JP2021186447A - 内視鏡用電気焼灼切開具 - Google Patents

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Abstract

【課題】体腔内の生体組織に対しESDの手技に適用できる機能として、電気焼灼によるマーキング機能と穿孔機能と切開機能と剥離機能と閉じ合せ止血機能とを有し操作性に優れること。【解決手段】コイルシース11a内に進退可能に配置された操作ワイヤ12を進退操作するとともに、コイルシース11aの先端部に設けられた先端切開具支持手段14に支持され所要の電圧を印加される一対の先端切開片15,16により生体組織の患部を切開する構成であり、各先端切開片15,16の先端側部分15c,16cが対向面部15d,16dを有するロッド状に形成されており、各先端側部分には、対向面部と反対側の外側面先端部に引掻き係止用兼マーキング用の外側突起15e,16eが形成されている。【選択図】図3

Description

本発明は、内視鏡のチャネル内に挿脱され、内視鏡の挿入部とともに体腔内に挿入され生体組織の病変部の切開等の処置を行う先端処置部を有する内視鏡用電気焼灼切開具に関する。
内視鏡用電気焼灼切開具は、シースの先端部に先端処置部を有し、シースを内視鏡のチャネル内に挿脱可能に収容され、内視鏡の挿入部とともに体腔内に挿入され、内視鏡の視野内で内視鏡の挿入部の先端より延出する先端処置部により、体腔内の病変部の治療(生体組織の患部の除去、サンプル採取、切除、止血等)を低侵襲で行うために使用される。
早期食道癌、早期胃癌、早期大腸癌等の広範囲に及ぶ病変部を内視鏡を用いて確実に一括切除することが可能な方法として、内視鏡的粘膜下層剥離術(Endoscopic Submucosal Dissection(以下、「ESD」という。))が知られている。
ESDは、広範囲の病変部を一括切除する治療方法であり、ESDの手技は、(1)病変部の切除範囲にマーキングを施し(マーキング)、(2)粘膜下層に薬液を局所注射して粘膜病変部を***させ(局注)、(3)マーキングに従って粘膜病変部の周囲を切開した後、粘膜下層を剥離し(切開・剥離)、(4)剥離した潰瘍面や切開、剥離時に発生した出血を止血する(止血)、といった処置(工程)よりなる。
ESDの各工程では、専用のディスポーザブル内視鏡用処置具が使用される。例えば、切開・剥離の工程では、高周波電流を通電して粘膜等を切除するニードルナイフ等を備えた内視鏡用処置具が使用される。ESDの手技においては、粘膜等の切除を行う際、出血を伴うことが多い。術者は、手技中に出血が生じると、切開・剥離用の内視鏡用処置具を内視鏡から一旦取り出し、止血用の内視鏡用処置具に差し替えて、内視鏡的止血術を行う必要がある。
特開2008−272393号公報
特許文献1に記載された内視鏡用高周波処置具は扇状に開閉する一対の高周波電極を備えている。各高周波電極には、一対の高周波電極が閉状態のときに互いに向かい閉じる状態になるよう幅方向中央部分にかつ前後方向に細長い凸状の電極露出面を有している。さらに、電極露出面の両側には、電極露出面に対して段差をなす段差部が形成され、その段差部の外縁より外側の部分は漸次外方に広がる斜面状に形成されている(段落番号0012,0013、図1,図2)。
閉状態のときに互いに向かい合う対向一対の電極露出面は、生体組織を挟んだ状態になり、高周波電流密度が最も大きく発生するジュール熱が最も高くなって生体組織を切断し、電極露出面の両側の段差部では電流密度が疎になる生体組織が生焼け状態になって止血効果が得られ、段差部の両側の斜面部では安定した止血状態が維持される(段落番号0015)。
しかしながら、特許文献1に記載された内視鏡用高周波処置具によれば、対向一対の電極露出面が閉作動時には一対の電極露出面間が泡が発生することができる所定間隔に保持されず、密着当接するまで連続的に閉じていく構成となっているので、対向一対の電極露出面が血管を含む生体組織を挟み止血しながら切開する際には、血管を切断してしまう恐れがあり、また、電極露出面間でおよび段差部間で泡が発生する時間が取れないから、電極露出面間で発生した高熱を電極露出面の両側の段差部に積極的に電熱させ、さらに段差部の両側の斜面部に積極的に電熱させることができず、病変部切除後の正常な生体組織の温度上昇の適切な抑制が行い難く、切開を行う際の優れた操作性を有していないという課題がある。また、他の処置を行う際には、内視鏡から内視鏡用高周波処置具を取り出し、他の処置具に入れ替えて処置を行わなければならず、処置に時間がかかってしまう場合もある。
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、体腔内の生体組織に対しESDの手技に適用できる機能として、電気焼灼によるマーキング機能と切開機能と剥離機能と閉じ合せ止血機能とを有し操作性に優れる内視鏡用電気焼灼切開具を提供することを目的とする。
本発明に係る内視鏡用電気焼灼切開具は、上記目的を達成するため、内視鏡のチャネルに挿脱される可撓性を有するコイルシースと、前記コイルシース内に進退可能に配置された導電性を有する操作ワイヤと、前記コイルシースおよび前記操作ワイヤの各後端側に連結され前記操作ワイヤを進退操作する操作部と、前記コイルシースの先端部に設けられた筒部と前記筒部より先端側に延在する対向一対の腕部とを有する先端処置部支持手段と、導電性材料より成形された一対の先端切開片を有し、一対の前記先端切開片が前記処置部支持手段の一対の前記腕部間に軸支されかつ前記操作ワイヤの進退と連動して開閉し所要の電圧を印加され生体組織の患部を切開する先端処置部とを備え、前記先端処置部は、各前記先端切開片の先端側部分が対向面部を有するロッド状に形成されており、各前記先端側部分には、前記対向面部と反対側の外側面先端部に引掻き係止用兼マーキング用の外側突起が形成されていることを特徴とする。
本発明の第2の態様に係る内視鏡用電気焼灼切開具は、第1の態様の構成に加え、前記一対の先端切開片は、少なくともいずれか一方の前記対向面部の先端部に内側突起を備え、閉じた状態では、前記内側突起により前記対向面部同士が隙間を有して近接するよう構成されていることを特徴とする。
本発明の第3の態様に係る内視鏡用電気焼灼切開具は、第1の態様の構成に加え、前記一対の先端切開片は、閉じた状態では、前記対向面部同士が密着するよう構成されていることを特徴とする。
本発明によれば、体腔内の生体組織に対しESDの手技に適用できる機能として、電気焼灼によるマーキング機能と穿孔機能と切開機能と剥離機能と閉じ合せ止血機能とを有し操作性に優れる内視鏡用電気焼灼切開具を提供することができる。
本発明の実施形態1に係る内視鏡用電気焼灼切開具を含む内視鏡システムを説明するための図である。 本発明の実施形態1に係る内視鏡用電気焼灼切開具の全体図である。 本発明の実施形態1の内視鏡用電気焼灼切開具に係り、図3(A)は先端処置部が閉じた状態の処置部先端部を示す正面図、図3(B)は先端処置部が閉じた状態の処置部先端部を示す縦断正面図、図3(C)は先端処置部が開いた状態の処置部先端部を示す縦断正面図、図3(D)は図3(A)におけるIIId−IIId矢視縦断図である。 本発明の実施形態2に係る内視鏡用電気焼灼切開具の先端処置部が閉じた状態の先端部を示す正面図である。 図5(A)−(F)は本発明の実施形態1に係る内視鏡用電気焼灼切開具を用いて行うESDの一連の手技の工程図である。
以下、本発明に係る内視鏡用電気焼灼切開具に係る実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下の説明において、先端処置部が位置する側を先端側、操作部が位置する側を基端側と呼ぶ。
[実施形態1]
[内視鏡システム]
図1は実施形態1に係る内視鏡用電気焼灼切開具が適用される内視鏡システム1を示す。内視鏡システム1は、生体の体腔内に挿入するための挿入部2と、基端部に設けられ挿入部2の先端を上下左右方向に湾曲操作するためのダイヤルを有する内視鏡操作部3と、挿入部2と内視鏡操作部3との間を接続するように配置された処置具導入部4とを備え、処置具導入部4から挿入部2の先端に向かって長手方向に形成された内視鏡チャネル5が形成され、内視鏡チャネル5内に、後述する内視鏡用電気焼灼切開具10の生体患部の処置を行う先端処置部としての一対の先端切開片15,16およびシース11を挿通し操作部13より操作するように構成されている。
[内視鏡用電気焼灼切開具の基本的構成]
図2は実施形態1に係る内視鏡用電気焼灼切開具10を示す。内視鏡用電気焼灼切開具10は、一対の先端切開片15,16で体腔内の生体組織を挟みつつ所要の電流を通電し生体組織を電気焼灼し止血しつつ切開するものである。
内視鏡用電気焼灼切開具10は、内視鏡チャネル5に挿脱される可撓性を有する細長いシース11と、シース11内に進退可能に配置された操作ワイヤ12と、操作ワイヤ12を進退操作する操作部13と、シース11の先端に固定連結された処置部支持手段である先端処置部支持部材14と、先端処置部支持部材14に支持軸18で回動可能に支持される先端処置部としての一対の先端切開片15,16とを備える。
シース11は、長さが1500〜2000mmの、可撓性を有しかつ適度の腰の強さ(屈曲耐性)を有する細長筒状体である。本実施形態のシース11は、コイルシース11aと、コイルシース11aの外面に被さる樹脂製外被11bとで構成されている。樹脂製外被11bは、PTFE、PEEK、PPS、ポリエチレン、またはポリイミド、等よりなり可撓性・電気絶縁性を有する。コイルシース11aは、例えば断面形状が矩形であるステンレス線等の金属材を密着巻きしてなるコイルシースが用いられることが好ましい。
内視鏡用電気焼灼切開具10は、コイルシース11aの内面と、先端処置部支持部材14の外面に電気絶縁被膜が形成されている。樹脂製外被11bが設けられない構成では、コイルシース11aの内外面に電気絶縁被膜が形成されていてもよい。
操作ワイヤ12は、シース11内に進退可能に緩く配置され、導電性であって回転追従性が大きなトルクワイヤからなる。操作ワイヤ12は、例えば、全長がステンレス製であるか、またはステンレス製の基端側部分とナイチノール(ニッケルチタン合金)製の先端側部分とをステンレスパイプで接続してなるものであっても良い。
操作部13は操作部本体13aとスライダ13bとを有する。操作部本体13aはコイルシース11aの基端に先端部が連結されている。スライダ13bは、操作部本体13aの側面部に設けられたスリットに対応する範囲で操作部本体13aに被嵌してスライドするように設けられ、操作部本体13aの先端面から内部に導入された操作ワイヤ12の基端と連結されている。
操作部13は、操作部本体13aとスライダ13bとを相対的にスライド操作(進退操作)することによって、操作ワイヤ12をコイルシース11aに相対移動させることができ、スライダ13bを図中の左方向(先端側)に移動させることにより操作ワイヤ12を先端側にコイルシース11aに相対移動させ一対の先端切開片15,16を開くことができ、また、スライダ13bを図中の右方向(基端側)に移動させることにより操作ワイヤ12を基端側にコイルシース11aに相対移動させ一対の先端切開片15,16を閉じることができるように構成されている。もって、操作部13は、操作ワイヤ12をコイルシース11aに相対的に進退操作することができ、さらに、操作ワイヤ12の進退操作を介して一対の先端切開片15,16を開閉することができるよう構成されている。
図3(A)に示すように、先端処置部支持部材14は、コイルシース11aの先端部に被嵌・連結された筒部14aと、筒部14aより先端側に延在する対向一対の腕部14bとを有する。一対の先端切開片15,16は先端処置部支持部材14に開閉可能に支持される。一対の先端切開片15,16は、中程部分(交差部分)15a,16aと基端側部分15b,16bと先端側部分15c,16cとに区分される形状を有する。先端側部分15c,16cは先端外側に角状の突出部がある形状である。先端側部分15c,16cを閉じた状態で針状メスやマーカーとして使用でき、開閉すると鋏として使用できる。
図3(B),(C),(D)に示すように、一対の先端切開片15,16は、機能的に先端側部分15c,16cと中程部分15a,16aと基端側部分15b,16bとに区分される。
一対の先端切開片15,16の各中程部分(交差部分)15a,16aには軸孔を有し、2つの軸孔を合わせて先端処置部支持部材14の一対の腕部14b,14bの先端部間に位置され、かつ一対の腕部14b,14bの先端部に設けられた一対の軸受用孔に一軸上に合わせ、一方の軸受用孔より他方の軸受用孔まで支持軸18が通されている。
支持軸18は、一対の腕部14b,14bの軸受用孔に強制嵌着されてなるか、嵌着後にレーザー溶接により固着されており、一対の先端切開片15,16の中程部分(交差部分)15a,16aの軸孔に対しては緩く嵌着されている。したがって、一対の先端切開片15,16は、中程部分(交差部分)15a,16aが先端処置部支持部材14の一対の腕部14b,14b間に軸支され、先端側部分15c,16cが開閉可能である。
一対の先端切開片15,16の各基端部は、一対の開閉作動用リンク19,20の各先端部とピン軸22,23で連結され、さらに一対の開閉作動用リンク19,20の各基端部は進退伝動リンク21の先端部とピン軸24で連結され、進退伝動リンク21は操作ワイヤ12と連結されている。
詳細には、一方の先端切開片15の基端側部分15bに設けられたピン軸孔と一方の開閉作動用リンク19の先端部に設けられたピン軸孔とにピン軸22が通され止着されることにより、一方の先端切開片15と一方の開閉作動用リンク19とが連結されている。他方の先端切開片16の基端側部分16bに設けられたピン軸孔と他方の開閉作動用リンク20の先端部に設けられたピン軸孔とが重ね合され、これらピン軸孔にピン軸23が通され止着されている。これにより、他方の先端切開片16と他方の開閉作動用リンク20とが連結されている。したがって、先端切開片15,16の基端側部分15b,16bと開閉作動用リンク19,20は菱形に連鎖している。
さらに、一対の開閉作動用リンク19,20の各基端部に設けられたピン軸孔が進退伝動リンク21の先端部に設けられたピン軸孔の両側に重ね合され、これら軸孔にピン軸24が通され止着されることにより、かつ一対の開閉作動用リンク19,20と開閉作動用リンク19とが連結されている。
進退伝動リンク21は、外形がロッド状であり、基端面より軸方向に内方にワイヤ受け入れ穴を有し、ワイヤ受け入れ穴に操作ワイヤ12の先端部が嵌入され進退伝動リンク21の側面より締め付けねじをねじ込むか、あるいは銀ロウ付け、ハンダ付け、カシメ、等により連結固定され、もって、進退伝動リンク21と操作ワイヤ12とが連結されている。
したがって、操作ワイヤ12がシース11に対して基端方向に相対移動されると、開閉作動用リンク19,20の交差角が小さくなると、一対の先端切開片15,16の基端側部分15b,16bの交差角も小さくなり、これにより、一対の先端切開片15,16の先端側部分15c,16cが閉じていき(図3(B))、また、開閉作動用リンク19,20の交差角が大きくなると、一対の先端切開片15,16の基端側部分15b,16bも交差角が大きくなり、これにより、一対の先端切開片15,16の先端側部分15c,16cが扇状に開いていく(図3(A))。もって、操作ワイヤ12がシース11に対して相対移動されると、一対の先端切開片15,16の先端側部分15c,16cが扇状に開閉するようになっている。
各腕部14bの対向面部の先端部に支持軸18を取り巻くように設けられた一対の環状突出座14c,14cが一対の先端切開片15,16の中程部分15a,16aに当接している。これにより、一対の先端切開片15,16が横振れ・横ずれがなく円滑に回動することを保障されている。
その他の基本的構成を説明する。先端処置部支持部材14と一対の先端切開片15,16は、ステンレス製またはナイチノール(ニッケルチタン合金)製であり、先端処置部支持部材14と、シース11の樹脂製外被11bとに親水性被膜が形成され、もって、一対の先端切開片15,16からシース11までが体腔内に引き攣りなく円滑に導入できるようになっている。
先端処置部支持手段14の筒部14aとコイルシース11aの先端部とが溶接、ロウ付け、またはハンダ付けにより連結されている。なお、コイルシース11aの先端部の外形を研削して小径部を設け、この小径部に筒部14aを被嵌し固定連結してもよい。
したがって、操作ワイヤ12を進退操作することにより、一対の先端切開片15,16の先端側部分15c,16cを扇状に開閉することができ、かつ閉じるときに、高周波電流を通電して体腔内の生体組織を電気焼灼し止血しつつ切開する等の処置を行うようことができる。
[内視鏡用電気焼灼切開具の特徴的構成]
一対の先端切開片15,16は、導電性材料より成形される。各先端側部分15c,16cは、対向面部15d,16dを有する長さ方向に垂直な断面が矩形であるロッド状に形成されている。一対の先端切開片15,16は、操作ワイヤ12を介して給電されて電極面となり、対向面部15d,16dのみでなく、各先端側部分15c,16cの全長・全周面において生体組織に対して電気焼灼が行われる。
各先端側部分15c,16cは、対向面部15d,16dと反対側の外側面先端部に引掻き係止用兼マーキング用の外側突起15e,16eが形成されている。外側突起15e,16eは、先端切開片15,16を閉じた状態で側方に移動させてメスとして切開処置を行うときに、粘膜に対して滑らずに引っ掛かる機能を有する。
また、各先端側部分15c,16cは、対向面部15d,16dの先端部に間隔保持用の内側突起15f,16fを有する。各基端側部分15b,16bは、開閉作動用リンク19,20と進退伝動リンク21を介し操作ワイヤ12と連結されている。
各先端側部分15c,16cは、操作ワイヤ12の進退動作力を受けて開閉し、かつ操作ワイヤ12が最引退状態のときに、閉じた状態になり、各対向面部15d,16dが平行状態でかつ近接した状態に保持される。
各先端側部分15c,16cが閉じた状態では、内側突起15f,16f同士が当接して対向面部15d,16d間の隙間cが例えば0.2−1.0mmの微小寸法が保持されるように近接している。
内側突起15f,16fは、対向面部15d,16dの先端部ではなく、基端部または中途部に設けられても良い。また、外側突起15e,16eはいずれか一方が設けられていればよい。また、内側突起15f,16fはいずれか一方が設けられていればよい。
内側突起15f,16fは、対向面部15d,16dの先端部に設けられている場合、隙間間隔を保持する機能に加え、一対の先端切開片15,16が扇状に開いた状態から閉じていくときに、粘膜引き止め機能を有する。粘膜引き止め機能とは、一対の先端切開片15,16が扇状に開いた状態から閉じていく際に、対向面部15d,16d間に挟み込まれた位置にある病変部が対向面部15d,16dからの圧迫を受けて対向面部15d,16d間の先端方向に逃げてしまわないように病変部の粘膜に引っ掛かり引き留める機能である。
内側突起15f,16fは、粘膜剥離処理の際に、操作ワイヤ12を基端側に手加減することなく引くと、操作ワイヤ12が最引退状態となり、先端側部分15c,16cが閉じ内側突起15f,16f同士が当接することで、各対向面部15d,16dが略平行に近接した状態に保持される。
[先端切開片15,16からなる先端処置部の機能]
内視鏡用電気焼灼切開具10は、一対の先端切開片15,16からなる先端処置部が上記のように構成されているので、以下に詳述するESDの手技において、電気焼灼によるマーキング機能と切開機能と閉じ合せ止血機能と血管切断回避機能とを有し、操作性に優れる。
[マーキング機能]
ESDの手技における最初の処置は、図5(A)に示すように、病変部A周辺に切開範囲を決めるための点状のマーク(マーキング痕)mを周配置に適数個(例えば6〜12個)付すことである。このため、内視鏡システム1の挿入部2を患者の体腔内に挿入し、内視鏡画像によって病変部Aの位置を確認し、内視鏡チャネル5に挿通されたシース11の先端部の先端処置部(一対の先端切開片15,16)を内視鏡先端部から突出し、例えば0.5mm突出している外側突起15eまたは16eを病変部Aの周辺の粘膜に押し当て、先端処置部に高周波電流を通電する。これにより、外側突起15eまたは16eにより病変部Aの周辺の粘膜の押し当て位置が僅かに差し込まれ、外側突起15eまたは16eが粘膜表面で滑らないため狙った位置に電気焼灼されてマーキング痕mが形成される。その後、高周波電流を遮電し外側突起15eまたは16eを粘膜から離れさせ、外側突起15eまたは16eを、病変部Aの周辺の粘膜の次の押し当て位置へ移動して押し当てマーキング痕mを形成することを繰り返し、点状のマーキング痕mを周配置に適数個を形成し、マーキング処置を終了する。マーキング処置を終了したら、続いて、図5(B)に示すように、病変部の粘膜下層にヒアルロン酸等の液体を局所注射する。内視鏡用電気焼灼切開具10をヒアルロン酸等の液体を給送できる内視鏡用注射具Gと交換し病変部Aの粘膜下層に向けてマーキング痕mの外側位置に位置させて刺し込み、薬液を注入すると病変部の粘膜を浮き上がらせることができる。
[切開機能]
病変部Aの粘膜を浮き上がらせた後は、図5(C)に示すように、マーキング痕mの外周位置の粘膜に環状凹部Rを切開する。このため、再び、内視鏡用電気焼灼切開具10と交換し、外側突起15eおよび/または16eを病変部Aの周辺の粘膜に押し当て、先端処置部に高周波電流を通電し、マーキング痕mの外周を一回りさせる。これにより、外側突起15eおよび/または16eにより病変部Aの周辺の粘膜の押し当て位置が僅かに差し込まれ、外側突起15eまたは16eが粘膜表面で滑らないため狙った位置に電気焼灼されて環状凹部Rを切開することができる。
[剥離機能]
環状凹部Rを切開した後は、続いて、図5(D)に示すように、病変部Aを少しずつ剥ぎ取る。このため、内視鏡用電気焼灼切開具10の一対の先端切開片15,16を閉じて外側突起15e,16eの両方を環状凹部Rに合わせ、病変部Aの粘膜下層に向けて高周波電流を通電させて電気焼灼により若干寸法刺し込む毎に、一対の先端切開片15,16を小さな角度開いて切り開き幅を大きくし閉じることを繰り返していき、病変部Aの中心位置では、環状凹部Rの直径に一対の先端切開片15,16の開き角度を合わせ、環状凹部Rの向こう側の端に到達させることで病変部Aを含む粘膜下層より剥離する。一対の先端切開片15,16を小さな角度開くとき、外側突起15e,16eが粘膜下層組織を引掛けるので切り開きを良好に行える。
剥離機能としては、一対の先端切開片15,16に別の動作を与える方法であっても良い。一対の先端切開片15,16を閉じて環状凹部Rの一端から直径方向の他端まで電気焼灼により病変部Aの粘膜下層に突き刺してから一対の先端切開片15,16の開き、開いたまま差し込み位置まで引く動作とする場合や一対の先端切開片15,16を閉じて一方の先端切開片の中程を環状凹部Rの一端に合わせ、直径方向の他端まで電気焼灼により切り開く動作とする場合でもよい。
[閉じ合せ止血機能]
病変部Aを取り除いた後は、続いて、図5(E),(F)に示すように、病変部Aを取り除いた生体表面を止血する。このため、一対の先端切開片15,16を適度の扇状に開いて病変部Aを挟み込む状態になるよう生体表面に押し当て、高周波電流を供給し電気焼灼を行いつつ、操作ワイヤ12を基端側に僅かずつ引くと、操作ワイヤ12が最引退状態となり、一対の先端切開片15,16を緩速度で閉じて病変部Aを取り除いた表面を挟み込む所定秒数電気焼灼を維持して止血する。
対向面部15d,16d間の間隔cが0.2−1.0mmであると、対向面部15d,16d間でのジュール熱が高密度に発生し、対向面部15d,16dに挟まれる病変部組織の粘膜がジュール熱により多量の泡に変わり、この泡が対向面部15d,16d間の熱を奪い取るように切除方向へ流れるので対向面部15d,16dを良好に放熱させることになる。これにより、給電される対向面部15d,16d間にジュール熱が発生し対向面部15d,16dに振れる粘膜が多量の泡を発生させて分解し、多量の泡を熱とともに切除方向へ流れさせることになり、挟んで切開をする際には病変部を健全な生体組織から安全に分離するよう切開することができる。
[血管切断回避機能]
上記の閉じ合せ止血機能において、一対の先端切開片15,16の閉じた状態にながっても対向面部15d,16dが密着せず、隙間cが例えば0.2−1.0mmの微小寸法が保持される。このため、切開時に血管を挟んでいても血管を押し潰し閉塞しまたは切断してしまう恐れが無く、泡を熱とともに切除方向へ移行し病変部切除後の正常な生体組織の温度上昇が大きくなり過ぎることが抑制され、切開部位に遅効性穿孔が起こる恐れが解消され、切開を行う際の操作性に優れる。
[実施形態2]
本実施の形態の内視鏡用電気焼灼切開具は、図2に示すように、シース11と、操作ワイヤ12と、操作部13と、先端処置部支持部材14と、図2に示す一対の先端切開片15,16に替えて、図4に示す一対の先端切開片15A,16Aよりなる先端処置部とを備えている。
一対の先端切開片15A,16Aよりなる先端処置部は、各先端側部分15c,16cが対向面部15d,16dを有するロッド状に形成され、各先端側部15c,16c分には、対向面部と反対側の外側面先端部に引掻き係止用兼マーキング用の外側突起15e,16eが形成されており、閉じた状態では、対向面部15d,16d同士が密着している構成である。
この実施の形態の先端処置部によれば、一対の先端切開片15,16からなる先端処置部が上記のように構成されているので、以下に詳述するESDの手技において、実施形態1と同様に、体腔内の生体組織に対し複数の処置ができる機能として、電気焼灼によるマーキング機能と切開機能と閉じ合せ止血機能とを備えており、これらの機能を備えていることにより複数の処置具の挿脱交換する手間と時間を省略することができ、操作性に優れる内視鏡用電気焼灼切開具を提供することができる。
一方、この実施の形態の先端処置部によれば、閉じた状態では、対向面部15d,16d同士が、近接している構成ではなく、互いに密着している構成であるので血管切断回避機能については備えていない。
本発明によれば、一対の先端切開片よりなる先端切開具が、体腔内の生体組織に対しESDの手技に適用できる機能として、電気焼灼によるマーキング機能と切開機能と閉じ合せ止血機能と血管切断回避機能とを備えているという効果を有し、操作性に優れる内視鏡用電気焼灼切開具を提供することができる。
1…内視鏡システム、
2…挿入部、
3…内視鏡操作部、
4…処置具導入部、
5…内視鏡チャネル、
10…内視鏡用電気焼灼切開具、
11…シース、
11a…コイルシース、
11b…樹脂製外被、
12…操作ワイヤ、
13…操作部、
13a…操作部本体、
13b…スライダ、
14…先端処置部支持部材、
14a…筒部、
14b…腕部、
14c…環状突出座、
15,16…先端切開片、
15a,16a…中程部分、
15b,16b…基端側部分、
15c,16c…先端側部分、
15d,16d…対向面部、
15e,16e…外側突起、
15f,16f…内側突起、
18…支持軸、
19,20…開閉作動用リンク、
21…進退伝動リンク、
22,23,24…ピン軸
c…隙間。

Claims (3)

  1. 内視鏡のチャネルに挿脱される可撓性を有するコイルシースと、
    前記コイルシース内に進退可能に配置された導電性を有する操作ワイヤと、
    前記コイルシースおよび前記操作ワイヤの各後端側に連結され前記操作ワイヤを進退操作する操作部と、
    前記コイルシースの先端部に設けられた筒部と前記筒部より先端側に延在する対向一対の腕部とを有する先端処置部支持手段と、
    導電性材料より成形された一対の先端切開片を有し、一対の前記先端切開片が前記処置部支持手段の一対の前記腕部間に軸支されかつ前記操作ワイヤの進退と連動して開閉し所要の電圧を印加され生体組織の患部を切開する先端処置部とを備え、
    前記先端処置部は、
    各前記先端切開片の先端側部分が対向面部を有するロッド状に形成されており、
    各前記先端側部分には、前記対向面部と反対側の外側面先端部に引掻き係止用兼マーキング用の外側突起が形成されている
    ことを特徴とする内視鏡用電気焼灼切開具。
  2. 前記一対の先端切開片は、少なくともいずれか一方の前記対向面部の先端部に内側突起を備え、閉じた状態では、前記内側突起により前記対向面部同士が隙間を有して近接するよう構成されている
    ことを特徴とする内視鏡用電気焼灼切開具。
  3. 前記一対の先端切開片は、閉じた状態では、前記対向面部同士が密着するよう構成されている
    ことを特徴とする内視鏡用電気焼灼切開具。
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