JP3780186B2 - プリント基板の接続構造 - Google Patents

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
この発明は、スイッチング電源装置等の複数のプリント基板を接続して電気回路を構成するプリント基板の接続構造に関する。
【０００２】
【従来の技術】
従来、例えばスイッチングレギュレータ電源装置は、互いに物理的に分離された状態で電気的に接続されたアクティブフィルタとＤＣ／ＤＣコンバータを備えていた。この接続構造は、図３に示すように、アクティブフィルタ２を構成するプリント基板３と、アクティブフィルタ２によって昇圧された電圧が入力するＤＣ／ＤＣコンバータ４を構成するプリント基板５とが電線６により繋がれていた。電線６は、各プリント基板３，５の端子７に各々接続され、各端子７には、各プリント基板３，５上の各電子素子８と接続している。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の技術の場合、図３に示すように、アクティブフィルタ２を構成するプリント基板３と、ＤＣ／ＤＣコンバータ４を構成するプリント基板５の接続を行う場合、電気的接続に用いる各電線６の寄生インダクタンス６ａや浮遊容量６ｂによって、電圧の異常共振や、ＤＣ／ＤＣコンバータ４に必要な高周波電流を流せない等、回路に悪影響を及ぼすものであった。
【０００４】
特に図４に示すように、プリント基板３，５を対面させて設置し近接させると、プリント基板３，５から放射される電磁波によるノイズによって、各回路基板３，５内の回路の誤動作が発生するという問題があった。さらに、スイッチングレギュレータ電源装置から発生するノイズを抑制するフィルタ回路の効果が十分に得られないという問題もあった。
【０００５】
その他、電線６単体には強度がないため、複数のプリント基板３，５を固定するためには、別途プリント基板３，５を固定する構造が必要となり、構造が複雑化するものであった。特に図５、図６に示すように３枚以上のプリント基板３，５ａ，５ｂ等を互いに対面させて平行に設ける場合、寄生インダクタンス対策、ノイズ対策、プリント基板固定手段が必要であり、装置全体が大型、高コスト化する問題があった。さらに、電線６の接続構造において、図５に示すような構造の場合、プリント基板５の端子７の取り付け部の負担が大きく構造が複雑化する。また、図６に示す場合、プリント基板３の端子７の取り付けスペースが増加してしまう等の問題があった。
【０００６】
本発明は、上記従来の技術に鑑みてなされたもので、ノイズを抑え、接続が簡単であり取り付け強度も高いプリント基板の接続構造を提供することを目的とする。
【０００７】
【課題を解決するための手段】
この発明は、複数のプリント基板を互いに対面させて並べ、各プリント基板の端縁部に実装部品の端子取付部を設け、各端子取付部に跨って帯状の金属板を掛け渡し、この金属板により各端子を電気的に接続したプリント基板の接続構造である。上記金属板には、所定箇所に透孔が形成され、この透孔にネジを挿通して、上記プリント基板の端子取付部に上記金属板をネジ止めするものである。
【０００８】
またこの発明は、対面して平行に並べた各プリント基板間に、金属の板等の電磁波遮蔽板を配置し、各プリント基板間のノイズを遮蔽したものである。
【０００９】
【発明の実施の形態】
以下この発明の実施の形態について図面に基づいて説明する。図１、図２は、この発明の一実施形態を示すもので、この実施形態のプリント基板は、例えばスイッチングレギュレータ電源装置に用いられるもので、互いに平行に対面して分離された状態で、アクティブフィルタ１２を構成するプリント基板１３と、アクティブフィルタ１２によって昇圧された電圧が入力するＤＣ／ＤＣコンバータ１４を構成するプリント基板１５とが接続されたものである。
【００１０】
アクティブフィルタ１２のプリント基板１３と、ＤＣ／ＤＣコンバータ１４のプリント基板１５には、各プリント基板１３，１５の端縁部に実装部品１８，１９の端子取付部２０を各々一対ずつ設け、各端子取付部２０の図示しない端子間に跨って帯状の金属板２１，２２が取り付けられている。この金属板２１，２２は、各端子を電気的に接続するもので、所定箇所に図示しない透孔が形成され、端子取付部２０に形成された雌ネジ部にこの透孔を介してネジ２４が螺合して接続固定されている。
【００１１】
アクティブフィルタ１２のプリント基板１３と、ＤＣ／ＤＣコンバータ１４のプリント基板１５との間には、電磁波遮蔽効果を備えた電磁波遮蔽板２６が配置されている。この電磁波遮蔽板２６は、金属の板等から成り、図示しないアース端子に接続されている。なお、電磁波遮蔽板２６は、金属網や、金属箔等が設けられた導電性の樹脂板等、適宜の電磁波遮蔽効果を備えたものであればよい。また、この電磁波遮蔽板２６は、プリント基板１３，１５が設けられた電子機器の構造体への取り付け、または支持構造に使用することもできる。
【００１２】
この実施形態のアクティブフィルタ１２を構成するプリント基板１３と、ＤＣ／ＤＣコンバータ１４を構成するプリント基板１５は、金属板２１，２２により接続されているので、電線により繋いだ場合と比較して、電流経路の断面積を大きくすることが可能であり、寄生インダクタンスの影響を軽減することができる。さらに、電線と比較して剛性のある金属板２１，２２で接続を行うため、図２に示すように、ＤＣ／ＤＣコンバータ１４を構成する複数のプリント基板１５ａ，１５ｂの接続も、同様の端子取付部２０を設けて、ネジ２４によりネジ止めするだけで各プリント基板１３，１５ａ，１５ｂの連結保持が可能となる。
【００１３】
また、プリント基板１３，１５等の間に設けた電磁波遮蔽板２６は、アクティブフィルタ１２を構成するプリント基板１３とＤＣ／ＤＣコンバータ１４を構成するプリント基板１５、もしくはＤＣ／ＤＣコンバータ１４を構成する基板１５ａ，１５ｂ同士を近接させて配置することが可能となり、各プリント基板１３，１５から発生するノイズの影響を互いに軽減するとともに、各プリント基板１３，１５の取り付け部材を兼ねることができ、装置の小型化にも寄与する。
【００１４】
なお、この発明のプリント基板の取付構造は、上記実施形態に限定されるものではなく、プリント基板の取り付け方向や位置、金属板との接続方法は適宜設定可能なものである。また、一つのアクティブフィルタを構成するプリント基板に、複数のＤＣ／ＤＣコンバータを構成するプリント基板を平行に配置して、接続を行う場合も、上記実施形態と同様に接続可能であり、同様の効果を有する。
【００１５】
【発明の効果】
この発明のプリント基板の接続構造は、金属板で各プリント基板の端子接続部を接続することにより、寄生インダクタンス等の悪影響を最小限に抑えることができるとともに、電線による場合と比較して、電流経路の断面積を大きくすることができる。さらに、複数のプリント基板の電気的接続及び固定を、容易かつ確実に行うことができる。
【００１６】
また、プリント基板間に電磁波遮蔽板を設けたので、特にスイッチング電源装置においては、アクティブフィルタを構成するプリント基板とＤＣ／ＤＣコンバータを構成するプリント基板、もしくはＤＣ／ＤＣコンバータを構成する基板同士を近接させて配置することが可能となる。
【００１７】
そして、この発明のプリント基板の接続構造によれば、複数のプリント基板を備えた回路全体を低インダクタンス化することが可能であり、回路を安定に動作させることができる。従って、複数のプリント基板を備えた装置全体を小型化、低コスト化することができ、部品の効率的な配置が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図１】この発明の一実施形態のプリント基板の接続構造を示す正面図である。
【図２】この発明の一実施形態のプリント基板の接続構造の他の例を示す斜視図である。
【図３】従来のプリント基板の接続構造の平面図である。
【図４】従来のプリント基板の接続構造の他の例を示す斜視図である。
【図５】従来のプリント基板の接続構造の他の例を示す斜視図である。
【図６】従来のプリント基板の接続構造の他の例を示す斜視図である。
【符号の説明】
１２ アクティブフィルタ
１３，１５ プリント基板
１４ ＤＣ／ＤＣコンバータ
１８，１９ 実装部品
２０ 端子取付部
２１，２２ 金属板
２４ ネジ
２６ 電磁波遮蔽板

Claims (3)

1. 複数のプリント基板を互いに対面させて並べ、各プリント基板の端縁部に実装部品の端子取付部を設け、各端子取付部に跨って帯状の金属板を掛け渡し、この金属板により各端子を電気的に接続したことを特徴とするプリント基板の接続構造。
2. 上記金属板には、所定箇所に透孔が形成され、この透孔にネジを挿通して、上記プリント基板の端子取付部に上記金属板をネジ止めすることを特徴とする請求項１記載のプリント基板の接続構造。
3. 対面して並べた各プリント基板間に、電磁波遮蔽板を配置し、各プリント基板間のノイズを遮蔽したことを特徴とする請求項１記載のプリント基板。

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