JP3773783B2 - 保冷庫 - Google Patents

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、保冷庫に関する。特に、バイオ，医療分野，食品分野では，検体，細胞，ＤＮＡ，血液及び高級食料品等の貴重な保存物を長期に亙って収納・保存するために，-30℃〜-150℃の冷凍保冷室を有する超低温保冷庫に関する。
【０００２】
本発明は、このような用途に使用される超低温保冷庫が停電により冷却不能の事態が生じたときの改良に関する。
【０００３】
【従来の技術】
保冷庫に関しては、特開平6-88666号公報に一例が示されている様に、停電及び異常等により冷却不能の事態が生じたときに、補助冷却手段によりバツクアップを行うと共に、この事態を迅速に解消するために隔地の監視会社に自動警報するようにしている。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、異常時には、警報用の回路には電力供給されるために周りに対して警報がなされていたが、停電時には電力供給が止まるため近傍に対しては何ら警報がなされなかった。このため、保冷庫の近くにいる人が気付かずに、手遅れになってしまうことがある。
【０００５】
特に、保冷庫の収納物が、血液や医療関係薬物のような貴重な保存物の場合には，僅かな庫内温度の上昇変化でも重大な品質低下または腐敗等の劣化への移行が速く、迅速に事態を収拾しなければならなかった。
【０００６】
本発明は、このような課題（問題点）を解決するようにした保冷庫を提供することを目的とする。
【０００７】
また、従来においては、停電中の事態収拾のための処理中、及び、正常復帰時に、保冷庫の収納物の温度が判らないために保存物を破棄せざる得ないこととなったり、手遅れにも係わらず事態収拾のための処理を全力で行うことがあった。
【０００８】
本発明は、このような課題（問題点）を解決するようにした保冷庫を提供することをも目的とする。
【０００９】
【課題を解決するための手段】
以下、本願の請求項の各構成に、対応する実施態様の各部の符号を付して本願の特徴を説明する。なお、これは、説明を容易にするためのみに符号を用いたのであって、本願が実施態様に限定されるわけでははない。
【００１０】
本発明は、停電時用の補助電源手段を内蔵し、停電時に庫内温度を検出する検出手段を動作させる保冷庫において、停電中であることを報知する停電報知手段（７、８）と、停電時に前記検出手段（５）で検出した庫内温度を報知する温度報知手段（６）と、停電時にこの温度報知手段に温度表示を行う庫内温度表示指示スイッチ（９）とを備えたことを特徴とする。
【００１５】
また、前記補助電源手段は、コンデンサまたは電池であることを特徴とする。
【００１６】
また、前記停電報知手段(7,8)は、ランプ(7)又はブザー(8)であることを特徴とする。
【００１７】
また、前記温度報知手段(6)は、表示手段(6)であることを特徴とする。
【００１８】
【発明の実施の形態】
図１〜図３を参照しつつ、本発明の第1実施形態を詳述する。
【００１９】
図１は、超低温の保冷庫の図であり、図２はこの保冷庫の操作パネルの図である。図３は動作を説明するための図である。
【００２０】
図１において、１は-80℃から-130℃程度の超低温の冷凍室を備える保冷庫である。２はその庫内である。３は庫内温度表示を行うと共に、庫内温度を設定入力する操作パネルである。４はCPU及びバックアップ用の電池(補助電源手段)を備え、保冷庫全体を制御する制御基板部である。５は庫内の温度を検出する庫内温度検出センサである。なお、判りやすくするために、操作パネル３と制御基板部４を保冷庫１とは、別に示しているが、実際は当然内蔵されている。
【００２１】
図２において、６は温度表示部である。７は警報ランプである。８は警報ブザーである。９は庫内温度表示指示スイッチである。
【００２２】
この保冷庫の停電時の動作を説明する。
【００２３】
停電すると、制御基板部４は、内蔵の電池により駆動される。また、この電池により、庫内温度検出センサ５及び警報ランプ７及びブザー８も駆動される。
【００２４】
この警報ランプ７及び警報ブザー８の駆動により、この保冷庫の周りに停電等が報知されるので、周りの人々は、停電対応に速やかに行うことができ、貴重な保存物の品質の低下を抑制することができる。
【００２５】
また、この停電対策中に、作業者が、庫内温度を確認したい場合は、庫内温度表示指示スイッチ９を押す。これにより、制御信号が出力され、温度表示部６が駆動され、センサ４にて検出した庫内温度が温度表示部６に表示される。これにより、作業者は、現状を把握でき、最適な対応をとることができる。
【００２６】
また、図３に停電時の動作をフローチャートで表した。
なお、上記実施態様では、表示部６の通常時のことは、説明しなかったが、これは、常時庫内温度を表示するのが一般的である。つまり、常時は庫内温度を表示して、庫内温度報知手段として動作し、停電時は消灯するが、庫内温度表示指示スイッチ９の操作により、庫内温度を表示する。
この庫内温度の表示は、庫内温度表示指示スイッチ９を押すと為され、再度、庫内温度表示指示スイッチ９を押すと消灯するものでもよい。
停電時の省エネの観点から言えば、この庫内温度の表示は、庫内温度表示指示スイッチ９の操作から一定期間だけ表示させるか、又は、庫内温度表示指示スイッチ９を押している間のみ表示させるのが良い。
【００２７】
また、上記実施態様では、停電時の補助冷却手段については、記載していないが、これはもちろん設けるようにしても良い。
【００２８】
【発明の効果】
本発明によれば、停電中にはこれを報知するので、停電を知ることができ、貴重な保存物の品質の低下を抑制することができ、停電中も保冷庫の庫内温度を確認することができるので、停電時には的確な事態収拾策を選定することができ、しかも、補助電源手段の省エネを図れ、コンデンサや電池の寿命を長くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の第1実施態様の図である。
【図２】この第1実施態様の操作パネルの図である。
【図３】この第1実施態様の動作を説明するための図である。
【符号の説明】
５・・・庫内温度検出センサ(検出手段)
８・・・警報ブザー(停電報知手段)
７・・・警報ランプ(停電報知手段)
６・・・温度表示部(表示手段、温度報知手段)
９・・・庫内温度表示指示スイッチ(操作手段)。

Claims (4)

1. 停電時用の補助電源手段を内蔵し、停電時に庫内温度を検出する検出手段を動作させる保冷庫において、停電中であることを報知する停電報知手段と、停電時に前記検出手段で検出した庫内温度を報知する温度報知手段と、停電時にこの温度報知手段に温度表示を行う庫内温度表示指示スイッチとを備えたことを特徴とする保冷庫。
2. 前記補助電源手段は、コンデンサまたは電池であることを特徴とする請求項１に記載の保冷庫。
3. 前記停電報知手段は、ランプ又はブザーであることを特徴とする請求項１に記載の保冷庫。
4. 前記温度報知手段は、表示手段であることを特徴とする請求項１に記載の保冷庫。

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