JP3780333B2 - 外来性遺伝物質又は生理活性物質を細胞内へ導入する新規な方法 - Google Patents

外来性遺伝物質又は生理活性物質を細胞内へ導入する新規な方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、外来性遺伝物質又は生理活性物質を細胞内へ導入するための新規な方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、外来遺伝子を細胞に導入する方法として、電気穿孔法、遺伝子銃法、アグロバクテリウム法等が用いられてきた。これらの方法は、細胞の形質転換を行うための優れた方法であるが、電気穿孔法や遺伝子銃法は一時的に小さな孔が開いた細胞の間隙を通じて遺伝子を導入する方法であり、またアグロバクテリウム法は細菌に感染させることにより遺伝子を導入する方法であるという性質から、導入できる遺伝子の量は少量であった。また孔の大きさは小さいために、導入可能であるのは小さな遺伝子のみであった。巨大なサイズの遺伝子や遺伝性物質を導入しようと試みても、これらは大き過ぎるために導入できず、また導入されても断片化したりするために、従来の方法により導入できる遺伝子は限られていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、従来の方法と比較してより大量の外来遺伝子を導入できる方法、更には従来の方法では不可能であった巨大な遺伝子又は遺伝物質を導入できる、新規な遺伝子の導入方法が求められていた。その様な欠点を克服できる遺伝子導入の方法を提供する事が、本発明の課題である。また、本発明の方法は、種々の生理活性物質を植物に導入することにも使用することが可能である。
【0004】
【課題を解決するための手段】
そこで本発明者等は、球状微粒子であるビーズを作製して、当該ビーズ内に遺伝物質を固定化させることにより、遺伝子を導入することを考えた。尚、本願明細書中において遺伝物質又は生理活性物質を固定化するとは、形成したゲルの内部及び表面に、遺伝物質又は生理活性物質を保持させることを意味する。本発明のビーズの大きさは0.01μm から10μm であるために、本発明のバイオビーズを用いることにより、従来と比較して大量の遺伝子を一度に導入することができる。また本発明により、巨大なサイズの遺伝子や、これまで導入することができなかった、mRNA、プラスミドDNA 又は人工染色体等の遺伝物質を導入することが可能となった。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明のビーズの材料としては、イオン種によりゲル化を制御可能なアルギン酸一価塩、κ- カラギーナン等の水溶液や、寒天、ゲランガム等の水溶性ゲル化多糖類が適当である。アルギン酸一価塩等の水溶液を、水と混和しない有機溶媒でビーズ内に導入させた生理活性物質、遺伝物質に加えて超音波処理などにより懸濁し粒径が0.01〜10μm のW/O 型エマルジョンを形成させることができる。ここに二価以上のカチオンを含む水溶液などに水溶性の遺伝物質を溶解させておいたものを加えて直ちに混和することでゲル化させ、その内部及び表面に遺伝物質を含有する粒径0.01〜10μm のビーズを形成させることができる。
【0006】
より具体的には、本発明のバイオビーズとして、アルギン酸カルシウムのバイオビーズを作製することができる。この方法は、アルギン酸が2価のカルシウムイオンにより、ゲル化することを利用したものであり、アルギン酸溶液を有機溶媒・水のエマルジョン系で乳化後、塩化カルシウムと混和して両者を攪拌しながら混合することにより調製することができる。また、アルギン酸溶液をセルソーターを利用して微小な液滴とし、塩化カルシウム溶液に滴下してビーズを作製することもできる。
【0007】
本発明の方法で作製されたバイオビーズは、エレクトロポレーション法、PEG法、マイクロインジェクション法又は光ピンセット法を用いてのピンポイント輸送等を用いて、針やレーザーによる物理的な穿孔や酵素的な細胞壁の除去を行った植物細胞、更には動物細胞にも容易に導入されうる。この方法によれば、非常に穏やかな条件で細胞内に導入されるため、染色体や核といった巨大な遺伝物質も損傷させることなく、導入させることが可能である。
【0008】
0.5%から3%のアルギン酸ナトリウム水溶液を約50mMの塩化カルシウム水溶液に滴下すると、半透明で水より比重が高いゲルが調製される。本発明のバイオビーズを調製する際において、アルギン酸ナトリウム濃度は0.5%から3%、塩化カルシウム濃度は50mMから1000mMであることが好ましい。また、バイオビーズを乳化するための有機溶媒は、イソアミルアルコール又はブタノールが好ましい。アルギン酸ナトリウムの濃度が0.25% 以下または、塩化カルシウム濃度が25mM 以下の場合にはアルギン酸ナトリウムがゲル化しないために、ビーズを作製することができなかった。塩化カルシウムの濃度が500 mM以上でアルギン酸カルシウムの濃度が0.5 %以下の場合には、完全な球形ではなく半球状の大きなビーズができやすかった。またアルギン酸ナトリウムの濃度が3% 以上であるとエマルジョン化の際の液滴の大きさが十分小さくならず大きく涙型のビーズができてしまった。実用的なサイズ(10μm 〜0.1 μm )のビーズが作製されたのはアルギン酸ナトリウム濃度0.5 〜1.5%、塩化カルシウム濃度50〜200mM であった。また、これを10mMの塩化カルシウム水溶液に懸濁し、孔径5 μm のナイロンメッシュにのせて5000 rpm、5 分の遠心により濾過して5 μm 以上のサイズのものを除去することでより小さなビーズを集めることもできた。
【0009】
こうして得られたビーズは、二価カチオンをキレート化するEDTA、EGTAを含む溶液や高濃度の1価カチオンを含む溶液中では速やかにゾル化するので保存は10mMの塩化カルシウムで行う必要がある。また、塩化カルシウム濃度が1M以上であるとビーズ同士が凝集しやすくなり再懸濁が困難になる。また回収のために遠心を行う場合も7000rpm 以上で行うと凝集し再懸濁が困難になる。
【0010】
本発明者らは、遺伝物質を操作性良く細胞内に導入する手段として、光ピンセット法を用いる事を考えた。そして、その様な目的に使用するバイオビーズとして、どの様な条件が必要とされるか検討を行った。即ち、DNA 保持担体としてのバイオビーズの材質としてどの様なものが相応しいか、という点について検討を行った。その結果、本発明のバイオビーズが備えるべき条件として、以下の性質が求められると考えられた。
【0011】
(1)固化する前にはDNA を溶解あるいは懸濁する溶液として存在し、固化後には水溶液中である程度安定な固体あるいはゲル状態として存在する素材であること。
(2)光ピンセットによる操作を可能とするために、光を通過させ、かつ水よりも高い屈折率を有すること。
(3)水と同じかそれよりもやや高い比重を有すること。
(4)操作手順が容易であること
(5)通常の材料および装置を用いて作製可能であること。
(6)細胞の生育を阻害しないこと。
(7)ビーズの作製過程および固化後、DNA が内部で安定に保持されること。
(8)細胞内に導入するために、直径10μm 以下に加工することが可能であること。
(9)細胞内では、外来DNA を放出すること。
【0012】
これらの点について検討したところ、アルギン酸カルシウムのバイオビーズは、上記の条件を全て満足していた。具体的には、本発明のアルギン酸カルシウムのバイオビーズは、常温中性の水中で安定に存在した。このゲルが、細胞の生育に影響を与えるかどうかを調べるために、アラビドプシスの種子を封入したゲルを水中に置き、2〜3日後の発芽率を調査した。その結果、通常の条件である湿らせた濾紙上に播種した場合と比較して、発芽率の低下は認められなかった。
【0013】
類似の方法として、エマルジョン化する前に遺伝物質や生理活性物質を混入しておく方法がある。その方法においては、エマルジョン化する時に遺伝物質や生理活性物質が存在しているために、高分子量の物質を保持させることが困難であった。一方本発明の方法では、エマルジョン化の後に物質の親水性を利用して、遺伝物質をビーズに固定するために、非常に穏やかな条件でビーズ化が可能である。そのために、染色体や人工染色体、オルガネラ、核といった、従来は導入が困難であった巨大な遺伝物質も損傷させることなく導入することが可能となった。そのために本発明のバイオビーズは、広範囲な生物への新規な形質転換技術として有用である。
【0014】
また、ゼラチン・アガロース系バイオビーズを作製して、本発明の目的に使用することができる。この方法はゼラチン、アガロースのゲル化を利用したものであり、懸濁液を滴下して懸濁液を加熱して融解し有機溶媒・水のエマルジョン系で乳化後、冷却して固めることにより、ゼラチン・アガロース系のバイオビーズを作製することができる。また、加熱融解したゾルを低温下で噴霧し、瞬時にゲル化することもできる。
【0015】
また、ビニルポリマー系バイオビーズを作製して、本発明の目的に使用することができる。この方法は、スチレン系、アクリル系、メタクリル系等のアクリル系モノマーの乳化重合系(トルエン・水)に、ペルオキソ二硫酸ナトリウム(APS )等の重合剤を添加して固化させることを利用したものであり、シード重合を行えば粒径の制御はある程度可能であると考えられる。ビニルモノマー系バイオビーズは多層構造を形成する事が可能であるので、層間にDNA を包括することが可能である。
【0016】
また、ハイドロゲル系バイオビーズを作成することができる。アクリルエステル系あるいはアクリルアミド系のシート状ハイドロゲルを作成し、脱水、シュリンクさせた後に裁断し、数μm程度の大きさにする。薄いシート状に重合する工夫として、オクタン、ヘプタン等の非水系溶媒上にモノマー溶液を展開した後に、光重合を試みる。薄さの制御のためにアルコール等の適当な有機溶媒をモノマー水溶液に添加し、表面張力を調整する。重合後、適当な支持体に掬い取り、乾燥後に加工する。加工法としては機械加工の他にレーザー加工も可能であり、これらの物理破砕法により加工することができる。また、ハイドロゲル系バイオビーズは、噴霧法により作成することもできる。噴霧法により、DNA の入った、プレポリマー溶液を作成する際に、落下過程で紫外線照射により光重合させることができる。
【0017】
本発明の方法により遺伝子を導入する対象として、プロトプラスト化と再分化が確立している植物、より具体的にはトマト、タバコ、イネ、アラビドプシスなどを用いることができる。これらの植物をまずプロトプラスト化し、ビーズと混和することにより、ビーズの大きさが適当である場合には、エンドサイトーシスにより外来遺伝物質が取り込まれて、含有する遺伝物質や生理活性物質が放出されて作用する。この様な目的には、ビーズの大きさは粒径1 μm 以下から0.01μm 程度が好ましい。組織に導入する対象例としては、タマネギの表皮細胞、タバコの培養細胞を用いることができ、マイクロピペットもしくは、レーザーダイセクションで穿孔して外来遺伝物質を導入する。篩孔の大きなナス科の植物やスギなどの木本については、ビーズの大きさが適当である場合には、切断面に直接ビーズを塗布することにより吸い上げられてビーズが個体の全身に輸送され各部分で生理活性物質、遺伝物質を放出する。このような目的には、ビーズの大きさは粒径0.5 μm 以下から0.01μm であることが好ましい。
【0018】
ヒト、チャイニーズハムスターの動物培養細胞などについては、ビーズと混和することにより、ビーズの大きさによってはファゴサイトーシスにより取り込まれて、含有する遺伝物質が放出されて作用する。このような目的には、ビーズの大きさは粒径0.5 μm 以下から0.1 μm であることが好ましい。また、動物個体に対しては、経口投与などの経粘膜投与によってとりこまれる大きさのビーズに遺伝物質、生理活性物質を包含させて、投与することでそれらの物質を導入する。このような目的には、ビーズの大きさは粒径1μm 以下であることが好ましい。
【0019】
経済的に有用な形質をもつ遺伝子などをコードした遺伝物質を含有したビーズとスフェロプラスト化した酵母を混和することでビーズの大きさによってはエンドサイトーシスにより取り込まれて、含有する遺伝物質が放出されて作用する。このような目的には、ビーズの大きさは粒径1 μm 以下から0.01μm であることが好ましい。
【0020】
本発明の方法は、植物ホルモンを植物に導入する事にも有効である。より具体的には、インドール酢酸、ナフタレン酢酸などのオーキシン、ゼアチン、カイネチンなどのサイトカイニン、アブシジン酸、ジベレリン、ペプチド性ホルモン、などを本発明の方法により導入して、成長を制御することが可能である。また、ファイトアレキシンなどの抗菌性物質、より具体的には、ピサチン、ファゼオリン、メジカルピン、リシチン、リシチノールなどを導入することで病原菌への耐性を高めることもまた可能である。ファイトケラチン、グルタチオンなどの活性酸素除去剤を加えることでUVや光、重金属などのストレスに対する耐性を向上させた個体を作成することもまた可能である。
【0021】
ところで、DNA などを裸で導入した場合には、拡散によってDNA が細胞内で拡散するに任せるしかないため、核内に取り込まれて形質転換がおこる確立が非常に低い。本ビーズを用いて遺伝物質を導入することにより、高濃度にプラスミドDNA を集積して細胞内に導入することができるので、形質転換が起こる確率が増大することが期待される。また、光ピンセット等の技術を用いることで、細胞内で核などの遺伝子が発現するために必要な位置に、遺伝物質を誘導することができる。
【0022】
例えば、mRNAの転写量を増大させる目的で汎用されているプロモーターである、カリフラワーモザイクウイルス35S プロモーターなどに、グルタチオン遺伝子を結合させたプラスミドDNA を作製して、当該プラスミドをビーズに取りこませて植物細胞に導入することができる。すると細胞内に多くのグルタチオンが作られグルタチオンの働きで細胞内の重金属や毒物の除去ができる植物が作られる。このような植物は環境中の重金属などの毒物を細胞内に蓄えてくれるので、環境浄化に用いることができる。また、真菌類や昆虫などの細胞に多く含まれるキチンを分解することのできるキチナーゼ遺伝子を、植物で恒常的に発現させるために、恒常的にmRNAを転写するようなプロモーターと結合させたプラスミドDNA をビーズに取り込ませて有用植物の細胞に導入することで、カビなどの真菌が原因となる病気に耐性のある植物をつくり、生産性を高上させることができる。
【0023】
また、有効な遺伝子のmRNA をビーズに取り込ませて細胞内に高濃度に導入することで、一時的にその遺伝子の機能を発現させることが可能である。mRNA は不安定であるためにやがて全てが分解されしまい、その形質は残らない。これを利用して、例えばBt遺伝子などの有用ではあるが毒性があるために、食用作物などへの導入が危惧されるような遺伝子をmRNA の形で高濃度に導入して、一定の期間だけ発現させ、作物の出荷時にはその遺伝子の産物は残らない安全な作物育種を行うことができる。
【0024】
また、プラスミドDNA によってまとめて導入できる遺伝子はせいぜい数個程度である。しかし、酵母人工染色体(YAC )、細菌人工染色体(BAC )などの人工染色体を用いることで数十〜百数個の遺伝子を保持した人工染色体を構築することが可能である。先行するいくつかのエマルジョン化によるビーズ作製技術の問題点として、エマルジョン化にともなう剪断力により人工染色体のような高分子量のDNA は分解されてしまう危険性が非常に高いという点が指摘されている。しかし本発明によるビーズ作製技術では、エマルジョン化後にDNA を取り込ませるため人工染色体のような高分子量のDNA でも無傷な形でビーズに保持させ、細胞に導入することが可能である。例えば、従来は植物などがもたないメタンやメタノールなどのC1化合物の代謝経路に必要な酵素群をまとめてコードしたような高分子量の人工染色体を導入することにより、従来植物が資化できず、むしろ毒となっていたC1化合物を取り込んで炭素源として利用できるような新しい植物を作り出すことができる。
【0025】
また、野生植物には現在の作物植物には存在しないような、病気や冷害、乾燥、抵抗性に対する遺伝子や、有用な形質が増大するようなQTL (quantitative trait loci )遺伝子をもつものがある。これらの有用な遺伝子をもつ植物の遺伝子地図を作成して遺伝子の座上する位置を決定しクローニングして作物植物に導入するということが、世界的に進められているが、このような遺伝子を一つ一つ見つけてクローニングするという作業は非常に多大な労力を伴うものである。それに比べて多くの場合、遺伝解析からその遺伝子が座上している染色体までは比較的容易に知ることができる。そこで、そのような遺伝子を保持している染色体を野生植物から単離して、無傷の形で本発明のビーズに取り込ませて導入することで、その遺伝子をクローニングせずとも、その形質を導入することが可能となる。
【0026】
また、真核生物のオルガネラであるミトコンドリアや葉緑体は、本体の核に存在するゲノムとは独立した独自のゲノムDNA を有している。これらのオルガネラのゲノムにも、核ゲノムと同様に生物の形質を決定する重要な遺伝子が座上している。これらのオルガネラを細胞から単離する技術はいくつかの植物で開発されているが、これらのオルガネラを無傷な形で再び細胞に戻す技術はまだ開発途上にあるといえる。そのために、本発明のバイオビーズにオルガネラをトラップして、細胞内へ導入することが可能になれば有用である。
【0027】
また、例えばイネやテンサイなどの植物では、ミトコンドリア上の遺伝子が変異することにより正常な花粉ができず不稔になる細胞質雄性不稔という現象が知られている。しかし、核の遺伝子がさらに変異すると稔性が回復するという現象もある。このような核- ミトコンドリアの組み合わせによる稔性、不稔性をコントロールする事は、品種改良や品種保存において有効である。ただし、これら核- オルガネラの組み合わせを改変するには、通常交雑を経る必要がある。特に、雄性不稔化した株は母親にしかなれないため、母性遺伝により後代は必ず雄性不稔のミトコンドリアをもつことになる。本発明のビーズに野生型の正常なミトコンドリアをトラップして、細胞内へ導入することが可能になれば稔性が回復し、この状況を打破することが可能になる。
【0028】
【実施例】
(実施例1)
(エレクトロポレーション法によるバイオビーズの導入)
ビーズの担体となるアルギン酸ナトリウム水溶液(0.25〜3 %)100 μl にイソアミルアルコール900 μl を加えて温度が上がらないように氷中で冷却しながら10〜15秒間ハンディーソニケータでエマルジョンを形成させた。ここに、0.1μg / μl のカリフラワーモザイクウイルス35S プロモーターとノパリン合成酵素ターミネーター配列をつけた緑色蛍光蛋白質遺伝子をもつプラスミドDNA を含む25〜1000mMの塩化カルシウム水溶液を500 μl 加えた。その後、約1分間ボルテックスをし、バイオビーズを作製した。作製されたバイオビーズは卓上微量遠心機によって4000 rpm、5 分の遠心によって沈殿させ回収した。本法により得られたバイオビーズは、5 〜50×105 個/ml の濃度で直径10〜0.1 μm であった。図1に、バイオビーズを位相差顕微鏡で撮影した写真を示す。蛍光色素YOYO-1で染色するとプラスミドDNA は、ビーズ表面に固定化されていることが確認できた。図2に、バイオビーズにトラップされたプラスミドDNA を、YOYO-1で染色して蛍光で撮影した写真を示す。
【0029】
作製したカリフラワーモザイクウイルス35S プロモーターとノパリン合成酵素ターミネーター配列をつけた緑色蛍光蛋白質遺伝子をもつプラスミドDNA を作製し、本発明の方法により当該プラスミドを導入したビーズを作製した。使用したプラスミドのコンストラクトを図3に示す。当該プラスミドを含むビーズ1 ×106 個と、プロトプラスト化したタバコ培養細胞BY-2株1 ×104 個を混合し、エレクトロジーントランスファーシステム(シマズ)により、時定数200 μsec 、電圧300V、ギャップ4mm のキュベットでエレクトロポレーションを行った。ただし、エレクトロポレーション用のバッファーには、5mM MES 、17.5mM CaCl2、0.3Mマンニトール、 pH5.8を用いた。尚、一般的には70 mM の塩化カリウムを用いるが、ビーズのゾル化を防ぐために塩化カルシウムを用いた。その結果、プラスミドDNA を保持したビーズが取り込まれBY-2細胞のプロトプラスト内で緑色蛍光蛋白質が発現することが確認された。BY-2細胞のプロトプラスト内で発現した緑色蛍光蛋白質を、蛍光で確認した写真を図4に示す。
【0030】
(実施例2)
(PEG 法によるバイオビーズの導入)
更に、上記で示したプラスミドを用いて、実施例1と同じ方法でバイオビーズを作製し、polyethylene glycol (PEG) 法によりタバコBY-2細胞内へのプラスミドの導入を行った。プロトプラスト化したタバコ培養細胞BY-2株2 ×106 個をPEG 溶液(PEG 6000を12%、塩化カルシウム120 mM、マンニトール0.4 Mの混合溶液)に懸濁し、[0027]で作製したバイオビーズと混合した。混合後、軽く撹拌し30分静置した。その後、400rpmで3 分間遠心し、PEG 液を取り除き培養液(改変LS培地、0.4 Mのマンニトールの混合液)500 μl を加え軽く撹拌して35mmシャーレ上に移して暗所で1 日培養した。その結果、実施例1と同様に、タバコ培養細胞BY-2株のプロトプラストにおいて緑色蛍光蛋白質が発現することが確認された。また、この方法では先に示した方法より効率が高く、発現率は最大0.0277%に達した。PEG 法によりタバコBY-2細胞内へのプラスミドの導入を行い、遺伝子発現を蛍光で確認した写真を図5に示す。
【0031】
(実施例3)
(染色体又は核を包括したバイオビーズの作製)
オオムギ(2n=14 )を同調培養してM 期状態の細胞の割合を高め、大量の染色体を獲得した。染色体の固定を行い、フローソーターを用いたソーティングを行うことで染色体を大量に分取し、分取した染色体をアルギン酸カルシウムビーズ内に包括させた。下記の実験における同調培養及び核と染色体のソーティングは、基本的にLysak らの方法(Chromosome Res.7 431-444 1999 )に従って行った。
【0032】
(オオムギの同調培養)
オオムギの種子を25度の暗所で、2 日間かけて発芽させ、発芽した種子の根端に対し、18時間エアレーションを加えながら、2.5 mM のHU(hydroxyurea )で処理を行った。この結果、根端の多くの細胞は、細胞周期におけるS 期で止まった状態になる。次に、HUを除いた環境で6.5 時間の培養を行った。これによりS期で止まっていた細胞が細胞周期のサイクルに戻り、G2期、M 期に向けて動き出す。M 期で細胞の周期を止めるため、2.5 μM のAPM (amiprophos-methyl )で2 時間処理を行った。その後、氷水に一晩ひたし、染色体の細胞内での広がりを促進させた。
【0033】
(染色体懸濁液の調製)
染色体の形状を保たせるために、2 %のホルムアルデヒドで20分処理を行うことにより固定を行った。その後、トリス緩衝液で5分間洗浄する操作を3 回繰り返した。25〜30個の根端を切断し、ポリトロンホモジナイザーを用いて細胞の破砕を行った。破砕後、ナイロンメッシュを用いて大きな細胞残さを除いた。
【0034】
(ソーティング)
アルゴンイオンレーザーを備えたFACSVantage フローサイトメーター(Becton Deckinson)を用いて、フローソーティングを行った。フローサイトメーターの感度を上げるために、CV(coefficient of variation)を2.0%以下に調整してから解析を行った。単離した染色体と核の相対蛍光強度を解析するために、システム閾値を蛍光パルス高さ(FL1-H )に設定した。単離した染色体に、最終濃度で2.0 (μg /ml)になるように4',6'-diamidino-2-phenylindole(DAPI)を加えて染色を行った。ソーティング後のダメージを軽減するために、1.5 %アルギン酸ナトリウム水溶液33μl の入ったエッペンチューブに直接染色体を分取した。この結果、40,000個の染色体のソーティングを行った。
【0035】
(バイオビーズ作成)
染色体を含む、最終濃度約0.5 %アルギン酸にイソアミルアルコールを加え、ボルテックスにて十分に攪拌を行った。その後、直ちに100mM の塩化カルシウム溶液を加え、エマルジョン化されたアルギン酸の固化を行った。遠心分離を用いてイソアミルアルコールを除き、100mM の塩化カルシウム溶液による洗浄操作を4 回以上繰り返した。こうして調製した、アルギン酸カルシウムビーズ内に包括した染色体を、図6に示す。図6において、DAPI染色により青色の蛍光を発する染色体が、アルギン酸カルシウムビーズ内に認められる。
【0036】
また、同様の操作で核のソーティングを行い、核を包括したビーズの作成も可能であった。アルギン酸カルシウムビーズ内に包括した核を、図7に示す。図7において、DAPI染色により青色の蛍光を発する核が、アルギン酸カルシウムビーズ内に認められる。
【0037】
【発明の効果】
本発明により、大きなサイズの外来性遺伝物質又は生理活性物質を大量に細胞内へ導入することが可能となる、新規な方法が与えられた。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明バイオビーズを位相差顕微鏡で撮影した写真である。
【図2】バイオビーズに結合したプラスミドDNA をYOYO-1で染色して、蛍光で撮影した写真である。
【図3】図3は、作製したプラスミドのコンストラクトを示す模式図である。
【図4】図4は、エレクトロポレーション法で導入した緑色蛍光蛋白質を、BY-2細胞のプロトプラスト内で発現させて、蛍光で確認した写真である。
【図5】図5は、PEG 法で導入した緑色蛍光蛋白質を、BY-2細胞のプロトプラスト内で発現させて、蛍光で確認した写真である。
【図6】図6は、アルギン酸カルシウムビーズ内に包括した染色体を、DAPIの蛍光により確認した写真である。
【図7】図7は、アルギン酸カルシウムビーズ内に包括した核を、DAPIの蛍光により確認した写真である。

Claims (13)

  1. 硬化原料を水中に有している油中水型エマルジョンを超音波処理により作製し、硬化剤及び外来性遺伝物質と生理活性物質の少なくとも一方を含む水溶液を添加し、硬化反応物であるビーズを形成する過程より作製され、外来性遺伝物質又は生理活性物質を、粒径0.01μm 以上10μm 以下に分布する集団の球状微粒子であるビーズに固定化してなる、バイオビーズの作製方法。
  2. 前記硬化原料がアルギン酸ナトリウムであり、前記硬化剤が塩化カルシウムであり、前記硬化反応物がアルギン酸カルシウムである、請求項記載の方法。
  3. 前記硬化原料の濃度が 0.25% から 3% であり、前記硬化剤の濃度が 25mM 以上 1000mM 以下である、請求項1又は請求項2記載記載の方法。
  4. セルソーターを用いて、外来性遺伝物質と生理活性物質の少なくとも一方と硬化原料を含む水滴を形成し、当該水滴を硬化剤の水溶液中に滴下し、硬化反応物であるビーズを形成する過程よりなる、請求項1記載の方法。
  5. 前記硬化原料がアルギン酸ナトリウムであり、前記硬化剤が塩化カルシウムであり、前記硬化反応物がアルギン酸カルシウムである、請求項記載の方法。
  6. 前記ビーズがアルギン酸カルシウムから成るビーズである、請求項1記載の方法。
  7. 前記外来性遺伝物質が、mRNA、プラスミドDNA 、染色体、人工染色体、オルガネラDNA 又は核である、請求項1ないし請求項記載の方法。
  8. 前記生理活性物質が植物ホルモンである、請求項1ないし請求項記載の方法。
  9. 請求項1ないし請求項記載の方法により作製したバイオビーズを細胞内に導入する過程よりなる、外来性遺伝物質又は生理活性物質の導入方法。
  10. 請求項1記載の方法で作製された、粒径が 0.01 μ m 以上 10 μ m 以下に分布する集団であるバイオビーズ。
  11. 粒径0.01μm 以上10μm 以下に分布する集団のビーズであるアルギン酸カルシウムに外来性遺伝物質又は生理活性物質を固定化した、バイオビーズ。
  12. 前記外来性遺伝物質が、mRNA、プラスミドDNA 、染色体、人工染色体、オルガネラDNA 又は核である、請求項11記載のバイオビーズ。
  13. 前記生理活性物質が植物ホルモンである、請求項11記載のバイオビーズ。
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