JP3776640B2 - 電子写真式画像形成装置用クリーニングブレード - Google Patents

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真式画像形成装置用クリーニングブレードに関し、特に、電子写真法において感光体や転写ベルトなど、トナー像が形成され且つその後当該トナー像を転写材に転写するトナー像担持体上のトナーを除去するクリーニングブレードに関する。
【０００２】
【従来の技術】
一般に電子写真プロセスでは、電子写真感光体に対して、少なくとも帯電、露光、現像、転写およびクリーニングの各プロセスが実行される。かかる電子写真プロセスでは、トナーの逆帯電、感光体表面の凹凸や汚れ、転写器のエネルギー不足等により、感光体表面上のトナーをすべて転写材に移動させることはできず、感光体表面にトナーが残留する。この残留トナーは、次のサイクルの感光体の露光プロセスにて感光体の光放電を遮蔽して、鮮明なコピー画像の形成を阻害するので、転写プロセス後のクリーニングプロセスは非常に重要なプロセスである。
【０００３】
現在、主流となっているクリーニング方法は、クリーニングブレードを用いた方法であるが、かかるクリーニングブレードは、所定の力で感光体に押し付けて使用するので、ある程度の高弾性が必要であり、また、使用環境による特性変化が小さいものが好ましい。
【０００４】
そこで、従来、環境依存性を低減するために、例えば、ｔａｎδのピーク温度ができるだけ低温領域となる熱硬化性ポリウレタンエラストマを処方していた。すなわち、このようなエラストマは、ｔａｎδのピークトップが低温域にあるほど、例えば、０℃〜４０℃の使用環境内で物性の変化が少ないので、クリーニング特性が良好であろうという認識に基づくものである。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、現実的には、使用される低温環境下でクリーニング特性が極端に低下するという問題がある。
【０００６】
本発明はこのような事情に鑑み、環境が変化しても十分に安定したクリーニング特性が得られる電子写真式画像形成装置用クリーニングブレードを提供することを課題とする。
【０００７】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決する本発明は、ｔａｎδ（１Ｈｚ）のピーク温度が−１０℃より低く、ピークの半価幅が３０度以下であり、且つ複素弾性率の外挿から求められるゴム領域の低温側の終了点が０℃より低い熱硬化性ポリウレタンゴムからなる電子写真式画像形成装置用クリーニングブレードにある。
【０００８】
ここで、前記熱硬化性ポリウレタンゴムのｔａｎδ（１Ｈｚ）のピーク温度は、−１５℃より低いのが好ましい。
【００１２】
本発明は、ｔａｎδのピーク温度を低温域に設定すると共にできるだけシャープなピークにし、且つ複素弾性率のゴム領域ができるだけ低温域までになるようにすることにより、使用領域の低温域でも弾性、硬度の変化が少なく、クリーニング特性などの電子写真特性が安定するという知見に基づくものである。
【００１３】
本発明では、ｔａｎδのピーク温度を−１０℃より低く、好ましくは−１５℃より低く、より好ましくは、−２０℃より低く設定し、ピークの半価幅を３０度以下、好ましくは、２０度以下とし、且つ複素弾性率の外挿により求められるゴム領域の低温側の終了点が０℃より低いように設定する。この条件を満たすｔａｎδ特性及び複素弾性率を有する熱硬化性ポリウレタンゴムは、例えば、０℃〜４０℃程度の使用温度領域で安定したクリーニング特性を有するからである。
【００１４】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を実施例に基づいて説明する。
【００１５】
図１には、実施例に係る電子写真用ブレードのｔａｎδ特性を示すグラフである。また、図２には複素弾性率のグラフを示す。なお、ｔａｎδ及び複素弾性率は、ＪＩＳ Ｋ７１９８に基づいて測定した。
【００１６】
図１に示すように、ｔａｎδのピーク温度が−２１℃で、半価幅が２０度の電子写真用ブレード（実施例１）について、実機でクリーニング、帯電及び現像テストを実施したところ、０℃及び４０℃の何れの条件でも優れたクリーニング特性、帯電特性及び現像特性を有することが認められた。なお、実施例１の複素弾性率の外挿により求めたゴム領域の低温側の終了点は、−９℃であった。
【００１７】
一方、比較のため、ｔａｎδのピーク温度が約−４℃で、半価幅が約２５度の電子写真用ブレード（比較例１とする）と、ｔａｎδのピーク温度が約−８℃で、半価幅が約３０度の電子写真用ブレード（比較例２とする）にも、同様にクリーニング、帯電及び現像テストを行ったところ、０℃でのクリーニング特性、帯電特性及び現像特性が十分でないことが認められた。なお、比較例１及び２の複素弾性率の外挿により求めたゴム領域の低温側の終了点は、それぞれ２℃及び９℃であった。
【００１８】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の電子写真式画像形成装置用クリーニングブレードは、ｔａｎδのピーク温度が−１０℃より低く、ピークの半価幅が３０度以下であるので、例えば、０℃〜４０℃の使用温度範囲で十分に安定したクリーニング特性を有するという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図１】電子写真用ブレードのｔａｎδ特性を示すグラフである。
【図２】電子写真用ブレードの複素弾性率を示すグラフである。

Claims (2)

1. ｔａｎδ（１Ｈｚ）のピーク温度が−１０℃より低く、ピークの半価幅が３０度以下であり、且つ複素弾性率の外挿から求められるゴム領域の低温側の終了点が０℃より低い熱硬化性ポリウレタンゴムからなる電子写真式画像形成装置用クリーニングブレード。
2. 請求項１において、前記熱硬化性ポリウレタンゴムのｔａｎδ（１Ｈｚ）のピーク温度が、−１５℃より低いことを特徴とする電子写真式画像形成装置用クリーニングブレード。

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