JP3781253B2

JP3781253B2 - 円盤ろ過機のろ材

Info

Publication number: JP3781253B2
Application number: JP25265299A
Authority: JP
Inventors: 邦夫藤田; 政文那須
Original assignee: Ishigaki Co Ltd
Current assignee: Ishigaki Co Ltd
Priority date: 1999-09-07
Filing date: 1999-09-07
Publication date: 2006-05-31
Anticipated expiration: 2019-09-07
Also published as: JP2001070718A

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
この発明は、下水汚泥などの難ろ過性汚泥のろ過機のろ材に関し、特に、ろ過室にインペラーを配設した円盤ろ過機のろ材の改良に関する。
【０００２】
【従来の技術】
従来、円盤ろ過機のろ材としては、目抜き板に補強を施した円盤枠内に直径０．２５ｍｍから０．５ｍｍの穴を有する薄いパンチングメタルを取り付けていた。また、脱水機に使用するろ材としては、例えば、特開平６−２３３９０６号公報に記載してあるように、表面が平坦で断面が一定形状のフイルター用線材を非角形版状体に固着し、直線状のスリットを多数形成したろ材は公知である。また、特開平６−２１０１１４号公報に記載してあるように、ウエッジワイヤーを並行して各ワイヤー間にＶ型開口の連続スリットを形成したウエッジワイヤースクリーンもよく知られている。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来の金属ろ材では、下水汚泥などの濃縮された汚泥をポリマーで凝縮させてろ過した場合、ろ材の穴から抜けた一部の固形物が補強円盤枠に残り、ろ液の流れが悪くなり、ろ過に支障があり、ろ材の洗浄頻度が多くなっていた。また、このような金属ろ材では、強度不足で高圧搾圧力をかけられない上、無機質を含む汚泥を圧搾する場合には、すぐ摩耗して破損する。しかも、破損した場合のろ材交換には多大な手間と時間を要する難点があった。
【０００４】
【課題を解決するための手段】
この発明は、上記の課題を解決することを目的とするものであって、２枚の円盤状のろ過板と外周環と一対の内環支持筒とでろ過室を形成し、前記内環支持筒には支持筒を連結し、該支持筒に駆動軸を内挿し、前記駆動軸の内部に原液の供給路を設け、前記駆動軸の周面に複数の供給口を開口して、ろ過室に連通させると共に、ろ過室に回転自在な羽根車を配設し、前記ろ過室に原液を圧入供給するろ過機において、上記ろ過板はウエッジワイヤースクリーンと放射状リブを有する円環支持枠を接合一体化した金属円盤ろ材である。そして、ウエッジワイヤースクリーンは水平状に並列したウエッジワイヤーとこのウエッジワイヤーを固定するための垂直方向に並列したサポートロッドから構成されており、ウエッジワイヤースクリーンの目開きが１００μｍから２００μｍの範囲に設けてある。
【０００５】
【発明の実施の形態】
この発明に係る円盤ろ過機のろ材は上記のように構成してあり、ろ過室を形成するろ過板をウエッジワイヤースクリーンと放射状リブを有する円環支持枠を接合一体化することにより、強度が増し高圧搾圧力に対しても破損がなく、低含水率のケーキが得られるものである。そして、ろ材の取付けが容易となり、維持管理上都合がよいものである。また、ウエッジワイヤースクリーンはウエッジワイヤーを水平状に並列し、ウエッジワイヤーを固定するサポートロッドを垂直方向に並列したのでろ液と一部固形物の溜りが少なくなり、ろ材洗浄頻度が少なくてすむものである。
【０００６】
【実施例】
この発明に係る円盤ろ過機のろ材を図面に基づき詳述すると、まず、図１及び図２において、符号１は一対の金属円盤ろ材からなるろ過板であって、このろ過板１は横方向に多数並列したウエッジワイヤー２…に裏面から縦方向に多数のサポートロッド３…を止着したウエッジワイヤースクリーン４と放射状リブ５を有する円環支持枠６を接合一体化した構造となっている。ウエッジワイヤー２の横方向のスリットの目にろ液と一緒に目抜けした固形物が、裏側のサポートロッド３の縦方向のスリットの目に沿って流下するろ液で洗い流すようにしてあり、スリットの目にろ液と固形物の溜まりがなく、ろ材洗浄頻度が減少するようにしてある。この一対のろ過板１、１は、図３に示すように、その外周端が外周環７に連結され、その内周外壁が一対の内環支持筒８、８に連結されて円環状のろ過室９を構成してあり、ろ過板１の取付け、取り外しを容易にしてある。
【０００７】
内環支持筒８には支持筒１０が連結してあり、図４に示すように、ろ過室９の前後の支持筒１０、１０が軸受１１、１１を介してフレーム１２、１２に支架してある。支持筒１０の内部には駆動軸１３が挿通してあり駆動軸１３の一端に嵌着した駆動プーリー１４が駆動機１５に連動連結してある。そして、駆動軸１３の内部には原液の供給路１６が設けてあり、ろ過室９に連通する複数の供給口１７…が駆動軸１３の周面に開口してある。ろ過室９と駆動軸１３の間には内環支持筒８と支持筒１０で囲まれた原液供給室１８が形成されている。駆動軸１３の一端には自在継手１９を介して原液の供給管２０が接続してあり、供給管２０は供給ポンプ２１を介して汚泥タンク２２に連結してあり、汚泥タンク２２に貯溜してある汚泥を駆動軸１３の複数の供給口１７…から原液供給室１８に流入させ、原液供給室１８からろ過室９に汚泥を均等に圧入するようにしてある。
【０００８】
ろ過室９には図３及び図５に示すように、支持筒１０の内部に挿通した駆動軸１３に羽根車２３が支架してあり、羽根車２３の側縁をろ過板１に近接させ、その先端部を回転方向後方に後退させてある。駆動機１５を作動して羽根車２３をろ過室９内で回転させるようにしてある。この発明の実施例にあっては、羽根車２３の羽根２３ａが４個の直片に折り曲げて湾曲線に近似させてあり、羽根枚数を６枚とした羽根車２３をろ過室９内に配設してある。このように、羽根２３ａを直片に折り曲げて湾曲線に近似させれば、製作が容易となるものである。そして、羽根車２３の回転方向背面の羽根２３ａにはその羽根面の中心部に沿って垂直に補強板２４が止着してある。この補強板２４は羽根２３ａの回転方向背面に配設した補強用のリブとして、ボス２３ｂ側から羽根２３ａの先端に向ってその高さが漸次低くなるようにしてあり、補強効果とともに供回り作用を最小限に押える形状としてある。
【０００９】
ろ過室９の周部の外周環７には、図６に示すように、ケーキの取出口２５が設けてあり、取出口２５に配設した背圧調整弁２６をシリンダー２７を操作して、ろ過室９に背圧を加えるようにしてある。なお、符号２８は取出口２５に設けたケーキシュート、符号２９はろ液受トラフ、符号３０はろ過板１の洗浄管、符号３１は洗浄水等の飛散防止カバーである。
【００１０】
この発明に係る装置は、上記のように構成してあり、ろ過板１のウエッジワイヤースクリーン４の目開きを１００μｍから２００μｍの範囲に設定して、羽根車２３を０．１〜１．０ｒｐｍで微速回転させながら、駆動軸１３の供給路１６からろ過室９の中心部分に０．１〜０．７Ｋｇ／ｃｍ２の圧入圧で汚泥を供給すると、汚泥の押込圧力と羽根車２３の回転による押圧力を受けて外周方向に向って加圧搬送され、その左右のろ過板１のウエッジワイヤースクリーン４により水分が分離される。圧入直後の軸心部近傍では、主に圧入圧力で汚泥は濃縮され、羽根車２３はその濃縮された汚泥とろ過板１との摺動摩擦抵抗力に打ち勝つ力で汚泥を押圧し、汚泥は圧入圧力と羽根２３ａの回転作用力により湾曲移動するケーキにせん断作用が加えられる。そして、取出口２５の背圧調整弁２６で背圧を加えながら脱水ケーキを取出すことができ、羽根車２３の羽根２３ａの側面がろ過板１の内面に接近して回転するので、ろ過板１が目詰まりすることがなく、連続運転が可能となるものである。ポリマーで凝集した下水混合生汚泥（固形物濃度１．５９％Ｗ／Ｖ）で脱水試験を実施した結果はケーキ含水率７８．７％、ＳＳ回収率９８．１％と良好なものであった。即ち、原液の圧入圧と羽根車の回転速度からウエッジワイヤースクリーン４の目開きを、１００μｍから２００μｍの範囲に設定すれば、含水率の少ないケーキと固形分の目抜けの少ないろ液が得られるものである。
【００１１】
【発明の効果】
以上の説明で明らかなように、この発明に係る円盤ろ過機のろ材は上記のように構成してあり、ろ過板がウエッジワイヤースクリーンと放射状リブを有する円環支持枠を接合一体化した金属円盤ろ材としてあるので、強度が増し高圧搾圧力に対しても破損がなくろ過板の取付け、取り外しも容易となるものである。そして、ウエッジワイヤースクリーンは水平状に並列したウエッジワイヤーとこのウエッジワイヤーを固定するための垂直方向に並列したサポートロッドで構成してあるので、ウエッジワイヤーのスリットの目にろ液と一緒に目抜けした固形物が裏側のサポートロッドのスリットの目に沿って流下するろ液で洗い流されるので、スリットの目にろ液と固形物の溜まりがなく、ろ材洗浄頻度も減少するものである。
【図面の簡単な説明】
【図１】ウエッジワイヤースクリーンの正面図である。
【図２】ウエッジワイヤースクリーンを円環支持枠に嵌入したろ過板の裏面図である。
【図３】この発明に係るろ過室を駆動軸に保持させた要部縦断側面図である。
【図４】この発明に係るろ材を用いた円盤ろ過機の縦断側面図である。
【図５】円盤ろ過機に配設した羽根車の正面図である。
【図６】この発明に係るろ材を用いた円盤ろ過機の縦断正面図である。
【符号の説明】
１ろ過板
２ウェッジワイヤー
３サポートロッド
４ウエッジワイヤースクリーン
５放射状リブ
６円環支持枠
７外周環
９ろ過室
２３羽根車

Claims

２枚の円盤状のろ過板（１、１）と外周環（７）と一対の内環支持筒（８、８）とでろ過室（９）を形成し、前記内環支持筒（８）には支持筒（１０）を連結し、該支持筒（１０）に駆動軸（１３）を内挿し、前記駆動軸（１３）の内部に原液の供給路（１６）を設け、前記駆動軸（１３）の周面に複数の供給口（１７…）を開口して、ろ過室（９）に連通させると共に、ろ過室（９）に回転自在な羽根車（２３）を配設し、前記ろ過室（９）に原液を圧入供給するろ過機において、上記ろ過板（１）がウエッジワイヤースクリーン（４）と放射状リブ（５）を有する円環支持枠（６）を接合一体化した金属円盤ろ材からなることを特徴とする円盤ろ過機のろ材。
上記ウエッジワイヤースクリーン（４）は水平状に並列したウエッジワイヤー（２）とこのウエッジワイヤー（２）を固定するための垂直方向に並列したサポートロッド（３）からなることを特徴とする請求項１記載の円盤ろ過機のろ材。
上記ウエッジワイヤースクリーン（４）の目開きが１００μｍから２００μｍの範囲にあることを特徴とする請求項１または２記載の円盤ろ過機のろ材。