JP3783777B2 - 新たな機能を持つジベレリン2−酸化酵素遺伝子およびその利用 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ジベレリン生合成に関与する植物遺伝子およびその利用に関する。
【0002】
【従来の技術】
ジベレリン(GA)類は、ent-ジベレランと称される基本構造を有する四員環ジテルペノイドカルボン酸の巨大なファミリーを作っており、正常な植物の成長および発育に通常不可欠であるような高等植物の生活環の多くの過程を調節している(非特許文献1、2)。GA1などの生物学的活性のあるGA類は、色素体中の環化酵素、小胞体の膜結合型一原子酸素添加酵素、および細胞質に局在した可溶性2-オキソグルタル酸-依存型二原子酸素添加酵素の連続作用により、trans-ゲラニルゲラニルニリン酸から生成される(非特許文献3、4)。現在GAの生合成経路は概ね確立されている。
【0003】
イネ(オリザ・サティバ L.(Oryza sativa L.))の伸長は、生物学的活性のあるジベレリン(GA)のGA1の内生レベルにより調節される(非特許文献5)。GA2-酸化酵素は、高等植物において、生物学的活性のあるGAおよびその前駆物質の異化作用を触媒すると提案されている(非特許文献6)。すでに、GA2-酸化酵素遺伝子が、シロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana)、エンドウマメ(Pisum sativum)およびインゲンマメ(Phaseolus coccineus)からクローニングされている(非特許文献7〜9)。トーマスら(非特許文献9)は、シロイヌナズナ(Arabidopsis)GA2-酸化酵素遺伝子のAtGA2ox1およびAtGA2ox2の転写レベルが、GA欠損突然変異体において減少しているが、GA3の処理後、増加することを報告した。これらの結果に基づき、彼らは、GA2-酸化酵素は、植物組織において生物学的活性のあるGAの濃度の維持に関与していると結論づけた。
【0004】
また、本発明者らは、イネGA2-酸化酵素遺伝子、OsGA2ox1のクローニングおよび特性を報告した(非特許文献10)。OsGA2ox1の遺伝子生成物は、GA20からGA29へおよびGA1からGA8への代謝を触媒した。しかしながら、OsGA2ox1の転写レベルは、GA3の処理によって影響を受けなかった。尚、本出願の発明に関連する先行技術文献情報を以下に示す。
【非特許文献1】
Graebe,J.E. (1987) Annu.Rev.Plant Physiol.,38,419-465
【非特許文献2】
Hooley,R.(1994) Plant Mol.Biol.,26,1529-1555
【非特許文献3】
Hedden,P.and Kamiya,Y.(1997) Annu.Rev.Plant Physiol.Plant Mol.Biol.,48,431-460
【非特許文献4】
Lange,T.(1998) Planta,204,409-419
【非特許文献5】
Kobayashi M. et al., (1989) Plant Cell Physiol. 30(7): 963-969
【非特許文献6】
Ross JJ.et al., (1995) Plant J 7: 513-523
【非特許文献7】
Lester DR. et al., (1999) Plant J 19:65-73
【非特許文献8】
Martin DN. et al., (1999) Plant Physiol 121:775-781
【非特許文献9】
Thomas SG. et al., (1999) Proc Natl Acad Sci USA 96:4698-4703
【非特許文献10】
Sakamoto T. et al., (2001)Plant Physiol. 125(3):1508-16
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、イネの草丈を制御しているGA2-酸化酵素遺伝子のDNA配列を明らかにし、該DNAを用いてイネの内生GA含量を調節することにより草丈を制御する技術を提供するとともに、イネ以外の植物についてもその草型を改変することをも目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、新たなイネGA2-酸化酵素遺伝子を単離するために、縮重プライマーを用いたPCRを行った。その結果、3種類のDNA断片が得られた。1つは以前に同定されたOsGA2ox1と一致した。残りの2つの断片は新規遺伝子であった(OsGA2ox2およびOsGA2ox3と命名した)。
【0007】
イネの様々な組織におけるOsGA2ox2およびOsGA2ox3の発現パターンを、RNAゲルブロットおよびRT-PCR産物のゲルブロットにより解析した結果、OsGA2ox3の発現は、調べられたあらゆる組織で観察された。また、OsGA2ox3は、生物学的活性のあるGAの濃度によりフィードフォワード方式で制御されることが判明した。また、OsGA2ox3の遺伝子産物が、単子葉植物で初めてのGA20からGA29へおよびGA29からGA29-カタボライトへの2段階の酸化を触媒する酵素であることが判明した。さらに、OsGA2ox3を発現するトランスジェニックイネ植物体の生長が対照の植物体と比較して抑制されることが判明した。
【0008】
即ち、本発明は、ジベレリン2-酸化活性を有するタンパク質をコードするDNAおよびその利用に関し、以下の〔1〕〜〔16〕を提供するものである。
〔1〕 ジベレリン2-酸化活性を有する植物由来のタンパク質をコードする、下記(a)から(d)のいずれかに記載のDNA。
(a)配列番号:2または4に記載のアミノ酸配列からなるタンパク質をコードするDNA。
(b)配列番号:1または3に記載の塩基配列のコード領域を含むDNA。
(c)配列番号:2または4に記載のアミノ酸配列において1若しくは複数のアミノ酸が置換、欠失、挿入、および/または付加したアミノ酸配列を有するタンパク質をコードするDNA。
(d)配列番号:1または3に記載の塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズするDNA。
〔2〕 ジベレリンA20からジベレリンA29への代謝を触媒し、さらに、ジベレリンA29からジベレリンA29-カタボライトへの代謝を触媒する活性を有する、〔1〕に記載のDNA。
〔3〕 植物が単子葉植物である、〔1〕または〔2〕に記載のDNA。
〔4〕 下記(a)から(d)のいずれかに記載のDNA。
(a)〔1〕から〔3〕のいずれかに記載のDNAの転写産物と相補的なアンチセンスRNAをコードするDNA。
(b)〔1〕から〔3〕のいずれかに記載のDNAの転写産物を特異的に開裂するリボザイム活性を有するRNAをコードするDNA。
(c)植物細胞における発現時に、RNAi効果により、〔1〕から〔3〕のいずれかに記載のDNAの発現を抑制するRNAをコードするDNA。
(d)植物細胞における発現時に、共抑制効果により、〔1〕から〔3〕のいずれかに記載のDNAの発現を抑制するRNAをコードするDNA。
〔5〕 〔1〕から〔3〕のいずれかに記載のDNAからコードされるタンパク質。
〔6〕 〔1〕から〔4〕のいずれかに記載のDNAを含むベクター。
〔7〕 〔1〕から〔4〕のいずれかに記載のDNAまたは〔6〕に記載のベクターを保持する形質転換植物細胞。
〔8〕 〔7〕に記載の形質転換植物細胞を含む形質転換植物体。
〔9〕 〔8〕に記載の形質転換植物体の子孫またはクローンである、形質転換植物体。
〔10〕 〔8〕または〔9〕に記載の形質転換植物体の繁殖材料。
〔11〕 〔8〕に記載の形質転換植物体の製造方法であって、〔1〕から〔4〕のいずれかに記載のDNAまたは〔6〕に記載のベクターを植物細胞に導入し、該植物細胞から植物体を再生させる工程を含む方法。
〔12〕 〔1〕から〔3〕のいずれかに記載のDNAを有効成分として含有する、植物の生長抑制剤。
〔13〕 〔4〕に記載のDNAを有効成分として含有する、植物の生長促進剤。
〔14〕 〔1〕から〔3〕のいずれかに記載のDNAを植物体の細胞内で発現させることを特徴とする、植物の生長を抑制する方法。
〔15〕 植物体の細胞内における、内因性の〔1〕から〔3〕のいずれかに記載のDNAの発現を抑制することを特徴とする、植物の生長を促進する方法。
〔16〕 〔4〕に記載のDNAを植物に導入することを特徴とする、〔15〕に記載の方法。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明は、ジベレリン(GA)2-酸化活性を有する植物由来のタンパク質をコードするDNAを提供する。
【0010】
GA2-酸化酵素は、活性型GAおよびその前駆体を不可逆的に不活性化する。従って、本発明のGA2-酸化活性を有するタンパク質をコードするDNAは、生物不活性GAの製造に利用することが可能である。
【0011】
また、GA-欠失突然変異体の研究と、植物への外来GAおよび/またはGA生合成阻害剤の適用の作用から、GA類が植物の生長にとって必須かつ強力なレギュレーターであることが明らかとなっている。これらは、比較的草丈の高い植物の生長における広範な事象に影響を及ぼし、茎伸長の刺激にも関与している。従って、本発明のDNAは、植物の生長を改変させ、例えば、野生型とは異なる草型の植物体を作出することに利用することも可能である。植物の草型の改変、殊に、矮性化には、高い植栽密度、効率的光摂取、風害の減少、農作業の軽減など様々な利点が存在し、このことは果樹を含む農作物および園芸作物の育種にとって最も価値のある特徴である。
【0012】
本発明において、GA2-酸化活性とは、反応基質であるC19-GA類から対応する2β‐水酸化物への代謝(例えば、GA1、GA4、GA9、GA20からそれぞれGA8、GA34、GA51、GA29への代謝)を触媒する活性であるが、好ましくは、多くの高等植物の茎葉における活性型ジベレリン、GA1の直前の前駆体であるGA20から不活性型のGA29およびGA29-カタボライトへの代謝を触媒してGA1への代謝を抑制する活性である。このような活性は、一般的には、本発明のGA2-酸化活性を有するタンパク質をコードするDNAを発現ベクターに挿入し、融合タンパク質として大腸菌内で過剰発現させ、その結果得られる細胞抽出液を酵素液として、反応基質であるC19-GA類またはGA29および補因子である鉄イオン、2オキソグルタル酸の存在下で反応をin vitroで行なわせ、最終的に反応生成物をGC-MSによって確認することにより検出することができる。
【0013】
本発明において、GA2-酸化活性を有するタンパク質をコードするDNAが由来する植物としては、特に限定はなく、イネ、コムギ、オオムギ等ムギ類、トウモロコシ、シロイヌナズナ、エンドウマメ、インゲンマメなどが挙げられる。
【0014】
また、本発明のDNAが導入されることで生長が改変される植物としては、特に制限はなく、例えば、有用農作物や鑑賞用植物等を挙げることができる。具体的には、有用農作物としては、例えばイネなどの単子葉植物や、ダイズ、ジャガイモ等の双子葉植物が挙げられる。また、観賞用植物としては、例えばキク、アサガオ、ポインセチア、コスモス等の花卉植物が挙げられる。また、果樹としては、リンゴ、ミカン、ナシ等が挙げられる。
【0015】
本発明において、GA2-酸化活性を有する植物由来のタンパク質をコードするDNAとしては、例えば配列番号:1または3に記載の塩基配列(それぞれOsGA2ox2およびOsGA2ox3のcDNA配列)のコード領域を含むDNAや配列番号:2または4に記載のアミノ酸配列(それぞれOsGA2ox2およびOsGA2ox3のアミノ酸配列)からなるタンパク質をコードするDNAが挙げられる。本発明者らによって単離されたOsGA2ox2およびOsGA2ox3をコードするタンパク質は、活性部位でFeに結合しているアミノ酸残基を保持していた。また、他のGA2-酸化酵素とその配列において有意な相同性を示した。従って、本発明者らにより単離されたOsGA2ox2およびOsGA2ox3のcDNAは、GA2-酸化酵素をコードしていると考えられる。
【0016】
また、本発明は、配列番号:2または4に記載のアミノ酸配列からなるタンパク質と構造的に類似しており、GA2-酸化活性を有するタンパク質をコードするDNAを包含する。
【0017】
あるDNAが、GA2-酸化活性を有するタンパク質をコードするか否かは、例えば、該DNAからコードされるタンパク質が、C19-GA類から対応する2β-水酸化物への代謝を触媒するか否か、または、GA29からGA29-カタボライトへの代謝を触媒するか否かを検討することで検証可能である。また、実施例に記載の方法と同様な方法で、該DNAが導入された植物の生長が抑制されるか否かを観察することで検証することができる。
【0018】
このようなDNAには、例えば、配列番号:2または4に記載のアミノ酸配列において1もしくは複数のアミノ酸が置換、欠失、付加および/または挿入されたアミノ酸配列からなるタンパク質をコードする変異体、誘導体、アリル、バリアントおよびホモログが含まれる。
【0019】
アミノ酸配列が改変されたタンパク質をコードするDNAを調製するための当業者によく知られた方法としては、例えば、site-directed mutagenesis法(Kramer W & Fritz H-J: Methods Enzymol 154: 350, 1987)が挙げられる。また、自然界においても、塩基配列の変異によりコードするタンパク質のアミノ酸配列が変異することは起こり得る。このように、GA2-酸化活性を有するタンパク質のアミノ酸配列において1もしくは複数のアミノ酸が置換、欠失、付加、および/または挿入されたアミノ酸配列を有するタンパク質をコードするDNAであっても、天然型のGA2-酸化活性を有するタンパク質(配列番号:2または4)と同等の機能を有するタンパク質をコードする限りは、本発明のGA2-酸化活性を有するタンパク質をコードするDNAに含まれる。また、たとえ塩基配列が変異していても、その変異がタンパク質中のアミノ酸の変異を伴わないこと(縮重変異)があるが、このような縮重変異体も本発明のGA2-酸化活性を有するタンパク質をコードするDNAに含まれる。
【0020】
配列番号:2または4に記載のアミノ酸配列からなるGA2-酸化活性を有するタンパク質と機能的に同等なタンパク質をコードするDNAを調製するために、当業者によく知られた他の方法としては、ハイブリダイゼーション技術(Southern EM: J Mol Biol 98: 503, 1975)やポリメラーゼ連鎖反応(PCR)技術(Saiki RK, et al: Science 230: 1350, 1985、Saiki RK, et al: Science 239: 487, 1988)を利用する方法が挙げられる。すなわち、OsGA2ox2およびOsGA2ox3のcDNAの塩基配列(配列番号:1もしくは3)、または、その一部をプローブとして、また、OsGA2ox2およびOsGA2ox3のcDNAの塩基配列に特異的にハイブリダイズするオリゴヌクレオチドをプライマーとして、イネや他の植物からGA2-酸化活性を有するタンパク質をコードするDNAと高い相同性を有するDNAを単離することは、当業者にとって通常行い得ることである。このように、ハイブリダイゼーション技術やPCR技術によって単離し得るGA2-酸化活性を有するタンパク質と同等の機能を有するタンパク質をコードするDNAもまた、本発明のGA2-酸化活性を有するタンパク質をコードするDNAに含まれる。
【0021】
このようなDNAを単離するためには、好ましくはストリンジェントな条件下でハイブリダイゼーション反応を行う。本発明においてストリンジェントなハイブリダイゼーション条件とは、6M 尿素、0.4% SDS、0.5×SSCの条件またはこれと同等のストリンジェンシーのハイブリダイゼーション条件を指す。よりストリンジェンシーの高い条件、例えば、6M 尿素、0.4% SDS、0.1×SSCの条件下では、より相同性の高いDNAを単離できると期待される。高い相同性とは、アミノ酸配列全体で少なくとも50%以上、好ましくは70%以上、さらに好ましくは90%以上、最も好ましくは95%以上の配列の同一性を指す。
【0022】
アミノ酸配列や塩基配列の同一性は、カーリンおよびアルチュールによるアルゴリズムBLAST(Proc. Natl. Acad. Sci. USA 87:2264-2268, 1990、Proc Natl Acad Sci USA 90: 5873, 1993)を用いて決定できる。BLASTのアルゴリズムに基づいたBLASTNやBLASTXと呼ばれるプログラムが開発されている(Altschul SF, et al: J Mol Biol 215: 403, 1990)。BLASTNを用いて塩基配列を解析する場合は、パラメーターは、例えばscore=100、wordlength=12とする。また、BLASTXを用いてアミノ酸配列を解析する場合は、パラメーターは、例えばscore=50、wordlength=3とする。BLASTとGapped BLASTプログラムを用いる場合は、各プログラムのデフォルトパラメーターを用いる。これらの解析方法の具体的な手法は公知である(http://www.ncbi.nlm.nih.gov/)。
【0023】
本発明のDNAには、ゲノムDNA、cDNAおよび化学合成DNAが含まれる。ゲノムDNAおよびcDNAの調製は、当業者にとって常套手段により行うことが可能である。ゲノムDNAは、例えば、GA2-酸化活性を有するタンパク質をコードするDNAを有するイネ品種からゲノムDNAを抽出し、ゲノミックライブラリー(ベクターとしては、例えば、プラスミド、ファージ、コスミド、BAC、PACなどが利用できる)を作製し、これを展開して、本発明のGA2-酸化活性を有するタンパク質をコードするDNA(例えば、配列番号:1または3)を基に調製したプローブを用いてコロニーハイブリダイゼーションあるいはプラークハイブリダイゼーションを行うことで調製できる。また、本発明のGA2-酸化活性を有するタンパク質をコードするDNA(例えば、配列番号:1または3)に特異的なプライマーを作製し、これを利用したPCRを行って調製することも可能である。cDNAは、例えば、GA2-酸化活性を有するタンパク質をコードするDNAを有するイネ品種から抽出したmRNAを基にcDNAを合成し、これをλZAPなどのベクターに挿入してcDNAライブラリーを作製し、これを展開して、上記と同様にコロニーハイブリダイゼーションあるいはプラークハイブリダイゼーションを行うことで、またPCRを行うことにより調製できる。
【0024】
また、本発明は、上記GA2-酸化活性を有するタンパク質を提供する。該タンパク質は、当業者に公知の方法により、組み換えタンパク質として、また天然のタンパク質として調製することができる。組換えタンパク質の製造は、例えば、下記のようにして行なうことができる。まず、pMAL-c2発現ベクター(NEB社)のマルチクローニングサイトに対し、予め制限酵素サイトを設けたプライマーを用いてRT-PCRにより合成した本発明のGA2-酸化活性を有するタンパク質をコードするDNAをサブクローニングする。この構築物を、定法により、BL21(プロテアーゼ欠失株)に形質転換する。これにより得られる形質転換体を用いてタンパク質の誘導を行う。大腸菌は、2xYT、0.2%グルコースの培地で37℃振とう培養する。OD600が0.6前後になったところで、IPTGを最終濃度1mMとなるように加え、更に18℃で24時間培養する。酵素液の抽出に関しては、培養後、集菌し、これをsuspend buffer(50mM Tris-HCl, pH8.0, 10%グリセロール, 2mM DTT, 1mg/ml リゾチーム)に懸濁する。懸濁液を4℃にて30分放置後、-80℃にて、凍結するまでインキュベートする。凍結した懸濁液を解凍し、SONICATOR(HEAT SYSTEMS-ULTRASONICS,INC.MODEL W-225R)を用いて、MAXレベルにて、30秒間、5分のインターバルをおき、2回超音波処理を行う。処理した懸濁液を遠心(15,000rpm, 4℃, 20分)し、その上清を粗酵素液とすることができる。
【0025】
また、精製タンパク質の調製は、例えば、本発明のGA2-酸化活性を有するタンパク質をヒスチジンタグ、マルトース結合タンパク質、グルタチオン-S-トランスフェラーゼ(GST)と融合した形態で大腸菌などで発現させ、これをそれぞれニッケルカラム、アミロースカラム、GST-グルタチオンカラムにて精製することにより行なうことができる。さらに、精製後は、必要に応じて、スロンビンやファクターXaなどの制限プロテアーゼを利用して上記タグを切り離すこともできる。また、天然のタンパク質の場合は、例えば、調製した組み換えタンパク質若しくはその部分ペプチドを適当な免疫動物に免疫することにより調製した抗体を結合したアフィニティーカラムに、本発明のタンパク質を発現しているイネの組織などから調製した抽出液を接触させて、該カラムに結合するタンパク質を精製することにより調製することができる。
【0026】
また、本発明のGA2-酸化活性を有するタンパク質をコードするDNAは、植物の生長を抑制する(例えば、矮性化する)ための生長抑制剤として用いることができる。生長が抑制された形質転換植物体を作製するには、上記DNAを適当なベクターに挿入して、後述する方法で、これを植物細胞に導入し、これにより得られた形質転換植物細胞を再生させる。本発明は、このような植物の生長を抑制させる方法を提供する。
【0027】
本発明は植物の生長を促進させる方法もまた提供する。生長が促進した形質転換植物体は、例えばGA2-酸化活性を有するタンパク質をコードするDNAの発現を抑制するDNAを適当なベクターに挿入して、後述する方法で、これを植物細胞に導入し、これにより得られた形質転換植物細胞を再生させることによって作製できる。このように、GA2-酸化活性を有するタンパク質をコードするDNAの発現を抑制するDNAは、植物の生長促進剤として利用可能である。
【0028】
「GA2-酸化活性を有するタンパク質をコードするDNAの発現の抑制」には、該DNAの転写の抑制およびタンパク質への翻訳の抑制が含まれる。また、DNAの発現の完全な停止のみならず発現の減少も含まれる。また、翻訳されたタンパク質が植物細胞内で本来の機能を発揮しないことも含まれる。
【0029】
植物における特定の内在性遺伝子の発現を抑制する方法としては、アンチセンス技術を利用する方法が当業者に最もよく利用されている。植物細胞におけるアンチセンス効果は、電気穿孔法で導入したアンチセンスRNAが植物においてアンチセンス効果を発揮することをエッカーらが示したことで初めて実証された(Ecker JR & Davis RW: Proc Natl Acad Sci USA 83: 5372, 1986)。その後、タバコやペチュニアにおいてもアンチセンスRNAの発現により標的遺伝子の発現が低下した例が報告されており(van der Krol AR, et al: Nature 333: 866, 1988)、現在では、アンチセンス技術は植物における遺伝子発現を抑制させる手段として確立している。
【0030】
アンチセンス核酸が標的遺伝子の発現を抑制する作用としては、以下のような複数の要因が存在する。すなわち、三重鎖形成による転写開始阻害、RNAポリメラーゼによって局部的に開状ループ構造が作られた部位とのハイブリッド形成による転写阻害、合成の進みつつあるRNAとのハイブリッド形成による転写阻害、イントロンとエクソンとの接合点におけるハイブリッド形成によるスプライシング阻害、スプライソソーム形成部位とのハイブリッド形成によるスプライシング阻害、mRNAとのハイブリッド形成による核から細胞質への移行阻害、キャッピング部位やポリ(A)付加部位とのハイブリッド形成によるスプライシング阻害、翻訳開始因子結合部位とのハイブリッド形成による翻訳開始阻害、開始コドン近傍のリボソーム結合部位とのハイブリッド形成による翻訳阻害、mRNAの翻訳領域やポリソーム結合部位とのハイブリッド形成によるペプチド鎖の伸長阻害、および核酸とタンパク質との相互作用部位とのハイブリッド形成による遺伝子発現阻害などである。このようにアンチセンス核酸は、転写、スプライシングまたは翻訳など様々な過程を阻害することで、標的遺伝子の発現を抑制する(平島および井上: 新生化学実験講座2 核酸IV 遺伝子の複製と発現 (日本生化学会編, 東京化学同人) pp.319-347, 1993)。
【0031】
本発明で用いられるアンチセンス配列は、上記のいずれの作用により標的遺伝子の発現を抑制してもよい。一つの態様としては、遺伝子のmRNAの5'端近傍の非翻訳領域に相補的なアンチセンス配列を設計すれば、遺伝子の翻訳阻害に効果的と考えられる。また、コード領域もしくは3'側の非翻訳領域に相補的な配列も使用することができる。このように、遺伝子の翻訳領域だけでなく非翻訳領域の配列のアンチセンス配列を含むDNAも、本発明で利用されるアンチセンスDNAに含まれる。使用されるアンチセンスDNAは、適当なプロモーターの下流に連結され、好ましくは3'側に転写終結シグナルを含む配列が連結される。このようにして調製されたDNAは、公知の方法を用いることで、所望の植物へ形質転換できる。アンチセンスDNAの配列は、形質転換される植物が持つ内在性遺伝子またはその一部と相補的な配列であることが好ましいが、遺伝子の発現を有効に抑制できる限りにおいて、完全に相補的でなくてもよい。転写されたRNAは、標的遺伝子の転写産物に対して好ましくは90%以上、最も好ましくは95%以上の相補性を有する。アンチセンス配列を用いて標的遺伝子の発現を効果的に抑制するには、アンチセンスDNAの長さは少なくとも15塩基以上であり、好ましくは100塩基以上であり、さらに好ましくは500塩基以上である。通常用いられるアンチセンスDNAの長さは5kbよりも短く、好ましくは2.5kbよりも短い。
【0032】
内在性遺伝子の発現の抑制は、また、リボザイムをコードするDNAを利用して行うことも可能である。リボザイムとは触媒活性を有するRNA分子のことを指す。リボザイムには種々の活性を有するものが存在するが、中でもRNAを切断する酵素としてのリボザイムに焦点を当てた研究により、RNAを部位特異的に切断するリボザイムの設計が可能となった。リボザイムには、グループIイントロン型やRNase Pに含まれるM1 RNAのように400ヌクレオチド以上の大きさのものもあるが、ハンマーヘッド型やヘアピン型と呼ばれる40ヌクレオチド程度の活性ドメインを有するものもある(小泉誠および大塚栄子: 蛋白質核酸酵素, 35: 2191, 1990)。
【0033】
例えば、ハンマーヘッド型リボザイムの自己切断ドメインは、G13U14C15という配列のC15の3'側を切断するが、その活性にはU14とA9との塩基対形成が重要とされ、C15の代わりにA15またはU15でも切断され得ることが示されている(Koizumi M, et al: FEBS Lett 228: 228, 1988)。基質結合部位が標的部位近傍のRNA配列と相補的なリボザイムを設計すれば、標的RNA中のUC、UUまたはUAという配列を認識する制限酵素的なRNA切断リボザイムを作出することができる(Koizumi M, et al: FEBS Lett 239: 285, 1988、小泉誠および大塚栄子: 蛋白質核酸酵素 35: 2191, 1990、 Koizumi M, et al: Nucl Acids Res 17: 7059, 1989)。例えば、GA2-酸化活性を有するタンパク質をコードするDNA(配列番号:1または3)中には、標的となり得る部位が複数存在する。
【0034】
また、ヘアピン型リボザイムも本発明の目的に有用である。このリボザイムは、例えばタバコリングスポットウイルスのサテライトRNAのマイナス鎖に見出される(Buzayan JM: Nature 323: 349, 1986)。ヘアピン型リボザイムからも、標的特異的なRNA切断リボザイムを作出できることが示されている(Kikuchi Y & Sasaki N: Nucl Acids Res 19: 6751, 1991、菊池洋: 化学と生物 30: 112, 1992)。
【0035】
標的を切断できるように設計されたリボザイムは、植物細胞中で転写されるように、カリフラワーモザイクウイルスの35Sプロモーターなどのプロモーターおよび転写終結配列に連結される。このとき、転写されたRNAの5'端や3'端に余分な配列が付加されていると、リボザイムの活性が失われることがあるが、こういった場合は、転写されたリボザイムを含むRNAからリボザイム部分だけを正確に切り出すために、リボザイム部分の5'側や3'側にシスに働く別のトリミングリボザイムを配置させることも可能である(Taira K, et al: Protein Eng 3: 733, 1990、Dzianott AM & Bujarski JJ: Proc Natl Acad Sci USA 86: 4823, 1989、Grosshans CA & Cech TR: Nucl Acids Res 19: 3875, 1991、Taira K, et al: Nucl Acids Res 19: 5125, 1991)。また、このような構成単位をタンデムに並べ、標的遺伝子内の複数の部位を切断できるようにすることで、より効果を高めることもできる(Yuyama N, et al: Biochem Biophys Res Commun 186: 1271, 1992)。このように、リボザイムを用いて本発明における標的遺伝子の転写産物を特異的に切断することで、該遺伝子の発現を抑制することができる。
【0036】
内在性遺伝子の発現の抑制は、さらに、標的遺伝子配列と同一もしくは類似した配列を有する二本鎖RNAを用いたRNA interferance(RNAi)によっても行うことができる。RNAiとは、標的遺伝子配列と同一もしくは類似した配列を有する二重鎖RNAを細胞内に導入すると、導入した外来遺伝子および標的内在性遺伝子の発現がいずれも抑制される現象のことを指す。RNAiの機構の詳細は明らかではないが、最初に導入した二本鎖RNAが小片に分解され、何らかの形で標的遺伝子の指標となることにより、標的遺伝子が分解されると考えられている。RNAiは植物においても効果を奏することが知られている(Chuang CF & Meyerowitz EM: Proc Natl Acad Sci USA 97: 4985, 2000)。例えば、植物体におけるGA2-酸化活性を有するタンパク質をコードするDNAの発現をRNAiにより抑制するためには、GA2-酸化活性を有するタンパク質をコードするDNA(配列番号:1または3)またはこれと類似した配列を有する二本鎖RNAを目的の植物へ導入し、得られた植物体から野生型植物体と比較して開花が遅延した植物を選択すればよい。RNAiに用いる遺伝子は、標的遺伝子と完全に同一である必要はないが、少なくとも70%以上、好ましくは80%以上、さらに好ましくは90%以上、最も好ましくは95%以上の配列の同一性を有する。また、配列の同一性は上述した手法により決定できる。
【0037】
内在性遺伝子の発現の抑制は、標的遺伝子配列と同一もしくは類似した配列を有するDNAの形質転換によって起こる共抑制によっても達成できる。「共抑制」とは、植物に標的内在性遺伝子と同一もしくは類似した配列を有する遺伝子を形質転換により導入すると、導入した外来遺伝子および標的内在性遺伝子の発現がいずれも抑制される現象のことを指す。共抑制の機構の詳細は明らかではないが、少なくともその機構の一部はRNAiの機構と重複していると考えられている。共抑制は植物においても観察される(Smyth DR: Curr Biol 7: R793, 1997、Martienssen R: Curr Biol 6: 810, 1996)。例えば、GA2-酸化活性を有するタンパク質をコードするDNAが共抑制された植物体を得るためには、GA2-酸化活性を有するタンパク質をコードするDNAまたはこれと類似した配列を有するDNAを発現できるように作製したベクターDNAを目的の植物へ形質転換し、得られた植物体から野生型植物体と比較して開花が遅延した植物を選択すればよい。共抑制に用いる遺伝子は、標的遺伝子と完全に同一である必要はないが、少なくとも70%以上、好ましくは80%以上、さらに好ましくは90%以上、最も好ましくは95%以上の配列の同一性を有する。また、配列の同一性は上述した手法により決定できる。
【0038】
本発明は、本発明のDNAを植物細胞に導入し、該植物細胞から植物体を再生させる工程を含む形質転換植物体の製造方法を提供する。
【0039】
本発明において、植物細胞が由来する植物としては、特に制限はない。また、植物細胞の形質転換に用いられるベクターは、該細胞内で挿入遺伝子を発現させることが可能なものであれば特に制限はない。例えば、植物細胞内で恒常的に遺伝子を発現させるためのプロモーター(例えば、カリフラワーモザイクウイルスの35Sプロモーター)を有するベクターや、外的な刺激により誘導的に活性化されるプロモーターを有するベクターを用いることもできる。ここで言う「植物細胞」には、種々の形態の植物細胞、例えば、懸濁培養細胞、プロトプラスト、葉の切片、カルスなどが含まれる。
【0040】
植物細胞へのベクターの導入には、ポリエチレングリコール法、電気穿孔法(エレクトロポレーション法)、アグロバクテリウムを介する方法、パーティクルガン法など、当業者に公知の種々の方法を用いることができる。アグロバクテリウム(例えば、EHA101)を介する方法においては、例えば、超迅速単子葉形質転換法(特許第3141084号)を用いることが可能である。また、パーティクルガン法においては、例えば、バイオラッド社のものを用いることが可能である。形質転換植物細胞からの植物体の再生は、植物細胞の種類に応じて当業者に公知の方法で行うことが可能である(Toki S, et al: Plant Physiol 100: 1503, 1995)。
【0041】
例えば、イネにおいて形質転換植物体を作出する手法については、ポリエチレングリコールを用いてプロトプラストへ遺伝子導入し、植物体(インド型イネ品種が適している)を再生させる方法(Datta SK: In Gene Transfer To Plants (Potrykus I and Spangenberg, Eds) pp.66-74, 1995)、電気パルスによりプロトプラストへ遺伝子導入し、植物体(日本型イネ品種が適している)を再生させる方法(Toki S, et al: Plant Physiol 100: 1503, 1992)、パーティクルガン法により細胞へ遺伝子を直接導入し、植物体を再生させる方法(Christou P, et al: Biotechnology 9: 957, 1991)、およびアグロバクテリウムを介して遺伝子を導入し、植物体を再生させる方法(Hiei Y, et al: Plant J 6: 271, 1994)など、いくつかの技術が既に確立し、本願発明の技術分野において広く用いられている。本発明においては、これらの方法を好適に用いることができる。
【0042】
ゲノム内に本発明のDNAが導入された形質転換植物体がいったん得られれば、該植物体から有性生殖または無性生殖により子孫を得ることができる。また、該植物体やその子孫あるいはクローンから繁殖材料(例えば、種子、果実、切穂、塊茎、塊根、株、カルス、プロトプラストなど)を得て、それらを基に該植物体を量産することも可能である。
【0043】
【実施例】
以下、本発明を実施例により、さらに具体的に説明するが本発明はこれら実施例に制限されるものではない。
(1) 植物材料
野生型イネ(オリザ・サティバ L.(Oryza sativa L.)すなわち、日本晴)の種子を1%NaClO中で1時間殺菌し、寒天培地に播いた。苗は、連続光の下、30℃で、グロースチャンバーの中で成長させた。GA-酸化酵素遺伝子の発現におけるGA3およびウニコナゾールの影響を調べるため、野生型イネの苗を10μMのGA3または10μMのウニコナゾールを含む水耕栽培へ移し、3日間成長させた。
【0044】
(2) イネGA2-酸化酵素遺伝子の分子クローニングおよび配列分析
イネからのGA2-酸化酵素を増幅するために、GA20-酸化酵素(AtGA20ox1, X83379; AtGA20ox2, X83380; AtGA20ox3, X83381)、GA20-酸化酵素(OsGA20ox1, U50333)、およびGA3-酸化酵素(OsGA3ox1, AB054084; OsGA3ox2, AB056519)の保存領域から設計された2つの縮重オリゴヌクレオチドプライマー(フォワードプライマー、5'-GGITTYGGIGARCAYACIGAYCCICA-3'(配列番号:6);リバースプライマー、5'-TGIARIVNRTCICCIACRTTIACRAA-3'(配列番号:7))を使ってPCRを行った。増幅された断片はpCR II(インビトロゲン(Invitorogen)、カールスバッド、CA、USA)へクローニングされ、それらの配列を決定した。以前に記載されているように(Sakamoto T. et al., (2001)Plant Physiol. 125(3):1508-16)、サブクローニングされたPCR断片でイネゲノムライブラリーのスクリーニングを行った。ヌクレオチドおよびアミノ酸の配列は、CLUSTALWプログラムにより分析された(http://www.ddbj.nig.ac.jp/E-mail/homology.html)。
【0045】
(3) 発現分析
RNAゲルブロット分析は、以前に記載されているように、それぞれRNAを10μg調製して行った(Sakamoto T. et al., (2001)Plant Physiol. 125(3):1508-16)。
【0046】
(4) 酵素アッセイ
大腸菌でのOsGA2ox3のcDNAの異種発現後の細胞溶解物を以前に記載されているように、酵素アッセイに使用した(Sakamoto T. et al., (2001)Plant Physiol. 125(3):1508-16)。
【0047】
(5) プラスミド構築と植物形質転換
以前に記載されているように(Sakamoto T. et al., (2001)Plant Physiol. 125(3):1508-16)、OsGA2ox3の完全長cDNAをハイグロマイシン耐性バイナリーベクターpAct-Hm2のイネアクチンプロモーターとノパリンシンターゼ(NOS)ポリアデニル化シグナルの間に挿入し、アグロバクテリウム・ツメファシエンス(Agrobacterium tumefaciens)株EHA101へ導入した。イネのアグロバクテリウム媒介の形質転換は、記載されているように(Tanaka H. et al., (2001) WO 01/06844 A1)行った。トランスジェニック植物は、50 mg/Lのハイグロマイシンを含む培地で選択された。
【0048】
[実施例1]
縮重プライマーを用いたPCRにより3種類のDNA断片が得られた。1つは以前に同定されたOsGA2ox1と一致した。残りの2つの断片は新規遺伝子であった(OsGA2ox2およびOsGA2ox3と命名した)。完全長のゲノムクローンを得るために、これらのクローンをゲノムライブラリーのスクリーニングに使用した。ゲノムクローンのシークエンシング後、予測されるOsGA2ox3についての読み取り枠(open reading frame(ORF))を引き続いてRT-PCRにより増幅した、一方OsGA2ox2についてのRT-PCRは成功しなかった。
【0049】
予測されるOsGA2ox2ORFは392のアミノ酸のタンパク質をコードする1176bpを含み、RT-PCRにより増幅されたOsGA2ox3のORFは327のアミノ酸のタンパク質をコードする981 bpを含んでいた。活性中心において、Fe2+が配位するアミノ酸配列(Valegard K. et al., (1998) Nature 394: 805?809)は高度に保存されていた(図1)。その2つの遺伝子の論理的に推理されるアミノ酸配列を、他のジベレリン生合成に関わる2-オキソグルタル酸依存型二原子酸素添加酵素遺伝子と比較した(図2)。GA2-酸化酵素遺伝子ファミリーは2つのサブファミリーへ分類することができる。OsGA2ox3およびシロイヌナズナGA2-酸化酵素遺伝子は、同じサブファミリーへグループ化され、AtGA2ox1を除くこのサブファミリーにおけるすべての遺伝子は多段階反応を触媒した。他方、OsGA2ox1、OsGA2ox2およびPsGA2ox2はもう一つのサブファミリーのメンバーであり、OsGA2ox1遺伝子産物は1段階の酸化を触媒する。OsGA2ox2およびOsGA2ox3の配列は、GA2-酸化酵素遺伝子の配列と最も高い相同性をもち、OsGA2ox2およびOsGA2ox3はGA2-酸化酵素をコードすることが判明した。
【0050】
[実施例2]
イネの様々な器官におけるOsGA2ox2およびOsGA2ox3の発現パターンを、RNAゲルブロット分析により調べた(図3)。OsGA2ox3の転写は、茎、花および根で多量に検出され、生長する茎頂、葉身および葉鞘でもまた比較的低いレベルで検出された。他方、OsGA2ox2の転写は、いずれの組織においてもRNAゲルブロット分析により検出されなかった。RT-PCR産物のゲルブロット分析からも同様の結果を得た。OsGA2ox3のこの発現パターンは、生長するイネ組織においての主なGA3β-水酸化酵素をコードする遺伝子であるOsGA3ox2(Itoh H. et al., (2001) Proc Natl Acad Sci USA 98(15):8909-14)の発現パターンと非常に似ていることが確認された。
【0051】
[実施例3]
OsGA2ox3の機能分析のために、以前に記載されているように(Sakamoto T. et al., (2001)Plant Physiol. 125(3):1508-16)、組換えタンパク質を調製し、基質、重水素標識されたGA20、GA29、およびGA1とインキュベーションした。フルスキャンGC-MS分析から、GA1は対応する2β-水酸化物であるGA8に転化されることを明らかにした(表1)。
【0052】
【表1】
a:生成物の同定は、KRIおよびメチルエステルトリメチルシリルエーテル誘導体のフルスキャンの質量スペクトルを基礎とするGC-MSにより行った。
【0053】
しかしながら、GA20は、GA29-カタボライトへ代謝された。さらに、代謝実験により、GA29のGA29-カタボライトへの代謝が確認された。これらの結果より、OsGA2ox3は、酸化の2段階、すなわち、GA20からGA29へおよびGA29からGA29-カタボライトへの代謝を触媒していることが判明した(図4)。
【0054】
[実施例4]
OsGA2ox3遺伝子生成物の活性をインビボで調べるために、完全長OsGA2ox3 cDNAをイネアクチンプロモーターに融合させ、アグロバクテリウム媒介の遺伝子転移により野生型イネへ導入した。27の独立系からのトランスジェニック植物のすべてが、極度に矮性表現型を示した(図5)。それらの葉身は、暗緑色で、野生型植物のそれらよりも短く幅広かった。これらの表現型のすべては、GA欠損性矮性イネにとって典型的である。野生型植物は播種後約3ヶ月で花が咲くが、これらの植物では播種後4ヶ月でさえも花が咲かなかった。
【0055】
[実施例5]
GA3およびGA生合成の抑制剤であるウニコナゾールの、OsGA2ox2およびOsGA2ox3の転写のレベルにおける影響を調べた(図6A)。OsGA2ox3転写レベルはGA3の適用により増加し、ウニコナゾールの適用により減少した(図6A)。これに反して、生合成酸素であるGA20-酸化酵素をコードしているOsGA20ox1の転写レベルにおけるGA3およびウニコナゾールの影響は完全に逆であった。OsGA2ox2転写はGA3の処理後でさえも検出されなかった。さらなる実験により、OsGA2ox3転写レベルは、GA3の適用後1時間ですでに増加したが、適用後6時間では、適用の前のそれよりもいっそう低かったことが明らかになった(図6B)。
【0056】
本発明者らは、イネから2つの新規なGA2-酸化酵素をコードする遺伝子、OsGA2ox2およびOsGA2ox3を単離した。OsGA2ox3は、GA1およびその直接の前駆体であるGA20を不活性化することが確認された(図4)。ゆえに、イネについては、少なくとも2つの活性のあるGA2-酸化酵素遺伝子:OsGA2ox1およびOsGA2ox3がある。OsGA2ox3はGA 応答性があるのに対し、OsGA2ox1はGA 応答性がない。また、OsGA2ox3の遺伝子産物は、OsGA2ox1の遺伝子産物とは異なり、GA20の多段階の酸化を触媒し、かつ、OsGA2ox3の発現は調べられたあらゆる組織で観察され、生物学的活性のあるGAの濃度によりフィードフォワード方式で制御された。GA2-酸化酵素遺伝子のフィードフォワード制御については、すでにAtGA2ox1およびAtGA2ox2について報告されている(Thomas SG. et al., (1999) Proc Natl Acad Sci USA 96:4698-4703)。
【0057】
結論として、OsGA2ox3は、イネにおいて生物学的活性のあるGAの濃度のホメオスタシス調節を担っていることが示唆され、一方、OsGA2ox1は、頂端***組織の成長の調節のような特定の役割をもっているものと思われる(Sakamoto T. et al., (2001)Plant Physiol. 125(3):1508-16)。2つのイネGA3β-水酸化酵素遺伝子(OsGA3ox1およびOsGA3ox2)があり、OsGA3ox2の発現は生物学的活性のあるGAのレベルによるフィードバック制御の下にあったが、OsGA3ox1はそうではなかったことは特筆すべきことである(Itoh H. et al., (2001) Proc Natl Acad Sci USA 98(15):8909-14)。このように、GA1の濃度は、OsGA3ox2(活性化)およびOsGA2ox3(不活性化)の発現のホメオスタシス調節を通して、適切なレベルに維持されているものと思われる。この機構は、イネにとって茎葉の伸長を調節するために重要であるにちがいない。
【0058】
【発明の効果】
本発明により、植物のジベレリンの不活性化に関与する新規なDNA、並びに該DNAの発現を調節することにより植物体内におけるジベレリン活性が改変された植物が提供された。本発明により、植物体内のジベレリン活性化を改変させ、植物の草型を人為的に改変することが可能となった。特に、本発明によって主要なGA2-酸化酵素遺伝子が判明したので、アンチセンス技術などを用いて植物の伸長促進を図ることが容易になると考えられる。また、植物体内のジベレリンの不活性化により、特に伸長生長の抑制によって引き起こされる植物の矮性を誘起できる。このため、例えば、イネにおいては多肥料によって生育を促しても背丈が伸びすぎて倒伏してしまうこともなくなる。また、葉の受光量の効率が上昇するため収量の大幅な増加が期待できる。さらに収穫や生育管理の作業の効率化も図ることが可能である。また、植物体内における本発明のDNAの発現を抑制して、植物体内のジベレリン活性化を促進することにより、植物体全体の収量を増加させることも考えられる。このことは、特に、飼料用作物全体の収穫量を向上させる上で有意義である。
【0059】
【配列表】
【図面の簡単な説明】
【図1】 イネGA2-酸化酵素の配列の特徴を示す図である。イネGA2-酸化酵素の推理アミノ酸配列のアラインメントを示している。灰色部分は、3つの酵素で保存されている配列を示している。また、三角印は、提案されている2-オキソグルタル酸依存性型二原子酸素添加酵素の活性中心と関連のあるアミノ酸を示す。
【図2】 GA20-酸化酵素、GA3-酸化酵素およびGA2-酸化酵素についてのアミノ酸配列の系統発生樹を示す図である。シロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana)からのGA20-酸化酵素(AtGA20ox1, X83379; AtGA20ox2, X83380; AtGA20ox3, X83381)およびイネからのGA20-酸化酵素(OsGA20ox1, U50333; OsGA20ox2, AB077025)、シロイヌナズナ(A. thaliana)からのGA3β-水酸化酵素(AtGA3ox1, L37126; AtGA3ox2, AF070937)およびイネ(O. satiba)からのGA3-酸化酵素(OsGA3ox1, AB054084; OsGA3ox2, AB056519)、シロイヌナズナ(A. thaliana)からのGA2-酸化酵素(AtGA2ox1, AJ132435; AtGA2ox2, AJ132436; AtGA2ox3, AJ132437)、インゲンマメ(Phaseolus coccineus)からのGA2-酸化酵素(PcGA2ox1, At132438)、エンドウマメ(Pisum sativum)からのGA2-酸化酵素(PsGA2ox1, AF100954; PsGA2ox2, AF100955)、およびイネ(O. sativa)からのGA2-酸化酵素(OsGA2ox1, AB059416; OsGA2ox2,; OsGA2ox3,)。
【図3】 野生型イネの様々な器官におけるOsGA2ox2およびOsGA2ox3の発現を示す写真である。生長する茎頂、茎、葉身、葉鞘、花および根からのトータルRNA(10μg)のノーザンブロットをOsGA2ox2(上部パネル)およびOsGA2ox3(中間パネル)についての32P標識されたcDNAにハイブリダイズさせた。下部パネルはエチジウムブロマイド染色のアガロースゲル像を示している。
【図4】 イネにおけるGA1の合成および代謝の経路を示す図である。太い矢印は、イネGA2-酸化酵素により触媒される段階を示す。
【図5】 OsGA2ox3 cDNAを過剰発現するトランスジェニックイネ植物を示す写真である。バーは1cmに相当する。
【図6】 GA生合成およびGA代謝作用についてのイネ遺伝子の転写量におけるGAおよびウニコナゾールの影響を示す写真である。A:(上部パネル)未処理(C)または10μM GA3(G)および10μM ウニコナゾール(U)で処理された野生型苗からのトータルRNA(10μg)のノーザンブロットをOsGA2ox2、OsGA2ox3およびOsGA20ox2についての32P標識されたcDNAにハイブリダイズさせた。下部パネルはエチジウムブロマイド染色のアガロースゲル像を示している。B:10μM GA3の適用後のOsGA2ox3の転写量における変化を示す写真である。(上部パネル)適用後0時間、1時間、3時間、6時間、12時間および24時間にトータルRNA(10μg)を調製し、ブロッティングに使用した。下部パネルはエチジウムブロマイド染色のアガロースゲル像を示している。
Claims (13)
- 下記(a)又は(b)に記載の DNA 。
(a)配列番号:2または4に記載のアミノ酸配列からなるタンパク質をコードするDNA。
(b)配列番号:1または3に記載の塩基配列のコード領域を含むDNA。 - 下記(a)又は(b)に記載の DNA 。
(a)請求項1に記載のDNAの転写産物と完全に相補的なアンチセンスRNAをコードするDNA。
(b)植物細胞における発現時に、共抑制効果により、請求項1に記載の DNA の発現を抑制する RNA をコードする DNA であって、請求項1に記載の DNA の塩基配列と同一の塩基配列を有する DNA。 - 請求項1に記載のDNAからコードされるタンパク質。
- 請求項1または2に記載のDNAを含むベクター。
- 請求項1または2に記載のDNAまたは請求項4に記載のベクターを保持する形質転換イネ細胞。
- 請求項5に記載の形質転換イネ細胞を含む形質転換イネ。
- 請求項6に記載の形質転換イネの子孫またはクローンである、形質転換イネ。
- 種子、果実、切穂、塊茎、塊根、株、カルス、プロトプラストから選択される、請求項6または7に記載の形質転換イネの繁殖材料。
- 請求項6に記載の形質転換イネの製造方法であって、請求項1もしくは2に記載のDNAまたは請求項4に記載のベクターをイネ細胞に導入し、該イネ細胞からイネを再生させる工程を含む方法。
- 請求項1に記載のDNAを有効成分として含有する、イネの生長抑制剤。
- 請求項2に記載のDNAを有効成分として含有する、イネの生長促進剤。
- 請求項1に記載のDNAをイネの細胞内で発現させることを特徴とする、イネの生長を抑制する方法。
- 請求項2に記載のDNAをイネに導入することを特徴とする、イネの生長を促進する方法。
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