JP3773752B2 - 温水暖房装置の試運転制御方法 - Google Patents

温水暖房装置の試運転制御方法 Download PDF

Info

Publication number
JP3773752B2
JP3773752B2 JP2000135139A JP2000135139A JP3773752B2 JP 3773752 B2 JP3773752 B2 JP 3773752B2 JP 2000135139 A JP2000135139 A JP 2000135139A JP 2000135139 A JP2000135139 A JP 2000135139A JP 3773752 B2 JP3773752 B2 JP 3773752B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
circulation
hot water
terminal
pump
pressure loss
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2000135139A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2001317748A (ja
Inventor
潔 梅澤
泰久 浅輪
重松  徹
佐俊 西田
剛史 池澤
英也 ▲寿▼山
浩次 岸尾
浩志 太田
厚志 吉本
一哉 川内
諭 山下
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tokyo Gas Co Ltd
Noritz Corp
Original Assignee
Tokyo Gas Co Ltd
Noritz Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tokyo Gas Co Ltd, Noritz Corp filed Critical Tokyo Gas Co Ltd
Priority to JP2000135139A priority Critical patent/JP3773752B2/ja
Publication of JP2001317748A publication Critical patent/JP2001317748A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3773752B2 publication Critical patent/JP3773752B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Steam Or Hot-Water Central Heating Systems (AREA)
  • Air Conditioning Control Device (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、温水暖房装置の試運転時の試運転制御のために用いられる温水暖房装置の試運転制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、温水暖房装置としては、燃焼バーナにより加熱される熱交換器や貯湯タンク内の水を循環させる循環ポンプが配設された暖房回路を備えた熱源機と、この熱源機外の各室に設置された複数の端末放熱器(例えば床暖房器や浴室暖房機)とからなるものが一般に知られている。このものでは、上記複数の端末放熱器が上記暖房回路に対し熱動弁により構成された端末開閉弁及び循環配管を介して並列に接続され、所望の端末開閉弁を開作動させることで上記熱交換器により加熱された温水が対応する端末放熱器に対し個別に循環供給されるようになっている。
【0003】
そして、上記の温水暖房装置については、熱源機及び各端末放熱器をそれぞれ設置し、その熱源機と各端末放熱器との間に循環配管等の配管工事を行った後、使用(通常の暖房運転)に供される前に、水張りを行い暖房運転が正常に行われるか否かの試運転が一般に行われている。すなわち、上記各端末開閉弁が正常に開閉作動するか否か、循環配管が正常に配管されているか否か、各端末放熱器に対し所定温度の温水が供給されて端末放熱器による暖房が正常に行われるか否か等のチェックが試運転として行われている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記従来の温水暖房装置においては、その通常の暖房運転における循環ポンプの作動が極めて非効率なものとなっている上に、それに起因して騒音増大の不都合も生じている。
【0005】
すなわち、上記温水暖房装置においては、各端末放熱器に対し温水を循環供給する上で配管抵抗に起因する圧損(圧力損失)が生じており、この圧損は主として各循環配管の配管長の長短如何によって各端末系統毎に差を有している。しかも、各端末放熱器の設置位置は温水暖房装置を設置する建物毎に異なり、従って、循環配管の長さ等も設置対象毎に異なるため、上記圧損も一律に把握することはできない。
【0006】
しかるに、上記従来の温水暖房装置では、駆動用電動機としてACコンデンサモータを用いたACポンプが循環ポンプとして通常用いられているため、複数ある端末系統の内のどの端末開閉弁が開かれた場合であっても、圧損の如何や循環流量の如何に拘わらず循環ポンプによる温水の循環作動が成り行きとされる不都合がある。
【0007】
このため、例えば複数ある内の1つの端末開閉弁のみが開かれると、その1つの端末系統にのみ必要以上の循環流量が供給されることになり、循環ポンプは必要以上のポンプ仕事を行ってしまうことになる。これにより、省エネルギー化に反することになる上に、循環流速の増大により騒音発生の原因ともなる。
【0008】
一方、循環ポンプとして循環流量を変更調整し得るDCポンプを用い、その循環ポンプから各端末放熱器への往き側と戻り側との配管内の圧力差が一定になるように上記循環ポンプの作動制御を行う方法も知られているが、上記の往き側及び戻り側の両配管内の圧力を圧力センサにより継続的に検出する必要がある点で耐久性及び信頼性に欠け、汎用の温水暖房装置として普及させるには不都合がある。
【0009】
すなわち、DCポンプは駆動用電動機にDCモータを用い回転数制御により循環流量を可変にし得るものの、上記のような循環ポンプの作動制御を行うために上記往き側及び戻り側の両管路のそれぞれに圧力センサを介装させると、この圧力センサは通常の暖房運転において比較的高温(例えば80℃)の温水に長時間にわたり晒されることになる。このため、上記圧力センサに対しかなり高い耐久性及び信頼性が要求されることになり、上記の如き循環ポンプの作動制御を汎用の温水暖房装置に適用するには不都合がある。
【0010】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、通常の暖房運転における循環ポンプの作動効率化、それに伴う省エネルギー化を高い信頼性と耐久性を確保しつつ実現し得る温水暖房装置の試運転制御方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、実際に設置された温水暖房装置に対し、通常暖房運転に供する前に各端末系統についての実際の圧損特性を予め取得する試運転を行い、通常暖房運転における循環ポンプの作動制御において上記取得した実際の圧損特性を用いるようにすればよいことに着目したものである。
【0012】
具体的には、本発明は、少なくとも加熱部及び循環ポンプが配設された暖房回路を有する熱源機と、この熱源機外に設置されて個別の循環配管により上記暖房回路と接続された少なくとも1の端末放熱器とを備え、上記加熱部により昇温された温水が上記循環ポンプの作動により上記端末放熱器に対し上記循環配管を通して循環供給されるように構成された温水暖房装置について、通常運転を行う前に実行される温水暖房装置の試運転制御方法を対象として、以下の特定事項を有するようにしたものである。
【0013】
すなわち、上記循環ポンプとして流量可変型のポンプを用いて上記温水暖房装置を設置した後、上記熱源機及び循環配管に水張りした状態で、試運転制御を行うコントローラにより上記循環ポンプの作動を上記循環配管に対する循環流量が徐々に変化するように制御し、その際、順次変更される循環流量に対する上記循環配管の配管抵抗に関するパラメータを逐次検出していき上記コントローラに上記循環配管の圧損特性データとして記憶保持するようにすることを主特定事項とするものである。
【0014】
ここで、上記の「加熱部」としては、燃焼バーナとこの燃焼バーナの燃焼熱により加熱される熱交換器との組み合わせ、あるいは、電気ヒータ等を用いるものである。また、「循環流量が徐々に変化するように」とは、連続的変化もしくは段階的変化のいずれでもよい。
【0015】
そして、上記の「配管抵抗に関するパラメータ」としては、順次変更される各循環流量値と、その各循環流量値の循環流量に対する循環配管内の配管圧力値とを逐次取得し、その循環流量値と配管圧力値との関係を「圧損特性データ」として記憶保持するようにすればよい。上記の「圧損特性データ」としては、循環流量値と配管圧力値との集合データ群の状態でもよいし、あるいは、好ましくはこれらの集合データ群に基づき循環流量値と配管圧力値との関係を高次近似式(圧損曲線)に変換した状態にしたものでもよい。
【0016】
上記の主特定事項を備えることで、温水暖房装置の設置工事の後であって使用に供される前に、各端末放熱器に通じる循環配管の実際の圧損特性データが試運転制御により得られることになる。つまり、後の通常の暖房運転において各端末放熱器に温水を循環供給する際の現実の配管長条件や配管抵抗条件下での圧損特性データ(例えば圧損曲線)が得られることになる。すなわち、循環ポンプによる吐出流量が徐々に変化(例えば増量変化)するように上記循環ポンプの作動制御を行うことにより上記循環配管に対する循環流量が徐々に変化し、その徐々に変化する循環流量値毎にその時の循環配管の配管抵抗に関するパラメータが逐次検出される。つまり、互いに異なる循環流量値と、この各循環流量値の循環流量下での上記パラメータにより把握される配管抵抗との関係が順次取得され、この関係が圧損特性データとしてコントローラに対し順次記憶されて保持される。これにより、この記憶保持された圧損特性データを通常の暖房運転の際に上記循環ポンプの作動制御の基準データとして用いることが可能になり、実際の循環配管に生じる圧損に対応した作動量で上記循環ポンプを運転させることにより効率化及び省エネルギー化が図られることになる。しかも、この通常の暖房運転においては圧力センサ等からの検出を要することなく、コントローラに記憶保持した圧損特性データに基づく循環ポンプ自体の作動制御を行うだけで済むことになり、高温環境下での長時間運転であっても高い耐久性及び信頼性を実現し得ることになる。
【0017】
上記の主特定事項において、「順次変更される各循環流量値と、その各循環流量値の循環流量に対する循環配管内の配管圧力値とを逐次取得」する方法としては、上記循環流量値と配管圧力値とを例えば流量検出手段及び圧力検出手段を用いて共に直接検出するようにしてもよいが、以下の如くいずれか一方値のみ直接検出し他方値を関連パラメータから割り出す、あるいは、両値の関係を関連パラメータから割り出すようにしてもよい。
【0018】
第1として、循環ポンプの駆動用モータとして直流電動機を用い、循環流量値及び配管圧力値のいずれか一方値を検出手段により直接検出し、他方値を間接検出するようにし、上記他方値の間接検出として、上記循環ポンプの作動制御における上記直流電動機への印加電圧値に基づき、コントローラに予め記憶設定された上記循環ポンプのポンプ特性から演算により上記他方値を取得するようにする方法が挙げられる。つまり、印加電圧値の変更によりポンプの回転数が変更されて吐出流量も変更されることになるため、その回転数と吐出流量もしくは揚程(圧力)の関係を規定したポンプ特性から循環流量値及び配管圧力値の内から直接検出した一方値により他方値が取得し得ることになる。この場合には、流量検出手段及び圧力検出手段の一方のみの設置ですみ、他方を省略することが可能になる。
【0019】
第2として、熱源機として、給湯回路及び風呂注湯回路の一方もしくは双方が付設されたものを用いた場合には、循環流量値を、上記給湯回路及び風呂注湯回路の一方が有する流量検出手段を試運転時にのみ一時的に用いて検出するようにする方法が挙げられる。例えば試運転時にのみ使用する接続配管を用意しておき暖房配管の一部から上記流量検出手段を通過するバイパス管路を三方切換弁等を介して一時的に接続するようにすればよい。この場合には、圧損特性データを取得するための試運転時にのみ必要な流量検出手段を特別に設置する必要がなく既設置の流量検出手段の有効利用が図られる。
【0020】
第3として、熱源機として、暖房回路と端末放熱器との間で循環される往き側温水及び戻り側温水の温度を検出する往き側及び戻り側の一対の温度検出手段と、加熱部での加熱量を検出する加熱量検出手段とを有するものを用いた場合には、 循環流量値を、上記一対の温度検出手段により検出される往き側及び戻り側の両温水の温度差と、加熱量検出手段により検出される加熱量とから演算により取得するようにする方法が挙げられる。すなわち、単位流量の温水を1℃上昇させるために必要な加熱量が試験等により既知であることから取得し得るものであり、この場合には温水暖房装置が本来備えている温度検出手段等の有効利用により上記と同様に新たな流量検出手段の設置を省略することが可能になる。
【0021】
第4として、熱源機として風呂追い焚き回路が付設されたものを用いた場合には、配管圧力値を、上記風呂追い焚き回路が有する圧力検出手段を試運転時にのみ一時的に用いて検出するようにする方法が挙げられる。例えば上記圧力検出手段に対し暖房回路の一部と連通切換可能に連通させておき、試運転時にのみ上記圧力検出手段と暖房回路とを連通させて圧力検出を行わせるようにすればよい。この場合には、圧損特性データを取得するための試運転時にのみ必要な圧力検出手段を特別に設置する必要がなく既設置の圧力検出手段の有効利用が図られることになる。
【0022】
第5として、循環ポンプの駆動用モータとして直流電動機を用い、この直流電動機の回転数を検出する回転数検出手段と、上記直流電動機に流れる電流値を検出する電流値検出手段とを設けた場合には、上記循環ポンプのポンプ仕事量と、その循環ポンプのポンプ流量及び吐出圧力により規定されるポンプ特性との関係を定めたポンプ特性テーブルをコントローラに予め記憶設定しておき、上記回転数検出手段による回転数検出値と、上記電流値検出手段による電流検出値とから上記循環ポンプのポンプ仕事量を演算し、この仕事量演算値に基づき上記ポンプ特性テーブルから循環流量値と配管圧力値との関係を取得するようにする方法が挙げられる。つまり、上記回転数の変動は吐出流量の変動と一定の関係がある一方、直流電動機に流れる電流値の変動は作動時にポンプに作用する負荷(圧力)の変動と一定の関係があることから、循環ポンプの作動制御中の循環流量値と配管圧力値との関係を取得し得るものである。この場合には、試運転により圧損特性データを取得するための圧力検出手段及び流量検出手段を共に不要とすることが可能になる。
【0023】
なお、上記第5の方法の場合には、試運転制御の開始に先立ち記憶設定されているポンプ特性テーブルの補正処理を行うようにしてもよい。すなわち、上記ポンプ特性テーブルの補正処理として、全端末放熱器への循環配管を閉止状態にすることにより熱源機内の暖房回路での温水循環のみの状態にした後に循環ポンプを作動させ、回転数検出手段による回転数検出値と電流値検出手段による電流検出値とを取得し、これら回転数検出値及び電流検出値により規定されるポンプ仕事量に合致するよう上記ポンプ特性テーブルを補正するようにすればよい。この場合には、循環ポンプの製作誤差等に起因するばらつき等が予め補正され、以後の圧損特性データの取得をより正確に行い得ることになる。なお、上記「補正」は上記ポンプ仕事量との差分だけポンプ特性テーブルをオフセットしたり、あるいは、上記差分に相当する比率を上記ポンプ特性テーブルに乗じたりすればよい。
【0024】
また、上記の主特定事項において、多数の端末放熱器が並列設置された場合には、その端末放熱器、循環配管及び端末開閉弁からなる端末系統の1つずつについて上記端末開閉弁の開閉を繰り返し、端末系統毎に個別に圧損特性データの記憶保持を行うようにしてもよいが、以下の如き特定事項をさらに付加することにより、端末放熱器が多数設置された場合でも試運転制御時間の大幅な短縮化を図ることが可能になる。
【0025】
すなわち、端末放熱器と、この各端末放熱器に温水を個別に循環させる循環配管と、この循環配管に対し介装されて上記端末放熱器に対し温水の供給を開閉切換する端末開閉弁との組み合わせからなる端末系統を2以上備えた温水暖房装置について、まず、任意の1の端末系統の端末開閉弁を開いてその端末系統に対し温水を循環させこの場合の圧損特性データを記憶保持し、以後、前回までの端末開閉弁を開いたままで任意の新たな端末開閉弁を開いて温水を循環させる端末系統数を増加させその場合の圧損特性データを記憶保持する処理を、全数の端末系統に対し温水を同時に循環させた場合の圧損特性データの記憶保持が完了するまで順次繰り返すようにすればよい。この場合には、全端末開閉弁の1つずつについて開閉作動を繰り返す必要がなく今回の端末開閉弁を開いたままで次回の端末開閉弁を開いていけばよいため、次回の端末開閉弁を開く前に今回の端末開閉弁の閉作動を待つ必要がない分、試運転時間の短縮化が図られる。特に、上記端末開閉弁が開・閉作動に共に時間のかかる例えば熱動弁により構成されている場合には、大幅な時間短縮化が得られることになる。
【0026】
上記の如く全端末開閉弁について個別に閉作動を行わずに順に開いていったとしても、次の如き処理をすることにより全端末系統について個別に圧損特性データを取得することが可能になる。すなわち、今回記憶保持した圧損特性データと、前回記憶保持した圧損特性データとを対比して演算することにより今回増加された端末系統についての圧損特性データを順次取得し、コントローラに記憶保持するようにすればよい。また、個別の端末系統に限らず任意の2以上の端末系統の組み合わせについての圧損特性データの取得も次の処理を行うことにより可能になる。すなわち、任意の1の端末系統及び任意の2以上の端末系統についての種々の圧損特性データの相互対比に基づき、任意の2以上の端末系統の組み合わせについての圧損特性データを演算により取得し、コントローラに記憶保持するようにすればよい。
【0027】
上記の如く全端末系統の個別の圧損特性データ及び任意の2以上の端末系統の組み合わせについての圧損特性データの取得及び記憶保持を完了すれば、次の如く全端末開閉弁を同時かつ一斉に閉作動したとしても、閉作動異常の端末開閉弁が存在すればどの端末開閉弁が閉作動異常であるかの特定が可能になる。すなわち、全端末系統についての圧損特性データの記憶保持を完了した後、その全端末系統の全端末開閉弁を一斉に閉作動し、上記閉作動開始から設定時間経過後、循環流量の流量検出値が熱源機内の暖房回路での循環流量値よりも大きいとき、その流量検出値と既に記憶保持されている種々の圧損特性データとの対比により非閉状態の端末系統の割り出しを行うようにすればよい。そして、その割り出した閉作動異常の端末開閉弁をコントローラに接続した報知手段等により作業者に報知もしくは表示するようにすればよい。
【0028】
加えて、全端末系統についての個別の圧損特性データの取得及び記憶保持が完了した後、次の如き処理を行えば、圧損バランスの不均衡の発生によって同時暖房運転すると循環不良が発生して暖房機能を発揮し得ないことになる端末放熱器の存在を予め特定しかつ作業者に報知して、上記不均衡を是正する対処を予め行わすことが可能になる。すなわち、コントローラに対し報知手段を接続し、全端末系統についての個別の圧損特性データの内、全圧損特性データの平均値よりも設定量以上のばらつきを有する圧損特性データを抽出し、その抽出した圧損特性データに対応する端末系統を上記報知手段により報知もしくは表示するようにすればよい。
【0029】
【発明の効果】
以上、説明したように、請求項1〜請求項8のいずれかに記載の温水暖房装置の試運転制御方法によれば、温水暖房装置の設置工事の後であって使用に供される前に、各端末放熱器に通じる現実の循環配管についての実際の圧損特性データを予め得ることができる。これにより、この圧損特性データを通常の暖房運転の際に上記循環ポンプの作動制御の基準データとして用いることができるようになり、実際の循環配管に生じる圧損に対応した作動量で上記循環ポンプを運転させることにより効率化及び省エネルギー化を図ることができることになる。しかも、この通常の暖房運転においては圧力センサ等からの検出を要することなく、コントローラに記憶保持した圧損特性データに基づく循環ポンプ自体の作動制御を行うだけで済むことになり、高温環境下での長時間運転であっても高い耐久性及び信頼性を実現することができることになる。
【0030】
請求項乃至請求項のいずれかによれば、上記圧損特性データの取得を流量検出手段及び圧力検出手段の一方のみを設置するだけで行うことができ、他方の検出手段の設置を不要としたりあるいは他の回路に既設置のものと共用化したりすることができる。
【0031】
請求項によれば、上記圧損特性データの取得を流量検出手段及び圧力検出手段の双方の設置を不要とすることができ、しかも、試運転制御の開始前にポンプ特性テーブルの補正処理を行うことにより上記流量検出手段及び圧力検出手段を共に用いなくてもより高い精度の圧損特性データの取得を行うことができる。
【0032】
請求項によれば、端末放熱器が多数設置された場合でも試運転制御時間の大幅な短縮化を図ることができる。すなわち、全端末開閉弁の1つずつについて開閉作動を繰り返す必要がなく次回の端末開閉弁を開く前に今回の端末開閉弁の閉作動を待つ必要がない分、試運転時間の短縮化を図ることができる。特に、温水暖房装置においては上記端末開閉弁が開閉作動に時間のかかる熱動弁により構成されているのが通常であるため、大幅な時間短縮化を得ることができるようになる。
【0033】
請求項によれば、上記の如く全端末開閉弁について個別に閉作動を行わず順に開作動を積み重ねた状態で圧損特性データの記憶保持を行っていったとしても、全端末系統について個別に圧損特性データを取得することができるようになる。
【0034】
請求項によれば、個別の端末系統に限らず任意の2以上の端末系統の組み合わせについての圧損特性データの取得も行うことができるようになる。
【0035】
請求項によれば、全端末開閉弁を同時かつ一斉に閉作動したとしても、閉作動異常の端末開閉弁が存在すればどの端末開閉弁が閉作動異常であるかの特定を確実に行うことができるようになる。
【0036】
請求項によれば、圧損バランスの不均衡の発生によって同時暖房運転すると循環不良が発生して暖房機能を発揮し得ないことになる端末放熱器の存在を予め特定することができ、それを作業者に報知することができるようになる。これにより、作業者に対し上記圧損バランスの不均衡を是正する対処を予め行わしめることができるようになる。
【0037】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0038】
図1は、本発明の実施形態が適用される複合熱源機の例を示す。この複合熱源機20は、給湯、暖房及び風呂追い焚きの各機能を有するものである。同図において、21は給湯回路、22は暖房回路、23は追い焚き回路、24はこれらの各回路の動作を制御するコントローラである。本複合熱源機20は、風呂追い焚き時には暖房回路22の湯水と、追い焚き回路23の湯水との間で熱交換を行うことにより追い焚き回路23の湯水を温度上昇させて追い焚きを行うタイプのものである。以下、上記複合熱源機20の各主要構成要素21,22,23,24について説明する。
【0039】
(給湯回路21)
上記給湯回路21は、給湯用燃焼室31を形成する給湯用ケーシング(缶体)32と、このケーシング32内の燃焼室31の上部に配設された給湯用熱交換器33と、この熱交換器33の下方に配設された給湯用バーナ34と、このバーナ34に燃料ガスを供給する給湯用燃料供給系35と、上記バーナ34に対し燃焼用空気を供給する送風ファン36と、上記給湯用熱交換器33にそれぞれ接続された給湯用入水管37及び給湯用出湯管38とを備えている。
【0040】
上記給湯用燃料供給系35は、後述の暖房用燃料供給系55と共通の開閉用電磁弁39の下流側と上記給湯用バーナ34とを接続する給湯用ガス管40と、この給湯用ガス管40に介装されて上記バーナ34への燃料ガス供給量を変更調整する給湯用電磁比例弁41とを備えている。
【0041】
そして、上記入水管37を通して給湯用熱交換器33に供給された水道水などの水は、その給湯用熱交換器33を通過する間に給湯用バーナ34の火炎により加熱され、上記出湯管38を通して台所等のカラン44や上記追い焚き回路23などの所定の給湯箇所に給湯されるようになっている。上記給湯用入水管37には、給湯用熱交換器33への入水流量を検出する水量センサ45と、入水サーミスタ46とが設置されており、また、給湯用出湯管38には出湯サーミスタ47が設置されている。
【0042】
(暖房回路22)
上記暖房回路22は、暖房用燃焼室51を形成する暖房用ケーシング(缶体)52と、加熱部を構成する暖房用熱交換器53及び暖房用バーナ54と、このバーナ54に上記と同じ燃料ガスを供給する暖房用燃料供給系55と、上記バーナ54に対し燃焼用空気を供給する暖房用送風ファン56と、上記暖房用熱交換器53を通る暖房用循環流路57とを備えている。
【0043】
上記暖房用燃料供給系55は、上記共通の開閉用電磁弁39の下流側と上記暖房用バーナ54とを接続する暖房用ガス管60と、この暖房用ガス管60に介装されて上記バーナ54への燃料ガス供給量を変更調整する暖房用電磁比例弁61とを備えている。
【0044】
上記暖房用循環流路57は、途中に介装された貯湯タンクとしての膨張タンク64と、この膨張タンク64から上記暖房用熱交換器53に至る暖房用入水管65と、その暖房用熱交換器53から上記膨張タンク64に至る暖房用出湯管66とを備えている。上記膨張タンク64には給湯用入水管37から分岐して注水栓及び補給水電磁弁を介装した暖房用注水管68の下流端が接続されており、膨張タンク64への注水と、膨張タンク64内の水位が低下したときの水の補給とが高水位スイッチ641(図2参照)及び低水位スイッチ642(図2参照)からの検出信号に基づき行われるようになっている。また、上記暖房用入水管65には、膨張タンク64内の温水を暖房用循環流路57等を介して循環させる暖房用循環ポンプ67が設置されており、上記暖房用出湯管66はその途中において後述の追い焚き用熱交換器81を通るように配設されている。
【0045】
上記暖房用循環ポンプ67は、DC(直流)モータを駆動用電動機とするDCポンプにより構成され、PWM(Pulse Width Modulation)制御による印加電圧指令値の変更制御によりポンプ羽根(インベラ)の回転数の変更制御が行い得るようになっている。そして、上記回転数の変更制御により吐出流量能力が変更されるようになっている。また、上記の回転数を検出する回転数検出手段と、上記印加電圧指令により印加された電圧下で流れる電流値を検出する電流値検出手段とが配設され、それぞれ検出値をコントローラ24に出力するようになっている。
【0046】
上記暖房用入水管65の中間位置には低温用暖房配管69の上流端が分岐接続され、この低温用暖房配管69の下流端にはそれぞれ熱動弁により構成された複数(図例では6つ)の端末開閉弁721〜726(図2参照)を有する6Pヘッダ72が接続されている。そして、図2に示すように上記6Pヘッダ72の各端末開閉弁721〜726に対し複数の低温用端末放熱器A1〜A4に向かう循環配管11〜14の上流端が個別に接続されて上記低温用暖房配管69からの低温水が各端末放熱器A1〜A4に対し並列に分流されるようになっている。なお、上記各低温用端末放熱器A1〜A4は、建物の各部屋に設置された床暖房用の放熱パネルや放熱チューブ等により構成され、通常の暖房運転に際しては比較的低温(例えば60℃)の温水が循環供給されるようになっている。また、図2の例では4つの端末開閉弁721〜724に対し上記の4つの端末放熱器A1〜A4が個別に接続され、他の2つの端末開閉弁725,726は未接続状態とされた場合を示している。
【0047】
上記暖房用出湯管66には上記暖房用熱交換器53と追い焚き用熱交換器81との中間位置で高温用暖房配管70の上流端が分岐接続され、この高温用暖房配管70の下流側には下流接続端701が設けられている。そして、この下流接続端701には、1もしくは2以上(図2では2つの例を示す)の高温用端末放熱器A5,A6へ向かう循環配管15の上流端側が接続されるようになっている。上記循環配管15はその途中位置で二つの分岐循環配管15a,15bに分岐され、それぞれ熱動弁により構成された端末開閉弁151,152を介して上記各高温用端末放熱器A5,A6を通るようになっている。なお、この高温用端末放熱器A5,A6は、例えば浴室乾燥機や室内暖房機等により構成され、通常の暖房運転に際しては比較的高温(例えば80℃)の温水が循環供給されるようになっている。
【0048】
上記下流接続端701の手前位置の高温用暖房配管70から暖房用バイパス管75の上流端が分岐接続されており、この暖房用バイパス管75の下流端は膨張タンク64手前の暖房戻り管71に合流するように接続されている。この暖房戻り管71の上流側接続端711には上記の低温用及び高温用の各端末放熱器A1〜A6を通過した循環配管11〜14,15a,15bの各下流端が接続されるようになっており、上記暖房戻り管71の下流端は上記暖房用出湯管66に対し膨張タンク64手前位置で合流接続されている。
【0049】
上記の各端末放熱器A1〜A6には端末コントローラ241〜246が個別に配設され、この各端末コントローラ241〜246は熱源機20側のコントローラ24との間で無線もしくは有線により双方向通信が可能になっている。これにより、試運転に際しては上記各端末コントローラ241〜246から熱源機側コントローラ24に対し各端末放熱器A1〜A6の状況を出力したり、各端末開閉弁721〜724,151,152の開閉作動指令を上記各端末コントローラ241〜246からでも熱源機側コントローラ24からでも出力し得るようになっている。
【0050】
上記の熱源機20外にそれぞれ並列に設置された端末は、端末開閉弁721と循環配管11と端末放熱器A1とで一つの端末系統1を構成し、端末開閉弁722と循環配管12と端末放熱器A2とで同じく一つの端末系統2を構成するというように、各端末開閉弁723,724,151,152と各循環配管13,14,15及び15a,15及び15bと各端末放熱器A3〜A6との各組み合わせによりそれぞれ一つの端末系統3〜6を構成することになる。
【0051】
図1に戻り、上記暖房用熱交換器53から高温用暖房配管70の上流端との分岐までの間の暖房用出湯管66には上記熱交換器53からの往き側温水の出湯温度を検出する往き側温度検出手段としての往き側サーミスタ73が設置され、また、暖房戻り管71には戻り側温水の温度を検出する戻り側サーミスタ74が設置されている。
【0052】
また、上記暖房用出湯管66の追い焚き用熱交換器81よりも下流位置には風呂用熱動弁76が介装されており、この熱動弁76が閉じることにより暖房用出湯管66の温水は上記高温用暖房配管70のみに流れ、端末開閉弁151,152の一方もしくは双方が開いていれば循環配管15に、双方が閉じていれば暖房用バイパス管75にそれぞれ流れて循環することになる。
【0053】
(追い焚き回路23)
追い焚き回路23は、上記追い焚き用熱交換器81と、この熱交換器81を通る追い焚き用循環流路82と、この循環流路82を通して温水を循環させる追い焚き用循環ポンプ83と、給湯用出湯管38から分岐して上記循環流路82にお湯を注湯する注湯管84とを備えている。
【0054】
上記追い焚き用循環流路82は、図示省略の浴槽から追い焚き用熱交換器81に至る風呂戻り管85と、その追い焚き用熱交換器81から上記浴槽に至る風呂往き管86とにより構成されている。上記風呂戻り管85には、上記循環ポンプ83が設置されている一方、上記注湯管84の下流端が接続されている。この注湯管84にはこの注湯管84を流れる流量を検出する湯量センサ87及び電磁開閉弁88等が設置されている。加えて、上記風呂戻り管85には上記浴槽内の水位を検出するための圧力センサ89が配設されている。
【0055】
(コントローラ24)
コントローラ24は、報知手段を構成するリモコン240からユーザもしくは試運転作業者の入力操作に基づく各種操作指令を受けて上記の各熱交換回路21,22,23の運転を制御するものであり、マイクロコンピュータやメモリ等を含んで構成されたものである。上記コントローラ24は、上記各回路21,22,23に対応して給湯制御手段、風呂追い焚き制御手段及び暖房制御手段等の通常運転を制御する部分と、記憶手段と、上記各回路21,22,23及び暖房回路22に接続される各端末放熱器A1〜A6等の各試運転を制御する試運転制御手段とを備えている。
【0056】
(試運転制御)
以上の構成を前提として、暖房回路22の循環ポンプ67の吐出側の管路に対し管路内の圧力を検出する圧力検出手段としての圧力センサ7(図2参照)を試運転制御用にのみ用いるために配設した場合の試運転制御を以下に説明する。なお、以下の説明では暖房回路22及び各端末系統1〜6からなる温水暖房系についての試運転制御について説明する。
【0057】
本試運転制御は、熱源機20の設置、各室への端末放熱器A1〜A6の設置、及び、各循環配管11〜15の配管・接続の各種工事や配線工事等が完了した後に行われる。この状態では全端末開閉弁721〜726,151,152及び風呂用熱動弁76等は全て閉状態とされている。また、コントローラ24の記憶手段には循環ポンプ67についての所定のポンプ特性テーブルが予め記憶設定されている。
【0058】
本試運転制御は、例えばリモコン240に配設された自動試運転スイッチをON操作することにより開始され、図3に示すように、水張り処理SUB1を行った後に循環ポンプ67についてのポンプ特性値補正処理SUB2を行う。次に、チェックを行う端末放熱器Aj、すなわち、端末系統を選択する(ステップS1)。この選択は、6つの端末系統1〜6の内から任意の端末系統を1つずつ選択して、新規選択端末系統の端末開閉弁(図3には「熱動弁」と表示)の開チェック処理SUB3、圧損チェック処理SUB4及び新規選択端末系統の正常運転チェック処理SUB5を行った後に、6つの端末系統1〜6の全てが選択されるまで端末系統を1つずつ増加選択して上記各処理SUB3〜5を繰り返すようにする(ステップS2で「NO」の場合参照)。そして、全端末系統1〜6についての各処理SUB3〜5が終了すれば(ステップS2でj=jmax=6;「YES」の場合)、それまでに開状態とされた全端末開閉弁721〜724,151,152を一斉かつ同時に閉作動し(ステップS3)、これら全端末開閉弁721〜724,151,152の閉チェック処理SUB6と、各端末系統1〜6の圧損ばらつきチェック処理SUB7とを行って試運転制御を終了する。以下、上記各処理を詳細に説明する。なお、上記自動試運転スイッチのON操作により、設置されている各端末コントローラ241〜246からの出力信号を受けて現に接続されている端末放熱器数、どの端末開閉弁に接続されているか、及び、正常通信可能か否か等の確認が行われる。
【0059】
水張り処理SUB1では、暖房用注水管68を通して膨張タンク64に注水した後、低温用の端末開閉弁721〜724及び高温用の端末開閉弁151,152の全てを開作動させる。次いで、循環ポンプ67を作動させて熱源機20側や熱源機20外の端末放熱器A1〜A6側の全てに水張りを行い、水張り完了後、上記の全ての端末開閉弁721〜724,151,152を閉作動させて再び閉状態にする。
【0060】
ポンプ特性値補正処理SUB2では、上記の全ての端末開閉弁721〜724,151,152を閉状態のまま循環ポンプ67の作動を継続することにより水の流れを熱源機20の暖房回路22内でのみの循環状態にする。すなわち、循環ポンプ67により膨張タンク64からの水が吸い込まれて吐出され、吐出された水が入水管65、熱交換器53、高温用暖房配管70、バイパス管75及び戻り管71を経て上記膨張タンク64に戻されるというような内循環状態にする。なお、上記バイパス管75は熱源機20側に予め組み込まれたものであるため、その配管仕様や所定のポンプ出力に対する流量(バイパス流量)も予め試験等を行うことにより既知のものである。
【0061】
上記の内循環状態で、循環ポンプ67に所定の印加電圧指令値を出力して予め記憶設定されているポンプ特性テーブル(図4の一点鎖線参照)に対応するポンプ仕事量(ポンプ能力)で作動させる。次に、この作動状態において、回転数検出手段による循環ポンプ67の回転数検出値と電流値検出手段による電流検出値とを検出し、これら回転数検出値及び電流検出値により規定されるポンプ仕事量に合致するよう上記ポンプ特性テーブルを補正する。この補正は差分だけオフセットするか、差分を解消し得る比率を乗じることにより行う。この補正処理SUB2は記憶設定されているポンプ特性テーブルが複数のポンプ仕事量に対応した複数のものであれば、その複数のポンプ仕事量に対応して複数回行えばよい。以後、補正後のポンプ特性テーブル(図4の実線参照)を用いる。以上の補正処理SUB2により、循環ポンプ67の製作誤差等に起因するばらつき等が予め補正される。
【0062】
新規選択端末の端末開閉弁開チェック処理SUB3では、図5に示すようにタイマースタート(ステップS11)と、循環ポンプ67の回転数を一定回転数で持続させる一定回転数持続制御(ステップS12)とを行い、新規選択された端末開閉弁(例えば721)に開作動信号を出力して開作動を開始させる(ステップS13)。
【0063】
その開作動された端末開閉弁721が正常であれば、図6に示すように当初は加熱遅れにより全閉からごく僅かずつしか開作動しないものの、加熱が十分になると急激に開度が増大して全開に近づくことになる。その開度の急増大により低温用暖房配管69から循環配管11に循環供給される水の流量も急増大することになる。この結果、循環配管11の配管長や端末放熱器A1の存在に基づく抵抗を新たに受けて圧力センサ7での圧力検出値も急変動したり、あるいは、これらの変動の影響を受ける循環ポンプ67を一定回転数に維持する上で印加電圧値の変更させたり、その印加電圧値の変更に伴い電流値の変動が生じたりすることになる。
【0064】
そこで、電流値、電圧値、圧力値及び流量値のいずれか一つの値(例えば圧力センサ7による圧力検出値)を検出して監視し、その検出値が上記開度の急増大に対応する所定の変動が生じたか否かを上記タイマーによる判定時間が経過するまで判定し(ステップS14,S15)、変動が生じれば正常に開作動していると判定してリモコン240の例えば液晶表示部に対し「開チェックOK」と表示する(ステップS14,S16)。もしも、所定の判定時間(例えば12分間)が経過しても変動が生じなければ、端末開閉弁721の開作動に異常があると判定して上記液晶表示部に対し「熱動弁開エラー」と表示させ(ステップS15,S17)、その端末開閉弁721に念のため閉作動信号を出力した後にステップS2にジャンプさせる。
【0065】
以上の開チェック処理SUB3により、従来技術では開作動させた端末開閉弁が完全に全開状態になって加熱した温水の往き側と戻り側との温度差が安定状態になるのを待ってからでないと正常開作動との判定を行い得なかったのに比べ、全開状態になるまで待たずに正常開作動との判定が行い得る点で開チェックに要する時間の短縮化を図ることができる。特に、端末開閉弁数が複数もしくは多数設置されている場合には、大幅な時間の短縮化を得ることができる。この結果、図6に示す如く今回の端末開閉弁が全開状態になる前の段階で次回の端末開閉弁についての開作動を開始させることができることになる上に、今回の端末開閉弁が全開状態になる直前位から次の処理(例えば圧損チェック処理SUB4)を開始させて行い得ることになる。これにより、試運転に要する全体時間の大幅な時間短縮化が得られることになる。
【0066】
圧損チェック処理SUB4では、図7に示すように、まず、循環ポンプ67(図6では「暖房ポンプ」と表示)の回転数を初期設定回転数(例えば2000rpm)から所定の回転数増分(例えば100rpm)ずつ段階的に増速させていく(ステップS21)。この回転数の増速段階毎に、その時の圧力値Pと流量値Qとの関係(P−Q関係)を順に取得してコントローラ24の記憶手段に記憶保持する(ステップS22)。この際、上記圧力値Pは圧力センサ7から直接検出する一方、上記流量値Qはその時の制御回転数と電流検出値とから演算により求めるなどにより取得すればよい。次に、今回の循環供給対象の端末系統(例えば端末系統1;端末放熱器A1)についての圧損曲線の演算及び演算された圧損曲線の記憶手段への記憶保持を行う(ステップS23)。すなわち、上記ステップS22で取得したPとQとの各値の集合に基づいて両値についての関係式を高次近似式により求め、これを上記端末系統1(A1)についての圧損曲線(圧損特性データ)として記憶手段に記憶する。具体的に示すと上記ステップS22で取得したPとQの両値の組み合わせを図8に示すように圧力P及び機外流量Qの直交座標に順にプロットした場合(同図の黒丸参照)にそれらを順に結ぶ近似曲線により上記圧損曲線が得られることになる。
【0067】
そして、ステップS1で上記端末系統1(A1)が選択された場合、この端末系統1についてSUB3〜5が行われ、ステップS2を経て再度ステップS1に戻った場合に、次回に開作動させて水を循環供給させる端末系統が選択されることになる。ここで、次回のものとして端末系統6(A6)が選択されたとすると、SUB3を経て端末開閉弁721及び152が共に開かれた状態でSUB4の圧損チェック処理が上記と同様に行われることになる。この場合には図9に示すように前回の端末系統1(A1)単独での圧損曲線に加え、2つの端末系統1,6(A1,A6)の合成された圧損曲線が得られ、この2つの端末系統1,6(A1,A6)の組み合わせについての圧損曲線が記憶保持されることになる。このようにして3つの端末系統、4つの端末系統というように複数の端末系統を組み合わせた場合の圧損曲線が順次得られて記憶保持されることになる。
【0068】
その際に、今回得た圧損曲線と、前回得た圧損曲線との対比演算により新たに選択された端末系統の単独の場合の圧損曲線を順次取得して記憶保持していく(ステップS24)。例えば、上記の2つの端末系統1,6(A1,A6)の合成された圧損曲線が得られたら、この合成圧損曲線と前回得た端末系統1(A1)単独の圧損曲線との差分をプロットすることにより、今回新たに選択された端末系統6(A6)単独の場合の圧損曲線(図9に点線で示す曲線)が得られることになる。これにより、全端末系統1〜6(A1〜A6)についてそれぞれ単独で水が循環供給された場合の圧損曲線が得られることになる。また、これと同様の方法により圧損曲線を取得していない任意の2以上の端末系統の組み合わせの場合の圧損曲線も得られることになり、以上の各圧損曲線が記憶手段に記憶保持された状態となる。
【0069】
図10は上記のステップS24の処理により6つの端末系統1〜6(A1〜A6)についてそれぞれ単独使用時での6本の圧損曲線を得た例を示している。同図において実線で示す4本の曲線が端末系統1〜4(A1〜A4)の各単独使用時の圧損曲線であり、点線で示す2本の曲線が端末系統5,6(A5,A6)の各単独使用時の圧損曲線である。
【0070】
新規選択の端末系統の正常運転チェック処理SUB5は、暖房用バーナ54を燃焼作動させて所定温度まで加熱した温水を端末系統に循環供給させてその端末系統の端末放熱器が正常暖房するか否かのチェックを行うものであり、従来より周知の方法が採用される。すなわち、各端末コントローラ241〜246により各端末放熱器A1〜A6が所定温度まで上昇するか否かを検出してコントローラ24に出力したり、あるいは、往き側サーミスタ73と戻り側サーミスタ74との各温度検出値の差に基づいて判定したりすればよい。
【0071】
そして、全端末系統1〜6の全端末開閉弁721〜724,151,152の一斉閉作動開始(ステップS3)の後の端末開閉弁の閉チェック処理SUB6では、図11に示すように、上記閉作動開始からスタートさせたタイマーにより、予め設定した閉作動時間(正常ならば全閉状態になるまでの所要時間)の経過を待った上で(ステップS31)、上記と同様にしてその時の回転数検出値と電流検出値とに基づき演算により取得した現実の循環流量値は既知のバイパス流量値よりも多いか否かの判定を行う(ステップS32)。現実に循環している流量値が上記バイパス流量値であれば、循環している水は全てバイパス管75を通って循環しており全ての端末開閉弁721〜724,151,152は全閉状態となっていると判定してリモコン240の液晶表示部に「閉チェックOK」との表示を行う(ステップS33)。
【0072】
逆に現実に循環している流量値が上記バイパス流量値よりも多ければ、いずれかの端末開閉弁が全閉とはならない異常が発生しているものと判定して、その特定を行う(ステップS34)。すなわち、その時の流量値と圧力センサ7により検出した圧力値との組み合わせに合致する圧損曲線を上記圧損チェック処理SUB4で記憶保持した各種の圧損曲線から割り出す。この割り出した圧損曲線が単独使用時の圧損曲線であればその端末系統の端末開閉弁が全閉とはならずにまだ開いていることが特定され、上記割り出した圧損曲線が2以上の端末系統の組み合わせ使用時の圧損曲線であればその組み合わせに係る2以上の端末系統の各端末開閉弁が全閉とはならずにまだ開いていることが特定されることになる。
【0073】
そして、上記で特定された端末開閉弁及びこれらが閉異常(閉エラー)であることをリモコン240の液晶表示部に表示して作業者に報知する(ステップS35)。
【0074】
最後に、各端末系統1〜6の圧損ばらつきチェック処理SUB7では、図12に示すように、上記圧損チェック処理SUB4で記憶手段に記憶保持された各種の圧損曲線の内から最大圧損曲線Wmaxと、最小圧損曲線Wminとを抽出し(ステップS41)、Wminに対するWmaxの比率(ばらつき度合;Wmax/Wmin)が限度値α(例えばα=1.6)よりも大きいか否かの判定を行う(ステップS42)。ばらつき度合が限度値αよりも小さければ、許容限度内であるとしてリモコン240の液晶表示部に対し「圧損ばらつきチェックOK」と表示する(ステップS43)。
【0075】
一方、上記ばらつき度合が限度値αよりも大きければ、図示を省略しているが上記Wminよりも一つ大きい側の圧損曲線W(min-1)を抽出し、このW(min-1) に対するWmaxのばらつき度合(Wmax/W(min-1))が限度値αよりも大きいか否かの判定を行う。このW(min-1)のばらつき度合も限度値αよりも大きければ、順次、ばらつき度合が限度値αよりも小さくなるまで、より大きい側の圧損曲線W(min-i)の抽出と上記判定とを繰り返す。そして、上記液晶表示部に対し圧損ばらつきが発生していること、上記Wmax及びWminに該当する特定端末系統、ばらつき度合が限度値αよりも大きくなった圧損曲線に対応する全てのNG(No Good)端末系統、及び、それらのNG端末系統で発生しているばらつき度合の数値をそれぞれ表示する(ステップS44)。
【0076】
この場合には、従来は熟練した作業者の勘でしか知り得なかった圧損ばらつきの発生及びどの端末系統に圧損ばらつきが発生しているかを容易かつ確実に作業者に報知することができ、その対策作業を迅速かつ容易に実施することができるようになる。この結果、大きな圧損ばらつきの発生により圧損の最大及び最小の二つの端末系統を通常運転において同時使用した場合に一方の端末系統での暖房が行い得ないといった事態の発生を確実に回避し得ることになる。なお、対策としては例えば各配管に配設されたボールバルブによる調整等が挙げられる。
【0077】
以上の試運転制御が終了すれば、暖房制御手段により通常使用時における暖房運転制御が行われる。この場合、各端末コントローラ241〜246又はリモコン240を用いてユーザーが端末放熱器A1〜A6の内から使用したい1又は2以上の端末放熱器の暖房作動スイッチをON操作することにより制御が開始される。この制御開始により、上記のON操作された端末系統の端末開閉弁の開作動、循環ポンプ67の作動及びバーナ54の燃焼作動が開始されることになる。その際、上記循環ポンプ67の作動制御の基準として記憶手段に記憶された圧損曲線が用いられることになる。すなわち、上記ON操作された端末系統の圧損曲線に基づいてその圧損に対応した循環流量となるように上記循環ポンプ67への印加電圧指令が上記暖房制御手段から出力され、その印加電圧指令に基づく回転数制御が行われることになる。これにより、暖房運転される端末系統が有する圧損特性に合致した流量の温水が循環供給され、確実な暖房運転と共に循環ポンプ67の駆動エネルギーについての省エネルギー化が図られることになる。
【0078】
より具体的な一例を示すと、例えば図10において圧損が5.00×9.8kPaとなる流量値を6つの圧損曲線から割り出し、その流量値をそれぞれ対応する端末系統への循環供給時の循環ポンプ67の作動制御基準とするようにすればよい。
【0079】
<他の実施形態>
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その他種々の実施形態を包含するものである。すなわち、上記実施形態では、循環ポンプ67の吐出側の管路に圧力検出手段としての圧力センサ7を配設して配管内圧力を直接検出し、循環流量値を間接的に得るようにしているが、逆に、流量検出手段としての流量センサを試運転時用として設けて循環流量値を直接検出し、圧力値を間接的に得るようにしてもよい。この場合には、図13に示すように、戻り管71に流量センサ8を設けたり、あるいは、循環ポンプ67の吐出側(往き側)の管路に流量センサ8を設けるようにすればよい。
【0080】
また、上記の圧力センサ7あるいは流量センサ8を試運転時用にのみ設けることを省略して給湯回路21(図1参照)や追い焚き回路23に既設されているセンサを試運転時にのみ有効利用するようにしてもよい。例えば、戻り管71の途中から給湯用入水管37の水量センサ45を通るように迂回するバイパス管を上記戻り管71と給湯用入水管37との間に着脱可能に接続するようにし、上記水量センサ45を圧損特性データの取得時の流量検出手段として有効利用する。上記バイパス管は試運転時にのみ使用し、試運転終了後は取り外すようにすればよい。上記と同様のバイパス管を用いることにより注湯管84の湯量センサ87を圧損特性データの取得時の流量検出手段として有効利用するようにしてもよい。また、追い焚き回路23の浴槽内水位を検出するための圧力センサ89に対し高温用もしくは低温用の暖房配管70もしくは69と連通させる連通管を接続しておき、例えば三方切換弁の切換操作により試運転時には上記暖房配管70,69に連通させてその配管圧力を検出する圧力検出手段として用いるようにし、通常運転時には風呂戻り管85と連通させて浴槽内水位を検出する水位検出センサとして用いるようにしてもよい。
【0081】
あるいは、暖房回路22には試運転時用の圧力検出手段及び流量検出手段のいずれをも配設しないで、コントローラ24に予め記憶設定したポンプ特性テーブルもしくはポンプ特性補正処理SUB2(図3参照)により補正されたポンプ特性テーブルを用いて圧損曲線の取得を行うようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態を適用する複合熱源機を示す全体模式図である。
【図2】 暖房回路部分の熱源機と熱源機外の端末放熱器とを示す模式図である。
【図3】 試運転制御の全体フローチャートである。
【図4】 ポンプ特性テーブルの補正を説明するための圧力−流量関係図である。
【図5】 端末開閉弁の開チェック処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図6】 端末開閉弁の開特性を示す時間−通過流量関係図である。
【図7】 圧損チェック処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図8】 一つの端末系統の単独使用時の圧損曲線の取得方法を説明するための圧力−流量関係図である。
【図9】 単独及び二つの端末系統の各圧損曲線と、これらから未知の端末系統単独使用時の圧損曲線の取得方法を説明するための圧力−流量関係図である。
【図10】 6つの端末系統の各単独使用時の圧損曲線の例を示す圧力(圧損)−流量関係図である。
【図11】 端末開閉弁の閉チェック処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図12】 圧損ばらつきチェック処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図13】 他の実施形態を適用する暖房回路を示す図2相当図である。
【符号の説明】
A1〜A6 端末放熱器
1〜6 端末系統
7 圧力センサ(圧力検出手段)
8 流量センサ(流量検出手段)
11〜15、15a、15b 循環配管
20 熱源機
21 給湯回路
22 暖房回路
23 追い焚き回路(風呂追い焚き回路)
24 コントローラ
45 水量センサ(給湯回路の流量検出手段)
53 暖房用熱交換器(加熱部)
54 暖房用バーナ(加熱部)
67 暖房用循環ポンプ(駆動用モータが直流電動機である循環ポンプ)
73 往き側サーミスタ(往き側温度検出手段)
74 戻り側サーミスタ(戻り側温度検出手段)
84 注湯管(風呂注湯回路)
87 湯量センサ(風呂注湯回路の流量検出手段)
89 圧力センサ(風呂追い焚き回路の圧力検出手段)
151,152 端末開閉弁
240 リモコン(報知手段)
721〜724 端末開閉弁

Claims (8)

  1. 少なくとも加熱部及び循環ポンプが配設された暖房回路を有する熱源機と、この熱源機外に設置されて個別の循環配管により上記暖房回路と接続された少なくとも1の端末放熱器とを備え、上記加熱部により昇温された温水が上記循環ポンプの作動により上記端末放熱器に対し上記循環配管を通して循環供給されるように構成された温水暖房装置について、通常運転を行う前に実行される温水暖房装置の試運転制御方法において、
    熱源機として、給湯回路及び風呂注湯回路の一方もしくは双方が付設されたものを用い、
    上記循環ポンプとして流量可変型のポンプを用いて上記温水暖房装置を設置した後、上記熱源機及び循環配管に水張りした状態で、試運転制御を行うコントローラにより上記循環ポンプの作動を上記循環配管に対する循環流量が徐々に変化するように制御し、その際、順次変更される循環流量に対する上記循環配管の配管抵抗に関するパラメータを逐次検出していき上記コントローラに上記循環配管の圧損特性データとして記憶保持するようにし、
    上記配管抵抗についてのパラメータとして、順次変更される各循環流量値と、その各循環流量値の循環流量に対する循環配管内の配管圧力値とを逐次取得し、その循環流量値と配管圧力値との関係を圧損特性データとして記憶保持するようにし、
    上記循環流量値を、上記給湯回路及び風呂注湯回路の一方が有する流量検出手段を試運転時にのみ一時的に用いて検出するようにす
    ことを特徴とする温水暖房装置の試運転制御方法。
  2. 少なくとも加熱部及び循環ポンプが配設された暖房回路を有する熱源機と、この熱源機外に設置されて個別の循環配管により上記暖房回路と接続された少なくとも1の端末放熱器とを備え、上記加熱部により昇温された温水が上記循環ポンプの作動により上記端末放熱器に対し上記循環配管を通して循環供給されるように構成された温水暖房装置について、通常運転を行う前に実行される温水暖房装置の試運転制御方法において、
    熱源機として、風呂追い焚き回路が付設されたものを用い、
    上記循環ポンプとして流量可変型のポンプを用いて上記温水暖房装置を設置した後、
    上記熱源機及び循環配管に水張りした状態で、試運転制御を行うコントローラにより上記循環ポンプの作動を上記循環配管に対する循環流量が徐々に変化するように制御し、その際、順次変更される循環流量に対する上記循環配管の配管抵抗に関するパラメータを逐次検出していき上記コントローラに上記循環配管の圧損特性データとして記憶保持するようにし、
    上記配管抵抗についてのパラメータとして、順次変更される各循環流量値と、その各循環流量値の循環流量に対する循環配管内の配管圧力値とを逐次取得し、その循環流量値と配管圧力値との関係を圧損特性データとして記憶保持するようにし、
    上記配管圧力値を、上記風呂追い焚き回路が有する圧力検出手段を試運転時にのみ一時的に用いて検出するようにす
    ことを特徴とする温水暖房装置の試運転制御方法。
  3. 少なくとも加熱部及び循環ポンプが配設された暖房回路を有する熱源機と、この熱源機外に設置されて個別の循環配管により上記暖房回路と接続された少なくとも1の端末放熱器とを備え、上記加熱部により昇温された温水が上記循環ポンプの作動により上記端末放熱器に対し上記循環配管を通して循環供給されるように構成された温水暖房装置について、通常運転を行う前に実行される温水暖房装置の試運転制御方法において、
    上記循環ポンプとして流量可変型のポンプを用いて上記温水暖房装置を設置した後、上記熱源機及び循環配管に水張りした状態で、試運転制御を行うコントローラにより上記循 環ポンプの作動を上記循環配管に対する循環流量が徐々に変化するように制御し、その際、順次変更される循環流量に対する上記循環配管の配管抵抗に関するパラメータを逐次検出していき上記コントローラに上記循環配管の圧損特性データとして記憶保持するようにし、
    上記配管抵抗についてのパラメータとして、順次変更される各循環流量値と、その各循環流量値の循環流量に対する循環配管内の配管圧力値とを逐次取得し、その循環流量値と配管圧力値との関係を圧損特性データとして記憶保持するようにし、
    上記循環ポンプの駆動用モータとして直流電動機を用い、この直流電動機の回転数を検出する回転数検出手段と、上記直流電動機に流れる電流値を検出する電流値検出手段とを設ける一方、上記循環ポンプのポンプ仕事量と、その循環ポンプのポンプ流量及び吐出圧力により規定されるポンプ特性との関係を定めたポンプ特性テーブルを上記コントローラに予め記憶設定しておき、上記回転数検出手段による回転数検出値と、上記電流値検出手段による電流検出値とから上記循環ポンプのポンプ仕事量を演算し、この仕事量演算値に基づき上記ポンプ特性テーブルから循環流量値と配管圧力値との関係を取得するようにし、
    試運転制御の開始に先立ち記憶設定されているポンプ特性テーブルの補正処理を行うようにし、上記ポンプ特性テーブルの補正処理として、全端末放熱器への循環配管を閉止状態にすることにより熱源機内の暖房回路での温水循環のみの状態にした後に循環ポンプを作動させ、回転数検出手段による回転数検出値と電流値検出手段による電流検出値とを取得し、これら回転数検出値及び電流検出値により規定されるポンプ仕事量に合致するよう上記ポンプ特性テーブルを補正するようにす
    ことを特徴とする温水暖房装置の試運転制御方法。
  4. 少なくとも加熱部及び循環ポンプが配設された暖房回路を有する熱源機と、この熱源機外に設置されて個別の循環配管により上記暖房回路と接続された少なくとも1の端末放熱器とを備え、上記加熱部により昇温された温水が上記循環ポンプの作動により上記端末放熱器に対し上記循環配管を通して循環供給されるように構成された温水暖房装置について、通常運転を行う前に実行される温水暖房装置の試運転制御方法において、
    端末放熱器と、この各端末放熱器に温水を個別に循環させる循環配管と、この循環配管に対し介装されて上記端末放熱器に対し温水の供給を開閉切換する端末開閉弁との組み合わせからなる端末系統を2以上備えた温水暖房装置について、
    上記循環ポンプとして流量可変型のポンプを用いて上記温水暖房装置を設置した後、上記熱源機及び循環配管に水張りした状態で、試運転制御を行うコントローラにより上記循環ポンプの作動を上記循環配管に対する循環流量が徐々に変化するように制御し、その際、順次変更される循環流量に対する上記循環配管の配管抵抗に関するパラメータを逐次検出していき上記コントローラに上記循環配管の圧損特性データとして記憶保持するようにし、その際に、
    ず、任意の1の端末系統の端末開閉弁を開いてその端末系統に対し温水を循環させこの場合の圧損特性データを記憶保持し、
    以後、前回までの端末開閉弁を開いたままで任意の新たな端末開閉弁を開いて温水を循環させる端末系統数を増加させその場合の圧損特性データを記憶保持する処理を、全数の端末系統に対し温水を同時に循環させた場合の圧損特性データの記憶保持が完了するまで順次繰り返すようにす
    ことを特徴とする温水暖房装置の試運転制御方法。
  5. 請求項記載の温水暖房装置の試運転制御方法であって、
    今回記憶保持した圧損特性データと、前回記憶保持した圧損特性データとを対比して演算することにより今回増加された端末系統についての圧損特性データを順次取得し、コントローラに記憶保持するようにする、温水暖房装置の試運転制御方法。
  6. 請求項記載の温水暖房装置の試運転制御方法であって、
    任意の1の端末系統及び任意の2以上の端末系統についての種々の圧損特性データの相互対比に基づき、任意の2以上の端末系統の組み合わせについての圧損特性データを演算により取得し、コントローラに記憶保持するようにする、温水暖房装置の試運転制御方法。
  7. 請求項記載の温水暖房装置の試運転制御方法であって、
    全端末系統についての圧損特性データの記憶保持を完了した後、その全端末系統の全端末開閉弁を一斉に閉作動し、
    上記閉作動開始から設定時間経過後、循環流量の流量検出値が熱源機内の暖房回路の循環流量値よりも大きいとき、その流量検出値と既に記憶保持されている種々の圧損特性データとの対比により非閉状態の端末系統の割り出しを行うようにする、温水暖房装置の試運転制御方法。
  8. 請求項記載の温水暖房装置の試運転制御方法であって、
    コントローラに対し報知手段を接続し、
    全端末系統についての個別の圧損特性データの内からばらつきを有する圧損特性データを抽出し、
    その抽出した圧損特性データに対応する端末系統を上記報知手段により報知するようにする、温水暖房装置の試運転制御方法。
JP2000135139A 2000-05-08 2000-05-08 温水暖房装置の試運転制御方法 Expired - Fee Related JP3773752B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000135139A JP3773752B2 (ja) 2000-05-08 2000-05-08 温水暖房装置の試運転制御方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000135139A JP3773752B2 (ja) 2000-05-08 2000-05-08 温水暖房装置の試運転制御方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2001317748A JP2001317748A (ja) 2001-11-16
JP3773752B2 true JP3773752B2 (ja) 2006-05-10

Family

ID=18643280

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000135139A Expired - Fee Related JP3773752B2 (ja) 2000-05-08 2000-05-08 温水暖房装置の試運転制御方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3773752B2 (ja)

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5216939B2 (ja) * 2010-10-21 2013-06-19 キョントン ワン コーポレーション 循環ポンプの動作を介して温水の温度を制御する方法
JP2012145241A (ja) * 2011-01-07 2012-08-02 Osaka Gas Co Ltd 熱供給システム及びその運転方法
DE102013005166A1 (de) * 2013-01-18 2014-07-24 Vaillant Gmbh Verfahren zum Messen von Volumenströmen
JP2014163594A (ja) 2013-02-26 2014-09-08 Mitsubishi Electric Corp 流量制御装置及び流体回路システム
JP2014219147A (ja) * 2013-05-08 2014-11-20 株式会社アピステ 温調装置
CN109489892B (zh) * 2018-11-01 2021-04-23 北京京航计算通讯研究所 用于工业管道数据采集的实验测试装置的制备方法
CN114659294B (zh) * 2022-04-11 2023-03-28 青岛海信日立空调***有限公司 一种空气源热泵

Also Published As

Publication number Publication date
JP2001317748A (ja) 2001-11-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US9228759B2 (en) Circulating-type hot-water supply device
KR20190077725A (ko) 보일러 환수온도를 이용한 각방제어 시스템의 난방온도 제어장치 및 그 방법
JP3774615B2 (ja) 温水暖房装置の試運転制御方法
CN112189118A (zh) 供暖和热水兼用锅炉及其控制方法
JP3773752B2 (ja) 温水暖房装置の試運転制御方法
KR101514896B1 (ko) 히트펌프 난방시스템
JP5505129B2 (ja) 給湯システム
JP3171979B2 (ja) 循環保温式給湯装置
JP6237988B2 (ja) 貯湯給湯装置
CN219103314U (zh) 热水器***
JP7127516B2 (ja) 給湯装置
JP3676062B2 (ja) 温水暖房装置
JP4082331B2 (ja) ヒートポンプ式給湯装置及びヒートポンプ式給湯装置の運転条件設定方法
JP5063575B2 (ja) 温水暖房システム
JP3767012B2 (ja) 給湯装置
JP2001124357A (ja) 即湯機能付き給湯器及び即湯機能付き給湯器の異常検出方法
JP2022107870A (ja) ボイラ装置
JP3632199B2 (ja) 浴槽の水位検出方法及びその装置並びに循環流量制御装置及び風呂給湯装置の制御装置
JP2002031406A (ja) 1缶2回路式給湯装置
KR930010392B1 (ko) 급탕기의 유량제어방법
JP2002039550A (ja) 暖房装置及びその調整方法
JP2022085059A (ja) ボイラ装置
JP2023180482A (ja) 貯湯式給湯システム
JP2004232947A (ja) ヒートポンプ式温水暖房装置
CN115371113A (zh) 换热***及其控制方法、控制器

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20051021

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20051031

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20051220

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20060210

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20060215

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100224

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100224

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110224

Year of fee payment: 5

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees