JP3781227B2 - ポリエチレンテレフタレートフィルムとその製造法 - Google Patents
ポリエチレンテレフタレートフィルムとその製造法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP3781227B2 JP3781227B2 JP21990397A JP21990397A JP3781227B2 JP 3781227 B2 JP3781227 B2 JP 3781227B2 JP 21990397 A JP21990397 A JP 21990397A JP 21990397 A JP21990397 A JP 21990397A JP 3781227 B2 JP3781227 B2 JP 3781227B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- film
- polyethylene terephthalate
- temperature
- stretched
- less
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
- Shaping By String And By Release Of Stress In Plastics And The Like (AREA)
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、従来のポリエチレンテレフタレートフィルムの物性、品質、生産性を大幅に向上させたポリエチレンテレフタレートフィルムとその製造法に関するものであり、さらに詳しくは、フィルムの剛性、熱収縮率などの機械特性が極めて優れており、磁気記録用、写真用、グラフィック用、印刷用、OA用、電気・電子用、包装用等のフィルムとして好適なポリエチレンテレフタレートフィルムとその製造法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
プラスチックフィルムは他の素材では得られないような大面積のフィルムの連続生産が可能であり、強度、耐久性、ガスバリア性、透明性、柔軟性、表裏隔離性などの特徴を活かして、農業用、包装用、建材用などの大量に需要のある分野で用いられている。中でも二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムは、その優れた機械的特性、電気的特性、耐薬品性のために、様々な分野で利用されており、特に磁気テープ用ベースフィルムとしての有用性は、他のフィルムの追随を許さない。近年は器材の軽量化、小型化と長時間記録化のためにベースフィルムの一層の薄膜化が要求され、このことからますますの高強度化が望まれている。また、同様に熱転写リボン用、コンデンサ用、感熱孔版印刷原紙用においても薄膜化のニーズがますます高まっており、高強度化が望まれている。
【0003】
二軸延伸フィルムの高強度化の手法としては、縦・横二方向に延伸したフィルムを再度縦方向に延伸し、縦方向に高強度化するいわゆる再縦延伸法が一般的である(例えば、特公昭42−9270号公報、特公昭43−3040号公報、特開昭46−1119号公報、特開昭46−1120号公報)。また、さらに横方向にも強度を付与したい場合には、再縦延伸法を行った後、再度横方向に延伸する再縦再横延伸法が提案されている。また、これらの他、上記再縦延伸を施す代わりに、一段目の縦延伸を少なくとも二段階以上の延伸帯域で延伸する多段延伸法も簡便に強力化フィルムを得る手法として有効であることが国際公開WO96/06722号で開示されている。
【0004】
しかしながら、このような再延伸、多段延伸法によったとしても、ポリエチレンテレフタレートフィルムの強度、ヤング率の向上には限界があり、ポリエチレンテレフタレートの結晶弾性率が示す極限物性には未だ程遠い性能のフィルムしか得られなかった。
【0005】
以上述べたように、ポリエチレンテレフタレートフィルムは過去に多くの発明がなされており、各種強力化のための手法も見出されているが、未だ十分に本来の性能が引き出されているわけではなく、またプロセス面でも解決すべき課題が残されており、新規な製膜方法が求められているのが現状である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、従来のフィルムよりも遥かに優れたフィルム物性を有し、生産性にも優れるポリエチレンテレフタレートフィルムとその製造法を提供することにあり、さらに詳しくはヤング率、強度、熱収縮特性などの機械特性に優れ、延伸性も極めて良好なポリエチレンテレフタレートフィルムとその製造法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するために、ポリエチレンテレフタレートフィルムの構造と延伸性、フィルム物性の関係について、実験とコンピューターシミュレーションにより鋭意検討した。コンピューターシミュレーションの結果によれば、ポリエステルの未延伸フィルム中には、過去の古い文献でも指摘があったように、結晶ではないが部分的に規則性を有した構造が含まれており、この規則構造が延伸性を阻害し、また延伸・熱処理により結晶化することがわかった。そこで、このシミュレーションによる分子論的予測をもとに、非晶ポリエチレンテレフタレートの低密度化を課題として未延伸フィルムを作成する方法について鋭意実験検討を行った。
【0008】
その結果、▲1▼ポリマーの溶融温度の高温化、▲2▼キャスト時の冷却速度の高速化、▲3▼ポリエステルの溶融・冷却時に生成する規則構造を崩壊させる少量の各種添加物やガスの配合等によって、 Thompson らによって報告されているポリエチレンテレフタレートの非晶密度1.335g/cm3 (Nature, vol 176, 79 (1955), A. B. Thompson et al.)よりも小さな密度を有した、ランダム構造の未延伸フィルムが得られることがわかり、この未延伸フィルムをフィルムの長手方向と幅方向から選ばれる少なくとも一つの方向に延伸すると、フィルムの物性および生産性の点で従来のフィルムを遥かに稜駕する極めて高性能なポリエチレンテレフタレートフィルムが得られることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0009】
即ち、本発明は「フィルム中の主たる成分であるポリエチレンテレフタレートの25℃、1気圧の条件下での密度が1.2以上、1.335未満の未延伸フィルムを長手方向と幅方向から選ばれる少なくとも一方向に延伸することにより得られるフィルムであり、フィルムの長手方向と幅方向のヤング率の和が10〜30GPaであり、100℃、30分の条件での熱収縮率の和が0.01〜5%であることを特徴とするポリエチレンテレフタレートフィルムとその製造法」を骨子とするものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明でいう、ポリエチレンテレフタレートとは、テレフタル酸を酸成分として少なくとも70モル%以上含有するポリマーである。酸成分については、少量の他のジカルボン酸成分を共重合してもよく、またエチレングリコールを主たるグリコール成分とするが、他のグリコール成分を共重合成分として加えてもよい。
テレフタル酸以外のジカルボン酸としては、例えばナフタレンジカルボン酸、イソフタル酸、ジフェニルスルフォンジカルボン酸、ベンゾフェノンジカルボン酸、4,4´−ジフェニルジカルボン酸、3,3´−ジフェニルジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸、アジピン酸、コハク酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジオン酸などの脂肪族ジカルボン酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、1,3−アダマンタンジカルボン酸などの脂環族ジカルボン酸を用いることができる。また、エチレングリコール以外のグリコール成分としては、例えば、クロルハイドロキノン、メチルハイドロキノン、4,4´−ジヒドロキシビフェニル、4,4´−ジヒドロキシジフェニルスルフォン、4,4´−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、4,4´−ジヒドロキシベンゾフェノン、p−キシレングリコールなどの芳香族ジオール、1,3ープロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノールなど、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコールなどの脂肪族、脂環式ジオールを用いることができる。また、さらに酸成分、グリコール成分以外に、p−ヒドロキシ安息香酸、m−ヒドロキシ安息香酸、2,6−ヒドロキシナフトエ酸などの芳香族ヒドロキシカルボン酸およびp−アミノフェノール、p−アミノ安息香酸などを本発明の目的を損なわない程度の少量であればさらに共重合せしめることができる。
【0011】
本発明では、ポリエチレンテレフタレートの固有粘度は0.5以上が好ましく、0.6以上がさらに好ましく、0.8以上、2以下が最も好ましい。固有粘度が0.5未満では、ポリマー鎖の絡み合いが解けて構造の規則化が生じやすくなり、その結果、未延伸フィルムの低密度化、すなわち構造の超ランダム化が難しくなるので好ましくない。また、固有粘度が2を越えると押出工程での剪断発熱が大きくなり、その結果、熱分解ゲル化物、オリゴマーが増加してフィルムの品質が低下するので好ましくない。
【0012】
尚、本発明のポリエチレンテレフタレートフィルム中には、無機粒子や有機粒子を添加することができ、また、5重量%未満であれば、主鎖にメソゲン基を含有する液晶性ポリエステルを添加することも好ましく行うことができる。主鎖にメソゲン基を含む共重合ポリエステルは、押出工程での剪断発熱を抑制する効果を持ち、固有粘度の高いフィルムの高品質化に有効である。また本発明の効果を阻害しない範囲であれば、可塑剤、耐候剤、酸化防止剤、熱安定剤、滑剤、帯電防止剤、増白剤、着色剤、導電剤などの各種添加剤を添加してもかまわない。
【0013】
本発明において、未延伸フィルムの25℃、1気圧の条件下での密度は1.2以上、1.335未満であり、好ましくは1.28以上、1.332未満、より好ましくは、1.3以上、1.33未満である。密度が1.2未満の未延伸フィルムは得ることが容易でなく、また例え得られたとしても構造が極めて不安定であるため好ましくない。
【0014】
上述したように、未延伸フィルムの低密度化では、▲1▼ポリマーの溶融温度の高温化、▲2▼キャスト時の冷却速度の高速化、▲3▼ポリエステルの溶融・冷却時に生成する規則構造を崩壊させる少量の各種添加物やガスの配合が有効である。ポリマーの溶融温度は、(融点+10)〜(融点+80)℃であることが好ましく、(融点+20)℃〜(融点+70)℃がさらに好ましく、(融点+30)℃〜(融点+50)℃が最も好ましい。溶融温度が、(融点+80)℃を越えるとポリマーの分解が激しくなるため好ましくなく、これとは逆に(融点+10)℃未満では構造の規則化が生じやすいので好ましくない。尚、ここでポリマーの溶融温度とは、押出機の口金からシート状にブリードしてくるポリマーの冷却直前の温度である。
【0015】
未延伸フィルムを作成する場合の冷却速度は、50℃/秒以上が好ましく、より好ましくは200℃/秒以上、最も好ましくは500℃/秒以上、10000℃/秒未満である。使用するポリエチレンテレフタレートや添加物の含有量にもよるが、冷却速度が50℃/秒未満では、低密度の未延伸フィルムが得られにくく、また10000℃/秒以上の冷却速度はプロセス的に実現するのが容易でなく、本発明の未延伸フィルムを得るための必須要件でない。尚、ここでいう冷却速度とはポリマーの溶融温度からガラス転移温度以下に冷却されるまでの平均の冷却速度である。
【0016】
また、規則構造を崩壊させる少量の添加物やガスとしては、ポリエステルとの相溶性に優れている化合物であれば、いかなる物質でも適用でき、ポリエステル系、スチレン系、イミド系のオリゴマーや二酸化炭素、フレオンなどの可溶性ガスを例示できるがこれらに限定されることはない。
【0017】
また、本発明の目的を達成するための添加物としては、ポリエステルとの溶解度パラメータ差が2MPa1/2 以下であるものが好ましく、さらに好ましくは1.5MPa1/2 以下、より好ましくは1.0MPa1/2 以下、特に好ましくは0.5MPa1/2 以下である。本発明でいう溶解度パラメータとは、原子団寄与法による計算値であり、例えばVan Krevelen, "Properties of Polymers", Third completely Revised Edition, ELSEVIER (1990) に記載の方法で計算できる。各原子団のパラメータに関しては、各種提案されており、いずれの方法で計算してもよいが、Hoftyzer-Van Krevelen, Hoy, Small, Fedors らの方法を好ましく用いることができる。
【0018】
前記の各種添加物やガスの配合量は、0.01〜5重量%であり、好ましくは0.05〜2重量%、より好ましくは0.1〜1重量%である。冷却速度を特に高めることなく、通常の方法で押出およびキャストを行う場合、0.01重量%未満では本発明の効果が得られにくく、また配合量が5重量%を越えるとポリエステルフィルムの性能が悪化することがあるので注意が必要である。
【0019】
本発明でいう未延伸フィルムとは、十分乾燥された原料ペレットを押出機に供給し、T型口金により、回転する金属製キャスティングドラム上にシート状に押し出し、冷却固化せしめたキャストフィルム、もしくは未乾燥のペレットをベント式押出機に供給し同様に得られたキャストフィルムをいう。このキャスト時のネックダウンを防ぐために、キャストフィルムのエッジ部は中央部よりも若干厚く成形することが可能であるが、それだけでは不十分であり、T型口金のエッジ部のリップ間隔を広くしたり、あるいは口金エッジ部の温度を上げて流量を多くし、所望のエッジ厚みにする。通常、キャストフィルムの幅方向の厚みプロファィルはU字形をしており、最端部が最も厚く成形される。本発明の未延伸フィルムは、従来の未延伸フィルムと比較して、延伸後の収縮応力が小さいため、強度を高めるために再延伸を施す場合においても、エッジ部の最大厚み(A)と幅方向の中央部の厚み(B)との比は1.5〜8の範囲、好ましくは3〜6の範囲であり、エッジを従来のフィルムのように厚くしなくてもよい。
【0020】
本発明の未延伸フィルムは、Temperature Modulated DSC(TMDSC)(DSC:示差走査形熱量計)で測定した360Kでの定圧比熱が330〜360J/(K・モル)である。この未延伸フィルムの比熱は構造のランダム性を表す物理量であり、本発明では、定圧比熱が338〜350J/(K・モル)の未延伸フィルムが特に好ましい。定圧比熱が330J/(K・モル)未満では、本発明で目的とする効果が得られにくく、またこれとは逆に350J/(K・モル)を越えると構造の安定性が低下し、プロセスの安定性に影響を与えかねないので注意する必要がある。
【0021】
本発明において、未延伸フィルムは、フィルムの長手方向および幅方向の少なくとも一つの方向に延伸を施されるが、磁気記録材料用途、電気絶縁用途、リボン用途、感熱孔版用途、包装用途などの各種用途に合わせて二軸延伸を施すことが好ましい。二軸延伸の方法については、各種の手法が適用できる。すなわち、キャストフィルムをフィルムの長手方向または幅方向に延伸を施した後、その方向に垂直な方向に延伸する逐次二軸延伸法、フィルムの長手方向および幅方向を同時に延伸する同時二軸延伸法を適用できる。逐次二軸延伸は、キャストフィルムを周速差のあるロール間でフィルムの長手方向に延伸した後、フィルムの幅方向に延伸する縦横延伸法、キャストフィルムをフィルムの幅方向に延伸した後、フィルムの長手方向に延伸する横縦延伸法、のいずれの方法でもよい。また同時二軸延伸は、同時二軸延伸テンターにより行うことができる。また、ヤング率、強度を大幅に高める場合には、前記再縦延伸法や再縦再横延伸法などの既存の再延伸法を適用したり、フィルムの長手方向または幅方向の延伸を少なくとも二段以上で段階的に行う多段延伸法を適用することが好ましい。
【0022】
フィルムを延伸するときの温度条件は、(ガラス転移温度Tg−50)℃以上、(Tg+100)℃未満であり、(Tg+10)℃以上、(Tg+85)℃未満がより好ましく、(Tg+20)℃以上、(Tg+70)℃未満が特に好ましい。また、本発明の未延伸フィルムは、ランダム性が高く延伸性が極めて良好であるため、均一高倍率に延伸でき、製膜ライン高速化、生産性向上、コスト低減等の点で有利である。
【0023】
本発明におけるフィルムの長手または幅方向の延伸倍率は、未延伸フィルムの密度および分子量にもよるが、一方向の延伸倍率が3〜15倍であり、長手方向の倍率と幅方向の倍率の積、すなわちトータルの面積倍率は9〜225倍である。好ましい延伸倍率範囲は、フィルムの長手方向および幅方向の少なくともいずれか一つの方向の延伸倍率が4〜12倍、トータルの面積倍率が25〜120倍であり、さらに好ましい範囲は、フィルムの長手方向および幅方向の少なくともいずれか一つの方向の延伸倍率が6〜10倍、トータル面積倍率が40〜100倍である。
【0024】
フィルムの長手方向および幅方向のいずれか一つの方向の延伸倍率が15倍を越えたり、トータルの面積倍率が225倍を越えると熱収縮率が極端に大きくなるので好ましくなく、またこれとは逆に、フィルムの長手または幅方向の延伸倍率が3倍未満であったり、トータルの面積倍率が9倍未満だと、ヤング率の高いフィルムが得られにくいので好ましくない。
【0025】
該二軸延伸を施したフィルムは、引き続き、フィルムの平面性、熱寸法安定性をさらに向上させるために、(Tg+100)℃以上、融点未満の温度で熱処理を施される。また、幅方向の熱寸法安定性をさらに高めるために、テンターの熱処理室後半部から冷却室にかけて幅方向、または長手方向に長さを縮める、いわゆる弛緩処理を施すことも好ましく行われる。また、テンター内で、(Tg+100)℃程度の温度から高温側に徐々に温度を上げて、熱処理を施しながら多段に延伸する、いわゆる熱処理微延伸を施すことも好ましく行われる。フィルムの長手方向または/および幅方向に熱処理微延伸を行う場合、少なくともいずれか一つの方向の延伸段数が1〜10段であり、また、少なくともいずれか一つの方向のトータルの熱処理延伸倍率は1.01〜2.5倍である。延伸段数は2〜5段がより好ましい。また、熱処理微延伸のトータル倍率の好ましい範囲は、1.05〜2.2倍であり、より好ましい範囲は1.1〜2倍である。トータル倍率が1.01倍未満ではヤング率を高める効果が小さく、また2.5倍を越えるとフィルム破れが多発するので好ましくない。
【0026】
かくして得られた本発明のフィルムは、その長手方向と幅方向のヤング率の和が10〜30GPa、100℃、30分の条件での熱収縮率の和が0.01〜5%である。本発明では、フィルムのヤング率は12〜28GPaが好ましく、15〜26GPaがさらに好ましい。フィルムのヤング率が10GPa未満であったり、30GPaを越えると熱寸法安定性が悪化し易いので好ましくない。熱収縮率の和の好ましい範囲は0.05〜2.5%であり、より好ましい範囲は0.1〜1.5%である。熱収縮率の和が5%を越えると、各種用途展開に際して障害になり易いので好ましくない。また、熱収縮率の和を0.01%未満にすることは困難であり、実用に供す上での必須要件ではない。
【0027】
本発明のポリエチレンテレフタレートフィルムは単膜でもよいが、これに他のポリマー層、例えばポリエステル、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリ塩化ビニリデン、アクリル系ポリマーなどを積層してもよい。特にポリエステル層を表層に薄く積層する場合、積層部の厚み(M)は、該積層部に含有されている粒子の平均径(N)よりも薄くする(M<N)、好ましくは、Mの1/1000〜1/2、さらに好ましくは、1/100〜1/10とすることにより、走行性、易滑性、平滑性に優れたフィルムとすることができ、特に表面特性を重視する磁気記録用のベースフィルムとしては好ましい。また、ポリエステルからなる3層以上の積層フィルムの場合、中央層に回収原料などを混合させておくことにより、生産性、品質向上を図ることもできる。この様な粒子としては、酸化珪素、酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、酸化チタン、酸化アルミニウム、架橋ポリエステル、架橋ポリスチレン、マイカ、タルク、カオリン等が挙げられるが、これらに限定されることはない。
【0028】
次に、本発明のポリエチレンテレフタレートフィルムを製造する方法についてさらに具体的に説明する。ここでは急冷して低密度の未延伸フィルムを作成し、その後、逐次二軸延伸を施した例を示すが、かかる例に限定されるものではないことは無論である。
【0029】
固有粘度0.63のポリエチレンテレフタレートの原料や、これらを一旦溶融させて均一混合させた原料、さらには本発明のフィルムの回収原料を単独、または適度に上記2〜3種類の原料を混合した原料を、180℃で3時間以上真空加熱乾燥したのち、固有粘度が低下しないように窒素気流下、あるいは真空下で290℃に加熱された単軸または二軸押出機に供給し、ポリマーを可塑化させ、5ミクロンカットのフィルターにて濾過した後、300℃に加熱された口金部からポリマーをシート状に押し出し、300℃/秒の速度で急冷・固化させて、密度1.335g/cm3 ) 未満の未延伸フィルムを得る。このとき、溶融ポリマーの急速冷却では、急冷直前のフィルム温度を275℃以上に維持することが重要である。この急冷直前のフィルム温度は285℃以上がより好ましく、295℃以上が最も好ましい。冷却の方法は、キャスティングドラム上に、適宜、静電気を印加してシート状に成形する、いわゆる通常の冷却ロール法でもよいが、冷却タンクおよびガイドロールを設置して、その中に溶融ポリマーを浸して冷却する冷却水槽法を使用することもできる。通常の冷却水槽法では、水が冷媒として使用されるが、本発明では液体窒素などの溶媒を用いることもできる。冷却ロール法では、口金とドラム間の距離を短くしたり、口金とドラム間でフィルムを各種の方法で加熱して、フィルムの自然冷却を抑制することが好ましい。また、冷却水槽法においても、同様に、口金と冷媒までの距離を可能な限り短くしたり、適宜、フィルムを加熱して、冷媒に入る直前までポリマー温度を上記高温状態に維持する工夫を凝らすことが好ましい。口金から吐出したポリマーがドラムに着地するまでの時間やフィルムの厚みにもよるが、本発明者らの経験では、ドラムや冷却タンク中で急速にポリマーが冷却されても、急速冷却以前に270℃未満の温度にポリマーが自然冷却されてしまうと、その間に規則構造が形成されてしまい、低密度の超ランダムなキャストフィルムが得られにくいからである。
【0030】
続いて、該未延伸フィルムをフィルムの長手方向(縦方向)または幅方向(横方向)に90〜165℃の温度で所定の倍率に延伸し、20〜50℃の冷却ロール群で冷却する。その後、テンターに導いて、該フィルムの両端をクリップで把持しながら、熱風雰囲気中で90〜165℃の温度に加熱し、上記延伸方向と直角の方向に所定の倍率に延伸し、さらに180℃以上、融点未満の温度で熱処理を施して二軸延伸フィルムを得る。延伸温度、延伸倍率、熱処理温度条件等は、得ようとするフィルムの特性をもとに決定する。また熱処理時間は1〜30秒の範囲で行うのが好ましい。
【0031】
[物性の測定方法ならびに効果の評価方法]
(1)密度
n−ヘプタンと四塩化炭素により、25℃の恒温槽中で密度勾配管を作成し、5mm角程度の大きさにサンプリングしたサンプルを投入後、24時間経過してから、密度勾配管中の位置を読み取り、密度dを求めた。
尚、添加物を配合したフィルムの場合は、加成則を仮定した下記の(1)式により求めた計算値をポリエチレンテレフタレートの密度とした。
d(PET)=(d−x・d(添加物))/(1―x)・・・(1)
d(PET) :ポリエチレンテレフタレートの密度(25℃、1気圧)
d(添加物) :添加物が単独で存在する場合の密度(25℃、1気圧)
x :添加物の配合量
添加物が結晶性ポリマーの場合は、添加物を単独で溶融・冷却固化させた直後の密度をd(添加物)として(1)式を使用する。
【0032】
(2)固有粘度
25℃で、オルソクロロフェノール中0.1g/ml濃度で測定した。
【0033】
(3)ガラス転移温度Tg、融点Tm
示差走査熱量計として、セイコー電子工業株式会社製のロボットDSC「RDC220」を用い、データ解析装置として、同社製ディスクステーション「SSC/5200」を用いて、JIS−K−7121記載の方法により測定した。サンプル約5mgをアルミニウム製の受け皿上で300℃で5分間溶融保持し、液体窒素中で急冷固化した後、室温から20℃/分で昇温した。このとき観測されるガラス状態からゴム状態への転移に基づく、高温側と低温側の各ベースラインの延長した直線から縦軸方向に等距離にある直線と、ガラス転移の段階状変化部分の曲線とが交わる点の温度をガラス転移温度(Tg)とした。また、融解ピークの頂点の温度を融点(Tm)とした。
【0034】
(4)比熱
株式会社東レリサーチセンターに分析依頼した。測定用装置としては、TA
Instruments 社製DSC2920型を用いた。フィルムサンプル約5mgをアルミニウム製開放型容器に入れ、温度変調振幅を±1℃、温度変調周期を60秒に設定し、室温状態から2℃ずつ昇温して測定した。比熱は360Kでの値を読み取った。単位は(J/K/モル)で示す。
尚、添加物をPETに配合した場合には、上記(1)と同様の式を用いて、計算した値をポリエチレンテレフタレートの比熱とした。
【0035】
(5)ヤング率
テンシロン型引張試験(オリエンテック社製)に幅10mm、チャック間長さ100mmになるようにサンプルをセットし、23℃、65%RHの雰囲気下で引張速度200mm/分で引張試験を行い求めた。
【0036】
(6)熱収縮率
フィルムを幅10mm、測定長約200mmとなるように2本のラインを引き、この2本のライン間の距離を正確に測定しこれをL0 とする。このサンプルを100℃のオーブン中に30分間、無荷重下で放置後再び2本のライン間の距離を測定しこれをL1 とし、下式により熱収縮率を求める。
熱収縮率(%)={(L0 −L1 ) /L0 }×100
【0037】
【実施例】
本発明を実施例、比較例に基づいて説明する。
実施例1(表1、2)
ポリエチレンテレフタレート(固有粘度0.63(dl/g)、ガラス転移温度69℃、末端COOH基濃度36当量/106g、平均粒径0.23μmの炭酸カルシウム粒子0.03重量%配合)のペレットを180℃で3時間真空加熱乾燥した後に、290℃に加熱された押出機に供給して溶融可塑化し、300℃に加熱したTダイからシート状に吐出させた。口金先端でのポリマー温度は302℃であった。このシートを、集光型ラジエーションヒーターで加熱してポリマーの冷却直前の温度を290℃に保ち、次いで溶融ポリマーを10℃の冷水に浸して300℃/秒の速度で瞬時に冷却した後、ガイドロールで引き取り、密度1.330(g/cm3 )、360Kでの比熱が340(J/K/モル)の未延伸フィルムを得た。次いで、該未延伸フィルムを長手方向にロール式延伸機にて95℃で4.8倍に延伸したのち、テンターに導入し、100℃で6.1倍に横延伸後、一旦50℃に冷却した後、220℃で緊張下熱固定して、二軸配向ポリエチレンテレフタレートフィルムを得た。かくして得られたフィルムの特性を表1、表2に示す。
【0038】
本発明の未延伸フィルムは安定製膜できる延伸倍率が従来のフィルム(比較例1参照)よりも高く、容易に均一高倍率延伸が可能であった。また、得られた二軸延伸フィルムは、再延伸しないにもかかわらず、極めて大きなヤング率と低い熱収縮率を有していた。
【0039】
実施例2、3(表1、2)
冷却直前のポリマー温度および冷却速度を変更する以外は実施例1と同様に製膜し、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムを得た。冷却直前のポリマー温度を高めると未延伸フィルムが低密度化して延伸性が高まり、二軸延伸フィルムのヤング率を実施例1のフィルムよりも大きくすることができた。一方、冷却速度を100℃/秒に下げると実施例1と比較して未延伸フィルムの密度が高くなり、得られる二軸延伸フィルムのヤング率が低下した。
【0040】
実施例4、5(表1、2)
未延伸フィルムのランダム化を促進する添加物をPET原料に1重量%配合させること以外は、実施例1と同様に製膜し、二軸延伸フィルムを得た。ランダム化を促進する添加物として、実施例4では日本ジーイープラスチックス株式会社製のポリエーテルイミド「ウルテム」、実施例5では液晶性ポリエステル(ヒドロキシ安息香酸42.5モル%、ジヒドロキシビフェニル7.5モル%、テレフタル酸7.5モル%、ポリエチレンテレフタレート50モル%の重縮合物)を使用した。これらの添加物をPETと配合すると、未延伸フィルムがより低密度化して延伸高倍化が可能となり、極めて大きなヤング率を有し、熱収縮率も小さい高性能フィルムが得られた。
【0041】
実施例6、7(表1、2)
使用するPET原料を高分子量化すること以外は、実施例1と同様に製膜し、二軸延伸フィルムを得た。PET原料を高分子量化すると、未延伸フィルムがより低密度化し、延伸倍率も大幅に高めることができた。また、その結果得られる二軸延伸フィルムは、従来法では見られない、極めて大きなヤング率と低い熱収縮率を有していた。
【0042】
比較例1、2(表1、2)
未延伸フィルムを得る際のキャスト条件を変更すること以外は実施例1と同様に製膜し、二軸延伸フィルムを得た。比較例1では、口金から吐出したポリマーを冷却直前まで加熱せずにキャストした。比較例2では、冷却水槽法を適用せず、25℃に保たれた冷却ドラムに静電気を印加させながら密着・冷却固化させるという従来法により、未延伸フィルムを30℃/秒の速度で冷却して作成した。比較例1で示すように、冷却直前のポリマー温度が低かったり、比較例2に示すように冷却速度が遅いと、未延伸フィルムの密度が1.335以上となり、本発明で開示する高弾性率と低熱収縮率を有するフィルムは得られなかった。
【0043】
比較例3(表1、2)
固有粘度を1.00(g/dl)の高分子量のポリエチレンテレフタレートを使用する以外は比較例2と同様に製膜し、二軸延伸フィルムを得た。未延伸フィルムの低密度化、延伸高倍率化に有効な高分子量PETを使用して、延伸性を向上させ延伸倍率も高くしたが、ヤング率はそれほど大きくならず、また熱収縮率が大幅に大きくなった。
【0044】
【表1】
【0045】
【表2】
【0046】
【発明の効果】
本発明は、低い密度を有し、延伸性に優れる、ポリエチレンテレフタレートの未延伸フィルムを提供し、フィルムの生産性を向上させると共に、二軸延伸によって得られるフィルムの機械特性を大幅に改善するものであり、磁気記録用、写真用、電気絶縁用など各種フィルム用途に広く活用が可能である。
Claims (5)
- フィルム中の主たる成分であるポリエチレンテレフタレートの25℃、1気圧の条件下での密度が1.2以上、1.335未満の未延伸フィルムを長手方向と幅方向から選ばれる少なくとも一方向に延伸することにより得られるフィルムであり、フィルムの長手方向と幅方向のヤング率の和が10〜30GPaであり、100℃、30分の条件での熱収縮率の和が0.01〜5%であることを特徴とするポリエチレンテレフタレートフィルム。
- 前記未延伸フィルムの主たる成分であるポリエチレンテレフタレートの360Kでの定圧比熱が330〜360J/(K・モル)であることを特徴とする、請求項1記載のポリエチレンテレフタレートフィルム。
- フィルム中の主たる成分であるポリエチレンテレフタレートの25℃、1気圧の条件下での密度が1.2以上、1.335未満の未延伸フィルムを、(ガラス転移温度−50)℃以上、(ガラス転移温度+100)℃未満の温度で、フィルムの長手方向と幅方向から選ばれる少なくとも一つの方向に、一段階もしくは多段階で合計延伸倍率が3〜15倍となるように延伸した後、その方向に対して直角の方向に一段階もしくは多段階で合計延伸倍率が3〜15倍になるように延伸することを特徴とするポリエチレンテレフタレートフィルムの製造法。
- フィルム中の主たる成分であるポリエチレンテレフタレートの25℃、1気圧の条件下での密度が1.2以上、1.335未満の未延伸フィルムを、(ガラス転移温度−50)℃以上、(ガラス転移温度+100)℃未満の温度で、一段階もしくは多段階で合計延伸倍率が3〜15倍となるように同時二軸延伸することを特徴とするポリエチレンテレフタレートフィルムの製造法。
- (融点−100)℃以上、融点未満の温度で微延伸または熱処理することを特徴とする、請求項3または4に記載のポリエチレンテレフタレートフィルムの製造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21990397A JP3781227B2 (ja) | 1997-07-31 | 1997-07-31 | ポリエチレンテレフタレートフィルムとその製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21990397A JP3781227B2 (ja) | 1997-07-31 | 1997-07-31 | ポリエチレンテレフタレートフィルムとその製造法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1149872A JPH1149872A (ja) | 1999-02-23 |
JP3781227B2 true JP3781227B2 (ja) | 2006-05-31 |
Family
ID=16742846
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP21990397A Expired - Fee Related JP3781227B2 (ja) | 1997-07-31 | 1997-07-31 | ポリエチレンテレフタレートフィルムとその製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3781227B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010064285A (ja) * | 2008-09-09 | 2010-03-25 | Mitsubishi Plastics Inc | 横一軸延伸ポリエステルフィルムの製造方法 |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4742396B2 (ja) * | 1999-08-11 | 2011-08-10 | 東レ株式会社 | 二軸配向ポリエステルフィルムとその製造方法 |
-
1997
- 1997-07-31 JP JP21990397A patent/JP3781227B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010064285A (ja) * | 2008-09-09 | 2010-03-25 | Mitsubishi Plastics Inc | 横一軸延伸ポリエステルフィルムの製造方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH1149872A (ja) | 1999-02-23 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5712614B2 (ja) | 二軸配向ポリエステルフィルムおよび磁気記録媒体 | |
JP4232004B2 (ja) | 二軸配向ポリエステルフィルム | |
JP2000355631A (ja) | ポリエステルフィルムとその製造方法 | |
JP3781227B2 (ja) | ポリエチレンテレフタレートフィルムとその製造法 | |
JP3812178B2 (ja) | ポリエステルフィルム | |
JP2010031138A (ja) | 二軸配向フィルム | |
JP2006233038A (ja) | 二軸配向ポリエステルフィルムおよびその製造方法 | |
JP3804311B2 (ja) | ポリエステルフィルムおよびその製造法 | |
JP3876509B2 (ja) | ポリエステルフィルムおよびその製造方法 | |
JP2000309051A (ja) | 熱可塑性樹脂フィルムの製造方法 | |
JP3876508B2 (ja) | ポリエステルフィルムおよびその製造方法 | |
JP5735370B2 (ja) | 芳香族ポリエステルの樹脂組成物および配向ポリエステルフィルム | |
JP3640282B2 (ja) | 二軸延伸ポリエステルフィルムの製造方法 | |
JPH02194031A (ja) | メンブレンスイッチ用フィルム及び透明導電性フィルム | |
JP2012092259A (ja) | 二軸配向ポリエステルフィルム | |
JP2011184617A (ja) | 二軸配向ポリエステルフィルム | |
JP5710938B2 (ja) | 二軸配向ポリエステルフィルム | |
EP2233509B1 (en) | Polyester resin, process for production of the same, and biaxially oriented polyester film comprising the same | |
JP4565800B2 (ja) | 二軸配向フィルム | |
JP3748165B2 (ja) | ポリエステルフィルムおよびその製造法 | |
JP5225697B2 (ja) | 一軸配向ポリエステルフィルムの製造方法 | |
JP2000336183A (ja) | 二軸配向ポリエステルフイルムおよびその製造方法 | |
JP3617215B2 (ja) | 透明性ポリエステルフィルムおよびその製造法 | |
JP4595254B2 (ja) | 画像形成用二軸配向フィルム | |
JP3646435B2 (ja) | ポリフェニレンスルフィドフィルム |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20040119 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20051014 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20051021 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20051205 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20060217 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20060302 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090317 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100317 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110317 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110317 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120317 Year of fee payment: 6 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |