JP3774002B2 - 顕微鏡スライド上に生物学的流体スミアを形成する方法および装置 - Google Patents

顕微鏡スライド上に生物学的流体スミアを形成する方法および装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は連続的分析のために顕微鏡のスライド上で流体検体を自動的に拡張または塗抹する(スミアにする)方法および装置の改良に関する。本発明は特に血液細胞分析のために顕微鏡スライド上に血液スミアを形成する上で有用である。
【0002】
【従来の技術】
生物学的流体(例えば、血液、尿等)のスライドガラス上での顕微鏡検査は患者の健康を診断かつ評価するために古くから使用される周知の技術である。スライドガラス上に塗抹した流体サンプルの検査はしばしば医師または臨床医による流体サンプルの精確な分析および流体に関する種々の障害の診断を可能にする。
【0003】
流体サンプルのかかる観察分析を制御するために、顕微鏡スライドは流体細胞の実質的均一な『単分子層』をスライドの平面の少なくとも一部上に形成できるように形成されることが強く望まれる。単分子層は個別細胞がその上の細胞によりマスクされることなく検査できることを確実にする。望ましい単分子層を形成すれば、検査臨床医または研究者は異なるタイプの細胞数を数えかつ/または細胞形態学を検査することができる。
【0004】
現在、検査用血液スミアを顕微鏡のスライドガラス上に形成する最も普通に使用されている方法は2つのスライドを使用する手動方法である。通常、かかるスライドは略3インチ(75mm)長、1インチ(25mm)幅、および0.04インチ(1mm)厚である。かかる方法によれば、技術者は最初に1つのスライドの平面上に一滴の血液を滴下し、次いで第2スライドのエッジ(通常は短い方のエッジ)を使用して第1スライドの血液滴支持面上の血液滴を塗抹する。血液滴のスミア化は支持スライドに対して鋭角に塗抹スライドを位置決めしかつ第1方向へ摺動し、それにより塗抹スライドの下平面を血液滴と接触させて毛管作用により塗抹スライドの幅にわたって血液滴を吸上げ、かつ塗抹スライドを反対方向へスライドさせ、それにより毛管力により血液滴支持スライドから血液フィルムを引張ることにより行われる。次に、種々のタイプの細胞の区別を容易にするためにその血液フィルムを染色する(通常『スミア』と呼ぶ)。
【0005】
血液スミアの顕微鏡スライドを形成する手動方法に伴う問題として複数のスミアの外観における均一性の欠如が往々にして生じる。同一臨床医または研究者が所定時間に検査する複数スミアを全て形成する場合に、実際にかかる問題が生じる。理解されるように、スライドガラス上への血液スミア形成には多くの変数があり、例えば、塗抹される血液滴の量、血液滴支持面に対する塗抹部材の角度、塗抹部材の血液滴支持スライド上での移動速度、塗抹部材および血液滴支持スライド間の圧力等が含まれる。これらは、良質の複数スライドを形成する能力が血液サンプルの細胞形成、スライドの表面特性、塗抹部材のエッジ特性、およびスライド形成者の能力により変化することにより、更に複雑になる。これらの複数変数の観点から、手動により形成された血液スライドの実質的部分は殆ど無いかまたは使用できない。許容できない血液スミアとして(イ)例えば、塗抹エッジへ不均一な圧力を加えることによりスライドの幅方向に歪んだ細胞分布を現す、および(ロ)例えば、塗抹スライドのエッジの不規則性により複数の平行筋模様を現す、および(ハ)例えば、スミアを受けるスライドの血液滴支持平面の摩擦特性の不規則性によりスミアの方向に厚み変化を生じる血液スミアが含まれる。
【0006】
血液スミアスライドの手動形成に伴う上記問題のいくつかのうちの1解決法は手動プロセスの工程を自動化した装置を提供することである。かかる装置例としてKanamori他によるUS特許第5,209,903号がある。この特許は血液バイアルを処理しかつ血液分析装置へ、続いて自動血液スミア形成装置へ移送するコンベアを含む血液分析装置を開示している。この装置はバイアルから血液サンプルを自動的に吸引し、スライド上へ血液滴を滴下し、スライド上に血液スミアを形成するために血液滴を拡げ、その血液塗抹を乾燥し、スライド上に患者の情報をプリントし、かつ染色浴に使用できるバスケットへそのスライドを設置する。スライド上の血液滴の拡張は複数スライドを形成するために反復して使用される塗抹ガラスのエッジにより行われる。連続的にスライドを形成する間に塗抹ガラスは適宜洗浄装置により浄化される。血液スミアを形成する間、スミア受けスライドガラスは一対のコンベアベルトの頂上で水平位置に維持される。塗抹ガラスの移動速度、血液滴の量、および水平位置の血液滴支持スライドに対する塗抹ガラスの角度は、全て可変でありかつコンベアベルトに沿ってスライド形成機の上流に設置された血液分析装置の出力に対応して適宜制御機により制御される。
【0007】
上記特許に開示の自動スライド形成装置は手動によるスライド形成の試みに関係する変数のいくつかを解消するが、かかる装置は種々の点で問題がある。例えば、塗抹ガラス部材は反復使用されて連続的にスライドを形成するので、連続スライド間で塗抹スライド部材を洗浄するための装置が必要となる。更に、同一塗抹部材が複数のスライドを形成するために使用されるので、かかる部材の塗抹エッジが不規則になり、かかる部材により形成される全スライドに筋模様が現れることなる。更に、スミア受けガラスの表面不規則性を補填するいかなる措置も採られないために、スミアの厚みに変化が生じる。
【0008】
本発明は最近出願された次のUS特許出願の内容を参考にしている。(1)『血液スミアスライドの改良型自動形成装置および方法』に係るUS特許出願第08/557,226号、(2)『血液貯蔵、移送および自動スライド形成能力を有する血液分析装置』に係るUS特許出願第08/557,229号、(3)『血液スミアスライドを乾燥する改良方法および装置』に係るUS特許出願第08/557,228号、(4)『可撓性流体導管から流体を送るためのピンチポンプ』に係るUS特許出願第08/555,687号、および(5)『血液スミアスライドおよび共働スライド発射組立体用カセット』に係るUS特許出願第08/557,230号。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
上述の観点から、本発明の課題は顕微鏡スライド上に生物学的流体(例えば、血液)のスミアを形成する装置および方法を改良することにある。
【0010】
【課題を解決しようとする課題】
本発明の1つの特徴によれば、顕微鏡のスライド上に生物学的流体の検査可能スミアを形成する方法は次の工程から成る:
(イ)顕微鏡スライドの平面上に一滴の生物学的流体(好ましくは約4μl)を滴下し、(ロ)前記スライドの平面を前記生物学的流体の流体滴から離れる方向へ、即ち流体滴を滴下した滴下位置から前記流体滴を塗抹する塗抹方向である前記スライドの長手方向および幅方向へ一時的に変形させてその平面に凹みを形成し、(ハ)前記流体滴を前記スライドの変形面を横切って所定方向へ拡げて前記スミアを形成する。
【0011】
好ましくは、前記変形工程が前記スライドの長手方向と幅方向とが平面上で相互に直交する凹みを形成して前記スライドの平面を変形させる。また変形工程は前記流体滴を受ける面と反対の前記スライドの平面へ真空力を加えることにより行われる。
好ましくは、前記拡げる工程が、前記流体滴をその側部で塗抹部材と接触させて前記流体滴を毛管作用により前記塗抹部材へ接着させ、かつ前記塗抹部材を前記流体滴から前記所定方向へ移動させる。好ましくは、前記拡げる工程が前記スライドの一面を第2顕微鏡スライドのエッジと接触させ、第2顕微鏡スライド、即ち、塗抹部材を第1方向へ摺動させて前記流体滴と接触させ、所定時間待って前記流体滴を第2顕微鏡スライドによりそのエッジの近傍で吸上げ、かつ前記第2顕微鏡スライドを前記第1方向と反対の第2方向へ摺動させて毛管作用により前記スライド面から前記流体滴のフィルムを引張ることにより行われる。
【0012】
好ましくは、スミアを形成するために、第2スライドの前記流体滴に対する移動程度はその生物学的流体の粘度の関数として加速度および速度の両方で制御される。典型的には、流体粘度が高くなるに従って第2スライドの加速度および速度は低くなり、逆もまた真なりである。生物学的流体が血液である場合、第2スライドの移動は血液サンプルの種々の物理的特性、特にヘマトクリット値の関数として制御される。血液のヘマトクリット値に加えて、血液の他のパラメタが血液塗抹部材(第2スライド)の適切な加速度および速度を決定するために使用されうる。血液スミアの質を決定する上で重要なことは前記塗抹部材を血液スミアを形成する方向へ移動させる前に前記血液滴と接触させる時間である。
【0013】
本発明は更に前記方法を実施するための装置を提供する。顕微鏡スライド上に血液スミアを形成する装置は、(イ)血液スミアを形成するための顕微鏡スライドを支持するためのスライド支持手段、(ロ)前記顕微鏡スライドの通常の平面上の所定位置に所定量の血液の一滴を滴下するための血液供給手段、(ハ)前記スライド支持手段により支持されたスライド上の前記血液滴を拡げるための滴拡張手段、および(ニ)前記スライド支持手段に支持されたスライドを塗抹方向において変形させてそのスライドの血液滴を受ける面を凹状にするスライド変形手段、この変形は前記血液滴拡張手段により前記血液滴を拡げる前および拡げる間に行われる、から成ることを特徴とし、前記血液滴拡張手段は直線角エッジを有する塗抹部材から成り、更に、前記塗抹部材のエッジを前記スライド支持手段により支持されたスライドの血液滴受け面と接触させる位置へ位置決めするために前記塗抹部材を操作するための手段、および前記塗抹部材と前記スライド支持手段上に支持されたスライドとの相対運動を可能にして凹状に変形した血液滴受け面上の血液滴のスミア化を促進する手段を含む。好ましくは、かかる装置は流体サンプルの特性の関数として塗抹部材の速度と加速度を変化させる手段を更に含む。好ましくは、前記スライド変形手段は前記スライド支持手段上に支持されたスライドの所定位置上に真空圧を発生させて前記支持手段上にそのスライドを保持しかつ前記スライドを変形させるために前記スライド支持手段へ機能的に連結された真空源から成る。
【0014】
本発明に必須の特徴について、本発明の好適例を示す添付図面を参照して以下に説明する。
【0015】
【発明の実施の形態】
図面を参照すると、図1は従来スライドガラスS上に血液スミアを形成するためのスライド形成装置10を概略的に示す。かかる装置は最近出願された上述のUS特許出願第08/557,225号に係る『血液スミアスライドの改良型自動形成装置および方法』に記載の『スライド−オン−スライド』原理に基づいて作用する。この原理によれば、1スライドの1つのエッジは血液スミアを形成するために第2スライドの平面上に血液滴を拡げるために使用される。血液スミアの形成後に、その血液塗抹スライドをスミア受けスライドとして使用し、そのスミア受けスライド上に次の血液スミアを形成する。血液塗抹スライド上に形成される血液スミアは前のスライド上に血液スミアを形成するために使用されたエッジから充分に間隔を置くので、後続の血液スミア間での複合汚染の可能はなく、従って、続く血液スミアを形成するために使用される血液滴を受ける前にスライドの血液塗抹エッジを浄化する必要はない。スライド−オン−スライド原理のより良い更に詳細な説明のために、そしてそれを形成する好ましい装置のために、上記US出願をここで参考にしている。
【0016】
上述のごとく、血液スミアを受けかつかかるスミアを作るために血液滴を拡げるために使用される顕微鏡のスライドガラスは、公称、約3インチ(約7.72cm)長、1インチ(約2.54cm)幅、および約0.04インチ(約1mm)厚である。血液塗抹スライドの短い方のエッジ(即ち、1インチ(約2.54cm)エッジ)がスミア受けスライドの長手に沿って血液を拡げるために使用される。往々にして、大方の製造業者から受け取るかかるスライドのエッジは直線角エッジを形成する程に精密に磨られておらず、寧ろ、細かく検査すると、かかるエッジは相当に『でこぼこ』の形態になって、不定間隔をおいた一連の***またはエッジから突出した高さの異なる鋭利歯を有する。自明なように、かかるエッジを血液スミアを形成するための塗抹エッジとして使用する場合、結果としてのスミアには塗抹運動方向に走る複数の平行な筋ができる。時には、臨床医が比較的スムーズなエッジを有するスライドを選択することによりかかる筋を最小限にしてそのエッジを使用して一連の血液スミアを形成し、連続的血液スミアを形成する間に塗抹エッジを確実に浄化する。しかし、血液スミアの形成に上述のスライド−オン−スライドの試みを使用する場合、各血液スミアが異なるスライドの上述のようなエッジにより形成され、そのためにその筋入り構造はしばしば形成された血液スミアに現れている。かかる筋入り構造を除去することが本発明により解決される主要な技術的課題である。
【0017】
でこぼこエッジの表出に加え、従来顕微鏡のスライドガラスはスライド面を横切って移動する血液塗抹部材の運動をランダムに妨害または促進する傾向のある不規則(でこぼこ)表面を表出する。上述のごとく、その結果として、塗抹部材は『遣えながら進む』運動をするために塗抹方向に測定するときにスミアの厚みに変化が生じる。この構造の解消と減少が本発明により解決されるもう一つの技術的課題である。
【0018】
図1のスライド形成装置はスライド操作装置11から成り、スライド操作装置はカップリング部材14を介してリードねじ13に沿って運動するように設置される。操作装置11は時に『スライドトラック』と呼ぶ。リードねじが1方向へ回転する時に、スライドトラックは、スライドトラックがスライド供給ステーション12からスライドガラスS’をピックアップする位置15から、スライドエッジEがスライドガラスSの平面上で血液滴Dと接触するために位置決めされる位置16へ移動する。リードねじ13が反対方向へ回転するときに、スライドトラックは、血液塗抹スライドS’がその血液塗抹運動を終了して可動シャトル20上へ落下するように位置決めされる中間位置17へ向かって、スライドトラック上にそのスライドガラスを保持するために加えられる真空力を除く等により、血液塗抹運動を開始する。シャトル20は血液滴を拡げるときにスライドガラスSを支持するので、スライドS’落下前にシャトル20からスライドSを除去するためにスライド射出機構(図示せず)が設けられている。
【0019】
血液塗抹スライドS’のスライドSの平面上の血液塗抹運動は図2に示されている。位置1において、スライドトラックはスライドS’を、その塗抹エッジEが血液滴Dの僅かに下流になる(意図された塗抹方向に対して)ように位置決めする。そこで、リードねじ13を回転させて塗抹スライドの下面を移動させて血液滴と接触させ、それにより塗抹エッジEの近傍で塗抹スライドの全幅にわたってその流体を吸い上げる(毛管作用により)。これは位置2に図示されている。その後に、リードねじ13を反対方向へ回転して塗抹スライドを位置3へ移動させる。位置3においてスミアの厚みを血液細胞の単分子層位まで減少させ、次いで塗抹スライドを位置4へ移動させてスライド面の一部上にその単分子層を拡げる。この血液スミアは、エッジEによりその血液を押すのではなく、スライド面で血液フィルムを『引張る』ことにより形成されることに注意されたい。スライドを横切って血液フィルムを引張ることはスミア形成時の血液細胞の損傷を最小限にするための標準的かつ好適な方法である。
【0020】
図1に示されたように、スライドトラック11はカップリング部材14により支持される(後述するように)一対のピボットピン22を中心に回転運動するように設置される。スライドトラックは一対の車輪26を含み、この車輪はリードねじ13に沿ったスライドトラックの一部の移動時に傾斜部27Aおよび水平部27Bを有する一対の間隔をおいた傾斜路27と係合する。車輪26が傾斜路27に沿って移動する時に、スライドトラックはスライドトラックのベースがスライドをスライド供給ステーション12から掴み出すために位置決めされる水平配向(位置15に図示)から、血液塗抹スライドS’がシャトル20により支持されたスライドSの平面に対して斜角に配置される斜角配向(位置16,17)へ軸回転する。この角度は水平に対して略20°である。この斜角配向において、スライドトラックはスライドS’を、その血液塗抹エッジEがスライドSの滴受け面の平面より僅かに下と当接するように、保持する。
【0021】
スライドトラック11の詳細は図3(A)および3(B)により良く示されている。図3(A)および3(B)はスライドトラックがその下面としてスライド受けプラットホーム30を有する本体部28から成ることを示す。プラットホーム30は内部に凹部31を有し、凹部31は適宜取付具Fにより真空源(図示せず)へ連結できる真空ポート32と連絡している。プラットホーム30をスライド供給ステーション12でスライドS’から近い距離にしておいてポート32を真空に引くと、このスライドは引き寄せられて真空圧によりプラットホーム30に保持される。凹部31内に形成された複数の***リブ33は塗抹スライドS’のいかなる変形をも阻止すると共にスライドS’はプラットホーム30へ引き寄せられてそこに保持される。好ましくは、上記スライドトラックは一対の相互に垂直の軸A,A’、即ち直交する軸A,A’を中心とした『自在』運動のためにカップリング部材14により保持され、それにより保持スライドS’の塗抹エッジEは下に横たわる血液スミアを受けるスライドSの平面上で実質的均一圧を維持する。かかる自在運動はブロック35により行なわれ、ブロック35はハウジング28の一対の対峙直立部材28Aおよび28Bにより支持されるピボットピン上の軸A’を中心とする運動のために回転自在に取付けられ、かつカップリング部材14により支持されるアーム38に担持された軸36上での軸Aを中心とする運動のために回転自在に取付けられている。上記スライドトラックの重量および重心は塗抹スライドS’のエッジにより血液細胞の単分子層が血液スミアの『検査領域』(後述するように)上に拡がるに足りるだけの重力を加えるように選択される。典型的には、塗抹エッジの重量は約13gである。
【0022】
図1を参照すると、スライドシャトル20がエンドレスコンベア40により直線路に沿って運動するように取付けられており、それによりスライドシャトル20は仮想線により示された血液滴下位置と実線により示された血液塗抹位置間を移動する。エンドレスコンベア40はコンベアベルト44を支持する一対のスペースローラ42を含み、スライドシャトル20はカップリング45によりコンベアベルト44へ連結されている。スライドシャトル20が血液滴下位置に位置決めされるときに、血液滴ディスペンサ46は計量された量の血液を滴下する作用をし、好ましくは一滴が略4ミクロリットルの量の血液をスライドガラスSの表面へ滴下する。スライドガラスS上へ滴下されるこの量の血液は非常に精確に計量されなければならず、典型的には約3μlから5μl、好ましくは4μl±1μl、更に好ましくは4μl±0.5μlである。必須ではないが、この血液は同時係属US特許出願第08/555,687号、名称『可撓性流体導管から流体を送るためのピンチポンプ』に開示されたごときポンプによりスライドシャトル20上へ滴下するために血液滴下装置により運ばれる。一滴の血液をスライドS 上に滴下した後に、エンドレスコンベア40を作動させてスライドシャトル20および保持されたスライドを実線で示された摺動位置へ移動させる。この位置において、塗抹スライドS'を上述のごとく血液滴と接触させて所望の血液スミアを形成する。真空源Vは後述のごとくスライドSをスライドシャトル20へしっかりと固定する働きをし、そのスライドを変形させると共にそのスミアを形成する。塗抹スライドS’をスライドシャトル20上へ降下した後に、スライドトラックは傾斜路27まで戻って新しいスライドS’を持ち上げる。この新しスライドS’はスライドシャトル20上へ落下されたばかりのスライドの平面上へ血液を塗抹するための塗抹部材として使用される。新しい塗抹スライドS’を取り上げると同時に、先に落下したスライドSは塗抹位置から血液滴下位置へ移動させる。
【0023】
駆動ねじであるリードねじ13の駆動機構に関し、ねじ13は一対の支柱50により支持された状態で図示されている。対の支柱の一方は、同様に、リードねじを選択的に回転するために従来ステッパモータ52を支持し、かつ他方の支柱はリードねじの回転位置をモニタするためにシャフトエンコーダ54等を支持する。
【0024】
次に、本発明の重要な特徴によれば、全く予想外であるが、血液スミア形成中に、そのスライドの通常に平滑なスミア受け面の一部が変形して血液滴の付近で凹む場合にスライド上の血液スミアの質は非常に改善される。好ましくは、かかる凹み変形は塗抹方向、即ち、そのスライドの長手に沿うと同時にそのスミアを横切る方向、即ち、そのスライドの幅方向へ形成される。同様に、スミア受けスライドの最大変形点は滴下された血液滴の近傍に生じて、塗抹の開始時に流体の小さい『ウエル』がスミアを形成するスライドを横切って形成されるのが好ましい。上記改良結果が得られる理由は完全には理解されていないが、上記構造、即ち、筋模様およびスミア厚の変化がかかる変形により劇的に減少することが観察されている。塗抹スライドの塗抹エッジは、塗抹スライドの血液塗抹運動時に変形したスライドの側領域とのみ接触するので、塗抹エッジのでこぼこが筋模様の形成に影響を与えない、即ち、非変形のスミア受けスライドの全幅にわたって接触する塗抹エッジとの比較において、影響が少ないことが予想される。同様に、変形の結果として血液の幾らかは、剪断力と反対に、毛管力により塗抹エッジ下へ吸い込まれ、それにより塗抹エッジとスミア受けスライドの平面との間の大きな摩擦変化を最小限にする平滑化層として作用する。好ましくは、スミア受けスライドの最大変形は約0.0005から0.001インチ(0.0125から0.025mm)の範囲である。かかるスライド変形を付与するために、スライドシャトル20は後述のごとく特別設計される。
【0025】
図4(A)−4(C)を参照すると、好適スライドシャトル20は、概ね、スライド支持、変形部60、および血液滴塗抹位置と血液滴分配位置との間の直線路に沿ってシャトル20を案内する案内部62から成る。部60はスライドを支持するための平面プラットホーム66を有する細長本体64から成る。プラットホーム66はスライドの形状に類似の矩形であって、収容されるべき最大スライドよりも僅かに大きい。立上がりエッジ66Aはプラットホーム66の『ヘッド』でスライドSの1端部と一致させて血液スミアが各スライドの同一部上に常時形成されるように設けられている。一対の間隔を置いた平行溝66Bは、スライド射出機構(図示せず)の一対のスライド射出フィンガをスライドの下へ滑らせてスミア形成後にプラットホーム66からスライドを除去するために、プラットホーム66内に設けられている。鋭角な切欠き66Cは、上述のごとく、プラットホーム66上に位置決めされたスライド上の血液滴を塗抹するためにこのスライドを設置する前に、先に一旦使用された塗抹スライドをプラットホーム66上へ精確に設置するためにプラットホーム66の脚部内に設けられている。プラットホーム66は、更に、支持されたスライドSの下を真空状態にするために切欠きまたは凹域68を含む。この凹域68は真空に引く真空ポート70を有する。凹域68内の真空ポートの位置は重要でない。但し、(a)ポート70へ加えられる真空力がその上のスライド部を引張て変形させるに足りること、および(b)上記凹域および付加される真空力の深さがその凹域上のスライド部の中心を所望作用、即ち、スミアの質を向上させるに足りるだけ変形させることが、重要である。好ましくは、上記凹域部の幾何学的中心がスライド上の血液滴を受ける部位の下になる。上述のごとく、血液滴の下のスライド部の充分な撓みまたは変形は0.0005から0.001インチ(約0.0127から0.0254mm)の間にある。凹域68の好ましい深さは約0.06インチ(約1.524mm)である。標準スライドの場合、凹域または切欠き68は約1.6インチ(40mm)長、約0.6インチ(15mm)幅である。この凹域の中心はそのスライドの最大変形の位置に対応し、シャトルプラットホームの側エッジ間の中心線上で、上述したように血液滴を受けるスライド部位の真下にある。好ましくは、凹域68の上部、即ち、塗抹方向から離れるエッジはそのスライドの上エッジから約0.2インチ(5mm)で始まる。凹域68の略中心に位置するスライド上の部位から始まって、そのスライドの端エッジから約0.45インチ(12mm)で終わる、約1.5±1インチ(37mm)長のスミアが形成される。プラットホーム66の側エッジと凹域68の側エッジとの間の間隔は、スミア形成時の、スライドとプラットホームの対向面間の漏れによる、必須真空圧の損失を防止するに充分である。適当な間隔は約0.10から0.20インチ(2.5から5mm)である。
【0026】
シャトル20のスライド案内部62はスライド形成装置の案内レール(図示せず)上に載るように構成された軸受面を有する開口部74を形成する下向きに延在する部材72から成る。部材72は同様に円形断面のチャンネル80を形成する。チャンネル80はレール78に平行に延在するロッド80を支持できる構成の一対のスリーブ軸受を支持する。上記シャトルはこのロッドとレールにより形成される直線路に沿って上記コンベアにより移動する。
【0027】
公称寸法は3x1x0.39(インチ)(7.66x2.54x0.99(cm))であるが、上記スライドの寸法に関し、本発明は現在市販されている全スライド、約3.03〜2.92(インチ)x 約0.96〜1.06(インチ)x約0.314〜0.485(インチ)(7.69〜7.42x2.44〜2.69x0.8〜1.23(cm))に使用できる。当然ながら、上記と異なる寸法のスライドについて、血液滴の位置決め、切欠き凹域68の寸法および適用真空力は異なってよい。従来スライドで所望変形を得る場合には、約15から約30インチ(38.1〜76.2cm)の水銀の真空圧が適切であり、良質スミアを形成する上で効果的なスライド変形をもたらす。
【0028】
スライドSの変形は図5および6に明瞭に示されており、図5および6は2つの異なる負圧の関数として側面図および端面図の両図からスライドの変形量をグラフで示す。
図7(A)および7(B)において、上述方法により形成された血液スミアBSは上面図および断面図により示されている。上面図に示されたように、スライドSは患者の情報を提供するラベルを1端に有する。このスミアは右から左へ形成され、相対的に厚い厚みから始まって、次第に単分子層になり、羽毛状になって消える。臨床医によりスキャン検査された単分子層域Rは点線間の領域である。この領域において、スミアは均一層であることが意図されており、単一層の細胞に近い。
【0029】
本発明の他の特徴によれば、血液塗抹スライドS’の運動(その加速度、最終粘度、およびその塗抹スライドの下面が血液塗抹方向へ移動する前に血液滴と接触する時間を含む)は血液特性により決定される。この塗抹スライドの運動の制御はリードねじ13の回転制御、従って、スライドトラック11の運動制御により行われる。スライドS上へ滴下された血液滴の特性は血液学的分析装置、例えば、フロリダ州、マイアミのCoulter Corporation により製造されているCOULTER ( 登録商標)STKS 分析装置名下で市販されている分析装置により決定できる。血液サンプルはかかる装置により血液サンプルの一部が分離されて血液スミアを形成するためにスライドS上へ滴下するために保存される。視覚検査のためにスライドS上での血液スミアの形成が分析装置により指示される場合、血液はそのスミアを形成するためにスライドS上に滴下される。
【0030】
分析装置による血液分析結果は血液分析装置により与えられる7つのパラメタ、ヘマトクリット値(HCT)、ヘモグロビン(HGB)、平均細胞量(MCV)値、赤血球細胞分布の標準偏差(RDW)値、血小板数(PLT)値、平均血小板量(MPV)、および全白血球細胞数(WBC)値を含む。重要パラメタはヘマトクリット値であり、これは血液の粘度に最も密接に関係する。血液粘度はスライドトラック11の運動の加速度および速度に依存して形成される血液スミアの質に影響する。ヘマトクリットは血液粘度に最も密接に関係するが、実際の粘度にヘマトクリット値が単独で反映しない血液状態があることが考えられる。かかる状態は患者が薬物治療中の時に発生し、その結果、血液サンプル中に外部物質が存在し、また異常血液状態の結果として発生する。
【0031】
図8で速度線により示されたように、本発明は異なる加速度および速度で塗抹スライドを移動させることを意図しており、顕微鏡スライド上で塗抹される血液滴の物理的性質の相違を考慮している。好適態様によれば,塗抹スライドはリードねじ13を適切に回転させることにより、図8で曲線92および94により示された少なくとも2つの加速度値、および仮想線により示された3つの最終速度を移動する。最終速度は図9に示された値に対応する。同様に、塗抹スライドが不動保持されて塗抹運動または拡張運動する直前に血液滴と接触する少なくとも2つの異なる『保持時間』がある。単純化のために、図9はベースパラメタとしてヘマトクリットを使用して3つの領域を異なる加速度、一時休止時間および最終速度で形成する。例えば、領域1は18から23%の間のヘマトクリット値に相当し、これは粘性血液を含まないことを示す典型例である。この場合、加速度は60インチ(152.4cm)/平方秒にセットされる。塗抹スライドの保持時間は血液を毛管作用によりそのスライドのエッジに沿って吸上げることのできる約2秒間である。図12を参照して後述するように、計算速度に使用される式に依る速度は6.5から9インチ(16.5〜22.5cm)/秒の範囲である。
【0032】
図9の領域IIにおいて、ヘマトクリット値は23%から35%の範囲であり、かかる血液は中間粘度の典型例と考えられている。加速度は領域Iの場合と同様に、60インチ/平方秒である。保持時間は同様に2秒であり、速度は6.5から9インチ/秒の範囲である。更に粘性の強い血液の場合、領域IIIに示されたように、ヘマトクリット値は35%から65%の範囲であり、加速度は25インチ(63.5cm)/平方秒にセットされ、かつ速度は2.5から8インチ(7.1〜20.3cm)/秒である。2つの異なる保持時間が採用され、一方は図12を参照して下で説明する方法による計算に基づいて4インチ(10.2cm)/秒未満の速度に対して3秒であり、他方は4インチ/秒以上の速度に対して2秒である。これは、他のパラメタによりヘマトクリットが非常に高い値で示されているけれど、血液の粘度は実際にはヘマトクリット値よりも小さと言うシナリオが上で説明した理由から予想できるであろう。
リードねじ13およびそのステッパモータ52による塗抹スライドの位置を制御するための好適回路は図10に示されている。回路80は血液分析装置82に接続され、血液分析装置82はサンプルデータ84をコンピュータにより発生し、コンピュータはコミニュケーションラインからデータ処理装置86、例えば、電子制御器ボードへ入力される。データ処理装置86は『読出し専用記憶装置』(ROM)88を含み、ROMは、1)適式、および2)ルックアップテーブルを記憶し、かつスライド製造機の作用を全体的に制御する。データ処理装置86から成る上記電子制御器ボードは概ね従来性質を有しかつIntel Corporation から入手できる80196ユニット等の従来中央処理装置92で構成できる。ROM88またはPAL装置(図示せず)のいずれかの適合式、外部条件、および他の制御操作はデータ処理装置86で従来法によりプログラムされることができる。
【0033】
サンプルデータ84、適式、およびテーブルはRAM90へロードされ、中央処理装置92により処理され、そのデータを血液分析装置82で処理して血液滴上に塗抹ブレードとして使用されるスライドS’の保持時間、スミアを形成するスライドS上の血液を塗抹するために採用される加速度および速度を制御するサーボ制御器94へ出力する。サーボ制御器94は上述の方法によりモータ52を駆動するモータによりスライドトラック11の装置へ信号を出力する。
【0034】
図11はデータ処理装置86を示す回路装置、即ち、電子制御器ボードを示す更に詳細な線図であり、その出力はバッファへ送られ、そこからサーボ制御器94の一部を形成する制御器チップ98へ送られる。制御器チップ98は、例えば、1990年製品マニュアルに記載のNational Semiconductor Corporationから入手できるLM629 として知られる市販の制御器チップであっよい。この制御器チップ98は血液分析装置82からの入力パラメタからデータ処理装置86により計算した保持時間、加速度および速度のプロフィルを実行する。チップ98からの入力はスイッチング転換器101、例えば、National Semiconductor Corporationから入手できかつ1990年製品マアニュアルに記載されたLM621 の名称下で市販されているスイッチング転換器へ送られる。この転換器101は制御信号をその系のステッパモータ52を駆動するモータ駆動装置102、即ち、ブラッシュレスDCモータへ出力し、このDCモータはスライドトラック11へ連結されて作動する駆動ねじ13へギア105を介して連結されている。
【0035】
上記駆動モータの軸の角度位置はセンサ115、例えば、ホール効果センサにより感知され、転換器101 へ信号を発信し、モータ52の回転子を固定子の南極と北極間で転換させて、電流を逆流させる。
同様に、駆動ねじ13の位置はエンコーダ109へ伝送され、制御器チップの形態を採るサーボ制御器94へ送られる。エンコーダ109はねじ13の位置を示す感知した物理的パルスを変換し、系のデジタル制御を可能にするためにデジタル信号へ変換するためにそれをデコーダへ伝送する。
【0036】
上記系の実行は図12に示されており、図12は異なる加速度、速度および保持時間をいかにして計算するかを示すフローチャートである。
図12において、説明の目的から、次の省略は次の意味で使用されている。
A = 加速度
V = 速度
T = 血液滴の遅延時間または保持時間
血液学分析装置から得られたデータが適切でない、即ち、血液パラメタが得られない場合に2つのデフォルトプロフィルがある。
【0037】
デフォルトプロフィル番号1の結果は次の通りである。
A = 25インチ(63.5cm)/平方秒
V = 6インチ(15.2cm)/秒
T = 2秒
デフォルトプロフィル番号2の結果は次の通りである。
【0038】
A = 60インチ(152.4cm)/平方秒
V = 9インチ(22.9cm)/秒
T = 2秒
ヘマトクリット値のみが得られかつその他の血液パラメタの少なくとも1つが利用できない事例がある。ヘマトクリット値のみを使用する式は次の通りである。
【0039】
1)V = 0.167HCT + 12.83
2)V = 0.167HCT + 13.34
あらゆる変数、即ち、望ましい血液パラメタが得られる場合において速度を決定するために使用される式は次の通りである。
Figure 0003774002
( 注: HCT は常に%数である。速度はインチ/ 秒および加速度はインチ/ 平方秒である。(1インチ= 2.54cm) )
このように、図12及び図13のフローチャート100から理解されるように、初期ステップ102では、血液学的分析からの血液パラメタがその系へ入力される。血液パラメタは先に定義したHCT,HGB,MCV, RDW, PLT, MPV, WBC である。この分析の結果が適性である場合には7 つの全パラメタの数値が得られる。パラメタ値が測定されない場合には、アステリスクまたは血液分析フラッグ、例えば、不完全計算を示すための特性値が受信される。従って、ステップ104ではHCT が数値、即ち、測定されているか否かについて初期決定がなされる。COULTER(登録商標) STKS分析装置等の血液分析装置からヘマトクリットの数値が得られないことがあり得る。HCTがその分析装置により決定されない場合には、第1デフォルトプロフィルが25インチ(63.5cm)/平方秒の加速度、6インチ(15.2cm)/秒の速度、および2秒の保持時間と共に採用される。
【0040】
HCTが血液分析装置により決定される場合には、ステップ108で他のパラメタの全てが決定されたか否かについて決定される。この場合、他のパラメタの全てが数値でなければならないことが重要であり、かつそれらが数値でない場合にはステップ110でHCTが23の値以下であるか否かの決定がなされる。
HCTが23の値以下である場合には、デフォルトプロフィル2がステップ112として実行され、その結果、加速度は60インチ(152.4cm)/平方秒、速度は9インチ(22.9cm)/秒、そして保持時間は2秒となる。HCTが23よりも大きい場合には、ステップ114でHCTが35以下であるか否かについて付加的決定がなされる。HCTが35以下の場合には、HCTのみを含む適合式1を、60インチ(152.4cm)/平方秒の加速度、および2秒の保持時間によりステップ116で実行して、使用最終速度を決定する。また選択的に、HCTが35よりも大きい場合には、HCTのみの適式2を加速度25インチ(63.5cm)/平方秒で実行する。計算された速度が2.5インチ(6.4cm)/秒未満の場合には、2.5インチ(6.4cm)/秒の速度が採用される。計算速度が4インチ(10.2cm)/秒未満の場合には保持時間は3秒であり、他の速度については全て2秒である。
【0041】
他の全パラメタが数値である場合には、ステップ120でHCTが23以下であるか否かを検討し、ステップ122で答えが『yes』の場合にはセクションIの多変数を含む適式を用いて速度を決定する。加速度を60インチ(152.4cm)/平方秒とセットし、かつ保持時間を2秒にする。計算された速度が9インチ(22.9cm)/秒を越える値の場合には、速度は9インチ(22.9cm)/秒にセットする。ステップ120のHCT値が23の値を越える場合には、ステップ124でHCT値が35の値以下であるか否かを決定する。
【0042】
この場合、ステップ126でセクションIIの多変数適式を60インチ(152.4cm)/平方秒の加速度そして2秒の保持時間で実行する。その結果得られた計算速度が9インチ(22.9cm)/秒を越える場合には、速度を9インチ(22.9cm)/秒にセットする。
HCTの値がステップ124で35を越える場合には、セクションIIIの多変数適式を25インチ(63.5cm)/平方秒の加速度で実行する。計算速度が2.5インチ(6.35cm)/秒の場合には、2.5インチ(6.35cm)/秒の値を速度に関してセットする。計算速度が4インチ(10.2cm)/秒未満の場合には保持時間は3秒であり、かつ残りの計算値については2秒とする。全ての場合に、速度を一旦計算したならば、出力速度プロフィルをステップ130で出力して図8および9に図示された系により実行する。
【0043】
本発明を特に好ましい態様を参照して説明した。本発明の精神を逸脱することなく種々の変更がなされ得ることは理解されるであろし、またかかる変更が添付の請求の範囲内に含まれることが意図されている。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のスライド形成装置の側面図を示す概略線図である。
【図2】スライドガラス上の一滴の血液をスミアにするために使用する滴塗抹部材の4つの位置を示す図1の装置の拡大部分図である。
【図3】(A)および(B)はそれぞれ滴塗抹部材を握りかつ操作するための装置の上方斜視図および底面図である。
【図4】(A)から(C)はそれぞれ担持したスライドを変形させるための真空発生部を有するスライド担持シャトルの上面図、端面図および側面図である。
【図5】スライド部の長手および幅に沿って測定したスライドの一部の変形を示すグラフである。
【図6】スライド部の長手および幅に沿って測定したスライドの一部の他の変形を示すグラフである。
【図7】(A)および(B)はそれぞれ図1の装置により形成される血液スミアスライドを示す上面図および側面図である。
【図8】加速度および速度のプロフィルを示すグラフであり、図10の制御回路はこれに従って滴塗抹部材を前進させる。
【図9】塗抹する流体滴の所定パラメタに基づく本発明の好適態様による3つの分離領域における異なる加速度、速度、および保持時間値を示すチャートである。
【図10】図1の装置に使用される滴塗抹部材の保持時間、加速度、速度を制御するための好適制御回路を示すブロック線図である。
【図11】図8の制御回路のより詳細なブロック線図である。
【図12】滴塗抹部材の保持時間、加速度および速度を決定するための制御回路により実行される好適プログラムを示すフローチャートである。
【図13】図12のフローチャートの一部である。
【符号の説明】
10…スライド形成装置
11…スライド操作装置(スライドトラック)
12…スライド供給ステーション
13…リードねじ(駆動ねじ)
14…カップリング部材
20…スライドシャトル
S…塗抹スライド
S’…血液塗抹スライド
30…スライド受けプラットホーム
31…凹部
32…真空ポート
33…リブ
46…血液滴ディスペンサ
60…スライド支持、変形部
66…プラットホーム
68…凹域または切欠き
70…真空ポート

Claims (9)

  1. 裏平面を有する顕微鏡スライド上に生物学的流体の検査可能スミアを形成する方法において、
    前記顕微鏡スライドの平面上に一滴の生物学的流体を滴下し、
    前記スライドの平面を前記流体を滴下した滴下位置から前記流体を塗抹する前記スライドの長手方向および幅方向へ変形させてその平面に凹みを形成し、かつ
    前記流体の流体滴を前記変形により形成されたスライドの凹みを横切って所定方向へ拡げて前記スミアを形成する、各工程から成ることを特徴とするスミアを形成する方法
  2. 前記変形させる工程が前記スライドの長手方向と幅方向とが相互に直交して凹みを形成するように前記スライドの平面を変形させる請求項1の方法。
  3. 前記変形させる工程は前記スライド前記生物学的流体の流体滴を受ける面と反対の平面へ真空力を加えることにより行われる請求項1の方法。
  4. 前記拡げる工程が、前記生物学的流体の流体滴をその側部で塗抹部材と接触させて前記流体滴を毛管作用により前記塗抹部材へ接着させ、かつ前記塗抹部材を前記流体滴から前記所定方向へ移動させる、から成る請求項1の方法。
  5. 前記拡げる工程が前記スライドの一面を第2顕微鏡スライドのエッジと接触させ、前記第2顕微鏡スライドを第1方向へ摺動させて前記生物学的流体の流体滴と接触させ、所定時間待って前記流体滴を前記第2顕微鏡スライドによりそのエッジの近傍で吸上げ、かつ前記第2顕微鏡スライドを前記第1方向と反対の第2方向へ摺動させて毛管作用により前記スライド面から前記流体滴のフィルムを引張ることにより行われる請求項1の方法。
  6. 複数の異なる血液パラメタを使用して前記第2顕微鏡スライドの前記第2方向への摺動運動を制御する請求項5の方法。
  7. 複数の異なる血液パラメタを前記所定時間を決定するために使用する請求項5の方法。
  8. 微鏡スライド上に血液スミアを形成する装置であって、
    血液スミアを形成するための顕微鏡スライドを支持するスライド支持手段、
    前記顕微鏡スライドの通常の平面上の所定位置に所定量の血液滴を滴下する血液供給手段、
    前記スライド支持手段により支持された前記スライド上の前記血液滴を拡げるための滴拡張手段、および
    前記スライド支持手段により支持された前記スライドの平面を血液滴を滴下した滴下位置から前記スライドの長手方向および幅方向へ変形させるためのスライド変形手段を含んで構成され、
    前記変形は前記滴拡張手段により前記血液滴を拡げる前および拡げる間に行われることを特徴とする、血液スミアを形成する装置
  9. 前記スライド変形手段は前記スライドの所定位置上に真空圧を発生させて前記スライド支持手段上に前記スライドを保持しかつ前記スライドを変形させるために前記スライド支持手段へ機能的に連結されている真空源から成る請求項8の装置。
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