JP3773716B2 - グラフィカルユーザインターフェース表示装置及びその装置での処理をコンピュータにて行なわせるためのプログラムを格納した記録媒体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、グラフィカルユーザインターフェース表示装置に係り、特に、大型ディスプレイのスクリーン上に表示された複数の画像を任意に拡大/縮小して閲覧する操作に便利なグラフィカルユーザインターフェースの表示を制御するグラフィカルユーザインターフェース表示装置に関する。また、本発明は、そのようなグラフィカルユーザインターフェース表示装置での処理をコンピュータに行なわせるためのプログラムを格納した記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、コンピュータを利用してインターネットを介して提供される種々の情報をディスプレイのスクリーン上で閲覧するシステムが個人ユース,家庭ユースの機器として広まっている。このようなシステムにおいて画面を操作するインターフェースとしては、画面上に表示されたアイコン,ボタン,ラベル,ウインドウ等のグラフィカルな要素をマウス等のポインティングデバイスで操作するグラフィカルユーザインターフェース(以下、GUIという。)を利用するのが都合が良い。
【0003】
この画面上に表示されるアイコン,ボタン,ラベル,ウインドウ等のグラフィカルな要素(以下、GUI部品という。)は、表示画面に重ねて表示されるか、又は表示画面の端の方に表示される。なお、GUI部品はユーザの指示によってその表示位置を変更したり、表示/非表示を切り替えたりできるようになっていることが多い。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記のような家庭用情報機器として用いられるコンピュータでは、対角50インチ前後のプラズマディスプレイ等の大型スクリーン上に情報を表示して家族で画像データの検索や閲覧を行なうものが出現してきた。
図1は、このような大型画面上に表示されるGUIの一例の構成図を示す。図1(A)は、GUI部品を表示する前の画面であって、画面10上には例えば地図や新聞紙面のような閲覧中の情報が画像データとして表示されている。ユーザの指示入力によりGUI部品が表示されると図1(B)又は図1(C)のような画面となる。図1(B)は、GUI部品14を表示画面10の端の方に表示した例である。また、図1(C)はGUI部品16を表示画面10に重ねて表示した例である。なお、画面上に表示されている矢印12はマウス等のポインティングデバイスのポイント位置を示すポインタである。
【0005】
ここで、上記の画像データ11が本発明者等が先に発明して特許出願した特願平10−273822号明細書に記載のハイパーテキスト構造を持つ電子文章である場合、これを3次元空間内の画像として表示すると共にズーム機能を利用して拡大/縮小しつつリンク先データを持つ部分については所定の拡大率となった時からリンク先の情報11−1や11−2が重ねて表示されるようになっている。
【0006】
しかしながら、このような大画面操作を通常のGUI部品で行なおうとすると、図1(B)に示すように表示画面10の端の方にGUI部品14を表示する場合、そのGUI部品14を操作するためにポインタ12を画面の端の方に移動させる必要がある。例えば、表示画面10のうちGUI部品14から離れた部分を見ながらGUI部品14を操作する場合、ユーザは表示画面10上で繰り返し視点を大きく移動させなければならない。
【0007】
また、GUI部品14の操作と表示画面10上の所定位置をポインタ12を利用して指定する操作とを繰り返す場合、ユーザはポインタ12を表示画面10上で繰り返し大きく移動させなければならない。さらに、表示画面10上の一部がGUI部品14を表示するために利用され、表示画面10上の作業領域が減少するという問題がある。
【0008】
一方、図1(C)に示すように表示画面10に重ねてGUI部品16を表示する場合、そのGUI部品16は表示画面10の一部分を覆い隠していることになる。したがって、ユーザはGUI部品16によって覆い隠されている部分を見ることができず、その部分をみる場合にはGUI部品16の表示位置を移動するか、又はGUI部品16を非表示とする必要があった。
【0009】
また、GUI部品16の操作が行われた直後にGUI部品16を非表示とすることも考えられるが、GUI部品16を使用する度毎にGUI部品16の表示が必要となる。したがって、継続的な操作を行なうときに不便であった。
本発明は、上記の点に鑑みてなされたもので、本発明の第一の課題は、操作性が良く、画面上の他の作業の邪魔とならないグラフィカルユーザインターフェースを表示するグラフィカルユーザインターフェース表示装置を提供することである。
【0010】
また、本発明の第二の課題は、そのようなグラフィカルユーザインターフェース表示装置での処理をコンピュータに行なわせるためのプログラムを格納した記録媒体を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
そこで、上記第一の課題を解決するため、本発明は、請求項1に記載されるように、コンピュータ装置での処理に対応するグラフィカルユーザインターフェースを画面上に表示させるグラフィカルユーザインターフェース表示装置において、前記グラフィカルユーザインターフェースの表示命令の入力を判定する表示命令判定手段と、画面上に表示されているポインタの位置を検出する検出手段と、前記検出手段にて検出された前記ポインタの画面上の位置に基づいて前記グラフィカルユーザインターフェースの透明度を決定する決定手段と、前記ポインタの画面上の位置に、前記グラフィカルユーザインターフェースを前記決定手段にて決定された前記透明度に調整して表示する処理手段とを備えるように構成される。
【0020】
このようなグラフィカルユーザインターフェース表示装置では、ポインタの画面上の位置に従って表示するグラフィカルユーザインターフェースの透明度を調整する。
このようなグラフィカルユーザインターフェース表示装置では、ユーザからのグラフィカルユーザインターフェースの表示命令が入力されると、グラフィカルユーザインターフェースを画面上に表示するための処理を開始する。まず、ポインタの画面上の位置を検出してグラフィカルユーザインターフェースを表示するのに適した位置を検出する。
【0021】
そして、ポインタの画面上の位置に従って表示するグラフィカルユーザインターフェースの透明度を調整し、検出した画面上の位置に透明度を調整したグラフィカルユーザインターフェースを表示する。
このように、グラフィカルユーザインターフェースの透明度を調整して表示することにより、グラフィカルユーザインターフェースによって元の表示画面が覆い隠されることがなく、ユーザは表示画面全体を確認しながら作業を行なうことができる。
【0022】
ポインタの画面上の位置に従って表示するグラフィカルユーザインターフェースの大きさを調整するという観点から、本発明は、請求項2に記載されるように、前記グラフィカルユーザインターフェース表示装置において、前記決定手段は、前記検出手段にて検出された前記ポインタの画面上の位置に基づいて前記グラフィカルユーザインターフェースの大きさを決定し、前記処理手段は、前記ポインタの画面上の位置に、前記グラフィカルユーザインターフェースを前記決定手段にて決定された前記大きさに調整して表示することができる。
【0023】
このようなグラフィカルユーザインターフェース表示装置によれば、ポインタの画面上の位置に従って表示するグラフィカルユーザインターフェースの大きさを調整し、検出した画面上の位置に大きさを調整したグラフィカルユーザインターフェースを表示する。その結果、表示位置が画面の中心に近づくほど、グラフィカルユーザインターフェースの大きさを小さく調整し、表示位置が画面の端の方に近づくほど、グラフィカルユーザインターフェースの大きさを大きく調整することができる。
【0024】
ポインタの画面上の位置に従って表示するグラフィカルユーザインターフェースの透明度及び大きさを調整するという観点から、本発明は、請求項3に記載されるように、前記グラフィカルユーザインターフェース表示装置において、前記決定手段は、前記検出手段にて検出された前記ポインタの画面上の位置に基づいて前記グラフィカルユーザインターフェースの透明度及び大きさを決定し、前記処理手段は、前記ポインタの画面上の位置に、前記グラフィカルユーザインターフェースを前記決定手段にて決定された前記透明度及び大きさに調整して表示することを特徴とする。
【0025】
このようなグラフィカルユーザインターフェース表示装置によれば、ポインタの画面上の位置に従って表示するグラフィカルユーザインターフェースの透明度及び大きさを調整し、検出した画面上の位置に透明度及び大きさを調整したグラフィカルユーザインターフェースを表示することができる。
【0028】
また、本発明は、請求項4に記載されるように、コンピュータ装置での処理に対応するグラフィカルユーザインターフェースを画面上に表示させるグラフィカルユーザインターフェース表示装置での処理を当該コンピュータ装置に行なわせるためのプログラムを格納した記録媒体において、前記グラフィカルユーザインターフェースの表示命令の入力を判定する表示命令判定手順と、画面上に表示されているポインタの位置を検出する検出手順と、前記検出手順にて検出された前記ポインタの画面上の位置に基づいて前記グラフィカルユーザインターフェースの透明度を決定する決定手順と、前記ポインタの画面上の位置に、前記グラフィカルユーザインターフェースを前記決定手順にて決定された前記透明度に調整して表示する処理手順とを備えたプログラムを格納するように構成される。
【0030】
なお、このプログラムを格納する記録媒体は、CD−ROM、フロッピーディスク、光磁気ディスク(MO)等の様に情報を磁気的に記録する磁気記録媒体、ROM、フラッシュメモリ等の様に情報を電気的に記録する半導体メモリ等、様々のタイプの記録媒体を用いることができる。
【0032】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態について図面に基づいて説明する。
図2は、本発明のグラフィカルユーザインターフェース(GUI)表示装置を実現するコンピュータ装置の一例の概略図を示す。図2のコンピュータ装置1は、マウス等のポインティングデバイス22と、表示装置30と、コンピュータ本体40とを含む構成である。なお、表示装置30の画面上にはポインティングデバイス22の操作に従って移動するポインタ(指示マーク)52が表示されている。
【0033】
このコンピュータが実際に家庭用情報閲覧機器として用いられる場合、表示装置30はコンピュータ本体30とはセパレートされた、例えば50インチサイズの大画面プラズマディスプレイから成り、TV表示と兼用されることがある。また、GUIを操作するポインティングデバイス22は表示装置から離れた操作を可能とするようケーブル接続以外に無線或いは赤外線による信号送信機能を持つ場合がある。
【0034】
図3は、本発明の実施の一形態に係るGUI表示装置を実現するコンピュータ装置のハードウエアの構成図を示す。なお、GUIは、画面上に表示された、コンピュータ装置に対する処理の実行指令( コマンド) や機能を表す小さな図形(GUIマーク)( 以下、GUI部品という。) を使うことによって、直観的にそれらの意味や機能を理解できるようにしたヒューマン・インタフェースのことである。また、GUI表示装置は、ユーザの要求等に応じて表示装置30の画面上にGUI部品を表示するための処理を行なう。
【0035】
図3において、コンピュータ装置1は、それぞれバスBで相互に接続されている入力装置20と,表示装置30と,ドライブ装置42と,記録媒体44と,補助記憶装置46と、メモリ装置48と、演算制御装置50とを含むように構成される。
また、表示すべき画像データはインターネット上から取り込まれたり、独自に生成されて補助記憶装置46に一旦記載され、例えばハイパーテキスト構造の電子文書として表示装置30に3次元表示される形態となっており、この表示画像をズーミングするためのズーミング装置60および表示された電子文書の各部に埋め込まれたリンク先情報を検索して重ねた表示を提示するリンク先情報検索重畳装置70が含まれている。
【0036】
入力装置20は、コンピュータ装置1のユーザが操作するキーボード及びマウス等のポインティングデバイスで構成され、コンピュータ装置1に各種操作信号を入力するために用いられる。また、表示装置30の画面上に表示されているポインタ52は、入力装置20に含まれるポインティングデバイスの操作に従って画面上を移動する。表示装置30は、上記のようなユーザに提示する画像データの他にコンピュータ装置1を操作するのに必要な各種ウィンドウ,データ,GUI部品,又はポインタ52等を表示する。
【0037】
GUI表示装置に関するプログラムは、例えば、CD−ROM等の記録媒体44によって提供される。GUI表示装置に関するプログラムを格納した記録媒体44は、ドライブ装置42にセットされ、プログラムが記録媒体44からドライブ装置42を介して補助記憶装置46にインストールされる。
補助記憶装置46は、インストールされたGUI表示装置に関するプログラムを格納すると共に必要なファイル及びデータ等を格納する。メモリ装置48は、コンピュータ装置1の起動時又はGUI表示装置使用時に補助記憶装置46からGUI表示装置に関するプログラムを読出し、記録する。演算制御装置50は、メモリ装置48に記録されたGUI表示装置に関するプログラムに従って、GUI表示装置に係る処理を実行する。
【0038】
上記GUI表示装置に係るプログラムは、例えば、補助記憶装置46にインストールされたGUI表示装置に関するプログラムがメモリ装置48に読出され、演算制御装置50により図4〜図17に示す手順に従って実行される。
図4は、本発明の実施の一形態に係るGUI表示装置を実現するコンピュータ装置の処理手順の第1実施例のフローチャートを示す。
【0039】
図4において、例えばポインティングデバイスであるマウスの右ボタン等を利用してGUI部品を表示するよう指示されると(S100においてYES)、演算制御装置50は一連のGUI部品を表示するための処理を開始する(S100)。
GUI部品を表示するための処理が開始された後、演算制御装置50は表示装置30の画面上に表示されているポインタ52の位置を検出し、その位置をメモリ装置48に格納する(S110)。
【0040】
続いて、演算制御装置50は、メモリ装置48又は補助記憶装置46等に格納されている設定テーブルから表示すべきGUI部品の透明度を読み出す(S120)。なお、設定テーブルは、ユーザ等によりGUI部品の透明度が予め設定されているものとする。
次に、演算制御装置50は、メモリ装置48から読み出したポインタ52の位置の付近に、設定されている透明度に調整したGUI部品を表示する(S130)。例えば、透明度が調整されたGUI部品は、表示装置30の画面上に図5に示すように表示される。図5は、表示装置に表示されるGUI部品の一例の図を示す。
【0041】
図5において、透明度が調整されたGUI部品54は、ポインタ52の付近に表示されることになり、図6に示すようにGUI部品54を操作するときポインタ52を移動させる距離が短くなる。また、GUI部品54は透明度が調整されることにより半透明となり、GUI部品54に覆い隠されている部分を視認することが可能となる。したがって、ユーザはGUI部品54が表示された状態でも画面全体を把握しながら操作を続けることができる。
【0042】
図7は、本発明の実施の一形態に係るGUI表示装置を実現するコンピュータ装置の処理手順の第2実施例のフローチャートを示す。
図7において、演算制御装置50はGUI部品54を画面上に表示した後、タイマを初期化する(S200)。なお、タイマはコンピュータ装置1の基準クロックを利用してもよいし、図3のハードウエア構成にタイマを追加して利用してもよい。
【0043】
マウス等のポインティングデバイスによりGUI部品54に対する入力がないと判定すると(S210においてNO)、演算制御装置50はタイマを確認して時間T1が経過しているか否かを判定する(S230)。時間T1が経過していると判定すると(S230においてYES)、演算制御装置50は、そのタイマが示す経過時間に従ってGUI部品54の透明度を調整する(S240)。
【0044】
次に、マウス等のポインティングデバイスによりGUI部品54に対する入力がないと判定すると(S250においてNO)、演算制御装置50はタイマを確認して時間T2が経過しているか否かを判定する(S260)。時間T2が経過していると判定すると(S260においてYES)、演算制御装置50は、GUI部品54を非表示に切り替える(S270)。
【0045】
なお、マウス等のポインティングデバイスによりGUI部品54に対する入力があったと判定すると(S210,S250においてYES)、演算制御装置50はタイマを初期化する(S200)。また、演算制御装置50はタイマを確認して時間T1が経過していないと判定すると(S230においてNO)、マウス等のポインティングデバイスによりGUI部品54に対する入力あるか否かを判定する(S210)。更に、演算制御装置50はタイマを確認して時間T2が経過していないと判定すると(S260においてNO)、そのタイマが示す経過時間に従ってGUI部品54の透明度を調整する(S240)。
【0046】
例えば、マウス等のポインティングデバイスによりGUI部品54に対する入力が連続してない状態が続けば、図8に示すようにGUI部品54の透明度を段階的に上げていき、最終的にGUI部品54を非表示とすることができる。図8は、図7の手順によるGUI部品の透明度の変化を説明する図を示す。
図8において、GUI部品は図8(A)から図8(C)に向かって透明度が段階的に上昇している。なお、透明度の変化の割合,時間T1,及び時間T2は、ユーザが適宜設定できるものとする。
【0047】
図9は、本発明の実施の一形態に係るGUI表示装置を実現するコンピュータ装置の処理手順の第3実施例のフローチャートを示す。
図9において、演算制御装置50はGUI部品54が表示装置30の画面上に表示されているか否かを判定する(S300)。GUI部品54が画面上に表示されていると判定すると(S300においてYES)、演算制御装置50はポインタ52の表示位置が変更されているか否かを判定する(S310)。
【0048】
ポインタ52の表示位置が変更されていると判定すると(S310においてYES)、演算制御装置50はGUI部品54の位置とポインタ52の位置との距離を算出する(S320)。そして、演算制御装置50は、算出した距離に従ってGUI部品54の透明度を再調整し、図10に示すように表示装置30の画面上に表示する。
【0049】
図10は、図9の手順によるGUI部品の透明度の変化を説明する図を示す。例えば、図10(A)に示すように、GUI部品54の位置とポインタ52の位置とが近い場合、ユーザはGUI部品54を操作する可能性が高いと考えられるため、GUI部品54の透明度を下げてGUI部品54を目立たせる。
また、図10(C)に示すように、GUI部品54の位置とポインタ52の位置とが遠い場合、ユーザはGUI部品54を操作する可能性が低いと考えられるため、GUI部品54の透明度を上げてGUI部品54を目立たなくする。
【0050】
したがって、ユーザがGUI部品54を操作せずに他の操作を行なっている可能性が高い場合にGUI部品54の透明度を上げて見立たなくし、画面全体を見やすくすることができる。
なお、図9において、GUI部品54が画面上に表示されていないと判定すると(S300においてNO)、演算制御装置50は処理を終了する。また、ポインタ52の表示位置が変更されていないと判定すると(S310においてNO)、演算制御装置50はGUI部品54が表示装置30の画面上に表示されているか否かを判定する処理を繰り返す。
【0051】
図11は、本発明の実施の一形態に係るGUI表示装置を実現するコンピュータ装置の処理手順の第4実施例のフローチャートを示す。
図11において、例えばポインティングディバイスであるマウスの右ボタン等を利用してGUI部品を表示するよう指示されると(S400においてYES)、演算制御装置50は一連のGUI部品を表示するための処理を開始する(S400)。
【0052】
GUI部品を表示するための処理が開始された後、演算制御装置50は表示装置30の画面上に表示されているポインタ52の位置を検出し、その位置をメモリ装置48に格納する(S410)。
次に、演算制御装置50は、メモリ装置48から読み出したポインタ52の位置に従ってGUI部品54の透明度を決定する(S420)。例えば、ポインタ52の位置が画面上の中心付近であればGUI部品54の透明度を高く決定し、ポインタ52の位置が画面上の端の方であればGUI部品54の透明度を低く決定する。
【0053】
そして、演算制御装置50は、ステップ(S420)で決定された透明度に従ってGUI部品54の透明度を調整し、図12に示すように表示装置30の画面上にGUI部品54を表示する(S430)。図12は、図11の手順によるGUI部品の透明度の変化を説明する図を示す。
例えば、図12(A)に示すように、GUI部品54の位置が画面上の中心付近である場合、GUI部品54の透明度を上げてGUI部品54を目立たなくすることができる。また、図12(B)に示すように、GUI部品54の位置が画面上の端の方である場合、GUI部品54の透明度を下げてGUI部品54を目立たせることができる。
【0054】
したがって、GUI部品54の表示位置に応じてGUI部品54の透明度を調整することにより、画面全体の見やすさ及びGUI部品54の操作性の向上を実現することができる。
図13は、本発明の実施の一形態に係るGUI表示装置を実現するコンピュータ装置の処理手順の第5実施例のフローチャートを示す。なお、図13のフローチャートは一部を除いて図11のフローチャートと同様であり、同一部分には同一の符号を付して説明を省略する。
【0055】
演算制御装置50は、ステップ(S410)で格納されたポインタ52の位置をメモリ装置48から読み出し、そのポインタ52の位置に従ってGUI部品54の大きさを決定する(S520)。例えば、ポインタ52の位置が画面上の中心付近であればGUI部品54の大きさを小さく決定し、ポインタ52の位置が画面上の端の方であればGUI部品54の大きさを大きく決定する。
【0056】
そして、演算制御装置50は、ステップ(S520)で決定された大きさに従ってGUI部品54の大きさを調整し、図14に示すように表示装置30の画面上にGUI部品54を表示する(S530)。図14は、図13の手順によるGUI部品の大きさの変化を説明する図を示す。
例えば、図14(A)に示すように、GUI部品54の位置が画面上の中心付近である場合、GUI部品54の大きさを小さくしてGUI部品54を目立たなくすることができる。また、図14(B)に示すように、GUI部品54の位置が画面上の端の方である場合、GUI部品54の大きさを大きくしてGUI部品54を目立たせることができる。
【0057】
したがって、GUI部品54の表示位置に応じてGUI部品54の大きさを調整することにより、画面全体の見やすさ及びGUI部品54の操作性の向上を実現することができる。
なお、図11及び図13のように、GUI部品54の表示位置に応じてGUI部品54の透明度又は大きさを調整する処理は、図7のフローチャートに応用することができる。例えば、時間T1及びT2の大きさをGUI部品54の表示位置に応じて変更することにより、画面上の中心付近に表示されたGUI部品54ほど短い時間で非表示にすることができる。
【0058】
図15は、コンピュータ装置の処理によるポインタの移動を説明する図を示す。例えば、コンピュータ装置が行なう処理によっては、ポインティングデバイスの操作によらずポインタ52の位置が自動的に移動してしまう場合がある。
図15はズーム操作をするときの表示画面を示している。すなわち、先に引用した本発明者等の発明に係る特願平10−273822号に記載のように、ハイパーテキスト構造を持つ電子文書(例えば新聞記事)11を3次元の仮想空間内に配置した形で図のように表示し、ズーミング機能による拡大操作によってリンク構造を持つ部分のリンク先情報が所定の拡大率を契機として11−1や11−2のような別画面として表示されるようになる。
【0059】
別画面として出願した画像データ部分を画像の中央エリアに移動して更に拡大して行くと元の画像データは次第にうすれて消えてゆく。図15(A)の画面においてGUIの部品の拡大マークを示指することによりその中心部分に注目している画像11の中心を順次ズームインしたものが図15(B)及び図15(C)である。このとき、ポインタ52は図15(A)においてGUI部品54上に位置しているが、ズーム操作により図15(B)に示すようにポインタ52の位置が移動している。したがって、図15(B)の表示画面を更にズーム操作する場合、移動してしまったポインタ52を再度GUI部品54上に移動させる必要があった。
【0060】
そこで、図16に示すフローチャートにより上記問題を解決する。図16は、本発明の実施の一形態に係るGUI表示装置を実現するコンピュータ装置の処理手順の第6実施例のフローチャートを示す。
図16において、演算制御装置50はGUI部品54が表示装置30の画面上に表示されているか否かを判定する(S600)。GUI部品54が画面上に表示されていると判定すると(S600においてYES)、演算制御装置50はポインタ52の表示位置がコンピュータ装置の処理に基づいて変更されたか否かを判定する(S610)。
【0061】
ポインタ52の表示位置が変更されていると判定すると(S610においてYES)、演算制御装置50はポインタ52の変更された表示位置に従ってGUI部品54の表示位置を決定する(S620)。そして、演算制御装置50は、図17に示すように、決定した表示位置にGUI部品54を移動させる(S630)。
【0062】
図17は、図16の手順によるGUI部品の表示位置の移動を説明する図を示す。図17は図15と同様にズーム操作をするときの表示画面を示しており、図17(A)の画面の中心へ順次ズームインしたものが図17(B)及び図17(C)である。
このとき、ポインタ52は図17(A)においてGUI部品54上に位置しており、ズーム操作後においても図17(B)に示すようにポインタ52の位置がGUI部品54に対して移動していない。したがって、図17(B)の表示画面を更にズーム操作する場合、ポインタ52を移動することなくズーム操作の連続処理が可能である。
【0063】
なお、図16において、GUI部品54が画面上に表示されていないと判定すると(S600においてNO)、演算制御装置50は処理を終了する。また、ポインタ52の表示位置がコンピュータ装置の処理に基づいて変更されていないと判定すると(S610においてNO)、演算制御装置50はGUI部品54が表示装置30の画面上に表示されているか否かを判定する処理を繰り返す。
【0064】
以上、本発明は第1〜第6実施例を組み合わせることにより更なる効果を得ることができる。例えば、第4実施例と第6実施例とを組み合わせればポインタ62の移動に追従してGUI部品を移動させることができ、移動先の表示位置に応じてGUI部品64の透明度,大きさを調整することが可能となる。
なお、上記例において、例えば表示命令判定手段はステップ(S100)での処理に対応し、検出手段はステップ(S110)での処理に対応し、設定テーブルはステップ(S120)での処理に対応し、処理手段はステップ(S130)での処理に対応し、透明度変更手段はステップ(S240)での処理に対応し、第2の調整手段はステップ(S330)での処理に対応し、位置変更手段はステップ(S620)での処理に対応する。
【0065】
【発明の効果】
上述の如く、請求項1乃至3記載の本発明によれば、グラフィカルユーザインターフェースの透明度及び大きさを調整して表示することにより、グラフィカルユーザインターフェースによって元の表示画面が覆い隠されることがなく、ユーザは表示画面全体を確認しながら作業を行なうことができる。
【0066】
また、透明度及び大きさを調整したグラフィカルユーザインターフェースは、ポインタの画面上の位置に基づいて表示されることにより、グラフィカルユーザインターフェースをポインタの周辺に表示することができ、グラフィカルユーザインターフェースの操作性を向上することができる。
また、請求項4の本発明によれば、そのようなグラフィカルユーザインターフェース表示装置での処理をコンピュータにて行なわせるためのプログラムを格納した記録媒体を提供することができる。
【0067】
従って、本願発明は、大型の表示画面を利用した画像のズーミング機能を有する電子文書の閲覧システム等に適用してユーザの操作性を向上する上で極めて有益である。
【図面の簡単な説明】
【図1】画面上に表示されるGUIの一例の構成図である。
【図2】本発明のグラフィカルユーザインターフェース(GUI)表示装置を実現するコンピュータ装置の一例の概略図である。
【図3】本発明の実施の一形態に係るGUI表示装置を実現するコンピュータ装置のハードウエアの構成図である。
【図4】本発明の実施の一形態に係るGUI表示装置を実現するコンピュータ装置の処理手順の第1実施例のフローチャートである。
【図5】表示装置に表示されるGUI部品の一例の図である。
【図6】表示装置に表示されるGUI部品の一例の図である。
【図7】本発明の実施の一形態に係るGUI表示装置を実現するコンピュータ装置の処理手順の第2実施例のフローチャートである。
【図8】図7の手順によるGUI部品の透明度の変化を説明する図である。
【図9】本発明の実施の一形態に係るGUI表示装置を実現するコンピュータ装置の処理手順の第3実施例のフローチャートである。
【図10】図9の手順によるGUI部品の透明度の変化を説明する図である。
【図11】本発明の実施の一形態に係るGUI表示装置を実現するコンピュータ装置の処理手順の第4実施例のフローチャートである。
【図12】図11の手順によるGUI部品の透明度の変化を説明する図である。
【図13】本発明の実施の一形態に係るGUI表示装置を実現するコンピュータ装置の処理手順の第5実施例のフローチャートである。
【図14】図13の手順によるGUI部品の大きさの変化を説明する図である。
【図15】コンピュータ装置の処理によるポインタの移動を説明する図である。
【図16】本発明の実施の一形態に係るGUI表示装置を実現するコンピュータ装置の処理手順の第6実施例のフローチャートである。
【図17】図16の手順によるGUI部品の表示位置の移動を説明する図である。
【符号の説明】
1 コンピュータ装置
20 入力装置
22 ポインティングデバイス
30 表示装置
40 コンピュータ本体
42 ドライブ装置
44 記録媒体
46 補助記憶装置
48 メモリ装置
50 演算制御装置
52 ポインタ
54 GUI部品
60 ズーミング装置
70 リンク情報検索重畳装置
Claims (4)
- コンピュータ装置での処理に対応するグラフィカルユーザインターフェースを画面上に表示させるグラフィカルユーザインターフェース表示装置において、
前記グラフィカルユーザインターフェースの表示命令の入力を判定する表示命令判定手段と、
画面上に表示されているポインタの位置を検出する検出手段と、
前記検出手段にて検出された前記ポインタの画面上の位置に基づいて前記グラフィカルユーザインターフェースの透明度を決定する決定手段と、
前記ポインタの画面上の位置に、前記グラフィカルユーザインターフェースを前記決定手段にて決定された前記透明度に調整して表示する処理手段と
を備えたグラフィカルユーザインターフェース表示装置。 - 請求項1記載のグラフィカルユーザインターフェース表示装置において、
前記決定手段は、前記検出手段にて検出された前記ポインタの画面上の位置に基づいて前記グラフィカルユーザインターフェースの大きさを決定し、
前記処理手段は、前記ポインタの画面上の位置に、前記グラフィカルユーザインターフェースを前記決定手段にて決定された前記大きさに調整して表示することを特徴とするグラフィカルユーザインターフェース表示装置。 - 請求項1記載のグラフィカルユーザインターフェース表示装置において、
前記決定手段は、前記検出手段にて検出された前記ポインタの画面上の位置に基づいて前記グラフィカルユーザインターフェースの透明度及び大きさを決定し、
前記処理手段は、前記ポインタの画面上の位置に、前記グラフィカルユーザインターフェースを前記決定手段にて決定された前記透明度及び大きさに調整して表示することを特徴とするグラフィカルユーザインターフェース表示装置。 - コンピュータ装置での処理に対応するグラフィカルユーザインターフェースを画面上に表示させるグラフィカルユーザインターフェース表示装置での処理を当該コンピュータ装置に行なわせるためのプログラムを格納した記録媒体において、
前記グラフィカルユーザインターフェースの表示命令の入力を判定する表示命令判定手順と、
画面上に表示されているポインタの位置を検出する検出手順と、
前記検出手順にて検出された前記ポインタの画面上の位置に基づいて前記グラフィカルユーザインターフェースの透明度を決定する決定手順と、
前記ポインタの画面上の位置に、前記グラフィカルユーザインターフェースを前記決定手順にて決定された前記透明度に調整して表示する処理手順と
を備えたプログラムを格納した記録媒体。
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