JP3784697B2 - メッキ処理装置のミストトラップ機構、メッキ処理装置のミストトラップ方法 - Google Patents
メッキ処理装置のミストトラップ機構、メッキ処理装置のミストトラップ方法 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、排出されるメッキ処理空間中の雰囲気から雰囲気中に含まれているミストを除去する、メッキ処理装置のミストトラップ装置および方法に係り、特に、ミスト除去効果を向上するのに適する、メッキ処理装置のミストトラップ装置および方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体デバイスや平面表示装置の製造においては、半導体ウエハやガラス基板などの被処理基板上に微細な配線を形成するため、配線材料たる銅(Cu)をメッキで成膜するプロセスが用いられている。
【0003】
このようなメッキプロセスは、メッキ液槽にメッキ液、例えばCuSO4をベースとする水溶液を満たし、メッキ形成の種となる薄膜層(シード層)があらかじめ形成されている被処理基板をこのメッキ液に浸漬することによってなされる。
【0004】
メッキ液には、通常、CuSO4のほかにも、導電性を増しメッキ形成電流を良好に流してメッキ形成を能率的に行うためのH2SO4や、メッキ形成を均一になすなどの品質維持のための添加剤が加えられている。したがって、加えられるH2SO4によりメッキ液は、一般的に、腐蝕性が高い。
【0005】
このため、通常、メッキプロセスを行う装置では、メッキ液槽を取り囲み外部との雰囲気を遮断するように処理空間が形成される。これにより、メッキ液槽に満たされたメッキ液を原因とする腐蝕性のメッキ液ミストや飛散するメッキ液をこの処理空間内に留め、外部への散逸を防止する。
【0006】
しかしながら、単にメッキ液ミストを処理空間内に留めるだけでは、処理空間内の雰囲気が悪化し、処理ないしは装置に対して不都合を生じる。すなわち、メッキ形成処理が終了した被処理基板がメッキ液槽上に引き上げられた状態では、メッキ液ミストは被処理基板への汚染源となる。
【0007】
また、装置としては、被処理基板を保持してこれをメッキ液槽内に浸漬させメッキ液槽から取り出すための被処理基板ホルダーに設けられる、被処理基板との電気的接触を行うドライコンタクトに対して影響がある。すなわち、このドライコンタクト表面が処理空間のメッキ液ミストで腐蝕し接触抵抗の増加原因になる。さらには、処理空間を形成する内壁面などに付着してCuSO4の析出などが生じメンテナンス負担を増加させたりする。
【0008】
そこで、これらの不都合を除去し処理空間内の雰囲気の清浄を保つために、処理空間内の雰囲気を排出する気体排出部が、通常、設けられる。この気体排出部は、腐蝕性物質の外部への散逸を防止するという観点から、排出される気体に含まれるメッキ液ミストをできるだけ取り除くことが好ましい。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、一般的に、処理空間から排出する雰囲気中のメッキ液ミストを効果よく取り除くためには、ミストを溶解して空気などの気体と分離させるための液体を大量に用意して、この液体との接触面積が大になるように排出気体を液体中に通過させるなどの方法を採る必要がある。このような方法によると、装置として大掛かりとなりメッキ処理装置に付属するには向かない。
【0010】
本発明は、上記した事情を考慮してなされたもので、排出されるメッキ処理空間中の雰囲気から雰囲気中に含まれているミストを除去する、メッキ処理装置のミストトラップ装置および方法において、簡便な構成によりミスト除去効果を向上することが可能なメッキ処理装置のミストトラップ装置および方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため、本発明に係る、メッキ処理装置のミストトラップ機構は、メッキ処理室内の空間から前記メッキ処理室外の空間に通じる気体排出通路と、前記気体排出通路に設けられ、前記排出される気体の流れに衝突する液体を噴出する液体噴出部と、前記噴出された液体により表面を濡らされ、かつ前記濡らされた表面が前記排出される気体の流れに衝突すべく前記気体排出通路に設けられた固体壁と、前記気体排出通路に接続して設けられ、前記噴出された液体、前記気体の流れに衝突された液体、および前記固体壁の表面を濡らした液体を回収する液体回収部とを有することを特徴とする。
【0012】
気体排出通路は、メッキ処理室内の空間とメッキ処理室外の空間とを通ずるように設けられる。この気体排出通路には、液体噴出部と固体壁とが設けられ、液体噴出部から噴出された液体に排出気体が衝突し、さらに液体噴出部から噴出された液体により表面を濡らされた固体壁に排出気体が衝突する。排出気体にもたらされるこのような2段階の衝突により、排出気体中のミストは効果的に液体中に取り込まれる。これは、気体排出通路という限られた大きさの通路内に排出気体を通し、上記衝突により大きな衝撃を排出気体に生じさせるからである。また、気体排出通路に接続して液体回収部が設けられることにより、ミストを液体に取り込まれた形で一括的に捕集することができる。
【0013】
したがって、簡便な構成により、処理空間内のミスト除去効果を向上することが可能になり、メッキ処理装置に付属させる場合においてもその設置場所の選択を融通性高く行うことができる。
【0014】
また、本発明に係る、メッキ処理装置のミストトラップ方法は、メッキ処理室内の空間から前記メッキ処理室外の空間に気体排出通路を介して気体を排出し、前記排出される気体の流れに前記気体排出通路に設けられた液体噴出部により噴出された液体を衝突させ、前記排出される気体の流れを前記気体排出通路に設けられかつ前記噴出された液体により表面を濡らされた固体壁に衝突させ、前記噴出された液体、前記気体の流れに衝突された液体、および前記固体壁の表面を濡らした液体を回収することを特徴とする。
【0015】
この方法においても、上記のメッキ処理装置のミストトラップ機構とほぼ同様の作用を有し、したがって、ほぼ同様の効果を得ることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明の好ましい実施の形態として、請求項1記載のミストトラップ機構において、前記液体噴出部は、前記噴出する液体が純水である。純水とすることで副作用の発生を最も小さくできる。すなわち、新たな汚染の発生原因となることがない。
【0017】
また、本発明の好ましい実施の形態として、請求項1記載のミストトラップ機構において、前記気体排出通路は、前記メッキ処理室内の前記空間に面する開口面が環状であり、前記液体噴出部は、前記気体排出通路の前記環状の開口面より奥まった位置に前記噴出される液体により環状の液体壁を形成するように設けられる。これにより、気体排出通路の前記開口面をすべて気体排出のため利用することができ、このような開口面から排出される気体すべてに対して環状の液体壁を対向させることができる。よって、より効率的に気体中のミストを液体中に取り込むことができる。
【0018】
また、本発明の好ましい実施の形態として、請求項1記載のミストトラップ機構において、前記液体回収部は、前記噴出された液体、前記気体の流れに衝突された液体、および前記固体壁の表面を濡らした液体をまとめて一時貯留する液体貯留部と、前記一時貯留された液体が溢流する液体排出管とを具備する。これにより、ミストを取り込んだ液体の排出を容易に行うことができる。
【0019】
また、本発明の好ましい実施の形態として、請求項1記載のミストトラップ機構において、前記固体壁は、前記噴出される液体により濡らされる前記表面の材質がPET(ポリエチレンテレフタレート)、PVC(ポリビニルクロライド)、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)、PVDF(ポリビニリデンフルオライド)のいずれかである。これらの樹脂は、例えば純水のような液体に対して濡れ性を示すことで衝突する気体中のミスト除去に効果的に寄与し、また耐腐蝕性があることから寿命という点でも好都合である。
【0020】
以下では本発明の実施形態を図面を参照しながら説明する。
【0021】
図1は、本発明に係るミストトラップ機構およびミストトラップ方法の一実施形態を適用したメッキ処理装置の模式的な構成を示す正面(一部断面)図である。まず、このメッキ処理装置の構成から説明する。
【0022】
同図に示すように、このメッキ処理装置は、装置全体が密閉構造のハウジング12で覆われている。このハウジング12は、合成樹脂等の耐メッキ液性の材料で構成されている。
【0023】
ハウジング12の内部は上下2段、すなわち下段に位置する第1の処理部と上段に位置する第2の処理部とに分かれた構造になっている。この第1の処理部と第2の処理部は、洗浄ノズル23およびその下側に配設された排気口22を内蔵したセパレータにより仕切られている。このセパレータの中央には、ウエハ保持部17に保持されたウエハ21が第1の処理部と第2の処理部との間を行き来できるように貫通孔が設けられている。洗浄ノズル23は、この貫通孔の周方向に複数個設けられている。
【0024】
また、第1の処理部と第2の処理部との境界のやや上部に当たるハウジング12にはウエハ21をメッキ処理装置内に搬出入するためのゲートバルブ18が設けられている。このゲートバルブ18が閉じるとメッキ処理装置内はその外側の空間とは隔絶された空間となるので、メッキ処理装置から外側の空間内への汚れの拡散が防止される。
【0025】
第1の処理部の内部にはメッキ液槽24が配設されている。このメッキ液槽24には、その外側に同心的に配設された外槽25が付帯されている。メッキ液でメッキ液槽24を満たしたときに、後述するメッキ位置(IV)にあるウエハ21の被メッキ面がメッキ液液面よりも低くなるようにメッキ液槽24が固定されている。
【0026】
メッキ液槽24は有底のほぼ円筒形に形成されており、メッキ液槽24の開口面はほぼ水平に維持されている。メッキ液槽24の内部には、メッキ液槽24の底面側から上面に向けてメッキ液を噴出させる噴出管29がメッキ液槽24の底面のほぼ中心からメッキ液槽24の深さ方向ほぼ中間付近まで突出している。噴出管29の周囲には、ほぼ円盤状のアノード電極27がメッキ液槽24と同心的に配設されており、このアノード電極27を例えば硫酸銅を含んだメッキ液中に溶解させることによりメッキ液中の銅イオン濃度を一定に保っている。
【0027】
また、このアノード電極27にはリード線が外槽25の外部にある図示しない外部電源まで延設されており、この電源を投入することによりアノード電極27とウエハ21との間に電界を形成するようになっている。
【0028】
噴出管29の端部外周とメッキ液槽24との間には、メッキ液槽24を上下に仕切り分ける隔膜26がアノード電極27の上方に設けられており、隔膜26で仕切られたメッキ液槽24の上側(以下「メッキ液槽の上側」という。)には噴出管29からメッキ液が供給され、隔膜26で仕切られたメッキ液槽24の下側(以下「メッキ液槽の下側」という。)には、後述する循環配管28からメッキ液が供給されるようになっている。
【0029】
また、この隔膜26はイオンを透過するが、アノード電極27を溶解させたときに生じる不純物およびウエハ21の被メッキ面にメッキ処理中に発生する例えば酸素および水素のような泡を透過させないように構成されている。また、メッキ液槽24の底面の中心から偏心した位置には循環配管28、30が設けられており、この循環配管28、30の間には図示しないポンプが配設されている。このポンプを作動させてメッキ液槽24の下側にメッキ液を循環させるようになっている。
【0030】
外槽25は、メッキ液槽24と同様に有底の略円筒形に形成されており、外槽25の開口面はほぼ水平に維持されている。外槽25の底部には排出口が2箇所設けられており、この排出口には配管32が接続されている。この配管32と噴出管29との間にはポンプ31が配設されている。なお、配管32には、メッキ液を収容した図示省略のタンクがポンプとバルブを介して接続されており、そのポンプを作動させてそのバルブを開くことによりタンク内のメッキ液をメッキ液槽24に供給できるようになっている。
【0031】
一方、第2の処理部の内部には、ウエハ21を保持するウエハ保持部17がメッキ液槽24の中心の真上に配設されている。また、ウエハ保持部17は、ウエハ保持部17ごとウエハ21をほぼ水平面内で回転させるモータ14に懸設されている。
【0032】
モータ14は、合成樹脂等の耐メッキ液性の材料で形成されたカバーで覆われており、メッキ液の蒸発したミスト、飛散したミストが、モータ14内に浸入するのを防止している。
【0033】
モータ14の外側には、モータ14を支持する支持梁13が取り付けられている。支持梁13の端は、ハウジング12の内壁に対してガイドレール15を介して昇降可能に取り付けられている。支持梁13はさらに上下方向に伸縮自在なシリンダ11を介してハウジング12に取り付けられており、このシリンダ11を駆動させることにより、支持梁13に支持されたモータ14およびウエハ支持部17がガイドレール15に沿って上下動してウエハ21を昇降させるようになっている。
【0034】
この上下動は、具体的には、ウエハ保持部17に載置されたウエハ21が、搬送のための搬入・搬出位置(I)と、例えば、ウエハ21のメッキ形成面を例えば純水のような洗浄液で洗浄処理するための洗浄位置(II)と、後述するスピンドライを行うためのスピンドライ位置(III)と、ウエハ21の被メッキ面にメッキ層を形成するためのメッキ処理位置(IV)との間を昇降するように行われる。また、搬入・搬出位置(I)、洗浄位置(II)はメッキ液槽24内にメッキ液を一杯にしたときのメッキ液液面より上方にあり、スピンドライ位置(III)およびメッキ位置(IV)はメッキ液液面より下方にある。
【0035】
ウエハ保持部17は、ほぼ円筒形に形成されており、1枚のウエハ21をウエハ保持部17内側にほぼ水平に保持できるようになっている。ウエハ保持部17底面には、ほぼ円状の開口が形成されており、ウエハ保持部17内側に保持されたウエハ21の被メッキ面にメッキ層を形成することができるようになっている。
【0036】
ウエハ保持部17に保持されるウエハ21の被メッキ面には、別の装置によりあらかじめ銅の薄膜、いわゆるシード層が形成されており、後述するカソードコンタクト部材に印加された電圧がウエハ21の被メッキ面にも印加されるようになっている。
【0037】
また、ウエハ保持部17には、ウエハ押圧機構19、コンタクト・シール押さえ20が備えられている。ウエハ押圧機構19によりウエハ保持部17に載置されたウエハ21の裏面を押圧し、ウエハ21とコンタクトとの電気的接触を確実にするようになっている。ウエハ押圧機構19は、ウエハ21の外周寄りを周方向にまんべんなく押圧可能なように配設され、ウエハ保持部17とは独立に上下動するようになっている。
【0038】
コンタクト・シール押さえ20は、後述するカソードコンタクト部材およびシール部材をウエハ保持部17に押さえつけ固定するためのものである。コンタクト・シール押さえ20は、ウエハ保持部17の周方向に一致するように配設されている。
【0039】
さらに、ウエハ保持部17の円筒中心部には真空チャック16が設けられ、コンタクトを洗浄する場合に、ウエハ21をウエハ保持部17の底面から昇動することができる。真空チャック16は、ウエハ保持部17とは独立に上下動可能なようになっている。
【0040】
ウエハ保持部17内側の開口縁部には、後述するシール部材が設けられており、このシール部材と上記押圧によりメッキ液がウエハ保持部17内側に侵入するのを防ぐことができる。
【0041】
次に、ハウジング12内の雰囲気を制御するための構成について説明する。すでに説明したように、ハウジング12内の処理空間には、メッキ液槽24に収容されたメッキ液を原因とするそのミストや飛沫が漂流しやすい。そこで、メッキ液槽24が存在する第1の処理部には、セパレータに内蔵された排気口22が設けられ、第1の処理部側の雰囲気を吸い出すことでミストや飛沫が第2の処理部に拡散するのを防止する。
【0042】
また、第2の処理部には、ハウジング12の上底部に設けられた空気取入れ口33から清浄な空気を取り入れ、これを流下して、第2の処理部底面に設けられた空気排出口34から排出する雰囲気の流れが形成される。この空気流れは、図示していないがハウジング12の外側で循環させるようにしてもよい。ハウジング12内を流れ下る雰囲気により、メッキ液槽24に収容されたメッキ液を原因とするそのミストや飛沫は第2の処理部に拡散するのが防止される。
【0043】
次に、このメッキ処理装置におけるウエハ保持部17へのウエハ21の載置状態の詳細について図2を参照して説明する。同図は、ウエハ保持部17へのウエハ21の載置状態を説明するための模式的な正面(一部断面)図である。図2においてすでに説明した構成部材には同一番号を付してある。
【0044】
図2に示すように、ウエハ保持部17は、側部材17aと底部材17bとで構成され、それらの内側には、ウエハ21の被メッキ面に電圧を印加するためのカソードコンタクト部材52が配設されている。このカソードコンタクト部材52は、導電性の材料から形成されており、ウエハ保持部17の周方向に沿ってリング状に形成された部分と、この部分から突起して形成された接点部分とから構成されている。
【0045】
接点部分は、リング状部分に少なくとも1箇所以上形成し、好ましくは、6ないし180とすることができる。この理由は、例えば直径が30cmのウエハ21でも180箇所を上回ると、製作上、加工の不備が発生しやすいからであり、また、上記範囲を下回ると、ウエハ21の被メッキ面のメッキ電流分布が均一になり難くなるからである。
【0046】
また、カソードコンタクト部材52は、リード線が接続されており、図示しない外部電源からリード線を介して電圧を印加できるようになっている。
【0047】
コンタクト部材52とのウエハ21の接触部位は、シール部材51によりメッキ液の侵入を防止すべくシールされる。シール部材51は、ウエハ保持部17の周方向にリング状に配設され、かつウエハ21に対向する方向にリング状に突起している。また、シール部材51は、弾力性のある例えばゴムからなり、ウエハ21裏面がウエハ押圧機構19により下方向に押圧されることにより弾性変形してウエハ21の被メッキ面との間のシール性を確保する。
【0048】
次に、図1に示したメッキ処理装置の排気口22の構造について図3を参照して説明する。図3は、図1に示したメッキ処理装置のA−Aa断面の矢視図であって、本発明に係るミストトラップ機構およびミストトラップ方法の一実施形態の構成を示す図(図3(a))、および図3(a)中のB−Ba断面の矢視図(図3(b))である。なお、図3(a)においては表示説明の簡素化のためメッキ液槽24およびその内部、外槽25、ウエハ保持部17、ならびにウエハ21の図示を省略している。
【0049】
図3(a)、(b)に示すように、排気口22は、メッキ液槽24側の開口面227が環状になっており、その開口面227よりやや奥まったところに環状に液体噴出口221が多数配設される。液体噴出口221は、図3(b)に示すように、液体(例えば純水)をほぼ垂直方向、上に向かって噴出し、傾斜突起部226により排気口22の奥側に向きを変化させられる。液体噴出口221により噴出された液体により、環状に液体壁が形成される。
【0050】
液体噴出部221により噴出され、傾斜突起部226により向きを変えられた液体は、懸下して設けられた固体壁222に達して、その表面を濡らしつつ滴下し、図3(b)中の符号Lで示すように移動して、流体受け223に一時貯留される。液体受け223に一時貯留された液体は、溢流して液体排出口224より排出される。なお、固体壁222は、メッキ液成分の捕集効率とその化学的性質を考慮して、液体噴出口221から噴出される液体により表面が濡れやすい性質を有しており、かつ、すでに述べたような耐腐蝕性のある材料からなるのが好ましい。
【0051】
開口面227から流入するメッキ処理装置内の雰囲気は、液体噴出口221により形成された液体壁、および液体壁の奥に配設された固体壁222に衝突しつつ排気口22内を通過し、図3(b)中の符号Gで示すように移動して気体排出口225から排出される。気体排出口225の先には図示しないポンプが配設され、この気体の流れを誘起する。
【0052】
このように構成された排気口22によると、排出されるメッキ処理装置内の雰囲気は、ほぼ垂直に液体噴出口221から噴出された液体壁に衝突し、さらに、表面が液体により濡らされている個体壁222に衝突する。このような衝突により、排出される気体に含まれるメッキ液のミストや飛沫を効率的に液体中に取り込むことができる。これは、気体の強制的な流れによってこれを液体壁や液体により濡らされた個体壁に衝突させ、かつ、その場合の液体としてミストや飛沫を取り込む前のものが次々に供給されるからである。
【0053】
例えば、その除去効果は、実験によると、液体噴出口221から噴出される液体の量と、排気口22を通過させる排気量とを適切に設計することにより、開口面227でメッキ液成分50μg/gの濃度の雰囲気を、気体排出口225以降のメッキ液濃度としてその100分の1以下程度にすることができる。
【0054】
また、この実施の形態においては、液体に取り込まれたミスト等を一括して液体排出口224から排出することができる。液体排出口224を設置については、一時貯留する液体受け223の存在により多数設けるに及ばない。
【0055】
このように、この実施の形態においては、排気口22をセパレータに内蔵させ、限られたスペースにより効果的にミスト等の除去効果の向上を得ることができる。
【0056】
なお、この実施の形態では、開口面227および液体噴出口221を環状に設けたが、環状に設けるまでしなくても(すなわち環状の一部に開口と液体噴出口を設けるようにしても)、排出雰囲気と液体壁、固体壁との衝突によるミスト等の除去効果は得られる。
【0057】
また、液体受け223は、必ずしも設ける必要はなく、液体排出口224を多数設けるようにして一時貯留することなく液体を排出してもよい。また、気体排出口225は、図3に示すように2箇所設けるだけではなく、これ以外にも、数を増やして固体壁222を取り囲むよう設けても、また一つとしてもよい。
【0058】
さらに、液体噴出口221が噴出する下から上への液体の方向は、多少、排気口22の奥側に向けて傾けてもよい。この場合は、傾斜突起部226は必ずしも必要とはしない。また、液体噴出口221が噴出する液体の方向は、下から上に限らず横方向であってもよい。横方向にする場合には、傾斜突起部226を噴出する液体の対向する位置に設け、液体の流れを排気口22の奥に導いて固体壁22表面を濡らすようにする。また、液体噴出口221が噴出する液体による液体壁は、必ずしもすきまのない壁となるまでの連続性を有する必要はなく、上行する液体に間隙ができる程度の液体噴出口221の並びであってもよい。すきまがあっても、排出雰囲気と液体壁、固体壁との衝突は生じ得るからである。
【0059】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば、気体排出通路に、液体噴出部と固体壁とが設けられ、液体噴出部から噴出された液体に排出気体が衝突し、さらに液体噴出部から噴出された液体により表面を濡らされた固体壁に排出気体が衝突する。排出気体にもたらされるこのような2段階の衝突により、排出気体中のミストは効果的に液体中に取り込まれ、また、気体排出通路に接続して液体回収部が設けられることにより、ミストを液体に取り込まれた形で一括的に捕集することができる。したがって、簡便な構成により、処理空間内のミスト除去効果を向上することが可能になり、メッキ処理装置に付属させる場合においてもその設置場所の選択を融通性高く行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るミストトラップ機構およびミストトラップ方法の一実施形態を適用したメッキ処理装置の模式的な構成を示す正面(一部断面)図。
【図2】図1中に示したウエハ保持部17へのウエハ21の載置状態を説明するための模式的な正面(一部断面)図。
【図3】図1に示したメッキ処理装置のA−Aa断面の矢視図であって、本発明に係るミストトラップ機構およびミストトラップ方法の一実施形態の構成を示す図(図3(a))、および図3(a)中のB−Ba断面の矢視図(図3(b))。
【符号の説明】
11…シリンダ、12…ハウジング、13…支持梁、14…モータ、15…ガイドレール、16…真空チャック、17…ウエハ保持部、17a…側部材、17b…底部材、18…ゲートバルブ、19…ウエハ押圧機構、20…コンタクト・シール押さえ、21…ウエハ、22…排気口、23…洗浄ノズル、24…メッキ液槽、25…外槽、26…隔膜、27…アノード電極、28,30…循環配管、29…噴出管、31…ポンプ、32…配管、33…空気取入れ口、34…空気排出口、51…シール部材、52…カソードコンタクト部材、221…液体噴出口、222…固体壁、223…液体受け、224…液体排出口、225…気体排出口、226…傾斜突起部、227…開口面
Claims (6)
- メッキ処理室内の空間から前記メッキ処理室外の空間に通じる気体排出通路と、
前記気体排出通路に設けられ、前記排出される気体の流れに衝突する液体を噴出する液体噴出部と、
前記噴出された液体により表面を濡らされ、かつ前記濡らされた表面が前記排出される気体の流れに衝突すべく前記気体排出通路に設けられた固体壁と、
前記気体排出通路に接続して設けられ、前記噴出された液体、前記気体の流れに衝突された液体、および前記固体壁の表面を濡らした液体を回収する液体回収部と
を有することを特徴とするメッキ処理装置のミストトラップ機構。 - 前記液体噴出部は、前記噴出する液体が純水であることを特徴とする請求項1記載のメッキ処理装置のミストトラップ機構。
- 前記気体排出通路は、前記メッキ処理室内の前記空間に面する開口面が環状であり、
前記液体噴出部は、前記気体排出通路の前記環状の開口面より奥まった位置に前記噴出される液体により環状の液体壁を形成するように設けられる
ことを特徴とする請求項1記載のメッキ処理装置のミストトラップ機構。 - 前記液体回収部は、
前記噴出された液体、前記気体の流れに衝突された液体、および前記固体壁の表面を濡らした液体をまとめて一時貯留する液体貯留部と、
前記一時貯留された液体が溢流する液体排出管と
を具備することを特徴とする請求項1記載のメッキ処理装置のミストトラップ機構。 - 前記固体壁は、前記噴出される液体により濡らされる前記表面の材質がPET、PVC、PEEK、PVDFのいずれかであることを特徴とする請求項1記載のメッキ処理装置のミストトラップ機構。
- メッキ処理室内の空間から前記メッキ処理室外の空間に気体排出通路を介して気体を排出し、
前記排出される気体の流れに前記気体排出通路に設けられた液体噴出部により噴出された液体を衝突させ、
前記排出される気体の流れを前記気体排出通路に設けられかつ前記噴出された液体により表面を濡らされた固体壁に衝突させ、
前記噴出された液体、前記気体の流れに衝突された液体、および前記固体壁の表面を濡らした液体を回収する
ことを特徴とするメッキ処理装置のミストトラップ方法。
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