JP3782622B2 - レゼクト用電極 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、レゼクトスコープに組込まれ、このレゼクトスコープによる内視鏡観察下で前立腺、子宮等の生体組織の切開、凝固、蒸散等の切除を行うレゼクト用電極に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、レゼクトスコープはシース内に観察用の内視鏡であるスコープ(光学視管)と、生体組織切除用の電極とを挿入し、スコープで体腔内の病変部を確認しながらシース先端開口部から切除用電極を外部側に突没させることにより、病変部を切開、凝固、蒸散等を行っている。そして、このレゼクトスコープは経尿道的切除術(Transurethral resection:TUR)や、経頚管的切除術(Transcervical resection:TCR)などに用いられる。
【0003】
また、生体組織の切除を行うレゼクト用電極は、上記レゼクトスコープ用の電極である。そして、このレゼクト用電極はレゼクトスコープのチャンネルを通じて体腔内に挿入される。
【0004】
この種のレゼクトスコープとして従来から、実公平4−15210号公報に開示されているものがある。これは、細いワイヤでループ形状に形成された切除電極を設け、この電極をシースの先端開口部から外部側に突出させた状態で、この電極に高周波電流を流すことで、生体組織を切除する構成になっている。
【0005】
また、特開平9−262244号公報には上記ループ形状の電極とは異なる構成の切除電極が示されている。ここでは、ワイヤーにローラを支持させた電極が開示されている。そして、生体組織の上にローラを転がしながら、高周波電流を流すことで広い範囲を均一に蒸散させる構成になっている。
【0006】
さらに、上記ループ形状の電極や、ローラ電極とは異なる構成の切除電極として平板を略弓形に湾曲させて略半円形の板状電極を形成した構成の切除電極も考えられている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、実公平4−15210号公報に開示されている切除用電極は、細いワイヤでループ状に形成されているので、電極に高周波電流を流しながら生体組織を削るように切除することは出来るが、生体組織を広い範囲にわたり均一に削る場合にはレゼクトスコープの操作が難しい問題がある。
【0008】
さらに、生体組織を細いワイヤで切除するため、切除能力が高い反面、凝固能力が低いので、生体組織の切除部分から出血し易い問題がある。そのため、この場合には細いワイヤを出血部に当てて止血する面倒な作業が必要になる問題がある。ここで、広い範囲を均一に凝固するためには出血部に正確に細いループを当てる必要があるので、そのレゼクトスコープの操作が難しい問題もある。
【0009】
また、特開平9−262244号公報に示されているローラ形状の電極では生体組織との接触面積が大きいので、生体組織の蒸散に必要な高周波の電流密度を得るためには、ループ形状の電極の高周波出力(例えば150W程度)に比べて過大な高周波出力(例えば300W程度)が必要になる。そのため、生体組織の切除を行う際に、人体を通過する高周波電流が大きくなり、ループ形状の電極に比べて、生体組織の熱傷等の副作用が大きくなるおそれがある。
【0010】
また、ローラ状の電極では、生体組織を切除するのではなく、生体組織を蒸散(蒸発)させるため、悪性腫瘍等の生体組織の回収が必要な症例には使用できない。さらに、生体組織を回収できないため、病理用生体組織生検ができない。また、一度に蒸散できる深さが、ループ形状の電極に比べて少ないため、切除(蒸散)に要する時間が多いなどの各種の問題がある。
【0011】
また、平板を略弓形に湾曲させた略半円形の板状電極では細いワイヤでループ形状に形成したループ形電極と、ワイヤーにローラを支持させたローラ電極との中間タイプの効果がある。すなわち、主に板状電極では生体組織との接触面積が大きいため、高周波を出力しながら生体組織と接触している時間が長くなるので、生体組織への熱投与時間が長くなり易い。そのため、ループ形電極と、ローラ電極との中間タイプの板状電極の場合には、止血能力は治療に十分であるが、切除能力が不十分となる。
【0012】
さらに、板状電極では生体組織との接触面積が大きいため負荷抵抗が下がり、高周波出力電圧がアーク放電を発生する電圧に達し難く、アーク放電による生体組織の処置に時間がかかる問題もある。
【0013】
本発明は上記事情に着目してなされたもので、その目的は、板形状の電極を、止血(凝固)能力は維持したまま、切除能力をさらに向上させることができるレゼクト用電極を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、シースと、このシース内に挿通されるスコープとを備えたレゼクトスコープに組込まれ、上記シースの先端開口部から外部側に突没し、生体組織を切除するレゼクト用の電極本体を板状体がC字状に湾曲成形されたC字状電極によって形成し、このC字状電極における上記生体組織との接触面に上記板状体を貫通する開口部を上記C字状電極の周方向に沿って複数並設したことを特徴とするレゼクト用電極である。
そして、本請求項1の発明ではレゼクト用の電極本体を形成するC字状電極に上記板状体を貫通する開口部を上記C字状電極の周方向に沿って複数並設することにより、従来に比べて電極本体の熱容量が減り、温度が上昇し易くなることで、切除に必要なアーク放電を発生させ、アーク放電による生体組織の組織爆発により発生した泡がC字状電極の開口部から抜けやすくなり、切除能力を向上させるようにしたものである。
【0015】
請求項2の発明は、上記電極本体は、上記開口部が円形状に形成されていることを特徴とする請求項1に記載のレゼクト用電極である。
そして、本請求項2の発明では、電極本体の板状体における円形状の開口部によって凸凹した生体組織に対しては、電極本体と生体組織との接触面積を減らすことが可能となる。これにより、ひとつの開口部で生体組織に接触していないエッジ部から、生体組織に対してアーク放電が発生しやすくなり、切除能力が向上する。
請求項3の発明は、上記C字状電極は、上記開口部が上記板状体における上記シースの軸方向の長さ寸法の半分より大径の大径口に設定されていることを特徴とする請求項1に記載のレゼクト用電極である。
そして、本請求項3の発明では、電極本体の板状体におけるシースの軸方向の長さ寸法の半分より大きな大径口の開口部をこの板状体における生体組織との接触面に形成し、電極本体の熱容量をさらに減らしたことにより、従来の板状電極よりも、高周波出力直後、すぐに高温に達するようにしている。また、電極本体の板状体の開口部が大きいため、生体組織とは接触しない開口部のエッジ部が存在し、その間に切開に必要なアーク放電を発生しやすい。これにより、生体組織に適度の熱を投与でき、必要な止血(凝固)能力が得られるようにしたものである。又、大きな開口部により、生体組織の組織爆発により発生した泡が開口部から抜けやすくなり、次の生体組織に対して、同じような切除工程にすみやかに移行可能となるようにしたものである
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の第1の実施の形態を図面を参照して具体的に説明する。図1はレゼクトスコープ全体の概略構成を示すものである。このレゼクトスコープにはスコープ1と、ワーキングエレメント2と、シース3とが設けられている。
【0017】
スコープ1には細長い挿入部4と、この挿入部4の基端部に連結された手元側端部5とが設けられている。そして、手元側端部5には接眼部6と、ライトガイド接続部7とが設けられている。
【0018】
シース3の基端部には円筒部材8の先端部が連結されている。この円筒部材8の外周面には液体を注入するための送水口9が突設されている。さらに、円筒部材8の基端部にはワーキング・エレメント2の連結部材10が装着されている。
【0019】
ワーキング・エレメント2には円筒部材8の基端部に連結された前部ユニット11と、絶縁部材から成り、軸方向に前後に操作可能なスライダ12と、このスライダ12のスライド動作をガイドする細長いガイド管13とが設けられている。ここで、連結部材10にはガイド管13の挿通孔10aと、電極挿通孔10bとが形成されている。そして、ガイド管13の先端部側は連結部材10の挿通孔10a内に挿入され、円筒部材8内を通り、シース3の先端開口部3aの近傍部位まで延設されている。
【0020】
ガイド管13の基端部にはスコープ固定部材14が設けられている。そして、スコープ1の挿入部4はこのスコープ固定部材14を通してガイド管13内に挿入され、シース3の先端開口部3aの近傍部位まで延出されている。
【0021】
ワーキング・エレメント2の前部ユニット11には連結部材10に固定された指掛け部材15が設けられている。この指掛け部材15とスライダ12との間には略U字状の板ばね部材16が架設されている。そして、この板ばね部材16のばね力によってスライダ12が指掛け部材15から離間する方向に付勢されている。
【0022】
スライダ12には生体組織を切除する本実施の形態のレゼクト用電極の電極ユニット17の固定部18と、電源コード接続口金19と、指掛けリング20とが設けられている。ここで、電極ユニット17の固定部18と電源コード接続口金19との間はリード線21により接続されている。さらに、電源コード接続口金19には高周波電源22に基端部が取付けられたアクティブ・コード23の先端部が接続されている。
【0023】
シース3内にはスコープ1の挿入部4とともに、本実施の形態のレゼクト用電極の電極ユニット17が配設されている。このレゼクト用電極の電極ユニット17には図2に示すように略平行に配置された導電性の金属ワイヤなどによって形成された2本の細長い軸部24が設けられている。ここで、2本の軸部24はシース3の軸方向に沿って延出されている。
【0024】
さらに、2本の軸部24の先端部には生体組織を切除するレゼクト用の電極本体25が配設されている。このレゼクト用の電極本体25は板幅、厚さが小さく、熱容量が小さい金属製の板状体によって図3(A1)に示すように略C字状に湾曲された形状に形成されている。そして、このC字状の電極本体25は図2に示すように一端部が一方の軸部24の先端部に、またC字状電極本体25の他端部が他方の軸部24の先端部にそれぞれ固定されている。これにより、2本の軸部24の先端部間がC字状電極本体25によって連結されている。なお、C字状電極本体25の板状体の電極幅は1.5mm以下程度に設定されている。さらに、C字状電極本体25の板状体の板厚は、0.5mm以下程度に設定されている。
【0025】
また、本実施の形態のC字状電極本体25には図3(A2)に示すように板状体における生体組織との接触面(外面)側に円形状の開口部26がC字状の周方向に沿って複数並設されている。なお、この円形状の開口部26はC字状電極本体25の板状体に貫通されていてもよく、またC字状電極本体25の板状体における生体組織との接触面となる外面側のみに形成されていてもよい。
【0026】
さらに、C字状電極本体25の各開口部26の直径はこの電極本体25の板状体におけるシース3の軸方向の長さ寸法の半分より大きくなるように設定されている。
【0027】
なお、レゼクト用電極の電極ユニット17の電極本体25は本実施の形態のようにC字状の板状体に円形状の開口部26が形成された電極本体25に代えて例えばループ形状電極、板形状電極、ローラ型の蒸散電極などの他の電極に適宜交換可能にしてもよい。この場合にはレゼクト用電極の電極ユニット17の電極本体25を上記各電極に選択的に交換することで、各電極での切除が可能となる。
【0028】
また、電極ユニット17の2本の軸部24はC字状電極本体25との連結部側から手元部近傍までテフロン等の絶縁材料から成る絶縁チューブで覆われ、絶縁されている。なお、電極ユニット17の手元側の端部には金属製の軸部24が露出されている接続部30が設けられている。
【0029】
また、電極ユニット17のC字状電極本体25はシース3の先端開口部3aの近傍部位に配設されている。さらに、軸部24の基端部は連結部材10の電極挿通孔10b内に移動自在に挿通されている。この電極ユニット17の接続部30はスライダ12の固定部18に機械的に固定されるとともに、電気的に接続されている。これにより、電極ユニット17がワーキング・エレメント2に組付けられている。そして、スライダ12をスライド操作することにより、高周波電流を流したまま、電極ユニット17の先端のC字状電極本体25をシース3の先端開口部3aから外部側に突没することができるようになっている。
【0030】
また、図3(B1),(B2)は図3(A1),(A2)のC字状電極本体25とは異なる構成の電極ユニット17の第2のC字状電極本体31を示すものである。すなわち、この第2のC字状電極本体31には図3(A1),(A2)のC字状電極本体25の円形状開口部26に比べて小さな円形状開口部32が、図3(A1),(A2)のC字状電極本体25に比べて多数設けられている。
【0031】
次に、上記構成の作用について説明する。レゼクトスコープの使用時にはまず、シース3を患者の体腔内の処置対象部位に挿入する。そして、スコープ1による体腔内の処置対象部位の観察と、ワーキング・エレメント2による体腔内の病変部等の処置対象部位の処置が行われる。
【0032】
このワーキング・エレメント2による処置は次のように行われる。すなわち、作業者の片方の手の親指を指掛けリング20に掛け、残りの指を指掛け部材15に掛けた状態で、スライダ12を前進させることにより、電極ユニット17も前進し、C字状の電極本体25をシース3の先端開口部3aから外部側に突出させることができる。そして、スコープ1による体腔内の処置対象部位の観察下で、C字状の電極本体25を処置対象部位の生体組織に接触させる。この状態で、スライダ12をスライド操作することにより、処置対象部位の生体組織上でC字状の電極本体25をスライドさせるとともに、生体組織上でC字状の電極本体25をスライドさせながらこのC字状の電極本体25に高周波電流を流すことにより、前立腺の蒸散や、病変部の凝固等の処置が行われる。
【0033】
そこで、上記構成のものにあっては次の効果を奏する。すなわち、本実施の形態のレゼクトスコープのレゼクト用電極の電極ユニット17では板幅、厚さが小さく、熱容量が小さい金属製の板状体によって略C字状に湾曲された形状のレゼクト用の電極本体25を形成したので、従来に比べて電極本体25の熱容量が減り、温度が上昇し易くなる。そのため、処置対象部位の生体組織の切除に必要なアーク放電を迅速に発生させ、切除能力を向上させることができる。
【0034】
さらに、C字状電極本体25には図3(A2)に示すように板状体における生体組織との接触面(外面)側に円形状の開口部26をC字状の周方向に沿って複数並設し、各開口部26の直径をこの電極本体25の板状体におけるシース3の軸方向の長さ寸法の半分より大きくなるように設定したので、C字状電極本体25の体積をさらに減少させることができ、これにより電極本体25の熱容量を一層小さくすることができる。そのため、従来の板形状電極に比べて生体組織との接触面積を減少させて電極接触部の高周波電流の電流密度が増加するので、高周波電流により電極本体25自体の発熱速度も速くなり、生体組織の変性をさらに速めることができる。したがって、本実施の形態のC字状電極本体25では従来の板状電極よりも、高周波出力直後、短時間でこのC字状電極本体25を処置対象部位の生体組織の切除に必要なアーク放電を発生させる高温状態に上昇させることができるので、C字状電極本体25の切除能力を一層高めることができる。
【0035】
また、本実施の形態のC字状電極本体25で従来の板形状電極と同等の切除能力を得る場合には従来の板形状電極に比べて、出力設定を小さくできるので、高周波電流による副作用が小さくなる効果もある。さらに、生体組織を切除できるので、生体組織生検にも使用できる。
【0036】
また、電極本体25の板状体の開口部26が大きいため、生体組織とは接触しない開口部26のエッジ部が存在し、その間に切開に必要なアーク放電を発生しやすい。これにより、生体組織に適度の熱を投与して生体組織の蛋白質変性を引き起こすことができ、必要な止血(凝固)能力が得られる効果もある。そのため本実施の形態のC字状電極本体25を使用することで、切除能力が高く、十分な止血、凝固能力を提供できる。
【0037】
さらに、本実施の形態のC字状電極本体25では円形状の開口部26を複数設けることで、まんべんなく生体組織と接触し、C字状電極本体25の一部だけが局部的に電流密度が上昇することを避けることができる。そのため、電極本体25全体を生体組織と接触させることにより、電極本体25と生体組織とが一部だけ接触することを避け、電極本体25と接触する生体組織の部分を均一に切除、凝固を含めた生体組織の変性を施すことができ、生体組織を均一に、広い範囲で、切除(蒸散)、凝固を行うことができる。
【0038】
また、図3(A1),(A2)に示すようにC字状電極本体25の円形状開口部26が大きい場合には開口数を減らし、図3(B1),(B2)に示す第2のC字状電極本体31のように円形状開口部32が小さい場合には開口数を多くすることにより、C字状電極本体25、第2のC字状電極本体31による生体組織の切開能力と凝固(止血)能力のバランスを取ることができる。
【0039】
また、電極本体25は板状体における生体組織との接触面の開口部26が円形状に形成されているので、凸凹した生体組織に対しては、電極本体25の板状体における円形状の開口部26によって電極本体25と生体組織との接触面積を減らすことができる。これにより、ひとつの開口部26で生体組織に接触していないエッジ部から、生体組織に対してアーク放電が発生しやすくなり、切除能力が向上する。さらに、大きな開口部26により、生体組織の組織爆発により発生した泡がこの開口部26から抜けやすくなり、次の生体組織に対して、同じような切除工程にすみやかに移行可能となる
また、図4は、従来の板形状電極と、本実施の形態の円形状の開口部26を複数設けたC字状電極本体25を使用した場合のインピーダンス(Z)の経時変化、図5は、電圧(V)の経時変化をそれぞれ示している。
【0040】
なお、図4中で、A1は従来の板形状電極のインピーダンス特性、B1は本実施の形態のC字状電極本体25のインピーダンス特性である。さらに、図5中で、A2は従来の板形状電極の電圧特性、B2は本実施の形態のC字状電極本体25の電圧特性である。また、電極形状以外の高周波出力、生体組織等のパラメータは同一である。
【0041】
この図4から明らかなように本実施の形態のC字状電極本体25のインピーダンス特性B1では、高周波出力を開始してから、(生体組織、負荷)インピーダンスが、従来の板形状電極のインピーダンス特性A1よりも早く上昇する。その結果、本実施の形態のC字状電極本体25を用いた方が、高周波電源の出力電圧が速く上昇し(図5参照)、生体組織の切開に必要なアーク放電が速く発生するので、いち早く生体組織が切除可能となる。
【0042】
また、本実施の形態のC字状電極本体25では従来の板形状電極に比べて生体組織との接触面積が小さいことから、高周波電源側で定電圧制御を行わない限り、本実施の形態のC字状電極本体25を用いた方が、高周波電源の出力電圧が高く維持され、良好な切除が可能となる。
【0043】
但し、この場合、本実施の形態のC字状電極本体25は従来の板形状電極と電極の大きさは同等で、複数の開口部26がある点が従来の板形状電極と異なるだけなので、C字状電極本体25の電極部を生体組織とまんベんなく接触させることにより、従来の板形状電極と、同等の凝固(止血)能力を有する。
【0044】
なお、本発明は上記実施の形態に限定されるものではない。例えば、本実施の形態では、電極本体25に円形状の開口部26を設けた構成を示したが、無論、長方形状の開口部等でも同様の効果が得られることは勿論であり、電極本体25に円形状の開口部26を設けた構成だけに特定されるものではない。
【0045】
但し、電極本体25に円形状の開口部26を設けた場合には開口部26と生体組織とが比較的同条件で接触し、高周波電流が電極の一部に集中する問題の発生が少なく、電極本体25全体にわたって均一に生体組織の変性が可能となるので、電極本体25の開口部の形状は円形状であることが望ましい。
【0046】
さらに、その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形実施できることは勿論である。
次に、本出願の他の特徴的な技術事項を下記の通り付記する。

(付記項1) スコープと、このスコープを体腔内に挿通するためのシースと、このシースの先端開口部から外部側に突没する生体組織切除用の電極と、この電極に通電する電極通電手段とを有するレゼクトスコープに使用する電極において、電極が板状で、電極に複数の開口部を有することを特徴とするレゼクト用電極。
【0047】
(付記項2) 前記開口部が円であることを特徴とする付記項1に記載のレゼクト用電極。
【0048】
(付記項3) スコープと、このスコープを体腔内に挿通するためのシースと、このシースの先端開口部から外部側に突没する生体組織切除用の電極と、この電極に通電する電極通電手段とを有するレゼクトスコープに使用するレゼクト用電極において、上記電極を板状に形成し、更に該電極に、電極の突没方向における寸法の半分より大きな開口部を形成することを特徴とするレゼクト用電極。
【0049】
(付記項4) 上記開口部は、円形に形成されていることを特徴とする、請求項1に記載のレゼクト用電極。
【0050】
(付記項1〜4の発明の属する技術分野) 本発明は、内視鏡下で前立腺、子宮等の生体組織の切開、凝固、蒸散等を行う切除(レゼクト)用電極に関するものである。
【0051】
(付記項1〜4の従来技術) 本発明の切除用電極は、経尿道的切除術(Transurethral resection:TUR)や、経頚管的切除術(Transcervical resection:TCR)に用いられ、レゼクトスコープ用の電極であり、レゼクトスコープのチャンネルを通じて体腔内に挿入される。
【0052】
一般に、レゼクトスコープはシース内に観察用の内視鏡であるスコープ(光学視管)と、生体組織切除用の電極とを挿入し、スコープで体腔内の病変部を確認しながらシース先端開口部から切除用電極を外部側に突没させることにより、病変部を切開、凝固、蒸散等を行っている。
【0053】
この種のレゼクトスコープとして従来から、実公平4−15210号公報に開示されているように、シース先端開口部から細いワイヤでループ形状に形成された切除電極を設け、この電極に高周波電流を流すことで、生体組織を切除する。
【0054】
特開平9−262244号公報で上記ループ形状の電極の短所を改良した切除電極として、ワイヤーにローラを支持し、ローラを組織の上を転がしながら、高周波電流を流すことで広い範囲を均一に蒸散させるための電極が開示されている。
【0055】
又、最近では、ループ形状とローラ形状の中間タイプの効果があると言われる、図1に示すような、板状の電極が使用されている。
【0056】
(付記項1〜4が解決しようとする課題) 実公平4−15210号公報に開示されている切除用電極は、細いワイヤでループ状に形成されているので、電極に高周波電流を流しながら生体組織を削るように切除することは出来るが、生体組織を広い範囲にわたり均一に削るためのレゼクトスコープの操作が難しい問題がある。
【0057】
細いワイヤで切除するため、切除能力が高い反面、凝固能力が低いので、出血し易い問題がある。
【0058】
細いワイヤを出血部に当てて止血したり、広い範囲を均一に凝固するためには出血部に正確に細いループを当てる必要があるので、レゼクトスコープの操作が難しい問題がある。
【0059】
特開平9−262244号公報で示すローラ形状の電極では組織との接触面積が大きいため、蒸散に必要な高周波の電流密度を得るためには、ループ形状(例えば150W)の電極に比べて過大な高周波出力を要求される(例えば300W)。そのため、人体を通過する高周波電流が大きくなり、ループ形状の電極に比べて、熱傷等の副作用が大きくなる。
【0060】
ローラ状の電極では、組織を切除するのではなく、組織を蒸散(蒸発)させるため、悪性腫瘍等の組織回収が必要な症例には使用できない。組織を回収できないため、病理用組織生検ができない。一度に蒸散できる深さが、ループ形状の電極に比べて少ないため、切除(蒸散)に要する時間が多いと言った問題がある。
【0061】
又、ループ形状、ローラ形状との中間タイプである板形状の電極でも、止血能力は治療に十分であるが、切除能力が不十分との意見が聞かれる。それは、主に板状電極は組織との接触面積が大きいため高周波を出力しながら接触している時間が長い(熱投与時間が長い)、接触面積が大きいため負荷抵抗が下がり、高周波出力電圧がアーク放電を発生する電圧に達し難く、組織が爆発、破壊され難いと言ったことによる。
【0062】
(付記項1〜4の目的) 本願は、板形状の電極を、止血(凝固)能力は維持したまま、切除能力をさらに向上させたものである。
【0063】
(付記項1〜4の課題を解決するための手段) 具体的には、板形状電極に複数の開口部を設けることで組織と電極との接触面積を減らし、複数の開口部を設けることで電極の熱容量が減り温度が上昇し易くなることで、切除に必要なアーク放電を発生し、切除能力が向上する。
【0064】
又、複数の開口部を設けることで、まんべんなく組織と電極が接触し、組織に適度の熱を投与でき、必要な止血(凝固)能力が得られるようにしたものである。
【0065】
(付記項1〜4の効果) 本願の電極を使用することで、切除能力が高く、十分な止血、凝固能力を提供できる。組織を均一に、広い範囲で、切除(蒸散)、凝固を提供できる。組織を切除できるので、組織生検にも使用できる。従来の板形状電極に比べて、同等の切除能力を得るときには、出力設定を小さくできるので、高周波電流による副作用が小さくなる。
【0066】
【発明の効果】
本発明によれば、板形状の電極を、止血(凝固)能力は維持したまま、切除能力をさらに向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施の形態におけるレゼクトスコープ全体の概略構成を示す縦断面図。
【図2】 第1の実施の形態のレゼクト電極の構造を示す斜視図。
【図3】 (A1)は第1のレゼクト電極の正面図、(A2)は(A1)のレゼクト電極の平面図、(B1)は第2のレゼクト電極の正面図、(B2)は(B1)のレゼクト電極の平面図。
【図4】 第1の実施の形態のレゼクト電極のインピーダンス特性を従来例と比較して示す特性図。
【図5】 第1の実施の形態のレゼクト電極の電圧特性を従来例と比較して示す特性図。
【符号の説明】
1 スコープ
3 シース
3a 先端開口部
17 電極ユニット
25、31 レゼクト用の電極本体
26、32 開口部

Claims (3)

  1. シースと、このシース内に挿通されるスコープとを備えたレゼクトスコープに組込まれ、上記シースの先端開口部から外部側に突没し、生体組織を切除するレゼクト用の電極本体を板状体がC字状に湾曲成形されたC字状電極によって形成し、このC字状電極における上記生体組織との接触面に上記板状体を貫通する開口部を上記C字状電極の周方向に沿って複数並設したことを特徴とするレゼクト用電極。
  2. 上記電極本体は、上記開口部が円形状に形成されていることを特徴とする請求項1に記載のレゼクト用電極。
  3. 上記C字状電極は、上記開口部が上記板状体における上記シースの軸方向の長さ寸法の半分より大径の大径口に設定されていることを特徴とする請求項1に記載のレゼクト用電極。
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