JP3774291B2 - 溶液重合装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、溶液重合装置に関する。さらに詳しくは、複数の柱状体と、撹拌翼を有する溶液重合装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、種々の重合装置が開発されており、とくに撹拌翼に工夫がなされた重合槽が提案されている。撹拌翼の形式には、大きく分けて、パドル型、タ−ビン型で代表される輻流型、プロペラ型で代表される軸流型がある(別冊化学工業「撹拌装置の設計と操作」(1970)vol.14,No.7化学工業社p.4〜11)。
【0003】
混合容器に輻流型撹拌翼を使用する場合は、翼回転の遠心作用により翼の回転方向に強い流れが生じる。従って、水平回転流により発生する渦状の流れにより、液面の低下、気泡の巻き込みが起こる。また、渦の中心は棒状の回転をしているため、撹拌作用が弱いなどの欠点がある。かかる欠点を克服するため、邪魔板が導入されており、これにより、上下方向の撹拌が促進され、撹拌動力の増加に伴う撹拌効果の向上がみられる。しかしながら、この効果は低粘度液に対し発現するものであり、高粘度液の場合には邪魔板の後側での液滞留があるなどの問題があり、効果が高いものとは言い難い。
【0004】
一方、軸流型撹拌翼を使用する場合は、回転軸方向に強い流れが生じる。とくに、邪魔板などを用いた場合にこの傾向が顕著に現れ、槽内の流れは明瞭な循環流となる。軸流型は輻流型に比べてはるかに広い範囲で液流動を生じさせることができ、大型槽においても比較的小型の翼が採用可能であるが、この効果も低粘度の液体でしか十分に発揮されない。
【0005】
上記したこれらの撹拌翼は、殆どの場合、上下方向の翼位置が固定されている。従って、撹拌翼が反応液に浸っているか否か、すなわち、液面に対してどの位置に撹拌翼があるかによって撹拌の効果は大きく変化し、その結果、製品の品質は大きく左右される。
【0006】
さらに、これらの撹拌翼は邪魔板を使用しないと撹拌作用が弱まるといった欠点がある。しかしながら、装置内に邪魔板を導入すると、これらの欠点を補うことができる反面、滞留部分が生じ、長期間運転を継続していると滞留部分にブロックが発生・成長し、次第に運転が困難となる。
【0007】
また、高粘度液の撹拌には、スクリュ−翼やヘリカルリボン翼が使用されている。例えば、特公昭61−14853号公報明細書には、らせんかきまぜ機を使用する例が開示されており、特公平1−3444号公報明細書には、回転軸に複数個の2重らせん型の撹拌翼が配設された使用例が開示されており、特公昭58−51962号公報明細書には、撹拌翼を固定した回転軸を設け、それぞれの回転軸に環状の支持板を固着し、該環状支持板の先端にかき取り板を固着して形成した撹拌翼を使用する例が開示されている。また、特公平6−55269号公報明細書には、2本の噛合わされたネジスクリュ−翼を設け、各ネジスクリュ−翼を互いに噛み合わせて撹拌する例が開示されている。しかしながら、これらは構造が複雑であったり、一般には撹拌動力が大きく、適応される液粘度が限られている。
【0008】
ところで、これまで述べた撹拌翼によって生じる液の流れは、全て上下方向の循環流であり、バッチ処理を行う場合には同一の滞留時間を経たものが得られるが、連続的に仕込み、抜き取りを行う場合は滞留時間分布のある、つまりミクロ的にみて様々な反応率のものが混合した生成物が得られることになる。高粘度液を使用する重合系内において滞留部分の生じない、いわゆるピストンフロ−型を指向した重合反応装置も提案されており、例えば特公昭58−3481号公報明細書には、反応槽中心と撹拌翼の軸とを偏心させ、さらに、槽内壁面に付着した重合体を掻き取るための翼、及び多孔板を取り付けた重合反応装置が開示されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
この重合反応装置によれば、上記目的はある程度達成可能であると考えられるが、依然として構造は複雑であり、工業的に採用するにはかなり困難である。従って、本発明の目的は、構造が簡単で、ブロックの発生がなく、しかも適用粘度範囲が広い、回分式、連続式いずれにも適用できる溶液重合装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記目的を満足する溶液重合混合装置を得るため鋭意検討を重ね、本発明に至った。すなわち、本発明は、実質的に円筒状の混合容器と撹拌翼からなる溶液重合装置であって、該撹拌翼は、重合槽内径の15〜20%の外径を有し、回転軌跡が本質的に互いに一致しない少なくとも2本の柱状体とそれらを連結する少なくとも1つの連結部材から構成されることを特徴とする溶液重合装置である。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の溶液重合装置は、複数の柱状体を使用することに最大の特徴を有する。柱状体の形状にはとくに限定はなく、中実の円柱状物、中空の円筒状物、中実又は中空の角柱状物など種々の形態のものを使用することができる。柱状体の軸に垂直な断面形状にもとくに限定はなく、例えば円形、楕円形、三角形、長方形、六角形などのような多角形であってもよい。柱状体が円柱状物又は円筒状物の場合、その外径は重合槽内径の15〜20%、好ましくは17〜18%である。柱状体が円形でない場合は直径の代わりに相当直径を使用すればよい。
【0013】
柱状体の外径と長さの比は好ましくは1/5〜1/20、さらに好ましくは1/9〜1/18である。また、角柱状物などの場合も、ほぼ同程度である。柱状体は通常金属製であるが、強度的に安全であれば、その他の素材を使用してもよい。各柱状体は通常同じ長さであり、通常は2本で使用されるが、必要に応じて3本又はそれ以上でもよい。
【0014】
柱状体は、柱状体端部において連結部材により横方向に連結される。連結部材は形状、素材などとくに限定されるものではなく、柱状体を連結できるものであればよい。通常は、柱状体の上端部同士及び/又は下端部同士を連結する。このように、本発明の撹拌翼は、柱状体が横方向に連結部材で連結されたものから構成される。柱状体は、複数本使用され、各々が連結部材で連結される。好ましくは、全ての柱状体は2つの連結部材で、柱状体端部が各連結部材と合致するよう平行に連結される。
【0015】
柱状体は少なくとも1つの連結部材で垂直になるように連結される。連結部材には特に制限はなく、連結部材が柱状体を結合する位置についても特に制限はない。通常連結部材は、最適の強度をもつように柱状体と結合される。例えば、連結部材が1つの場合、柱状体の中央部分を結合するのが好ましい。通常の形態である連結部材が2つの場合、柱状体の上下部分を結合するのが好ましい。本発明に用いる撹拌翼において、各連結部材の両端部を柱状体と結合させるのが好ましい。連結部材の数は1つでもよいが、撹拌翼に弱い部分が生じないように通常は2つ使用される。連結部材を多く使用するときは、2つの連結部材で柱状体の両端部を結合し、残りの連結部材は2つの部材間の柱状体の長さが均等になるように柱状体を結合する。
【0016】
少なくとも1つの連結部材は、撹拌翼と混合容器が非対称になるような連結機構を備えている。連結部材が1つの場合、連結部材の両端部で柱状体と結合し、連結機構は部材の中心から偏心するように設けられる。複数の連結部材が使用される場合、連結部材の両端部で柱状体と結合するが、少なくとも1つの部材(通常は最上部の部材)は、部材の中心から偏心するように設けられた連結機構を有する。
【0017】
したがって、本発明に用いる撹拌翼は、互いに間隔をもって配置された少なくとも2本の柱状体と、柱状体を横方向に、好ましくは柱状体が垂直になるように結合する少なくとも1つの連結部材とから構成される。そして、少なくとも1つの連結部材は連結機構を有しているので、混合容器の円断面の中心で回転するシャフトに撹拌翼を固定することができる。その結果、各柱状体によって形成される軌跡は互いに一致しない。
【0018】
柱状体は、回転するのに支障のない限り、傾斜して設けてもよいが、最外周を回転する柱状体、すなわち、混合容器の軸から最も遠くに位置する柱状体、換言すれば、最も大きな円筒状の軌跡を描いて回転する柱状体は、容器の内壁と柱状体の最外部との距離である間隙が十分小さい場合、重合槽内壁へのポリマ−の付着を防止する効果を発揮し、また容器の内壁に付着したポリマ−を掻き取る効果を発揮するため、垂直に設けるのが好ましい。換言すれば、本発明の重合装置はセルフクリ−ニング機構を有しているともいえる。
【0019】
容器の内壁と槽の最外周を回転する柱状体の間隙は、混合される系にも依るが、容器内径の0.1〜0.5%とするのが好ましく、さらに好ましくは0.2〜0.4%である。この間隙は小さい方がセルフクリ−ニング効果が上がるが、間隙に生じる剪断力が大きくなり、撹拌動力が増大する。逆に、間隙が大きくなると、撹拌動力は小さくなるが、セルフクリ−ニングの効果は低下する。以上述べた間隙については、連結部材が柱状体の底部に位置し、底部表面が平面である場合、連結部材と容器底表面との間の間隙についても同様である。
【0020】
本発明の好ましい態様において、撹拌翼が容器の軸のまわりを回転するとき、柱状体の軌跡が互いに一致しないように、すなわち、相互の形状、大きさ及び位置が同じにならないように、撹拌翼は2本の柱状体の中心軸が容器の軸と偏心するように容器に設置され、例えばモ−タ−のような駆動機構によって回転するシャフトに固定される。柱状体が2本の場合について、図2で説明すると、容器の中心と最外部の柱状体の中心との距離aが、容器の中心と最内部の柱状体の中心との距離bと等しくないことを意味する。
【0021】
容器の軸と、最内部及び最外部の柱状体の中心との距離(a−b)/2は、容器内径の6〜12%であるのが本発明の効果を十分発揮できて好ましく、さらに好ましくは8〜10%である。撹拌翼をこのように設置することにより、撹拌翼は容器本体の回転軸と偏心して回転し、上記した柱状体の外径が容器内径の15〜20%であることと相俟って、柱状体が容器内で描く回転軌跡の断面積は容器の断面積の約90%以上を占めることになり、容器内の液を十分に撹拌することができる。
【0022】
混合容器の上蓋には、重合熱により気化した液体を熱交換器に導入するためのノズル、異常反応時に重合禁止剤などを投入するノズルなどが取り付けられているため、異常時に撹拌翼が停止しても、これらのノズルを塞いでしまうことがないように、撹拌翼の最上部は、重合槽の最上部よりも100mm〜1000mm低くするのが好ましく、さらに好ましくは300mm〜600mm低くするのがよい。
【0023】
本発明の溶液重合装置は、本質的に混合容器と撹拌翼からなるが、容器の高さHと容器内径Dとの比(H/D)は、実用的には0.5≦H/D≦5.0であり、好ましくは1.0≦H/D≦3.5である。また、液面の高さと容器内径との比L/Dは、実用的には0.2≦L/D≦4.0であり、好ましくは0.5≦H/D≦2.0である。通常、混合容器には加熱・冷却のためのジャケットが設けられる。また、必要に応じて、重合禁止剤の投入装置や安全のための破裂板が設けられる。上部連結板の上面でモノマ−組成物である原料液が反応してブロックが生成するのを防ぐために、容器へのモノマ−組成物の供給口は、供給口の最上部が撹拌翼の上部から10〜50mm、好ましくは20〜30mm低くなる位置に設けられる。また、抜取口は、容器の底面に設置されるが、抜取口ができるだけ長時間露出するよう、容器の中心からできるだけ遠くに設置するのが好ましい。
【0024】
容器内で撹拌が不完全とならないように、容器の液面の高さLと連結部材の厚さを含めた柱状体の長さlとの比L/lは、好ましくは0.10〜0.95、さらに好ましくは0.70〜0.90で実施するのがよい。また、柱状体の長さlと容器の高さHとの比l/Hは、好ましくは0.70〜0.95、さらに好ましくは0.80〜0.90で実施される。
【0025】
本発明の重合装置に適用できるモノマ−は、基本的には、溶液重合可能なモノマ−全てに適用可能であるが、例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、バ−サチック酸ビニル、ピバリン酸ビニルなどのビニルエステル類などをあげることができる。また、溶液重合するための溶剤にもとくに限定はなく、例えばメタノ−ル、エタノ−ル、プロパノ−ルなどのアルコ−ル類、酢酸エチル、酢酸メチルなどのエステル類、酢酸などの有機酸、アセトン、ベンゼン、トルエンなどを例示することができる。モノマ−溶液の粘度範囲もとくに限定されるものではないが、実用的には50〜5000poise、好ましくは100〜3000poiseのものが使用される。
【0026】
本発明における柱状体からなる撹拌翼は、図3からわかるように、水平方向の断面を見た場合、上下端の連結部材を除き、どの位置でも同じ形状をしている。つまり、反応液の液面が柱状体のどの高さにあっても撹拌の効果は変わらないので、同じ撹拌効果を維持したまま、生産量や反応時間を任意に設定することができる。さらに、運転開始時のように、液面が低いときでも撹拌の効率はかわらないため、一定の液面に達するまで同じ撹拌状態が得られることとなり、定常状態への移行を短時間で容易に行うことができる。
【0027】
本発明の重合装置では邪魔板を使用しないので、液の滞留部分が存在せず、ブロックは全く発生しない。また、本発明の重合装置においては、容器の壁面と、槽の最外周を回転する柱状体の間隙が小さいので、セルフクリ−ニング効果があり、さらにブロックが発生しにくい構造となっている。
【0028】
本発明の重合装置において、柱状体が槽内を回転することによって撹拌が起こるが、撹拌による液の流れは水平方向のみであり、上下方向には殆ど撹拌されない。このため、撹拌動力が小さくてすむ。また、連続的にモノマ−組成物の仕込み、反応生成物であるポリマ−溶液の抜き取りを行っている場合、槽内の反応液の流れはピストンフロ−になる。従って、反応液の滞留時間分布が狭くなり、均一な物性をもつ反応生成物を得ることができる。
【0029】
このように、本発明の重合装置は、上記の特徴を有しているため、ほぼ相似形で簡単にスケ−ルアップが可能である。しかも、容器内の反応液の液レベルが変化しても撹拌効率は変動しないので、容器内の液レベルは自由に設定でき、回分式のみならず連続式の例えば重合装置として好適である。また、本発明の重合装置によれば、ブロックの発生をなくすことができるので長期に安定した運転が可能で工業的に有利である。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下、図面により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。図1は本発明の溶液重合装置の一例を示す概念図であり、図2は立面図である。図2から明らかなように、溶液重合装置10は撹拌翼12と円筒状の混合容器14からなっている。撹拌翼12は、互いに平行な2本の柱状体16及び17を有し、これらの上下は連結部材18及び19の両端で垂直に連結されている。連結部材18及び19は両端で柱状体16及び17を連結しており、図1又は図2から明らかなように、連結部材18及び19は柱状体16の上下端部より少し突き出しているが、セルフクリ−ニングの効果は柱状体17側で生じるのでセルフクリ−ニングの効果を妨げることはない。
【0031】
容器14は回転シャフト20を有しており、該回転シャフトは上部の蓋の中心を通って駆動機構(図示せず)に接続され、回転する。42は回転軸である。図1又は2からわかるように、上部の連結部材18は、部材の中心から偏心してシャフト20に接続される。下部の連結部材19は、底壁24の中心に設けられた連繋部材26により底壁24に回転自在に連繋される。上部機構が撹拌翼を支持するのに十分であれば、連繋部材26は必ずしも必要ではない。
【0032】
シャフト20が回転すると、柱状体16及び17はシャフト20、すなわち容器の軸42のまわりを回転し、図3に示すように、柱状体17は大きな円筒状の軌跡44を描き、柱状体16はより小さな円筒状の軌跡46を描き、両軌跡は一致しない。柱状体16及び17は、容器の内側と柱状体17の最外面との間隙34が柱状体17の長さ方向で一定になるように、容器14の軸42に平行に設けられる。さらに、混合容器14にはノズル48が設けられ、該ノズルから、例えば、容器内の液体から発生する蒸気を凝縮器に導いたり、重合禁止剤を添加する。
【0033】
図3は図2のA−A´断面図である。理解しやすくするため、回転する柱状体16及び17によって形成される2つの軌跡44及び46を破線で示した。勿論、これらの柱状体によって形成される軌跡は同心円である。図4は本発明の溶液重合装置の別の態様である。この態様は図2と類似しているが、柱状体が3本使用されている、すなわち柱状体16と17の間に柱状体16´が使用されている点で図2とは異なる。以下、本発明の重合装置について説明する。
【0034】
まず、重合装置10の系内を窒素で置換し、モノマ−と溶媒からなるモノマ−溶液を混合容器14の供給口30から所定の液面レベルになるよう一次仕込みする。次いで、反応液の粘度の状況に注意しながら撹拌し、設定温度まで加温する。加熱は容器の外周に設けられたジャケット36に蒸気又は温水を入口40から供給することによって行い、蒸気又は温水は出口38から抜き出される。撹拌翼の回転数は所望する反応生成物の粘度の状態に応じて適宜決めればよいが、あまり遅いと反応液の混合状態が完全でなく、逆にあまり速いと急激に撹拌動力が増大するので、通常は毎分2〜20回転、好ましくは毎分5〜15回転で実施する。
【0035】
連続式の場合、所望の重合率に達したら、モノマ−組成物を連続的に供給し、同時に抜き取りを開始する。抜き取りは抜出口32から例えばギヤ−ポンプ(図示せず)で行う。必要ならば、オ−バルなどの流量計を設置してもよい。液面のレベルは抜き取りを制御することによって行えばよいが、液面を一定に保つために、液面レベルの変化に応じて抜き取った液を重合槽へ循環してもよい。また、重合を停止させるために、重合禁止剤の投入装置を備えたり、非常の場合に備えて破裂板などの安全装置を設置しておくのがよい。以下、実施例で本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0036】
【実施例】
実施例1
撹拌翼12と円筒状の内径2300mm、高さ6000mmの混合容器からなる図1に示す重合装置10を使用し、酢酸ビニルの重合を行った。撹拌翼は2本の径400mm、上下の連結部材の厚さ(各300mm)を含む高さ5500mmの円柱状の垂直の柱状体16及び17と、柱状体の上下を端部で連結した連結連結部材からなっている。撹拌翼は、容器の中心〜外側の柱状体17の中心の距離aが943mm、容器の中心〜内側の柱状体16の中心の距離bが510mmとなるように、容器内に設置した。
【0037】
系内を窒素で置換し、酢酸ビニル83wt%、メタノ−ル17wt%及び重合開始剤を供給した。モノマ−溶液は熱交換器で加熱するとともに、容器に設けられたジャケットに温水を通じ、昇温した。反応温度を65℃、液面を4200mm(液面高さ/重合槽内径=1.8/1)に設定し、撹拌回転数10回転/分で酢酸ビニルの連続重合反応を行った。重合率は、仕込みモノマ−の組成、滞留時間などから算出される重合触媒の添加率によって調節した。重合率を64%に保って1年間連続運転したが、ブロックの発生は全く認められず、重合度1700程度の酢酸ビニル樹脂を得ることができた。
【0038】
実施例2
重合槽内の液面高さと内径の比を1.3/1とした以外は実施例1と同様にして重合操作を行った。重合率64%で1年間連続運転したが、ブロックの発生は全く認められず、重合度1700程度の酢酸ビニル樹脂を得ることができた。
【0039】
実施例3
重合槽内の液面高さと内径の比を0.75/1、メタノ−ル濃度を16wt%とした以外は実施例1と同様にして重合操作を行った。重合率62%で1年間連続運転したが、ブロックの発生は全く認められず、重合度2000程度の酢酸ビニル樹脂を得ることができた。
【0040】
比較例
図5に示すパドルタイプの撹拌翼12及び邪魔板50が設置された、内径2400mm、高さ3600mmの混合容器14を使用し、実施例1と同様にして10日間重合操作を行ったところ、ブロックが次第に生長し、撹拌動力が大きくなった。しかも、液面の位置によって撹拌の効果は大きく変化するため、安定な連続運転は極めて困難であった。
【0041】
【発明の効果】
本発明の溶液重合装置は構造が簡単であり、容器内の液面レベル変化に伴う撹拌効果に変動がなく、また容器の壁面にポリマ−の付着がなく、ブロックの発生もないので、長期間安定に重合を実施することができる。さらに、容器内の液の流れは本質的にピストンフロ−であるので、均一な物性をもつ反応生成物を得ることができ、スケ−ルアップが容易であり、各種回分式又は連続式の溶液重合装置として広く使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の重合装置の一例を示す概念図である。
【図2】 本発明の重合装置の一例を示す立面図である。
【図3】 図2のA−A´断面図である。
【図4】 本発明の重合装置の他の例を示す概念図である。
【図5】 比較のために用いた混合容器の一例である。
【符号の説明】
10 重合装置
12 撹拌翼
14 混合容器
16 柱状体
16´ 柱状体
17 柱状体
18 上部連結部材
19 下部連結部材
20 回転シャフト
22 上蓋
24 底壁
26 連繋部材
28 連結機構
30 モノマ−供給口
32 生成物抜取口
34 間隙
36 ジャケット
38 加熱・冷却水出口
40 加熱・冷却水入口
42 回転軸
44 軌跡
46 軌跡
48 ノズル
50 邪魔板

Claims (3)

  1. 実質的に円筒状の混合容器と撹拌翼からなる溶液重合装置であって、該撹拌翼は、重合槽内径の15〜20%の外径を有し、回転軌跡が本質的に互いに一致しない少なくとも2本の柱状体とそれらを連結する少なくとも1つの連結部材から構成されることを特徴とする溶液重合装置。
  2. 混合容器の内壁と内壁に最も近接する最外部の柱状体との間隙が混合容器内径の0.2〜0.4%である請求項1記載の溶液重合装置。
  3. 溶液重合が、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、バ−サチック酸ビニル及びピバリン酸ビニルから選ばれるビニルエステルモノマ−の重合である請求項1又は2記載の溶液重合装置。
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