JP3780540B2 - イオン源 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、プラズマよりイオンビームを発生させるイオン源に係り、特に、所望の重イオンビームのみを発生させるイオン源に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種のイオン源は、プラズマ室内で作動ガスをプラズマ化させ、このプラズマに電場を与えてイオンを引出すものである。プラズマ室に満たされる作動ガスは、所望のイオンの元になる元素が水素と化合した水素化合物ガスであり、例えば、燐イオンを得るためにはPH3 、硼素イオンを得るためにはB2 6 が用いられる。実際には、取扱い易さ、安全性等を考慮し、水素化合物ガス単独ではなく水素ガスを混合することにより希釈した作動ガスPH3 /H2 ,B2 6 /H2 などが用いられる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
作動ガスが水素化合物ガスであり、しかも水素ガスを混合してある。このため、プラズマ室内には混合プラズマ、即ち種々のイオンからなるプラズマが発生する。例えば、PH3 /H2 を作動ガスとした場合、P+ イオンの他にPHX + イオン、H+ イオン、H2 + イオン等が発生する。その比率は、Pが30%に対しHが70%になる。B2 6 /H2 を作動ガスとした場合、Bが15%に対しHが85%。になる。
【0004】
イオンドーピング等の目的からすると、プラズマ室から取り出されるP+ イオンにPHX + イオンが混在しても大きく差支えないが、H+ イオンやH2 + イオンは不要のものである。これらの不要なイオンは、プラズマ室壁や引出し電極或いはイオンドーピングの対象物等に衝突して熱負荷となる。また、加速電力を無駄に消費する。従って、良質のイオン源とするには、HイオンやH2 イオンが所望のイオンビーム中に含まれないようにする必要がある。
【0005】
そこで、本発明の目的は、上記課題を解決し、所望の重イオンビームのみを発生させるイオン源を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明は、水素を含む作動ガスを満たし、放電によりプラズマ化させるプラズマ室を設けると共にそのプラズマ室の一側に引出し電極を設けてイオンビームを発生させるイオン源において、上記プラズマ室内のプラズマ発生部と引出し電極との間に、上記プラズマ発生部から拡散する軽イオンを捕捉し、重イオンを通過させる磁気フィルタを設けたものである。
【0007】
上記磁気フィルタは、多数のスリットを有するスリット板にそのスリットを横断する磁場を形成する磁石を設けてもよい。
【0008】
上記磁気フィルタと上記引出し電極との間のビーム引出し部に、上記磁気フィルタ通過時に電子が磁場に捕捉され、正電荷過剰となったプラズマを中和するための中和用フィラメントを設けてもよい。
【0009】
【作用】
上記構成により、作動ガスがプラズマ化してプラズマ室内には種々のイオンからなる混合プラズマが発生する。これらのイオンがプラズマ室内で引出し電極へ拡散していくとき、磁気フィルタにより軽イオン、即ちH+ イオンやH2 + イオンが捕捉される。一方、所望のイオンである重イオンは磁気フィルタを通過して引出し電極へと拡散していく。これにより所望の重イオンビームのみを発生させることができる。
【0010】
拡散する重イオン及び軽イオンは、スリット内に入ると、スリットを横断する磁場のために方向が曲げられる。軽イオンは質量が小さいので、磁場に捕捉される。重イオンは質量が大きいので、スリットを通過する。
【0011】
磁気フィルタの通過によりプラズマ中の電子が磁場に捕捉され、ビーム引出し部プラズマが正電荷過剰となり、電場を形成してしまうので、磁気フィルタと引出し電極との間で、中和用フィラメントにより電子を放出し積極的にビーム引出し部プラズマを中和する。
【0012】
【実施例】
以下本発明の一実施例を添付図面に基づいて詳述する。
【0013】
図1に示されるように、イオン源は、一側が開放された有底円筒状のプラズマ室1内に、図示されない作動ガス注入部より注入された作動ガスGが満たされている。プラズマ室底部1a中央に配置されたフィラメント2は放電用のカソードを兼用している。これに対する放電用のアノード3はプラズマ室1の側壁1bに沿って環状に設けられている。カソード兼用フィラメント2にはフィラメント電源4が接続され、このカソード兼用フィラメント2とアノード3との間には放電用電源5により放電用電位が印加されている。
【0014】
プラズマ室1の側壁1bにはプラズマを閉じ込めるための磁場を形成する環状の磁石6が多段に設けられている。
【0015】
イオンを加速する引出し電極7は、イオンビームを通過させる多数の穴を有するグリッド電極であり、プラズマ室1の開放された一側を覆うように設けられている。引出し電極7の外方にはイオンビームの照射対象である基板8を置くことができる。
【0016】
プラズマ室1内、即ちプラズマ室底部1aと引出し電極7との間にプラズマ室底部1a及び引出し電極7に平行に磁気フィルタ9が設けられている。磁気フィルタ9よりプラズマ室底部1a側をプラズマ発生部10と呼び、磁気フィルタ9より引出し電極7側をビーム引出し部11と呼ぶことにする。
【0017】
磁気フィルタ9は、図2に示されるように、プラズマ室1の側壁1bに取り付けるための環状の周縁部21と、その内側に所定間隔で多数形成された所定幅の直線状の骨部22とからなるスリット板である。骨部22と骨部22と間に形成される隙間がイオンを拡散させるスリット23である。
【0018】
磁気フィルタ9を拡大すると共に一部を破断して示すと、図3に示されるように、骨部22内には、周縁部と一体にモリブデン、ステンレス等で構成された外殻24に覆われて、磁石25が設けられている。この磁石25は、スリット23に面する骨部側面22a,22bにN極、S極を臨ませており、互いに隣り合う骨部22のN極、S極との間に直線的な磁場を形成している。従って、磁気フィルタ9の全面に亘り、スリット23間にはこれを横断する磁場が存在していることになる。この磁場の強さは、軽イオンを捕捉するべくラーマー半径を考慮し、骨部22の間隔、使用する磁石の特性等から決める。
【0019】
磁気フィルタ9と引出し電極7との間のプラズマ室1の側壁1bには中和用フィラメント12が設けられている。中和用フィラメント12には、フィラメント電源13が接続されると共に、アノード3に対し、浮動電位になっているか、等電位又はバイアス電源14により10〜20V程度の負バイアス電位が印加されている。また、この実施例では、磁気フィルタ9にもバイアス電源15により負バイアス電位が印加されている。
【0020】
次に実施例の作用を述べる。
【0021】
プラズマ室1内のプラズマ発生部10では、放電により作動ガスG、例えばPH3 /H2 がプラズマ化され、P+ イオン、PHX + イオン、H+ イオン、H 2 + イオン等からなる混合プラズマが発生する。これらのイオンがプラズマ室1内でビーム引出し部11へ拡散していくとき、磁気フィルタ9のスリット23へ入る。
【0022】
このとき、スリット23間には図4に示されるように、イオンの通過方向に直交する磁場(骨部22同士を結ぶ磁力線で示す)が形成されている。スリットへ入ったイオンのうち、軽イオン41、即ちH+ イオンやH2 + イオンは質量が小さいので、この磁場によって移動方向が大きく曲げられ、ラーマー半径内に入ってこの磁場に捕捉される。捕捉された軽イオンによる電流は、磁気フィルタ9又は中和用フィラメント12に流れ込むことになる。これにより軽イオンは中和され、ビーム引出し部11へは軽イオン41が拡散しなくなる。
【0023】
一方、P+ イオンやPHX + イオンからなる重イオン42は質量が大きいので、スリット23を通過し、通過した後も移動方向があまり変わらず、ビーム引出し部11へと拡散していく。従って、ビーム引出し部11では所望のイオンの構成比が高められる。このビーム引出し部11内のプラズマから引出し電極7によってイオンビームが引き出されることになる。
【0024】
このようにして、所望の重イオンのみからなるイオンビームが基板8に照射されることになる。
【0025】
【発明の効果】
本発明は次の如き優れた効果を発揮する。
【0026】
(1)不要な軽イオンの衝突による熱負荷がないので、プラズマ室壁や引出し電極等の冷却装置を簡素化することができる。また、基板の温度上昇を抑えることができる。
【0027】
(2)引出し電極が軽イオンを加速しないので、加速電力が節減され、電源の小型化及び運転コストの低減につながる。
【0028】
(3)スリット間に磁場を形成するので、プラズマ室の口径が大きくても均一な磁場が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示すイオン源の断面図である。
【図2】本発明の磁気スリット板の正面図である。
【図3】本発明の磁気スリット板の部分拡大一部破断図である。
【図4】本発明のスリットによる磁場の図である。
【符号の説明】
1 プラズマ室
7 引出し電極
9 磁気フィルタ
23 スリット

Claims (3)

  1. 水素を含む作動ガスを満たし、放電によりプラズマ化させるプラズマ室を設けると共にそのプラズマ室の一側に引出し電極を設けてイオンビームを発生させるイオン源において、上記プラズマ室内のプラズマ発生部と引出し電極との間に、上記プラズマ発生部から拡散する軽イオンを捕捉し、重イオンを通過させる磁気フィルタを設けたことを特徴とするイオン源。
  2. 上記磁気フィルタは、多数のスリットを有するスリット板にそのスリットを横断する磁場を形成する磁石を設けてなることを特徴とする請求項1記載のイオン源。
  3. 上記磁気フィルタと上記引出し電極との間のビーム引出し部に、上記磁気フィルタ通過時に電子が磁場に捕捉され、正電荷過剰となったプラズマを中和するための中和用フィラメントを設けたことを特徴とする請求項1又は2記載のイオン源。
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