JP3776748B2 - 積層鉄心及びその製造方法並びに変圧器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、珪素綱帯を用いた積層鉄心及びその製造方法並びに積層鉄心を用いた変圧器に関する。
【0002】
【従来の技術】
図6は、従来の変圧器に用いられる三相三脚の積層鉄心を示す。即ち、積層鉄心1は、左、右の脚部2、2、中央脚部3及び上、下の継鉄部4、4を接合して構成されており、これらは、珪素綱帯を所定枚数積層して構成されている。鉄損特性をを改善した珪素綱帯としては、圧延方向の磁化特性が良好な一方向性珪素綱帯があり、例えば、電力用変圧器においては、一般に一方向性珪素綱帯が使用されている。図6においては、脚部2、中央脚部3及び継鉄部4の圧延方向を矢印A、B及びCで示す。
【0003】
又、一方向性珪素綱帯の特性を最大限に活用するために、図6においては、脚部2及び継鉄部4の接合部を斜めに切断し、磁束ができるだけ圧延方向(磁化容易方向)に通るようにしている。そして、三相三脚の積層鉄心1においては、中央脚部3と継鉄部4との接合部はT形接合部5を構成しており、このT形接合部5においても、磁束の通りをよくするために、斜め切断が採用されている。具体的には、中央脚部3の端部を略三角山形に切断し、継鉄部4の中央部を略V形に切欠切断するものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来の構成では、図7に示すように、左、右の脚部2、2を磁束6が循環する励磁位相の時には、その磁束6がT形接合部5の圧延方向に沿う形で中央脚部3に侵入する。この磁束6の中央脚部3への侵入は、T形接合部5の鉄損や励磁騒音の増大を招き、高価な一方向性珪素鋼板を用いているにも関わらず鉄心としての特性低下を招いていた。
【0005】
本発明は上述の事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、T形接合部の磁束の流れを改善することにより当該接合部の鉄損や励磁騒音の増大を極力抑制することができる積層鉄心、及び、その積層鉄心の合理的な製造方法、並びに、上記積層鉄心を用いた変圧器を提供するにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の積層鉄心は、脚部と継鉄部とのなすT形接合部に、前記脚部の端部に略V形の切欠部を形成すると共に前記継鉄部に略V形の切欠部をその圧延方向に対して略直交する幅方向の寸法の一部に相当する深さで形成し、それら切欠部に二方向性珪素綱帯の切片を嵌合して用い、その他の部分には一方向性珪素綱帯を用いたところに特徴を有する。
このような構成によれば、脚部と継鉄部とのなすT形接合部に二方向性珪素綱帯を用いたので、磁束がT形接合部を構成する脚部を通らない励磁位相の時にその磁束が脚部に侵入することを極力防止することができ、従って、T形接合部において発生する鉄損や励磁騒音を低減することができる。
【0007】
請求項2記載の積層鉄心は、脚部と継鉄部とのなすT形接合部に、前記継鉄部に略V形の切欠部をその圧延方向に対して略直交する幅方向の寸法の一部に相当する深さで形成し、前記脚部の端部に二方向性珪素綱帯の切片の一端側を接合すると共に前記継鉄部の前記切欠部に前記二方向性珪素綱帯の切片の他端側を嵌合して用い、その他の部分には一方向性珪素綱帯を用いたところに特徴を有する。
【0008】
請求項3記載の積層鉄心は、二方向性珪素綱帯は略三角形状又は四角形状の切片とし、この切片と接合する脚部及び継鉄部に部分的なラップ代を設けたところに特徴を有する。
このような構成によれば、切片とラップ代の存在により脚部と継鉄部とを合理的に組合わせることができる。
【0009】
請求項4記載の積層鉄心は、二方向性珪素綱帯の切片の二つの方向のうち、一方は脚部の方向に及び他方は継鉄部の方向に夫々略一致しているところに特徴を有する。
このような構成によれば、T形接合部を構成する脚部を磁束が通らない励磁位相の時とその脚部を磁束が通る励磁位相の時との双方に効果的に対処することができて、いずれの時にも磁束を通したい方向に円滑に通すことができる。
【0010】
請求項5記載の積層鉄心は、二方向性珪素綱帯の脚部の端部に略三角形状の嵌合部を形成すると共に、一方向性珪素綱帯の継鉄部に略V形の切欠部をその圧延方向に対して略直交する幅方向の寸法の一部に相当する深さで形成し、前記嵌合部を前記切欠部に嵌合して前記脚部と前記継鉄部とをT形に接合してなる構成に特徴を有する。
このような構成によれば、請求項1と同様の作用効果が得られ、しかも、形態上は従来と変わりはないので、構成がシンプルになる。
【0011】
請求項6記載の積層鉄心の製造方法は、T形接合部を構成する脚部の端部に略V形の切欠部を設けると共にT形接合部を構成する継鉄部に略V形の切欠部をその圧延方向に対して略直交する幅方向の寸法の一部に相当する深さで設け、前記脚部の前記切欠部に二方向性珪素綱帯の切片を嵌合して装着し、しかる後、前記継鉄部の前記切欠部を組合わせるようにしたところに特徴を有する。
このような構成によれば、積層鉄心を合理的に製造することができる。
【0012】
請求項7記載の積層鉄心の製造方法は、T形接合部を構成する継鉄部に略V形の切欠部をその圧延方向に対して略直交する幅方向の寸法の一部に相当する深さで設け、前記脚部の端部に二方向性珪素綱帯の切片を接合して装着し、しかる後、前記継鉄部の前記切欠部を組合わせるようにしたところに特徴を有する。
請求項8記載の積層鉄心の製造方法は、T形接合部を構成する継鉄部に略V形の切欠部を設け、この切欠部に二方向性珪素綱帯の切片を装着し、しかる後、脚部を組合わせるようにしたところに特徴を有する。
このような構成によっても、請求項6及び7と同様の効果を得ることができる。
請求項9記載の変圧器は、請求項1乃至5のいずれかに記載の積層鉄心を用いたところに特徴を有する。
このような構成によれば、電力損失の低減を図ることができて、電力消費量を節減することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の第1の実施例につき、図1乃至図3を参照して説明する。
まず、図1には変圧器に用いられる三相三脚の積層鉄心を示す。即ち、積層鉄心10は、左、右の脚部11、11、中央脚部12及び上、下の継鉄部13、13を接合して構成されており、これらは、厚さ0.23乃至0.3mm程度の一方向性珪素綱帯を所定枚数積層して構成されている。図1においては、脚部11、中央脚部12及び継鉄部13の圧延方向(磁化容易方向)を矢印A、B及びCで示す。
【0014】
脚部11と継鉄部13との接合部は、互いの端部を斜めに切断し且つその継目が積層毎に交互にずれて重なるように部分的なラップ代14が設けられていて、ラップジョイント方式が採用されている。中央脚部12と継鉄部13との接合部は、T形接合部15に構成されている。T形接合部15は、具体的には、中央脚部12の端部に略V形の切欠部16が形成され、継鉄部12の中央部に略V形の切欠部17が形成され、これらの切欠部16、17に略四角形状の切片18が嵌合されて構成されている。この場合、切片18は、直交する圧延方向b、cを有する厚さ0.23乃至0.3mm程度の二方向性珪素綱帯を所定枚数積層して構成されており、中央脚部12及び継鉄部13には夫々の継目が積層毎に交互にずれて重なるように部分的なラップ代19、20が設けられていて、ラップジョイント方式が採用されている。そして、切片18の二つの圧延方向b、cにおいて、一方の圧延方向bは中央脚部12の圧延方向Bと略一致し、他方の圧延方向cは継鉄部13圧延方向Cと略一致するように設定されている。
【0015】
尚、二方向性珪素綱帯は、例えば回転電機のような磁束が複雑に変動する電気機器の鉄心に用いられるもので、無方向性珪素綱帯に比べて鉄損を低減することができるものとして知られている。
【0016】
次に、この積層鉄心10の第1の製造方法及び該積層鉄心10を用いた変圧器について図2を参照して説明する。
図2には、下部の継鉄部13の左、右の両端部に左、右の脚部11、11の下端部が接合され、下部の継鉄部13の中央部に中央脚部12の下端部が下部の切片18を介して接合され、そして、中央脚部12の上端部の切欠部16に上部の切片18の下半部が嵌合装着された状態が示されている。この状態において、左、右の脚部11、11及び中央脚部12に、一次巻線及び二次巻線を同心状に巻回してなる円筒状の巻線体(いずれも図示せず)が上方から嵌込み装着され、しかる後、上部の継鉄部13の左、右の両端部が左、右の脚部11、11の上端部に接合され、且つ、切欠部17が上部の切片18の上半部に嵌合装着されることにより、上部の継鉄部13が左、右の脚部11、11及び中央脚部12に組合わされ、以て、変圧器本体が構成される。そして、この変圧器本体が絶縁ガス或いは絶縁油とともにタンク内に収納されて変圧器が構成される。
【0017】
更に、積層鉄心10の第2の製造方法及び該積層鉄心10を用いた変圧器について図3を参照して説明する。
図3には、下部の継鉄部13の左、右の両端部に左、右の脚部11、11の下端部が接合され、下部の継鉄部13の中央部に中央脚部12の下端部が下部の切片18を介して接合され、そして、上部の継鉄部13の切欠部17に上部の切片18の上半部が嵌合装着された状態が示されている。この状態において、左、右の脚部11、11及び中央脚部12に、一次巻線及び二次巻線を同心状に巻回してなる円筒状の巻線体が上方から嵌込み装着され、しかる後、上部の継鉄部13の左、右の両端部が左、右の脚部11、11の上端部に接合され、且つ、上部の切片18の下半部が中央脚部12の上部の切欠部16に嵌合装着されることにより、上部の継鉄部13に左、右の脚部11、11及び中央脚部12が組合わされ、以て、変圧器本体が構成される。そして、この変圧器本体が絶縁ガス或いは絶縁油とともにタンク内に収納されて変圧器が構成される。
【0018】
このように本実施例によれば、中央脚部12と継鉄部13とのなすT形接合部15の切片18に二方向性珪素鋼帯を用い、その他の部分たる脚部11、中央脚部12及び継鉄部13に一方向性珪素鋼帯を用いるようにしたので、磁束が左、右の脚部11、11を循環する換言すれば中央脚部12を通らない励磁位相の時において、磁束が切片18の圧延方向cに通り易くなって、中央脚部12に侵入することを極力防止することができ、従って、T形接合部15において発生する鉄損や励磁騒音を低減することができる。
【0019】
又、T形接合部15の二方向性珪素綱帯からなる切片18を略四角形状とし、この切片18と接合する中央脚部12及び継鉄部13の切欠部16及び17に部分的なラップ代19及び20を設けようにしたので、中央脚部12と継鉄部13とを位置ずれなく合理的に組合わせることができる。
【0020】
更に、T形接合部15の切片18の二つの圧延方向b、cのうち、一方の圧延方向bを中央脚部12の圧延方向Bと略一致させ、他方の圧延方向cを継鉄部13の圧延方向Cと略一致させるようにしたので、T形接合部15を構成する中央脚部12を磁束が通らない(左、右の脚部11、11を磁束が循環する)励磁位相の時とその中央脚部12を磁束が通る励磁位相の時との双方の時に効果的に対処することができて、いずれの時にも磁束を通したい方向に円滑に通すことができる。
【0021】
しかも、積層鉄心10の組立て製造に際しては、図2に示すように、中央脚部12の上部の切欠部16に切片18を装着した状態で上部の継鉄部13を左、右の脚部11、11及び中央脚部12に組合わせ、或いは、図3に示すように、上部の継鉄部13の切欠部17に切片18を装着した状態で左、右の脚部11、11及び中央脚部12を上部の継鉄部13に組合わせるようにしたので、積層鉄心10を合理的に製造することができる。
【0022】
そして、上記構成の積層鉄心10に一次巻線及びに二次巻線からなる巻線体を巻装して変圧器本体を構成し、この変圧器本体を絶縁ガス或いは絶縁油とともにタンク内に収納して変圧器を構成するようにしたので、変圧器として電力損失の低減を図ることができ、電力消費量を節減し得る。
【0023】
図4は本発明の第2の実施例であり、図1と同一部分には同一符号を付して示し、以下異なる部分について説明する。
積層鉄心21において、継鉄部13とT形接合部22を構成する中央脚部23の端部は、前記中央脚部13とは異なり平坦面をなしている。この中央脚部23も厚さ0.23乃至0.3mmの一方向性珪素綱帯を所定枚数積層して構成されており、圧延方向を符号Bで示す。切片18に代わる切片24は、略三角形状に形成されたもので、底辺部が中央脚部23の端部に接合され、二辺部が継鉄部13の切欠部17に嵌合されている。この場合、切片24は、直交する圧延方向b、cを有する厚さ0.23乃至0.3mm程度の二方向性珪素綱帯を所定枚数積層して構成されており、中央脚部23及び継鉄部13には夫々の継目が積層毎に交互にずれて重なるように部分的なラップ代25、26が設けられていて、ラップジョイント方式が採用されている。そして、切片24の二つの圧延方向b、cにおいて、一方の圧延方向bは中央脚部23の圧延方向Bと略一致し、他方の圧延方向cは継鉄部13の圧延方向Cと略一致するように設定されている。
【0024】
而して、積層鉄心21を組立て製造する第1の製造方法としては、例えば図2に示すと同様に、下部の継鉄部13の左、右の両端部に左、右の脚部11、11の下端部が接合され、下部の継鉄部13の中央部に中央脚部23の下端部が下部の切片24を介して接合され、そして、中央脚部23の上端部に上部の切片24の底辺部が嵌合装着された状態にし、この状態において、左、右の脚部11、11及び中央脚部23に、一次巻線及び二次巻線を同心状に巻回してなる円筒状の巻線体(いずれも図示せず)が上方から嵌込み装着され、しかる後、上部の継鉄部13の左、右の両端部が左、右の脚部11、11の上端部に接合され、且つ、切欠部17が上部の切片24の二辺部に嵌合装着されることにより、上部の継鉄部13が左、右の脚部11、11及び中央脚部23に組合わされ、以て、変圧器本体が構成される。そして、この変圧器本体が絶縁ガス或いは絶縁油とともにタンク内に収納されて変圧器が構成される。
【0025】
更に、積層鉄心21を組立て製造する第2の製造方法としては、図3に示すと同様に、下部の継鉄部13の左、右の両端部に左、右の脚部11、11の下端部が接合され、下部の継鉄部13の中央部に中央脚部23の下端部が下部の切片24を介して接合され、そして、上部の継鉄部13の切欠部17に上部の切片24の二辺部が嵌合装着された状態にし、この状態において、左、右の脚部11、11及び中央脚部23に、一次巻線及び二次巻線を同心状に巻回してなる円筒状の巻線体が上方から嵌込み装着され、しかる後、上部の継鉄部13の左、右の両端部が左、右の脚部11、11の上端部に接合され、且つ、上部の切片24の底辺部が中央脚部23の上部の上端部に嵌合装着されることにより、上部の継鉄部13に左、右の脚部11、11及び中央脚部23が組合わされ、以て、変圧器本体が構成される。そして、この変圧器本体が絶縁ガス或いは絶縁油とともにタンク内に収納されて変圧器が構成される。
【0026】
この第2の実施例によれば、中央脚部23と継鉄部13とのなすT形接合部22の切片24に二方向性珪素鋼帯を用い、その他の部分たる脚部11、中央脚部23及び継鉄部13に一方向性珪素鋼帯を用いるようにしたので、磁束が左、右の脚部11、11を循環する換言すれば中央脚部23を通らない励磁位相の時において、磁束が切片24の圧延に方向cに通り易くなって、中央脚部23に侵入することを極力防止することができる。従って、この第2に実施例によっても前記第1の実施例と同様の作用効果を得ることができる。
【0027】
図5は本発明の第3の実施例であり、図1と同一部分には同一符号を付して示し、以下異なる部分について説明する。
積層鉄心27において、継鉄部13とT形接合部28を構成する中央脚部29の端部には、略三角形状の嵌合部30が形成されている。この中央脚部29は、厚さ0.23乃至0.3mmの二方向性珪素綱帯を所定枚数積層して構成されており、圧延方向を矢印b、cで示す。そして、中央脚部29の嵌合部30は、継鉄部13の切欠部17に嵌合されており、継目が積層毎に交互にずれて重なるように部分的なラップ代31が設けられていて、ラップジョイント方式が採用されている。
【0028】
積層鉄心27を組立て製造する製造方法としては、下部の継鉄部13の左、右の両端部に左、右の脚部11、11の下端部が接合され、下部の継鉄部13の切欠部17に中央脚部29の下部の嵌合部30が接合された状態にし、この状態において、左、右の脚部11、11及び中央脚部29に、一次巻線及び二次巻線を同心状に巻回してなる円筒状の巻線体が上方から嵌込み装着され、しかる後、上部の継鉄部13の左、右の両端部が左、右の脚部11、11の上端部に接合され、且つ、上部の継鉄部13の切欠部17が中央脚部29の上部の嵌合部30に嵌合されることにより、上部の継鉄部13が左、右の脚部11、11及び中央脚部29に組合わされ、以て、変圧器本体が構成される。そして、この変圧器本体が絶縁ガス或いは絶縁油とともにタンク内に収納されて変圧器が構成される。
【0029】
この第3の実施例によれば、継鉄部13とT形接合部28を構成する中央脚部29に二方向性珪素鋼帯を用いるようにしたので、磁束が左、右の脚部11、11を循環する換言すれば中央脚部29を通らない励磁位相の時において、磁束が嵌合部30の圧延に方向cに通り易くなって、中央脚部29に侵入することを極力防止することができる。従って、この第3に実施例によっても前記第1の実施例と同様の作用効果を得ることができる。特に、積層鉄心27は、形態上は従来の積層鉄心1(図1参照)と変わりがないので、構成がシンプルになり、小形の積層鉄心に適する。
【0030】
尚、上記実施例は、本発明を三相三脚の積層鉄心に適用して場合であるが、例えば三相五脚の積層鉄心に適用してもよく、要は、脚部と継鉄部によりT形接合部が構成される積層鉄心であればよい。
その他、本発明は上記し且つ図面に示す実施例に限定されるものではなく、要旨を逸脱しない範囲内で適宜変形して実施し得ることは勿論である。
【0031】
【発明の効果】
本発明の積層鉄心は、脚部と継鉄部とのなすT形接合部に二方向性珪素綱帯を用いたので、磁束がT形接合部を構成する脚部を通らない励磁位相の時にその磁束が脚部に侵入することを極力防止することができ、従って、T形接合部において発生する鉄損や励磁騒音を低減することができる。
【0032】
本発明の変圧器は、上記積層鉄心を用いたことにより、電力損失の低減を図ることができて、電力消費量を節減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例を示す積層鉄心の正面図
【図2】積層鉄心の第1の製造方法を説明するための図
【図3】積層鉄心の第2の製造方法を説明するための図
【図4】本発明の第2の実施例を示す図1相当図
【図5】本発明の第3の実施例を示す図1相当図
【図6】従来例を示す図1相当図
【図7】作用を説明するための図
【符号の説明】
図面中、10は積層鉄心、11は脚部、12は中央脚部、13は継鉄部、15はT形接合部、16及び17は切欠部、18は切片、19及び20はラップ代、21は積層鉄心、22はT形接合部、23は中央脚部、24は切片、25及び26はラップ代、27は積層鉄心、28はT形接合部、29は中央脚部、30は嵌合部、31はラップ代を示す。
Claims (9)
- 脚部と継鉄部とのなすT形接合部に、前記脚部の端部に略V形の切欠部を形成すると共に前記継鉄部に略V形の切欠部をその圧延方向に対して略直交する幅方向の寸法の一部に相当する深さで形成し、それら切欠部に二方向性珪素綱帯の切片を嵌合して用い、その他の部分には一方向性珪素綱帯を用いたことを特徴とする積層鉄心。
- 脚部と継鉄部とのなすT形接合部に、前記継鉄部に略V形の切欠部をその圧延方向に対して略直交する幅方向の寸法の一部に相当する深さで形成し、前記脚部の端部に二方向性珪素綱帯の切片の一端側を接合すると共に前記継鉄部の前記切欠部に前記二方向性珪素綱帯の切片の他端側を嵌合して用い、その他の部分には一方向性珪素綱帯を用いたことを特徴とする積層鉄心。
- 二方向性珪素綱帯は略三角形状又は四角形状の切片とし、この切片と接合する脚部及び継鉄部に部分的なラップ代を設けたことを特徴とする請求項1又は2記載の積層鉄心。
- 二方向性珪素綱帯の切片の二つの方向のうち、一方は脚部の方向に及び他方は継鉄部の方向に夫々略一致していることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の積層鉄心。
- 二方向性珪素綱帯の脚部の端部に略三角形状の嵌合部を形成すると共に、一方向性珪素綱帯の継鉄部に略V形の切欠部をその圧延方向に対して略直交する幅方向の寸法の一部に相当する深さで形成し、前記嵌合部を前記切欠部に嵌合して前記脚部と前記継鉄部とをT形に接合してなることを特徴とする積層鉄心。
- T形接合部を構成する脚部の端部に略V形の切欠部を設けると共にT形接合部を構成する継鉄部に略V形の切欠部をその圧延方向に対して略直交する幅方向の寸法の一部に相当する深さで設け、前記脚部の前記切欠部に二方向性珪素綱帯の切片を嵌合して装着し、しかる後、前記継鉄部の前記切欠部を組合わせるようにしたことを特徴とする積層鉄心の製造方法。
- T形接合部を構成する継鉄部に略V形の切欠部をその圧延方向に対して略直交する幅方向の寸法の一部に相当する深さで設け、前記脚部の端部に二方向性珪素綱帯の切片を接合して装着し、しかる後、前記継鉄部の前記切欠部を組合わせるようにしたことを特徴とする積層鉄心の製造方法。
- T形接合部を構成する継鉄部に略V形の切欠部を設け、この切欠部に二方向性珪素綱帯の切片を装着し、しかる後、脚部を組合わせるようにしたことを特徴とする積層鉄心の製造方法。
- 請求項1乃至5のいずれかに記載の積層鉄心を用いたことを特徴とする変圧器。
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