JP3785698B2 - グロープラグ - Google Patents

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    • F23COMBUSTION APPARATUS; COMBUSTION PROCESSES
    • F23QIGNITION; EXTINGUISHING-DEVICES
    • F23Q7/00Incandescent ignition; Igniters using electrically-produced heat, e.g. lighters for cigarettes; Electrically-heated glowing plugs
    • F23Q7/001Glowing plugs for internal-combustion engines
    • F23Q2007/002Glowing plugs for internal-combustion engines with sensing means

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  • Ignition Installations For Internal Combustion Engines (AREA)

Description

【0001】
【技術分野】
本発明は,燃料の着火・燃焼を促進するためのグロープラグ,及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来技術】
近年,ガソリンエンジン,ディーゼルエンジンにおいては,環境保護の面から,排気ガスや排気煙をより一層低減させることが要望されている。そして,こうした要望に応えるべく,各種のエンジン改良や後処理(触媒浄化等)により排出ガス低減,燃料・潤滑油性状の改善,各種のエンジン燃焼制御システムの改善などが検討されている。
【0003】
また,最近のエンジン燃焼制御システムにおいては,エンジンの燃焼状態を検出することが要請されており,筒内圧,燃焼光,イオン電流等を検出することによってエンジン燃焼状態を検出することが検討されている。特に,イオン電流によりエンジン燃焼状態を検出することは,燃焼に伴う化学反応を直接的に観察できることから極めて有用と考えられており,種々のイオン電流検出方法が提案されている。
【0004】
例えば,特開平7−259597号公報には,燃料噴射ノズルの取り付け座部において,当該噴射ノズル及びエンジンのシリンダヘッドから絶縁されたスリーブ状のイオン検出用電極を装着し,これを外部の検出回路に接続することにより燃料の燃焼に伴うイオン電流を検出する方法が開示されている。
また,米国特許第4,739,731号では,セラミックグロープラグを用いたイオン電流検出用センサが開示されている。
【0005】
これらの技術では,グロープラグのヒータ(通電発熱体)表面に白金製の導電層を取着すると共に,この導電層を燃焼室及びグロープラグ取付金具から絶縁している。そして,導電層に外部からイオン電流測定用電源(直流250V)を印加して燃料燃焼に伴うイオン電流を検出するようにしている。
【0006】
【解決しようとする課題】
ところが,上記従来技術においては,いずれも以下に示す問題がある。
即ち,前者の技術(特開平7−259597号公報)では,イオン電流検出のために,他の部位より絶縁されたスリーブ状のイオン検出用電極を設置しなくてはならず,その材料の選択及びその加工において煩雑な作業が強いられる。
そのため,イオン検出用電極が非常に,高価な構成となるという問題がある。さらに,燃料噴射ノズルとイオン検出用電極との間,及びイオン検出用電極とシリンダヘッドとの間が燃焼室内にて発生するカーボンにより短絡し,早期に使用不能となるという欠点があった。
【0007】
また,後者の技術(米国特許第4,739,731号)では,イオン検出用電極を通電発熱体とは別に設けると共に,両者を別々の電源に接続しているために構造が複雑になるという欠点があった。また,イオン検出用電極の耐熱性及び耐消耗性を確保するために,白金など高価な貴金属を多量に必要とすることから,グロープラグ自体が非常に高価なものとなる欠点があった。
また,グロープラグの先端部に支持されるイオン検出用電極は高温度の火炎に曝されるため,イオン検出用電極の近傍では応力集中が生じ易く,セラミックグロープラグにクラック等の損傷を生ずるおそれもある。
【0008】
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので,カーボン付着の問題がなく,精度良くイオン電流を検出することができ,クラック等の損傷がなく,耐久性に優れた,かつ製造容易なグロープラグ及びその製造方法を提供しようとするものである。
【0009】
【課題の解決手段】
請求項1の発明は,ハウジングと該ハウジング内に支持された本体とよりなるグロープラグにおいて,
上記本体は,絶縁体と,
該絶縁体の内部に設けられた,通電発熱体,該通電発熱体の両端部に電気的に接続されて絶縁体の外部へ導出された一対のリード線,及び火炎中のイオン化の状態を検出するためのイオン検出用電極とよりなり,
かつ上記イオン検出用電極は,少なくともその先端部が,上記火炎中へ連通する連通孔を有する絶縁性多孔質層により被覆されていることを特徴とするグロープラグにある。
【0010】
本発明において最も注目すべきことは,上記絶縁体の内部に通電発熱体とリード線とイオン検出用電極とが配設されており,かつ該イオン検出用電極における少なくとも先端部は上記絶縁性多孔質層により被覆されていることである。
【0011】
上記絶縁性多孔質層は,イオン検出用電極の表面から火炎中まで連通する連通孔を有し,電気絶縁性である。かかる絶縁性多孔質層は,例えば,Si3 4 ,Al2 3 ,SiO2 などを主成分とした電気絶縁性のセラミック粉末を焼結することにより作製する。
【0012】
次に,上記通電発熱体及びイオン検出用電極を上記絶縁体中に配設するに当たっては,例えば実施形態例に示すごとく,予め通電発熱体,イオン検出用電極を作製しておき,一方これらを埋設する溝を設けた絶縁体を準備し,上記溝内に上記通電発熱体,イオン検出用電極を埋設して一体的に焼成する。これら,通電発熱体,イオン検出用電極,絶縁体は,例えばセラミック粉末を用いて作製する。
【0013】
次に,本発明の作用効果につき説明する。
本発明のグロープラグは,上記通電発熱体に電流を通すことにより発熱し,その加熱により燃焼室における着火及び燃焼を促進させる。
また,イオン検出用電極は,燃焼火炎中のイオン化の状態を検出する。即ち,イオン電流の検出時において,イオン検出用電極とそれに近接する燃焼室の内壁(シリンダヘッド)とは,両者間に存在する燃料燃焼時のプラスイオン及びマイナスイオンを捕獲するための2電極を形成する。
【0014】
そして,ここに重要なことは,上記イオン検出用電極の先端部は上記絶縁性多孔質層により被覆されているので,イオン検出用電極は直接に火炎に曝されることがない。そのため,イオン検出用電極は,高温の火炎による熱的衝撃に基づく応力集中が生ぜず,クラック等の損傷を生ずることがない。
また,絶縁性多孔質層は上記連通孔を有するので,上記イオン電流はこの連通孔を通じてイオン検出用電極とシリンダヘッドとの間に流れ,正確に検出される。
【0015】
これにより,精度良くイオン電流を検出することができ,その情報を燃焼制御に有用に活用することが可能となる。また,グロープラグに,本来の発熱機能(グロー機能)とイオン電流検出機能とを付与しているので,構造がコンパクトで,かつ安価に製造できる。
【0016】
また,通電発熱体は,絶縁体の内部に,埋設されているため,燃焼火炎による腐触がなく,抵抗値の低下,発熱特性の変化を招くことがなく,長期にわたって高い発熱性能を発揮することができ耐久性に優れている。即ち,通電発熱体が酸化により消耗することがないため,その断面積が一定に保持されると共に,その抵抗値の変化を生ずることもない。さらに,燃焼室内での熱的衝撃等に起因して通電発熱体が破損する等の不具合も回避できる。
【0017】
また,上記絶縁体は,燃料燃焼に伴ってその表面にカーボンが付着する場合があるが,その付着カーボンは通電発熱体の加熱動作(例えば,エンジンの低温始動時におけるグロー動作)によって焼き切ることができる。そのため,長期間に渡って正確にイオン電流を検出することができる。
【0018】
また,本発明のグロープラグは,上記通電発熱体,リード線及びイオン検出用電極を上記絶縁体の内部に,一体的に設けているので,構造簡単である。
したがって,本発明によれば,カーボン付着の問題がなく,精度良くイオン電流を検出することができ,クラック等の損傷がなく,耐久性に優れた,かつ製造容易な,グロープラグを提供することができる。
【0019】
次に,請求項2の発明のように,上記絶縁性多孔質層の厚みは0.2〜1.5mmであることが好ましい。
0.2mm未満では火炎の熱的衝撃を受けてクラック等の損傷のおそれがある。一方,1.5mmを越えると厚みが大きくなるため,火炎熱による応力集中が生じ易く,クラックを生じるおそれがある。
【0020】
次に,請求項3の発明のように,上記絶縁性多孔質層と上記絶縁体とは同じ材料により作製されていることが好ましい。これにより,両者間の接合性が向上すると共に両者の線膨張係数が同じとなり耐熱衝撃性が向上する。
【0021】
次に,請求項4の発明のように,上記イオン検出用電極は通電発熱体と兼用することができる(図13)。この場合には,上記絶縁性多孔質層はグロープラグの本体の先端部において,通電発熱体(即ちイオン検出用電極)を被覆する。
【0022】
なお,上記イオン検出用電極は,MoSi2 ,WC,TiN等を含有する導電性セラミック材料,或いはW,Mo,Ti等の高融点金属により作製することができる。
また,上記絶縁体の先端部は半球面形状を有していることが好ましい。この場合には,絶縁体の先端鋭角部を除去する事で,イオン検出部近傍での燃焼火炎流の乱れが抑制され,検出性能が安定し,また熱応力の集中が抑制され耐熱衝撃性が向上するという効果が得られる。
【0023】
なお,本発明の絶縁性多孔質層に形成される連通孔は,多孔質層の表面から,電極表面まで連通されたものであれば,どのような孔径であっても良い。
例えば,本発明のグロープラグの先端を,水とアルコールが50:50のアルコール水溶液中に浸して,先端と上記水溶液との間に,例えば12ボルトの電圧を印加したとき,電流が流れる連通孔であればよい。
【0024】
【発明の実施の形態】
実施形態例1
本発明の実施形態例にかかるグロープラグにつき,図1〜図10を用いて説明する。
本例のグロープラグは,ディーゼルエンジンの始動補助装置として用いられる,セラミックグロープラグである。
本例のグロープラグ1は,図1に示すごとく本体10と該本体10を保持するハウジング4とからなる。上記本体10は,絶縁体11と,該絶縁体11の内部に設けられた通電発熱体2と,該通電発熱体2の両端部に電気的に接続されて絶縁体の他端側に導出された一対のリード線21,22とを有する。
【0025】
また,上記通電発熱体2と電気絶縁されて,上記絶縁体11の内部に配設された,火炎中のイオン化の状態を検出するためのイオン検出用電極3を有する。また,該イオン検出用電極3の先端部30には,上記絶縁体11の先端部も含めて,上記火炎中へ連通する連通孔380(図3)を有する絶縁性多孔質層38が被覆されている。
【0026】
上記本体10は,図1,図2に示すごとく,金属製のハウジング4内に,金属製の環状支持体41を介して,固定されている。
そして,上記通電発熱体2の一方のリード線21は,絶縁体11の内部を上昇して,本体10の側面に設けた導電性の端子部23を介して内部リード線231に電気的に接続されている。また,他方のリード線22は,上記環状支持体41を介してハウジング4に電気的に接続されている。
また,上記イオン検出用電極3の上端部は,絶縁体11の上端部に設けた導電性の端子部31を介して内部リード線33に電気的に接続されている。
【0027】
一方,ハウジング4は,上記環状支持体41を有し,図2に示すごとく,その上部に保護筒42を有している。また,ハウジング4は,エンジンのシリンダヘッド45へ装着するための,雄ねじ部43を有する。上記保護筒42の上方開口部には,ゴムブッシュ421が嵌合されている。また,該ゴムブッシュ421には,外部リード線233,333が貫挿され,これらはそれぞれ接続端子232,332を介して,上記内部リード線231,33に接続されている。
したがって,外部リード線233は通電発熱体2の一端に,外部リード線333はイオン検出用電極3にそれぞれ電気的に導通されている。
【0028】
なお,通電発熱体2の他端は,上記のごとく,環状支持体41を介してハウジング4に電気的に導通している(図1)。
また,本体10の先端部(下端部)は,図1に示すごとく,半球面形状に形成されており,イオン検出用電極3の先端部30が露出している。
【0029】
次に,上記グロープラグ本体10の製造方法につき図4〜図5を用いて説明する。
まず,グロープラグの本体10は,前記図1に示したごとく,絶縁体11とその中に埋設した通電発熱体2とイオン検出用電極3と,上記絶縁性多孔質層38とよりなる。
そこで,まず図4に示すごとく,導電状のセラミック粉末により,U字形状の通電発熱体2と,棒状のイオン検出用電極3とを予め作製しておく。
【0030】
一方,図5に示すごとく,絶縁体11を形成するための,略半円状の下部111と略板状の中部112と略半円状の上部113とを,絶縁性のセラミック粉末を用いて予め作製しておく。上記下部111の上面と中部112の下面には,上記通電発熱体2を入れるためのU字溝115,116を形成しておく。
【0031】
また,中部112の上面と,下部113の下面には,上記イオン検出用電極3を入れるための棒状溝117,118を形成しておく。
そして,上記U字溝115,116に上記通電発熱体2を,棒状溝117,118に上記イオン検出用電極3を入れ,これらを積層する。
なお,この際,通電発熱体2にはリード線21,22を接続しておく。
【0032】
これにより,図6(A)の上方に示すごとき,積層体が得られる。そこで,該積層体の先端部18に,予め作成しておいた円板状の絶縁性多孔質層382を接着剤により接合する。
次いで,これらを加熱,焼結して,一体焼結体とする。更に,図6(B)に示すごとく,上記一体焼結体の下方を,研削加工し(同図の下方の点線),半球面状とする。
これにより,上記図1に示したグロープラグ本体10が得られる。
【0033】
次に,上記のごとく本体10とハウジング4などとによって構成したグロープラグ1は,図7に示すごとく,エンジンのシリンダヘッド45に対して,ハウジンク4の雄ねじ部を螺合することにより装着する。これにより,グロープラグ本体10の先端部が,シリンダヘッド45の燃焼室の一部である渦流室451に突出した状態で装着される。なお,符号457は主燃焼室,458はピストン,459は燃料噴射ノズルである。
【0034】
また,上記グロープラグ1は,図7に示すごとく,グロープラグ作動回路に接続される。
即ち,通電発熱体2の一端のリード線21は,外部リード線233,グローリレー53,531,及び12ボルトのバッテリ54を介して,金属製のシリンダヘッド45に接続されている。更に,シリンダヘッド45,ハウジング4,環状支持体41,本体10のリード線22(図1)を介して,通電発熱体2の他端に接続されている。
これにより,通電発熱体2の加熱用回路が形成される。
【0035】
また,イオン検出用電極3の外部リード線333は,イオン電流検出用抵抗521,直流電源51を介してシリンダヘッド45に接続されている。また,上記イオン電流検出用抵抗521には,イオン電流を検出するための電位差計522が設けられ,これはECU(電子制御装置)52に接続されている。また,ECU52には,上記グローリレー53,531,エンジン冷却水の水温センサ525,エンジンの回転数センサ526が接続されている。
【0036】
上記図7に示した,グロープラグ1の使用に当たっては,まずエンジンの始動時においては,ECU52により,グローリレー53,531がオンとされる。そのため,バッテリ54とグロープラグの通電発熱体2との間が閉路となり,グロープラグ本体10の通電発熱体2が通電され発熱する。そのためグロープラグ1は加熱状態となり,着火温度に上昇する。
そこで,燃料噴射ノズル459から,燃料が噴射されると,その都度該燃料が着火され,ピストン458が作動し,エンジンが駆動される。
【0037】
一方,燃料が燃焼している際には,前記のごとく,イオンが発生するので,そのイオン電流をイオン検出用電極3,イオン電流検出用抵抗521及び電位差計522により検出する。
即ち,グロープラグ本体10の上記イオン検出用電極3とシリンダヘッド45との間には12ボルトの直流電源51によって電圧が印加されている。
【0038】
そこで,渦流室451内における,燃焼火炎帯の活性イオンの発生に伴い,イオン電流検出用抵抗521を含む電流経路にイオン電流が流れる。
なお,イオン電流検出用抵抗521は,約500kΩで,これを流れるイオン電流は,その両端の電位差として電位差計522により検出される。
【0039】
ここで,イオン電流の検出原理を略述する。
燃料噴射ノズル459からの噴射燃料が渦流室451で燃焼すると,その燃焼火炎帯ではイオン化されたプラスイオンとマイナスイオンが大量に発生する。このとき,上記イオン検出用電極3とそれに対面するシリンダヘッド45との間にバッテリ電圧が印加されているので,イオン検出用電極3にはマイナスイオンが捕獲されると共に,シリンダヘッド45にはプラスイオンが捕獲される。
その結果,上記の電流経路が形成され,この電流経路を流れるイオン電流がイオン電流検出用抵抗521の両端の電位差として検出される。
【0040】
一方,ECU52は,CPU,ROM,RAM,入出力回路等からなる周知のマイクロコンピュータやA/D変換器(共に図示略)を中心に構成され,前記電位差計522により検出された検出信号を入力する。
また,ECU52には,エンジン冷却水の温度を検出するための水温センサ525の検出信号や,エンジンクランク角に応じてエンジン回転数を検出するための回転数センサ526の検出信号が入力され,ECU52は各検出信号に基づいて水温Tw,エンジン回転数Neを検知する。
【0041】
上記ECU52は,ディーゼルエンジンの低温始動時において,グロープラグ1の通電発熱体2を加熱させて燃料の着火及び燃焼を促進させる。また,ディーゼルエンジンの始動直後において,イオン電流を検出する。
なお,エンジン始動当初においては,グローリレー53,531がオンの状態にあり,通電発熱体2は加熱状態に保持されるようになっている。
【0042】
以下,図8のフローチャートを用いて,上記グローリレー53,531のオン,オフ切り替え処理を説明する。同図は,所定の時間の割り込み処理により実行される。
まず,図8の処理がスタートすると,ECU52は,先ずステップ11でエンジン暖機完了後であり,且つグローリレー53,531がオフであるか否かを判別する。エンジン始動当初においては,ステップ11が否定判別され,ECU52は続くステップ12で水温Tw及びエンジン回転数Neを読み込む。
【0043】
その後,ステップ13で水温Twが所定の暖機完了温度(本実施形態例では,60℃)以上であるか否かを判別すると共に,ステップ14でエンジン回転数Neが所定回転数(本実施形態例では,2000rpm)以上に達しているか否かを判別する。
このときステップ13,14が共に否定判別されれば,エンジンの暖機が完了しておらず,グロープラグの通電発熱体2による加熱が必要であるとみなし,ステップ15に進む。
【0044】
また,ステップ13,14のいずれかが肯定判別されれば,エンジンの暖機が完了,或いはグロープラグ1による加熱が不要であるとみなし,ステップ16に進む。
【0045】
ステップ15に進んだ場合は,グローリレー53,531はオンのまま維持される。この状態では,グロープラグ1の発熱作用によって燃料の着火及び燃焼が継続される。
また,ステップ16に進んだ場合,ECU52は,グローリレー53,531をオフとする。
【0046】
次に,図9(A)は,オシロスコープを用いて燃料燃焼時に発生するイオン電流を観察した際の電流波形図である。同図において,燃料噴射時期(圧縮TDC)直後に電圧が急上昇している波形が燃料の燃焼によるイオン電流波形であり,A点が燃焼の開始位置,即ち着火時期に相当する。
また,このイオン電流波形には,2つの山が観測される。つまり,燃焼初期には,拡散火炎帯の活性イオンにより第1の山B1が観測され,燃焼中後期には筒内圧上昇による再イオン化により第2の山B2が観測される。
【0047】
この場合,ECU52は,イオン電流波形の第1の山B1から実際の着火時期を検出すると共に,検出された実際の着火時期と目標着火時期との差をなくすべく着火時期のフィードバック制御を実施する。
また,ECU52は,イオン電流波形の第2の山B2から異常燃焼,失火等の燃焼状態を検出し,その検出結果を燃料噴射制御に反映させる。こうしてイオン電流をエンジンの燃料噴射制御に反映させることにより,きめ細かくエンジンの運転状態を制御することが可能となる。
【0048】
次に,グロープラグのイオン検出用電極3に,燃料燃焼により発生したカーボン(スス)が付着した状態,即ち燻りが発生したときには,図9(B)に示すごとく,イオン電流が燃料噴射時期の前には低く,その後には上昇していくという現象が発生する(図9の(A)と(B)を比較)。なお,図9(B)のIthは燻り状態を判別しグローリレー53,531をオンにするか否かを判断するための波高値の判定レベル(しきい値)を表している。
そこで,このような燻り現象が発生したときには,上記グローリレー53,531をオンとし,通電発熱体2を加熱し,上記の付着カーボンを焼き切る操作を行なう。
【0049】
次に,図10は,このカーボン焼き切り操作を,上記図7の回路におけるECU52により行なうフローチャートである。
即ち,同図のステップ21において,グローリレー53,531がオフの状態にあるとき,ステップ22において,燃料噴射時期に上記のごとき異常イオン電流(図9B)が検出されたか否か判定する。否であれば,ステップ24に進み,グローリレー53,531はオフのままとする。
一方,異常イオン電流が検出されたときには,ステップ23に進み,グローリレー53,531をオンとし,グロープラグの通電発熱体2を加熱してカーボンを焼失させる。
【0050】
上記のごとく,本例のグロープラグにおいては,絶縁体11の内部に通電発熱体2とリード線21,22とが形成され,さらに絶縁体11の内部にイオン検出用電極3が設けてあり,これらは一体的に構成されている。そのため,通電発熱体2によるグロー動作(加熱動作)と,イオン検出用電極3によるイオン電流検出とを1つのグロープラグにより達成できる。
【0051】
また,グロープラグ本体10の表面,つまり上記絶縁体11の表面にカーボンが付着した場合にも,該イオン検出用電極3の近くにある通電発熱体2を通電加熱することにより,上記カーボンを焼き切り,イオン電流検出を正常状態に戻すことができる。そのため,絶縁性多孔質層38の連通孔380(図3)を介してイオンを精度良く検出することができる。
【0052】
そして,ここに重要なことは,上記イオン検出用電極3の先端部30は上記絶縁性多孔質層38により被覆されている(図3)ので,イオン検出用電極3は直接に火炎に曝されることがない。
そのため,イオン検出用電極3は,高温の火炎による熱的衝撃に基づく応力集中が生ぜず,クラック等の損傷を生ずることがない。
また,絶縁性多孔質層38は上記連通孔380を有するので,上記イオンはこの連通孔380を通じてイオン検出用電極3とシリンダヘッド45との間に流れ,イオン電流として正確に検出される。
【0053】
また,上記絶縁体11,通電発熱体2,リード線21,22,イオン検出用電極3,及び絶縁性多孔質層38を一体構成しているので,構成簡単である。
また,通電発熱体2,リード線21,22,イオン検出用電極3は,絶縁体11の内部に設けてあるので,燃焼ガスによる酸化等の腐食もなく,耐久性に優れている。
また,絶縁体11の先端部は,半球面状(図1〜図3)としてあるので,燃焼室内における熱衝撃を吸収することができる。
【0054】
実施形態例2
次に,上記実施形態例1に示したグロープラグ本体の具体例につき,表1に,比較例と共に示す。
まず,上記通電発熱体は,小粒径の導電性のMoSi2 (二珪化モリブデン)粉末と大粒径の絶縁性のSi3 4 (窒化珪素)と焼結助剤であるY2 3 と,有機バインダーとを用いてU字状に成形した(図4A)。
また,イオン検出用電極も同じ材料を用いて棒状に成形した(図4B)。
【0055】
次に,上記絶縁体は,小粒径のSi3 4 と,ほぼ同粒径のMoSi2 とY2 3 と有機バインダーとを用いて,上記図5に示したごとく,上部111,中部112,下部113にそれぞれ成形した。
一方,絶縁性多孔質層38は,上記絶縁体11用と同じ材料で有機バインダーの量を多くしたものを用いて,板状体382に成形した。
【0056】
そして,これらを上記のごとく,積層すると共にこの積層体の先端部に,図6に示すごとく,上記絶縁性多孔質層の板状体382を接着剤を介して接合した。
そして,これらの生成形体の積層品を,450℃で有機バインダーを脱脂後,1750℃で60分間,加圧焼結した。更に,グロープラグの先端部を半球面状に研削し,図1に示すグロープラグ本体を得た。
【0057】
なお,上記グロープラグ本体10における,上記絶縁性多孔質層38の厚みは,表1に示すごとく,種々に変えた。
絶縁性多孔質層38の厚みは,先端部が半球状であるため,最大厚みを示した。
【0058】
次に,上記グロープラグを,実施形態例1の図7に示すごとく,ディーゼルエンジンのシリンダヘッド45に装着した。そして,グロープラグの通電発熱体に通電して1200℃に加熱後,エンジンを始動し,1分間のアイドリングを行ない,エンジン停止1分間の後,再び上記通電,始動,停止を繰り返すエンジンテストを20,000回及び30,000回行なった。
そして,イオン検出用電極の先端部,及びその周囲の絶縁体のクラック等の損傷状況を観察した。
その結果を,表1に示す。
【0059】
表1より知られるごとく,絶縁性多孔質層38を設けていない試料(No.1)は2万回テストでクラックによるチッピングが発生していた。また,絶縁性多孔質層を設けたもののうち厚み0.1及び1.6mm(試料No.2,7)は,3万回テストでクラック等の損傷が発生していた。
なお,上記テストは過酷な条件であるため,試料No.2及び7も実用上殆ど問題ないが,特に試料No.3〜6のものは優れた耐久性を有している。
【0060】
【表1】
Figure 0003785698
【0061】
実施形態例3
本例は,図11に示すごとく,実施形態例1のグロープラグ作動回路(図7)を変更したもので,実施形態例1のバッテリ54と直流電源51とを,1個のバッテリ55のみに代えたものである。
なお,イオン電流検出用抵抗521とバッテリ55との間には,定電流,定電圧回路524を介在することもできる。この場合には,回路構成の簡素化とコスト低減の効果がある。
【0062】
その他は,実施形態例1と同様である。
本例においても,実施形態例1と同様の効果を得ることができる。また,特に,本例においては,定電流・定電圧回路524を介在する事で1つのバッテリでも,グロープラグ発熱時に生じるイオン電極への印加電圧の変動を防止し,安定した検出性能が維持できるという効果を得ることができる。
【0063】
実施形態例4
本例は,図12に示すごとく,グロープラグ本体10において,通電発熱体2のU字状の下端にイオン検出用電極3を一体的に設け,該イオン検出用電極3の先端部30に実施形態例1と同様の絶縁性多孔質層38を設けた例である。
本例によれば,通電発熱体2の先端部にイオン検出用電極3を設けるのでグロープラグの構造が簡単になる。
その他は実施形態例1と同様であり,実施形態例1と同様の効果を得ることができる。
【0064】
実施形態例5
本例は,図13に示すごとく,U字状の通電発熱体2をイオン検出用電極3として兼用した例である。
本例においては,イオン検出用電極3の先端部(U字状の下端部)及び下方側面を絶縁性多孔質層38により被覆している。
本例によれば,イオン検出用電極と通電発熱体とを兼用しているので構造が簡単である。本例のグロープラグの作動回路は,実施形態例6に示すようである。
その他は実施形態例1と同様であり,実施形態例1と同様の効果を得ることができる。
【0065】
実施形態例6
本例は,図14,図15に示すごとく,上記実施形態例4及び実施形態例5に示した,通電発熱体とイオン検出用電極とを一体化した場合の,グロープラグ本体の全体断面図,及びグロープラグ作動回路を示すものである。
即ち,図14に示すごとく,上記一体化の場合には,通電発熱体2に設けたリード線22を,絶縁体11の上端に設けた端子部31に接続する。
【0066】
このように構成したグロープラグは,前記実施形態例1の図11と同様にして,シリンダヘッド45に装着する。
また,本例の場合には,通電発熱体2とイオン検出用電極3とが一体化されているので,グロープラグの作動回路は,図15に示す構成となる。
【0067】
そして,通電発熱体2を発熱させる場合には,同図に示すごとく,イオンリレー530はオフとし,グローリレー53,531はオンとする。一方,イオン検出用電極3によりイオン電流を検出する場合には,イオンリレー530をオンとし,グローリレー53及び531はオフとする。
これにより,実施形態例1と同様の効果が得られる。
その他は,実施形態例1と同様である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態例1における,(A)グロープラグ本体の断面図,(B)上記(A)のA−A線矢視断面図。
【図2】実施形態例1における,グロープラグの全体説明図。
【図3】実施形態例1における,絶縁性多孔質層の説明図。
【図4】実施形態例1における,(A)通電発熱体,(B)イオン検出用電極の斜視図。
【図5】実施形態例1における,グロープラグ本体の製造方法の説明図。
【図6】図5に続く,グロープラグ本体の製造方法の説明図。
【図7】実施形態例1における,グロープラグ作動回路図。
【図8】実施形態例1における,グロープラグ作動システムの,グロープラグ始動時のフローチャート。
【図9】実施形態例1における,(A)正常時のイオン電流,(B)燻り時のイオン電流を示す図。
【図10】実施形態例1における,燻り判定フローチャート。
【図11】実施形態例3における,グロープラグ作動回路図。
【図12】実施形態例4における,グロープラグ本体の断面図。
【図13】実施形態例5における,グロープラグ本体の断面図。
【図14】実施形態例6における,(A)グロープラグ本体の断面図,(B)上記(A)のB−B矢視断面図。
【図15】実施形態例6における,グロープラグ作動回路図。
【符号の説明】
1...グロープラグ,
10...本体,
11...絶縁体,
2...通電発熱体,
21,22...リード線,
3...イオン検出用電極,
30...先端部,
38...絶縁性多孔質層,
4...ハウジング,
45...シリンダヘッド,
451...渦流室,

Claims (4)

  1. ハウジングと該ハウジング内に支持された本体とよりなるグロープラグにおいて,
    上記本体は,絶縁体と,
    該絶縁体の内部に設けられた,通電発熱体,該通電発熱体の両端部に電気的に接続されて絶縁体の外部へ導出された一対のリード線,及び火炎中のイオン化の状態を検出するためのイオン検出用電極とよりなり,
    かつ上記イオン検出用電極は,少なくともその先端部が,上記火炎中へ連通する連通孔を有する絶縁性多孔質層により被覆されていることを特徴とするグロープラグ。
  2. 請求項1において,上記絶縁性多孔質層の厚みは0.2〜1.5mmであることを特徴とするグロープラグ。
  3. 請求項1又は2において,上記絶縁性多孔質層と上記絶縁体とは,同じ材料により形成されていることを特徴とするグロープラグ。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項において,上記イオン検出用電極は,上記通電発熱体と兼用されていることを特徴とするグロープラグ。
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