JP3789361B2 - 交流発電機 - Google Patents

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    • H02K1/06Details of the magnetic circuit characterised by the shape, form or construction
    • H02K1/22Rotating parts of the magnetic circuit
    • H02K1/24Rotor cores with salient poles ; Variable reluctance rotors
    • H02K1/243Rotor cores with salient poles ; Variable reluctance rotors of the claw-pole type

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  • Power Engineering (AREA)
  • Iron Core Of Rotating Electric Machines (AREA)
  • Synchronous Machinery (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば複数の爪状磁極片で励磁巻線を保持する回転子を具備した交流発電機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、騒音となる磁気音の発生が、負荷時の磁束波形の歪による第3次高調波に大きく影響されていることに着眼し、負荷時の磁束波形を正弦波に近くなるように、磁束歪を持たせるために爪状磁極片の形状を予め中心線に対して非対称となるように不等辺台形状に冷鍛成形してなる回転子を備えた交流発電機(特公昭61−11066号公報)が知られている。
【0003】
また、交流発電機における回転子の各々の爪状磁極片に対し、回転方向後縁側に回転方向前縁側に比べて相対的に大きな面取りを施すことにより磁気音を低減するようにした交流発電機が提案されている(特許第3223536号公報)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特公昭61−11066号公報に記載された前記従来の交流発電機においては、爪状磁極片の形状が中心線に対して非対称であるため、冷鍛成形する際に回転方向の前縁側と後縁側とで成形圧のアンバランスが大きく、爪状磁極片の形状が不揃いとなってしまい、爪状磁極片の形状精度が確保できないという問題点がある。
【0005】
一方、特許第3223536号公報に記載された前記従来の交流発電機では、対向する磁極片間における磁束変動が大きいことが磁気音発生の一因となっているという問題点がある。すなわち、前記従来の交流発電機では、一方の磁極片における面取りの小さい回転方向前縁側と、他方の磁極片における面取りの大きい後縁側とが対向する状態で交互に噛み合う構造となっているために、磁束変動が大きく、これにより磁気音が発生するという問題がある。さらに、爪状磁極片の回転方向後縁側全体に大きく面取りが施されることにより、交流発電機の電流出力が低下するという問題点もある。
【0006】
本発明は、電流出力の低下を抑えつつ、対向する磁極片間における磁束変動を少なくして磁気音の発生を低減した交流発電機を提供することを解決すべき課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するために、請求項1に記載の交流発電機は、巻線を収納する複数のスロットを有する固定子と、この固定子に対向して配置され、複数交互に噛み合う等辺台形状の爪状磁極片を有する回転子とを備えた交流発電機において、前記複数交互に噛み合う等辺台形状の爪状磁極片の各々には、回転方向前縁側に前記固定子の内周面と対向する距離が徐増する前縁側面取り部と、回転方向後縁側に前記固定子の内周面と対向する距離が徐増する面取り形状が前記前縁側面取り部と略同一の後縁側面取り部とが設けられると共に、先端部に前記固定子の内周面と対向する距離が徐増する先端面取り部が設けられ、その先端面取り部は、中心線を挟んで回転方向前方側が相対的に小さく且つ回転方向後方側が相対的に大きく形成されたことを特徴とする。
【0008】
従って、複数交互に噛み合う等辺台形状の爪状磁極片の各々には、回転方向前縁側に前記固定子の内周面と対向する距離が徐増する前縁側面取り部と、回転方向後縁側に前記固定子の内周面と対向する距離が徐増する面取り形状が前記前縁側面取り部と略同一である後縁側面取り部とが設けられているので、対向する磁極片間における磁束の変化が少なく、磁気音の発生が抑制される。
【0009】
また、爪状磁極片の各々には、先端部に前記固定子の内周面と対向する距離が徐増する先端面取り部が設けられ、その先端面取り部は、中心線を挟んで回転方向前方側が相対的に小さく且つ回転方向後方側が相対的に大きく形成されているので、爪状磁極片の先端部付近の回転方向前方側の面取りの小さい部分で磁束が急増し、後方側の面取りの大きい部分で磁束が徐減することとなり、磁気音発生の一因となる第三高調波の逆位相の磁束変化が生じ、結果として爪形磁極片を不等辺台形状とした従来の交流発電機と同様の磁束分布を得ることができ、磁気音が低減される。
【0010】
さらに、爪状磁極片全体において固定子とのギャップが大きい部分(面取り形成部分)の占める比率が小さいので、電流出力の低下が抑制される。
【0011】
また、請求項2に記載の交流発電機は、巻線を収納する複数のスロットを有する固定子と、この固定子に対向して配置され、複数交互に噛み合う等辺台形状の爪状磁極片を有する回転子とを備えた交流発電機において、前記複数交互に噛み合う等辺台形状の爪状磁極片の各々には、回転方向前縁側に前記固定子の内周面と対向する距離が徐増する前縁側面取り部と、回転方向後縁側に前記固定子の内周面と対向する距離が徐増する面取り形状が前記前縁側面取り部と略同一の後縁側面取り部とが設けられると共に、先端部の前記固定子に対向する面の回転方向後方側に凹部を形成したことを特徴とする。
【0012】
従って、複数交互に噛み合う等辺台形状の爪状磁極片の各々には、回転方向前縁側に前記固定子の内周面と対向する距離が徐増する前縁側面取り部と、回転方向後縁側に前記固定子の内周面と対向する距離が徐増する面取り形状が前記前縁側面取り部と略同一である後縁側面取り部とが設けられているので、対向する磁極片間における磁束の変化が少なく、磁気音の発生が抑制される。
【0013】
また、爪状磁極片の各々には、先端部の固定子に対向する面の回転方向後方側に凹部を形成したので、爪状磁極片の先端部における凹部が形成されていない回転方向前方側で磁束が急増し、凹部が形成された後方側で磁束が徐減することとなり、磁気音発生の一因となる第三高調波の逆位相の磁束変化が生じ、結果として爪形磁極片を不等辺台形状とした従来の交流発電機と同様の磁束分布を得ることができ、磁気音が低減される。
【0014】
さらに、爪状磁極片全体において固定子とのギャップが大きい部分(凹部)の占める比率が小さいので、電流出力の低下が抑制される。
【0015】
また、請求項3に記載の交流発電機は、巻線を収納する複数のスロットを有する固定子と、この固定子に対向して配置され、複数交互に噛み合う等辺台形状の爪状磁極片を有する回転子とを備えた交流発電機において、前記複数交互に噛み合う等辺台形状の爪状磁極片の各々には、回転方向前縁側に前記固定子の内周面と対向する距離が徐増する前縁側面取り部と、回転方向後縁側に前記固定子の内周面と対向する距離が徐増する面取り形状が前記前縁側面取り部と略同一の後縁側面取り部とが設けられると共に、先端部の前記固定子に対向する面の回転方向後方側に貫通孔を形成したことを特徴とする。
【0016】
従って、複数交互に噛み合う等辺台形状の爪状磁極片の各々には、回転方向前縁側に前記固定子の内周面と対向する距離が徐増する前縁側面取り部と、回転方向後縁側に前記固定子の内周面と対向する距離が徐増する面取り形状が前記前縁側面取り部と略同一である後縁側面取り部とが設けられているので、対向する磁極片間における磁束の変化が少なく、磁気音の発生が抑制される。
【0017】
また、爪状磁極片の各々には、先端の固定子に対向する面の回転方向後方側に貫通孔を形成したので、爪状磁極片の先端部における貫通孔が形成されていない回転方向前方側で磁束が急増し、貫通孔が形成された後方側で磁束が徐減することとなり、磁気音発生の一因となる第三高調波の逆位相の磁束変化が生じ、結果として爪形磁極片を不等辺台形状とした従来の交流発電機と同様の磁束分布を得ることができ、磁気音が低減される。また、爪状磁極片全体において固定子とのギャップが大きい部分(貫通孔)の占める比率が小さいので、電流出力の低下が抑制される。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を具体化した交流発電機の各実施形態について説明する。
【0019】
まず、本発明の第1の実施形態について、図1乃至図6を参照しつつ説明する。尚、図1および図2は第1の実施形態における回転子の爪状磁極片を示した図、図3および図4は固定子と回転子とを示した図、図5は交流発電機の回転数と磁気音の騒音レベルとの関係を示したグラフ、図6は変形例における回転子の爪状磁極片を示した図である。
【0020】
交流発電機1は、自動車に搭載され、電機子を構成する固定子2、および界磁を構成する回転子3を備える。固定子2は、多数のけい素鋼板を積層した円環状の電機子鉄心4、およびこの電機子鉄心4を保持するヨーク(図示せず)等から構成されている。電機子鉄心4は、全内周に亘って複数の突条(歯)5が形成され、これらの突条5間には、三相電機子巻線6が収納される複数のスロット7が形成されている。なお、複数のスロット7は、所定のスロットピッチで形成されている。
【0021】
回転子3は、エンジンに回転駆動される回転軸8、およびこの回転軸8の外周に固着されたランデル型ポールコア10等から構成される。ポールコア10は、冷鍛成形により製造され、一方の爪状磁極片11と他方の爪状磁極片12とが複数交互に噛み合うように配列され、中央部に励磁巻線13を巻回するための円筒部14、15が形成されている。ポールコア10は、励磁巻線13に電流を流すと、励磁巻線13の起磁力により一方の爪状磁極片11が全てS極となり、他方の爪状磁極片12が全てN極となる。
【0022】
一方の爪状磁極片11および他方の爪状磁極片12は、まず回転方向の前縁側と後縁側とのスロット7の中心線に対するスキュー角度θF0、θR0が共に等しくなるように(図1参照)、冷鍛成形により等辺台形状に形成される。なお、本実施形態では、このスキュー角度をθF0=θR0= tan-1(τs /L)と規定している。但し、τs :スロットピッチ、L:電機子鉄心の積層厚さである。そして、冷鍛成形後には、一方の爪状磁極片11および他方の爪状磁極片12の回転方向の前縁側となる固定子2との対向面に固定子2との距離が徐増する第1面取り部16、17が、回転方向の後縁側となる固定子2との対向面に固定子2との距離が徐増する第2面取り部18、19が、磁極片先端部に固定子2との距離が徐増する第3の面取り部20、21がそれぞれ形成される。
【0023】
第1面取り部16、17は、切削加工またはサイジング(しごき成形)加工によって施され、スロット7の中心線に対して第1スキュー角度θF (=スキュー角度θF0)を持つように形成されている(図1参照)。第2面取り部18、19は、切削加工またはサイジング(しごき成形)加工によって施され、スロット7の中心線に対して第2スキュー角度θR (=スキュー角度θR0)を持つように形成されている(図1参照)。第3面取り部20、21は、切削加工またはサイジング(しごき成形)加工によって施され、第1面取り部16、17によって形成される辺線と第3面取り部20、21によって形成される辺線との交点と先端縁との距離をt2、第2面取り部18、19によって形成される辺線と第3面取り部20、21によって形成される辺線との交点と先端縁との距離をt1としたとき、t1>t2となるように形成されている。従って、第3面取り部20、21の面積は、一方の爪状磁極片11および他方の爪状磁極片12の各々の中心線Cを挟んで、回転方向前方側が相対的に小さく、且つ回転方向後方側が相対的に大きく設定されている。尚、本実施形態における第3面取り部の中心線Cを挟んで回転方向前方側の面積と後方側の面積との比率は約1:2に設定されているが、この比率は諸条件により適宜変更して設定される。
【0024】
次に、この交流発電機1の作動を図3ないし図4に基づき説明する。励磁巻線13に電流が流されると、励磁巻線13の起磁力により一方の爪状磁極片11が全てS極となり、他方の爪状磁極片12が全てN極となる。
【0025】
そして、回転子3が所定の回転方向に回転駆動されて交流発電機1が発電した場合、一方の爪状磁極片11および他方の爪状磁極片12にそれぞれ形成された第3面取り部20、21により、一方の爪状磁極片11および他方の爪状磁極片12の各先端部付近の回転方向前方側の面取りの小さい部分で磁束が急増し、後方側の面取りの大きい部分で磁束が徐減することとなり、磁気音発生の一因となる第三高調波の逆位相の磁束変化が生じ、結果として爪形磁極片を不等辺台形状とした従来の交流発電機と同様の磁束分布を得ることができ、磁気音が低減される。
【0026】
また、爪状磁極片の回転方向後縁側に大きく面取りを施した従来の交流発電機と比較して、各爪状磁極片11、12全体における固定子2とのギャップの大きい部分(面取り部分)の占める比率が小さいので、電流出力の低下が抑制される。
【0027】
さらに、一方の爪状磁極片11における回転方向後縁側の第2面取り部18と、他方の爪状磁極片12における回転方向前縁側の第1面取り部17とが対向するように配置されるが、これら第1と第2の面取り部は面取り形状が同一であるため、対向する磁極片間における磁束の変化が少なく、磁気音の発生が抑制される。尚、一方の爪状磁極片11における第3面取り部20も、他方の爪状磁極片12における回転方向前縁側の第1面取り部17に対向しており、両者は面取り形状が異なっているが、第3面取り部20は一方の爪状磁極片11の先端部付近のみに形成され、他方の爪状磁極片12との対向部分が小さいので、磁束変動を大きくする要因とはならない。
【0028】
また、第1面取り部16、17、第2面取り部18、19、および第3面取り部20、21は、冷鍛成形された等辺台形状のポールコア10の一方の爪状磁極片11および他方の爪状磁極片12に、比較的簡単な切削加工またはサイジング(しごき成形)加工を施すことによって形成できるので、冷鍛成形する際に一方の爪状磁極片11および他方の爪状磁極片12の回転方向の前縁側と後縁側とで成形圧のアンバランスが生ずることはなく、一方の爪状磁極片11および他方の爪状磁極片12の形状精度を実装可能な範囲内に容易に確保することができる。
【0029】
この実施形態の磁気音の低減効果を図4のグラフを用いて説明する。このグラフは、上述した第1、第2、第3の面取り部を一切設けていない従来の等辺台形状の爪状磁極片を有する回転子Aを採用した交流発電機と、図1に示される本実施形態の回転子Bを採用した交流発電機とを、回転数を変化させながら騒音レベルを測定した結果を表している。グラフより、従来の回転子Aを採用したものと比較して、本実施形態の爪状磁極片を持つ回転子Bでは、磁気音の騒音レベルが低下していることがわかる。
【0030】
本実施形態では、θF 、θR 、t1、t2の具体的な数値については、磁気音を低減したい交流発電機の回転数域のねらいどころ、また交流発電機の電機子のインピーダンスによって適宜最適値が異なるとともに、励磁力の強さ、ギャップの寸法設計、磁極基本形状の設計によって多少ずれた最適値となることは言うまでもない。
【0031】
また、前記実施形態では、一方の爪状磁極片11および他方の爪状磁極片12に、第1面取り部16、17、第2面取り部18、19を設けたが、これらの面取り部を省略して、第3面取り部20、21のみを設ける構成でも構わない。
【0032】
さらに、第1面取り部16、17、第2面取り部18、19、及び第3面取り部20、21が互いに辺線によって区切られず連続して形成されていてもよい。例えば、図6の変形例に示すように、先端部において回転方向前方側に偏った1本の双曲線状の辺線を形成する曲線状面取り部22、23を一方の爪状磁極片11および他方の爪状磁極片12に設ける構成としてもよい。要するに、各爪状磁極片111、12の先端部に形成された面取り部が、中心線Cを挟んで回転方向前方側が相対的に小さく且つ回転方向後方側が相対的に大きく設定されていればよいのである。
【0033】
次に、本発明の第2の実施形態について、図7を参照しつつ説明する。尚、第1の実施形態と同様の部材については共通の符号を付し、説明を省略する。
【0034】
第2の実施形態では、上述した第1の実施形態における第3面取り部20、21に代えて、一方の爪状磁極片11および他方の爪状磁極片12の先端部の固定子2に対向する面において、中心線Cより回転方向後方側に断面略円弧状の凹部24、25がそれぞれ形成されている。
【0035】
そして、回転子3が所定の回転方向に回転駆動されて交流発電機1が発電した場合、一方の爪状磁極片11および他方の爪状磁極片12にそれぞれ形成された凹部24、25により、一方の爪状磁極片11および他方の爪状磁極片12の各先端部付近における凹部24、25が形成されていない回転方向前方側で磁束が急増し、凹部24、25が形成された後方側で磁束が徐減することとなり、磁気音発生の一因となる第三高調波の逆位相の磁束変化が生じ、結果として爪形磁極片を不等辺台形状とした従来の交流発電機と同様の磁束分布を得ることができ、磁気音が低減される。
【0036】
また、爪状磁極片の回転方向後縁側に大きく面取りを施した従来の交流発電機と比較して、各爪状磁極片11、12全体における固定子2とのギャップの大きい部分(凹部24、25)の占める比率が小さいので、電流出力の低下が抑制される。
【0037】
さらに、上述した第1の実施形態と同様に、一方の爪状磁極片11における回転方向後縁側の第2面取り部18と、他方の爪状磁極片12における回転方向前縁側の第1面取り部17とが対向するように配置されるが、これら第1と第2の面取り部は面取り形状が同一であるため、対向する磁極片間における磁束の変化が少なく、より一層、磁気音の発生が抑制される。
【0038】
尚、凹部24、25は、ポールコア10の冷鍛成形時に凸状部材が当接することにより形成されるが、冷鍛成型後に切削加工等により形成しても構わない。また、凹部24、25の断面形状は、略円弧U字状に限られず、U字状、矩形状、V字状等であってもよい。また、凹部は一つの爪状磁極片について1箇所に限られず、それぞれ2箇所以上に形成してもよい。
【0039】
次に、本発明の第3の実施形態について、図8を参照しつつ説明する。尚、第1の実施形態と同様の部材については共通の符号を付し、説明を省略する。
【0040】
第3の実施形態では、第2の実施形態における凹部24、25に代えて、一方の爪状磁極片11および他方の爪状磁極片12の先端部の固定子2に対向する面において、中心線Cより回転方向後方側に上面と下面との間を貫通する貫通孔26、27がそれぞれ形成されている。尚、貫通孔26、27は、ポールコア10の冷鍛成型後に、切削加工等により形成される。
【0041】
そして、回転子3が所定の回転方向に回転駆動されて交流発電機1が発電した場合、一方の爪状磁極片11および他方の爪状磁極片12にそれぞれ形成された貫通孔26、27により、一方の爪状磁極片11および他方の爪状磁極片12の各先端部付近における貫通孔26、27が形成されていない回転方向前方側で磁束が急増し、貫通孔26、27が形成された後方側で磁束が徐減することとなり、磁気音発生の一因となる第三高調波の逆位相の磁束変化が生じ、結果として爪形磁極片を不等辺台形状とした従来の交流発電機と同様の磁束分布を得ることができ、磁気音が低減される。
【0042】
また、爪状磁極片の回転方向後縁側に大きく面取りを施した従来の交流発電機と比較して、爪状磁極片全体における固定子とのギャップの大きい部分(貫通孔26、27)の占める比率が小さいので、電流出力の低下が抑制される。
【0043】
さらに、上述した第1と第2の実施形態と同様に、一方の爪状磁極片11における回転方向後縁側の第2面取り部18と、他方の爪状磁極片12における回転方向前縁側の第1面取り部17とが対向するように配置されるが、これら第1と第2の面取り部は面取り形状が同一であるため、対向する磁極片間における磁束の変化が少なく、より一層、磁気音の発生が抑制される。
【0044】
尚、貫通孔は、一つの爪状磁極片について1箇所に限られず、それぞれ2箇所以上に形成してもよい。
【0045】
尚、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を施すことが可能である。
【0046】
例えば、前記各実施形態では、本発明を自動車用の交流発電機に適用したが、本発明を他の車両用の交流発電機や定置式の交流発電機に適用しても良い。さらに、前記各実施形態では、固定子が電機子を構成し、回転子が界磁を構成するようにしたが、固定子が界磁を構成し、回転子が電機子を構成するようにしても良い。
【0047】
【発明の効果】
以上述べたように本発明の請求項1乃至3のいずれかに記載の交流発電機によれば、対向する磁極片間における磁束の変化が少なく、磁気音の発生が抑制されるという効果を奏する。
【0048】
また、磁気音発生の一因となる第三高調波の逆位相の磁束変化が生じ、結果として爪形磁極片を不等辺台形状とした従来の交流発電機と同様の磁束分布を得ることができ、磁気音が低減されるという効果を奏する。さらに、爪状磁極片全体において固定子とのギャップが大きい部分の占める比率が小さいので、電流出力の低下が抑制されるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施形態の交流発電機における回転子の爪状磁極片を示した平面図である。
【図2】 回転子の爪状磁極片を示した側面図である。
【図3】 固定子および回転子を示した側面図である。
【図4】 固定子および回転子を示した断面図である。
【図5】 交流発電機の回転数と磁気音の騒音レベルとの関係を示したグラフである。
【図6】 第1の実施形態の変形例における爪状磁極片を示した平面図である。
【図7】 第2の実施形態における爪状磁極片を示した平面図である。
【図8】 第3の実施形態における爪状磁極片を示した平面図である。
【符号の説明】
1…交流発電機、2…固定子、3…回転子、6…三相電機子巻線、7…スロット、11…一方の爪状磁極片、12…他方の爪状磁極片、16…第1面取り部(前縁側面取り部)、17…第1面取り部(前縁側面取り部)、18…第2面取り部(後縁側面取り部)、19…第2面取り部(後縁側面取り部)、20…第3面取り部(先端面取り部)、21…第3面取り部(先端面取り部)、22…曲線状面取り部(先端面取り部)、23…曲線状面取り部(先端面取り部)、24…凹部、25…凹部、26…貫通孔、27…貫通孔。

Claims (3)

  1. 巻線を収納する複数のスロットを有する固定子と、この固定子に対向して配置され、複数交互に噛み合う等辺台形状の爪状磁極片を有する回転子とを備えた交流発電機において、
    前記複数交互に噛み合う等辺台形状の爪状磁極片の各々には、回転方向前縁側に前記固定子の内周面と対向する距離が徐増する前縁側面取り部と、回転方向後縁側に前記固定子の内周面と対向する距離が徐増する後縁側面取り部とが設けられ、前記前縁側面取り部と前記後縁側面取り部とは面取り形状が略同一であると共に、先端部に前記固定子の内周面と対向する距離が徐増する先端面取り部が設けられ、その先端面取り部は、中心線を挟んで回転方向前方側が相対的に小さく且つ回転方向後方側が相対的に大きく形成されたことを特徴とする交流発電機。
  2. 巻線を収納する複数のスロットを有する固定子と、この固定子に対向して配置され、複数交互に噛み合う等辺台形状の爪状磁極片を有する回転子とを備えた交流発電機において、
    前記複数交互に噛み合う等辺台形状の爪状磁極片の各々には、回転方向前縁側に前記固定子の内周面と対向する距離が徐増する前縁側面取り部と、回転方向後縁側に前記固定子の内周面と対向する距離が徐増する後縁側面取り部とが設けられ、前記前縁側面取り部と前記後縁側面取り部とは面取り形状が略同一であると共に、先端部の前記固定子に対向する面の回転方向後方側に凹部を形成したことを特徴とする交流発電機。
  3. 巻線を収納する複数のスロットを有する固定子と、この固定子に対向して配置され、複数交互に噛み合う等辺台形状の爪状磁極片を有する回転子とを備えた交流発電機において、
    前記複数交互に噛み合う等辺台形状の爪状磁極片の各々には、回転方向前縁側に前記固定子の内周面と対向する距離が徐増する前縁側面取り部と、回転方向後縁側に前記固定子の内周面と対向する距離が徐増する後縁側面取り部とが設けられ、前記前縁側面取り部と前記後縁側面取り部とは面取り形状が略同一であると共に、先端部の前記固定子に対向する面の回転方向後方側に貫通孔を形成したことを特徴とする交流発電機。
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