JP3775563B2 - 誘導電動機の制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、巻上機の駆動源としての誘導電動機をベクトル制御により可変速制御する誘導電動機の制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図8は、この種の誘導電動機をベクトル制御により可変速制御する誘導電動機の制御装置の従来例を示すブロック図である。
【0003】
図8において、1は速度指令器、2は単一積分器、3は速度調節器、4は磁束指令値演算器、5はベクトル演算器、6は速度検出器、7は交流電源、8はインバータ、9は誘導電動機、10は負荷、21は加速度演算器、22は加速トルク演算回路、 23はトルク設定回路、24は荷重推定回路、 25はトルク演算回路、26は速度演算回路、27は速度指令値変換回路を示す。
【0004】
この誘導電動機の制御装置において、速度指令器1は誘導電動機9が運転するべき回転速度の速度指令値(N# )を指令する。単一積分器2は予め定めた加速勾配(増加値/単位時間)または減速勾配(減少値/単位時間)で前記速度指令値(N# )に達する(N* =N# )まで増加または減少させる速度設定値(N* )を出力する。速度調節器3は前記速度設定値(N* )と速度検出器6の検出値(n)との偏差を調節演算して、該偏差を零にするトルク指令値(τ* )を出力する。磁束指令値演算器4は前記検出値(n)から磁束指令値(φ* )を演算して出力する。
【0005】
また、ベクトル演算器5では前記トルク指令値(τ* )と磁束指令値(φ* )とからインバータ8をベクトル制御する制御信号を出力し、その結果、交流電源7の電力がインバータ8により所望の電圧と周波数の交流電力に変換され、このインバータ8が出力する交流電力が給電される誘導電動機9は、ベクトル制御により可変速制御することができる。
【0006】
図9は、前記速度指令値(N# )と速度設定値(N* )との関係を示すタイムチャートである。
【0007】
図9において、時刻T0 で正転方向の速度指令値(N# )が発せられると、時刻T0 から時刻T1 までの期間は、単一積分器2に設定された加速勾配(増加値/単位時間)に基づいて速度設定値(N* )を正転方向に増加させ、時刻T1 でN* =N# となり、時刻T1 から速度指令値(N# )が零にされる時刻T2 までの期間は、単一積分器2がN* (=N# )を出力し、時刻T2 から時刻T3 までの期間は、単一積分器2に設定された減速勾配(減少値/単位時間)に基づいて速度設定値(N* )の正転方向の値を減少させ、時刻T3 でN* =0となり、時刻T3 から速度指令値(N# )が逆転方向の速度指令値(N# )が発せられる時刻T4 までの期間は、単一積分器2がN* (=0)を出力し、時刻T4 から時刻T5 までの期間は、該減速勾配に基づいて速度設定値(N* )の逆転方向の値を増加させ、時刻T5 でN* =N# となり、時刻T5 から速度指令値(N# )が零にされる時刻T6 までの期間は、単一積分器2がN* (=N# )を出力し、時刻T6 から時刻T7 までの期間は、該加速勾配に基づいて速度設定値(N* )の逆転方向の値を減少させ、時刻T7 でN* =0となる。
【0008】
図10は、図8に示した従来の誘導電動機の制御装置により、誘導電動機9の負荷10として、減速機を介して巻上機を駆動するシステムの動作説明図であり、図10(イ)は巻上機の状態を示し、図10(ロ)は巻上機を昇降させる誘導電動機9の速度を示し、図10(ハ)は巻上機の昇降に伴う誘導電動機9の出力トルクを示している。
【0009】
すなわち時刻t0 以前の期間では荷重(図示のm)は地上にあり、このときには誘導電動機9は停止しており(速度=0)、且つ図示しないブレーキにより制動が掛けられている。
【0010】
先ず、時刻t0 より巻上機は巻き上げを開始するが、図10(イ)の紙面左端図は時刻t0 の巻上機の状態を示し、前記ブレーキは時刻t0 の時点で開放され、時刻t0 より時刻t1 までは前記単一積分器2に設定された加速勾配で巻上機の巻き上げ速度(v)を増加させている期間を示している。時刻t1 において
、前記速度指令値(N# )と速度設定値(N* )とが一致し、時刻t1 より時刻t2 までは巻上機の巻き上げ速度(v)が一定の期間を示している。時刻t2 より時刻t3 までは前記単一積分器2に設定された減速勾配で巻上機の巻き上げ速度(v)を減少させている期間を示している。時刻t3 より時刻t4 までは誘導電動機9は停止しており(速度=0)、且つ前記ブレーキにより制動が掛けられ、この期間では、図10(イ)の紙面中央図の如く、荷重(図示のm)は空中に停止している。
【0011】
次に、時刻t4 より時刻t5 までは前記単一積分器2に設定された減速勾配で巻上機の巻き下げ速度(v)を増加させている期間を示している。時刻t5 において、前記速度指令値(N# )と速度設定値(N* )とが一致し、時刻t5 より時刻t6 までは巻上機の巻き下げ速度(v)が一定の期間を示している。時刻t6 より時刻t7 までは前記単一積分器2に設定された加速勾配で巻上機の巻き下げ速度(v)を減少させている期間を示している。時刻t7 以降の期間では荷重(図示のm)は地上にあり、このときには誘導電動機9は停止しており(速度=0)、且つ前記ブレーキにより制動が掛けられている。図10(イ)の紙面右端図は時刻t7 の巻上機の状態を示している。
【0012】
このとき、巻上機の一定走行に必要な誘導電動機9の出力トルク(図示のτ0 )と、巻上機の加速または減速に必要な誘導電動機9の出力トルク(図示のτ0 ±τ1 )とは図10(ハ)に示す関係にある。
【0013】
次に、加速度演算回路21と、加速トルク演算回路22と、トルク設定回路23と、荷重推定回路24と、トルク演算回路25と、速度演算回路26と、速度指令値変換回路27とにより、 前記システムの運転効率を改善すべく、巻上機の荷重に対して運転可能な最大回転速度の演算について説明する。
【0014】
図11は、 誘導電動機9の負荷10としての減速機10aを介した巻上機10bと、巻上機10bの荷重(図示のm)とからなるシステムを示す構成図である。
【0015】
図11において、誘導電動機9が回転速度n〔r/min〕で回転することで、減速機10aを介して巻上機10bが回転し、荷重mは速度v〔m/min〕で上昇,下降する。前記速度設定値(N* )が増加または減少している期間、すなわち加減速時における速度調節器3の出力であるトルク指令値(τ* )と走行トルク(τ0 )と加減速必要トルク(τ1 )とには式(1)の関係がある。
【0016】
【数1】
τ* =τ0 +τ1 …(1)
この走行トルク(τ0 )は、式(2)の右辺に示す2つの成分に分解される。
【0017】
【数2】
τ0 =τ01+τ02 …(2)
ここで、τ01:荷重mに対する走行トルク
τ02:機械損補償トルク
また、加減速必要トルク(τ1 )は、式(3)の右辺に示す2つの成分に分解される。
【0018】
【数3】
τ1 =τ11+τ12 …(3)
ここで、τ11:荷重mに対する加減速必要トルク
τ12:電動機と巻上機に対する加減速必要トルク
上記τ01,τ11,τ12それぞれはこのシステムの機械仕様から式(4)〜式(6)で表すことができる。
【0019】
【数4】
τ01=mv/(2πn)〔kgfm〕 …(4)
【0020】
【数5】
τ11=(mv2 /2π2 2 )・(1/375)・Δn〔kgfm〕…(5)
【0021】
【数6】
τ12=(GD2 /375)・Δn〔kgfm〕 …(6)
ここで、 m:荷重質量〔kg〕
v:昇降速度〔m/min〕
n:電動機回転速度〔r/min〕
Δn:電動機回転加速度〔r/min/s〕
GD2 :電動機軸換算全はずみ車効果〔kgfm2
このシステムにおける機械損補償トルクτ02は、減速機10aの効率に基づくものが大勢を占めるので、下記式(7)で得られる値をトルク設定回路23に予めプリセットする。
【0022】
【数7】
τ02={減速機定格出力×(1−減速機効率)/電動機定格出力}
×電動機定格トルク〔kgfm〕 …(7)
なお、機械損補償トルクτ02は誘導電動機9の回転方向によりその極性が異なるので、トルク設定回路23には速度検出器6の検出値(n)を取り込み、極性を持った機械損補償トルクτ02を出力するようにしている(図14参照)。
【0023】
前記式(6)の電動機と巻上機に対する加減速必要トルクτ12は、予め設定できる電動機軸換算全はずみ車効果(GD2 )と、後述の加速度演算回路21で得られる加速度(Δn)とに基づく乗算演算を加速トルク演算回路22で行う。
【0024】
加速度演算回路21では、式(8)の演算を行っている。
【0025】
【数8】
Δn=(nk −n(k-1) )/TS 〔r/min/s〕 …(8)
ここで、 nk :今回の電動機速度検出値〔r/min〕
(k-1) :前回の電動機速度検出値〔r/min〕
S :検出周期〔s〕
なお、速度調節器3により速度設定値(N* )と速度検出値(n)との偏差が常に零になるように制御されているので、加速度(Δn)として単一積分器2に設定されている値を用いて行うこともできる。
【0026】
トルク設定回路23の出力の機械損補償トルクτ02と加速トルク演算回路22の出力の加減速必要トルクτ12とを、前記式(1)〜式(3)に代入することにより、式(9)が得られる。
【0027】
【数9】
τ01+τ11=τ* −τ02−τ12 …(9)
すなわち、前記式(4)と式(5)と式(9)とには、式(4)+式(5)=式(9)の関係があるので、この関係式に基づいて荷重推定回路24では荷重mを求める演算を行っている。
【0028】
またトルク演算回路25において、荷重推定回路24で得られた荷重mの推定値と前記式(4)とから荷重mに対する走行トルクτ01が求まり、同様に前記式(5)とから荷重mに対する加減速必要トルクτ11が求まる。
【0029】
次に、速度演算回路26での誘導電動機9の運転可能最大速度指令値(N0 # )を求める演算について説明をする。
【0030】
先ず、加速トルク演算回路22の演算値(τ12)とトルク設定回路23の設定値(τ02)とトルク演算回路25の演算値(τ01,τ11)と、巻上機10bを加減速に必要な誘導電動機9の出力トルクの最大値(τM1)とには式(10)の関係がある(図10参照)。
【0031】
【数10】
τM1=|τ01+τ02|+|τ11+τ12| …(10)
次に、図12に示す誘導電動機9の短時間運転許容トルク−回転速度特性図(第1象限のみを図示)における前記τM1に対応する誘導電動機9の速度値(N01 # )を求める。
【0032】
なおこの速度値(N01 # )は、式(11)の関係にある。
【0033】
【数11】
01 # =(τA /τM1)・NB …(11)
ここで、NB :電動機定格速度
τA :電動機定格速度の短時間運転許容トルク
また、昇降距離の長いシステムを適用する場合には、定速で昇降させる時間も長くなることから巻上機10bを定速運転に必要な誘導電動機9の出力トルクの最大値(τM2)は、式(12)の関係にある(図10参照)。
【0034】
【数12】
τM2=|τ01+τ02| …(12)
このときには、図13に示す誘導電動機9の連続運転許容トルク−回転速度特性図(第1象限のみを図示)における前記τM2に対応する誘導電動機9の速度値(N02 # )を求める。
【0035】
なおこの速度値(N02 # )は、式(13)の関係にある。
【0036】
【数13】
02 # =(τB /τM2)・NB …(13)
ここで、NB :電動機定格速度
τB :電動機定格速度の連続運転許容トルク
すなわち、速度演算回路26では前記N01 # またはN02 # のいずれか小さい方の値を誘導電動機9の運転可能最大速度指令値(N0 # )として出力する。または、このシステムの動作モードに合わせて、当該する前記N01 # またはN02 # のいずれか一方の値を選択して、誘導電動機9の運転可能最大速度指令値(N0 # )として出力する。
【0037】
さらに、速度指令値変換回路27では速度指令器1の指令値(N# )または速度演算回路26の演算値(N0 # )のいずれか大きい方の値を新たな速度指令値(N# )として、単一積分器2に出力する。
【0038】
上述の荷重推定回路24で推定した荷重、 誘導電動機9の短時間及び連続の許容トルクー速度特性などから誘導電動機9の運転可能最大速度を算定し、この速度で運転することにより、 例えば、クレーンに備える巻上機を駆動するシステムなどにこの誘導電動機の制御装置を適用すると、 該巻上機を軽荷重で昇降させる際にはより高速で昇降させるなど、運転効率の改善がなされる。
【0039】
【発明が解決しようとする課題】
図8に示した従来の巻上機を駆動する誘導電動機の制御装置によると、下記▲1▼〜▲4▼項に記載するような問題点があった。
▲1▼.誘導電動機の加速動作中に、 加減速必要トルクを演算するようにしているが単一積分器に設定された前記加速勾配よりも減速勾配が大きい設定条件の場合では、 適正な加減速必要トルクを演算できない。
▲2▼.巻上機により荷重を上昇させる場合と下降させる場合とでは、走行トルクと機械損補償トルクの極性の関係が違うため、それぞれ異なった値の運転可能最大速度を演算していた。すなわち、 下降させる場合の運転可能最大速度が上昇させる場合の値より大きくなり、 例えばクレーンに備える巻上機において、 このクレーンの操作員に違和感を与える場合があった。
▲3▼.例えばクレーンに備える巻上機などでは、定格荷重時の定格速度が安全上の仕様として定められているため、演算された運転可能最大速度で上昇させると前記仕様を逸脱する場合があった。
▲4▼.運転可能最大速度指令値の演算は加速動作中に行うようにしているため、 例えば負荷外乱(強風などによる負荷の揺動,ロープのたるみなど)で演算値にバラツキが生ずる場合があった。
【0040】
この発明の目的は上記問題点を解決し、前記システムの使い勝手を良くできる誘導電動機の制御装置を提供することにある。
【0041】
【課題を解決するための手段】
この第1の発明は、インバータで給電される誘導電動機が減速機を介して巻上機を駆動するシステムであって、前記誘導電動機に指令される速度指令値(N# )に基づき、現在の速度設定値(N* )を所定の加速勾配(増加値/単位時間)または所定の減速勾配(減少値/単位時間)で該速度指令値(N# )に達する(N* =N# )まで増加または減少させる速度設定値(N* )と、該誘導電動機の速度検出値(n)との偏差を調節演算して得られるトルク指令値(τ* )と
、該速度検出値(n)から演算して得られる磁束指令値(φ* )とによるベクトル演算をし、このベクトル演算値に基づき前記インバータを介して該誘導電動機を可変速制御する誘導電動機の制御装置において、
前記速度検出値(n)から前記誘導電動機の加速度(Δn)を演算する加速度演算回路と、加速度演算回路の演算値(Δn)と、前記誘導電動機の軸換算の全はずみ車効果(GD2 )として予め設定される値と、前記加速勾配と減速勾配の関係とに基づいて、該誘導電動機と巻上機に対する加減速必要トルク(τ12)を演算する加速トルク演算回路と、前記システムの機械損最大値に対応する機械損補償トルク(τ02)を予め設定するトルク設定回路と、前記トルク指令値(τ* )と、加速度演算回路の演算値(Δn)と、加速トルク演算回路の演算値(τ12)と、トルク設定回路の設定値(τ02)と、誘導電動機の回転速度(n)と、該回転速度(n)時の巻上機の昇降速度(v)とに基づいて、該巻上機が昇降させている荷重(m)を推定する荷重推定回路と、荷重推定回路の推定値(m)と
、前記回転速度(n)と、前記昇降速度(v)と、加速度演算回路の演算値(Δn)と、前記加速勾配と減速勾配の関係とに基づいて、前記荷重(m)に対する走行トルク(τ01)と加減速必要トルク(τ11)とを演算するトルク演算回路と、加速トルク演算回路の演算値(τ12)と、トルク設定回路の設定値(τ02)とトルク演算回路の演算値(τ01,τ11)と、前記誘導電動機の短時間及び連続の許容トルク−速度特性と、前記荷重に対する走行トルク−速度特性とから該誘導電動機の運転可能最大速度指令値(N0 # )を求める速度演算回路と、前記運転可能最大速度指令値(N0 # )を新たな速度指令値(N# )とする速度指令値変換回路とを備えたことを特徴とする。
【0042】
また第2の発明は前記誘導電動機の制御装置において、
前記速度検出値(n)から前記誘導電動機の加速度(Δn)を演算する加速度演算回路と、加速度演算回路の演算値(Δn)と、前記誘導電動機の軸換算の全はずみ車効果(GD2 )として予め設定される値とに基づいて、該誘導電動機と巻上機に対する加減速必要トルク(τ12)を演算する加速トルク演算回路と、前記システムの機械損最大値に対応する機械損補償トルク(τ02)を予め設定するトルク設定回路と、前記トルク指令値(τ* )と、加速度演算回路の演算値(Δn)と、加速トルク演算回路の演算値(τ12)と、トルク設定回路の設定値(τ02)と、誘導電動機の回転速度(n)と、該回転速度(n)時の巻上機の昇降速度(v)とに基づいて、該巻上機が昇降させている荷重(m)を推定する荷重推定回路と、荷重推定回路の推定値(m)と、前記回転速度(n)と、前記昇降速度(v)と、加速度演算回路の演算値(Δn)とに基づいて、前記荷重(m)に対する走行トルク(τ01)と加減速必要トルク(τ11)とを演算するトルク演算回路と、加速トルク演算回路の演算値(τ12)と、トルク設定回路の設定値(τ02)とトルク演算回路の演算値(τ01,τ11)と、前記誘導電動機の短時間及び連続の許容トルク−速度特性と、前記荷重に対する走行トルク−速度特性とから該誘導電動機の運転可能最大速度指令値(N0 # )を求める速度演算回路と、前記運転可能最大速度指令値(N0 # )を新たな速度指令値(N# )とする速度指令値変換回路とを備えたことを特徴とする。
【0043】
また第3の発明は前記誘導電動機の制御装置において、
前記速度検出値(n)から前記誘導電動機の加速度(Δn)を演算する加速度演算回路と、加速度演算回路の演算値(Δn)と、前記誘導電動機の軸換算の全はずみ車効果(GD2 )として予め設定される値とに基づいて、該誘導電動機と巻上機に対する加減速必要トルク(τ12)を演算する加速トルク演算回路と、前記トルク指令値(τ* )と、加速度演算回路の演算値(Δn)と、加速トルク演算回路の演算値(τ12)と、誘導電動機の回転速度(n)と、該回転速度(n)時の巻上機の昇降速度(v)と、予め設定される前記システムの機械効率(η)とに基づいて該誘導電動機が出力するトルクが駆動トルクか制動トルクかを判別し、この判別結果を伝達係数(κ)として出力する伝達係数演算回路と、前記トルク指令値(τ* )と、加速度演算回路の演算値(Δn)と、加速トルク演算回路の演算値(τ12)と、伝達係数演算回路の演算値(κ)と、前記回転速度(n)と、前記昇降速度(v)とに基づいて、該巻上機が昇降させている荷重(m)を推定する荷重推定回路と、荷重推定回路の推定値(m)と、前記回転速度(n)と、前記昇降速度(v)と、加速度演算回路の演算値(Δn)とに基づいて、前記荷重(m)に対する走行トルク(τ01)と加減速必要トルク(τ11)とを演算するトルク演算回路と、前記巻上機の定格昇降速度(V)と、定格荷重(M)と、前記機械効率(η)と、前記誘導電動機の定格出力(P)とから該巻上機の機械仕様に基づく走行トルク−速度特性を演算するトルク−速度パターン演算回路と、加速トルク演算回路の演算値(τ12)と、トルク演算回路の演算値(τ01,τ11)と、前記誘導電動機の短時間及び連続の許容トルク−速度特性と
、前記走行トルク−速度パターンの演算値とから該誘導電動機の運転可能最大速度指令値(N0 # )を求める速度演算回路と、前記運転可能最大速度指令値(N0 # )を新たな速度指令値(N# )とする速度指令値変換回路とを備えたことを特徴とする。
【0044】
さらに第4の発明は前記第1乃至第3のいずれかの発明において、
前記速度演算回路から速度指令値変換回路への経路に、予め設定した前記誘導電動機の速度範囲における前記運転可能最大速度指令値(N0 # )の平均値を演算し、この平均値を新たな運転可能最大速度指令値(N0 # )とする平均値演算回路を挿設したことを特徴とする。
【0045】
この発明によれば、後述の如く、前記システムの使い勝手を良くすることができる。
【0046】
【発明の実施の形態】
図1は、この発明の第1の実施例を示す誘導電動機の制御装置のブロック図であり、図8に示した従来例ブロック図と同一機能を有するものには同一符号を付して、ここではその説明を省略する。
【0047】
すなわち図1においては、図8に示した加速トルク演算回路22とトルク演算回路25と速度演算回路26とに代えて、加速トルク演算回路30とトルク演算回路31と速度演算回路32とを備えている。
【0048】
先ず加速トルク演算回路30では、単一積分器2から前記加速勾配と減速勾配とを読み取り、加速勾配≧減速勾配に設定されているときには前述の式(6)による演算値τ12を出力し、加速勾配<減速勾配に設定されているときには下記式(14)による演算値τ12を出力する。
【0049】
【数14】
Figure 0003775563
次にトルク演算回路31では、単一積分器2から前記加速勾配と減速勾配とを読み取り、加速勾配≧減速勾配に設定されているときには前述の式(5)による演算値τ11を出力し、加速勾配<減速勾配に設定されているときには下記式(15)による演算値τ11を出力する。
【0050】
【数15】
τ11=(mv2 /2π2 2 )・(1/375)・Δn
×( 減速勾配/加速勾配) 〔kgfm〕 …(15)
すなわち、上述の加速トルク演算回路30とトルク演算回路31とにより、加減速必要トルクτ1 (=τ11+τ12)をより適正な値にすることができる。
【0051】
さらに速度演算回路32では、巻上機の上昇動作時と下降動作時の速度を一致させるためと、荷重が定格値付近では必ず定格速度で運転するために、前述の式(11)による速度値N01 # と式(13)による速度値N02 # の導出に加えて、後述の速度値N03 # を導出し、これらN01 # ,N02 # ,N03 # の内いずれか最小値を運転可能最大速度指令値N0 # として出力している。
【0052】
この速度演算回路32における速度値N03 # の導出について、図2,図3に示す特性図を参照しつつ、以下に説明する。
【0053】
図2は、定格荷重付近では必ず定格速度で運転するための誘導電動機9の許容トルク(τC )−回転速度の特性図(第1象限のみ図示)であり、この許容トルクτC は下記式(16)で表される。
【0054】
【数16】
τC =τA ・K1 …(16)
ここで、τA :誘導電動機9の定格速度時の連続運転許容トルク
1 :定格荷重時の走行トルクの電動機定格トルクに対する比率
図2に示したτK2は、定格荷重付近では必ず定格速度が速度値として導出されるための値であり、予め設定した比率K2 を用いた式(17)で表される。
【0055】
【数17】
τK2=τC ・K2 …(17)
また図2に示したτK3は、電動機最高速度(NMAX )におけるトルクで式(18)で表される。
【0056】
【数18】
τK3=τC ・NB /NMAX …(18)
ここで、NB :電動機定格速度
誘導電動機9が定格速度(NB )から最高速度(NMAX )までの間における許容トルクは、下記式(19)で表される。
【0057】
【数19】
許容トルク=τC ・(n/NMAX )・Kx …(19)
ここで、n:電動機の回転速度
x :図3に示す前記n−Kx 特性図から得られる値
すなわち、図2に示す前述の荷重mに対する走行トルク(τ01)に対応する誘導電動機9の速度値(N03 # )を求めれば、巻上機の上昇動作時と下降動作時の速度値を一致させることができる。
【0058】
なお、この速度値(N03 # )は、τ01≧τK2のときにはN03 # =NB となり、τ01<τK2のときには、式(20)で示すN03 # となる。
【0059】
【数20】
03 # =(τC ・Kx /τ01)・NB …(20)
さらに速度演算回路32では、このシステムの動作モードに合わせて、当該する前記N01 # またはN02 # またはN03 # のいずれか一つの値を選択して、誘導電動機9の運転可能最大速度指令値(N0 # )として出力することもできる。
【0060】
図4は、この発明の第2の実施例を示す誘導電動機の制御装置のブロック図であり、図1に示した実施例ブロック図と同一機能を有するものには同一符号を付して、ここではその説明を省略する。
【0061】
すなわち、この誘導電動機の制御装置では図1に示した速度演算回路32から速度指令値変換回路27への経路に、平均値演算回路33を挿設している。
【0062】
この平均値演算回路33では単一積分器2から出力される速度指令値(N* )に対し、予め設定した演算開始速度から電動機の定格速度(NB )に到達するまでの間、速度演算回路32が出力する運転可能最大速度指令値(N0 # )の平均値を演算し、この平均値を新たな運転可能最大速度指令値(N0 # )として出力することで、強風などによる荷重の揺動,ロープのたるみなどに起因した演算値のバラツキを抑制している。
【0063】
図5は、この発明の第3の実施例を示す誘導電動機の制御装置のブロック図であり、図1,図4,図8に示したブロック図と同一機能を有するものには同一符号を付している。
【0064】
すなわち、この誘導電動機の制御装置では図8に示した速度演算回路26に代えて上述の速度演算回路32を備え、さらに速度演算回路32から速度指令値変換回路27への経路に、上述の平均値演算回路33を挿設している。
【0065】
例えば、クレーンに備える巻上機を駆動するシステムなどに図5に示した誘導電動機の制御装置を適用すると、 該巻上機を軽荷重で昇降させる際にはより高速で昇降させるなどの運転効率の改善がなされ、また、該巻上機の上昇動作時と下降動作時の速度値を一致させることができ、さらに、強風などによる荷重の揺動,ロープのたるみなどに起因した演算値のバラツキを抑制している。
【0066】
図6は、この発明の第4の実施例を示す誘導電動機の制御装置のブロック図であり、図8に示した従来例ブロック図と同一機能を有するものには同一符号を付して、ここではその説明を省略する。
【0067】
すなわち、この誘導電動機の制御装置では図8に示したトルク設定回路23と荷重推定回路24と速度演算回路26とに代えて、伝達係数演算回路41と荷重推定回路42とトルク−速度パターン演算回路43と速度演算回路44とを備えている。
【0068】
先ず伝達係数演算回路41では、速度調節器3からのトルク指令値(τ* )と加速トルク演算回路22からの演算値(τ12)との減算演算(τ*−τ12)を行ない、この演算値の極性と速度検出器6の検出値(n)の極性との関係及びこのシステムの機械効率(η)から、誘導電動機9が駆動中であれば伝達係数(κ)として「1/η」を出力し、また、誘導電動機9が制動中であれば伝達係数(κ)として「η」を出力する。
【0069】
また、加減速時における速度調節器3の出力であるトルク指令値(τ* )と走行トルク(τ0)と加減速必要トルク(τ1)との間には先述の式(1)の関係があり、さらに前記伝達係数(κ)との関係は下記式(21),(22)で表される。
【0070】
【数21】
τ0=τ01・κ …(21)
ここで、τ01:荷重mに対する走行トルク
【0071】
【数22】
τ1=τ11・κ+τ12 …(22)
ここで、τ11:荷重mに対する加減速必要トルク
τ12:電動機と巻上機に対する加減速必要トルク
従って、式(1)と式(21)と式(22)とから、式(23)の関係が導出される。
【0072】
【数23】
τ01・κ+τ11・κ=τ*−τ12 …(23)
すなわち、先述の「式(4)+式(5)」に伝達係数(κ)を乗じた値が上記式(23)の関係にあることから、荷重推定回路42では、これらの関係式に基づいて、荷重mを求める演算を行っている。
【0073】
次にトルク−速度パターン演算回路43,速度演算回路44の動作について説明する。
【0074】
この巻上機の機械仕様を満たすために、定格荷重では必ず定格速度が運転可能最大速度として演算できるように、先述の図2に示した許容トルク−回転速度の特性図を設けている。
【0075】
図2に示すτK2は下記式(24)の関係にある。
【0076】
【数24】
Figure 0003775563
すなわちトルク−速度パターン演算回路43では上記式(24)から導出されるτK2により図2に示す如き走行トルク−速度パターンを演算して出力し、速度演算回路44では先述の式(11)による速度値N01 #と式(13)による速度値N02 #の導出に加えて、トルク−速度パターン演算器43の演算パターンに基づいて、前記荷重mに対する走行トルク(τ01)に対応する誘導電動機9の速度値(N03 # )を求め、これらN01 # ,N02 # ,N03 # の内いずれか最小値を運転可能最大速度指令値N0 # として出力することにより、巻上機の上昇動作時と下降動作時の速度値を一致させることができる。
【0077】
なお、この速度値(N03 # )は、τ01≧τK2のときにはN03 # =NB となり、τ01<τK2のときには、先述の式(20)で示すN03 # となる。
【0078】
さらに速度演算回路44では、このシステムの動作モードに合わせて、当該する前記N01 # またはN02 # またはN03 # のいずれか一つの値を選択して、誘導電動機9の運転可能最大速度指令値(N0 # )として出力することもできる。
【0079】
その結果、この誘導電動機の制御装置では、巻上機の機械仕様を取り込むことで内部演算精度が改善され、荷重に応じた最適な速度パターンが得られる。
【0080】
図7は、この発明の第5の実施例を示す誘導電動機の制御装置のブロック図であり、図6に示した実施例ブロック図と同一機能を有するものには同一符号を付して、ここではその説明を省略する。
【0081】
すなわち、この誘導電動機の制御装置では図6に示した速度演算回路44から速度指令値変換回路27への経路に、平均値演算回路45を挿設している。
【0082】
この平均値演算回路45では単一積分器2から出力される速度指令値(N* )に対し、予め設定した演算開始速度から電動機の定格速度(NB )に到達するまでの間、速度演算回路44が出力する運転可能最大速度指令値(N0 # )の平均値を演算し、この平均値を新たな運転可能最大速度指令値(N0 # )として出力することで、強風などによる荷重の揺動,ロープのたるみなどに起因した演算値のバラツキを抑制している。
【0083】
なお、図1,図4〜図7に示した実施例の説明では、カウンタウェイト無しで誘導電動機9に速度検出器6を備えたシステムの例について述べたが、この発明はカウンタウェイトを備えるシステムにも適用可能であり、また、この発明は速度検出器6を省略した、いわゆる、速度センサレスベクトル制御を行う誘導電動機の制御装置にも適用可能であり、さらに、この発明は電動機として同期電動機または直流電動機の制御装置にも適用可能である。
【0084】
【発明の効果】
この発明によれば、上述の荷重推定回路で推定した荷重,誘導電動機の短時間及び連続の許容トルクー速度特性などから該誘導電動機の運転可能最大速度を導出し、この速度で運転しつつ、且つ、定格荷重のときには定格速度以内で運転できることから、例えばクレーンに備える巻上機などにこの誘導電動機の制御装置を適用したときに、使い勝手の良いシステムとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施例を示す誘導電動機の制御装置のブロック図
【図2】図1の動作を説明する特性図
【図3】図1の動作を説明する特性図
【図4】この発明の第2の実施例を示す誘導電動機の制御装置のブロック図
【図5】この発明の第3の実施例を示す誘導電動機の制御装置のブロック図
【図6】この発明の第4の実施例を示す誘導電動機の制御装置のブロック図
【図7】この発明の第5の実施例を示す誘導電動機の制御装置のブロック図
【図8】従来例を示す誘導電動機の制御装置のブロック図
【図9】図8の動作を説明するタイムチャート
【図10】図8の動作を説明する特性図
【図11】図8の動作を説明する構成図
【図12】図8の動作を説明する特性図
【図13】図8の動作を説明する特性図
【図14】図8の動作を説明する特性図
【符号の説明】
1…速度指令器、2…単一積分器、3…速度調節器、4…磁束指令値演算器、5…ベクトル演算器、6…速度検出器、7…交流電源、8…インバータ、9…誘導電動機、10…負荷、21…加速度演算回路、22,30…加速トルク演算回路、23…トルク設定回路、24,42…荷重推定回路、25,31…トルク演算回路、26,32,44…速度演算回路、27…速度指令値変換回路、33,45…平均値演算回路、41…伝達係数演算回路、43…トルク−速度パターン演算回路。

Claims (4)

  1. インバータで給電される誘導電動機が減速機を介して巻上機を駆動するシステムであって、
    前記誘導電動機に指令される速度指令値(N# )に基づき、現在の速度設定値(N* )を所定の加速勾配(増加値/単位時間)または所定の減速勾配(減少値/単位時間)で該速度指令値(N# )に達する(N* =N# )まで増加または減少させる速度設定値(N* )と、該誘導電動機の速度検出値(n)との偏差を調節演算して得られるトルク指令値(τ* )と、該速度検出値(n)から演算して得られる磁束指令値(φ* )とによるベクトル演算をし、このベクトル演算値に基づき前記インバータを介して該誘導電動機を可変速制御する誘導電動機の制御装置において、
    前記速度検出値(n)から前記誘導電動機の加速度(Δn)を演算する加速度演算回路と、
    加速度演算回路の演算値(Δn)と、前記誘導電動機の軸換算の全はずみ車効果(GD2 )として予め設定される値と、前記加速勾配と減速勾配の関係とに基づいて、該誘導電動機と巻上機に対する加減速必要トルク(τ12)を演算する加速トルク演算回路と、
    前記システムの機械損最大値に対応する機械損補償トルク(τ02)を予め設定するトルク設定回路と、
    前記トルク指令値(τ* )と、加速度演算回路の演算値(Δn)と、加速トルク演算回路の演算値(τ12)と、トルク設定回路の設定値(τ02)と、誘導電動機の回転速度(n)と、該回転速度(n)時の巻上機の昇降速度(v)とに基づいて、該巻上機が昇降させている荷重(m)を推定する荷重推定回路と、
    荷重推定回路の推定値(m)と、前記回転速度(n)と、前記昇降速度(v)と、加速度演算回路の演算値(Δn)と、前記加速勾配と減速勾配の関係とに基づいて、前記荷重(m)に対する走行トルク(τ01)と加減速必要トルク(τ11)とを演算するトルク演算回路と、
    加速トルク演算回路の演算値(τ12)と、トルク設定回路の設定値(τ02)とトルク演算回路の演算値(τ01,τ11)と、前記誘導電動機の短時間及び連続の許容トルク−速度特性と、前記荷重に対する走行トルク−速度特性とから該誘導電動機の運転可能最大速度指令値(N0 # )を求める速度演算回路と、
    前記運転可能最大速度指令値(N0 # )を新たな速度指令値(N# )とする速度指令値変換回路とを備えたことを特徴とする誘導電動機の制御装置。
  2. インバータで給電される誘導電動機が減速機を介して巻上機を駆動するシステムであって、
    前記誘導電動機に指令される速度指令値(N# )に基づき、現在の速度設定値(N* )を所定の加速勾配(増加値/単位時間)または所定の減速勾配(減少値/単位時間)で該速度指令値(N# )に達する(N* =N# )まで増加または減少させる速度設定値(N* )と、該誘導電動機の速度検出値(n)との偏差を調節演算して得られるトルク指令値(τ* )と、該速度検出値(n)から演算して得られる磁束指令値(φ* )とによるベクトル演算をし、このベクトル演算値に基づき前記インバータを介して該誘導電動機を可変速制御する誘導電動機の制御装置において、
    前記速度検出値(n)から前記誘導電動機の加速度(Δn)を演算する加速度演算回路と、
    加速度演算回路の演算値(Δn)と、前記誘導電動機の軸換算の全はずみ車効果(GD2 )として予め設定される値とに基づいて、該誘導電動機と巻上機に対する加減速必要トルク(τ12)を演算する加速トルク演算回路と、
    前記システムの機械損最大値に対応する機械損補償トルク(τ02)を予め設定するトルク設定回路と、
    前記トルク指令値(τ* )と、加速度演算回路の演算値(Δn)と、加速トルク演算回路の演算値(τ12)と、トルク設定回路の設定値(τ02)と、誘導電動機の回転速度(n)と、該回転速度(n)時の巻上機の昇降速度(v)とに基づいて、該巻上機が昇降させている荷重(m)を推定する荷重推定回路と、
    荷重推定回路の推定値(m)と、前記回転速度(n)と、前記昇降速度(v)と、加速度演算回路の演算値(Δn)とに基づいて、前記荷重(m)に対する走行トルク(τ01)と加減速必要トルク(τ11)とを演算するトルク演算回路と、
    加速トルク演算回路の演算値(τ12)と、トルク設定回路の設定値(τ02)とトルク演算回路の演算値(τ01,τ11)と、前記誘導電動機の短時間及び連続の許容トルク−速度特性と、前記荷重に対する走行トルク−速度特性とから該誘導電動機の運転可能最大速度指令値(N0 # )を求める速度演算回路と、
    前記運転可能最大速度指令値(N0 # )を新たな速度指令値(N# )とする速度指令値変換回路とを備えたことを特徴とする誘導電動機の制御装置。
  3. インバータで給電される誘導電動機が減速機を介して巻上機を駆動するシステムであって、
    前記誘導電動機に指令される速度指令値(N# )に基づき、現在の速度設定値(N* )を所定の加速勾配(増加値/単位時間)または所定の減速勾配(減少値/単位時間)で該速度指令値(N# )に達する(N* =N# )まで増加または減少させる速度設定値(N* )と、該誘導電動機の速度検出値(n)との偏差を調節演算して得られるトルク指令値(τ* )と、該速度検出値(n)から演算して得られる磁束指令値(φ* )とによるベクトル演算をし、このベクトル演算値に基づき前記インバータを介して該誘導電動機を可変速制御する誘導電動機の制御装置において、
    前記速度検出値(n)から前記誘導電動機の加速度(Δn)を演算する加速度演算回路と、
    加速度演算回路の演算値(Δn)と、前記誘導電動機の軸換算の全はずみ車効果(GD2 )として予め設定される値とに基づいて、該誘導電動機と巻上機に対する加減速必要トルク(τ12)を演算する加速トルク演算回路と、
    前記トルク指令値(τ* )と、加速度演算回路の演算値(Δn)と、加速トルク演算回路の演算値(τ12)と、誘導電動機の回転速度(n)と、該回転速度(n)時の巻上機の昇降速度(v)と、予め設定される前記システムの機械効率(η)とに基づいて該誘導電動機が出力するトルクが駆動トルクか制動トルクかを判別し、この判別結果を伝達係数(κ)として出力する伝達係数演算回路と、
    前記トルク指令値(τ* )と、加速度演算回路の演算値(Δn)と、加速トルク演算回路の演算値(τ12)と、伝達係数演算回路の演算値(κ)と、前記回転速度(n)と、前記昇降速度(v)とに基づいて、該巻上機が昇降させている荷重(m)を推定する荷重推定回路と、
    荷重推定回路の推定値(m)と、前記回転速度(n)と、前記昇降速度(v)と、加速度演算回路の演算値(Δn)とに基づいて、前記荷重(m)に対する走行トルク(τ01)と加減速必要トルク(τ11)とを演算するトルク演算回路と、
    前記巻上機の定格昇降速度(V)と、定格荷重(M)と、前記機械効率(η)と、前記誘導電動機の定格出力(P)とから該巻上機の機械仕様に基づく走行トルク−速度特性を演算するトルク−速度パターン演算回路と、
    加速トルク演算回路の演算値(τ12)と、トルク演算回路の演算値(τ01,τ11)と、前記誘導電動機の短時間及び連続の許容トルク−速度特性と、前記走行トルク−速度パターンの演算値とから該誘導電動機の運転可能最大速度指令値(N0 # )を求める速度演算回路と、
    前記運転可能最大速度指令値(N0 # )を新たな速度指令値(N# )とする速度指令値変換回路とを備えたことを特徴とする誘導電動機の制御装置。
  4. 請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の誘導電動機の制御装置において、
    前記速度演算回路から速度指令値変換回路への経路に、予め設定した前記誘導電動機の速度範囲における前記運転可能最大速度指令値(N0 # )の平均値を演算し、この平均値を新たな運転可能最大速度指令値(N0 # )とする平均値演算回路を挿設したことを特徴とする誘導電動機の制御装置。
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