JP3775037B2 - 電気光学装置の駆動方法、電気光学装置及び投射型表示装置 - Google Patents

電気光学装置の駆動方法、電気光学装置及び投射型表示装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、トランジスタ等の3端子素子を用いた3端子型アクティブ電気光学装置及びその駆動方法に関する。さらには、その電気光学装置を光変調器として用いた投射型表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、電気光学装置の一例である液晶装置は特に表示装置として、低消費電力で軽量なディスプレイデバイスとして、テレビ、電子手帳、パーソナルコンピュータ、携帯電話等の電子機器に広く利用されている。そして、薄膜トランジスタをスイッチ素子として用いるいわゆる3端子型アクティブ・マトリクス液晶装置(以下、TFTパネルという。)は高い表示能力を有する。即ち、応答速度が速く、表示コントラストが高いので、多階調表示が可能である。
【0003】
よって、多くの情報機器の情報表示手段、テレビ受像器、プロジェクタ等に広く用いられている。
【0004】
ここでTFTパネルは、電圧変調方式で階調表示を行なっており、TFTパネルを構成する各々の画素容量は、ある所定の信号電圧で充電され、この電圧を保持することによって、この電圧に対応した階調表示がなされる。
【0005】
ここで例えば、多くの情報機器では情報表示データとしてデジタル信号が使われており、これらの情報機器の情報表示手段としてTFTパネルを用いる場合には、デジタル信号をある所定の信号電圧に変換(以後、D/A変換と言い、このD/A変換を行う回路をD/A変換回路と言う。)して、TFTパネルに供給し、駆動する必要がある。
【0006】
しかしながら、このD/A変換には多少時間を要するので、TFTパネルの画素数が多くなると、1つのD/A変換回路ではこの変換が追い付かなくなり、複数のD/A変換回路で並列変換してTFTパネルに供給する方式がとられている。これを図を用いて説明する。
【0007】
図9は、基本的なTFTパネルの構成を示す模式図である。図中の、1点鎖線で囲んだ部分10がTFTパネルであり、1と2は液晶層(図示せず。)を挟持する一対の基板である。一方の基板1には、図で紙面の裏側に相当する液層層側の面に透明電極(図示せず。)が形成されてあり、この電極を対向電極と言う。Y1〜Y7は走査電極であり、他方の基板2の液晶層側の面に形成されている。またX1〜X9は信号電極であり、走査電極と交差するように基板2の液晶層側の面に形成されている。両者の交差部分は互いに絶縁してある。そして、TとPはそれぞれトランジスタ素子と画素電極を示し、これらの記号は1箇所のみ示してあるが、走査電極Y1〜Y7と信号電極X1〜X9の交差部分毎に基板2に形成されている。
【0008】
ここで、トランジスタ素子Tは、一般に薄膜の電界効果型トランジスタ素子で、電界効果型トランジスタ素子の3つの端子、即ち、ゲート端子とソース端子とドレイン端子はそれぞれ、対応する走査電極、信号電極、画素電極と接続されている。そして、ゲート端子に所定のゲート電圧を加えた時に、ソース端子とドレイン端子間が導通する電気特性を持っている。
【0009】
TFTパネル10の構成は以上のようになっている。次にTFTパネルの基本的な駆動方法を説明する。
【0010】
ある走査電極Yi(i=1〜7,・・・・n)に走査電極を選択する選択期間中に選択電圧を加えると、これがトランジスタ素子のゲート端子に印加され、走査電極Yiに接続されたトランジスタ素子のソースとドレイン間が導通(オン)するので、ある信号電極Xj(j=1〜9,・・・・m)に、対向電極に対して、ある信号電圧Vinを加えると、走査電極Yiと信号電極Xjの交差部分に対応する画素電極(Pijと表記する。)と対向電極が液晶層を誘電体として作る画素容量を、対向電極の電位に対して、信号電圧Vinまで充電する。そして走査電極Yiに選択電圧を印加するのを止めて非選択期間に移行すると走査電極Yiに非選択電圧が印加され、それにより走査電極Yiに接続されたトランジスタ素子のソースとドレイン間が非導通(オフ)となるので、画素電極Pijと対向電極が作る画素容量の電荷は保持され、画素電極Pijと対向電極間の電圧は電圧Vinのまま保持される。よって、画素電極Pijと対向電極間の液晶層には電圧Vinが印加され、この電圧に対応した光学特性を液晶層が呈する。即ち、画素電極によって構成される画素が、電圧Vinに対応した階調表示をする。
【0011】
ここで、図9のTFTパネル10の走査電極及び信号電極の数はそれぞれ数本しか図示されないが、これは図を簡略化する為で、実際にはそれぞれ数百本以上である。また、基板1と基板2は図を見易くする為に離して描いてあるが、基板1と基板2の間は実際には数十〜数μm程度である。また、画素容量を増加するために、各画素には画素電極Pijに供給された信号電圧Vinを保持する蓄積容量を設けることが多く、その場合、画素容量は液晶層の容量と蓄積容量により構成される。
【0012】
次に、TFTパネル10を駆動する駆動回路構成について説明する。
【0013】
図10は、図9のTFTパネル10を用いた従来技術の電気光学装置の回路構成を示す図である。図10において、10は図9のTFTパネル10である。なお基板1及び対向電極は図上では省略してあるが、対向電極には所定の定電圧が印加されているものとする。
【0014】
図10の11は走査電極制御回路(以下、Yドライバと言う。)、12〜14はそれぞれD/A変換回路、15は表示制御回路(以下、コントローラと言う。)、S1〜S9はそれぞれ信号電極スイッチ回路である。
【0015】
Yドライバ11は、TFTパネル10の対応する走査電極の各々に対する出力端子を持ち、走査電極と出力端子が対応して接続されている。そして、DD0〜DD2はTFTパネル10に表示すべきデジタル表示データであり、コントローラ15から出力され、それぞれD/A変換回路12〜14に供給される。16はYドライバ11を制御する通常2本程度からなるYドライバ制御信号であり、コントローラ15から出力され、Yドライバ11に供給される。17は信号電極スイッチ回路S1〜S9のオン/オフを制御する制御信号群であり、コントローラ15から出力される。また、AD0〜AD2はそれぞれ信号電圧線であり、D/A変換回路12〜14がデジタル表示データDD0〜DD2のそれぞれの値に応じた電圧に逐次変換した電圧が、それぞれ供給されている。
【0016】
信号電圧線AD0はスイッチ回路S1、S4、S7の一端と、信号電圧線AD1はスイッチ回路S2、S5、S8の一端と、信号電圧線AD2はスイッチ回路S3、S6、S9の一端と接続しており、総てのスイッチ回路S1〜S9の他端は図に示すようにTFTパネル10の対応する信号電極X1〜X9とそれぞれ接続している。
【0017】
ここでまず、Yドライバ11は、所定の選択期間毎に順次、走査電極を選択していき、選択した走査電極に対して、選択電圧、即ちゲート電圧、を印加していく。言い換えれば、Yドライバ11及び制御信号16及びコントローラ15がそのような動作や制御をする構成となっている。
【0018】
そして、所定の選択期間を複数の小選択期間、ここでは3つの小選択期間に分け、初めの小選択期間では、スイッチ回路S1〜S3がオンで他のスイッチ回路はオフ、次の小選択期間では、スイッチ回路S4〜S6がオンで他のスイッチ回路はオフ、最後の小選択期間では、スイッチ回路S7〜S9がオンで他のスイッチ回路はオフとなる。言い換えれば、コントローラ15がそのような動作をさせるよう制御信号群17をスイッチ回路S1〜S9に対して出力する。
【0019】
ここで、同時にオン状態になるスイッチ回路の組み合わせは、スイッチ回路S1〜S3、スイッチ回路S4〜S6、スイッチ回路S7〜S9のいずれかである。
【0020】
また、このスイッチ回路のスイッチングに同期して、デジタル表示データDD0〜DD1のそれぞれとしては、初めの小選択期間では、選択されている走査電極と信号電極X1〜X3のそれぞれの交差部分の画素に表示すべき階調に対応したデータが供給される。次の小選択期間では、選択されている走査電極と信号電極X4〜X6のそれぞれの交差部分の画素に表示すべき階調に対応したデータが供給される。最後の小選択期間では、選択されている走査電極と信号電極X7〜X9のそれぞれの交差部分の画素に表示すべき階調に対応したデータが供給される。それらの供給はコントローラ12により動作制御されている。
【0021】
ここで、デジタル表示データDD0〜DD2は、それぞれD/A変換回路12〜14で逐次電圧信号に変換されていく。よって、初めの小選択期間では、信号電圧線AD0〜AD2にはそれぞれ、選択されている走査電極Yiと信号電極X1〜X3のそれぞれの交差部分の画素に表示すべき階調に対応した信号電圧が発生する。この時、スイッチ回路S1〜S3のみがオン状態であるから、画素電極Pi1、Pi2、Pi3に付随して形成される画素容量のみが、走査電極Yiと信号電極X1〜X3のそれぞれの交差部分の画素に表示すべき階調に対応した信号電圧により充電される。
【0022】
同様に、次の小選択期間では、信号電圧線AD0〜AD2にはそれぞれ、選択されている走査電極Yiと信号電極X4〜X6のそれぞれの交差部分の画素に表示すべき階調に対応した信号電圧が発生するが、この時、スイッチ回路S4〜S6のみがオン状態であるから、画素電極Pi4、Pi5、Pi6に付随して形成される画素容量のみが、選走査電極Yiと信号電極X4〜X6のそれぞれの交差部分の画素に表示すべき階調に対応した信号電圧により充電される。
【0023】
そして、最後の小選択期間でも同様に画素電極Pi7、Pi8、Pi9に付随して形成される画素容量のみが、選走査電極Yiと信号電極X7〜X9のそれぞれの交差部分の画素に表示すべき階調に対応した信号電圧により充電される。
【0024】
以上の説明のように動作をして、TFTパネルの表示がなされる。これが、デジタル表示データを、複数のD/A変換回路で並列変換してTFTパネルに供給する方式である。
【0025】
なお、この方式では、これら複数のD/A変換回路間の変換誤差によって表示むらが発生する場合がある。これを防止する為に、複数の信号電圧線に供給する信号電圧源としての複数のD/A変換回路の出力を周期的に他のD/A変換回路の出力と切り替えて用いる方法(以下、ローテーション方式と言う。)が知られている。
【0026】
次に、信号電圧をスイッチ回路に供給する組合せを順次切り替えるローテーション方式を行う従来技術の電気光学装置の構成を、図11を用いて説明する。図において、18以外の構成は図10と同じである。18は第2のスイッチ回路であり、D/A変換回路12〜14と信号電圧線AD0〜AD2の間に挿入されている。
【0027】
ここで、図11のD/A変換回路12〜14とスイッチ回路18及び信号電圧線AD0〜AD2部分を抜粋、拡大して示した図12を用いて、スイッチ回路18の動作を説明する。ある小選択期間では、スイッチ回路18は、D/A変換回路12、13、14の出力電圧をそれぞれ、信号電圧線AD0、AD1、AD2の信号電圧源として接続する。そして、他の小選択期間では、D/A変換回路12、13、14の出力電圧をそれぞれ、信号電圧線AD0、AD2、AD1の信号電圧源として接続する。同様に、D/A変換回路12、13、14の出力電圧をそれぞれ、更に他の小選択期間では、信号電圧線AD1、AD0、AD2の信号電圧源あるいは、信号電圧線AD1、AD2、AD0の信号電圧源あるいは、信号電圧線AD2、AD0、AD1の信号電圧源あるいは、信号電圧線AD2、AD1、AD0の信号電圧源として接続する。即ち、スイッチ回路18は、6通りの接続の仕方を各小選択期間を最小単位として周期的に切り替える。(ここで、この周期をローテーション周期と呼ぶ。)このようにすることにより、複数のD/A変換回路間の変換誤差によって生じる表示むらは解消される。
【0028】
【発明が解決しようとする課題】
ここで、デジタル表示データを、複数のD/A変換回路で並列変換してTFTパネルに供給する方式をとる場合に、ローテーション方式を行なってもなお、ある種の表示むらが発生する。図13はパネル画面全体に同一の中間階調表示を行った場合の表示むらの発生状況を示す図である。図において、10は図9のTFTパネル10で、画素電極にハッチングした画素が、画素電極にハッチングしていない画素と異なった階調表示を示す。これは、言い換えると各小選択期間毎で充電される画素の内の右端の画素だけ異なった階調表示となっている。
【0029】
この発生原因について筆者等が調査をしたところ、以下の発生機構であることが判明した。図14(a)は図9のTFTパネル10の一部分の横断面を示す模式図、同図(b)は、同図(a)の横断面図に容量成分を図示した図、同図(c)は同図(b)の電気等価回路図である。図14(a)では、走査電極Y1を図の左右方向に描き、信号電極X4〜X7を紙面に対して垂直方向に描いてある。20は画素電極Pと液晶層を挟んで対向する対向電極である。なお、基板1、2及び液晶層は省略した。また、T、Pはそれぞれトランジスタ素子、画素電極であり、図では1箇所にのみ記号を付してあるが、図の総ての信号電極X4〜X7に対応して設けられている。
【0030】
ここで、画素電極Pに付随して形成される画素容量(画素電極Pと絶縁膜を介在して重なる走査電極又は容量電極とにより基板2上に形成される蓄積容量が各画素に存在する場合は、この蓄積容量と画素電極Pと対向電極20に挟持される液晶層による液晶容量との合成容量となる。)をCpixとし、トランジスタ素子Tのゲート−ドレイン間容量をCgd、ゲート−ソース間容量をCgsとする。また画素電極Pは信号電極Xと隣接して配置されているので、信号電極Xと画素電極Pとの間に寄生容量が発生し、その容量をCspとする。これらの容量を書き込んだものが、同図(b)である。
【0031】
ここで、実際に駆動している時を考える。即ち、走査電極Y1が選択されている期間で、最後の小選択期間が開始した時を考える。すると、走査電極Y1が選択されているので、トランジスタ素子は導通状態となり、また図10のスイッチ回路S1〜S6はオフとなり、スイッチ回路S7〜S9がオンになるので、この時の電気等価回路は同図(c)のようになる。なお、図でCtはCt=Cgd+Cgsである。また三角印は対向電極(及び蓄積容量の電極)を示し、その電圧は一定である。そして、丸印は走査電極Y1を示し、その電圧はゲート電圧(選択電圧)であって一定である。
【0032】
ここで、最後の小選択期間が開始した時を考えているから、スイッチ回路S7がオフからオンになった状態である。ここで、各画素は交流駆動のために、前回の選択期間において各画素電極の電圧が対向電極に対して負(正)であった場合には、この最後の小選択期間には正(負)の電圧になるように画素容量Cpixを充電するのが一般的である。従って、図14(c)でPで示した箇所の電圧が、図10のスイッチ回路S7がオフの時に、対向電極に対して電圧Vpであれば、スイッチ回路S7がオンになる時には、信号電圧線AD0の電圧は電圧−Vpであり、またスイッチ回路S7がオンになって暫くするとPで示した所の電圧も電圧−Vpとなる。よって、Pで示した箇所の電圧の変化の絶対値は2Vpとなる。ここでVpは数Vである。
【0033】
箇所Pにおけるこの電圧変化は、画素電極Pと信号電極X6との間の寄生容量Cspを介して、前の小選択期間において信号電極X4〜6からそれぞれトランジスタ素子を介して信号電圧の印加が開始された画素群のうちの最もPに近い画素の画素容量Cpix(図中、右から2番目)の電圧を変化させる。
【0034】
この電圧の変化量は、{Csp/(2・Csp+Ct+Cpix)}・2Vpでおおむね表される。
【0035】
このCsp/(2・Csp+Ct+Cpix)の値は、TFTパネル10の各構成要素の大きさに依存するが、例えば0.01程度であり、数十mVの電圧変化となる。これは表示する階調に影響を及ぼすオーダである。
【0036】
ここで、更にこの電圧変化は、画素電極Pと信号電極X6との間の寄生容量Cspを介して、前の小選択期間において信号電極X5にトランジスタ素子を介して信号電圧の印加が開始された他の画素の画素容量Cpix(図中、右から3番目)の電圧を変化させるが、この電圧の変化量は数百μVの電圧変化となる。これは表示する階調に影響を殆ど及ぼさないオーダである。この電圧変化は隣接する画素容量へ次々に伝播していくが、無論、電圧変化の発生した箇所から遠ざかるので、表示する階調に影響を及ぼすことは無い。
【0037】
なお、以上においては、画素電極と信号電極が並置され、隣接する画素電極どうしの電圧変化の影響が信号電極を介して行われるように説明したが、信号電極上に層間絶縁膜を介して信号電極とは異なる層に画素電極を形成し画素電極どうしを隣接する間隙を狭めて配置した場合は、上記した寄生容量Cspは、隣接する画素電極間の寄生容量が主体となる。しかしながら、このような場合でも、上記現象は同様に発生する。
【0038】
以上のように、ある小選択期間が終わり、次の小選択期間が開始するとこの小選択期間に選択される信号電極及び画素電極の電圧が信号電圧に応じて大きく変化し、その内の左端の画素電極(ある小選択期間において信号電圧の印加が同時に開始された画素電極群のうち、前の小選択期間に信号電圧の印加が開始された画素電極に最も隣接する画素電極)の電圧変化によって、その左隣の画素容量(前の小選択期間に信号電圧が印加された画素電極の画素容量)の電圧を変化させ、これが表示むらの原因となっている。これがいわゆるクロストーク現象である。
【0039】
ここで、{Csp/(2・Csp+Ct+Cpix)}の値を小さくすれば、この表示むらが小さくなる。よって例えば、容量Cspを小さくする為に、画素電極を小さくして信号電極と画素電極(あるいは隣接する画素電極)の間の隙間を大きくすれば良い。しかしながらこのようにすると、画素面積が小さくなってしまい暗い表示、コントラストの低い表示となってしまう。
【0040】
本発明は、上のような課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、明るい表示や高コントラストの表示が可能で、クロストークの発生を防止することを可能とする3端子型アクティブ電気光学装置及びその駆動方法を提供するものである。
【0041】
【課題を解決するための手段】
本発明に記載の電気光学装置の駆動方法は、互いに交差配置される複数の走査電極及び複数の信号電極に接続される複数のトランジスタにより電気光学装置を駆動する電気光学装置の駆動方法であって、前記走査電極を選択する選択期間に、該走査電極に選択電圧を供給し、前記選択期間を複数に分割した小選択期間毎に順次、前記複数の信号電極を複数のブロックに分けた信号電極ブロックのいずれかを選択し、該選択された信号電極ブロックに含まれる信号電極に信号電圧を供給し、前記小選択期間毎に選択される前記信号電極ブロックに含まれる前記信号電極を、少なくとも前記選択期間毎に周期的に組み替えることを特徴とする。
【0042】
また、本発明に記載の電気光学装置の駆動方法は、互いに交差配置される複数の走査電極及び複数の信号電極に接続される複数のトランジスタにより電気光学装置を駆動する電気光学装置の駆動方法であって、前記走査電極を選択する選択期間に、該走査電極に選択電圧を供給し、前記選択期間を複数に分割した小選択期間毎に順次、前記複数の信号電極を複数のブロックに分けた信号電極ブロックのいずれかを選択し、該選択された信号電極ブロックに含まれる信号電極に信号電圧を供給し、前記小選択期間毎に選択される前記信号電極ブロックに含まれる前記信号電極を、少なくとも前記選択期間毎に無秩序に組み替えることを特徴とする。
【0043】
また、本発明に記載の電気光学装置は、互いに交差配置される複数の走査電極及び複数の信号電極に接続される複数のトランジスタからなる電気光学装置であって、前記走査電極を選択する選択期間に、該走査電極に選択電圧を供給する第1の供給手段と、前記選択期間を複数に分割した小選択期間毎に順次、前記複数の信号電極を複数のブロックに分けた信号電極ブロックのいずれかを選択し、該選択された信号電極ブロックに含まれる信号電極に信号電圧を供給し、前記小選択期間毎に選択される前記信号電極ブロックに含まれる前記信号電極を、少なくとも前記選択期間毎に周期的に組み替える第2の供給手段と、
を備えることを特徴とする。
【0044】
また、本発明に記載の電気光学装置は、互いに交差配置される複数の走査電極及び複数の信号電極に接続される複数のトランジスタからなる電気光学装置であって、前記走査電極を選択する選択期間に、該走査電極に選択電圧を供給する第1の供給手段と、前記選択期間を複数に分割した小選択期間毎に順次、前記複数の信号電極を複数のブロックに分けた信号電極ブロックのいずれかを選択し、該選択された信号電極ブロックに含まれる信号電極に信号電圧を供給し、前記小選択期間毎に選択される前記信号電極ブロックに含まれる前記信号電極を、少なくとも前記選択期間毎に無秩序に組み替える第2の供給手段と、
を備えることを特徴とする。
【0045】
また、本発明に記載の電気光学装置は、上記の電気光学装置において、前記第2の供給手段は、複数の信号電圧を供給する複数の信号電圧線と、前記複数の信号電圧線及び前記複数の信号電極間を選択信号に従って接続する複数のスイッチ回路と、複数の前記スイッチ回路の組み合わせを、少なくとも一の選択期間毎に周期的に組み替える選択制御回路とを有することを特徴とする。
また、本発明に記載の電気光学装置は、上記の電気光学装置において、前記第2の供給手段は、複数の信号電圧を供給する複数の信号電圧線と、前記複数の信号電圧線及び前記複数の信号電極間を選択信号に従って接続する複数のスイッチ回路と、複数の前記スイッチ回路の組み合わせを、少なくとも一の選択期間毎に無秩序に組み替える選択制御回路とを有することを特徴とする。
【0046】
また、本発明に記載の投射型表示装置は、本発明に記載の電気光学装置を光変調手段として用いた投射型表示装置であって、光源と、該光源からの光を複数の色光に合成する分離手段と、該分離手段により分離された複数の色光を変調する複数の前記光変調手段と、該複数の光変調手段により変調された色光を合成する合成手段と、該合成手段により合成された光を投射する投射光学手段とを有し、前記複数の光変調手段の電気光学装置における前記選択制御回路により行われる、前記選択信号を同時に与える複数の前記スイッチ回路の組み合わせは、前記複数の光変調手段の少なくとも1つは他の光変調手段と異なることを特徴とする。
【0047】
また、本発明に記載の電気光学装置の駆動方法は、互いに交差配置される複数の走査電極及び複数の信号電極と、前記走査電極と前記信号電極に接続される複数のトランジスタと、前記トランジスタに接続される複数の画素電極とを有する電気光学装置の駆動方法において、前記走査電極を選択する選択期間には、選択された前記走査電極に、前記トランジスタを導通させる選択電圧を供給し、前記選択期間を所定の複数に分割した小選択期間毎に順次、複数の前記複数の信号電極を複数のブロックに分けた信号電極ブロックのいずれかを選択し、該選択された信号電極ブロック内の各信号電極に信号電圧源からの電圧を供給し、前記小選択期間毎に選択される前記信号電極群の構成を、前記選択期間毎あるいは複数の前記選択期間毎に、周期的に、無秩序に、あるいは所定の組み替え則によって、組み替えることを特徴とする。
このような駆動方法によれば、ある小選択期間で選択された信号電極群の内のある信号電極に隣接する、選択されていない信号電極が、周期的にあるいは無秩序にあるいは所定の組み替え則によって変化する。よって、ある小選択期間で選択された信号電極群の内のある信号電極に隣接する、選択されていない信号電極に係る画素は誤差を持つ階調表示をするが、この誤差を持つ階調表示をする画素が周期的にあるいは無秩序にあるいは所定の組み替え則によって変化するので均一化し、表示むらが解消する。
【0048】
また、本発明に記載の電気光学装置は、互いに交差配置される複数の走査電極及び複数の信号電極と、前記走査電極と前記信号電極に接続される複数のトランジスタと、前記トランジスタに接続される複数の画素電極とを有する電気光学装置において、前記走査電極を選択する選択期間に、選択された前記走査電極に、前記トランジスタを導通させる選択電圧を供給する第1の供給手段と、前記選択期間を所定の複数に分割した小選択期間毎に順次、複数の前記複数の信号電極を複数のブロックに分けた信号電極ブロックのいずれかを選択し、該選択された信号電極ブロック内の各信号電極に信号電圧源からの電圧を供給する第2の供給手段とを備え、前記第2の供給手段は、前記小選択期間毎に選択される前記信号電極群の構成を、前記選択期間毎あるいは複数の前記選択期間毎に、周期的に、無秩序に、あるいは所定の組み替え則によって、組み替えることを特徴とする。
このような電気光学装置によれば、表示むらが解消し、かつ明るく高コントラストの高品質の表示を行う表示装置が得られる。
【0049】
また、本発明に記載の電気光学装置は、互いに交差配置される複数の走査電極及び複数の信号電極と、前記走査電極と前記信号電極に接続される複数のトランジスタと、前記トランジスタに接続される複数の画素電極とを有する電気光学装置において、前記走査電極を選択する選択期間に、選択された前記走査電極に、前記トランジスタを導通させる選択電圧を供給する第1の供給手段と、前記選択期間を所定の複数に分割した小選択期間毎に順次、複数の前記複数の信号電極を複数のブロックに分けた信号電極ブロックのいずれかを選択し、該選択された信号電極ブロック内の各信号電極に信号電圧源からの電圧を供給する第2の供給手段とを備え、前記第2の供給手段は、複数の前記信号電圧源の電圧を供給する複数の信号電圧線と、前記複数の信号電圧線のいずれかと複数の前記信号電極の各々の間を、選択信号を受けて導通する複数のスイッチ回路と、前記選択信号を同時に与える複数の前記スイッチ回路の組み合わせを、前記選択期間毎あるいは複数の前記選択期間毎に、周期的に、無秩序に、あるいは所定の組み替え則によって、組み替え可能とする選択制回路とを有することを特徴とする。
このような電気光学装置を用いることによって、本発明に記載の駆動装置を具現する際に周辺構成を簡素化出来る。
また、本発明に記載の電気光学装置は、前記選択制御回路が、少なくともシフトレジスタ回路とラッチ回路から構成されていることを特徴とする。
このような電気光学装置によれば、本発明に記載の電気光学装置の選択制御回路を容易に構成することが出来る。
【0050】
また、本発明に記載の投射型表示装置は、本発明に記載の電気光学装置を光変調手段として用いた投射型表示装置であって、光源と、該光源からの光を複数の色光に合成する分離手段と、該分離手段により分離された複数の色光を変調する複数の前記光変調手段と、該複数の光変調手段により変調された色光を合成する合成手段と、該合成手段により合成された光を投射する投射光学手段とを有し、前記複数の光変調手段の電気光学装置における前記選択制御回路により行われる、前記選択信号を同時に与える複数の前記スイッチ回路の組み合わせは、前記複数の光変調手段の少なくとも1つは他の光変調手段と異ならせてなることを特徴とする。
このような構成により、合成された光により投射される画像において、表示むらが減少するだけでなく、表示むらが発生するとしてもその発生箇所が、合成された画像の画面上で、異なる箇所に発生するので、むらの発生が分散される。よって、合成画像は、表示むらが解消された、明るくコントラストのよいものとできる。
【0051】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。
【0052】
〔実施例1〕
本実施例では具体的な電気光学装置の一構成例として液晶装置を挙げ、これを用いて駆動方法についても説明を行う。図1は本実施例で用いるTFTパネルの構成を示す斜視図である。なお、この構成は従来の技術において説明した図9に示したTFTパネルと同じである。 図2は本実施例のTFTパネル10を用いた液晶装置の概略構成を示す図である。
【0053】
図1において、1点鎖線で囲んだ部分10はTFTパネルであり、1と2は液晶層(図示せず。)を挟持する透明ガラスからなる一対の基板である。一方の基板1には、図で紙面の裏側(液晶層に面する側の基板上)にITOかならなる透明電極(図示せず。)が全面に形成されている。この電極を対向電極と言う。この対向電極には液晶層を交流駆動する際の極性反転の基準電位となるコモン電位が印加されている。
【0054】
Y1〜Y7は走査電極であり、他方の基板2の液晶層に面する側に、図における横方向に形成されている。またX1〜X9は信号電極であり、走査電極と交差するように基板2の液晶層に面する側に形成されている。ここで、両者の交差部分は絶縁膜を介して互いに絶縁してある。そして、TとPはそれぞれトランジスタ素子と画素電極を示し、これらの記号は1箇所のみ示してあるが、走査電極Y1〜Y7と信号電極X1〜X9の交差部分毎に基板2の液晶層に面する側に形成されている。
【0055】
ここで、トランジスタ素子Tは、一般にTFTと呼ばれる薄膜の電界効果型トランジスタ素子で、電界効果型トランジスタ素子の3つの端子、即ち、ゲート端子とソース端子とドレイン端子はそれぞれ、対応する走査電極、信号電極、画素電極と接続されている。そして、ゲート端子に所定のゲート電圧(選択電圧)を加えた時に、ソース端子とドレイン端子間が導通する電気特性を持っている。
【0056】
すなわち、マトリクス状に形成される各画素は、その選択期間(水平走査期間)になると走査電極よりゲート端子に与えられる選択電圧によってTFTが導通することにより、信号電極に与えられる信号電圧をTFTのチャネルを介して画素電極Pに印加するように構成される。これにより、画素電極Pと対向電極との間には電界が与えられるので、この電界によりその間に介在される液晶層の液晶分子の配列が変化する結果、表示がなされる。次に、非選択期間に移行すると、走査電極には非選択電圧が印加されるのでTFTは非導通となり、各画素は液晶層に与える電圧を保持するように画素容量に電荷を蓄積・保持する。電荷の蓄積・保持は、画素容量により行われる。この画素容量は画素電極Pと対向電極により介在される液晶層の容量にて形成されるが、各画素において、画素電極と走査電極又は容量電極とが絶縁膜を介して重ねて形成する蓄積容量が設けられている場合は、液晶容量と蓄積容量との合成容量により形成される。TFTパネルの構成は以上のようになっている。なお、TFTパネル10の駆動方法の詳細は従来の技術にて説明したものと同様である。
【0057】
図1のTFTパネル10の走査電極及び信号電極の数はそれぞれ数本しかないが、これは図を簡略化する為で、実際にはそれぞれ数百本以上である。また、基板1と基板2は図を見易くする為に離して描いてあるが、基板1と基板2の間は実際には数十〜数μm程度である。
【0058】
次に、TFTパネル10を駆動する駆動回路構成について説明する。
【0059】
図2は、図1のTFTパネル10を用いた従来技術の液晶装置の回路構成を示す図である。図2において、10は図1のTFTパネル10である。なお基板1及び対向電極は図上では省略してあるが、対向電極には上記したコモン電圧が印加されているものとする。
【0060】
図2の11は走査電極制御回路(以下、Yドライバと言う。)、12〜14はそれぞれD/A変換回路、S1〜S9はそれぞれ信号電極スイッチ回路、SBは信号電極スイッチ回路S1〜S9全体とそれを制御する機能を有するスイッチ回路ブロック、101は表示制御回路(以下、コントローラと言う。)である。
【0061】
Yドライバ11は、TFTパネル10の走査電極の各々に対応する出力端子を有し、走査電極と出力端子が対応して接続されている。そして、DD0〜DD2はTFTパネル10に表示すべきデジタル表示データであり、コントローラ101から出力され、それぞれD/A変換回路12〜14に供給される。16はYドライバ11を制御する通常2本程度からなるYドライバ制御信号であり、コントローラ101から出力され、Yドライバ11に供給される。
【0062】
102は信号電極スイッチ回路S1〜S9のオン/オフを制御する複数の信号電極選択信号群で、本実施例では信号電極スイッチ回路S1〜S9と対応する本数からなり、信号電極スイッチ回路S1〜S9に対応させて、選択信号D1〜D9からなる。ここで、例えば信号D3が能動状態ならばスイッチ回路S3がオンになるように対応しているものとする。
【0063】
また、AD0〜AD2はそれぞれ信号電圧線であり、D/A変換回路12〜14がデジタル表示データDD0〜DD2のそれぞれの値に応じた電圧に逐次変換した電圧が、それぞれ供給されている。信号電圧線AD0はスイッチ回路S1、S4、S7の一端と、信号電圧線AD1はスイッチ回路S2、S5、S8の一端と、信号電圧線AD2はスイッチ回路S3、S6、S9一端と接続し、総てのスイッチ回路S1〜S9の他端は図に示すようにTFTパネル10の対応する信号電極X1〜X9とそれぞれ接続している。
【0064】
ここでまず、Yドライバ11は、Yドライバ制御信号16のクロックタイミングに応じて、所定の選択期間毎に順次、走査電極を選択していき、選択した走査電極に対して、選択電圧、即ちゲート電圧、を印加していく。言い換えれば、Yドライバ11及び制御信号16及びコントローラ101がそのような動作や制御をする構成となっている。なお、Yドライバ11の動作及び構成は従来技術と同様なので詳細な説明を省略する。
【0065】
なお、任意の走査電極に選択電圧が印加されている各選択期間を複数の小選択期間、ここでは3つの小選択期間に分け、初めの小選択期間を第1の小選択期間、次の小選択期間を第2の小選択期間、最後の小選択期間を第3の小選択期間と言うことにする。
【0066】
次に、コントローラ101が出力する信号電極選択信号群102、即ち選択信号D1〜D9とデジタル表示データDD0〜DD2のタイミングを、信号D1〜D9とデジタル表示データDD0〜DD2のタイミングを示すタイム・チャートを示す図3を用いて説明する。
【0067】
図3において横軸は時間を表す。デジタル表示データDD0〜DD2に関しては時間軸を拡大してあり、また一部省略してある。そして、波形内に記した数字は、数字の十の位の数で、図2のTFTパネル10走査電極の番号、一の位の数で信号電極の番号を示し、当該番号の走査電極と信号電極が交差する部分の画素に表示すべき階調データを示す。例えば、「34」ならば走査電極Y3と信号電極X4が交差する部分の画素P34に表示すべき階調データを表す。
【0068】
また、選択信号D1〜D9の波形は、上が能動、下が非能動を示す。即ち、例えば選択信号D5が能動の時、図2のスイッチ回路S5がオンとなり、非能動の時オフとなるように、選択信号D1〜D9とスイッチ回路S1〜S9のスイッチングは対応している。
【0069】
本実施例においては走査電極を7本(Y1〜Y7)としているので、各フレーム期間は7つの選択期間からなる。従って、図2のYドライバ11は、各フレーム期間の初めから、各選択期間毎に走査電極Y1からY7まで順次選択するように動作する。また、スイッチ回路S1〜S9は3つのグループに分割されてスイッチ回路のグループが選択期間中の小選択期間毎に順次選択されるようにしているため、各選択期間は3つの小選択期間からなる。
【0070】
図3において、選択信号D1〜D9の波形が示すように、最初のフレーム期間(図の第1フレーム期間)の走査電極Y1が選択されている最初の選択期間では、第1の小選択期間で選択信号D1〜D3が能動(図2のスイッチ回路S1〜S3がオン、信号電極X1〜X3が選択される。)、第2の小選択期間で信号D4〜D6が能動(図2のスイッチ回路S4〜S6がオン、信号電極X4〜X6が選択される。)、第3の小選択期間で信号D7〜D9が能動(図2のスイッチ回路S7〜S9がオン、信号電極X7〜X9が選択される。)となる。
【0071】
これに同期して、オンしたスイッチ回路を介して信号電極に供給されるデジタル表示データDD0〜DD2はそれぞれ、第1の小選択期間には「11」、「12」、「13」、第2の小選択期間には「14」、「15」、「16」、第3の小選択期間には「17」、「18」、「19」の各画素に供給すべき表示データとなる。これらのデジタル表示データは、図2のD/A変換回路12〜14で逐次電圧に変換されるから、信号電圧線AD0〜AD2にはそれぞれ、第1の小選択期間には「11」、「12」、「13」、第2の小選択期間には「14」、「15」、「16」、第3の小選択期間には「17」、「18」、「19」に対応した電圧が供給されることになる。すると、第1の小選択期間では図2のスイッチ回路S1〜S3がオンとなるから、信号電極X1〜X3にそれぞれ「11」、「12」、「13」に対応した電圧が供給される。
【0072】
よって、走査電極Y1と信号電極X1〜X3のそれぞれの部分の画素容量が「11」、「12」、「13」に対応した電圧で充電されることになる。同様に、第2の小選択期間では走査電極Y1と信号電極X4〜X6のそれぞれの部分の画素容量が「14」、「15」、「16」に対応した電圧で充電され、第3の小選択期間では走査電極Y1と信号電極X7〜X9のそれぞれの部分の画素容量が「17」、「18」、「19」に対応した電圧で充電される。よって、走査電極Y1上の総ての画素は所望する階調の表示となる。
【0073】
次に走査電極Y2が選択されている期間では、第1の小選択期間で信号D1、D2、D9が能動、第2の小選択期間で信号D3〜D5が能動、第3の小選択期間で信号D6〜D8が能動となる。これに同期して、デジタル表示データDD0〜DD2はそれぞれ、第1の小選択期間にて「21」、「22」、「29」、第2の小選択期間にて「23」、「24」、「25」、第3の小選択期間にて「26」、「27」、「28」となる。
【0074】
よって、第1の小選択期間において図2のスイッチ回路S1、S2、S9がオンとなるから、信号電極X1、X2、X9にそれぞれ「21」、「22」、「29」に対応した電圧が供給される。同様に第2の小選択期間では信号電極X3〜X5のそれぞれに「23」、「24」、「25」に対応した電圧が、第3の小選択期間では信号電極X6〜X8のそれぞれの部分の画素容量が「26」、「27」、「28」に対応した電圧が供給される。よって、所望する階調の表示となる。
【0075】
ここで一般的に言うと、デジタル表示データDD0〜DD2のそれぞれは、ある選択されている走査電極と選択信号D1〜D9内の能動になっているものに対応した信号電極とが交差する部分の画素に表示すべき階調データとなっている。
【0076】
よって、デジタル表示データDD0〜DD2のタイミングについてのこれ以上の説明を省略して、選択信号D0〜D9についてのタイミングだけを、図3の信号D0〜D9のタイミングを表1〜3を用いて説明する。表1〜表3は各々第1フレーム〜第3フレームでの図3の選択信号D1〜D9の状態を示す。各表において、第1列目がフレーム期間、2列目が選択期間、3列目が小選択期間を示す欄で、4列目以降が信号D1〜D9の状態を示す欄である。表1〜表3で○印のある部分が能動である。表に示すように選択期間毎に同時に能動となる信号の組、言い換えれば同時に選択される信号電極の組が組み替えられる。
【0077】
【表1】
Figure 0003775037
【0078】
【表2】
Figure 0003775037
【0079】
【表3】
Figure 0003775037
【0080】
即ち、ある選択期間では、X1,X2,X3と、X4,X5,X6と、X7,X8,X9が同時に選択される信号電極の組であったのが、次の選択期間では、X9,X1,X2と、X3,X4,X5と、X6,X7,X8となり、更に次の選択期間では、X8,X9,X1と、X2,X3,X4と、X5,X6,X7となり、次は初めのX1,X2,X3と、X4,X5,X6と、X7,X8,X9となる。表に示されるように、同時に選択される信号電極の組が小選択期間毎に順次左側にシフトしていく組み替え方式であり、このような信号電極の選択がY7が選択され終わるまで繰り返される。
【0081】
また、これをフレーム期間毎に見ると、例えば走査電極Y1が選択されている期間について、第1フレーム期間では、X1,X2,X3と、X4,X5,X6と、X7,X8,X9が同時に選択される信号電極の組であったのが、次のフレーム期間では、X8,X9,X1と、X2,X3,X4と、X5,X6,X7となり、更に次のフレーム期間では、X9,X1,X2と、X3,X4,X5と、X6,X7,X8となり、次は初めのX1,X2,X3と、X4,X5,X6と、X7,X8,X9となる。これが繰り返されていく。よって、フレーム周期(ここでは7倍の選択期間)毎でも同時に選択される信号電極の組が組み替えられる。
【0082】
図2のコントローラ101は、以上のようなタイミングで、デジタル表示データDD0〜DD2及び信号電極スイッチ回路S1〜S9を制御する信号電極選択信号群102(選択信号D1〜D9)を出力する。
【0083】
本実施例のTFTパネル10を用いた液晶装置は以上の駆動方法で駆動する。ところで、ある小選択期間で選択された信号電極の内、次の小選択期間で選択された信号電極に隣接する選択し終わった信号電極に係る画素容量の電圧に対して、図14を用いて説明したような選択開始された信号電極での電圧変化の影響が及び、画素容量の電圧がシフトして誤差が生じてしまう(以下、このシフトした電圧を誤差電圧と言う。)。
【0084】
ここで、本実施例の駆動をさせた時の誤差が生じる画素の位置を表4に示す。表で第1行が信号電極、第1列目が走査電極の番号を示す欄で、2行2列以降にこれらの信号電極と走査電極の交差する所の画素容量に誤差電圧が発生する画素に○印が付けられている。
【0085】
【表4】
Figure 0003775037
【0086】
表4に示すように誤差の生じる画素はフレーム期間毎に異なり、信号電極X1〜X6に係る画素については、各々総て3フレームに1回だけ誤差が生じるだけとなる。言い換えれば各画素の画素容量に印加される誤差電圧(は1/3に総て均一に低減さえ、均一に分散される。
【0087】
ところで、信号電極X7〜X9に係る画素については、誤差電圧が生じない。よって、この右端の画素(ここでは右端の3本の信号電極に係る画素)は他の画素に対して厳密には僅かながら表示むらが発生することになる。しかしながら、本実施例では図及び説明を簡略化する為に、信号電極が9本と少ない場合で説明しているが、実際は数百本以上であり、右端の3本分だけ僅かに(1/3に低減した誤差電圧分だけ)階調表示が異なっても殆ど問題無い、あるいは右端の3本分を実際には使用しないダミーとしても良く、実用上の不具合いは生じない。
【0088】
以上、説明したように、本実施例の駆動方法、及び液晶装置によれば、所定の画素に生じていた誤差電圧が、総ての画素に1/3に均一に低減され均一分散されるので、表示むらが見えなくなり、高品質な表示が可能となる。
【0089】
ここで、本実施例では、第1の小選択期間を除けば、先の小選択期間から後の小選択期間に向かって左側の画素から右側の画素を順次選択する組み合わせの場合を記してあるが、無論、右側の画素から左側の画素を順次選択する組み合わせであっても良い。
【0090】
更に左側の画素から右側の画素を順次選択する組み合わせの場合と右側の画素から左側の画素を順次選択する組み合わせの場合を適宜交代する組み合わせ方でも良い。こうすると、左端、右端部分の画素についても若干の均一な誤差電圧が生じてこの左端、右端部分の画素での表示むらが改善される。
【0091】
なお、本実施例では各小選択期間に同時に選択する信号電極数を3本の場合で説明したが、無論これに限定されるものではなく、2本以上の任意の本数の場合に対しても適用出来ることは言うまでもない。
【0092】
また、本実施例では、各選択期間毎に同時に選択する信号電極の組を1本ずつ巡回的に組み替えた例を示したが、これについてもこれに限定されるものではなく、ある周期で、または無秩序(擬似的な無秩序を含む)に、または所定の組み替え則で組み替えても良い。
【0093】
そして、更に液晶装置の信号電極数及び走査電極数が本実施例より多い場合についても適用可能なのは言うまでもない。
【0094】
さらに、本実施例ではTFTパネルを前提に説明を進めたが、これに限定されるものではない。例えば、図1における他方の基板2をシリコン基板とし、トランジスタをシリコン基板表面に形成したMOS型トランジスタで形成し、画素電極を反射型電極で形成する反射型のアクティブ液晶パネルとしてもよい。無論、本実施例の場合にも、画素電極を反射型電極として形成しても構わない。
【0095】
また、本実施例の電気光学装置の構成は、具体的な一構成例であって、これに限定されるものではなく、同等の動作を行なえれば他の構成であっても良い。特に図2で、スイッチ回路ブロックSB内の信号電極スイッチ回路S1〜S9のオン/オフ制御に、これに対応する本数の信号D1〜D9を与えてあるが、これは動作の理解を容易に、あるいは説明を簡略化する為であり、実際にはスイッチ回路ブロックSB内にデコーダ回路やその他の回路構成でより少ない数の信号電極選択信号群102で動作するようにすることが好ましい。
【0096】
また、上述したローテーション方式を本実施例に併用できることは言うまでもない。
【0097】
〔実施例2〕
次に、本発明の電気光学装置の実施例2について説明する。
【0098】
実施例1の表1〜表3で示した駆動方法では、例えば、表1の第1フレームの第2選択期間の第1の小選択期間で信号電極X1,X2とX9が選択された後に、第2の小選択期間で信号電極X3,X4,X5が選択される。即ち、図2のコントローラ101が出力するデジタル表示データDD0〜DD2は、左端の画素(X1とX2)と右端の画素(X9)に対応した表示データの信号とし、その後に続く小選択期間では、順次、左側からの3画素(X3〜X5)(X6〜X8)に対応した信号とする必要がある。従って、このデジタル表示データを出力する、コントローラ101内のこれらの制御回路(図示せず。)の構成がやや複雑になる。
【0099】
そこで、本実施例では各選択期間を例えば4つの小選択期間に分割して、コントローラ101内のこれらの制御回路の構成を複雑にしない駆動方法について述べる。
【0100】
まず、この4つの小選択期間を、第1〜第4の小選択期間とすると、この場合の各フレーム、選択期間、小選択期間で選択される信号電極は、表5のようになる。なお、表5は、表1〜3と同様の構成となっているが、表を簡略化する為に途中より後を省略してある。
【0101】
【表5】
Figure 0003775037
【0102】
表5に示すように、あるフレーム期間のY1の選択期間では、X1〜X3とX4〜X6とX7〜X9が同時に選択される信号電極の組であったのが、次の選択期間では、4つの小選択期間において、X1とX2、X3〜X5、X6〜X8、X9が順次選択されることとなり、更に次の選択期間では、X1、X2〜X4、X5〜X7、X8とX9が順次選択されることとなる。さらに、次の選択期間では第1〜第3の小選択期間においてX1〜X3、X4〜X6、X7〜X9が順次選択され、第4の小選択期間ではX1〜9のいずれの信号電極も選択されない。すなわち、表に示されるように、同時に選択される信号電極の組が小選択期間毎に順次左側にシフトしていく組み替え方式であり、このような信号電極の選択がY7が選択され終わるまで繰り返される。
【0103】
そして、次のフレーム期間でのY1の選択期間では、X1とX2、X3〜X5、X6〜X8、X9が4つの小選択期間毎に同時選択される信号電極の組となり、次の選択期間では、X1、X2〜X4、X5〜X7、X8とX9が各小選択期間における同時選択の組となり、更に次の選択期間ではX1〜X3、X4〜X6、X7〜9が選択の組となり、最後の小選択期間では選択がなされない。次はX1とX2、X3〜X5、X6〜X8、X9が組となる。このように選択される信号電極の組が順次左シフトし、これがY7が選択されおわるまで繰り返される。
【0104】
更に次のフレーム期間でのY1の選択期間では、X1、X2〜X4、X5〜X7、X8とX9が同時に選択される信号電極の組となり、次の選択期間では、X1〜X3、X4〜X6、X7〜X9となって残りの小選択期間では選択がなされない。更に次の選択期間ではX1とX2、X3〜X5、X6〜X8、X9が同時選択の組となり、次の選択期間ではX1、X2〜X4、X5〜X7、X8とX9が同時選択の組となる。このように選択される信号電極の組が順次左シフトし、これがY7が選択されおわるまで繰り返される。
【0105】
以上のように3フレーム期間が繰り返される。このような駆動方法を行なった時に、各フレーム期間での誤差電圧の発生する画素の位置を表6に示す。表6の構成は表4と同じである。
【0106】
【表6】
Figure 0003775037
【0107】
表6に示すように誤差電圧の生じる画素はフレーム期間毎に異なり、信号電極X1〜X8に係る画素については、各々総て3フレームに1回だけ誤差電圧が生じるだけとなる。言い換えれば各画素に印加する誤差電圧は1/3に総て均一に低減さえ、均一に分散される。従って、実施例1の表1〜表3で示した駆動方法と同様の効果が得られる。また、誤差が生じないのは左端の信号電極X9だけにすることが出来る。
【0108】
そして、図2のコントローラ101が出力するデジタル表示データDD0〜DD2を、常に、隣接又は近隣の画素の組の表示データの信号を供給すればよくなる、すなわち実施例に従えば左側の画素から順に右側の画素の順番通りに対応した信号で済むので、コントローラ101内の制御回路を簡単にすることが出来る。なお、小選択期間の数が一つ増えるが、実際のTFTパネルの場合には信号電極数が数百本以上であり、各選択期間での小選択期間の数は数十〜数百であり、小選択期間が一つ増えても問題とはならない。
【0109】
また、本実施例でも、先の小選択期間から後の小選択期間に向かって左側の画素から右側の画素を信号電極の組毎に順次選択する組み合わせの場合を記してあるが、無論、右側の画素から左側の画素を順次選択する組み合わせであっても良い。
【0110】
更に左側の画素から右側の画素を順次選択する組み合わせの場合と右側の画素から左側の画素を順次選択する組み合わせを適宜交代する(例えばフレーム毎に交代する)組み合わせ方でも良い。こうすると、実施例1と同様に左端、右端部分の画素についても若干の均一な誤差電圧が生じてこの左端、右端部分の画素での表示むらが改善される。
【0111】
また、本実施例1と同様に、各小選択期間に同時に選択する信号電極数を3本の場合で説明したが、無論これに限定されるものではなく、2本以上の任意の本数の場合に対しても適用出来ることは言うまでもない。
【0112】
また、本実施例では、各選択期間毎に同時に選択する信号電極の組を1本ずつ巡回的に組み替えた例を示したが、これについてもこれに限定されるものではなく、ある周期で、または無秩序(擬似的な無秩序を含む)に、または所定の組み替え則で組み替えても良い。
【0113】
また更に、本実施例では、各小選択期間毎に同時に選択する信号電極の組を互いに隣接する信号電極としてあるが、これについても、これに限定されるものではない。
【0114】
そして、更にTFTパネルの信号電極数及び走査電極数が本実施例より多い場合についても適用可能なのは言うまでもないが、ここで一般的なTFTパネルでの駆動方法について述べておく。
【0115】
まず、m本の走査電極(上から並び順にY1〜Ymの記号を付し、その走査電極名とする。)とn本の信号電極(左から並び順にX1〜Xnの記号を付し、その信号電極名とする。)とからなるTFTパネルを用いた時の、本実施例の駆動方法を説明する。即ち、各小選択期間に同時に選択する信号電極の数が最大3本の場合についての組み合わせの例について説明する。ここで、初めの選択期間から第1、第2、…の選択期間とし第1の選択期間ではY1、第2の選択期間ではY2…を選択するものとし、Y1〜Ymを総て1巡して選択しおわるフレーム期間についても、あるフレーム期間を第1のフレーム期間、引続くフレーム期間を第2のフレーム期間…ということにする。そして、各選択期間は複数の小選択期間からなるものとし、各選択期間で、初めの小選択期間から第1、第2…の小選択期間と言うことにする。
【0116】
ここで、第1のフレーム期間では、第(1+3k)の選択期間では、第1の小選択期間でX1〜X3の3本を選択し、続く各々の小選択期間では、X4〜X6、X7〜X9…と並び順に3本ずつ最後の信号電極まで選択していく。無論、最後の小選択期間では選択される信号電極数は総信号電極数nによって異なる。
【0117】
第(2+3k)の選択期間では、第1の小選択期間でX1〜X2の2本を選択し、続く各々の小選択期間では、X3〜X5、X6〜X8…と並び順に3本ずつ最後の信号電極まで選択していく。
【0118】
第(3+3k)の選択期間では、第1の小選択期間でX1の1本を選択し、続く各々の小選択期間では、X2〜X4、X5〜X7…と並び順に3本ずつ最後の信号電極まで選択していく。なお、kは正整数である。
【0119】
ここで、上の各選択期間で第1の小選択期間で同時に選択される信号電極数は、
第(1+3k)の選択期間から第(3+3k)の選択期間のそれぞれで、第1の小選択期間で同時に選択される信号電極数は3本、2本、1本であり、その後の第2の小選択期間以降では並び順に3本ずつ選択していく。よって、各選択期間での、小選択期間で同時に選択する信号電極の組の組み合わせ方は、各選択期間で第1の小選択期間で同時に選択される信号電極数で表すことが出来る。
【0120】
即ち、第(1+3k)の選択期間では、第1の小選択期間でX1〜X3の3本を選択するので、「3の組み合わせ」、第(2+3k)の選択期間では、第1の小選択期間でX1〜X2の2本を選択するので、「2の組み合わせ」、第(3+3k)の選択期間では、第1の小選択期間でX1の1本を選択するので、「1の組み合わせ」と表すことが出来る。
【0121】
更に、同一フレーム期間では、第(1+3k)の選択期間での「3の組み合わせ」と第(2+3k)の選択期間での「2の組み合わせ」と第(3+3k)の選択期間での「1の組み合わせ」が周期的に用いられるので、そのフレーム期間での組み合わせを、
{3、2、1}|3と表すことが出来、
これでそのフレーム期間での組み合わせを表すことにする。なお、|3は、第2以降の小選択期間で同時に選択される信号電極数(ここでは3)を示す指標である。ここで、
第1のフレーム期間では、{3、2、1}|3とし、
第2のフレーム期間では、{2、1、3}|3とし、
第3のフレーム期間では、{1、3、2}|3とし、
第4のフレーム期間以降では、上の第1から3のフレーム期間のくり返しとすることにより、本実施例で述べた効果が、m本の走査電極とn本の信号電極からなる一般化したTFTパネルでも得られる。
【0122】
なお、実施例1と同様に、他方の基板2をシリコン基板とし、トランジスタをシリコン基板表面に形成したMOS型トランジスタで形成し、画素電極を反射型電極で形成する反射型のアクティブ液晶パネルとしてもよい。無論、本実施例の場合にも、画素電極を反射型電極として形成しても構わない。
【0123】
〔実施例3〕
実施例1、2で述べたように、同時に選択する信号電極の組み合わせ方は、極めて多くの組み合わせがあり、その組み合わせ方を総て列記することは出来ないが、他の組み合わせの他の例のいくつかを本実施例で示す。本実施例では、m本の信号電極とn本の走査電極からなるTFTパネルを用い、同時に選択する信号電極の数が最大6本の場合についての組み合わせの例について説明する。
【0124】
ここで、実施例2を習って、
第1のフレーム期間では、{6、5、4、3、2、1}|6とし、
第2のフレーム期間では、{5、4、3、2、1、6}|6とし、
第3のフレーム期間では、{4、3、2、1、6、5}|6とし、
第4のフレーム期間では、{3、2、1、6、5、4}|6とし、
第5のフレーム期間では、{2、1、6、5、4、3}|6とし、
第6のフレーム期間では、{1、6、5、4、3、2}|6とし、
第7のフレーム期間以降では、上の第1から6のフレーム期間のくり返しとする。この駆動方法を実施例3の第1の駆動方法と呼ぶ。この駆動方法では、各画素に第1から6フレーム期間を通して一度だけ誤差電圧が均一に生じるので、実施例2で述べた効果が得られる。
【0125】
しかしながらこのような組み合わせでは、表示にちらつきが生じる場合がある。これを、図4(a)〜(f)を用いて説明する。図4(a)〜(f)はそれぞれ第1〜第6フレーム期間で、誤差電圧の発生する画素、言い換えれば表示むらの発生する画素を示す図である。本図は、走査電極が18本、信号電極が36本のTFTパネルを用いた場合で各マス目が画素であり、ハッチングをほどこした各マス目が表示むらの発生する画素を示す。
【0126】
図に示すように、各フレーム期間で表示むらの発生する画素が画面の右上から左下の斜め線状に連続する。そして、あるフレーム期間から次のフレーム期間に移ると、この表示むらの発生する画素が全体に1画素分左に移動する。従って、斜め線状の表示むらが移動して見え、表示にちらつきが生じる。ここで、各フレーム期間が充分に短ければ斜め線状の表示むらの移動が速くなり、あるいは液晶の電気光学応答が遅ければこのちらつきは減少するが、このようにすると、駆動に必要な回路や信号を速くする必要が生じ、また高速応答等の表示性能の低下につながり好ましくない。
【0127】
ここで、このちらつきは、斜め線状の表示むら、言い換えれば連続した定型的な表示むらパターンが6つのフレーム期間の比較的長い時間を周期にして連続的に移動することによる。言い換えれば、各フレーム期間で発生する表示むらパターンが不連続な不定型なものとすれば良く、また表示むらパターンが不連続的に短周期で移動するようにすれば良い。よって、例えば
第1のフレーム期間では、{6、3、1、5、2、4}|6とし、
第2のフレーム期間では、{3、5、4、2、6、1}|6とし、
第3のフレーム期間では、{4、2、5、1、3、6}|6とし、
第4のフレーム期間では、{1、6、2、4、5、3}|6とし、
第5のフレーム期間では、{5、1、6、3、4、2}|6とし、
第6のフレーム期間では、{2、4、3、6、1、5}|6とし、
第7のフレーム期間以降では、上の第1から6のフレーム期間のくり返しとする。この駆動方法を実施例3の第2の駆動方法と呼ぶ。この駆動方法でも、各画素に第1から6フレーム期間を通して一度だけ誤差電圧が均一に生じるので、実施例2で述べた効果が得られる。
【0128】
図5(a)〜(f)は、このような駆動を行なった時の、それぞれ第1〜第6フレーム期間で、表示むらの発生する画素を示す図である。なお図の見方は図4と同じで、TFTパネルの画素数も同じである。図5(a)〜(f)で示すように、各フレーム期間での表示むらのパターンは、各フレーム期間毎に異なった不定型なパターンであり、表示むらの画素が連続する数は多くとも2画素である。また、例えば1番上の行の1番左に発生する表示むらの画素の位置は、第1〜6のフレーム期間毎に、X6、X3、X1、X5、X2、X4の位置に不連続的に変化する。よって、ちらつきが殆ど発生しない。
【0129】
次に、他の駆動方法を説明する。この駆動方法は、表示むらパターンが連続的で定型的であっても不連続的に移動するようにするだけでもちらつきの低減にある程度の効果が得られるようにするものである。例えば、
第1のフレーム期間では、{6、5、4、3、2、1}|6とし、
第2のフレーム期間では、{3、2、1、6、5、4}|6とし、
第3のフレーム期間では、{5、4、3、2、1、6}|6とし、
第4のフレーム期間では、{2、1、6、5、4、3}|6とし、
第5のフレーム期間では、{4、3、2、1、6、5}|6とし、
第6のフレーム期間では、{1、6、5、4、3、2}|6とし、
第7のフレーム期間以降では、上の第1から6のフレーム期間のくり返しとする。この駆動方法を実施例3の第3の駆動方法と呼ぶ。この駆動は、第1の駆動法の組み合わせを各フレーム期間で用いる順番を変更したものである。
【0130】
図6(a)〜(f)は、このような駆動を行なった時の、それぞれ第1〜第6フレーム期間で、表示むらの発生する画素を示す図である。なお図の見方は図4と同じで、TFTパネルの画素数も同じである。図6(a)〜(f)で示すように、各フレーム期間での表示むらのパターンは、右上から左下に連続する斜め線状となるが、各フレーム期間毎にこの斜め線状の表示むらは不連続に移動する。よって、ちらつきが低減出来る。また更に
第1のフレーム期間では{6、5、4、3、2、1}|6とし、
第2のフレーム期間では{1、2、3、4、5、6}|6とし、
第3のフレーム期間では{5、4、3、2、1、6}|6とし、
第4のフレーム期間では{2、3、4、5、6、1}|6とし、
第5のフレーム期間では{4、3、2、1、6、5}|6とし、
第6のフレーム期間では{3、4、5、6、1、2}|6とし、
第7のフレーム期間では{3、2、1、6、5、4}|6とし、
第8のフレーム期間では{4、5、6、1、2、3}|6とし、
第9のフレーム期間では{2、1、6、5、4、3}|6とし、
第10のフレーム期間では{5、6、1、2、3}|6とし、
第11のフレーム期間では{1、6、5、4、3、2}|6とし、
第12のフレーム期間では{6、1、2、3、4、5}|6とし、
第13のフレーム期間以降では、上の第1から12のフレーム期間のくり返しとする。この駆動方法を実施例3の第4の駆動方法と呼ぶ。
【0131】
この第4の駆動方法の奇数のフレーム期間だけを追って見ると第1の駆動方法と同じで、右上から左下への斜め状の表示むらが左へ動き、偶数のフレーム期間だけを追って見ると左上から右下への斜め状の表示むらが右へ動き、これらがほぼ相殺されちらつきが低減出来る。ここで更に、第1の駆動方法に対する第3の駆動方法と同様に各フレーム期間で用いる組み合わせの順番を変更しても良い。
【0132】
以上、本実施例では、第1〜第4の駆動方法を挙げて説明したが、これらのいずれかまたは他の駆動方法(組み合わせ方)をとるかは、液晶パネルの電気光学応答特性やコントローラの回路構成をどこまで複雑にして良いのか等を考慮して取捨選択すれば良い。例えば、第1の駆動方法でちらつきが見えなければ、この方法を用いることによって、コントローラのこれらの制御回路を比較的簡素なものに出来、逆に第2の駆動方法のような不規則に近い組み替え方による駆動方法をとる場合には、コントローラのこれらの制御回路は比較的複雑なものになるが、よりちらつきの無い表示が可能である。
【0133】
以上述べたように、様々な駆動方法(組み合わせ方)があり、組み合わせ方を適当に設定することによって、表示むら及びちらつきを防止出来る。なお、ここで挙げた組み合わせは一例に過ぎず、本実施例で述べた趣旨に反しない他の組み合わせでも、無論、かまわない。
【0134】
また本実施例においても、ローテーション方式が併用可能なことは言うまでもない。
【0135】
〔実施例4〕
実施例1の図2では、電気光学装置が、TFTパネル10及び信号電圧線AD0〜AD2、スイッチ回路ブロックSB他で構成されている。ここで、TFTパネル10の基板上に、少なくとも信号電圧線AD0〜AD2とスイッチ回路ブロックSBを形成、搭載することが好ましい。即ち、微細加工技術の向上に伴い、TFTパネル10の基板上に信号電圧線AD0〜AD2とスイッチ回路ブロックSBを形成、搭載することが可能でありこれによって液晶装置を小さくすることが可能である。また逆にスイッチ回路ブロックSBをTFTパネル10の基板上に形成しない場合には、スイッチ回路ブロックSBとTFTパネル10の多くの端子を電気的に接続する必要があり、この接続部の信頼性が低下してしまうからである。
【0136】
また、実施例1〜3の駆動方法を行う場合の、信号電圧線AD0〜AD2とスイッチ回路ブロックSBを形成、搭載したTFTパネルのスイッチ回路ブロックSBの具体的な構成は次の構成にするにが好ましい。
【0137】
図7は、TFTパネル10を構成する他方の基板2における画素領域の周辺領域に形成された信号電圧線AD0〜AD2とスイッチ回路ブロックSBの具体的な構成を示す図である。
【0138】
図でAD0〜AD2は信号電圧線であり、破線で囲んだSBがスイッチ回路ブロックである。ここで、信号電圧線AD0〜AD2には外部から供給される信号電圧が与えられる。
【0139】
スイッチ回路ブロックSB内で、実線で囲んだ701と702はそれぞれシフトレジスタ回路、ラッチ回路である。シフトレジスタ回路701、ラッチ回路702はそれぞれ、四角で示したR1〜R9、L1〜L9のD型フリップフロップ回路(四角の左上をデータ入力、左下をクロック入力、右をデータ出力とする。)からなる。また、それぞれ四角で囲んだS1〜S9はスイッチ回路(四角の左を制御端子、上を入力端子、下を出力端子とする。)である。
【0140】
ここで、シフトレジスタ回路701とラッチ回路702とで信号電極選択制御回路を構成し、ラッチ回路702内のD型フリップフロップ回路L1〜L9のデータ出力をそれぞれスイッチ回路S1〜S9に対応した信号電極選択信号(実施例1〜3にて説明した選択信号D1〜D9に相当する。)として、それぞれスイッチ回路S1〜S9のそれぞれの制御端子に供給する。スイッチ回路S1〜S9の入力端子はそれぞれ信号電圧線AD0〜AD2のいずれかと結線され、他方の出力端子はそれぞれTFTパネルの信号電極X1〜X9(図示せず。)に結線されている。ここで、信号電極選択信号が能動ならばこの信号が供給されるスイッチ回路S1〜S9はオンとなり、非能動ならばオフとなる。
【0141】
シフトレジスタ回路701、ラッチ回路702のそれぞれのDフリップフロップ回路の数とスイッチ回路の数は、本実施例では9個であるが、一般的にはそれぞれTFTパネルの信号電極数に対応する。
【0142】
スイッチ回路ブロックSBは以上のような構成となっている。
【0143】
そして、選択データ信号SDA、シフトクロック信号SCK、ラッチクロック信号LCKから構成される信号電極選択信号102がスイッチ回路ブロックSBに与えられる。
【0144】
すると、信号電極選択制御回路を構成するシフトレジスタ回路701は、外部から供給される選択データ信号SDAをシフトクロック信号SCKに同期して取り込み、DフリップフロップR1の出力データをR2に、R2のデータをR3へ…と右にシフトする。
【0145】
ラッチ回路702内のDフリップフロップL1〜L9のそれぞれは、ラッチクロック信号LCKに同期して、シフトレジスタ回路701のDフリップフロップR1〜R9の出力データを取り込み、そのデータを信号電極選択信号D1〜D9として出力する。即ち、DフリップフロップL1〜L9の出力するデータが能動であればこれに対応するスイッチ回路S1〜S9はオン、非能動であればオフとなる。以上のような構成と動作をする。
【0146】
図8は、スイッチ回路ブロックSBの動作を説明するタイミングチャート図である。図は、あるフレーム期間で、{3、2、1}|3の駆動方法での走査電極Y1〜Y3が選択されている時を示している。(但し、Y3については途中までである。)そして横軸は時間で、各選択期間は4つの小選択期間からなり、初めから第1、第2、…の小選択期間とする。また、図で示される波形は、上からラッチクロック信号LCK、シフトクロック信号SCK、信号電極選択データ信号SDA、そしてシフトレジスタ701内の各DフリップフロップR1〜R9の出力データ、ラッチ回路702内の各DフリップフロップL1〜L9の出力データ(実施例1〜3の選択信号D1〜D9に相当する。)である。なお、信号電極選択データ信号SDA、R1〜R9、L1〜L9の出力波形は、上を能動とし、下を非能動とする。
【0147】
図に示すように、ラッチクロック信号LCKを3シフトクロック信号SCK毎に1回の割合で供給してあり、ラッチクロック信号LCKの立上がりから次の立上がりまでの期間が1小選択期間となる。
【0148】
そして、3シフトクロック信号SCK分の長さの能動な信号電極選択データ信号SDAを、シフトクロック信号SCKに同期して、シフトレジスタ回路701内のR1に取り込み、R2〜R9にシフトさせている。ところで、ラッチクロック信号LCKは、3シフトクロック信号SCK毎に1回の割合で供給されているので、ラッチ回路702の、能動なデータを出力する連続する3つのDフリップフロップの位置が3つずれた時に、R1〜R9の出力がラッチ回路702のDフリップフロップL1〜L9に取り込まれ出力される。よって、小選択期間の開始毎にラッチ回路702の能動なデータを出力するDフリップフロップの位置が3つずつ重ならないでずれていく。
【0149】
ここで、信号電極選択データ信号SDAが能動となるタイミングは、例えば、図のY1の選択期間では、この選択期間の第1の小選択期間が開始するラッチクロック信号LCKの立上がりに対して3シフトクロック信号SCK分前であり、Y2の選択期間では2シフトクロック信号SCK分前、Y3の選択期間では1シフトクロック信号SCK分前となっている。
【0150】
こうすると、Y1の選択期間では、第1の小選択期間にL1〜L3の出力が能動となり、信号電極X1〜X3が選択され、第2の小選択期間にL4〜L6の出力が能動となり、第3の小選択期間にL7〜L9の出力が能動となり、第4の小選択期間には総てが非能動となる。即ち、「3の組み合わせ」で駆動される。
【0151】
同様に、Y2の選択期間では、第1の小選択期間にL1とL2の出力が能動となり、第2の小選択期間にL3〜L5の出力が能動となり、第3の小選択期間にL6〜L8の出力が能動となり、第4の小選択期間にはL9の出力が能動となる。即ち、「2の組み合わせ」で駆動される。
【0152】
更に、Y2の選択期間では、第1の小選択期間にL1の出力が能動となり、図示していないが第2の小選択期間にL2〜L4の出力が能動となり、第3の小選択期間にL5〜L7の出力が能動となり、第4の小選択期間にはL8とL9の出力が能動となる。即ち、「1の組み合わせ」で駆動される。よって、{3、2、1}|3の駆動方法がなされる。
【0153】
以上述べたように、本実施例のスイッチ回路ブロックSBの構成によれば、信号電極選択データ信号SDA、シフトクロック信号SCK、ラッチクロック信号LCKの3本の信号で例えば実施例2の駆動方法が実現出来る。また、シフトクロック信号SCKに対するラッチクロック信号LCKの間隔、信号電極選択データ信号SDAの与え方を適当にすることによって、実施例3で述べた他の駆動方法にも容易に適用出来る。例えば実施例3の第3の駆動方法を実現するには、第1のフレーム期間での{6、5、4、3、2、1}|6による駆動方法は、ラッチクロック信号LCKを6シフトクロック信号SCK毎に1回の割合で供給し、6シフトクロック信号SCK分の長さの能動な信号電極選択データ信号SDAを供給してやれば良く、そのタイミングはY(1+6k)の選択期間では、この選択期間の第1の小選択期間が開始するラッチクロック信号LCKの立上がりに対して6シフトクロック信号SCK分前であり、Y(2+6k)の選択期間では5シフトクロック信号SCK分前、Y(3+6k)の選択期間では4シフトクロック信号SCK分前、…とすれば良い。なお、kは正整数。
【0154】
ここで、本実施例ではシフトレジスタ回路701は右シフト構成となっているが、無論左シフト構成であっても構わず、また、制御信号が1本増えるが右シフトと左シフトの両方が行なえる構成であっても構わない。
【0155】
無論、スイッチ回路ブロックSBの信号電極選択制御回路の構成は、本実施例のようなシフトレジスタ回路とラッチ回路による構成に限るものではない。即ち、1選択期間を最小単位として同時にオンとなるスイッチ回路の組み合わせを変更出来るような回路構成であれば、信号電極選択制御回路の構成はいかなる構成であっても良い。
【0156】
例えば、各フレーム期間の各選択期間での信号電極の組み合わせ方が周期的な場合には、各選択期間での小選択期間数を係数する係数回路、各フレーム期間での選択期間数を係数する係数回路、及びフレーム期間を係数する係数回路をTFTパネルの基板上に設け、あるいはこれらの係数値を入力し、これらの数値をデコードして、スイッチ回路ブロックSBの各々のスイッチ回路のオン/オフ制御する回路構成であっても良い。
【0157】
しかしながら、このような回路構成は複雑となりやすく、各選択期間での信号電極の組み合わせ方に自由度が乏しくなりやすいので、本実施例の構成がより好ましい。
【0158】
なお、図2のYドライバ11の構成をTFTパネル上に形成しても、無論良い。
【0159】
また、本実施例の構成のスイッチ回路ブロックSBをTFTパネルの基板上に搭載したTFTパネルを用いることによって、実施例1の電気光学装置が、制御が容易で構成の簡素化されたものになるのは言うまでもない。
【0160】
また、以上の説明では、TFTパネルを前提にしたが、図1における他方の基板2をシリコン基板とし、トランジスタをシリコン基板表面に形成したMOS型トランジスタで形成し、画素電極を反射型電極で形成する反射型のアクティブ液晶パネルとした場合は、パネルの基板に搭載する回路も全てシリコン基板に集積回路として形成することができる。無論、本実施例のTFTパネルの場合にも、画素電極を反射型電極として形成しても構わない。
【0161】
以上、本実施例によれば、請求項2記載の電気光学装置と同様の効果が得られるとともに、周辺構成が少ない簡素な電気光学装置が提供出来る。
【0162】
〔実施例5〕
次に、実施例1〜4に係わる本発明の電気光学装置を光変調装置(以下、ライトバルブと言う。)に用いた本発明の投射型表示装置を説明する。
【0163】
図15は、投射型表示装置の要部を示す概略構成図である。図中、110は光源、113,114はダイクロイックミラー、115,116,117は反射ミラー、118,119,120はリレーレンズ、122,123,124は上記した実施例1〜4において説明した電気光学装置(液晶装置)を用いた光変調手段(以下、液晶ライトバルブと言う。)、125はクロスダイクロイックプリズム、126は投射レンズを示す。光源110はメタルハライド等のランプ111とランプの光を反射するリフレクタ112とからなる。青色光・緑色光反射のダイクロイックミラー113は、光源110からの白色光束のうちの赤色光を透過させるとともに、青色光と緑色光とを反射する。透過した赤色光は反射ミラー117で反射されて、赤色光用液晶ライトバルブ122に入射される。一方、ダイクロイックミラー113で反射された色光のうち緑色光は緑色光反射のダイクロイックミラー114によって反射され、緑色光用液晶ライトバルブ123に入射される。一方、青色光は第2のダイクロイックミラー114も透過する。青色光に対しては、長い光路による光損失を防ぐため、入射レンズ118、リレーレンズ119、出射レンズ120を含むリレーレンズ系からなる導光手段121が設けられ、これを介して青色光が青色光用液晶ライトバルブ124に入射される。各ライトバルブにより変調された3つの色光はクロスダイクロイックプリズム125に入射する。このプリズムは4つの直角プリズムが貼り合わされ、その内面に赤光を反射する誘電体多層膜と青光を反射する誘電体多層膜とが十字状に形成されている。これらの誘電体多層膜によって3つの色光が合成されて、カラー画像を表す光が形成される。合成された光は、投射光学系である投射レンズ126によってスクリーン127上に投射され、画像が拡大されて表示される。
【0164】
以上のような投射型表示装置において、例えば、赤色光用液晶ライトバルブ122と青色光用液晶ライトバルブ124については、各小選択期間における信号電極の同時選択の組合せを同一とする。それによりスクリーン127に投射される合成画像上において、液晶ライトバルブ122と124は同じ箇所に誤差電圧の発生する画素が重なるが、緑色光用液晶ライトバルブ123については誤差電圧の発生する画素が合成画像上において重ならないように、同時に選択して信号電圧が印加される信号電極の組合せを異ならせる。それにより、合成画像上において、表示むらが分散され、コントラストが向上する。
【0165】
さらに、各液晶ライトバルブにおける信号電極選択の組合せを、選択期間毎あるいは複数の選択期間毎に、周期的に、無秩序に、あるいは所定の組み替え則によって、組み替えることができる。特に、ライトバルブどうしでその組み替えの仕方を異ならせれば、表示むらはより分散される。
【0166】
なお、さらには3つの液晶ライトバルブの液晶装置を、合成画像上において、誤差電圧が発生する箇所が互いに重ならないように、小選択期間に同時選択する信号電極の組合せを互いに異ならせてもよい。
【0167】
以上、各実施例1〜5について説明したが、本発明の電気光学装置は、液晶層を用いた液晶装置に留まらず、他の光変調材料やEL等の発光材料を有する装置に対しても、本発明の趣旨に沿って用いることができる。
【0168】
【発明の効果】
以上の説明より明かなように、本発明の駆動方法によれば、表示むらが解消する。また、表示むらが無く、かつ明るく高コントラストの高品質の表示を行う表示装置が得られる。また、周辺構成を簡素化出来る。また、選択制御回路を容易に構成することが出来る。
【0169】
また、本発明の電気光学装置を投射型表示装置のライトバルブとして用いれば、合成された光により投射される画像において、表示むらが減少するだけでなく、表示むらが発生するとしてもその発生箇所が、合成された画像の画面上で、異なる箇所に発生するので、むらの発生が分散される。よって、合成画像は、表示むらが解消された、明るくコントラストのよいものとできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 従来技術のTFTパネルの構成を示す斜視図。
【図2】 実施例1の電気光学装置の概略構成を示す図。
【図3】 実施例1の信号D1〜D9とデジタル表示データDD0〜DD2のタイミングを示すタイム・チャート。
【図4】 実施例3の第1の駆動方法を行なった時の表示むらの発生する画素を示す図。
【図5】 実施例3の第2の駆動方法を行なった時の表示むらの発生する画素を示す図。
【図6】 実施例3の第3の駆動方法を行なった時の表示むらの発生する画素を示す図。
【図7】 実施例4のTFTパネルに形成された信号電圧線AD0〜AD2とスイッチ回路ブロックSBの具体的な構成を示す図。
【図8】 実施例4のスイッチ回路ブロックSBの動作を説明するタイミングチャート。
【図9】 従来技術のTFTパネルの構成を示す斜視図。
【図10】 従来技術の電気光学装置の構成を示す図。
【図11】 ローテーション方式を行う従来技術の電気光学装置の構成を示す図。
【図12】 図11の電気光学装置のD/A変換回路12〜14とスイッチ回路18及び信号電圧線AD0〜AD2部分を抜粋、拡大して示した図。
【図13】 従来技術の表示むらの発生状況を示す図。
【図14】 図9のTFTパネル10の一部の横断面を示す図。
【図15】 実施例1〜4の電気光学装置を複数個用いた実施例5の投射型表示装置を示す図。
【符号の説明】
10…TFTパネル
1、2…一対の基板
Y1〜Y7…走査電極
X1〜X9…信号電極
P…画素電極
T…トランジスタ
11…走査電極制御回路(Yドライバ)
12〜14…D/A変換回路
101…表示制御回路(コントローラ)
16…Yドライバ制御信号
SB…スイッチ回路ブロック
S1〜S9…スイッチ回路
102…信号電極選択信号群
DD0〜DD2…デジタル表示データ
AD0〜AD2…信号電圧線

Claims (7)

  1. 互いに交差配置される複数の走査電極及び複数の信号電極に接続される複数のトランジスタにより電気光学装置を駆動する電気光学装置の駆動方法であって、
    前記走査電極を選択する選択期間に、該走査電極に選択電圧を供給し、
    前記選択期間を複数に分割した小選択期間毎に順次、前記複数の信号電極を複数のブロックに分けた信号電極ブロックのいずれかを選択し、該選択された信号電極ブロックに含まれる信号電極に信号電圧を供給し、
    前記小選択期間毎に選択される前記信号電極ブロックに含まれる前記信号電極を、少なくとも前記選択期間毎に周期的に組み替えることを特徴とする電気光学装置の駆動方法。
  2. 互いに交差配置される複数の走査電極及び複数の信号電極に接続される複数のトランジスタにより電気光学装置を駆動する電気光学装置の駆動方法であって、
    前記走査電極を選択する選択期間に、該走査電極に選択電圧を供給し、
    前記選択期間を複数に分割した小選択期間毎に順次、前記複数の信号電極を複数のブロックに分けた信号電極ブロックのいずれかを選択し、該選択された信号電極ブロックに含まれる信号電極に信号電圧を供給し、
    前記小選択期間毎に選択される前記信号電極ブロックに含まれる前記信号電極を、少なくとも前記選択期間毎に無秩序に組み替えることを特徴とする電気光学装置の駆動方法。
  3. 互いに交差配置される複数の走査電極及び複数の信号電極に接続される複数のトランジスタからなる電気光学装置であって、
    前記走査電極を選択する選択期間に、該走査電極に選択電圧を供給する第1の供給手段と、
    前記選択期間を複数に分割した小選択期間毎に順次、前記複数の信号電極を複数のブロックに分けた信号電極ブロックのいずれかを選択し、該選択された信号電極ブロックに含まれる信号電極に信号電圧を供給し、
    前記小選択期間毎に選択される前記信号電極ブロックに含まれる前記信号電極を、少なくとも前記選択期間毎に周期的に組み替える第2の供給手段と、
    を備えることを特徴とする電気光学装置。
  4. 互いに交差配置される複数の走査電極及び複数の信号電極に接続される複数のトランジスタからなる電気光学装置であって、
    前記走査電極を選択する選択期間に、該走査電極に選択電圧を供給する第1の供給手段と、
    前記選択期間を複数に分割した小選択期間毎に順次、前記複数の信号電極を複数のブロックに分けた信号電極ブロックのいずれかを選択し、該選択された信号電極ブロックに含まれる信号電極に信号電圧を供給し、
    前記小選択期間毎に選択される前記信号電極ブロックに含まれる前記信号電極を、少なくとも前記選択期間毎に無秩序に組み替える第2の供給手段と、
    を備えることを特徴とする電気光学装置。
  5. 前記第2の供給手段は、
    複数の信号電圧を供給する複数の信号電圧線と、
    前記複数の信号電圧線及び前記複数の信号電極間を選択信号に従って接続する複数のスイッチ回路と、
    複数の前記スイッチ回路の組み合わせを、少なくとも一の選択期間毎に周期的に組み替える選択制御回路とを有することを特徴とする請求項3に記載の電気光学装置。
  6. 前記第2の供給手段は、
    複数の信号電圧を供給する複数の信号電圧線と、
    前記複数の信号電圧線及び前記複数の信号電極間を選択信号に従って接続する複数のスイッチ回路と、
    複数の前記スイッチ回路の組み合わせを、少なくとも一の選択期間毎に無秩序に組み替える選択制御回路とを有することを特徴とする請求項4に記載の電気光学装置。
  7. 請求項5または請求項6に記載の電気光学装置を光変調手段として用いた投射型表示装置であって、
    光源と、
    該光源からの光を複数の色光に合成する分離手段と、
    該分離手段により分離された複数の色光を変調する複数の前記光変調手段と、
    該複数の光変調手段により変調された色光を合成する合成手段と、
    該合成手段により合成された光を投射する投射光学手段と、を有し、
    前記複数の光変調手段の電気光学装置における前記選択制御回路により行われる、前記選択信号を同時に与える複数の前記スイッチ回路の組み合わせは、前記複数の光変調手段の少なくとも1つは他の光変調手段と異なることを特徴とする投射型表示装置。
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