ix)式−S(O)n−R6(式中、nは0〜2の整数を、R6はアルキル基を示す)で表される基で置換されていてもよいアリール基、(3)ハロゲンで置換されていてもよいアラルキル基または(4)シクロアルキル基が挙げられる。
上記式中、基R2で示される基の好ましいものとしては、例えば、(1)C1-3アルコキシで置換されていてもよいC1-6アルキル基,(2)1個または2個以上のアミノ,アシル,カルバモイル,カルボキシ,ニトロ,ヒドロキシ,C1-3アルコキシ,スルホ,ハロゲンまたは式 −S(O)n−R6(式中、nは0〜2の整数を、R6はC1-3アルキルを示す。)で表される基で置換されていてもよいC6-14アリール基,(3)C3-10シクロアルキル基が挙げられる。
R2のさらに好ましい例としては、(1)アルコキシで置換されていてもよいアルキル基、(2)1個または2個以上の(i)ヒドロキシ,(ii)アルコキシで置換されていてもよいアルコキシ,(iii)ハロゲンおよび(iv)式−S(O)n−R6(式中、nは0〜2の整数を、R6はアルキル基を示す)で表される基で置換されていてもよいアリール基、(3)アラルキル基または(4)シクロアルキル基が挙げられる。 上記式中、基R2で示される基の好ましいものとしては、例えば、(1)C1-3アルコキシで置換されていてもよいC1-6アルキル基,(2)C1-3アルコキシもしくは式 −S(O)n−R6(式中、nは0〜2の整数を、R6はC1-3アルキルを示す。)で表される基で置換されていてもよいアリール基,(3)C3-10シクロアルキル基が挙げられる。
R2のさらに好ましい例としては、1個または2個以上の(1)アルコキシで置換されていてもよいアルコキシ、(2)ハロゲンおよび(3)式−S(O)n−R6(式中、nは0〜2の整数を、R6はアルキル基を示す)で表される基で置換されていてもよいアリール基が挙げられる。
【0015】
上記式中、R3で示される置換されていてもよいアミノ基の好ましい例としては、式
【化21】
〔式中、R22'は(1)1個または2個以上の(i)アミノ,(ii)アシル,(iii)カルバモイル,(iv)カルボキシ,(v)ニトロ,(vi)ヒドロキシ,(vii)アルコキシで置換されていてもよいアルコキシ,(viii)ハロゲン,(ix)アルキルおよび(x)式−S(O)n−R6(式中、nは0〜2の整数を、R6はアルキル基を示す)で表される基で置換されていてもよいアリール基、(2)1個または2個以上の(i)アミノ,(ii)アシル,(iii)カルバモイル,(iv)カルボキシ,(v)ニトロ,(vi)ヒドロキシ,(vii)アルコキシ,(viii)ハロゲン,(ix)アルキルおよび(x)式−S(O)n−R6(式中、nは0〜2の整数を、R6はアルキル基を示す)で表される基で置換されていてもよい複素環基、(3)ハロゲンで置換されていてもよいアラルキル基、(4)式
【化22】
(式中、R24は水素,アルキル基またはアリール基を、R25は水素またはアルキル基を示し、R24とR25とが隣接する窒素原子と共に5〜7員の含窒素環状基(該基は置換されていてもよい)を形成してもよい。xは0〜3の整数を示す)で表される基または(5)アルキルチオで置換されていてもよいアルキル基を、wは0〜3の整数を示し、R23'は水素またはアルキル基を示す。〕で表される基、またはヘキサメチレンテトラアミノ基が挙げられる。
上記式中、R3で表される置換されていてもよいアミノ基の好ましい例としては、例えば、式
【化23】
〔式中、R22''は(1)アルキル、(2)1個または2個以上のハロゲン,ニトロ,アルキルもしくは式−S(O)n−R6(式中、nは0〜2の整数を、R6はアルキルまたはアミノを示す。)で表される基で置換されていてもよいフェニル、(3)ハロゲンもしくはアルキルで置換されていてもよい複素環基または(4)N−モノ置換アルキルカルバモイルを示す。wは0〜3の整数を示す。R23''は水素又はアルキル基を示す。〕で表される基、またはヘキサメチレンテトラアミノ基が挙げられる。
基R3のさらに好ましい例としては、式
【化24】
〔式中、R22'''は(1)アルキルチオで置換されていてもよいアリール基、(2)複素環基、(3)式
【化25】
(式中、R24'は水素またはアルキル基を、R25'は水素またはアルキル基を示し、R24'とR25'とが隣接する窒素原子と共に5〜7員含窒素環状基を形成していてもよい。)で表される基または(4)アルキルチオで置換されていてもよいアルキル基を、wは0〜3の整数を示し、R23'''は水素またはアルキル基を示す。〕で表される置換されていてもよいアミノ基が挙げられる。
上記式中、R3で示される基のさらに好ましいものとしては、例えば、式
【化26】
〔式中、R22’は式−S(O)n−R6(式中、nは0〜2の整数を、R6はアルキルを示す。)で表される基で置換されていてもよいフェニルまたはピリジルを示す。wは0〜3の整数を示し、R23’は水素又はアルキル基を示す。〕で表される基が挙げられる。
【0016】
上記式中、R4で表される置換されていてもよいアリール基の好ましいものとしては、1個または2個以上の(1)置換されていてもよいアミノ基、(2)アシル、(3)置換されていてもよいアルバモイル基、(4)カルボキシ、(5)ニトロ、(6)ヒドロキシ、(7)置換されていてもよいアルコキシおよび(8)置換されていてもよいアルケニル基で置換されていてもよいアリール基が挙げられる。
R4のさらに好ましいものとしては、1個または2個以上の(1)式
【化27】
〔式中、R11'は(i)水素,(ii)アルキル,(iii)置換されていてもよいアルコキシ,(iv)置換されていてもよいアシルまたは(v)式−S(O)n−R6(式中、nは0〜2の整数を、R6はアルキル基を示す)で表される基を、R12'は水素またはアルキル基を示す。〕で表される基、(2)アシル、(3)カルバモイル、(4)N−モノまたはジ−アルキルアミノ、(5)ニトロ、(6)1個または2個以上のアルコキシ,アルカノイル,オキソ,ヒドロキシ,シクロアルキルおよびハロゲンで置換されていてもよいアルコキシ基、(7)アルコキシカルボニルまたはアルキルカルボニルでさらに置換されていてもよいアルケニル基および(8)アルケニルオキシで置換されていてもよいアリール基が挙げられる。
R4のさらに好ましいものとしては、1個または2個以上の(1)式
【化28】
〔式中、R11''は(i)水素,(ii)アルキル,(iii)ハロゲンまたはアルコキシで置換されていてもよいアルコキシ,(iv)ホルミル,(v)ハロゲンまたはアルコキシで置換されていてもよいアルカノイル,(vi)ベンゾイルまたは(vii)式−S(O)n−R6(式中、nは0〜2の整数を、R6はアルキル基を示す)で表される基を、R12''は水素またはアルキル基を示す。〕で表される基、(2)アルコキシ,アルカノイルまたはシクロアルキルで置換されていてもよいアルコキシ基、(3)N−モノまたはジ−アルキルカルバモイル、(4)ニトロ、(5)アルコキシカルボニルまたはアルキルカルボニルでさらに置換されていてもよいアルケニル基または(6)アルケニルオキシで置換されていてもよいアリール基が挙げられる。
上記式中、R4で示される置換されていてもよいアリール基におけるアリールの好ましい例としては、フェニルが挙げられる。置換基の好ましい例としては、アミノ,アシル,カルバモイル,N−モノ置換アルキルカルバモイル,カルボキシ,ニトロ,ヒドロキシ,C1-3アルコキシで置換されていてもよいC1-3アルコキシ,式
【化29】
(式中、R31はC1-6アルキル,C1-3アルコキシで置換されていてもよいC1-3アルコキシ、ホルミルを示し、R32は水素,C1-6アルキルを示す。)で表される基,アルコキシカルボニルもしくはアルキルカルボニルで置換されていてもよいC2-4アルケニル基が挙げられる。
上記式中、R4で示される置換されていてもよいアリール基におけるアリールの好ましい例としては、フェニルが挙げられる。置換基の好ましい例としては、アミノ,アシル,N−モノ置換アルキルカルバモイル,ニトロ,C1-3アルコキシで置換されていてもよいC1-3アルコキシ,式
【化30】
(式中、R33はC1-6アルキル,C1-3アルコキシで置換されていてもよいC1-3アシル,C1-4アシルで置換されていてもよいC1-3アルコキシ,ベンゾイル,ホルミルを示し、R34は水素,C1-6アルキルを示す。)で表される基,C1-3アルコキシ−カルボニルもしくはC1-3アルキル−カルボニルで置換されたC2-4アルケニル基が挙げられる。
【0017】
上記のいずれの場合も、置換基の数としては、1〜3個が好ましい。
rは好ましくは1を示す。pは好ましくは1である。wは好ましくは1である。 上記の5〜7員含窒素環状基としては、例えば、ピロリジニル,ピロリニル,ピロリル,ピラゾリジニル,ピラゾリニル,ピラゾリル,イミダゾリジニル,イミダゾリニル,イミダゾリル,1,2,3−トリアジニル,1,2,3−トリアゾリジニル,1,2,3−トリアゾリル,1,2,3,4−テトラゾリル,ピペリジニル,ピペラジニル,ヘキサメチレンアミノ,オキサゾリジノ,モルホリノ,チアゾリジノまたはチオモルホリノが挙げられる。なかでも、5〜6員のものが好ましく、例えば、ピロリジニル,ピラゾリニル,ピラゾリル,ピペリジニル,ピペラジニル,モルホリノ,チオモルホリノが好ましい。
含窒素環状アミノ基は置換基を有していてもよく、該置換基としては、C1-6アルキル,C6-14アリール,C7-10アラルキル,ベンツヒドリル,C1-6アルキル−カルボニル,C6-14アリール−カルボニル,C1-6アルコキシ−カルボニルが挙げられる。好ましい置換基としては、C1-6アルキルが挙げられ、なかでもC1-3アルキルがさらに好ましい。
上記基の定義中におけるアルキルとしては、炭素数1〜10のアルキルが好ましく、その例としては、例えば、メチル,エチル,プロピル,イソプロピル,ブチル,イソブチル,sec-ブチル,t-ブチル,ペンチル,イソペンチル、ネオペンチル、ヘキシル等が挙げられ、なかでも炭素数1〜6のアルキルが好ましく、特に炭素数1〜3のアルキルが好ましい。
上記基の定義中におけるアシルとしては、C1-10アシルが好ましく、該アシルの例としては、アルカノイル,アリール−カルボニル,アラルキル−カルボニル,アラルキルオキシ−カルボニルが挙げられ、これらのアルカノイル,アリール,アラルキルは前記と同様のものが挙げられる。アシルもしくはアルカノイルの好ましいものとしては、アルキル−カルボニルが挙げられ、該アルキルは前記と同様のものが挙げられる。
上記基の定義中におけるアルコキシとしては、C1-6アルコキシが好ましく、その例としては、例えば、メトキシ,エトキシ,プロポキシ,イソプロポキシ,ブトキシ,イソブトキシ,sec-ブトキシ,t-ブトキシ,ペンチルオキシ,イソペンチルオキシ、ネオペンチルオキシ、ヘキシルオキシ等が挙げられ、なかでも炭素数1〜3のアルコキシが好ましい。
上記基の定義中におけるアルケニルの好ましいものとしては、C2-4アルケニルが挙げられ、その例としては、例えば、ビニル,アリル(allyl),1−ブテニル,2−ブテニルが挙げられる。
上記基の定義中におけるアリールの好ましいものとしては、C6-14アリールが挙げられ、その例としては、フェニル,ナフチルが挙げられる。
上記基の定義中におけるアラルキルの好ましいものとしては、C7-10アラルキルが挙げられ、その例としては、ベンジル,フェネチルが挙げられる。
上記基の定義中におけるハロゲンとしては、フッ素,塩素,臭素,ヨウ素が挙げられる。
【0018】
本発明の化合物(I)は、例えば、次に示す自体公知の方法あるいはそれに準じる方法により容易に製造することができる。
1.A法:活性なメチレン基を持つ適当なケトンあるいはアルデヒド(i)を、カール・ゲバルトらの方法〔K.Gewald, E.Schinke and H.Bφttcher, Chem. Ber., 99, 94-100 (1966)〕に従い、 シアノ酢酸エステル誘導体と硫黄と反応させ2−アミノチオフェン誘導体(ii)へと変換する。 即ち、ケトン(R13≠H)の場合、酢酸と酢酸アンモニウムの存在下、シアノ酢酸エステル誘導体と適当な溶媒中、例えばトルエン中加熱還流して、一旦アルキリデンシアノ酢酸エステル誘導体とした後、硫黄と塩基の存在下、適当な溶媒中、例えばエタノール中加熱して2−アミノチオフェン誘導体(ii)を得る。また、アルデヒド(R13=H)の場合、シアノ酢酸エステル誘導体、硫黄と塩基の存在下、適当な溶媒中、例えばジメチルホルムアミド中加熱して2−アミノチオフェン誘導体(ii)とする。〔数1〕参照。
【数1】
上記の方法により製造される2−アミノチオフェン誘導体(ii)またはその塩とイソシアナート誘導体とを反応させる。該イソシアナート誘導体は、例えば式R2−NCO(式中、R2は前記と同意義を有する。)で表される誘導体が挙げられる。化合物(ii)およびそれらの塩とイソシアナート誘導体との反応は、反応に悪影響を及ぼさない溶媒(例、テトラヒドロフラン、ピリジン、ジオキサン、ベンゼン、ジクロルメタン、1,2−ジクロルエタン、トルエン、キシレン)中、約15〜130℃で行われる。イソシアナート誘導体は、化合物(ii)1当量に対し、約1〜5当量、好ましくは約1.1〜2.5当量を用いる。反応時間は、数分から数日、好ましくは約15分〜約2日である。
2.B法:2−アミノチオフェン誘導体(ii)またはその塩とホスゲンあるいはその等価体〔例、ビス(トリクロロメチル)カーボネート等のジホスゲン、トリクロロメチルクロロフォルメート等のトリホスゲンなど〕と反応させて製造されるイソシアナート誘導体にアミン〔例、式R2−NH2(式中、R2は前記と同意義を有する。)で表される化合物など〕を付加する。化合物(ii)またはその塩とホスゲンあるいはその等価体との反応は、反応に悪影響を及ぼさない溶媒(例、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ベンゼン、トルエン、キシレン、1,2−ジクロルエタン、クロロホルム)中、約40〜120℃で行われる。ホスゲンあるいはその等価体は、化合物(ii)1当量に対し、約0.5〜2当量、好ましくは約0.9〜1.1当量を用いる。反応時間は、数分から数日、好ましくは約15分〜約2日である。アミンの付加反応は、反応に悪影響を及ぼさない溶媒(例、ピリジン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ベンゼン、ジクロルメタン、1,2−ジクロルエタン、トルエン、キシレン)中、約15〜130℃で行われる。アミンは、化合物(ii)1当量に対し、約1〜5当量、好ましくは約1.1〜3当量を用いる。反応時間は、数分から数日、好ましくは約15分〜約2日である。
得られた化合物(xv)またはその塩を、塩基で処理することにより閉環反応を行い、チエノ〔2,3−d〕ピリミジン誘導体(XVI)を得る。閉環反応は反応に悪影響を及ぼさない溶媒中で行われる。該溶媒としては、例えばメタノール,エタノール,イソプロパノール等のアルコール類、ジオキサン,テトラヒドロフラン等のエーテル類が挙げられる。塩基としては、例えばナトリウムメチラート,ナトリウムエチラート,ナトリウムイソプロポキシド等のアルカリ金属アルコキシド、水素化ナトリウム等の水素化アルカリ金属が用いられる。使用する塩基の量は、化合物(xv)1当量に対し約1.1〜5当量、好ましくは約1.5〜3当量を用いる。反応温度は、約10℃〜使用溶媒の沸騰点温度、好ましくは約25℃〜使用溶媒の沸騰点温度である。反応時間は、数分から数日、好ましくは約10分〜2日である。
化合物(XVI)をハロゲン化アラルキル誘導体と塩基(例、ピリジン,トリエチルアミン等の有機塩基など)存在下、反応に悪影響を及ぼさない溶媒(例、ジメチルホルムアミド,ジメチルアセトアミド等のアミド類)中、約10〜100℃でかくはんして、2,4−ジオキソチエノ〔2,3−d〕ピリミジン誘導体(IIa)を得る。 次いで、 該化合物(IIa)を反応に悪影響を及ぼさない溶媒(例、四塩化炭素,クロロホルム等のハロゲン化炭化水素類)中、α,α'−アゾビスイソブチロニトリル存在下、N−ブロモこはく酸イミド(NBS)と約30〜100℃でかくはんして、化合物(II)を得る。
さらに、該化合物(II)を塩基(例、三級の有機アミン(例、トリエチルアミン,ジイソプロピルアミン))の存在下、各種アミン(例、R3−H)と反応に悪影響を及ぼさない溶媒(例、ジメチルホルムアミド,ジメチルアセタミド等のアミド類、アセトニトリル等のニトリル、エタノール等のアルコール類)中、約10〜100℃で0.5〜8時間かくはんして、化合物(I)を製造する。必要ならば、該化合物は適当な酸(例、塩酸、しゅう酸)により塩にする。
以上の製造法を〔数2〕に示す。
【数2】
〔数2〕の式中、各記号は前記と同意義を有する。Xは脱離基を示す。Xで示される脱離基としては、例えば求核剤[例、陰電荷を帯びたヘテロ原子(例、酸素原子、硫黄原子、窒素原子など)を有する炭化水素残基など]により、容易に置換反応を受け得る基が挙げられる。具体的には、例えばハロゲン原子(よう素、臭素、塩素等)、アルカノイルオキシ(例、アセトキシ)、アルキルスルホニルオキシ(例、メタンスルホニルオキシ等)、アルキル−アリールスルホニルオキシ(例、p−トルエンスルホニルオキシ等)などが挙げられる。
【0019】
3.C法:上記の〔数2〕に示した化合物(ii)から化合物(IIa)を製造する方法に代えて、自体公知の方法、例えば次に示す方法で化合物(ii)から化合物(IIa)を製造することができる。すなわち、化合物(ii)を適当な溶媒(反応に悪影響を及ぼさない溶媒。以下同様)(例えば、メタノール,エタノール)に2N水酸化ナトリウム溶液を加え、室温〜加熱下(100℃まで)に1〜12時間反応させる。得られた化合物(−COOEtが−COOHに変換されている)を適当な溶媒(例、ジオキサン)に溶かし、当量のトリホスゲンを加え、80〜150℃で1〜10時間撹拌して反応させる。得られる1−ヒドロキシオキサジン体を上述の化合物(XVI)から化合物(IIa)を製造する反応工程と同様の操作を行う。このようにして得られるオキサジン体(R1が1位に導入されている)を適当な溶媒(例、ジクロロメタン)に溶かし、当量〜小過剰量のアミン(例、アンモニア,アルキルアミン,アリールアミン)を加え、室温〜加熱(100℃まで)下に1〜12時間撹拌して反応させる。次いで、トリホスゲンおよび塩基としてトリエチルアミンを再度加え、約100℃で還流下に1〜6時間反応させ、化合物(IIa)を得る。
4.他の方法:化合物(I)の基における置換基を他の置換基に通常用いられる自体公知の方法を用いて変換することもできる。その方法を次に例示する。
(i).置換基としてのニトロ基をアミノ基に変換することができる。例えば、原料化合物を適当な溶媒(例、エタノール,メタノール)に溶かし、(a)パラジウム−炭素を加え、室温で1〜12時間水素気流下に反応させるか、あるいは(b)上記の溶液に鉄粉および塩酸を加え、室温で1〜12時間反応させる。
(ii).置換基としてのアミノ基をアシル化されたアミノ基に変換することができる。例えば、原料化合物を適当な溶媒(例、テトラヒドロフラン,ジメチルスルホキシド)に溶かし、炭酸カリウム、および塩基としてピリジンおよびトリエチルアミンを加え、さらに酸無水物または酸ハライドを加える。混合物を室温で1〜10時間撹拌して反応させる。
(iii).アミノ基を有する化合物を、アルケニルアミノ化合物とすることができる。例えば、原料化合物を適当な溶媒(例、酢酸,ジメチルホルムアミド,ジクロロメタン,テトヒドロフラン,ジオキサン,アセトニトリル)に溶かし、ジアゾ化剤(例、硝酸ナトリウム,硝酸イソアミル)を加え、パラジウム触媒{例、ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム}および1当量〜小過剰量のアルケニル誘導体を加え、室温〜加温(80℃)で1〜12時間反応させる。
(iv).アミノ基に炭素原子を導入することができる。例えば、原料化合物を適当な溶媒(例、酢酸,ジメチルホルムアミド,ジクロロメタン,テトラヒドロフラン,ジオキサン)に溶かし、アクリル酸誘導体またはオキシラン誘導体(例、エポキサイド化合物)を加え、0〜80℃で撹拌下に6〜24時間反応させる。
(v).硫黄原子をアミノ基に導入することができる。例えば、原料化合物を適当な溶媒(例、ピリジン,ジメチルホルムアミド,ジクロロメタン,テトラヒドロフラン,エチルエーテル,ジオキサン)に溶かし、硫黄化合物のハライドを加え、0〜80℃で撹拌下に6〜24時間反応させる。
(vi).置換基としてのホルミル基をメチル基に変換することができる。例えば、原料化合物を適当な溶媒(例、テトラヒドロフラン)に溶かし、有機ボラン誘導体(例、ジメチルスルフィドボラン)を加え、室温〜加熱還流下に数時間(例、1〜3時間)反応させる。
(Vii).メトキシ体から、アセトニル体を製造することができる。例えば、原料化合物を適当な溶媒(例、ジクロロメタン)に溶かし、1当量〜過剰量のルイス酸{例、塩化アルミニウムおよびチオール化合物またはスルフィド化合物(例、ジメチルスルフィド)}を加え、氷冷下〜室温で1〜10時間反応させ、次いで、得られたヒドロキシ体を適当な溶媒(例、ジメチルホルムアミド)に溶かし、塩基(例、水酸化ナトリウム,炭酸カリウム)およびアルキルハライドを加え、室温で1〜12時間反応させる。
(viii).メトキシ基をイソプロポキシ基に変換することができる。例えば、原料化合物を適当な溶媒(例、ジクロロメタン)に溶かし、1当量〜過剰量のルイス酸(例、塩化アルミニウム)およびチオール化合物またはスルフィド化合物(例、ジメチルスルフィド)を加え、氷冷下〜室温で1〜10時間反応させる。
(ix).アミノカルボニル基を導入することができる。例えば、ハロゲンを有する原料化合物を適当な溶媒(例、ジメトキシエタン)に溶かし、アリール硼酸誘導体、塩基(例、炭酸ナトリウム)および触媒としてパラジウム化合物{例、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)}を加え、還流下1〜6時間反応させた。
(x).アルキルチオ化合物をアルキルスルフィニル化合物またはアルキルスルホニル化合物とすることができる。例えば、原料化合物を適当な溶媒(例、ジクロロメタン)中で酸化剤(例、メタクロロ過安息香酸)と反応させる。加熱を過度にあるいは酸化剤を過剰に用いると、アルキルスルホニル化合物が得られる。
【0020】
このようにして得られる本発明の化合物〔I〕の塩としては、生理学的に許容される酸付加塩が好ましい。このような塩としては、例えば無機酸(例、塩酸、臭化水素酸、硝酸、硫酸、リン酸など)との塩、あるいは有機酸(例、ギ酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、フマール酸、シュウ酸、酒石酸、マレイン酸、クエン酸、コハク酸、リンゴ酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸など)との塩などが用いられる。さらに本発明の化合物(I)が−COOHなどの酸性基を有している場合は、無機塩基(例、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムなどのアルカリ金属塩又はアルカリ土類金属、アンモニアなど)又は有機塩基(例、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン、ピコリン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジシクロヘキシルアミン、N,N'-ジベンジルエチレンジアミンなど)と塩を形成してもよい。
かくして得られる本発明の化合物又はその塩は、例えば再結晶、蒸留、クロマトグラフィーなどの通常の分離手段により単離、精製することができる。かくして本発明の化合物〔I〕が遊離体で得られた場合には、自体公知の方法あるいはそれに準じる方法によって塩に変換することができ、逆に塩で得られた場合には、自体公知の方法あるいはそれに準ずる方法により、遊離体又は、他の塩に変換することができる。
本発明の化合物又はその塩が光学活性体である場合は、通常の光学分割手段によりd体、l体に分離することができる。
【0021】
本発明の化合物は、GnRH拮抗作用を有し、毒性は低いので、温血哺乳動物(例えば、ヒト、サル、ウシ、ウマ、イヌ、ネコ、ウサギ、ラット、マウスなど)において、GnRH受容体拮抗作用により性腺刺激ホルモンの分泌を抑制し、血中の性ホルモン濃度を制御することによって、雄性ホルモンまたは雌性ホルモン依存性の疾病の予防・治療およびこれらホルモンの過剰に起因する疾病の治療に安全に用い得る。すなわち、本発明の化合物は、性ホルモン依存性ガン(例、前立腺ガン,子宮ガン,乳ガン,下垂体腫瘍等)、前立腺肥大症、子宮筋腫、子宮内膜症、思春期早発症、無月経症、月経前症候群、多房性卵巣症候群、ニキビなどの治療に有用である。また、本発明の化合物は雄性および雌性における生殖の調節(例、妊娠調節剤,月経周期調節剤等)にも有用である。本発明の化合物は、さらに男性もしくは女性の避妊薬として、また女性の***誘発剤として使用することができる。本発明の化合物は、その休薬後のリバウンド効果を利用して、不妊症の治療に使用することができる。さらに、本発明の化合物は畜産分野において動物の発情の調節、食肉用の肉質の改善や動物の成長促進にも有用である。本発明の化合物は、また魚類の産卵促進剤としても有用である。本発明の化合物は単独でも使用し得るが、ステロイド性もしくは非ステロイド性の抗アンドロゲン剤または抗エストロゲン剤と併用することも有効である。また、本発明の化合物は酢酸リュープロレリンなどの超作動薬の投与時に認められる、一過性の血中テストステロン濃度の上昇(フレアー現象)を抑制するために用いることができる。また本発明の化合物を癌の化学療法剤と併用してもよい。該併用の好ましい具体例としては、例えば前立腺癌に対しては、イホスファミド(Ifosfamide)、UTF、アドリアマイシン(Adriamycin)、ペプロマイシン(Peplomycin)、シスプラチン(Cisplatin)などの化学療法剤と本発明の化合物とを併用することができる。また、乳癌に対しては、シクロフォスファミド(Cyclophospamide)、5−FU、UFT、メトレキセート(Methotrexate)、アドリアマイシン(Adriamycin)、マイトマイシンC(Mitomycin C)、マイトキサントロン(Mitoxantrone)などの化学療法剤と本発明の化合物とを併用することができる。
本発明の化合物を上記の疾病に対して予防・治療薬として又は畜産もしくは水産分野で使用する場合は、自体公知の方法に従い、経口投与もしくは非経口投与のいずれも可能であり、薬学的に許容される担体と混合し、通常、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤など固形製剤として経口投与されるか、静脈内、皮下、筋肉内などに注射剤、坐薬若しくは舌下錠などとして非経口投与される。また、舌下錠、マイクロカプセル等の徐放製剤として、舌下,皮下および筋肉内などに投与してもよい。一日投与量は、症状の程度;投与対象の年齢、性別、体重、感受性差;投与の時期、間隔、医薬製剤の性質、調剤、種類;有効成分の種類などによって異なり、特に限定されないが、通常、温血哺乳動物1kg体重あたり約0.01〜10mg、好ましくは約0.02〜2mgであり、更に好ましくは0.1〜1mgであり、これを通常1日1〜4回に分けて投与する。畜産もしくは水産分野で使用する場合の投与量も上記に準ずるが、投与対象生物1kg体重あたり約0.001〜5mg、好ましくは約0.002〜2mgを、通常一日1〜3回に分けて投与する。
【0022】
上記薬学的に許容される担体としては、製剤素材として慣用の各種有機あるいは無機担体物質が用いられ、固形製剤における賦形剤、滑沢剤、結合剤、崩壊剤;液状製剤における溶剤、溶解補助剤、懸濁化剤、等張化剤、緩衝剤、無痛化 剤などとして配合される。また必要に応じて、防腐剤、抗酸化剤、着色剤、甘 味剤などの製剤添加物を用いることもできる。
上記賦形剤の好適な例としては、例えば乳糖、白糖、D-マンニトール、デンプン、結晶セルロース、軽質無水ケイ酸などが挙げられる。上記滑沢剤の好適な例としては、例えばステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、タルク、コロイドシリカなどが挙げられる。上記結合剤の好適な例としては、例えば結晶セルロース、白糖、D-マンニトール、デキストリン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルピロリドンなどが挙げられる。上記崩壊剤の好適な例としては、例えばデンプン、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム、クロスカルメロースナトリウム、カルボキシメチルスターチナトリウムなどが挙げられる。上記溶剤の好適な例としては、例えば注射用水、アルコール、プロピレングリコール、マクロゴール、ゴマ油、トウモロコシ油などが挙げられる。上記溶解補助剤の好適な例としては、例えばポリエチレングリコール、プロピレングリコール、D-マンニトール、安息香酸ベンジル、エタノール、トリスアミノメタン、コレステロール、トリエタノールアミン、炭酸ナトリウム、クエン酸ナトリウムなどが挙げられる。上記懸濁化剤の好適な例としては、例えばステアリルトリエタノールアミン、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリルアミノプロピオン酸、レシチン、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、モノステアリン酸グリセリン、などの界面活性剤;例えばポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなどの親水性高分子などが挙げられる。上記等張化剤の好適な例としては、例えば塩化ナトリウム、グリセリン、D-マンニトールなどが挙げられる。上記緩衝剤の好適な例としては、例えばリン酸塩、酢酸塩、炭酸塩、クエン酸塩などの緩衝液などが挙げられる。無痛化剤の好適な例としては、例えばベンジルアルコールなどが挙げられる。上記防腐剤の好適な例としては、例えばパラオキシ安息香酸エステル類、クロロブタノール、ベンジルアルコール、フェネチルアルコール、デヒドロ酢酸、ソルビン酸などが挙げられる。上記抗酸化剤の好適な例としては、例えば亜硫酸塩、アスコルビン酸などが挙げられる。
本発明の化合物に、懸濁化剤、溶解補助剤、安定化剤、等張化剤、保存剤などを添加し、自体公知の方法により静脈、皮下、筋肉内注射剤とする。その際必要により自体公知の方法により凍結乾燥物とすることも可能である。 本発明の化合物またはその塩を例えばヒトに投与する場合は、それ自体あるいは適宜の薬理学的に許容される担体、賦形剤、希釈剤と混合し、医薬組成物として経口的または非経口的に安全に投与することができる。
上記医薬組成物としては、経口剤(例、散剤、顆粒剤、カプセル剤、錠剤)、注射剤、点滴剤、外用剤(例、経鼻投与製剤、経皮製剤など)、坐剤(例、直腸坐剤、膣坐剤)などが挙げられる。
これらの製剤は、製剤工程において通常一般に用いられる自体公知の方法により製造することができる。
本発明の化合物またはその塩は分散剤(例、ツイーン(Tween)80(アトラスパウダー社製、米国)、HOC 60(日光ケミカルズ製)ポリエチレングリコール、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸ナトリウムなど)、保存剤(例、メチルパラベン、プロピルパラベン、ベンジルアルコールなど)、等張化剤(例、塩化ナトリウム、マンニトール、ソルビトール、ブドウ糖など)などと共に水性注射剤に、あるいはオリーブ油、ゴマ油、綿実油、コーン油などの植物油、プロピレングリコールなどに溶解、懸濁あるいは乳化して油性注射剤に成形し、注射剤とすることができる。
経口投与製剤とするには、自体公知の方法に従い、本発明に化合物(I)またはその塩をたとえば賦形剤(例、乳糖、白糖、デンプンなど)、崩壊剤(例、デンプン、炭酸カルシウムなど)、結合剤(例、デンプン、アラビアゴム、カルボキシメチルセルロース、ポリビニールピロリドン、ヒドロキシプロピルセルロースなど)または滑沢剤(例、タルク、ステアリン酸マグネシウム、ポリエチレングリコール 6000など)などを添加して圧縮成形し、次いで必要により、味のマスキング、腸溶性あるいは持続性の目的のため自体公知の方法でコーティングすることにより経口投与製剤とすることができる。そのコーティング剤としては、例えばヒドロキシプロピルメチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリオキシエチレングリコール、ツイーン 80、ブルロニック F 68、セルロースアセテートフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、ヒドロキシメチルセルロースアセテートサクシネート、オイドラギット(ローム社製、ドイツ,メタアクリル酸・アクリル酸共重合)および色素(例、ベンガラ,二酸化チタン等)などが用いられる。腸溶性製剤とする場合、腸溶相と薬剤含有相との間に両相の分離を目的として、自体公知の方法により中間相を設けることが好ましい。
外用剤とするには、自体公知の方法に従い、本発明の化合物またはその塩を固状、半固状または液状の外用投与剤とすることができる。たとえば、上記固状のものとしては、本発明の化合物またはその塩をそのまま、あるいは賦形剤(例、グリコール、マンニトール、デンプン、微結晶セルロースなど)、増粘剤(例、天然ガム類、セルロース誘導体、アクリル酸重合体など)などを添加、混合して粉状の組成物とする。上記液状のものとしては、注射剤の場合とほとんど同様で、油性あるいは水性懸濁剤とする。半固状の場合は、水性または油性のゲル剤、あるいは軟膏状のものがよい。また、これらはいずれも、pH調節剤(例、炭酸、リン酸、クエン酸、塩酸、水酸化ナトリウムなど)、防腐剤(例、パラオキシ安息香酸エステル類、クロロブタノール、塩化ベンザルコニウムなど)などを加えてもよい。
たとえば坐剤とするには、自体公知の方法に従い、本発明の化合物またはその塩を油性または水性の固状、半固状あるいは液状の坐剤とすることができる。上記組成物に用いる油性基剤としては、例えば高級脂肪酸のグリセリド〔例、カカオ脂、ウイテプゾル類(ダイナマイトノーベル社製,ドイツ)など〕、中級脂肪酸〔例、ミグリオール類(ダイナマイトノーベル社製,ドイツ)など〕、あるいは植物油(例、ゴマ油、大豆油、綿実油など)などが挙げられる。また、水性基剤としては、例えばポリエチレングリコール類、プロピレングリコール、水性ゲル基剤としては、例えば天然ガム類、セルロース誘導体、ビニール重合体、アクリル酸重合体などが挙げられる。
【0023】
【実施例】
以下に参考例、実施例、試験例を挙げて、本発明を更に具体的に説明するが、これによって本発明が限定されるものではない。
1H-NMRスペクトルは内部基準としてテトラメチルシランを用いてバリアンGEMINI 200(200MHz)型スペクトルメーター、日本電子(JEOL)LAMBDA300(300MHz)型スペクトルメーターあるいはブルッカ AM 500(500MHz)型スペクトルメーターで測定し、全δ値をppmで示した。
また、本明細書中で用いる記号は次のような意味を有する。
s:シングレット,d:ダブレット,t:トリプレット,dt:ダブルトリプレット,m:マルチプレット,br:幅広い
【0024】
参考例1
2−アミノ−5−フェニルチオフェン−3−カルボン酸エチルエステルの製造:シアノ酢酸エチル(6.1g,50mmol)、硫黄(1.61g,50mmol)、トリエチルアミン(3.5ml,25mmol)、ジメチルホルムアミド(10ml)の混合物に、45℃でかくはんしながら、 フェニルアセトアルデヒド(50%ジエチルフタレート溶液; 12.05g,50mmol)を20分間で滴下した。45℃で9時間かくはんした後、 反応液を濃縮して得られる残さを酢酸エチルで抽出した。抽出液を食塩水で洗浄し乾燥(MgSO4)後、 溶媒を減圧下に留去した。 残さをシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、 エーテル-へキサンから結晶化させて微黄色板状晶(5.55g,45%)を得た。
mp 124.5−125.5℃ (文献値; 123−124℃).
元素分析値 C13H13NO2Sとして
1H-NMR (200MHz, CDCl3) δ: 1.37 (3H, t, J=7.1Hz), 4.30 (2H, d, J=7.1Hz), 5.97 (2H, br), 7.17-7.46 (6H, m).
IR (KBr): 3448, 3320, 1667, 1590, 1549 cm-1。
【0025】
参考例2
2−アミノ−4−メチル−5−(4−メトキシフェニル)チオフェン−3−カルボン酸エチルエステルの製造:
4−メトキシフェニルアセトン(16.5g,0.10mol)、 シアノ酢酸エチル(12.2g,0.10mol)、酢酸アンモニウム(1.55g,20mmol)、 酢酸(4.6ml,80mmol)およびベンゼン(20ml)の混合物を、 ディーンスターク装置で生成する水を除きながら、 24時間加熱還流した。 冷後、 反応液を減圧下濃縮し、 残さをジクロルメタンと重曹水で分配した。 有機層を食塩水で洗浄し乾燥(MgSO4)後、 溶媒を減圧下に留去した。 得られた残さのエタノール(30ml)溶液に、 硫黄(3.21g,0.10mol)とジエチルアミン(10.4ml,0.10mol)を加え、50〜60℃で2時間かくはんした後、 反応液を濃縮して得られる残さを酢酸エチルで抽出した。 抽出液を食塩水で洗浄し乾燥(MgSO4)後、 溶媒を減圧下に留去した。残さをシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、 エーテル-へキサンから結晶化させて、 淡黄色板状晶(11.5g,40%)を得た。
mp 79−80℃.
元素分析値 C15H17NO3Sとして
1H-NMR (200MHz, CDCl3) δ: 1.37 (3H, t, J=7.1Hz), 2.28(3H, s), 3.83 (3H, s), 4.31 (2H, q, J=7.1Hz), 6.05 (2H, brs), 6.91 (2H, d, J=8.8Hz), 7.27 (2H, d, J=8.8Hz).
IR (KBr): 3426, 3328, 1651, 1586, 1550, 1505, 1485 cm-1.
FAB-MS m/z: 291 (M+)。
【0026】
参考例3
参考例2に記載した方法と同様にして、4−メトキシフェニルアセトンの代わりに種々のアセトン誘導体を用いて製造される化合物を〔表1〕に示す。
【表1】
【0027】
参考例4
2−アミノ−4−メチル−5−(4−ニトロフェニル)チオフェン−3−カルボン酸エチルエステルの製造:
参考例1に記載した方法と同様にして、 4−メトキシフェニルアセトンの代わりに4−ニトロフェニルアセトン(35.0g,195mmol)を用い、シアノ酢酸エチル(23.8g,195mmol)、酢酸アンモニウム(3.1g,40mmol)、酢酸(9.1ml,159mmol)、硫黄(5.0g,160mmol)およびジエチルアミン(16.0ml,160mmol)から、無色結晶(22.2g,52%)を得た。
mp 168−170℃ (エーテル-ヘキサンより再結晶).
元素分析値 C14H14N2O4Sとして
1H-NMR (200MHz, CDCl3) δ: 1.39 (3H, t, J=7.1Hz), 2.40 (3H, s), 4.34 (2H, q, J=7.1Hz), 6.27 (2H, brs), 7.48(2H, d, J=8.7Hz), 8.23(2H, d, J=8.7Hz).
IR (KBr): 3446, 3324, 1667, 1580, 1545, 1506, 1491, 1475, 1410, 1332 cm-1。
【0028】
参考例5
2,4(1H,3H)−ジオキソ−5−メチル−6−(4−メトキシフェニル)−チエノ〔2,3−d〕ピリミジン−3−酢酸エチルエステルの製造:
参考例1で得られた化合物(5.00g,17.20mmol)のピリジン(5ml)溶液に、イソシアナト酢酸エチルエステル(2.90ml,25.80mmol)を加え、45℃で6時間撹拌後、減圧濃縮して得られた残渣をエタノール(6ml)溶液とした。この溶液にナトリウムエトキシド〔エタノール(30ml),ナトリウム(0.79g,34.30mmol)から調製〕を加え、反応液を室温で2時間撹拌した後、2N塩酸 18ml,36mmol)を加えエタノール溶媒を減圧下に留去した。得られた残渣を濾過して水−エタノールで洗浄し、減圧下に乾燥後エタノールから再結晶して白色針状晶(5.70g,89%)を得た。
mp 164−165℃
元素分析値 C18H18N205S
1H-NMR (200MHz, CDCl3) δ: 1.30 (3H, t, J=7.2Hz), 2.45 (3H,s), 3.85 (3H,s), 4.26 (2H, q, J=7.2Hz), 4.78 (2H,s), 6.95 (2H, d, J=8.8Hz), 7.31 (2H,d, J=8.8Hz), 10.58 (1H, s).
IR (KBr): 2914, 1742, 1713, 1655, 1605, 1568, 1528, 1499 cm-1。
【0029】
参考例6
参考例2、3または4で得られる化合物を原料として参考例5に記載した方法に従い製造される化合物を〔表2〕に示す。
【表2】
【0030】
参考例7
2,4(1H,3H)−ジオキソ−6−(4−ニトロフェニル)−5−メチルチエノ〔2,3−d〕ピリミジン−3−酢酸エチルエステルの製造:
参考例6で得られた化合物1(2.20g,6.39mmol)に濃硫酸(12ml)を加え、氷冷下硝酸ナトリウム(550mg,6.47mmol)の濃硫酸溶液を滴下した。滴下終了後も氷冷下1時間撹拌した。反応液を氷水にあけ、酢エチルで抽出した。抽出液を食塩水で洗浄し乾燥(MgSO4)後、溶媒を減圧下に留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して黄色固体(1.30g,52%)を得た。得られた固体を酢酸エチル−ヘキサンから再結晶して黄色結晶を得た。
mp 277−280℃
元素分析値 C17H15N3O6S・0.4H2Oとして
1H-NMR (200MHz, CDCl3) δ: 1.33 (3H, t, J=7.2Hz), 2.56 (3H,s), 4.28 (2H, q, J=7.2Hz), 4.79 (2H,s), 7.57 (2H, d, J=8.8Hz), 8.30 (2H, d, J=8.8Hz), 10.30 (1H, s).
IR (KBr): 1748, 1719, 1663, 1522, 1460 cm-1。
【0031】
参考例8
2,4(1H,3H)−ジオキソ−1−(2−フルオロベンジル)−6−(4−ニトロフェニル)−5−メチルチエノ〔2,3−d〕ピリミジン−3−酢酸エチルエステルの製造:
参考例7で得られた化合物(700mg,1.80mmol)のジメチルホルムアミド(10ml)溶液に、炭酸カリウム(372mg,2.70mmol)、ヨウ化カリウム(299mg,1.80mmol)、2−フルオロベンジルクロリド(0.43ml,3.60mmol)を加え室温で2時間撹拌した。反応液を濃縮して得られる残渣を酢酸エチルと食塩水で分配した。水層を酢酸エチルで抽出し、抽出液をあわせて食塩水で洗浄し乾燥(MgSO4)後、溶媒を減圧下に留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して白色粉末(500mg,56%)を得た。
mp 155−158℃.
元素分析値 C24H20N3O6SF・0.5H2Oとして
1H-NMR (200MHz, CDCl3) δ: 1.32 (3H, t, J=7.2Hz), 3.84 (3H, s), 4.27 (2H, q, J=7.2Hz), 4.84 (2H, s), 5.30 (2H, s), 7.06-7.33 (4H, m), 7.54 (2H, d, J=8.9Hz), 7.27 (2H, d, J=8.9Hz).
IR (KBr): 1748, 1711, 1673, 1520, 1491 cm-1。
【0032】
参考例9
参考例6で得られる化合物を原料として参考例8に記載した方法に従い製造される化合物を〔表3〕に示す。
【表3】
【0033】
参考例10
5−ブロモメチル−2,4(1H,3H)−ジオキソ−1−(2−フルオロベンジル)−6−(4−ニトロフェニル)チエノ[2,3−d]ピリミジン−3−酢酸エチルエステルの製造:
参考例8で得られた化合物(0.300g,0.603mmol)、 N−ブロモこはく酸イミド(0.107g,0.603mmol)、 α,α'−アゾビスイソブチロニトリル(10mg,0.060mmol)および四塩化炭素(15ml)の混合物を2時間加熱還流した。冷後不溶物をろ去し、 ろ液をクロロホルムで希釈した。有機層を食塩水で洗浄し乾燥(MgSO4)後、溶媒を減圧下に留去した。得られた残さを酢酸エチルから再結晶して無色針状晶(0.284g,82%)を得た。
mp 165−167℃.
元素分析値 C24H19N3O6SBrF
1H-NMR (200MHz, CDCl3) δ: 1.31 (3H, t, J=7.1Hz), 4.26 (2H, q, J=7.1Hz), 4.78 (2H, s), 4.86 (2H, s), 5.30 (2H, s), 7.07-7.37 (4H, m), 7.75 (2H, d, J=8.8Hz), 8.33 (2H, d, J=8.8Hz) .
IR (KBr): 1713, 1673, 1524, 1477 cm-1。
【0034】
参考例11
参考例9で得られた化合物を原料として参考例10に記載した方法に従い製造される化合物を〔表4〕に示す。なお、化合物30〜33は、参考例9の化合物30〜31を原料化合物として実施例18の方法と同様の方法で製造される。
【表4】
【0035】
参考例12
5−(N−ベンジル−N−メチルアミノメチル)−2,4(1H,3H)−ジオキソ−1−(2−フルオロベンジル)−6−(4−ニトロフェニル)チエノ〔2,3−d〕ピリミジン−3−酢酸エチルエステル塩酸塩の製造:
参考例10で得られた化合物(0.270g,0.470mmol)のジメチルホルムアミド(10ml)溶液に、氷冷下、 エチルジイソプロピルアミン(0.12ml,0.710mmol)とベンジルメチルアミン(0.07ml,0.560mmol)を加えた。室温で20時間かくはんした後、 反応液を濃縮して得られる残渣を酢酸エチルと飽和重曹水で分配した。 水層を酢酸エチルで抽出し、 有機層をあわせて乾燥(MgSO4)後、 溶媒を減圧下に留去した。 得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、無色油状物(0.297g,100%)を得た。 この油状物の酢酸エチル(4ml)溶液に、 氷冷下、1Nエーテル性塩酸(0.5ml)を加え、 同温で10分間かくはんした。 反応液を減圧下濃縮して得られた残さを酢酸エチル−エーテルから結晶化させて、 塩酸塩(0.084g)を白色結晶として得た。
mp 120−128℃.
元素分析値 C32H29N4O6SF・HCl・H2Oとして
IR (KBr) : 1711, 1665, 1522, 1493 cm-1。
【0036】
参考例13
3−イソブチル−2,4(1H,3H)−ジオキソ−5−メチル−6−(4−メトキシフェニル)チエノ〔2,3−d〕ピリミジンの製造:
イソ吉草酸(1.15ml,10.03mmol)、アジ化ジフェニルホスホリル(2.83g,10.30mmol)トリエチルアミン(1.45ml,10.03mmol)のベンゼン(15ml)溶液を、1時間半加熱撹拌してイソブチルイソシアネートを生成させたところに参考例2で合成した化合物(2.00g,6.85mmol)とベンゼン(5ml)を加え4日間加熱還流し、反応液を酢酸エチルと食塩水で分配した。水層を酢酸エチルで抽出し、抽出液をあわせて食塩水で洗浄し乾燥(MgSO4)後、溶媒を減圧下に留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して白色粉末(2.64g,99%)を得た。得られたウレア誘導体をエタノール(30ml)溶液とし、この溶液に28%ナトリウムメトキシド(3.93g,20.37mmol)を加え、反応液を室温で16時間撹拌した後、1N塩酸(22ml,22mmol)を加えエタノール溶媒を減圧下に留去した。得られた残渣を濾過して水−エタノールで洗浄し減圧下に乾燥後エタノールから再結晶して白色針状晶(1.61g,70%)を得た。
mp 215−216℃.
元素分析値 C18H20N203S
1 H−NMR (300MHz, CDCl3) δ: 0.96 (6H, d, J=6.8Hz), 2.20(1H, sept, J=6.8Hz), 2.50 (3H, s), 3.85-3.87 (5H,m), 6.96 (2H, d, J=8.8Hz), 7.33 (2H,d, J=8.8Hz), 9.50 (1H, s).
IR (KBr): 1711, 1657, 1537, 1499, 1458 cm-1。
【0037】
参考例14
参考例2または4で得られる化合物を原料として、参考例13に記載した方法と同様の方法で製造される化合物を〔表5〕に示す。
【表5】
【0038】
参考例15
2−アミノ−4−メチル−5−(4−メトキシフェニル)チオフェン−3−カルボン酸の製造:
参考例2で合成した化合物(3.0g,10.3mmol)のエタノール(60ml)溶液に、2N水酸化ナトリウム(20.0ml,40.0mmol)を加え1.5時間加熱還流した。冷後、反応液に2N塩酸(20.0ml,40.0mmol)を加え中和し、酢酸エチルで抽出した。有機層を食塩水で洗浄し乾燥(MgSO4 )後、溶媒を減圧下に留去した。得られた残さをエーテル−ヘキサンで洗浄し、淡黄色粉末(2.2g,91%)を得た。
mp 142−145℃.
1H−NMR (200MHz, DMSO-d6) δ: 2.22(3H, s), 3.79 (3H, s), 6.98 (2H, d, J=8.8Hz), 7.25 (2H, d, J=8.8Hz), 7.39 (2H, s)。
IR (KBr): 3470, 1647, 1576, 1508, 1475 cm-1。
【0039】
参考例16
2,4(1H)−ジオキソ−6−(4−メトキシフェニル)−5−メチルチエノ〔2,3−d〕オキサジンの製造:
参考例15で合成した化合物(6.00g,22.8mmol)のジオキサン(100ml)溶液に、トリホスゲン(6.76g,22.8mmol)を加え、100℃で4時間かくはんした後、反応液を濃縮して得られる残さを濾過し、エーテルで洗浄し、淡黄色粉末(596g,90%)を得た。
mp 209−210℃.
1H−NMR (200MHz, DMSO-d6) δ: 2.36 (3H, s), 3.82 (3H, s), 7.06 (2H, d, J=8.8Hz), 7.41(2H, d, J=8.8Hz), 10.50 (1H, s).
IR (KBr): 1779, 1709, 1533, 1497 cm-1。
【0040】
参考例17
2,4(1H)−ジオキソ−1−(2−フルオロベンジル)−6−(4−メトキシフェニル)−5−メチルチエノ〔2,3−d〕オキサジンの製造:
参考例16で得られた化合物(4.80g,16.59mmol)のジメチルホルムアミド(300ml)溶液に、炭酸カリウム(3.43g,24.88mmol)、ヨウ化カリウム(2.75g,16.59mmol)、2−フルオロベンジルクロリド(2.96ml,24.88mmol)を加え室温で2時間撹拌した。反応液を濃縮して得られる残渣を酢酸エチルと食塩水で分配した。水層を酢酸エチルで抽出し、抽出液をあわせて食塩水で洗浄し乾燥(MgSO4 )後、溶媒を減圧下に留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して白色結晶(4.87g,74%)を得た。
mp 162−163℃.
1H−NMR (200MHz, CDCl3) δ: 2.43 (3H, s), 3.84 (3H, s), 5.21 (2H, s), 6.95 (2H, d, J=8.8Hz), 7.05-7.44 (6H, m).
IR (KBr): 1769, 1719, 1562, 1531, 1493 cm-1.
FAB−MS m/z: 398.1(MH+)。
【0041】
参考例18
2,4(1H)−ジオキソ−1−(2,6−ジフルオロベンジル)−6−(4−メトキシフェニル)−5−メチルチエノ〔2,3−d〕オキサジンの製造:
参考例17に記載した方法と同様にして、2−フルオロベンジルクロリドの代わりに2,6−ジフルオロベンジルクロリド(1.18g,7.26mmol)を用い、参考例17で得られた化合物(2.00g,6.91mmol)、炭酸カリウム(0.95g,6.91mmol)、およびヨウ化カリウム(1.15g,6.91mmol)から、無色結晶(2.34g,82%)を得た。
mp 189−190℃(酢酸エチル−ヘキサンより再結晶)。
1H−NMR (300MHz, CDCl3) δ: 2.42 (3H, s), 3.84 (3H, s), 5.27 (2H, s), 6.90-6.96(4H, m), 7.24-7.36(3H, m).
IR (KBr): 1775, 1731, 1528, 1468 cm-1。
【0042】
参考例19
2,4(1H,3H)−ジオキソ−1−(2−フルオロベンジル)−6−(4−メトキシフェニル)−3−(3−メトキシプロピル)−5−メチルチエノ〔2,3−d〕ピリミジンの製造:
参考例17で得られた化合物(600mg,1.51mmol)のジクロロメタン(12ml)溶液に、氷冷下3−メトキシプロピルミン(0.17ml,1.67mmol)を加え室温で1時間撹拌した。反応液を濃縮して得られる残渣をジクロロメタンと食塩水で分配した。水層をジクロロメタンで抽出し、抽出液をあわせて食塩水で洗浄し乾燥(MgSO4 )後、溶媒を減圧下に留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して白色粉末(524mg,78%)を得た。得られたアミン誘導体をTHF(20ml)溶液とし、この溶液にトリホスゲン(351mg,1.18mmol)、トリエチルアミン(0.15ml,2.37mmol)を加え、1.5時間加熱還流した。冷後、反応液を酢酸エチルで抽出し、有機層を食塩水で洗浄し乾燥(MgSO4 )後、溶媒を減圧下に留去した。得られた残さをシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、乾燥後酢酸エチル−ヘキサンから再結晶して白色板状晶(398mg,72%)を得た。
mp 113−115℃.
元素分析値 C25H25N2O4SFとして
1 H−NMR (300MHz, CDCl3) δ: 2.00 (2H, quint, J=6.7Hz), 2.50 (3H, s), 3.34 (3H, s), 3.50 (2H, t, J=6.7Hz), 3.83 (3H, s), 4.18 (2H, t, J=6.7Hz), 5.26 (2H, s), 6.93(2H, d, J=8.8Hz), 7.07-7.12 (2H, m), 7.24-7.29 (4H, m).
IR (KBr): 1700, 1659, 1473 cm-1。
【0043】
参考例20
参考例18で得られる化合物を原料として、参考例15に記載した方法と同様の方法により製造される化合物を〔表6〕に示す。
【表6】
【0044】
参考例21
2,4(1H,3H)−ジオキソ−3−フェニル−5−メチル−6−(4−メトキシフェニル)チエノ〔2,3−d〕ピリミジンの製造:
参考例4で得られた化合物(5.00g,16.32mmol)のピリジン(30ml)溶液に、フェニルイソシアネート(2.66ml,24.48mmol)を加え、45℃で6時間撹拌後、減圧濃縮して得られた残渣をエタノール(6ml)溶液とした。この溶液に28%ナトリウムメトキシド(7.86g,40.80mmol)を加え、反応液を室温で2時間撹拌した後、2N塩酸 (25ml,50mmol)を加えエタノール溶媒を減圧下に留去した。得られた残渣を濾過して水−エタノールで洗浄し減圧下に乾燥後エタノールから再結晶して黄色粉末(6.09g,98%)を得た。
mp>300℃.
元素分析値 C19H13N304S・0.3H2Oとして
1H−NMR (300MHz, DMSO-d6) δ: 2.50 (3H, s), 7.31-7.46 (5H,m), 7.78 (2H, d, J=8.8Hz), 8.32 (2H, d, J=8.8Hz), 12.50 (1H, s).
IR (KBr): 1715, 1657, 1593, 1510 cm-1。
【0045】
参考例22
2,4(1H,3H)−ジオキソ−5−メチル−3−(3−メトキシフェニル)−6−(4−メトキシフェニル)チエノ〔2,3−d〕ピリミジンの製造:
参考例21に記載した方法と同様にして、フェニルイソシアネートの代わりに3−メトキシフェニルイソシアネート(1.57ml,12.0mmol)を用い、参考例4で得られた化合物(3.06g,10.00mmol)、28%ナトリウムメトキシド(4.82g,25.00mmol)から、無色結晶(3.15g,77%)を得た。
mp>300℃.
元素分析値 C20H15N3O5Sとして
1H−NMR (300MHz, CDCl3) δ: 2.50 (3H, s), 3.78(3H, s), 6.87(1H, d, J=8.1Hz), 6.92 (1H, s), 7.00 (1H, d, J=8.1Hz), 7.38 (1H, t, J=8.1Hz), 7.77 (1H, d, J=8.7Hz),8.31(2H, d, J=8.7Hz), 12.48 (1H, s).
IR (KBr): 1717, 1661, 1593, 1510, 1429 cm-1。
【0046】
参考例23
2,4(1H,3H)−ジオキソ−1−(2,6−ジフルオロベンンジル)−5−メチル−3−(3−メチルスルフィニルフェニル)−6−(4−メトキシフェニル)チエノ〔2,3−d〕ピリミジンの製造:
参考例20で製造した〔表6〕の化合物2(200mg,0.37mmol)のジクロロメタン(20ml)溶液に氷冷下、m−クロロ過安息香酸(129mg,0.37mmol)を加え30分間撹拌し、反応液をジクロロメタンと食塩水で分配した。水層をジクロロメタンで抽出し、抽出液をあわせて食塩水で洗浄し乾燥(MgSO4 )後、溶媒を減圧下に留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して白色粉末(183mg,89%)を得た。
mp 267−268℃.
1H−NMR (300MHz, CDCl3) δ: 2.46 (3H, s), 2.79 (3H, s), 3.85 (3H, s), 5.35(2H, s), 6.90-6.97(4H, m), 7.33-7.72 (7H,m).
IR (KBr): 1717, 1667, 1628, 1562, 1533 cm-1.
FAB−MS m/z: 553.1(MH+)。
【0047】
参考例24
2,4(1H,3H)−ジオキソ−1−(2,6−ジフルオロベンンジル)−5−メチル−3−(3−メチルスルホニルフェニル)−6−(4−メトキシフェニル)チエノ〔2,3−d〕ピリミジンの製造:
参考例23に記載した方法と同様にして、再度m−クロロ過安息香酸(62mg,0.18mmol)を用い、参考例23で得られた化合物(100mg,0.18mmol)から、無色結晶(98mg,95%)を得た。
mp 256−257℃.
1 H−NMR (300MHz, CDCl3) δ: 2.46 (3H, s), 3.10 (3H, s), 3.85 (3H, s), 5.36(2H, s), 6.90-6.97(4H, m), 7.29-8.01 (7H,m).
IR (KBr): 1719, 1665, 1531, 1473 cm-1.
FAB−MS m/z: 569.1(MH+)。
【0048】
参考例25
参考例13、14、21または22に記載の方法と同様の方法で得られる化合物を原料として、参考例17に記載した方法と同様の方法により製造される化合物を〔表7〕に示す。
【表7】
【0049】
参考例26
2,4(1H,3H)−ジオキソ−1−(2−フルオロベンジル)−5−ブロモメチル−6−(4−メトキシフェニル)−3−(3−メトキシプロピル)チエノ〔2,3−d〕ピリミジンの製造:
参考例19で得られた化合物(270mg,0.576mmol)、N−ブロモこはく酸イミド(103mg,0.576mmol)、α,α'−アゾビスイソブチロニトリル(10mg,0.058mmol)および四塩化炭素(10ml)の混合物を2時間加熱還流した。冷後不溶物をろ去し、ろ液をクロロホルムで希釈した。有機層を食塩水で洗浄し乾燥(MgSO4 )後、溶媒を減圧下に留去した。得られた残さを酢酸エチルから再結晶して無色粉末(294mg,93%)を得た。
mp 105−107℃.
1H−NMR (300MHz, CDCl3) δ: 2.01 (2H, quint, J=6.7Hz), 3.33 (3H, s), 3.50 (2H, t, J=6.7Hz), 3.85 (3H, s), 4.21 (2H, t, J=6.7Hz), 4.81 (2H, s) 5.27 (2H, s), 6.98(2H, d, J=8.8Hz), 7.09-7.34 (4H, m), 7.49(2H, d, J=8.8Hz).
IR (KBr): 1713, 1661, 1628, 1541 cm-1.
FAB−MS m/z: 548.1(MH+)。
【0050】
参考例27
参考例19、20、23、24または25で得られる化合物を原料として、参考例26に記載した方法と同様の方法で製造される化合物を〔表8〕に示す。
【表8】
【0051】
実施例1
2,4(1H,3H)−ジオキソ−6−(4−メトキシフェニル)−3−フェニル−1−(2−フルオロベンジル)−5−(N−ベンジル−N−メチルアミノメチル)チエノ〔2,3−d〕ピリミジン塩酸塩の製造:
参考例11で得られた化合物5(0.150g,0.310mmol)のジメチルホルムアミド(10ml)溶液に、氷冷下、 エチルジイソプロピルアミン(0.08ml,0.460mmol)とメチルベンジルアミン(0.05ml,0.370mmol)を加えた。 室温で2時間かくはんした後、 反応液を濃縮して得られる残渣を酢酸エチルと飽和重曹水で分配した。 水層を酢酸エチルで抽出し、 有機層をあわせて乾燥(MgSO4)後、 溶媒を減圧下に留去した。 得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、無色油状物(0.159g,97%)を得た。 この油状物の酢酸エチル(4ml)溶液に、 氷冷下、1Nエーテル性塩酸(0.3ml)を加え、 同温で10分間かくはんした。 反応液を減圧下濃縮して得られた残さを酢酸エチル−エーテルから結晶化させて、 塩酸塩(0.144g)を白色結晶として得た。
mp 140−143℃.
元素分析値 C35H30N3O3SF・HCl・H2Oとして
IR (KBr) : 1711, 1665, 1543, 1477 cm-1。
【0052】
実施例2
参考例11で得られる化合物を原料として実施例1に記載した方法に従い製造される化合物を〔表9〕および〔表10〕に示す。
【表9】
【表10】
【0053】
実施例3
6−(4−アミノフェニル)−2,4(1H,3H)−ジオキソ−1−(2−フルオロベンジル)−3−フェニル−5−(N−ベンジル−N−メチルアミノメチル)チエノ〔2,3−d〕ピリミジンの製造:
実施例2で得られた化合物4(0.15g, 0.247mmol)をエタノール(15ml)に溶解させ10%パラジウム炭素(15mg)を加え、常温常圧で8時間にわたり撹拌し水素添加した。反応液をセライト濾過しろ液を減圧濃縮した。選られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して黄色アモルファス結晶(0.046g,32%)を得た。
1H-NMR (300MHz, CDCl3) δ: 2.05(3H, s), 3.57(2H, s), 3.81(2H, br s), 3.89(2H, s), 5.29(2H, s), 6.69(2H, d, J=8.7Hz), 7.05-7.56(16H, m).
FAB-Mass m/z 577(MH)+。
【0054】
実施例4
6−(アミノフェニル)−2,4(1H,3H)−ジオキソ−1−(2,6−ジフルオロベンジル)−5−(N−メチル−N−ベンジルアミノメチル)−3−フェニルチエノ〔2,3−d〕ピリミジンの製造:
実施例2で得られた化合物17を用い、実施例3と同様にして標記化合物を、結晶性アモルファス(65%)として得た。
1H-NMR (300MHz, CDCl3) δ: 2.05(3H, s), 3.56(2H, s), 3.81(2H, br s), 3.88(2H, s), 5.36(2H, s), 6.71(2H, d, J=8.7 Hz), 6.91(2H, t, J=8.7 Hz), 7.21-7.53(13H, m)。
【0055】
実施例5
6−(4−アセチルアミノフェニル)−2,4(1H,3H)−ジオキソ−1−(2−フルオロベンジル)−5−(N−ベンジル−N−メチルアミノメチル)−3−フェニルチエノ〔2,3−d〕ピリミジンの製造:
実施例3で得られた化合物(0.63g, 0.11mmol)を無水ピリジン(5ml)に溶解させ無水酢酸(0.01ml, 0.11mmol)を加え室温下2時間撹拌した。反応液を減圧濃縮し、得られた残渣を塩化メチレン(30ml)と飽和食塩水(10ml)とに分配し、水層は再度塩化メチレンで抽出(30ml)した。有機層を合わせ硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して無色固体(0.01g,15%)を得た。
1H-NMR (300MHz, CDCl3) δ: 2.06(3H, s), 2.19(3H, s), 3.57(2H, s), 3.90(2H, s), 5.30(2H, s), 7.04-7.57(16H, s), 7.70(2H, d, J=8.4Hz)。
【0056】
実施例6
実施例3で得られた化合物を用い、実施例5と同様にして次の化合物が製造される。
実施例6,化合物番号1:2,4(2H,3H)−ジオキソ−1−(2−フルオロベンジル)−5−(N−メチル−N−ベンジルアミノメチル)−3−フェニル−6−(4−プロピオニルアミノフェニル)チエノ〔2,3−d〕ピリミジン塩酸塩(収率:86%,mp 172-175℃)
実施例6,化合物番号2:2,4(2H,3H)−ジオキソ−1−(2−フルオロベンジル)−6−(4−イソブチリルアミノフェニル)−5−(N−メチル−N−ベンジルアミノメチル)−3−フェニルチエノ〔2,3−d〕ピリミジン塩酸塩(収率:77%,mp 185-188℃)
実施例6,化合物番号3:2,4(2H,3H)−ジオキソ−1−(2−フルオロベンジル)−6−(4−メトキシアセチルアミノフェニル)−5−(N−メチル−N−ベンジルアミノメチル)−3−フェニルチエノ〔2,3−d〕ピリミジン塩酸塩(収率:88%,mp 157-162℃)
【0057】
実施例7
2,4(1H,3H)−ジオキソ−1−(2−フルオロベンンジル)−5−(N−ベンジル−N−メチルアミノメチル)−6−(4−メトキシフェニル)−3−(3−メトキシプロピル)チエノ〔2,3−d〕ピリミジン塩酸塩の製造:
参考例26で得られた化合物(284mg,0.519mmol)のジメチルホルムアミド(10ml)溶液に、氷冷下、エチルジイソプロピルアミン(0.140ml,0.780mmol)とメチルベンジルアミン(0.080ml,0.620mmol)を加えた。室温で2時間かくはんした後、反応液を濃縮して得られる残渣を酢酸エチルと飽和重曹水で分配した。水層を酢酸エチルで抽出し、有機層をあわせて乾燥(MgSO4 )後、溶媒を減圧下に留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、無色油状物(280mg,92%)を得た。この油状物の酢酸エチル(4ml)溶液に、氷冷下、1Nエーテル性塩酸(0.3ml)を加え、同温で10分間かくはんした。反応液を減圧下濃縮して得られた残さを酢酸エチル−エーテルから結晶化させて、塩酸塩(220mg)を白色結晶として得た。
mp 95−100℃.
元素分析値 C33H34N3O4SF・1.0HCl・0.5H2Oとして
IR (KBr) : 1702, 1657, 1562, 1543, 1489 cm-1。
【0058】
実施例8
参考例27で得られる化合物を原料として、実施例7に記載した方法と同様の方法により製造される化合物を〔表11〕に示す。なお、化合物19および20は、化合物21を加水分解し化合物22とし、ついで化合物22を塩基の存在下にアルキルハライドと反応させることにより製造される。
【表11】
【0059】
実施例9
6−(4−アミノフェニル)−2,4(1H,3H)−ジオキソ−1−(2,6−ジフルオロベンンジル)−5−(N−ベンジル−N−メチルアミノメチル)−3−(3−メトキシフェニル)チエノ〔2,3−d〕ピリミジン塩酸塩の製造:
実施例8で得られた化合物13(9.00g,13.75mmol)のギ酸(200ml)溶液に、氷冷下、50%パラジウム−カーボン粉末(0.90g)を加え、水素雰囲気下、室温で2時間撹拌した後、 反応液を濃縮して得られる残渣をジクロロメタンと飽和重曹水で分配した。 水層をジクロロメタンで抽出し、有機層をあわせて乾燥(MgSO4 )後、溶媒を減圧下に留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、無色粉末(5.13g,60%)を得た。この化合物(100mg)の酢酸エチル(4ml)溶液に、氷冷下、1Nエーテル性塩酸(0.3ml)を加え、同温で10分間かくはんした。反応液を減圧下濃縮して得られた残さを酢酸エチル−エーテルから結晶化させて、塩酸塩(95mg)を白色結晶として得た。
mp 162−165℃.
元素分析値 C35H30N4O3SF2・2.0HCl・1.0H2Oとして
IR (KBr) : 1715, 1659, 1537, 1473 cm-1。
【0060】
実施例10
実施例8で得られる化合物を用い、実施例9に記載した方法と同様の方法により製造される化合物を〔表12〕に示す。
【表12】
【0061】
実施例11
2,4(1H,3H)−ジオキソ−1−(2,6−ジフルオロベンンジル)−5−(N−ベンジル−N−メチルアミノメチル)−6−(4−ホルムアミドフェニル)−3−フェニルチエノ〔2,3−d〕ピリミジンの製造:
氷冷下、無水酢酸(1.0ml,10.6mmol)にギ酸(0.5ml,13.3mmol)を加え50℃に加熱し1時間撹拌し、ギ酸酢酸無水物を調製した。実施例10で得られた化合物2(200mg,0.34mmol)のTHF(10ml)溶液に、氷冷下ギ酸酢酸無水物(0.3ml)を加え30分間撹拌した。反応液を減圧下に濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して無色固体(124mg,59%)を得た。
mp 194−196℃.
元素分析値 C35H30N4O3SF2・0.5H2Oとして
1H−NMR (300MHz, CDCl3) δ: 3.57 (2H, s), 3.90 (2H, s), 5.37 (2H, s), 6.90-7.30 (12H, m), 7.34-7.79 (6H, m), 8.42 (1H, s).
IR (KBr) : 1715, 1665, 1531, 1467 cm-1。
【0062】
実施例12
実施例9または10で得られる化合物を用い、実施例11に記載した方法と同様の方法により製造される化合物を〔表13〕に示す。
【表13】
【0063】
実施例13
2,4(1H,3H)−ジオキソ−1−(2,6−ジフルオロベンンジル)−5−(N−ベンジル−N−メチルアミノメチル)−6−(4−メチルアミノフェニル)−3−(3−メトキシフェニル)チエノ〔2,3−d〕ピリミジン塩酸塩の製造:
実施例12で得られた化合物2(730mg,1.12mmol)のTHF(30ml)溶液に、氷冷下、ジメチルスルフィドボラン(0.28ml,2.8mmol)を加え、2時間加熱還流した。反応液に塩酸を加え(pH<2)1時間加熱還流した後、濃縮して得られる残渣をジクロロメタンと飽和重曹水で分配した。水層をジクロロメタンで抽出し、有機層をあわせて乾燥(MgSO4 )後、溶媒を減圧下に留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、無色粉末(610mg,85%)を得た。この化合物(100mg)の酢酸エチル(4ml)溶液に、氷冷下、1Nエーテル性塩酸(0.3ml)を加え、同温で10分間かくはんした。反応液を減圧下濃縮して得られた残さを酢酸エチル−エーテルから結晶化させて、塩酸塩(95mg)を白色結晶として得た。
mp 155−160℃.
元素分析値 C35H30N4O3SF2・2.0HCl・0.5AcOEt・3.0H2Oとして
IR(KBr):1715, 1663, 1607, 1543, 1475cm-1
【0064】
実施例14
2,4(1H,3H)−ジオキソ−1−(2,6−ジフルオロベンジル)−6−(4−プロピオニルアミノフェニル)−5−(N−ベンジル−N−メチルアミノメチル)−3−(3−メトキシフェニル)チエノ〔2,3−d〕ピリミジン塩酸塩の製造:
実施例9で得られた化合物(250mg,0.38mmol)のジクロロメタン(10ml)溶液に、氷冷下トリエチルアミン(0.053ml,0.38mmol)、塩化プロピオニル(0.033ml,0.38mmol)を加え、1時間撹拌した。反応液をジクロロメタンと飽和重曹水で分配した。水層をジクロロメタンで抽出し、抽出液をあわせて食塩水で洗浄し乾燥(MgSO4 )後、溶媒を減圧下に留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して無色油状物(220mg,82%)を得た。得られたアシル誘導体の酢酸エチル(4ml)溶液に、氷冷下、1Nエーテル性塩酸(0.3ml)を加え、同温で10分間かくはんした。反応液を減圧下濃縮して得られた残さを酢酸エチル−エーテルから結晶化させて、塩酸塩(213mg)を白色結晶として得た。
mp 218−224℃.
IR (KBr) : 1713, 1665, 1601, 1543, 1475 cm-1。
【0065】
実施例15
実施例9または10で得られる化合物を原料として、実施例14に記載した方法と同様の方法により製造される化合物を〔表14〕に示す。
【表14】
【0066】
実施例16
実施例9または10で得られる化合物を原料とし、実施例14に記載した方法と同様にして、塩化プロピオニルの代わりに無水トリフルオロ酢酸を用い、トリフルオロアセチルアミノ誘導体を得、該誘導体に適当な塩基(例、炭酸カリウム)の存在下、反応に影響を及ぼさない溶媒(例、ジメチルホルムアミド)中、ハロゲン化合物(例、臭化プロピル,臭化イソプロピル)を加え、室温で1〜6時間撹拌し、次いで2N水酸化ナトリウム水溶液を加え1〜2時間加水分解することにより、〔表15〕に示す化合物が製造される。
【表15】
【0067】
実施例17
実施例9または10で得られる化合物を原料とし、酢酸中、当量または少過剰の亜硝酸イソアミル、ビニル化合物およびパラジウム化合物(例、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム、ジベンジリデンアセトンパラジウム)を加え、室温または過熱し、1〜6時間撹拌して、〔表16〕に示す化合物が製造される。
【表16】
【0068】
実施例18
参考例9で得られる化合物30または31,少過剰のアリールほう酸誘導体,2M炭酸ナトリウム水溶液および1,2−ジメトキシエタンの混合物にアルゴン気流下、触媒量のテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)を加え、2時間還流する。得られる化合物に参考例26および実施例1と同様の方法でN−メチルベンジルアミノ基を導入し、〔表17〕に示す化合物が製造される。
【表17】
【0069】
実施例19
実施例2で得られる化合物を原料として、ジクロロメタンを溶媒とし、3当量のジメチルスルフィド及び3当量の塩化アルミニウムを氷冷下加えて1〜4時間撹拌する。これにより、該原料化合物のR4がフェノールとなった誘導体を製造し、これをジメチルホルムアミド中、少過剰のハロゲン化アルキル(例、クロロアセトン)および塩基(例、炭酸カリウム)を加えて反応させることにより、〔表18〕に示す化合物が製造される。
【表18】
【0070】
実施例20
実施例4で製造した化合物(100mg),ラクトース165mg,コーンスターチ25mg,ポリビニールアルコール4mgおよびステアリン酸マグネシウム1mgを用いて、常法により錠剤を製造する。
実施例21
実施例4で製造した化合物(5g)を注射用蒸留水に溶かし、全量100mlとした。この液を0.22μmのメンブランフィルター(住友電気工業(株)又はザルトリウス社製)を用いて無菌濾過し、洗浄滅菌済バイアルに2mlずつ分注し、これを常法により凍結乾燥し、100mg/バイアルの凍結乾燥注射剤を製造する。実施例22
実施例15で製造した化合物1(100mg),ラクトース165mg,コーンスターチ25mg,ポリビニールアルコール4mgおよびステアリン酸マグネシウム1mgを用いて、常法により錠剤を製造する。
実施例23
実施例15で製造した化合物1(5g)を注射用蒸留水に溶かし、全量100mlとした。この液を0.22μmのメンブランフィルター(住友電気工業(株)又はザルトリウス社製)を用いて無菌濾過し、洗浄滅菌済バイアルに2mlずつ分注し、これを常法により凍結乾燥し、100mg/バイアルの凍結乾燥注射剤を製造する。
実施例24
(1)実施例4で製造した化合物または実施例15で製造した化合物1
5g
(2)乳糖・結晶セルロース(粒) 330g
(3)D−マンニトール 29g
(4)低置換度ヒドロキシプロピルセルロース 20g
(5)タルク 25g
(6)ヒドロキシプロピルセルロース 50g
(7)アスパルテーム 3g
(8)グリチルリチン酸二カリウム 3g
(9)ヒドロキシプロピルメチルセルロース2910 30g
(10)酸化チタン 3.5g
(11)黄色三二酸化鉄 0.5g
(12)軽質無水ケイ酸 1g
(1)、(3)、(4)、(5)、(6)、(7)および(8)を精製水に懸濁あるいは溶解し、(2)の核粒にコーティングし素細粒を作製する。この素細粒上に(9)−(11)をコーティングしコーティング細粒を作り、(12)と混合して実施例4で製造した化合物または実施例15で製造した化合物1の細粒1%、500gを作製する。これを500mgずつ分包する。
【0071】
【発明の効果】
本発明の化合物は、優れた性腺刺激ホルモン放出ホルモン拮抗作用を有する。従って、例えばホルモン依存性疾患の予防又は治療剤として用いることができる。具体的には、例えば医薬として性ホルモン依存性ガン(例、前立腺ガン,子宮ガン,乳ガン,下垂体腫瘍等)、前立腺肥大症、子宮筋腫、子宮内膜症、思春期早発症、無月経症候群、多房性卵巣症候群、ニキビなどの予防または治療剤として、あるいは妊娠調節剤(例、避妊剤等)、不妊症治療剤、月経調節剤として有効であり、さらに、畜産分野で、動物の発情の調節、食肉用の肉質の改善、動物の成長調節、水産分野において魚類の産卵促進剤としても有効である。
本発明化合物は、皮下投与または経口で性腺刺激ホルモン放出ホルモン拮抗作用を示し、その経口吸収安定性、作用持続性に優れている。
Claims (9)
- 一般式
R1は式−(CH2)pQ〔式中、pは0〜3の整数を、Qは1個または2個以上の(i)ハロゲンまたは(ii)式−A−R5(式中、Aは−O−または−S(O)m−(式中、mは0〜2の整数を示す)を、R5はアルキル基を示す)で表される基で置換されていてもよいアリール基を示す〕で表される基を、
R2は(1)アルコキシで置換されていてもよいアルキル基、(2)1個または2個以上の(i)ヒドロキシ,(ii)アルコキシで置換されていてもよいアルコキシ,(iii)ハロゲンまたは(iv)式−S(O)n−R6(式中、nは0〜2の整数を、R6はアルキル基を示す)で表される基で置換されていてもよいアリール基、(3)アラルキル基または(4)シクロアルキル基を、
R3は式
R4は1個または2個以上の(1)式
rは0〜3の整数を示す}で表される化合物またはその塩。 - R1が式−CH2−Q〔式中、Qは1〜3個の(i)ハロゲンまたは(ii)式−A−R5(式中、Aは−O−または−S−を、R5はアルキル基を示す)で表される基で置換されているアリール基を示す〕で表される基を、
R2が(1)アルコキシで置換されていてもよいアルキル基、(2)1〜3個の(i)ヒドロキシ,(ii)アルコキシ,(iii)ハロゲンまたは(iv)式−S(O)n−R6(式中、nは0〜2の整数を、R6はアルキル基を示す)で表される基で置換されていてもよいアリール基、(3)アラルキル基または(4)シクロアルキル基を、
R3が式
R4が1個または2個以上の、(1)アミノ、(2)式
rが1を示す請求項1記載の化合物。 - R2が1個または2個以上の(1)アルコキシで置換されていてもよいアルコキシ、(2)ハロゲンまたは(3)式−S(O)n−R6(式中、nは0〜2の整数を、R6はアルキル基を示す)で表される基で置換されていてもよいアリール基である請求項1記載の化合物。
- 一般式
R1は式−(CH2)pQ〔式中、pは0〜3の整数を、Qは1個または2個以上の(i)ハロゲンまたは(ii)式−A−R5(式中、Aは−O−または−S(O)m−(式中、mは0〜2の整数を示す)を、R5はC1−6アルキル基を示す)で表される基で置換されていてもよいC6−14アリール基を示す〕で表される基を、
R2は(1)C1−3アルコキシで置換されていてもよいC1−6アルキル基、(2)1個または2個以上の(i)ヒドロキシ,(ii)C1−3アルコキシで置換されていてもよいC1−3アルコキシ,(iii)ハロゲンまたは(iv)式−S(O)n−R6(式中、nは0〜2の整数を、R6はC1−6アルキル基を示す)で表される基で置換されていてもよいC6−14アリール基、(3)C6−14アリール−C1−6アルキル基または(4)C3−10シクロアルキル基を、
R3は式
R4は1個または2個以上の(1)式
rは0〜3の整数を示す}で表される請求項1記載の化合物。 - R1が式−CH2−Q〔式中、Qは1〜3個の(i)ハロゲンまたは(ii)式−A−R5(式中、Aは−O−または−S−を、R5はC1−6アルキル基を示す)で表される基で置換されているC6−14アリール基を示す〕で表される基を、
R2が(1)C1−3アルコキシで置換されていてもよいC1−6アルキル基、(2)1〜3個の(i)ヒドロキシ,(ii)C1−3アルコキシ,(iii)ハロゲンまたは(iv)式−S(O)n−R6(式中、nは0〜2の整数を、R6はC1−3アルキル基を示す)で表される基で置換されていてもよいC6−14アリール基、(3)C6−14アリール−C1−6アルキル基または(4)C3−10シクロアルキル基を、
R3が式
R4が1個または2個以上の、(1)アミノ、(2)式
rが1を示す請求項1記載の化合物。 - 化合物が2,4(1H,3H)−ジオキソ−5−(N−ベンジル−N−メチルアミノメチル)−1−(2−クロロ−6−フルオロベンジル)−6−(4−メトキシフェニル)−3−フェニルチエノ〔2,3−d〕ピリミジンまたはその塩である請求項1記載の化合物。
- 化合物が2,4(1H,3H)−ジオキソ−1−(2,6−ジフルオロベンジル)−6−(4−プロピオニルアミノフェニル)−5−(N−ベンジル−N−メチルアミノメチル)−3−(3−メトキシフェニル)チエノ〔2,3−d〕ピリミジンまたはその塩である請求項1記載の化合物。
- 化合物が2,4(1H,3H)−ジオキソ−1−(2,6−ジフルオロベンジル)−6−(4−イソブチリルアミノフェニル)−5−(N−ベンジル−N−メチルアミノメチル)−3−(3−メトキシフェニル)チエノ〔2,3−d〕ピリミジンまたはその塩である請求項1記載の化合物。
- 一般式
R1は式−(CH2)pQ〔式中、pは0〜3の整数を、Qは1個または2個以上の(i)ハロゲンまたは(ii)式−A−R5(式中、Aは−O−または−S(O)m−(式中、mは0〜2の整数を示す)を、R5はアルキル基を示す)で表される基で置換されていてもよいアリール基を示す〕で表される基を、
R2は(1)アルコキシで置換されていてもよいアルキル基、(2)1個または2個以上の(i)ヒドロキシ,(ii)アルコキシで置換されていてもよいアルコキシ,(iii)ハロゲンまたは(iv)式−S(O)n−R6(式中、nは0〜2の整数を、R6はアルキル基を示す)で表される基で置換されていてもよいアリール基、(3)アラルキル基または(4)シクロアルキル基を、
R4は1個または2個以上の(1)式
Xは脱離基を、
rは0〜3の整数を示す}で表される化合物又はその塩と、
一般式R3−H
〔式中、
R3は式
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