JP3776140B2 - 遊技制御装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、遊技制御装置に係り、例えば、パチンコ遊技機、回動式遊技機、ジャン球遊技機、アレンジボール等の遊技機の遊技動作を制御する遊技制御装置に関する。
【0002】
〔発明の背景〕
近年、例えば、パチンコ遊技機等の遊技機においては、遊技領域の略中央に配置される特別図柄表示装置での可変表示ゲームにより遊技の興趣が高められている。
【0003】
この可変表示ゲームは、例えば、所定の遊技条件が成立した場合に、特別図柄表示装置に表示される図柄が変動表示を開始するとともに、所定時間後に変動が停止し、停止時の図柄が特定図柄で揃っていた場合を大当たりとするものが一般的であり、このような可変表示ゲームにおいては、大当たりの決定や、停止時の図柄の決定等は、確率的要素が盛り込まれ、偶然性を伴うことにより、遊技に対する興趣を盛り上げている。
【0004】
このため、大当たりの決定や、停止図柄の決定等には、一様性及び不規則性を伴う乱数が用いられ、このような乱数の生成を含む遊技動作の各種制御は、遊技制御装置によって行われている。
【0005】
【従来の技術】
従来、例えば、パチンコ遊技機等に代表される遊技機では、遊技球の入賞に基づいて、チューリップ型入賞具等を開放することにより、遊技球の入賞率を高めていたが、近時における遊技機では、予めROM内に格納された遊技制御プログラムに従い、遊技制御プログラムによって生成された乱数値を所定の入賞口への入賞タイミングに基づいて抽出するとともに、この抽出した乱数値が特定値と一致するか否かを判定し、一致した場合、大入賞口を開放することにより、遊技球の入賞率を高めるようになっており、遊技機の持つ遊技性は、遊技制御プログラムに負うところが大きくなっている。
【0006】
これは、遊技制御プログラムによって生成される乱数の範囲を限定したり、判定回数や判定用の特定値の数を増減したり、というように遊技制御プログラムを変更することで、盤面上の釘調整を行わなくても容易に出玉の調整が可能となることを意味している。
【0007】
現在、市場に出ている遊技機は、遊技制御プログラムが所定の基準を満たしているか否かを検定する第三者検定機関に申請を行い、検定の結果、基準に適合して販売許可が得られたものであり、許可対象となったROM内の遊技制御プログラムを勝手に変えることは許されていない。
【0008】
ところが、遊技制御プログラムが格納されているROMは、演算処理を行うCPUと別体でソケットに着脱自在に設けられていたため、検定に合格した遊技機がメーカから遊技店(ホール)に設置された後では、遊技店(ホール)側で、本来の遊技制御プログラムが格納されているROMを、改ざんした遊技制御プログラムが格納されているROM(以下、裏ROMという)に交換することが比較的容易に実現できる状態となっている。
【0009】
そこで、遊技機に対して裏ROMの搭載を防止するため、容易に遊技制御プログラムの読み出し・解析ができないように、遊技制御プログラムが格納されるROM自体を演算処理を行うCPUと同一チップ内に設けた遊技機専用のマイクロプロセッサを作成することが提案されている。
【0010】
これは、ROMだけを取り外して遊技制御プログラムの読み出し・解析を行うことができないようにすることで、遊技制御プログラムの改ざんを防止し、また、遊技専用のマイクロプロセッサとすることで、関係者以外の入手を困難なものとし、さらに、専用のプログラム書き込み装置を用意しなければ遊技制御プログラムの書き込みもできないようにするものである。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような遊技機専用のマイクロプロセッサを搭載する遊技制御装置を作成した場合、以下に述べるような問題点があった。
【0012】
すなわち、例えば、メーカがマイクロプロセッサ内のROMに一旦書き込んだ遊技制御プログラムの確認をするときや、遊技店(ホール)に設置された後に、第三者検査機関によりマイクロプロセッサ内のROMに正規の遊技制御プログラムが書き込まれているか否かをチェックするとき等のように、作成したマイクロプロセッサのROM内に格納された遊技制御プログラムは、必要に応じて読み出すことができるようにしておく必要があり、このため、マイクロプロセッサ内に、所定の入力に基づいて遊技制御プログラムを外部に出力するプログラムを内蔵するとともに、遊技制御プログラムを外部に出力するための専用データ出力端子を設けることが要求される。
【0013】
また、専用データ出力端子は、一般に導電性金属端子により構成され、また、通常の遊技機動作時には空き端子となるため、ノイズの侵入源となりやすいという新たな問題点が生じてくる。
【0014】
すなわち、パチンコ遊技機では、遊技球が導電体である鉄(Fe)により構成され、さらに、この遊技球の移動経路にはプラスチック材やセルロイド材が多用されていることから静電気が発生し易く、遊技球に電荷が溜まり易い。
【0015】
特に、遊技球は島設備内を下から上へと循環して各遊技機に供給されることから、例えば、島設備内の遊技球の循環機や、遊技球のタンク等のように遊技球が大量に移動・停止を繰り返す場所や、発射レールを伝わって遊技領域内に放たれる領域のように遊技球の移動量が大きな場所等では静電気が発生し易く、遊技球の移動のある場所は、その多少にかかわらず静電気の発生源となり得る。
【0016】
一般に、遊技制御装置内のマイクロプロセッサ等は、静電気による放電現象のように、短い周期で高電圧となるパルス性のノイズ(以下、単にパルス性ノイズという)に非常に弱く、静電気によるパルス性ノイズが原因で、回路の誤動作や動作停止等の数々の障害が発生する。
【0017】
このため、マイクロプロセッサ内のCPUの出力部分に直接接続される専用データ出力端子を無防備にさらしておくことは、遊技制御装置の動作上好ましくない。
【0018】
上記問題点に鑑み、本発明は、記憶部及び制御部を同一チップ内に有するマイクロプロセッサに対して外部端子を設けつつ、外部端子からのパルス性ノイズの侵入を抑えることを目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載する発明は、
所定の遊技情報を記憶する記憶部と、該記憶部に記憶された遊技情報に基づいて各種遊技動作を制御する制御部とを同一チップ内に有するマイクロプロセッサを備え、該マイクロプロセッサを、上ケースと下ケースとからなる筐体内の基板上に配設した遊技制御装置であって、前記制御部に対して外部から入力される所定の制御信号に基づいて、該制御部により前記記憶部に記憶された遊技情報を外部に出力する外部端子を備え、前記外部端子は、前記マイクロプロセッサが配設される基板上で、かつ、前記筐体の内部位置に配置し、当該外部端子の導電部分を覆う端子カバーを備えていることにより、上記目的を達成している。
【0022】
この場合、請求項1に記載する発明に加えて、請求項2に記載するように、前記端子カバーの取り外しが行われたか否かを外部に報知する報知手段を備えることが有効である。また、この場合、請求項2に記載する発明に加えて、請求項3に記載するように、前記報知手段は、前記端子カバーに貼付され、開封時に特定図形が貼付位置に残存する封印シールであることが有効である。
【0023】
【作用】
請求項1記載の発明によれば、同一チップ内に記憶部と制御部とを有するマイクロプロセッサの制御部により外部から入力される所定の制御信号に基づいて記憶部に記憶された遊技情報を外部に出力する外部端子が設けられ、この外部端子が筐体内部位置に配置されている。これによって、静電気によるノイズからの影響が抑えられる。
【0024】
また、外部端子の導電部分を覆う端子カバーを備えているので、外部端子が裸状態で露出することがなくなるため、静電気によるノイズからの影響が抑えられる。
【0026】
請求項2記載の発明によれば、報知手段により端子カバーの取り外しが行われたか否かが外部に報知されることにより、前述の請求項1記載の発明に加えて、外部端子から遊技情報の読み出しが行われようとしたか否かが判断され、不正行動の有無が容易にチェックされる。
【0027】
請求項3記載の発明によれば、報知手段として、開封時に特定図形が貼付位置に残存する封印シールが端子カバーに貼付されることにより、前述の請求項2記載の発明に加えて、端子カバーの取り外しが行われたか否かが容易、かつ、安価にチェックされる。
【0028】
以下、本発明の好適な実施例を、図1〜図3を参照して説明する。なお、図1〜図3において、図1と同一部分には同一の符号を付す。
【0029】
まず、本実施例の構成を説明する。
【0030】
図1は、本実施例における遊技制御装置1の要部構成を示す斜視図である。
【0031】
図1において、遊技制御装置1は、制御部となるCPUコア及び記憶部となるROM,RAMを1チップLSI(Large Scale Integrated circuit)化した遊技制御専用のマイクロプロセッサ2と、マイクロプロセッサ2のROM内に格納された遊技情報である遊技制御プログラム及びデータを外部に出力するための外部出力端子(外部端子)5と、外部出力端子5の金属接点部分を覆う端子カバー6と、電界コンデンサやパワートランジスタ等からなる電源部21と、LSI,トランジスタ,コンデンサ,抵抗等からなる補助制御部22と、遊技情報出力端子部23とを備え、これらが1枚のプリント配線基板上に配設されている。
【0032】
CPUコアは、他の各種回路を制御する遊技制御装置1の中枢をなす8ビットのマイクロプロセッサコアであり、リセット割込処理により、1シーケンス単位でROM内に格納されたプログラム処理手順に基づいて各種プログラム処理を実行するものである。
【0033】
ROMは、CPUコアによって利用される各種制御プログラムやデータ等を格納する半導体メモリであり、RAMは、CPUにおけるプログラム処理実行中に利用されるプログラムデータ等を格納したり、遊技に関連するデータを一時的に記憶し、作業領域として利用される半導体メモリである。
【0034】
そして、このROM及びRAMは、CPUコアと同一チップ内に形成されている。
【0035】
外部出力端子5は、ROM内に格納された遊技制御プログラム及びデータを外部に出力するための端子であり、CPUコアに対して遊技制御プログラム及びデータの出力要求信号を出力することにより、出力信号が得られるようになっている。
【0036】
端子カバー6は、外部出力端子5に着脱自在に設けられたプラスチック製カバーであり、通常時には、外部出力端子5の金属端子面が外部に露出しないように外部出力端子5全体を覆うように嵌着されている。
【0037】
電源部21は、外部からコネクタを経由して供給される24Vの電源電圧を遊技制御装置1の動作のために必要な5Vの電源電圧に変換し、各電子部品に供給するものである。
【0038】
補助制御部22は、マイクロプロセッサ2と共に制御部を構成する電子回路であり、遊技情報出力端子部23は、例えば、遊技盤面のスイッチや、表示装置等に対する端子等である。
【0039】
図2は、本実施例における遊技制御装置1の取付状態を示す分解斜視図である。
【0040】
遊技制御装置1のベースとなるプリント配線基板の上面側には、筐体となる上ケース11が取り付けられるとともに、プリント配線基板は、基板固定板12によって固定されるとともに、基板固定板12の下面側に下ケース13が取り付けられ、上から上ケース11,遊技制御装置1,基板固定板12,下ケース13の順になるようにしてビス14で固着されて組み上げられる。
【0041】
このとき、上ケース11は、プリント配線基板上の各電子部品が外部から視認できるように透明のクリア樹脂から構成され、また、上ケース11の長手方向のサイズは、プリント配線基板,基板固定板12,下ケース13の各長手方向のサイズよりも小さくなっており、組み上げられた際に、遊技情報出力端子部23だけが上ケース11の外部位置に配置されるようになっている。
【0042】
これによって、外部出力端子5と上ケース11の外部位置に設けられる遊技情報出力端子部23との区別を明確に行うことができ、外部出力端子5に対する誤配線等のおそれも無い。
【0043】
図3は、端子カバー6の封印状態を示す要部斜視図である。
【0044】
前述したように、外部出力端子5には、端子カバー6が嵌着されており、さらに、図3に示すように、端子カバー6が嵌着された状態で封印シール7aが貼付されている。
【0045】
この封印シール7aは、端子カバー6を外部出力端子から外す目的ために剥がすと、封印シール7aの貼付位置に特定図形(例えば、“開封”という文字)が残存するようになっており、これによって、過去に一度でも封印シール7aを剥がしたか否かが容易に視認できるようになっている。
【0046】
したがって、端子カバー6の取り外しを行ったか否かが封印シール7aを見れば一目瞭然であり、容易、かつ、安価に端子カバー6の取り外しの有無がチェックでき、不正行為を容易に発見できる。
【0047】
以上説明したように、本実施例では、同一チップ内にCPUコア,ROM,RAMを有するマイクロプロセッサ2のCPUコアに対して、外部から情報読み出しのための制御信号が入力されると、ROMに記憶された遊技制御プログラム及びデータを外部に出力する外部出力端子5を設け、さらに、端子カバー6により外部出力端子5の導電部分を覆うことにより、外部出力端子5を裸状態で露出することがなくなり、静電気によるノイズからの影響を抑えることができる。
【0048】
また、本実施例では、ROM内に格納された遊技制御プログラム及びデータは、専用の読出機器が必要となるため、当該者以外の読み出しは困難であるが、報知手段7(本実施例では、封印シール7a)により端子カバー6の取り外しを行ったか否かを外部に報知することで、より厳格に不正行為の有無をチェックすることができる。
【0049】
以上、本発明者によってなされた発明を好適な実施例に基づき具体的に説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
【0050】
例えば、外部出力端子5及び端子カバー6の素材や形状等は、任意に変更可能であり、また、プリント配線基板上における配置位置も上ケース11内であることを条件として自由である。
【0051】
また、以上の説明では主として発明者によってなされた発明を、その背景となった利用分野であるパチンコ遊技機に適用した場合を主として説明したが、それに限定されるものではない。
【0052】
例えば、回動式遊技機、ジャン球遊技機、アレンジボール等の他の遊技機にも適用できる。
【0053】
【発明の効果】
請求項1記載の発明では、同一チップ内に記憶部と制御部とを有するマイクロプロセッサの制御部により外部から入力される所定の制御信号に基づいて記憶部に記憶した遊技情報を外部に出力する外部端子を設け、この外部端子が筐体内部位置に配置することで、静電気によるノイズからの影響が抑えられる。
【0055】
また、外部端子の導電部分を覆う端子カバーを備えているので、外部端子が裸状態で露出することがなくなるため、静電気によるノイズからの影響が抑えられる。
【0056】
請求項2記載の発明では、報知手段により端子カバーの取り外しが行われたか否かが外部に報知されることにより、前述の請求項1に記載の発明に加えて、外部端子から遊技情報の読み出しが行われようとしたか否かが判断され、不正行動の有無が容易にチェックされる。
また、請求項3記載の発明では、報知手段として、開封時に特定図形が貼付位置に残存する封印シールが端子カバーに貼付されることにより、前述の請求項2に記載の発明に加えて、端子カバーの取り外しが行われたか否かが容易、かつ、安価にチェックされる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例における遊技制御装置の要部構成を示す斜視図である。
【図2】本実施例における遊技制御装置の取付状態を示す分解斜視図である。
【図3】端子カバーの封印状態を示す要部斜視図である。
【符号の説明】
1 遊技制御装置
2 マイクロプロセッサ
5 外部出力端子
6 端子カバー
7 報知手段
7a 封印シール
11 上ケース
12 基板固定板
13 下ケース
14 ビス
21 電源部
22 補助制御部
23 遊技情報出力端子部
Claims (3)
- 所定の遊技情報を記憶する記憶部と、該記憶部に記憶された遊技情報に基づいて各種遊技動作を制御する制御部とを同一チップ内に有するマイクロプロセッサを備え、
該マイクロプロセッサを、上ケースと下ケースとからなる筐体内の基板上に配設した遊技制御装置であって、
前記制御部に対して外部から入力される所定の制御信号に基づいて、該制御部により前記記憶部に記憶された遊技情報を外部に出力する外部端子を備え、
前記外部端子は、
前記マイクロプロセッサが配設される基板上で、かつ、前記筐体の内部位置に配置し、当該外部端子の導電部分を覆う端子カバーを備えていることを特徴とする遊技制御装置。 - 前記端子カバーの取り外しが行われたか否かを外部に報知する報知手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の遊技制御装置。
- 前記報知手段は、前記端子カバーに貼付され、開封時に特定図形が貼付位置に残存する封印シールであることを特徴とする請求項2に記載の遊技制御装置。
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