JP3789197B2 - パンツ型使い捨ておむつ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、パンツ型使い捨ておむつに関し、更に詳しくは、前後を容易に区別でき且つ簡便に製造可能なパンツ型使い捨ておむつに関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
従来より、種々のパンツ型使い捨ておむつが知られており、この様なパンツ型使い捨ておむつは、立位の状態においても装着及び離脱が容易であり、幼児のおむつ離れを促進するトイレットトレーニング用として、または失禁者等の大人用のおむつ等として有用である。
【0003】
上述のような従来のパンツ型使い捨ておむつにおいては、前後の形態が酷似しており、装着時に前と後ろを区別し難く間違って装着し易い問題点がある。そして、この問題点を解決するために、この使い捨ておむつの非肌当接面に、前後を区別するためのラベルを貼る等の手法が考えられる。しかし、ラベルを貼る等の手法では、製造のための設備や工程が複雑化して生産性が低下してしまう問題点がある。また、非肌当接面の見栄えが悪くなるおそれのあるという問題点もある。
【0004】
従って、本発明の目的は、容易に前後を区別でき且つ簡便に製造可能なパンツ型使い捨ておむつを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、腹側部のウエスト開口部近傍において最内側面に配設された腹側ウエスト周り部材、及び背側部のウエスト開口部近傍において最内側面に配設された背側ウエスト周り部材を備えているパンツ型使い捨ておむつにおいて、上記腹側ウエスト周り部材及び上記背側ウエスト周り部材には、それぞれ、パンツ型使い捨ておむつの前後方向の識別を可能にする、同一の、「まえ」の文字列及び「うしろ」の文字列が付されており、上記腹側ウエスト周り部材及び上記背側ウエスト周り部材は、それぞれ上記パンツ型使い捨ておむつに対し、上記字列それぞれの上下方向を互いに逆にして配設されており、ウエスト開口部を開いて、おむつの内側から腹側部を見ると、上記「まえ」の文字列のみが上下正しく読み取れ、おむつの内側から背側部を見ると、上記「うしろ」の文字列のみが上下正しく読み取れるようになされていることを特徴とするパンツ型使い捨ておむつを提供することにより、上記目的を達成したものである。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のパンツ型使い捨ておむつの一実施形態を図面を参照しながら具体的に説明する。
図1は、本発明のパンツ型使い捨ておむつの一実施形態を展開した状態で示す斜視図であり、図2は図1の使い捨ておむつに用いられる原反を示す平面図であり、図3は図1のパンツ型使い捨ておむつの製造工程の一部を示す概略図である。
【0007】
本実施形態のパンツ型使い捨ておむつ1は、図1に示すように、腹側部Aのウエスト開口部近傍において最内側面に配設された腹側ウエスト周り部材40a及び背側部Bのウエスト開口部近傍において最内側面に配設された背側ウエスト周り部材40bを備えている。
これらの構成は従来のパンツ型使い捨ておむつと同じである。
【0008】
而して、本実施形態のパンツ型使い捨ておむつ1においては、上記腹側ウエスト周り部材40a及び上記腹側ウエスト周り部材40aには、それぞれ、パンツ型使い捨ておむつ1の前後方向の認識を可能にする、同一の、「まえ」の文字列及び「うしろ」の文字列が付されており、上記腹側ウエスト周り部材40a及び上記背側ウエスト周り部材40bは、それぞれ上記パンツ型おむつ1に対し、上記字列それぞれの上下方向を互いに逆にして配設されている。
【0009】
本実施形態について詳述すると、本実施形態のパンツ型使い捨ておむつ1は、図1に示すように、肌当接面を形成する表面シートとしての液透過性シート21と、該液透過性シート21の非肌当接面側に配置される吸収部としての吸収体と、該吸収体の非肌当接面側に配置される裏面シートとしての液非透過性シートとを備えている。そして、上記液透過性シート21及び上記液非透過性シートのいずれもが、展開した状態において長手方向略中央部の括れた砂時計断面状の形状をしており、着用時に着用者の腹側に位置する腹側部Aと、背側に位置する背側部Bと、該腹側部A及び該背側部B間に位置する股下部Cとに区分されている。そして、上記腹側部Aの側縁部A’と上記背側部Bの側縁部B’とが左右それぞれにおいて接合されてウエスト開口部及び一対のレッグ開口部が形成されてパンツ型に形成されている。尚、上記液非透過性シートは、吸収体の存在する領域にのみ配することもでき、その場合は、パンツ型のおむつを構成するために最外層を例えば不織布で構成することができる。
【0010】
上記液透過性シート21としては、不織布又は不織布フィルムを用いることができ、コスト及び風合いの点で、不織布が好ましい。また、上記液非透過性シートとしては、不織布又は不織布フィルムを用いることができ、コスト及び風合いの点で、不織布が好ましい。
【0011】
上記吸収体は、縦長であって、その長手方向を上記液透過性シート21及び上記液非透過性シートの長手方向と揃えてこれら液透過性シート21及び液非透過性シートの間に挟持されている。上記吸収体としては、従来のパンツ型使い捨ておむつにおいて吸収体として用いられているものを特に制限なく用いることができる。
【0012】
また、本実施形態のパンツ型使い捨ておむつ1においては、ウエスト用の弾性部材13が、腹側部A及び背側部Bにおいて、液透過性シート21と液不透過性シートとの間に、腹側部A及び背側部Bそれぞれにおけるウエスト開口部の開口部縁に平行に配設されており、腹側部Aの側縁部A’と背側部Bの側縁部B’とが接合された接合部において同一のウエスト用の弾性部材13の端部どうしが重複してウエスト開口部の周縁部に配置され、ウエスト開口部の周縁部の略全周にわたって配置されてウエストギャザーが形成されるようになっている。
更に、一対のレッグ開口部の周縁部には、レッグ用の弾性部材15a,15bが該レッグ開口部の周縁部の略全周にわたって配置されてレッグギャザーが形成されるようになっている。上記レッグ用の弾性部材15a,15bは、そのうちの一方(レッグ用の弾性部材15a)は、腹側部Aの一方の側縁部A’に沿い且つ股下部Cを横断し、他方の側縁部A’に沿うように液透過性シート21と液不透過性シートとの間に配設されており、他方(レッグ用の弾性部材15b)は背側部Bの一方の側縁部B’に沿い且つ股下部Cを横断し、他方の側縁部B’に沿うように、液透過性シート21と液不透過性シートとの間に配設されている。これらのレッグ用の弾性部材15a,15bは股下部Cにおいて交差せずに配設されている。
【0013】
また、本実施形態のパンツ型使い捨ておむつ1では、胴周り部(ウエスト開口部よりも股下側)に胴まわり用の弾性部材が、吸収体と液不透過性シートとの間に、腹側部A及び背側部Bそれぞれにおけるウエスト開口部の開口部縁に平行に配設されており、腹側部Aの側縁部A’と背側部Bの側縁部B’とが接合された接合部において同一の胴まわり用の弾性部材の端部どうしが重複し、胴周り部の周縁部の略全周にわたって胴まわりギャザーが形成されるようになっている。
【0014】
上記ウエスト用の弾性部材13、レッグ用の弾性部材15a,15b、及び胴周り用の弾性部材としては、それぞれ、従来より使い捨ておむつのウエスト用の弾性部材、レッグ用の弾性部材及び胴回り用の弾性部材として用いられているものを特に制限なく用いることができる。
【0015】
また、本実施形態のパンツ型使い捨ておむつ1は、上記腹側部Aから上記股下部Cを縦断し上記背側部Bに亘るレッグ周り部材30が配置されている。このレッグ周り部材30は、パンツ型使い捨ておむつ1の内側寄りに配置されている側縁部にレッグ立体ギャザー形成用の弾性部材32が伸張された状態で固定されており、この弾性部材32の収縮によってレッグ周り部材30が装着者側に起立してレッグ立体ギャザーが形成されるようになっている。
上記レッグ周り部材30及びレッグ立体ギャザー形成用の弾性部材32としては、従来より使い捨ておむつのレッグ立体ギャザーを形成する部材として用いられているものを特に制限なく用いることができる。
【0016】
そして、上記腹側ウエスト周り部材40aは、上記腹側部Aにおいて上記液透過性シート21の更に肌当接面側に配設されており、上記背側ウエスト周り部材40bは、上記背側部Bにおいて上記液透過性シート21の更に肌当接面側に配設されている。上記腹側ウエスト周り部材40a及び背側ウエスト周り部材40bとしては、従来のパンツ型使い捨ておむつにおいてそれぞれ腹側ウエスト周り部材又は背側ウエスト周り部材として用いられているものを特に制限なく用いることができる。
【0017】
この腹側ウエスト周り部材40a及び背側ウエスト周り部材40bは、レッグ周り部材30の配設されている部分においてはレッグ周り部材30よりも肌当接面側の最内側面に配設されており、腹側ウエスト周り部材40a及び背側ウエスト周り部材40bの略全面が肌当接面を形成している。この腹側ウエスト周り部材40a及び背側ウエスト周り部材40bの股下部C側の縁部40a’,40b’以外の部分40a’’,40b’’は液透過性シート21に固着されており、股下部C側の縁部40a’,40b’が、縁部以外の部分40a’’,40b’’よりも股下部C寄りに配置された状態で装着者側に若干浮き上がった状態で配置することができる。
【0018】
上記腹側ウエスト周り部材40aには、「まえ」の文字列が長さ方向及び幅方向に沿って複数列に繰り返し全面に印刷されており、肌当接面側から「まえ」の文字列がそのまま解読可能に表示されている。またこの腹部ウエスト周り部材40aには、「まえ」の文字列の間に「うしろ」の文字列が「まえ」の文字列と上下が逆に印刷されている。
そして、上記背側ウエスト周り部材40bにも、「まえ」の文字列と「うしろ」の文字列が上記腹側ウエスト周り部材40aと同様の大きさ及び間隔で印刷されている。この背側ウエスト回り部材40bは、「まえ」及び「うしろ」の文字列が、パンツ型使い捨ておむつ1に対して腹側ウエスト周り部材40aとは上下逆となるように、配設されており、肌当接面側から「うしろ」の文字列のみがそのまま解読可能に表示されている。
【0019】
本実施形態のパンツ型使い捨ておむつ1は、図2に示すように、従来のパンツ型使い捨ておむつと同様に、帯状に連続した液透過性シート連続体21’と液非透過性シート連続体との間に吸収体22を間歇的に挟み込んで配置したパンツ型おむつ連続体1’を製造し、図3にも示すように、上記腹側ウエスト部材40a及び上記背側ウエスト部材40bと同様に「まえ」及び「うしろ」の文字列が印刷され且つ腹側ウエスト部材40aと背側ウエスト部材40bとを合わせた幅の原反40’の原反ロールから該原反40’(図3中においては原反40’の文字列は便宜上一部省略してある)を引き出しながら引き出し方向に切断し、切断されたそれぞれを上記パンツ型おむつ連続体1’の各側縁部1’a,1’bに一方ずつ液透過性シート連続体21’側から重ね、この後、従来と同様に吸収体22と吸収体22との間において所定形状に切断して図1に示すような展開された状態のパンツ型使い捨ておむつ1とし、腹側部Aの側縁部A’と背側部Bの側縁部B’とを接合することにより製造することができる。
【0020】
この様に、本実施形態のパンツ型使い捨ておむつ1によると、パンツ型に成形された状態において、ウエスト開口部を開いて内側(肌当接面側)から腹側部Aを見ると「まえ」の文字列のみが上下正しく読み取れ、背側部Bを見ると「うしろ」の文字列のみが上下正しく読み取れ、容易に前後を区別することが可能である。
本実施形態のパンツ型使い捨ておむつ1によると、腹側ウエスト周り部材40a及び背側ウエスト周り部材40bを利用して前後を区別可能になしてあるので、ラベルを貼る等による非肌当接面(装着時における外見)の見栄えの悪化を回避できる。
本実施形態のパンツ型使い捨ておむつ1によると、従来に比して増えた製造工程が、腹側ウエスト部材40a及び背側ウエスト部材40bの原反40’に「まえ」及び「うしろ」の文字列を印刷する印刷工程のみなので、簡便な製造が可能である。
【0021】
本実施形態のパンツ型使い捨ておむつ1によると、幅方向に複数列の模様が繰り返し配置された原反40’を利用して腹側ウエスト周り部材40aと背側ウエスト周り部材40bとを形成させているので、原反40’の裁断の幅方向の位置を変えることにより、同一の原反40’を用いて腹側ウエスト周り部材40aの幅Wa及び背側ウエスト周り部材40bの幅Wbを本実施形態とは異なるものとすることも容易である。また、原反40’の幅を変えることにより、1つの原反40’から一度に複数組の腹側ウエスト周り部材40aと背側ウエスト周り部材40bとを裁断形成することも可能である。
本実施形態のパンツ型使い捨ておむつ1によると、腹側ウエスト部材40a及び背側ウエスト部材40bに付されているのが、それぞれ直接前後を意味する「まえ」の文字列及び「うしろ」の文字列であり、前後の区別のみならず直ちに前後を確実に間違えることなく認識でき、良好な装着性が発揮される。
【0022】
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、各部材の具体的な形状、寸法、材料等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更可能である。
例えば、上記腹側ウエスト回り部材40a及び背側ウエスト回り部材40bに文字を付す手段は、印刷によるものではなく、エンボス加工等とすることもできる。
上記腹側ウエスト周り部材40a及び上記背側ウエスト周り部材40bとして、股下部C側の縁部40a’,40b’に沿う弾性部材が配され該弾性部材の伸縮によって腹側ウエスト周り部材40a及び上記背側ウエスト周り部材40bを肌当接面側に起立させてウエスト立体ギャザーを形成させる立体ギャザー形成部材や、その他の、最内側面に配設された部材を利用することができる。
【0023】
上記腹側ウエスト周り部材40a及び上記背側ウエスト周り部材40bは、該最外側面を形成する部材と一体となっていてもよい。このように上記腹側ウエスト周り部材40a及び上記背側ウエスト周り部材40bが最外側面を形成する部材と連続しているパンツ型使い捨ておむつは、腹側ウエスト部材40a、背側ウエスト部材40b、及び最外側面を形成する部材を合わせた幅の原反に上記実施形態と同様の文字列を付し、この原反にパンツ型おむつ連続体を、その非肌当接面側を面接させた状態に重ね、原反の両側縁部をパンツ型おむつ連続体の肌当接面側に折り返した後、従来と同様に吸収体と吸収体との間において所定形状に切断して展開された状態のパンツ型使い捨ておむつとして、腹側部Aの側縁部A’と背側部Bの側縁部B’とを接合することにより製造することができる。
【0024】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のパンツ型使い捨ておむつによれば、容易に前後を区別でき且つ簡便な製造が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のパンツ型使い捨ておむつの一実施形態を展開した状態で示す斜視図である。
【図2】図1のパンツ型使い捨ておむつの製造工程の一部を示す概略図である。
【図3】図1の使い捨ておむつに用いられる原反を示す平面図である。
【符号の説明】
1 パンツ型使い捨ておむつ
13 (ウエスト用の)弾性部材
15a (レッグ用の)弾性部材
15b (レッグ用の)弾性部材
18 (胴まわり用の)弾性部材
21 液透過性シート
22 吸収体
30 レッグ立体ギャザー形成部材
32 (レッグ立体ギャザー形成用の)弾性部材
40a 腹側ウエスト周り部材
40a’ (腹側ウエスト周り部材の)縁部
40a’’(腹側ウエスト周り部材の)縁部以外の部分
40b 背側ウエスト周り部材
40b’ (背側ウエスト周り部材の)縁部
40b’’(背側ウエスト周り部材の)縁部以外の部分
40’ 原反
A 腹側部
A’ (腹側部)の側縁部
B 背側部
B’ (背側部)の側縁部
C 股下部

Claims (1)

  1. 腹側部のウエスト開口部近傍において最内側面に配設された腹側ウエスト周り部材、及び背側部のウエスト開口部近傍において最内側面に配設された背側ウエスト周り部材を備えているパンツ型使い捨ておむつにおいて、
    上記腹側ウエスト周り部材及び上記背側ウエスト周り部材には、それぞれ、パンツ型使い捨ておむつの前後方向の識別を可能にする、同一の、「まえ」の文字列及び「うしろ」の文字列が付されており、
    上記腹側ウエスト周り部材及び上記背側ウエスト周り部材は、それぞれ上記パンツ型使い捨ておむつに対し、上記字列それぞれの上下方向を互いに逆にして配設されており、
    ウエスト開口部を開いて、おむつの内側から腹側部を見ると、上記「まえ」の文字列のみが上下正しく読み取れ、おむつの内側から背側部を見ると、上記「うしろ」の文字列のみが上下正しく読み取れるようになされている
    ことを特徴とするパンツ型使い捨ておむつ。
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