JP3772151B2 - 挿入部位置検出装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は磁界発生素子と磁界検出素子とを用いて挿入部の位置を検出する挿入部位置検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、内視鏡は医療用分野及び工業用分野で広く用いられるようになった。この内視鏡は特に挿入部が軟性のものは、屈曲した体腔内に挿入することにより、切開することなく体腔内深部の臓器を診断したり、必要に応じてチャンネル内に処置具を挿通してポリープ等を切除するなどの治療処置を行うことができる。
【0003】
この場合、例えば肛門側から下部消化管内を検査する場合のように、屈曲した体腔内に挿入部を円滑に挿入するためにはある程度の熟練を必要とする場合がある。
【0004】
つまり、挿入作業を行っている場合、管路の屈曲に応じて挿入部に設けた湾曲部を湾曲させる等の作業が円滑な挿入を行うのに必要になり、そのためには挿入部の先端位置等が、体腔内のどの位置にあるかとか、現在の挿入部の屈曲状態等を知ることができると便利である。
【0005】
このため、例えば特開平3ー295530号公報には挿入部に設けた受信用空中線(コイル)に対し、挿入部の外部に設けた送信用空中線(アンテナコイル)を走査して挿入部の挿入状態を検出するものがある。
【0006】
また、特開平5ー177000号公報のカテーテルガイド装置では発信手段をカテーテルの先端等に取り付け、その信号を受信して発信手段の位置を求めるものが開示されている。
【0007】
また、USパテント4,176,662では内視鏡の先端のトランスジューサからバースト波を出し、周囲の複数のアンテナ又はトランスジューサで検出して先端部の位置をCRTにプロット等するものが開示されている。
【0008】
さらにUSパテント4,821,731では体外の直交コイルを回転し、体内のカテーテルに設けたセンサの出力からカテーテルの先端位置を検出するものを開示している。
【0009】
また、PCT出願GB91/01431号公開公報では内視鏡が挿入される対象物の周囲にX−Y方向にダイポールアンテナを格子状に多数並べてAC駆動し、一方、内視鏡側に内蔵したコイルで得られる信号より、内視鏡の位置を導出する従来例を開示している。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、挿入部の位置検出については更なる精度の向上が望まれている。
【0011】
本発明の目的は、精度の高い挿入部の位置検出を可能とする挿入部位置検出装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明の挿入部位置検出装置は、被検体内に挿入可能な可撓性の挿入部を有し、該挿入部内に磁界を発生する磁界発生素子及び発生した磁界を検出する磁界検出素子のうちの一方が設けられてなる挿入具と、前記被検体が載置可能になされ、前記磁界発生素子及び前記磁界検出素子のうちの他方が少なくとも3つ設けられてなる載置台と、前記磁界発生素子と前記磁界検出素子との磁気結合によって得られる情報に基づいて、前記挿入部内に設けられた前記磁界発生素子及び前記磁界検出素子のうちの一方の素子の、前記載置台に設けられた前記磁界発生素子及び前記磁界検出素子のうちの他方の素子に対する位置を推定する位置推定手段と、を備え、前記載置台は、前記磁界発生素子の駆動により発生する磁界に対して影響を及ぼさない部材で形成され、前記被検体が載置される部位に検出対象領域が形成されるように前記少なくとも3つの磁界発生素子又は磁界検出素子が配置され、前記磁界検出素子は、直交する3つの軸方向にそれぞれ指向性を有するように巻回された3つのコイルを有する3軸コイルで構成され、前記位置推定手段は、前記3軸コイルの各軸に固有の、当該コイルの径の違いによる補正係数を用いて、前記挿入具の挿入部内に設けられた前記磁界発生素子又は前記磁界検出素子の位置を推定する際に得られる、当該各3軸コイルの各出力における位相の違いを補正する補正手段を有する、ことを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図に基づいて説明する。
【0015】
図1ないし図43は本発明の第1実施形態に係るものを示す。
図1に示すように内視鏡システム1は内視鏡6を用いて検査等を行う内視鏡装置2と、この内視鏡装置2と共に使用され、内視鏡6の挿入部7の位置を検出する第1実施形態の機能を備え、さらに挿入部7の形状を推定してその形状に対応する画像を表示する内視鏡形状検出装置3とを有して構成される。
【0016】
(内視鏡検査用)ベッド4には、被検体としての患者5が載置され、この患者5の体腔内に、図3に示す内視鏡6の挿入部7が挿入される。
この内視鏡6は細長で可撓性を有する挿入部7とその後端に形成された太幅の操作部8と、この操作部8の側部から延出されたユニバーサルケーブル9とを有し、このユニバーサルケーブル9の末端にはコネクタ9Aが設けてあり、このコネクタ9Aはビデオプロセッサ11内の光源部36に着脱自在で接続できる。
【0017】
このコネクタ9Aからさらに信号ケーブル9Bが延出され、この信号ケーブル9Bの末端に設けた信号用コネクタ9Cをビデオプロセッサ11内の信号処理部37に着脱自在で接続できる。
【0018】
挿入部7には図4に示すように照明光を伝送するライトガイド38が挿通され、このライトガイド38はさらに操作部8から延出されたユニバーサルケーブル9内を挿通され、末端のコネクタ9Aに至る。このコネクタ9Aの端面には光源部36内のランプ36Aから照明光が供給され、このライトガイド38のよって伝送され、挿入部7の先端部の(照明光出射手段を形成する)照明窓に取り付けられた先端面から伝送した照明光を前方に出射する。
【0019】
この照明窓から出射された照明光により照明された体腔内の内壁或は患部等の被写体は先端部の照明窓に隣接して形成された観察窓に取り付けた対物レンズ39によってその焦点面に配置された固体撮像素子としてのCCD29に像を結ぶ。
【0020】
このCCD29は信号処理部37内のCCDドライブ回路37Aから出力されるCCDドライブ信号が印加されることにより、(CCD29で)光電変換された画像信号が読み出され、挿入部7内等を挿通された信号線を経て信号処理回路37Bで信号処理されて標準的な映像信号に変換され、カラーモニタ12に出力され、対物レンズ39でCCD29の光電変換面に結像した内視鏡像をカラー表示する。
【0021】
また、操作部8には湾曲操作ノブ8Aが設けてあり、このノブ8Aを回動する操作を行うことにより挿入部7の先端付近に形成した湾曲自在の湾曲部7Aを湾曲できるようにして屈曲した体腔内経路にもその屈曲に沿うように先端側を湾曲させることによりスムーズに挿入できるようにしている。
【0022】
また、図4に示すようにこの内視鏡6には挿入部7内に中空のチャンネル13が形成されており、このチャンネル13の基端の挿入口13aから鉗子等の処置具を挿通することにより、処置具の先端側を挿入部7の先端面のチャンネル出口から突出させて患部等に対して生検とか治療処置等を行うことができる。
【0023】
また、このチャンネル13に(体腔内に挿入された挿入部7の)位置及び形状検出のためのプローブ15を挿入し、このプローブ15の先端側をチャンネル13内の所定の位置に設定することができる。図5はチャンネル13内にプローブ15を固定した場合のプローブ15の先端側の1例を示す。
【0024】
図5に示すようにこのプローブ15には磁界を発生する磁界発生素子としての複数のソースコイル16a,16b,…(符号16iで代表する)が、絶縁性で可撓性を有する円形断面のチューブ19内に例えば一定間隔dとなる状態で、チューブ19内壁に絶縁性の接着剤20で固定されている。
【0025】
各ソースコイル16iは例えば絶縁性で硬質の円柱状のコア10に絶縁被覆された導線が巻回されたソレノイド状コイルで構成され、さらにコイルの外周面に絶縁性の接着剤20で塗布されてコイルをコア10に絶縁被覆した状態で固定すると共に、チューブ19の内壁にも固定している。
【0026】
そして、チューブ19が屈曲されて変形した場合でも、各ソースコイル16iは、硬質のコア10に導線が巻回して、接着剤20で固定されているので、ソースコイル16i自身はその形状が変形しない構造にしてあり、磁界発生の機能はチューブ19が変形した場合でも不変となるようにしている。
【0027】
また、例えば末端(先端)のソースコイル16aの位置はチャンネル13の出口の面と(その先端面が)一致するように設置され、従って最も先端のソースコイル16aの位置を検出することにより、内視鏡6の挿入部7の先端面の位置(より正確には先端面よりソースコイル16aの(挿入部7の軸方向の)長さの1/2だけ後方位置)を検出できるようにしている。
【0028】
先端のソースコイル16aの位置は内視鏡6の既知の位置であると共に、一定間隔dでそれぞれソースコイル16iは設けてあるので、各ソースコイル16iの位置は内視鏡6の挿入部7内の既知の位置に設定されていることになり、各ソースコイル16iの位置を検出することにより、内視鏡6の挿入部7の離散的な位置(より厳密には各ソースコイル16iの位置)が検出できる。
【0029】
これらの離散的な位置を検出することにより、それらの間の位置もほぼ推定でき、従って離散的な位置の検出により、体腔内に挿入された内視鏡6の挿入部7の形状を求めることが可能になる。
【0030】
なお、プローブ15の先端付近の外径を他の部分より僅かに大きくして、チャンネル13の出口付近の内壁に密着して位置決め設置できるようにしても良い。そして、内視鏡形状を表示する必要が無くなったら(例えば、体腔内深部側の目的とする部位付近まで挿入部6の先端側を挿入する作業を円滑に行えるように、内視鏡形状の表示を利用する)、プローブ15の手元側を引っ張って、プローブ15を手元側に外し、チャンネル13を処置具等を挿通できるようにしても良い。
【0031】
各ソースコイル16iに接続されたリード線17はプローブ15の後端に設けた、或はプローブ15の後端から延出されたケーブルの後端に設けたコネクタ18に接続され、このコネクタ18は(内視鏡)形状検出装置本体21のコネクタ受けに接続される。そして、後述するように各ソースコイル16iには駆動信号が印加され、位置検出に利用される磁界を発生する。
【0032】
図6は、変形例のプローブ15′の構造を示す。このプローブ15′は絶縁部材でかつ可撓性を有するシースチューブ19′内に可撓性を有する支持部材46に一定の距離d毎にソースコイル16iが取り付けられる。この支持部材46はその長手方向(挿入部7内に配置された場合には挿入部7の軸方向)に対して伸縮性を有しない部材で構成され、シースチューブ19′が屈曲された場合にもソースコイル16iの間隔は一定となるようにしている。
【0033】
各ソースコイル16iは磁性材47に銅線48を巻回したコイルで形成され、巻回した2つの端子の一方の銅線は共通にされ、例えば支持部材46に沿って延出され、他方の端子から延出された銅線48はそれぞれのソースコイル16iから後方に延出され、シースチューブ19′の基端のコネクタ49(図3参照)の接点に接続されている。
なお、各ソースコイル16iを構成する各コイルの2つの端子の一方を共通にしないで、それぞれ2本の銅線で後方側に延出するようにしても良い。
【0034】
各ソースコイル16iの磁性材47には貫通孔が設けられ、その貫通孔に支持部材46を通し、絶縁性の接着剤20で一定間隔dの状態で固定されている。 このシースチューブ19′は薄肉にした場合には外部からの力でつぶれてしまい、座屈して挿入が困難になる可能性があるので、シースチューブ19′内部におけるソースコイル16i周囲にはシリコン等のボンディング材50が充填されている。
【0035】
このシースチューブ19′の先端にはほぼ球形状の先端チップ55が取り付けてあり、チャンネル13内に挿入時における滑りを向上している。また、チューブ19′の後端とコネクタ49との間には折れ止め56が設けてある。
また、コネクタ49には術者の扱いを容易にするためと消毒、滅菌処理を考慮してコネクタキャップ57に覆われている。
【0036】
図3ではこのプローブ15′をチャンネル13に装着した様子を示す。図3ではプローブ15′の他にさらに挿入口14から鉗子などを挿入できる構造にしている。
【0037】
ソースコイル16iは図5又は図6のように1軸のコイルで構成されていても良いし、図7に示すように3軸のセンスコイル22j(後述)と同様な構造の3軸のソースコイル16iで構成しても良い。
【0038】
3軸のソースコイル16iで形成した場合には、非磁性体或は磁性体で形成した例えば立方体形状の硬質のコア10に3つのコイルを巻回して構成される。非磁性体のコア10を用いることにより、隣接等する他のソースコイルで発生する磁界分布に影響を及ぼさないようにしても良いし、隣接するソースコイルとあまり接近していない場合には磁性体のコア10にして導線を巻回したコイルで磁界発生素子としてのソースコイルを構成しても良い。
【0039】
また、図7に示すようにコア10におけるコイルが巻回されていない部分に穴を設けて、各コイルの両端に接続されるリード線17を通すようにしている(各コイルの一端は共通にできる)。なお、コア10を有しないで例えば3つのコイルの中空部分も含めて3つのコイルを絶縁性の接着剤で接着固定した構造にしても良い。
また、図1に示すようにベッド4の既知の位置、例えば3つの隅にはそれぞれ磁界を検出する磁界検出素子としての3軸センスコイル22a,22b,22c(22jで代表する)が取り付けてあり、これらの3軸センスコイル22jはベッド4から延出されたケーブルを介して形状検出装置本体21に接続される。
【0040】
3軸センスコイル22jは図7に示すようにそれぞれのコイル面が直交するように3方向にそれぞれ巻回され、各コイルはそのコイル面に直交する軸方向成分の磁界の強度に比例した信号を検出する。
【0041】
上記形状検出装置本体21は、3軸センスコイル22jの出力に基づいて各ソースコイル16iの位置を検出して、患者5内に挿入された内視鏡6の挿入部7の形状を推定し、推定した形状に対応したコンピュータグラフィック画像をモニタ23に表示する。
【0042】
内視鏡形状検出装置3は磁気を利用しているので、磁気に対して透明でない金属が存在すると鉄損などにより、影響を受けてしまい、磁界発生用のソースコイル16iと検出用の3軸センスコイル22jの間の相互インダクタンスに影響を与える。一般に、相互インダクタンスをR+jXで表すと、(磁気に対して透明でない金属は)このR,X両者に影響を及ぼすことになる。
【0043】
この場合、微少磁界の検出で一般に用いられている直交検波で測定される信号の、振幅、位相が変化することになる。そのため、精度よく信号を検出するためには、発生する磁界が影響を受けない環境を設定することが望ましい。
【0044】
これを実現するためには、磁気的に透明な材料(換言すると磁界に影響を及ぼさない材料)でベッド4を作ればよい。
この磁気的に透明な材料としては例えば、デルリン等の樹脂、木材、非磁性材金属であればよい。
【0045】
実際にはソースコイル16iの位置検出には交流磁界を用いるため、駆動信号の周波数において磁気的に影響のない材料で形成しても良い。
そこで、本内視鏡形状検出装置3とともに使用する図1に示す内視鏡検査用ベッド4は、少なくとも、発生する磁界の周波数において磁気的に透明な非磁性材で構成されている。
【0046】
図2は内視鏡形状検出装置3の概略の構成をブロック図で示す。内視鏡6のチャンネル13内に設定されたプローブ15内のソースコイル16iにソースコイル駆動部24からの駆動信号が供給され、この駆動信号が印加されたソースコイル16i周辺に磁界が発生する。
【0047】
このソースコイル駆動部24は、(磁界発生用)発振部25から供給される交流信号を増幅して、必要な磁界を発生するための駆動信号を出力する。
発振部25の交流信号は、ベッド4に設けられた3軸センスコイル22jで検出される微少な磁界を検出するための(相互インダクタンス)検出部26に参照信号として送出される。
【0048】
3軸センスコイル22jで検出される微少な磁界検出信号は(センスコイル)出力増幅器27で増幅された後、検出部26に入力される。
検出部26では、参照信号を基準として、増幅、直交検波(同期検波)を行い、コイル間の相互インダクタンスに関連した信号を得る。
【0049】
複数のソースコイル16iが存在するので、各ソースコイル16iに接続されたリード線へ駆動信号を順次供給するように切り換える切り換え手段となる(ソースコイル駆動電流)分配器28がソースコイル駆動部24とソースコイル16iの間に存在する。
【0050】
上記検出部26で得られた信号は、形状算出部30を構成する(ソースコイル)位置検出部(又は位置推定部)31に入力され、入力されたアナログ信号をデジタル信号に変換して位置検出の計算或は位置推定の演算を行い、各ソースコイル16iに対して推定された位置情報を得る。
この位置情報は形状画像生成部32に送られ、得られた離散的な各位置情報から間を補間する補間処理等のグラフィック処理して内視鏡6(の挿入部7)の形状を推定し、推定された形状に対応する画像を生成し、モニタ信号生成部33に送る。
【0051】
モニタ信号生成部33は形状に対応する画像を表すRGB或はNTSC或はPAL方式の映像信号を生成し、モニタ23に出力し、モニタ23の表示面に内視鏡6の挿入部形状に対応する画像を表示する。
【0052】
なお、位置検出部31は1つの位置検出の計算を終了した後に、分配器28に切り換えの信号を送り、次のソースコイル16iに駆動電流を供給してその位置検出の計算を行う(各位置検出の計算を終了する前に、分配器28に切り換えの信号を送り、センスコイル22jで検出した信号をメモリに順次記憶させるようにしても良い)。
【0053】
また、システム制御部34はCPU等で構成され、位置検出部31、形状画像生成部32、モニタ信号生成部33の動作等を制御する。また、このシステム制御部34には操作パネル35が接続され、この操作パネル35のキーボードとかスイッチ等を操作することにより、内視鏡形状の描画モデルの選択とか、モニタ23に表示される内視鏡形状を選択された視野方向に対する表示状態に変更させることなどができる。
【0054】
なお、図2の点線で示す形状算出部30はソフトウェアを含む。また、図2の内視鏡形状検出装置3は第1実施形態の内視鏡位置検出装置を含み、この内視鏡位置検出装置は図6では符号16i,22j,24〜28,31で構成される。
【0055】
この内視鏡形状検出装置3の構成はより具体的に表すと図8のようになる。つまり、発振部25は発振器25aで構成され、この発振出力は駆動部24を構成するアンプ24aで増幅され、分配器28を構成するソースコイル切換回路28aで切換えられて複数のソースコイル16iに順次印加され、印加されたソースコイル16iの周囲に磁界を発生する。
【0056】
各磁界は各センスコイル22jで検出され、増幅器27でそれぞれ増幅された後、インダクタンス検出部26を構成するバンドパスフィルタ26a、位相検波回路26b、ローパスフィルタ26cを有する同期検波回路26dで磁界強度と共に発振出力との位相差を含む信号が検出される。
【0057】
位相検波回路26bは発振器25aの出力信号を参照して位相検波(直交検波)する。同期検波回路26dの出力信号は形状算出部30を構成するA/Dコンバータ30aの各チャンネルを経てデジタル信号に変換された後、RAM30bの検出データの格納部30b′に一旦格納され、この格納部30b′のデータはCPU30cに転送され、このCPU30cで位置推定及び形状算出等の計算が行われる。A/Dコンバータ30aの各チャンネルの切換えはタイミング制御回路30dにより行われる。
【0058】
この場合、例えば1つのソースコイル16iに対する計算が終了すると、CPU30cはタイミング制御回路30dに終了信号を送り、タイミング制御回路30dはこの終了信号を受けると、ソースコイル切換回路28aに切換えの制御信号を送り、次のソースコイル16iに駆動信号を印加する。
【0059】
CPU30cは例えばRAM30bの基準情報格納部30b″に格納されている基準情報を参照してソースコイル16iの位置を推定し、さらに推定により得た各位置の情報を用いて間を補間し、内視鏡形状の推定を行う。この推定された形状に対応する画像も生成し、図6と同様にモニタ信号生成部33を経てモニタ23に出力され、推定された内視鏡形状に対応する画像が表示される。なお、基準情報格納部30b″には後述する図16の2つの曲線Cu,Cdのデータが格納される。
【0060】
図9は形状検出のためのソースコイルの駆動動作とセンスコイルによる信号検出のフローを示す。まずパラメータiを1に設定した後(ステップS1)、ソースコイル切換信号によりi番目のソースコイル16iを選択してそのソースコイル16iに駆動電流を流す(ステップS2)。
【0061】
次に、過渡応答の時間Δt待ち(ステップS3)、この時間Δt後にセンスコイル22jで検出した検出信号をサンプリングする(ステップS4)。そして、次に駆動されたi番目のソースコイルが最後のソースコイルか否かの判断を行い(ステップS5)、最後のものでないと、iをi+1にインクリメントして(ステップS6)再びi番目のソースコイル16iに駆動電流を流すステップに戻り、一方最後のソースコイルの場合には終了する。
【0062】
上記過渡応答の時間Δt後にセンスコイル22jによる検出信号をサンプリングする理由の説明図を図10に示す。図10(a)に示すソースコイル切換信号によりソースコイル16iを選択してそのソースコイル16iに駆動電流を流すと、そのソースコイル16iの抵抗成分及びインダクタンス成分に応じて、駆動電流の周波数に対し、実際にはそのソースコイル16iに流れる駆動電流は図10(b)に示すように時間Δtの間で過渡応答特性を示す。
【0063】
このため、センスコイル22jで検出される検出信号は図10(c)のように過渡応答特性の影響を受けた信号になる。このため、タイミング制御回路30dはこの時間Δtの後にA/Dコンバータ30aに対して読込みを行うように制御する。このようにして過渡応答の影響のない検出信号を用いるようにしている。図7はソースコイル16iとして3軸のソースコイルを用い、あるソースコイル16iの位置を3軸センスコイル22jで検出する場合の様子を示す。
【0064】
3軸のソースコイル16iにおける互いに直交する3つのコイルそれぞれを16x,16y,16zで、3軸センスコイル22jの3つのコイルを22X,22Y,22Zとして考える。また、それぞれのコイルのばらつきはないとする。そして3軸のソースコイル16iの各コイル16x,16y,16zをそれぞれ駆動した時の3軸センスコイル22j(の3つのコイル22X,22Y,22Z)で検出される信号出力を以下のように定義する。
【0065】
3軸のソースコイル16iのうち、
コイル16xを駆動したときのセンスコイル出力を、Xx,Yx,Zx
コイル16yを駆動したときのセンスコイル出力を、Xy,Yy,Zy
コイル16zを駆動したときのセンスコイル出力を、Xz,Yz,Zz
とする。
【0066】
3つのコイル16x,16y,16zでそれぞれ形成される磁界強度の2乗に対応する検出信号出力Xx^2+Yx^2+Zx^2、Xy^2+Yy^2+Zy^2、Xz^2+Yz^2+Zz^2の値で確定される8個の位置がソースコイル16iの検出位置の候補として得られる。
【0067】
また、検出部26の同期検波で得られるXx,Yx,Zx、Xy,Yy,Zy、Xz,Yz,Zzの位相情報からセンサ(3軸センスコイル22j)を原点にした座標におけるソースコイル16iの存在する(8個の象現の内の)1つの象現が確定する。
これにより、ソースコイル16iの存在位置が確定する(この実施形態では、後述するようにソースコイル16iの存在位置を検出された磁界強度に対応する信号を用いて直接計算で求めることを行わないで、予め測定により得た基準となるデータを参照して存在位置を算出(推定)する)。
【0068】
このように、3軸のソースコイル16iと、3軸センスコイル22jを用いれば、離散的なソースコイル16iの位置を検出できる。
また、図1に示すようにベッド4の複数箇所に3軸センスコイル22jを配置すれば、より正確に各ソースコイル16iの位置を検出できることになる。
【0069】
また、図11は(無芯ソレノイドと表現される)1軸のソースコイル16iを用いて3軸センスコイル22jで位置検出を行う様子を示す。
内視鏡検査の場合には、患者5はベッド4の上にいるため、内視鏡6の位置は必ずベッド4の上になる。
【0070】
つまり、ベッド4の4隅にセンサとなる3軸センスコイル22jを設ければ、このセンサ群に囲まれた領域の中に内視鏡6(内のソースコイル16i)が存在することになるので、設置した3軸センスコイル22jごとにソースコイル16iの存在する象現が限定される。
【0071】
ソースコイル16iを駆動したときの1つの3軸センスコイル22の出力をXi,Yi,Ziとすると、Xi^2+Yi^2+Zi^2で関連づけられる磁界強度となる3軸センスコイル22からの距離にソースコイル16iが存在することになる。
【0072】
しかし、1軸コイルは一般にダイポールとして表現され、その等磁界面は球にならないで図12に示すように楕円状になる。
そのため、どの方向を向いているかが未知のソースコイル16iの位置を一つの3軸センスコイル22による等磁界面Xi^2+Yi^2+Zi^2のみからは同定できない。
【0073】
そのため、ベッド4に複数設けた3軸センスコイル22jそれぞれに関して測定されるXj^2+Yj^2+Zj^2で関連づけられる距離を用いる。この場合、各3軸センスコイル22jの設置位置は既知であるので、例えばベッド4に固定した1つの座標系で表すことができる。
ソースコイル16iで発生する等磁界面がXs^2+Ys^2+Zs^2と表される磁界強度をセンスコイル22jで検出してその間の距離を推定することを考える。
【0074】
すると、センスコイル22jで検出された磁界強度からその磁界強度を含むような等磁界面を想定すると、中心のソースコイル16iに対してその等磁界面上にセンスコイル22jが存在することになり、中心から等磁界面までの距離の最大値及び最小値をそれぞれRmaxj、Rminjと、それらの間の距離にセンスコイル22j及びソースコイル16iが存在することになる。
【0075】
つまり既知の位置のセンスコイル22jを基準にすると、図11に示すように最大距離Rmaxjの距離の内側、最小距離Rminjの外側にソースコイル16iが存在することになる。
【0076】
各3軸センスコイル22jで測定され、各3軸センスコイル22jごとに異なるXj、Yj、Zjに対応するRmaxj、Rminjで表される球殻の重なり(volume)の中にソースコイル16iが存在することになるのでその領域の重心をコイル位置として検出することができる。
【0077】
これで、位置が求められるが、Rmax、Rminの差が大きい場合には誤差が生じる可能性がある。
【0078】
そこでXj、Yj、Zjに含まれる位相情報にソースコイル16iの傾きが表されていることを利用して先に求めたvolumeのなかでの傾きを求める。
これにより、さらに正確な位置となるよう、先の位置を補正する。
また、ソースコイル16iの相互の間隔は既知であるので、さらにこの値で補正してもよい。
【0079】
この場合、図13に示すように、内視鏡6は連続しているので、求めた離散的なソースコイル16i位置(×印で示す)の傾き(dx/dl、dy/dl、dz/dl)は、ソースコイル位置を元に補間した曲線lのソースコイル位置での接線方向と等しく、もしくは近似値になるはずなのでさらに位置の補正を行ってもよい。
【0080】
この様にして検出された複数の位置情報により推定された内視鏡6の挿入部7の形状を後述するようにモデル化した画像100で、モニタ23の表示面に例えば図14のように左側のグラフィックス出力領域に表示される。右側の領域はユーザが操作パネル35からのキー入力等により、視点(位置と原点との距離)、回転角、視点位置とz軸とのなす仰角等を設定するユーザインタフェース領域である。
【0081】
図15はスコープ内のソースコイル16iの作る磁界を外部の3軸センスコイル22jによって検出し、磁界強度と2点間の距離との関係からソースコイル16iの位置を得、複数のソースコイル16iの各位置検出に基づいて挿入状態にある挿入部形状(簡単にスコープ形状とも記す)をモニタ(CRTとも記す)上に表示するフローを示す。
このフローの全体構成は、その処理内容別に、以下のB1〜B4の4ブロックに分けることが出来る。
【0082】
B1:初期化ブロック(Initialize Block)
このブロックで、本プログラムの全機能に関する初期化作業が完了する。具体的には、スコープ形状をCRT上に出力する手法に基づく初期パラメータの設定、ハードウェアが検出する磁界強度から得られた位相情報と振幅情報とから、ソースコイル16iの存在位置を算出する際に使用する基本データのメモリ読み込み、ハードウェアを制御するための各種ボードの初期化等が実施される。尚、詳細な処理内容に関しては、後にブロックごとの説明項目で行う。
【0083】
B2:ハードウェア制御ブコック(Hardware Control Block)
本システムでは、内視鏡6の挿入部7内に配置固定されたソースコイル16iの位置座標をソースコイル16iの発生する磁界強度から算出し、これを基に挿入状態にある内視鏡6の挿入部7の形状を推定する。
このブロックでは、ソースコイル16iの駆動を切換えて磁界を発生させ、その発生磁界強度をセンスコイル22jで検出し、この検出出力をソースコイル位置座標が計算できる形に変換して出力するまでを担う。
【0084】
ソースコイル16iの駆動切換えは、内視鏡6のどこに位置するソースコイルかが分かるようになっており、ソースコイル16iの磁界強度を検出するセンスコイル22jは、図6に示したように直交する3つ軸にそれぞれのコイルの面が平行となるように製作され、1個のセンスコイル22jにつき直交する3軸方向の磁界強度成分が検出できるように構成されている。検出された磁界強度のデータは、ソースコイル位置を計算する際に必要となる振幅データと位相データとに分離されて出力される。
【0085】
B3:ソース位置算出ブロック(Sourcr Position Calculate Block)
前ブロックでの磁界検出によって得られた振幅データと位相データを基に、磁界強度と2点間の距離との関係を利用して、ソースコイル16iの位置座標を算出するまでを担う。まず、振幅データと位相データに対して、センスコイル22jの各軸方向の径の大ききの違いやソースコイル16iとセンスコイル22jとの位置の関係の捕正を施して、各センスコイル22jの設置位置で検出されると考えられる磁界強度を算出する。
【0086】
こうして算出された磁界強度から、ソースコイル16iとセンスコイル22j間の距離を求める。但し、挿入状態にあるソースコイル16iの姿勢(ソレノイド状コイルの方位)が分からないため、ソースコイル16iの存在位置はある球殻の範囲内までの限定しかできない。そこで、センスコイル22jを3個以上用意し、ソースコイル16iの存在可能な領域の重なりを求め、その領域の重心位置をソースコイル16iの位置座標として出力する。
【0087】
B4:画像表示ブロック(Image Display Block )
ソースコイル位置座標として得られたデータを基にスコープ形状を構築して、その描像をCRT上に出力するまでを担う。ソースコイル位置座標として得られた1個以上の座標をデータを基に、全体として滑らかな連続座標を構築する。この連続座標によりスコープ形状らしく見せるためのモデリング処理を行う(多角形柱、色階調、彩度、輝度の利用、陰線処理、パースペクティブ等)。
【0088】
更に、CRT表示されたスコープイメージモデルは、任意の方向に回転、拡大縮小が可能であり、現表示の視点位置や患者の頭方向が一目で分かるボディーマーカも表示できる。終了時の視点位置は自動的に保存され、次回の初期視点位置となる。術者が見易いと考える視点方向を記憶するホットキーも存在する。
次に各ブロックごとの詳細な内容を説明する。
【0089】
B1:初期化ブロック
最初のステップS11ではグラフィック頁の初期化(VRAMの初期化)を行う。また、CRT表示したスコープイメージ像を更新する際、新しい像を上書きすると、観察者に対し、書き換えがちらつく画像の印象を与え、スムーズな画像で無くなってしまう。そこで、複数のグラフィック頁を絶えず切換えてイメージを表示することで、動画像的な滑らかさを実現している。
また、以下のように使用する色、階調の設定を行う。
【0090】
使用できる色数はハードウェアごとに制限があり、パレット番号という形で割り当てがなされている。しかし、デフォルトのままでは2階調しかない。そこで、利用可能な色数の範囲でより豊かな階調を実現するため、パレットの設定を行った。例えば図14において枠F1、マーカm1,m2、(図示しない)表示モデル名の部分に3色、残りを全て挿入部7のモデル化した画像100の階調表示に用いる。
【0091】
これにより、視点に近いほど明るく、遠いほど暗く表示することが可能になり、挿入部7を2次元で表示した画像100に立体感や奥行きを持たせて表現することを可能にした。もちろん、階調数を増減することは任意である。また、階調以外に採用している色もR,G,Bの構成より作られており、微妙な彩度や輝度を表現することを可能にした。
【0092】
次のステップS12で初期視点位置の自動読み込み等のイメージパラメータの初期化を行う。
スコープ像をどのように見ることが見易いと感じるかは、術者の好みによるところが大きい。もし、初期視点位置を固定してしまうと、術者はスコープ像が見やすいと感じる視点位置にわざわざ再設定しなければならず、使い勝手が低下する。
【0093】
そこで、希望とする視点位置をファイル(パラメータファイル)の形で保存しておき、プログラム起動時にそのファイルを読み込むことで、プログラム開始直後から術者の見やすい視点位置からスコープ像を見ることが出来る手段を設けた。
【0094】
また、この実施形態ではスコープ像とテキスト画面の分割表示する。
スコープ像とテキスト画面を分割したことにより、スコープ像の回転や拡大縮小の程度を視覚的、数値的の両面から確認できるようにした。
次のステップS13でソースコイル位置導出のための原理を格納した原理元データをロードする。このデータは次の関係の基準データ或は基準情報である。
【0095】
磁界強度と2点間の距離との関係
測定原理は、1軸のソースコイル16iの出力を直交3軸で製作されたセンスコイル22jで検出し、その磁界強度よりソースコイル16iとセンスコイル22jの間隔を得ることである。両コイルの間隔を得るにあたり、1軸ソースコイル16iの作り出す磁界分布を示す超函数から直接解くのではなく、ソースコイル16iの姿勢(軸方向の方位)の違いによる最大となる磁界強度出力と最小となる磁界強度出力とを利用する新しい距離算出法を導入した。
【0096】
図16に示されるグラフは、この距離導出原理の基本となるデータである。これは、シールドルーム内で実測されたデータをグラフにしたものである。つまり、1軸ソースコイル16iと3軸センスコイル22jとの距離を様々な値に設定したときに、各距離値でソースコイル16iの軸方向を変えた場合に3軸センスコイル22jの位置で検出される最も大きい磁界強度の値(最大磁界強度値)と、最も小さい磁界強度の値(最小磁界強度値)を測定したものを、それぞれプロットしてグラフ化にしたものであり、上側の曲線Cuが最大磁界強度曲線、下側の曲線Cdが最小磁界強度曲線を表している。
【0097】
2つの曲線Cu,Cdは、両コイル間の距離が小きい場合は、ソースコイル16iの向きによって検出される値に差が生じるが、ソースコイル16iの大ききに比べコイル間の距離が十分大きくなるに従って検出される値に差がなくなる。これは、ダイポールによって形成される磁界は距離が小さいと、その等磁界面は球面にならないが、ダイポールの大きさに対して十分大きな距離ではダイポールの大きさに殆ど依存しないでほぼ球面になるという定性的な物理現象と矛盾しない結果である。
【0098】
更に、ある磁界強度Hが検出された場合、最小半径r_minと最大半径r_maxとに挟まれる球殻内にしかソースコイル16iは存在し得ないとの限定を加えることが可能になる。そして図16の測定範囲では、この球殻内の距離(=r_max−r_min)は、磁界強度Hの値にあまり依存しないでほぼ60mm程であることが2つの曲線Cu,Cdより分かる。
【0099】
図17(a)は図16のデータを得るための測定法を示す。図17(a)に示すように例えば原点に配置した3軸センスコイル22(立方体の中心を原点に一致させる)に対し、例えば既知の距離r1に1軸ソースコイル16を配置し、このこの位置でソースコイル16の方向(その軸方向)を変えて、原点に配置した3軸センスコイル22でその磁界強度を測定し、その最大値H1及び最小値H1′を測定する。
【0100】
つまり、ソースコイル16の方向を変えると、それに応じて3軸センスコイル22で検出される磁界強度は変化し、それらの測定値における最大値H1及び最小値H1′を求める。
【0101】
なお、一般的にはソースコイル16の軸方向がセンスコイル22(の中心)とソースコイル16(の中心)とを結ぶ線上に一致した状態(図17(a)の実線で示すソースコイル16の向き)の場合にほぼ最大値H1、この実線で示すソースコイル16と直交する2点鎖線で示す状態の場合にほぼ最小値H1′が得られる。
【0102】
同様に距離r1の値を、r2に変えて、その距離r2で3軸センスコイル22で同様に測定しその最大値H2及び最小値H2′を求める。さらに距離を変えて同様の測定を行い、それぞれの距離で得られた最大値及び最小値をプロットし、最大値同士及び最小値同士を補間するようにそれぞれ線で結ぶと図17(b)に示す最大磁界強度の曲線Cuと最小磁界強度の曲線Cdが得られる。これら曲線Cu,Cdのデータはハードディスク等のデータ格納手段に格納されており、内視鏡形状表示の動作が開始すると、例えば図8のRAM30の基準情報格納部30b″に転送されて格納され、CPU30cは必要に応じて参照する。
【0103】
なお、3軸センスコイル22で検出される磁界強度に比例した実際の測定値は、この3軸センスコイル22を構成する3つのコイルでそれぞれ検出された信号22X,22Y,22Zをそれぞれ2乗して総和した値、22X・22X+22Y・22Y+22Z・22Zの平方根を求めた値であり、この求めた値を標準の磁界測定装置(例えばガウスメータ)で校正(キャリブレイション)することにより、正確な磁界強度の測定値を得ることができる。
図16に示したデータは、磁気シールドされたシールドルーム内でこのような測定を詳細に行ったものである。
【0104】
図17(b)の2つの曲線Cu,Cdを参照することにより、3軸センスコイル22で検出された磁界強度から、その3軸センスコイル22に対してソースコイル16が存在する3次元領域を推定することができる。
【0105】
例えば、ある磁界強度Haが測定で得られた場合には、この磁界強度Haに対応する距離は図17(b)から、磁界強度Haの値が曲線Cd,Cuとそれぞれ交わる距離raとra′の間の距離範囲にソースコイル16が存在する3次元領域であることが推定できる。つまり、ある磁界強度が得られた場合には、その値が最小磁界強度の曲線Cd及び最大磁界強度の曲線Cuとそれぞれ交わる最小距離r_minと最大距離r_maxとの間であると推定できる。
【0106】
また、図18はr_maxの場合(最大磁界強度)に対して、シールドルーム内での測定値と、その他の場所(具体的には居室)での磁界強度の測定値を比較したものであり、シールドルーム内での測定値と居室内での測定値とは殆ど一致する。つまり、居室内での測定値はシールドルーム内での測定値と殆ど一致する値が得られると共に、その測定値の距離に対する磁界強度の特性もシールドルーム内での測定値による特性と殆ど一致する(図示しないが、最小磁界強度の場合も同様の特性を示した)。
【0107】
従って、シールドルーム内での測定値の曲線の関数の形を予め求めておけば、他の環境においてもその関数を用いて精度良くその環境での最大磁界強度曲線及び最小磁界強度曲線を決定できる。
【0108】
つまり、内視鏡検査の環境が変化する状況でも、その環境で数カ所のmax及びminの方向の磁界強度を測定をすることが可能な測定装置によって、予め磁界を測定することにより、その環境での最大磁界強度及び最小磁界強度の曲線データを得ることが可能になり、環境ごとに詳しいデータを測定により求める手間を省ける。このように図18はたいへん普遍的なデータであることを表している。
【0109】
上記最大磁界強度及び最小磁界強度のデータを記録したファイル(max_minデータファイル)をロードすると共に、補正用データファイルから補正用データもロードし、以下の補正を行う。
【0110】
センスコイルの径の補正
センスコイル22jの設置位置での磁界強度がどのくらい正確に得られるかは、たいへん重要な問題である。直交3軸で制作されたセンスコイル22jは、同芯かつ同じ直径で製作することは殆ど不可能であり、直径の違いにより出力検出値に違いがある。また、ソースコイル16iの向きや方向によっても出力値に変化が見られる。
【0111】
そこで、実際に磁界検出を行い、ソースコイル16i及びセンスコイル22jの配置と磁界検出値の変化を調べた。その結果、それぞれの大きさの直径について、磁界検出の際に得られる位相データの符号別に2組の補正係数を掛け合わせるだけで、直径の大きさの違いや、両コイル16i,22jの配置の関係を補正することができることを見出した。
【0112】
そこで、あらかじめ測定された各軸ごとについての位相データの符号別の補正係数を初期化ブロックB1で取り込む。この結果を磁界強度算出を行うソース位置算出ブロックB3で記述する。
【0113】
上述のデータのロードの後、次のステップS14でハードウェアの初期化を行う。このステップS14では図8に示す例えばソースコイル切換回路28aの設定内容をリセットして初期状態にする。また、A/Dコンバータ30aの設定内容をリセットし、使用環境に対応した設定状態にする。このようにしてハードウェアを形状算出の使用可能な状態に設定し、次のブロックB2を動作させる。
【0114】
B2:ハードウェア制御ブロック
まず、ステップS21では図8で説明したようにソースコイル切換回路28aに切換信号を印加してソースコイル16iを選択し、そのソースコイル16iをドライブする。そのソースコイル16iで発生した磁界はセンスコイル22jで検出される。
【0115】
従って、ステップS22に示すようにセンスコイル22jで検出された検出信号を位相検波回路26を経てA/Dコンバータ30aでサンプリングする。サンプリングされたデータは一旦、RAM30bに書き込まれる。
ステップS23に示すように(CPU30cはタイミング制御回路30dはプローブ15に内蔵された)全てのソースコイル16iに対する駆動が終了したか否かを判断し、終了していない場合には次のソースコイル16iを駆動するようにタイミング制御回路30dを制御する。
【0116】
そして、全てのソースコイル16iを駆動した場合には、RAM30bのデータ(つまり位相検波回路26dを通したPSDデータ)から振幅データ、位相データを算出する(図15のステップS24のPSD算出、ステップS25の振幅データ、位相データ参照)。
【0117】
上記振幅データ、位相データから次のブロックB3の処理に移る。まず、ステップS31の磁界強度算出を、補正係数を用いて行う。この磁界強度算出に関するフローの具体的内容は図19に示す。ここで、そのフローの説明を加える。 (a1)まずステップS31_1で位相データの符号判断を行う。
【0118】
センスコイル22jは、直径の異なる1軸コイルを3個保有している。そのため、それぞれの1軸コイルに対して位相データの符号を分類すると、8通りの場合に分類される。これは、次のようにして行う。
【0119】
a1_1.符号を高速判断するために、+なら1、−なら0を出力する条件演算子を作成する(SIG(x)→(x<0)?0:1)。
a1_2.最小の直径の位相データの符号を調べ、その結果をパラメータxに代入(x+=SIG(phi))。
【0120】
a1_3.xのビットを左シフトする。
a1_4.次の直径の位相データの符号を調べ、その結果をパラメータxに加える。
a1_5.xのビットを左シフトする。
【0121】
a1_6.最大の直径の位相データの符号を調べ、その結果をパラメータxに加える。 このようにすると、それぞれの直径に対する位相データの符号の組を8種類のxの値に置き換えることができ、個別に符号の判定をするよりも高速に処理が可能になる。
【0122】
(a2)次のステップS31_2で振幅データに含まれる、直径や配置の違いの影響を補正する。
(a1)で、位相データの組み合わせがパラメータxの値に置き換えられているので、xの値に応じて8通りの変換式を書き下す。これで、高速に各振幅データに適切な補正係数を掛け合わせることが可能になる。
【0123】
ここまでの処理で、直径の違いや配置の違いに対するデータの補正が完了する。
(a3)次のステップS31_3で磁界強度を算出する。
【0124】
(a2)で、各方向成分の直径の大きさやコイルの配置の違いが出力に与える影響を補正できているので、それぞれの成分の2乗和の平方根を算出することで、磁界強度が算出できる。
以上の手続きによって、直交3軸で製作されたセンスコイル22jの出力から、磁界強度をより正確に、高速に算出できる。
【0125】
次に図15のステップS32の(ソースコイル16iとセンスコイル22j間の)最大距離と最小距離の算出を最大及び最小距離データ(図16のデータ)を用いて行う。 このステップS32は前のステップS31で得られた磁界強度を用いて、センスコイル22jとソースコイル16iとの最大の距離と最小の距離とを算出するまでの処理を行う。
【0126】
2点間の距離と磁界強度とに比例関係が存在することは、ごく一般に広く知られた物理現象である。しかし、ある空間上の一点にl軸のソースコイル16iが作り出す磁界強度は一般に超函数で表されるため、たとえソースコイル16iの向きが分かり、磁界強度が測定されても、ソースコイル16iの存在する方向や距離を算出するのは容易ではない。
【0127】
そこで、ある磁界強度が検出できた場合、その出力が最も強く取れる方向にソースコイル16iが向いていると仮定した場合の距離をR_max、最も弱く取れる方向にソースコイル16iが向いていると仮定した場合の距離をR_minとすれば、真のソースコイル16iとセンスコイル22j間の距離R_trueは、R_min≦R_true≦R_maxという範囲内に限定することが出来る。
【0128】
前のステップS31で得られた磁界強度Mと、既に読み込まれているR_max曲線の磁界強度データmを比較し、mb≦M≦mtとなる点をピックアップする。mbとmt間は直線的に変化しているとして、その中途の点の磁界強度Mに対応する距離をR_maxとする。
【0129】
R_minについても同様に行う。ここで、mbとmt間を直線的に変化しているとしたのは計算を簡単化したためであり、曲線近似でも何等問題はない。また、R_max曲線の函数形f(x)を導き出し、R_max=f(M)として算出しても、もちろん良い。
【0130】
ここで採用した距離の算出手段或は方法は、距離R_trueの値が確実には求まらないものの、複雑な超函数を解くということを要求されない極めて簡便な手段或は方法である上、1軸のソースコイル16iの向きが分からない場合でも、ソースコイル16iの存在範囲を限定できる応用範囲の広い手段或は方法となる。
【0131】
次にステップS33のソースコイル16iの位置座標算出を行う。このステップS33ではセンスコイル22jとソースコイル16iとの距離から、ソースコイル16iの座標を算出するまでの処理を行う。
あるセンスコイル22jから見たときのソースコイル16iの存在しうる範囲は、前のステプS32で得られたR_maxとR_minとによって囲まれる球殻内である。
このようなソーズコイル16iの存在しうる範囲をより微小な空間に限定するため、複数個のセンスコイル22jから見いだされたソースコイル16iの存在可能領域の重ね合わせを利用する。各々のセンスコイル22jに対し、同一のソースコイル16iから得られたソースコイル16iの存在領域は、ソースコイル16iの位置が動いていない限り、すべてが重なり合う領域が必ず存在する。
【0132】
このような領域の境界は、各々のセンスコイル22j位置を中心とする半径R_max,R_minの球の交点に他ならない。球の交点であることから、少なくともセンスコイル22jが3個あれば、ソースコイル16iは各センスコイル22jのR_max,R_minを半径とする球の8交点によって囲まれる微小領域にその存在が限定できる。
【0133】
3つのセンスコイル22jをSa、Sb、Scとし、それぞれRa_max,Ra_min,Rb_max,Rb_min,Rc_max,Rc_minと距離が得られているとすると、ソースコイル16iは次の8点を頂点とする微小空間内にその存在が制限される。
【0134】
Ra一max,Rb_max,Rc_maxをそれぞれ半径とする球の交点
Ra一min,Rb_max,Rc_maxをそれぞれ半径とする球の交点
Ra_max,Rb_min,Rc_maxをそれぞれ半径とする球の交点
Ra_max,Rb_max,Rc_minをそれぞれ半径とする球の交点
Ra_min,Rb_min,Rc_maxをそれぞれ半径とする球の交点
Ra_min,Rb_max,Rc_minをそれぞれ半径とする球の交点
Ra一max,Rb_min,Rc_minをそれぞれ半径とする球の交点
Ra_min,Rb_min,Rc_minをそれぞれ半径とする球の交点
そして、これら8点の囲む微小領域の重心点をソースコイル16iの位置座標として出力する。さらに、センスコイル22jの数が多くなるほど、ソースコイル16iの存在可能領域はさらに小さく限定でき、ソースコイル16iの位置をより正確に得ることが出来る。
【0135】
このソースコイル位置限定方法は、3個の球の交点を算出するという単純な算術計算であるので、その処理時間がかからない上、ソースコイル16iの存在領域をごく微小な領域内に限定することを可能にした極めて優れた方法である。
【0136】
このようにして各ソースコイル16iの位置座標の算出を行い、ステップS34のソースコイル16iの位置座標データを得る。これらのデータを用いて次のブロックB4の処理に移る。
【0137】
B4:画像表示ブロック
このブロックB4は、ソースコイル16iの位置座標データを基に、挿入状態にあるスコープ形状イメージをCRT上に描写するまでの処理を担う。
ソースコイル16iの位置座標は、挿入されたスコープの通過した軌跡である。そこで、これを基に挿入状態にあるスコープ形状を推定する。スコープの挿入形状が推定できたら、結果をCRT上に描写する。そのとき3次元のスコープ形状を2次元のCRT画面で表示しなければならないため、その描像がより3次元的に表されるような工夫が必要となる。
【0138】
又、スコープイメージが任意の方向に回転させられたり、今どのような方向からスコープイメージを眺めているのかが瞬時に判断できるようであれば、その使い勝手はさらに向上する。
このようなことを鑑み、このシステムにおいては以下のように機能別に分類し、それぞれのモジュールごとの特徴を加え合わせた表示方法を実現した。
【0139】
S41キーボード入力処理
S42スコープイメージ描写処理
S43基準面表示処理
S44マーカ表示処理
スコープイメージの描写には、これらすべてが必要なわけではないので、必要に応じて機能を取捨選択できる。
【0140】
この方法は、取捨選択可能なスコープ形状表示の補助手段を取り入れることで、より3次元的なスコープ形状イメージをCRT上で再現できる、という点で優れている。
そこで各モジュール毎の特徴を以下で説明する。
【0141】
S41:キーボード入力処理
ここでは、与えられたユーザコマンドに対応するキー入力がなされた場合、その内容に応じて設定パラメータ等を変更するまでを担う。
【0142】
ユーザからの要求が高いと考えられる付加機能が装備されていることは、そのシステムの使い勝手を左右する。又、機能選択は平易な作業であり、ユーザが望む際には常に操作が可能で、ユーザの要求内容が速やかに実現される必要がある。
【0143】
このステップS41は具体的には図20に示す処理を行う。
まずステップS41_1に示すようにキーボードからの入力取得を行う。
キー入力がなされているときには、入力キー変数KBにその入力内容が代入される。
【0144】
次にステップS41_2でコマンド誤入力のチェックを行う。ここで、入力されたキーが誤ったものでないかを判断する。具体的にはコマンド誤入力フラッグのチェックにより行う。このフラッグがONのとき、さらに次の判断処理のステップS41_4で入力キーが誤りでないかどうかの判定を行う。一方、OFFであれば、次のコマンド処理のステップS41_3に進む。
ステップS41_4では、入力キーが本当に正しいのかの確認を行う。3通りの判断結果を処理する。
【0145】
Yesの場合:キー入力に従ってコマンドを処理する。
キー入力の内容を一時的に保存した変数dumyの内容を入力キー変数KBに代入(S41_5)した後、コマンド処理のステップS41_3に進む。
Noの場合:キー入力の内容は破棄される。入力キー変数KBの内容を破棄し、コマンド誤入力フラッグをOFFに設定する(S41_6)。
【0146】
未入力の場合:誤入力にユーザが気付くのが遅れる場合がある。しかし、そのようなときでもスコープイメージは、更新される必要がある。ここは、これに対応するための処理であり、コマンドが正しいのかの判断がなされるまで何も処理を行わず、他のコマンド処理を禁止する。
【0147】
この手続きによって、ユーザがキー操作を誤ったとしても、安全にコマンドキャンセルが可能になる。
次にコマンド処理のステップS41_3の内容を説明する。
【0148】
ここでの処理は、入力されたコマンドを処理し、スコープイメージの作成に反映する。このコマンド処理の具体的内容は図21に示すように13個の処理3_1ないし3_13を行う。
【0149】
3_1.x軸回りのイメージ像の回転
x軸回りに視点位置を回転したときに得られるイメージ像を出力する。
例えば、xキーが入力されるとx軸方向に視点が回転する。こうして移動した視点位置座標より、回転角を算出する。この回転角を変数pitchに代入する。この変数は、スコープイメージを作成する際のアフィン変換で参照され、x軸回りに回転した出力像が得られる。
【0150】
3_2.y軸回りのイメージ像の回転
y軸回りに視点位置を回転したときに得られるイメージ像を出力する。
例えば、yキーが入力されるとy軸方向に視点が回転する。こうして移動した視点位置座標より、回転角を算出する。この回転角を変数headに代入する。この変数は、スコープイメージを作成する際のアフィン変換で参照され、y軸回りに回転した出力像が得られる。
【0151】
3_3.z軸回りのイメージ像の回転
z軸回りに視点位置を回転したときに得られるイメージ像を出力する。
例えば、zキーが入力されるとz軸方向に視点が回転する。こうして移動した視点位置座標より、回転角を算出する。この回転角を変換bankに代入する。この変数は、スコープイメージを作成する際のアフィン変換で参照され、z軸回りに回転した出力像が得られる。
【0152】
3_4.イメージ像の拡大&縮小
原点と視点位置との間隔を遠ざけたり接近させたりした場合のイメージ像を出力する。
例えば、Eの表記で識別されるEキーが入力されると、方向を変えずに視点位置と原点との距離を像かする。このときの新しい視点位置と原点との距離が、変数viewpointに代入される。
【0153】
また、この視点位置の変化に対応して、3次元像を2次元像に投影する面(プロジェクトスクリーン)の位置も変化させ、変数screenに代入する。これは、視点位置の変化に伴うパースペクティブを調節するためである。これらの変数が、3次元ー2次元投影(3D→2D投影と略記)変換の際に参照され、イメージを拡大縮小した出力像が得られる。
【0154】
3_5.初期視点位置からイメージ像表示
回転、拡大或は縮小によって変更された視点位置を装置側で規定する初期視点位置に戻し、そこから見たイメージ像を出力する。
【0155】
例えば、初期視点位置を(0,0,100)に設定しておき、Rの表記で識別されるRキーが押されたとき視点位置をセットすることにすると、Rキー入力で、変数pitch、head、bank、viewpoint、screenの各変数に初期視点位置から計算される値がまとめて代入される。これらの変数は、3_1〜4と同様にして参照され、初期視点位置からの出力像が得られる。 これにより、視点をどの方向に回したかが分からなくても、視点位置をリセットすることが可能になる。
【0156】
3_6.ユーザ登録視点位置からのイメージ像表示
この機能は、3_5と同様である。大きな違いは、視点位置が装置側で規定する初期値でなく、ユーザ登録された視点位置、ということである。ある視点位置のユーザ登録法は、次の3_7に示される。登録できる視点位置は、幾つでも良い。 この機能により、視点位置をどのように変化させた後でも、瞬時にユーザの好む視点位置からの出力像を得ることが可能になる。
【0157】
3_7.視点位置のユーザ登録
ある視点位置から出力されたイメージ像を任意の時に見られるように、ユーザはこの視点位置を登録することができる。ここで、視点位置を登録すると、3_6の機能を使用することができる。
【0158】
例えば、Uの表記で識別されるUキーを押すと、その時点での視点位置座標をデータとして保存する。或いは、視点位置座標から計算した、変数pitch、head、bank、viewpoint、screen等を保存しても良い。この登録キーは複数用意されていて、複数の視点位置を保存することができる。また、一度保存した視点位置座標のデータを更新することも可能である。
【0159】
3_8.イメージ出力の画面の複数分割
イメージ出力は、通常1画面であるが、これを複数に分割して、複数の視点位置からのスコープイメージの同時出力を可能にする。
【0160】
例えば、2或は4の表記で識別される2又は4キーを押すと画面が2或は4分割される。このとき、画面分割量に応じ、分割された画面にスコープイメージ像が収まるように座標変換が行われる。0の表記で識別される0キーを押すことにより、複数に分割された画面のアクティブ画面を選択できる。
【0161】
3_9.コメント入力の画面表示
テキスト出力画面を患者のリストやシステムの使用状況に関するコメント入力画面に切り換える。
例えば、Tの表記で識別されるTキーを入力すると視点位置座標等を出力している画面にコメント入力テキスト画面をオーバーラップさせ、カーソルを出力してコメント入力を促す。
【0162】
3_10.背景色の変更
周囲の影響等のためスコープイメージが見にくいとき、パレット変更により背景色の色合いを変更できる。
例えば、Bの表記で識別されるBキーを入力すると、背景色を決定しているRGBパレットのBに関するパラメータ値を変化させることができ、微妙な色合いを変更できる。
【0163】
3_11.マーカ表示のON/OFF
このシステムでは、挿入状態にあるスコープイメージと独立して、指等に付けた単独コイル(以下、マーカ)の位置を表示する機能を有している。術中にマーカを使うことになった場合、例えば、Mの表記で識別されるMキーを押すことにより、マーカの位置がCRT上に表示される。
【0164】
これは、Mキーを入力すると、マーカをCRT上に出力するためのステータスフラッグが設定される。設定されていると、マーカを表示するプログラムルーチンを実行され、マーカが表示される。マーカ使用後は、再びMキーを押す。ステータスフラッグが解除され、マーカを出力するためのルーチンを通過することを禁止して、マーカの表示を取り消す。
【0165】
この機能により、マーカとイメージ出力像を比較することができ、イメージされたスコープ像の位置を知るための補助手段としてマーカが提供できる。
【0166】
3_12.ソースコイル座標の数値表示ON/OFF
通常出力されるイメージ像はその形状のみであるが、例えばNの表記で識別されるNキーを入力すると、イメージ像と同時に検出されたソースコイル座標の数値が出力できる。
ON、OFFの手段は、3_11の場合と同様である。例えば、Nキーを入力することにより、数値表示のためのステータスフラッグが設定される。数値表示が不要になれば、再びNキーを入力することで、ステータスフラッグを解除し、数値表示を取り消す。
【0167】
これより、視覚的な位置関係に加え、数値的な位置関係も得ることができる。3_13.プログラム終了
プログラムをより安全に終了させる。
【0168】
例えば、Qキーを押すとプログラムが終了できる。但し、誤ってQキーが入力されたときにプログラムが終了してしまうことを避けるため、次のような対応がなされている。
【0169】
(3_a)コマンド誤入力フラッグを確認する。
(3_b)フラッグがOFFであれば、フラッグをONにし、入力キー変数KBの内容を、変数dumyに代入する。
【0170】
(3_c)フラッグがONであれば、入力キー変数KBに従い、コマンドを実行する。
この手続きにより、システム使用中に、プログラムを誤って終了してしまう危険を回避できる。
【0171】
上述したように各コマンドーつ一つに対して、一つのキーが割り当てられている為、操作はきわめて平易である。
そして、あるキーが押された場合、その機能の変更を実現するために必要なパラメータを設定するだけであるため、プログラムの流れを妨げることはない。
【0172】
さらに、これらのコマンドの機能を実現させるためのパラメータは、1回の処理(ソースコイルが駆動され、磁界が検出され、ソースコイル位置が検出され、それからスコープ形状がCRT出力されるまで)の間のどこかで必ず参照されているため、コマンド要求通りに機能が実現されるまでのタイムラグも、きわめて小さい。
【0173】
この方法は、ユーザのキー入力に対して瞬時に対応できるにもかかわらず、スコープ形状描画へ与える影響はきわめて小さいという優れた手段である。
このステップS41_3の処理の後に次のステップS42のスコープイメージ描写処理に進む。
【0174】
S42:スコープイメージ描写処理
ここでは、磁界検出から得られたソースコイル位置座標から、スコープ形状を作成し、そのイメージ像を3次元的にCRTに表示するまでを担う。得られるソースコイルの位置座標は、スコープに挿入されたソースコイルの数の飛び飛びのデータである。そこで、これらのデータを基に、挿入状態にあるスコープ形状を推定しなければならない。さらに、このようにして得られたスコープ形状データを、いかに3次元的な形状としてCRT上に出力できるかが、このシステムの最大のポイントとなる。
【0175】
このスコープイメージ描写処理の処理フローは、図22の通りである。各々の詳細な処理内容は、各ブロック毎に触れることとし、より現実的な表示を実現するために、なぜ必須であるのかを順を追って触れていく。
【0176】
S42_a:算出されたソースコイル間の3次元補間
ステップS42_aの算出ソースコイル間の3次元補間の処理では、磁界強度検出によって算出されたソースコイル位置座標は離散的であるため、この算出データのみをつないでも軌跡が角張ってしまい、連続的に位置が変化するスコープ形状に対応しない。滑らかな全体のスコープ形状を作成するために、ソースコイル位置座標データに対して3次元補間を実施する。
【0177】
S42_b:3次元モデルの構築
現実のスコープは太さを持っているため、いくら滑らかなデータ点が得られているとしても、太さを持たない直線等で結び合わせたのでは現実のスコープを描写したとは言えない。そこで、ステップS42_bの3次元モデルの構築の処理では捕間データ間の連結を円柱またはn多角柱モデルで行い、太さの点においても実際のスコープ形状に対応して表示できるようにする。
【0178】
S42_c:アフィン変換
スコープ形状は、指定された視点位置から見た像として出力する。そこで、ステップS42_cのアフィン変換の処理では、ソースコイル位置導出の基準座標系としての世界座標系で得られているスコープ形状モデルデータを、画面表示用の視点座標系に変換する。なお視点位置は、ユーザが変更することが可能である。変更された内容は、ここで参照される。
【0179】
S42_d:3D→2D投影
本来スコープ形状は3次元であるが、その像をCRT画面上に出力するためには2次元に変換しなければならない。そこで、ステップS42_dの3次元像から2次元像への投影変換を行う。このとき、パースペクティブなどで、遠近を強調しても良い。
【0180】
S42_e:レンダリング
これまでの処理によって得られたスコープ形状イメージをCRT上に描写する。描写を行うにあたり、ステップS42_eのレンダリングの処理では、n多角形の側面処理、スコープのループの前後を表現するための陰線処理を行う。遠近によるシェーディング処理での階調表示、スコープの曲率等によりスコープモデル側面の輝度や彩度の調整を行う、等の処理を実施して、立体間をより強調しても良い。
【0181】
なお、上で述べたいくつかの項目は、必ずしも実施することが必要ではない。もちろん、実施すればその改良項目が持つ効果を含めた形でCRT上に描像が再現できる。また、図22に示す順序で行うことが必要というものでなく、挿入部形状を表示するモデルに応じてその順序を変更することにより、より短時間で同等の処理を行うことができる場合がある。
【0182】
これらの処理を通じて、数個のソースコイルの位置座標のみから、挿入状態にある3次元スコープ形状をCRT上に再現することが出来る。
また、この実施形態では、スコープの表示として以下のようにn角形柱モデルと、n角形連結モデルとを選択できるようにしている。従って、以下の具体例に沿って、3次元モデル構築等を説明する。
【0183】
まず、n角形柱モデルの場合を説明する。このモデルでは例えば図14に示すように挿入部の横断面を正n角形にモデル化してn角形柱として表示する(図14ではn=5としている)。nの数を大きくすると殆ど円となり、この場合には円柱として表示することになる。
【0184】
このモデルでの表示の処理内容のフローは図23となる。
図23(a)で、ステップS42_1の補間&3次元モデルの構築の処理は、図23(b)に示す処理を行う。
【0185】
ここでは、まずステップS42_1の3次元のBスプライン補間を実施している。この補間は、内挿点を必ず通るタイプの補間ではなく、その内挿点の近傍を通りながら滑らかな曲線を作成するものであり、内挿点を必ず通過する自然スプラインに比ベ、その計算処理が平易である。もちろん、自然スプラインを用いても、他の補間法を用いても、近似函数による補間でも良い。
【0186】
計算処理が比較的平易なBスプラインは、3次元捕間を実施しても処理速度が早いという点で優れている。
次にステップS42_12の3次元モデル構築としてn角柱モデル構築を行う。
【0187】
ここでは、ソースコイル位置座標の捕間データから、n多角柱モデル(以降、円柱も含んでいる、とする)によって、立体的なスコープイメージを構築する。実際の処理は図24に示すフローのようになる。
ソースコイル位置座標を補間したi番目とi+1番目のデータに関するn多角中モデルを作成する場合を考える。
【0188】
まず、ステップS51のようにiからi+1の点に向かう方向ベクトルPとその大きさ|P|を求める。
次に、ステップS52のように原点が始点となるように上記ベクトルPを平行移動する。平行移動したベクトルをKとし、その大きさを|K|とする。このベクトルKを図25(a)に示す。
【0189】
次に、ステップS53のようにベクトルKを座標軸の軸方向、例えばy軸に一致させる(ここでは、まずy軸回りに回転させ(図25(b))、次にx軸回りに回転させる(図25(c))ことでベクトルKをy軸方向に一致させる)。
【0190】
次に、ステップS54のようにy軸方向を向くベクトルK上の2点y1,y2を決定する。但し、a≦y1<y2≦|K|−a,2a<|K|とする(図26(a))。
次に、ステップS55のように2点y1,y2からベクトルKに垂直で大きさがaのベクトルA1,A2を作成する(図26(b))。
【0191】
次に、ステップS56のようにベクトルA1とA2を(360/n)°刻みで回転させ、A1,A2の座標を得て、これをn多角柱の基本データとする(図26(c))。
次に、ステップS57のように求めたデータの上面、底面のy軸の値をプラス、マイナスすることにより、基本モデルデータを作成する。
【0192】
次にステップS58のように得られた基本モデルデータ対し、ベクトルPをy軸方向に揃えた場合に行った変換の逆を行うと、ベクトルPの周りにn角柱モデルデータが作成できる(図27(a))。
次にステップS59の判断で再びステップS51に戻って同様な処理を全補間データに実施すると、スコープ形状のn多角柱モデルデータが出来上がる(図27(b))。
【0193】
ここで、上述したa≦y1<y2≦|K|−a,2a<|K|の条件におけるaについて説明する。もし、この条件を考慮しないで、ベクトルKに対するモデルデータを点iの周りに作成してしまうと、モデルデータが図28(a)のような重なり合いを起こし、スコープ形状が滑らかに表示できない。上記の条件があれば、n多角柱モデルデータは重なり合うことがないため、各モデルデータ間を図28(b)の点線のように結ぶことによって、滑らかなn角柱モデルを作成できる。
【0194】
モデルデータ算出に対して、ベクトルPをある軸の向きに揃え、もう一度逆変換するという作業は手間がかかるように思われるが、各軸回りの単純な回転で表されるため、その計算はきわめて容易である。
この方法は、軸回りの回転のみでn角柱モデルデータが算出できるという点で優れた手段である。
【0195】
もちろん、ベクトルPの回りで角柱モデルを作成するための変換式を算出することは、ベクトルPの向きが一定ではないため、難解な式となるが、これを使って角柱モデルを作成しても良い。
【0196】
次に図23(b)のステップS42_13のアフィン変換を行う。このアフィン変換はコンピュータグラフィックスで図形の座標変換を行う時に用いられる方法の1つで、座標変換を扱う場合に一般的に行われる。平行移動、回転、拡大、縮小等の単純な1次の座標変換は全てアフィン変換に含まれる。図29はx軸の回りの回転角(ピッチ角)、y軸の回りの回転角(ヘッド角)、z軸の回りの回転角(バンク角)によるアフィン変換の様子を示す。
この処理では、前述の世界座標で表されているスコープモデルデータを、ある視点位置から見たモデルデータに変換する。
【0197】
視点位置は、任意の方向に設定できるようにしている。そのため、視点位置がどの方向に移動したかを追跡し、その方向に追従する形でモデルデータを移動させることは、きわめて難解な処理を必要とする。そこで、視点は固定しているものと仮定し、本来動くことはないはずの世界座標系を便宜的に回転させる。これは、図30に見られるように、視点を移動させた像を得ることと同様の結果を与える。
【0198】
この方法は、視点がどの方向に移動した場合でも、世界座標系を便宜的に回すことで対応できるため、視点の移動に対するタイムラグをきわめて小さくできるという点で優れた手段である。
【0199】
次に図23(b)のステップS42_14の3次元−2次元投影(3D→2D投影)の処理を行う。
3次元像から2次元像への投影変換を行うこの3D→2D投影の処理では、以下に示す投影法を行うことで、目的に応じて遠近法的等で表示が実現できる。
【0200】
a)パースペクティブをつける場合、
3次元形状は、視点に近いものほど大きく、遠いものほど小さく見える。これは、3次元モデルデータを2次元データに変換する処理で実現できる。
【0201】
3次元座標を2次元平面に投影するために、仮想的にスクリーンを視点に対して垂直に、かつ3次元画像(S42_13までで得られた3D像)の反対側に配置する(図31(a)参照)。このような状態で視点から見た物体の投影面は、図31(b)のように、視点に近い側の投影像P1が、遠い側の投影像P2より大きくなる。投影スクリーンの位置を前後させ、パースペクティブの強調の度合いを変化させることも容易である。
【0202】
この方法は、2次元投影描像に対し、3次元的な奥行きを容易に付けることが出来ると共に、その強調の度合いを変化させることも容易であるという点で優れている。
【0203】
投影スクリーンを視点に対して対向する位置に設ける場合、角度を付けても良い。これは、スクリーンの傾け方で投影描像がどのように変化するかを見ることが可能になるため、パースペクティブの強調度合いを確認できる。
【0204】
b)パースペクティブをつけない場合、
また、パースペクティブを付ける代わりに、図31(c)のような投影方法も考えられる。このときの投影描像は、視点位置によらず全て等しい太さP3の像で表される。パースペクティブがないため、奥行き感はやや乏しくなるが、パースペクティブの影響で視点を接近させたときに描像が極端に大きくなりすぎたり、遠ざけたとき小さくなりすぎたりしないという点で、優れている。
【0205】
次にステップS42_15のレンダリングの処理を行う。この実施形態では図23(b)に示すようにペーストモデル表示PMとワイヤフレームモデル表示WMとの処理から選択できる。
【0206】
これらのモデルでの表示の説明に移る前に上述した世界座標系等の座標系を図32に示す。図32(a)はベッド4に固定された世界座標系を示し、図32(b)はユーザにより設定される視野座標系を示し、その原点は世界座標系の原点に一致する。また、図32(c)はスコープ形状の表示に使用されるモデル座標系を示し、世界座標系に一致する。
【0207】
また、図33はスコープ形状の表示を行う処理の途中で、各処理に適した座標系が採用されることを示す。例えば、ソースコイル座標は世界座標系であり、ソースコイル座標に対し、回転処理を行って、「視点」から見たソースコイル座標(つまり視野座標系)を求めた後、離散的なソースコイル座標に対し、データ補間を行ってデータ補間済みの「視点」から見たソースコイル座標を求める。
【0208】
次に3次元モデル構築処理で、ワイヤフレーム等によるスコープモデルを生成した後、2次元画面に表示するために、3次元ー2次元変換(透視投影変換)処理を行って、2次元データ、3次元データを生成し、擬似の立体画像をレンダリング処理して表示する。
【0209】
次に図23(b)のペーストモデル表示PMを説明する。このモデルはn多角柱の各面を塗り潰すのでペーストモデルと呼ぶ。
スコープ形状イメージをCRT上に描写する際の、n多角形の側面処理、スコープがループ状になった場合におけるその前後を表現するための以下に述べる1_aの陰線或は隠れ面処理を説明し、次にそのほかの立体感を強調するための処理を説明する。
【0210】
1_a:陰線或は隠れ面処理
スコープモデルをn多角柱で表示する場合、n個の側面を持つことになる。そのうち、実際に見えるものは、視点方向側の側面のみであり、従って視点方向側の側面のみ見えるように表示し、見えない側面或は辺等を隠すように表示する処理、つまり陰線或は隠れ面処理(以下、単に陰線処理とも記す)を行う。
【0211】
そこで、各側面が視点位置にどれだけ近いかを表すパラメータ(zバッファと記す。これは物体のz値(視点からの距離)をバッファメモリに記憶したものに由来する)をソートし、zバッファが小さい(つまり、視点から遠い)側面より書き始める。側面の張り付け方は上書きとする。
この方法は、zバッファの小さい面の上から、zバッファの大きい面を上書きしつつ書き換える領域を求めて書き換える領域のみ描画するので、処理速度が向上する。
【0212】
さらにこの方法は、スコープモデルがねじれの位置にあるようなとき、どちらが上側になるかを判断する際にも利用できる。一般にスコープモデルがねじれの位置にあるようなとき、どちらが上なのかを調べ、上書きして良いのか、下をくぐる形になるのかを判断しなければならない。
【0213】
この方法は、確実ではあるが、やや処理時間がかかる。そこで、モデル全体のzバッファをすべてソートしてしまい、小さいものからレンダリングしていくとすると、たとえねじれの位置にある場合でも、上側にあるモデルが必ず後から描かれるため、条件判断をする必要がなくなる。実際にzバッファ法ではポリゴンの処理の内部で画素を単位とする前後判断を行っている。
これは、スコープモデルの全体形状をより短時間で作成できるという点で優れた手法である。
【0214】
具体的には図34に示すようなフローで陰線処理を行う。まずスコープ形状座標データ等の立体画像データを取り込み、ステップS61で各側面が視点視点位置にどれだけ近いかを表すパラメータ(各物体を構成するポリゴン毎に処理を行うzバッファ法のzバッファ値)をソートし、zバッファ値の小さい順にする。次のステップS62でポリゴンデータからその面を規定する2方向ベクトルを求め、その面の法線ベクトルNを求める。
【0215】
次のステップS63で光線ベクトルIをセットし、次のステップS64で法線ベクトルNと光線ベクトルIとのなす角度を求めるために、法線ベクトルN、光線ベクトルIのそれぞれの大きさに0.0005プラスした値をそれぞれの値の拡散反射光値とする。
【0216】
次のステップS65で、法線ベクトルN、光線ベクトルI、拡散反射光値よりランバート(Lambert)の法則(入射した光は全ての方向に等しく拡散する)により光の強度tを求める。
【0217】
次のステップS66で、光の強度値が0以上か判断し、0以上の場合には次のステップS67で視点から遠いポリゴンの面にペイントし、次の判断のステップS68に進むする。一方、0未満の場合には光が当たっていないことになるのでステップS68に移り、全ての面データが終了したか否か判断し、全ての面データに対して上述の処理を行って、終了する。
【0218】
本装置において表示装置にスコープ形状の1画面分を作画するのに必要な時間が長くなっているため、同一の画面上で作画・消去を繰り返すと表示されたスコープの動画像はちらついて見えてしまう。そこで、図35(a)に示すように表示している画面(以降、表画面という。)とは別に表示されない画面(以降、裏画面という。)を設け、現在の表画面の次の画面を裏画面上で作画したのち表画面と入れ換えるようにする。
図35(b)に示すフローを参照して以下にちらつきを防止する裏画面を使用した表示方法について説明する。
【0219】
まずステップS71に示すように作画対象画面を裏画面に指定し、さらにステップS72でその裏画面上の図形を消去する。つまり、表示に用いるビデオ表示用メモリとしてのVRAMに、表画面用と裏画面用を用意し、表画面が表示されている間に作画の対象画面をその時点で表示されていない裏画面のVRAMに指定し、さらにその裏画面のVRAMにかかれた図形を消去する。
【0220】
次のステップS73で消去の済んだ裏画面にスコープ、基準面、マーカ等の必要な画像を作画する。この作画が終了したら、ステップS74に示すようにこの時点まで表示していた表画面と最新の画像の描かれた裏画面とを入れ替え、作画が終了した画像を表示する。この表示の間に、表画面から入れ替えられた裏画面は次の作画に使用される。
【0221】
この作業によって1枚の画面が作画されていく課程がユーザに見えず、瞬間的に次の画面と入れ替わるためにユーザからみた動画像にちらつきが生じなくなる。
【0222】
1_b:立体感強調処理
ここでは、挿入状態にあるスコープ形状モデルとして構築されたn角柱モデルによるイメージ像に、立体感や奥行きをより強調する為の処理を担う。
挿入状態にあるスコープ形状は、3次元形状である。しかしながら、イメージを表示する媒体(CRT)は2次元であるため、3次元的なイメージ像をCRTにいかにして表示するかは、そのシステムの使い勝手に大きく影響する。以下は、立体感や奥行きを強調する処理の例である。
【0223】
1_c:シェーディング処理
スコープ形状は3次元であるため、光線の当たり方によって明暗が出来る。これは、このような明暗を階調表示することによって再現する手段である。
スコープの曲率によって明暗は多様である。利用できる色数は、ハードウェア毎に例えば4096色中16色というような制限が存在し、利用可能な色数が少ない場合は、デフォルトの階調も少ない。そこで、この階調を有効に利用できるように、パレット変更を実施する。色合いは、光源ベクトルと各スコープモデリングの側面に対する法線ベクトルのなす角度により設定した。
【0224】
この処理は、図36のように行われる。スコープイメージは、n多角柱表示されている。まずステップS81でパラメータiを1にセットし、次のステップS82でn角柱のi番目の側面の法線ベクトルNを求める。
【0225】
次のステップS83でその側面を構成する4角形に対する法線ベクトルNと、光源ベクトルIとの内積をとる。光源ベクトルIは、視点位置から原点を向くものとする。
【0226】
次のステップS84で内積の値に応じた明るさで側面に色を付ける。この場合、内積が0であるときは、最も暗い色で、内積=1の時は最も明るい色で表示する。それ以外は、利用できる階調の量で均等分する。もちろん、幅広い階調を設定できるほど、立体感を滑らかに表現できる。
【0227】
次にパラメータiを1つインクリメントし(ステップS85)、iがnと等しいか否かの判断を行い(ステップS86)、n番目の側面まで同様の処理を繰り返す。
【0228】
この方法は、光源方向と視点方向が一致しているため、視点方向が常に最も明るく表示される上、階調表示によって、スコープ描像の立体感がより強調できるという点で優れている。もちろん、光源位置と視点位置とを別にしても良い。このときには、光源の位置によっては視点の正面方向であっても暗い表示になり得るため、スコープ描像の奥行きを強調したい場合に特に優れた手段である。尚、最も暗い階調色とバックグランドカラーとをはっきり区別するため、バックグランドカラーを色づけしても良い。
【0229】
1_d:色の輝度や彩度の利用
利用できる色数が、例えば16384色中256色のように特に豊富な場合には、シェーディング処理を色彩で行うことが出来る。
処理内容を図37に示す。基本的にシェーディング処理と同様であり、図35のステップS84での“明るさ”がこのフローではステップS84′で“色彩”に変更されていることのみ異なる。従ってそのフローの説明を省略する。
【0230】
色が豊富に使用できるため、例えば光源方向に面したスコープモデルの側面を暖色で、反対方向の側面を寒色で表示させることが可能になる。もちろん色の設定はこれに限られるのではない。
【0231】
これは、スコープの明暗を色彩豊かに表示できるため、単に明暗を表示する場合に比べ、スコープの立体感を強調できる。また、CRTの設置環境等の影響でCRTのコントラストを抑えなければならないような場合でも、スコープ描像が見づらくなることはない、という点で優れている。
【0232】
更に、輝度の利用と組み合わせることで、より多彩な表示も可能になる。例えば、光線方向を彩度で、視点からの距離を輝度で表示する。こうすることにより、スコープの立体感が色彩の違いで、視点方向からの奥行きを輝度の違い表示することが可能になり、より3次元的な描像を実現できる。もちろん、立体感を輝度で、奥行きを彩度で表現しても良く、奥行きも視点方向からだけではなく、任意の方向からの奥行きを表現しても良い。たとえば、ベット面からの高さ方向に色合いの違いを付ければ、その色合いでスコープの挿入状態が順調であるかを確認できる。
【0233】
この彩度と輝度を用いた処理を図38のフローで示す。このフローは図37のフローとステップS83までは同じであり、次のステップS84の代わりにステップS84aで始点から側面までの距離を算出する処理を行い、さらに次のステップS84bで距離に応じた輝度と、内積の値に応じた彩度で側面に色を付ける処理を行うようにしている。
【0234】
この方法では、スコープイメージの立体感や奥行きをより3次元描像で実現できると共に、ある位置からの相対位置の予測が可能になるという点で、優れた手段である。
【0235】
次にワイヤフレームモデル表示WMの処理について説明する。
n角柱モデルの辺をのぞいた部分をバックグランドカラーで塗りつぶした場合と同じ結果となるが、これは、n角柱モデルの面を張る(ペイント)ための処理時間短縮のため、選択使用できるようにしている。
【0236】
なお、このモデルでは、zバッファの小さい順に書くと、スコープモデル奥側のワイヤが見えてしまう。そこで、それを取り除く陰線処理を適宜実施するか、zバッファの大きい順に(n/2)番目のモデルデータまでワイヤフレームを描くことで、陰線処理したモデルが構築できる。
【0237】
この表示のフローを図39に示す。まずステップS91でn角形モデリングを行い、次のステップS92でモデリングで得られた頂点を直線で結ぶ。この状態では、スコープモデル奥側のワイヤが見えてしまうので、次のステップS93で陰線処理を行うことでワイヤフレームモデル表示WMによるスコープ像を得られる。
【0238】
次には図23(a)では基準面表示のステップS42_2と、2点マーカ表示S42_3を行う。これらのステップS42_2、S42_3の処理は付加的な処理である。
基準面表示の処理は、ベット面等の基準面を表示することで、スコープ形状の3次元表示を視覚的に分かり易くする補助的な役目を担う。
【0239】
この実施形態ではCRTに表示される描像は、スコープ形状のイメージのみであり、そのイメージと体内の臓器との位置関係は分からない。すると、視点位置を回転させてしまうと、どの方向からスコープ形状を眺めているのか、頭の方向がどの向きを向いているのか等に関する情報は、テキスト表示される角度の数値情報だけである。これは、感覚的な判断には不向きである。そこで、このような判断を感覚的に行えるような補助手段を設けた。
【0240】
ここでは、図23(c)に示すようにして実現される。
まずステップS42_21のアフィン変換を行う。この処理では世界座標系の基準表示シンボルを視点座標系に変換する。
次にステップS42_22の3D→−2D投影を行う。
視点座標系に移された基準表示シンボルをCRT表示出来るように、2次元に投影する変換処理を行う。
【0241】
次にステップS42_23の基準面となるベッド等のシンボル表示を行う。 スコープイメージの3次元描像を補助するようなシンボルを表示する。シンボルの具体例については、以下で触れる。
【0242】
このようにすることにより、基準面位置や基準面からのスコープ形状の離れ具合、患者の頭方向が視覚的に判断でき、スコープ形状の位置等の判断基準を提供したという点で優れている。
次に、基準表示シンボルの具体例として2_aのベッド面表示等について説明する。
【0243】
2_a:ベット面表示
世界座標系のx−y平面に平行で、z軸に垂直な基準面を表示する。z座標はベット面(z=0)でも、その基準となり得るような位置であれば、どの位置でも良い。この面は、視点座標と共に移動しない。つまり視点位置が、x軸方向y方向に回転すると、ベット面は線で表示される。頭方向が分かるように、枕のような長方形や、右肩、左肩或いは両方の方向にマーカを付けても良い。
これは、単純な一枚板で表されるため、スコープ描像の邪魔にならず、視点の回転も認識できるという点で優れている。
【0244】
2_b:基準マーカ表示
図40(a)に代表される表示である。ここでは、両肩方向に2つのマーカm3、m4と、足方向にマーカm5が存在する。肩のマーカm3,m4はz座標に垂直な向き、足方向のマーカm5はx座標に対して垂直方向を向くため、z方向から見たときにはこの図40(a)のように線分で表示される。
【0245】
そのため、視点位置がx軸方向に回転すると両肩のマーカm3、m4が線分で表示されるように変化し、足方向のマーカm5が正面を向き、円形のマーカになるので、方向が分かる。上下でマーカ数が違うのは、頭方向を識別し易いように記述するためである。マーカの数や形は任意で良く、どのマーカをどの軸に対応付けるかも任意である。マーカを立体にして、グラデーションや輝度彩度等を付けても良い。
この方法は、スコープ形状とマーカとが重ならないため、スコープ形状が見やすいという点で優れている。
【0246】
2_c:直方体表示.
2_aのベット表示にz方向のフレームを加え、直方体として表示したシンボルである。直方体の大きさは任意であるが、システムの検出範囲或いはそれ以上であるとスコープ形状が直方体内で表示されることになり、スコープが挿入状態にある、という感覚が増加する。さらに、z方向にも箱の高さがあることで、モデルのz座標を推定することが容易となる。
【0247】
この方法は、スコープが挿入状態にあるという臨場感を引き起こすことで、スコープ形状を実際に挿入状態にあるスコープとを結び付けやすい、という点で優れている。
逆に、スコープイメージの一角に、ブロックを表示し、視点の移動に連動して回転しても良い。
【0248】
2_d:混合表示
これまでに挙げた基準シンボルを組み合わせても良い。図40(b)は、2_aのベッド面表示と2_bの基準マーカ表示とを組み合わせた場合である。このようにすると、z軸に対する基準が面表示で、回転や回転したときの頭方向の情報がマークによって認識できる。そのほか表示をどのように組み合わせても良い。
【0249】
このような手段は、それぞれのシンボルの効果を共用できるという点で優れている。
次に図23(a)のステップS42_3のマーカ表示の処理を行う。
【0250】
このマーカ表示の処理では、スコープに挿入されているソースコイル16iとは別に、単独のソースコイル位置を算出し、表示するまでを担う。スコープ内に挿入された位置がどのような位置にあるのかを確認する手段として、スコープ内のソースコイル16iとは別個に動きうるマーカ1個以上を表示する手段を設けた。
【0251】
実際の装置上では、位置算出手段はスコープに挿入されているソースコイル16iに用いるものと全く同じであり、表示手段もこれまで同様で、図23(d)に示すようにステップS42_31のアフィン変換→ステップS42_32の3D→2D投影→ステップS42_33のマーカ表示という処理になる。
従って、ここでは、マーカ形状出力の具体例として
n角形(円も含む)による表示
を説明する。マーカの表示をこのような形で表示すると、色が多数使えず、スコープ形状と同色を使わざるを得ない装置構成の場合、スコープ形状と重なりあっても区別することが出来る。
【0252】
このマーカ表示は、視点の回転に応じて形が変化させることで、どの方向から見ているかを認識できる。また、視点に対して常に正面となるように対応付けしていても良い。このときは、マーカからは視点方向が認識できないが、常に一定の大きさのマーカが出力されるという点で、優れている。
【0253】
これは、また、マーカが球形であるとした場合と同様な表現となる。尚、もしマーカが球形である場合は、グラデーションや、彩度輝度等の情報を与えることによって、視点の方向や奥行きを表示することも可能である。
【0254】
このような手段を用い、体外でマーカを移動させることで、挿入状態のスコープ形状の位置をマーカと関連させて確認する等が可能になり、スコープ挿入位置を実際の患者の位置と関連付けて知る捕助手段を提供できる。
これまでではn角柱モデルでの表示を説明したが、次にn角形連結モデルでの表示を説明する。
【0255】
n角柱モデルは、そのスコープ形状がリアルに表示できるものの、処理時間が幾分かかる。そこで、モデル構成をより簡略し、高速表示を可能にしたn角形連結モデルを構築し、選択して使用(表示)できるようにした。
その処理フローは図41の通りである。ここに挙げられている処理で基本的な処理内容は、n角柱モデルで用いた場合と同じである。そこで、違いについて説明する。
【0256】
図41(a)のステップS42_1′の補間&3次元モデルの構築の処理の内容を図41(b)に示す。このモデルでは先にまずステップS42_11′でアフィン変換を行う。
【0257】
世界座標系から、視点座標系への変換であり、n角柱モデルでの処理(図23(b)のステップS42_13参照)と同様である。但し、n角柱モデルでは、補間データに対して変換を実施したが、ここでは、ソースコイル位置データに対して先に変換を実施している。
こうすることで、アフィン変換量が少なくて済み、プログラムの処理速度を向上させる。
【0258】
次のステップS42_12′で3次元補間を行う。
この処理も前述と同様である。違いは、n角柱モデルでは、世界座標系のデータであるが、ここでは視点座標系のデータである。
【0259】
次のステップS42_13′で3D→2D投影を行う。この処理も前述と同様である。しかし、今回は大きさのない点の投影となる。
次のステップS42_14′でn角形連結モデルの構築を行う。
【0260】
このn角形連結モデルの処理内容を図42に示す。この図42では図41(b)におけるレンダリングのステップS42_15′も含めて示している。
【0261】
まずステップS101で対象点から視点及び光源までの距離を算出する。次のステップS102でシェーディング処理を行うか否かの判断をする。シェーディング処理を行う場合には次のステップS103で光源までの距離に応じて、明るさを決定する処理を行った後、次のステップS104のパースペクティブ処理を行うか否かの判断に進み、またシェーディング処理を行わない場合にもこの判断の処理に移る。
【0262】
パースペクティブ処理を行う場合には次のステップS105で視点までの距離に応じて大きさを決定する処理を行った後、次のステップS106でn角形描画の処理に進み、このn角形描画の処理で各点をn角形の中心と一致させて各n角形を単に連結した描画を行い、n角形を連結した形の画像にする。またパースペクティブ処理を行わない場合にもこの描画の処理に移る。
【0263】
さらに次のステップS107でワイヤフレーム表示WMを行うか否かの選択判断を行い(つまり、ペーストモデル表示PMを行うかワイヤフレーム表示WMを行うかの選択を行い)、ワイヤフレーム表示WMでない場合には、次のステップS108のペーストモデルでの表示の処理に進み、ステップS103で決定した明るさで内部を塗り潰す。一方、ワイヤフレーム表示を行う場合には、次のステップS109で陰線処理を行ってワイヤフレームモデルで表示する。
【0264】
ここまでで、n角形を連結した形で、スコープ像を作成する。また、得られた点をn角形モデル形状の中心と一致させ、補間データ点の周りに‘肉付け’がなされた格好でイメージを出力しても良い。
以上の処理で、判断の処理でNOを選択した場合には最小限の機能をもつn角形連結モデルが出力される。
【0265】
この方法は、n角柱モデルの処理時間のかかるところを極力排除したモデルとなっており、非常に高速(n角柱モデルの処理時間1/2以下)で表示が可能であるといる点で優れている。
【0266】
尚、図42のフローにおいて判断の処理でYESを選択して、n多角柱モデルの時と同様な付加処理を加え、立体感をより強調しても良い。基本的な処理は同じであるので、違いのみが分かるような簡略な説明とする。
n角形連結モデルに対する付加機能として以下のような4_aのパースペクティブの処理等がある。
【0267】
4_a:パースペクティブ
これがつかないのは、3D→2D変換を行う対象が、大きさのない点であるためである。そして、変換の対象を点でなく、大きさを有する形状を対象にすれば、前記したものと同じ効果が得られる。この形状は、任意の形でよいが、このモデルが高速表示を実現するために考案されたものであるため、本来変換を行う点を中心とする対称形を有することが望ましい。
【0268】
4_b:陰線処理
n角形内を塗りつぶすバージョンに対しては、そのモデリング自体が陰線処理を兼ねるため、特別な処理が不要であるという点で優れている。ワイヤフレームバージョンで陰線処理を実施する場合は、重なり部分を消していく処理を入れるか、n角形内をバックグランドカラーでいったん塗りづぶしたのち、ワイヤフレームを上書きすることで、達成できる。
【0269】
4_c:シェーディング処理
このモデルでは、スコープの面が存在しないため、シェーディング処理により、スコープモデルの奥行きを表しても良い。具体的には、光源に最も近い側を明るく、最も遠い側を暗く表示し、そのあいだを利用できる色の数に応じた階調表示する。
【0270】
このときは、モデルの奥行きを表現できる。
【0271】
応用として、モデルの中央部と端部とで僅かな階調差を持たせることも可能である。こうすると、全体の奥行きを示すための階調は減少するが、ズコープモデルが階調差で膨らんだように表示されるため、スコープの立体感を強調させることが出来る。
【0272】
4_d:色の彩度と輝度を利用する
これは、n角柱モデルと同様で、同様の効果が期待される。
4_e:ワイヤフレーム表示
ここでは、ワイヤフレーム表示に対して、簡便かつ陰線処理機能を含めた表示方法を提供する。
【0273】
まず、全てのワイヤフレームをn角形で表すのではなく、根元のデータのみをn角形で表示し、そこから先端に向かって、半n角形をつけ加えていく方法である(図43(a)参照)。
この方法は、陰線処理を実施することなしに、陰線処理を実施した場合と同じワイヤフレーム形状を作成できるという点で優れた手段である。
【0274】
更に、同形の半n角形を重ねるのではなく、スコープの向きの曲率に応じて設定した角度歪を含んだ形状を重ねても良い(図43(b)参照)。
この方法は、上記の手段の効果に加え、曲率情報が強調され、より現実のスコープイメージに近づくという点で優れている。
【0275】
以上述べたようにこの第1実施形態によれば、内視鏡6の可撓性を有する挿入部7内に、磁界を発生する磁界発生素子としてのソースコイル16iを、各ソースコイル16iの形状が変化しないように絶縁性の接着剤20等を介してプローブ15の内壁に固定したものを配置し、前記挿入部7が挿入される被検体の周囲の既知の位置にソースコイル16iで発生した磁界を検出する磁界検出素子としての3軸センスコイル22jを配置し、各ソースコイル16iで発生される磁界をそれぞれ3軸センスコイル22jにより検出した検出信号から前記既知の位置に配置された3軸センスコイル22jに対する前記挿入部7内の各ソースコイル16iの位置を位置算出部31により算出するようにしているので、挿入部7を被検体の内部に挿入する場合に、この挿入部7が屈曲されても、この挿入部7の内部の各ソースコイル16iは固定手段により形状が変化しないように固定されているので、各ソースコイル16iの位置の算出から内視鏡6の挿入部7の位置を精度良く検出できる。
また、位置算出部31の出力に対し、挿入部6の形状推定を行うように形状推定手段を設けることにより、精度の高い挿入部6の形状推定を行うことができ、推定された形状に対応する画像を表示することにより、視覚的に挿入部の形状を判断し易くできる。
【0276】
また、上記既知の位置にそれぞれ配置した磁界検出手段を構成する複数の3軸のセンスコイル22jにより、磁界発生手段を構成する1軸或は3軸のソースコイル16iで発生した磁界の強度と、交流駆動した場合の位相情報と、磁界発生手段による等磁界面の形状とを考慮して各磁界発生手段の存在する領域を検出或は推定して、その3次元位置を算出或は推定するようにしているので、磁界検出手段をベッド4の隅等の既知の位置に設置すれば、そのベッド4上の患者等の被検体に対し、必要とされる位置検出範囲に対し、精度良く位置の算出或は推定が可能になる。
【0277】
つまり、3軸センスコイル22jをベッド4等に数個(3つ或は4つ)配置することにより、各3軸センスコイル22jにより検出される磁界強度により、ソースコイル16iの存在する3次元領域が推定され、それぞれの3軸センスコイル22jにより推定された3次元領域の重なり部分からソースコイル16iの存在領域が推定される。この場合、位相情報を利用すると、検出範囲の外等の領域を排除できる。
【0278】
また、第1実施形態では、検出された磁界強度に対応する信号から基準となる参照情報を用いて、ソースコイル16iの存在する領域を推定するようにしているので、計算で距離算出を行うよりも領域算出を非常に短時間に行うことができる。
【0279】
また、3軸のセンスコイル22jの配置する数を増やすとさらに精度良くソースコイル16iの位置検出を行うことができるし、内視鏡形状も精度良く推定できる。
【0280】
また、求めた内視鏡形状をユーザが望む視点方向から見た場合の形状で表示させることもでき、挿入の操作を行う視点に設定することにより挿入の作業が容易になる等、第1実施形態内で述べている多くの利点を有する。
【0281】
次に第1実施形態の第1変形例を図44を参照して説明する。第1実施形態では例えば図10に示すように、ソースコイル16iによる過渡特性を考慮してセンスコイル22jで検出された信号を取り込むタイミングを遅延させた。
【0282】
これに対し、この変形例では図44に示すように発振器25aと増幅器24aとの間に、参照電圧発生器58からの基準となる参照電圧と比較することにより発振器25aの信号が各ソースコイル16iを駆動するのに適した位相角であることを検出する位相検出器59を配置している。参照電圧発生器58は各ソースコイル16iの力率角に対応した正弦波の電圧値を参照電圧として位相検出器59に出力し、位相検出器59は発振器25aの正弦波が参照電圧に一致した時に位相検出信号を出力すると共に、発振器25aの正弦波を増幅器24a側に通す。
【0283】
各ソースコイル16iには正弦波を発生する発振器25aから位相検出器59を経て電力増幅されたのち、切換回路28aによって選択された接点を経て駆動電流が供給される。この駆動電流を供給するタイミングは位相検出器59からタイミング制御回路30dに伝送される位相検出信号の立ち上がりに同期して行われる。またセンスコイル22jの両端に励起された電圧を増幅して同期検波した検出信号のA/Dコンバータ30aを介してCPU30c側へ読み込まれるタイミングもこの位相検出信号の立ち上がりに同期して行われる。
【0284】
ここで位相検出信号は次のように生成される。
駆動信号の発生源となる正弦波を発生する発振器25aからの信号eを
e=Em sin (ωt+θ) [V]
と表すことができる。ここで、Em:最大振幅電圧[V],θ:初期位相[rad],ω=2πf,f:駆動周波数[Hz],t:時間[s]である。
【0285】
それぞれのソースコイル16i毎に持った純抵抗成分Ri [Ω]とLi [H]から求めた力率角φiを
φi= arc tan (ωLi/Ri)
とすると、参照電圧
Vref=Em sin φi [V]
と発信源の信号e[V]をコンパレータで比較することによって一致した時に位相検出信号が得られる。
【0286】
供給された駆動電流i[A]は、
i=Asin(ωt+θ−φ) −Asin(θ−φ)・exp(−at)
ここで、A=Em/(R・R+ωL・ωL),a=R/L
となる。この駆動電流iを表す上式において、θ=φとしたときは右辺の第2項が0となることを示しているので過渡直流成分が発生しないことになる。つまり、切り換えた瞬間から定常状態のコイル駆動ができることになる。
【0287】
したがって、コイル切換と同時にセンスコイル22jの検出信号のCPU側への読み込みを行うことが可能になる。実際にはセンスコイル22jに励起された電圧が同期検波器26dの出力となるまでの遅延時間を考慮して読み込むようにする。
【0288】
このようにしてソースコイル16iを駆動することによって多数のソースコイルの切り換えが行われても駆動開始から検出信号の取り込み開始までの時間が大輻に短縮されたために、システム全体の動作時間を高速化できる。
【0289】
図45はこの変形例によるソースコイルの駆動とセンスコイルによる検出信号の読み込みの動作のタイミング説明図を示す。図9との比較から分かるようにソースコイルを駆動後の短い時間Δt′で読込みを行うことができる。
【0290】
またこの変形例では精密測定のための信号中継線をシールドする手段を設けている。図46に示すようにソースコイル16iに駆動電流を供給するための信号線とセンスコイルの検出信号を伝達するための信号線は、各コイル毎に接続された2本をツイストすることにより信号線からの輻射や外乱の重畳を減少させている。
【0291】
しかしこのツイストした信号線においても前記の影響はある程度存在しているために、ソースコイルの駆動信号ケーブルがセンスコイルに近づくとケーブルから輻射される微弱な電磁波の影響によってそのセンスコイルの検出信号が2〜3倍程度に振られてしまったり、またセンスコイルの検出信号ケーブルに人体などの浮遊容量が近づくとその浮遊容量を介して信号線に外乱が重畳してしまったりして正確な計測ができなくなる現象が起きてしまう。
このような問題を解決し、安定かつ正確な計測を行えるようにする。具体的な方法を次に説明する。
【0292】
まずソースコイル16iの駆動信号ケーブル60aについて説明する。このケーブル60aは複数のソースコイル16iが内蔵されたプローブ15(図46では簡単化のため2つのソースコイルで示している)に接続され、各々のソースコイル16iを順次に駆動するための正弦波電流が流される。
【0293】
このとき各ソースコイル16iに接続される各信号線から輻射される電磁波のうち駆動電流と同じ周波数の成分が他のソースコイル16iの信号線に重畳してしまい駆動したくないコイルにまで電流を流れて不要な磁場を発生してしまうので、そのような不要な電磁波を吸収するためにツイストした各ケーブル毎にできるだけコイルの根元までシールド60bで覆い、駆動手段(例えば切換回路28及び増幅回路24等を含む)側との接続端部をその駆動手段の基準電位に接続するようにする。
【0294】
次にセンスコイル22jの検出信号ケーブル40aについて説明する。このケーブル40aは3軸センスコイル22jを構成する3個のコイルにそれぞれ一方の端部が接続され(図46では簡単化のため1対のケーブルのみ示す)、各センスコイル22jの他方の端部は同期検波手段(図8の増幅器27及び同期検波回路26d)の入力端子に接続している。
【0295】
このケーブル40aで伝送される電圧は、数十μV〜1mV程度の微弱な信号であり、ソースコイル16iからの交流磁界が人体等の浮遊容量を介してケーブル40aに重畳する変動分に埋もれてしまう場合もある。そこでそのような不要な重畳ノイズを吸収するためにツイス卜した各ケーブル毎にできるだけ各コイルの根元までシールド40bで覆い、同期検波手段側の接続端子を同期検波手段の基準電位に接続するようにする。
【0296】
さらに前記の駆動手段と前記同期検波手段のそれぞれの基準電位点同士を接続して、同電位の状態にする。このような構成にすることにより、ソースコイル16iの駆動信号線間の干渉および輻射による漏れ信号のセンスコイル22jヘの影響がほとんど無くなる上、センスコイル22jの人体等による検出信号への影響も極わずかになる。
【0297】
従って、センスコイル22jの検出する信号に含まれるノイズがほとんど無くすことができるので、ソースコイル16iの発生する交流磁界によってセンスコイル22jに励起される信号成分が安定かつ正確に計測できるようになる。
【0298】
次に第1実施形態の第2の変形例について説明する。この第2の変形例は位置導出の確度を向上するためのものである。
ソースコイルからある距離に位置するセンスコイルで得られる磁界強度からそのソースコイルの存在する領域を精度良く限定してその3次元位置を算出する場合、狭い閉空間(閉領域)を求めるためには最低3個(あるいは3組)のセンスコイル22jが必要である。
【0299】
しかし、実際にはセンスコイル22jが3組だけの場合では、ソースコイル16iとセンスコイル22jの距離が近すぎたり、遠すぎたりするときには3組の中1組でも確実に検出信号が得られなくなる可能性があり、その場合にはソースコイル16iが存在する閉空間を狭い範囲に限定することができなくなるため、ソースコイル16iの位置導出が実質的に不可能となってしまう。
【0300】
そこで、この変形例では検出信号のレベルによらず常に安定した状態でソースコイルの位置導出が行えるようにする。そのため、図47に示すように4組の3軸センスコイル22jを用いるようにした。
【0301】
仮に、センスコイル22jの検出可能範囲を半径30〜100cmであるとし、必要とする検出領域幅を(x,y,z)=(40,60,40)[cm]であり、サイズが(200×70cm)の内視鏡検査ベッド4に4個の3軸センスコイル22jを、各座標がQa(0,0,0),Qb(60,0,0),Qc(60,100,0),Qd(0,100,0)の位置[単位はcm]にそれぞれ設置したとする。
すると、この4点を頂点とする長方形が底面となる四角柱の中に必要とする検出領域幅が含まれることになる。この設定においては検出領域内にソースコイル16iが移動する場合、4組のセンスコイル22jとの距離がそれぞれ30〜100cm以内であれば確実に位置導出できる。
また4組の中、1組のセンスコイル22jとの距離が30cm未満のときは、その他の3組のセンスコイル22jの検出信号を用いて位置導出を行うようにする。
【0302】
上記のような設定の場合1組のセンスコイル22jまでの距離が30cm未満のときは他の3組は必ず30cm以上の距離があるようになっているため、この確実に3組の検出信号を得ることが可能になり、精度良く位置検出(或は位置推定)を行うことができる。さらにソースコイル16iとセンスコイル22jの距離が100cmより大きくなる組み合わせが1組のときも上記の30cm未満の距離のときと同様である。
【0303】
しかしソースコイル16iとセンスコイル22jの距離が100cmより大きくなる組み合わせは2組以上になることもあり、このときにはソースコイル16iの駆動電流を増やすか、センスコイル22jの出力の感度を上げるかして検出可能距離が長くなるようにして再び計測を行い、3組以上が検出可能範囲内にはいるまでこの処理を繰り返すようにする。これによりソースコイル22jの位置導出が行えるようになる。
【0304】
なおベッド4のサイズ或はセンスコイル22jの検出範囲が上記の値或は範囲と異なる条件のために4組の内で2組が位置検出に利用できない状況の場合においても、ほぼ同様の方法で対処できる。
例えば、検出領域福をより広く確保したい場合にはセンスコイル22j同士の間隔を広げ、前述したソースコイル16iの駆動電流増加や、センスコイル22j出力の感度アップと組み合わせれば可能となるが、ベッド4の輻方向(y方向)にはベッド幅以上はそのままでは広げられない。
【0305】
そこで3組以上が検出可能範囲内に入るようにソースコイル16iの駆動電流減少やセンスコイル22j出力の感度ダウンにより検出可能範囲を、センスコイル22jに近い方にずらすことによってソースコイル16iの位置導出を行えるようにすることができる。
【0306】
以上のような方法により、検出信号のレベルによらず常に安定した状態でソースコイルの位置導出が行うことができる。また上述した全ての場合におけるソースコイルの位置導出において、センスコイルの組数が3組より増える毎に閉空間の大きさがより小さくなっていくので位置導出の精度は向上していく。このため検出可能領域内にソースコイルが存在するセンスコイルの検出信号は全て位置導出のために利用することで求める精度を得ることができる。
【0307】
図48は上述の方法の説明図を示す。図48における曲線C1は図16で説明した相対距離を算出するための相対距離に対する磁界強度の測定データの例えば最大磁界強度側のグラフを示す。実際にセンスコイル22jによる検出信号からある磁界強度値が検出された場合、その磁界強度値からソースコイル16iとセンスコイル22jとの距離はその強度値と交差する曲線C1と図示しない最小磁界強度側のグラフとの間の範囲に存在する。
センスコイル22jで検出される信号は増幅器等のダイナミックレンジ等により、精度よく検出できる範囲は制約される。
【0308】
このため、通常の(感度等の)設定状態では曲線C1に対して縦軸方向に示す測定可能帯域MRの出力値に対応して横軸方向に示す通常状態の検出範囲D1が検出可能な距離範囲となる(センスコイル22jによる半径30〜100cmに該当する)。この場合、増幅器のゲインを下げれば(つまり感度を下げれば)、検出可能範囲を小さい範囲側にシフトすることができるし、ソースコイル16iを駆動する駆動電流値を下げても小さい半径側にシフトすることができる。
つまり、駆動電流ダウン或は増幅器のゲインダウンを行うと、センスコイル22jによる出力値で検出できる範囲は曲線C1の縦軸方向の値を相対的に下げた曲線C2のようになり、この場合には検出範囲はD2となり、小さい距離側での検出が可能になる。
【0309】
逆に駆動電流アップ或は感度アップを行うとセンスコイル22jによる出力値で検出できる範囲は曲線C1の縦軸方向の値を相対的に上げた曲線C3のようになり、この場合には検出範囲はD3となり、大きい距離側での検出が可能になる。
【0310】
次に本発明の第2実施形態を図49を参照して説明する。図49の内視鏡形状検出装置41は駆動信号の周波数を変えることで、図2の分配器28を省略した構成になっている。
【0311】
従って、ソースコイル駆動部24はソースコイル16i毎に異なる周波数fiの駆動信号を出力する。ソースコイル16i毎に異なる周波数fiの駆動信号を印加することにより、複数のソースコイル16iを同時に駆動して高速処理を実現可能にしている。
【0312】
第1実施形態の内視鏡形状検出装置3においては、複数のソースコイル16iはある特定の周波数の正弦波電流により先端側に配置されたもの等から順次駆動され、そのときのセンスコイル22jの検出信号レベルによって1個ずつソースコイル16iの位置座標を検出するための検出信号を得るようにしている。
しかしこの方式ではソースコイル16iの個数が増えていくと1回の形状検出にかかる時間も増大していくので、リアルタイムに形状データを取り込むことが困難になってしまう。
【0313】
そこで、この実施形態ではソースコイル16iの数に殆ど影響されることなく、リアルタイムに形状算出のデータを取り込むことができるようにする。次に具体的な構成を図50に示す。
【0314】
例えば12個のソースコイル16iを内蔵したプローブの形状を検出する場合について説明する。図50に示すように発振部25はそれぞれ異なる周波数で発振する発振器25a,25b,…25lを有し、駆動部24を構成する増幅器24a,24b,…24lでそれぞれ電流増幅された後、それぞれソースコイル16a,16b,…16lに同時に印加され、それぞれ異なる周波数の磁界を発生する。
【0315】
一方、各センスコイル22jはこれらの磁界強度に比例した検出信号を発生し、それぞれ増幅器27で増幅した後、検出部26を構成する同期検波回路26diにより、発振器25iの信号を参照して同期検波を行い、ソースコイル16iによるセンスコイル22jの位置の磁界強度に比例した信号成分のみを抽出する。なお、各同期検波回路26diのバンドパスフィルタ26aiは発振器25iの周波数の信号のみを通す帯域に設定されている。
【0316】
各同期検波回路26diでそれぞれ同期検波された各信号は例えば12チャンネルのA/Dコンバータ30ajで高速にサンプリングされ、そのA/Dコンバータ30ajに接続されたRAM30bに一旦記憶され、さらにRAM30bのデータはCPU30c側に読込まれ、位置算出及び形状推定の処理が行われる。その他の構成は図8と同様であり、その説明を省略する。
【0317】
この実施形態でのソースコイル16iの駆動及びセンスコイルでのデータ取り込の処理内容を示すフローを図51に示す。ステップS111で各発振器25iをそれぞれ異なる周波数で駆動し、それぞれのソースコイル16iに駆動電流を流す。次に各センスコイル22jの検出信号をサンプリングする。この場合、各ソースコイル16iに駆動電流を流した状態(流しっぱなしの状態)にできるので、過渡応答の時間だけ遅延することなく各センスコイル22jの検出信号をサンプリングできる。勿論、最初に駆動電流を流したすぐ後では、その過渡応答を考慮する。
【0318】
図9との比較から分かるように短時間で位置検出或は形状検出のためのデータの取り込みを行うことができる。
また、この実施形態では短時間で位置検出或は形状検出のためのデータの取り込を行うことができるので、挿入部の動きが速い場合にも、精度の高い形状推定等を行うことが可能になる。
【0319】
なお、例えば12個のソースコイル16iはそれぞれ整数倍でない異なる周波数(例えば、10.0,10.5,11.0,11.5,12.0,12.5,13.0,13.5,14.0,14.5,15.0,15.5[KHz])の駆動電流で、同時に交流磁界を発生させる。
【0320】
この構成によれば、第1実施形態の構成のソースコイル1個分にかかる時間で、複数(例えば12個)のソースコイルの位置を導出することができる。また、この実施形態ではモニタ画面に内視鏡形状を表示する場合、図52に示すように患者のモデルパターンに重畳して内視鏡形状を出力する。図52において、左側の領域がグラフィックス出力領域で、右側がユーザが操作パネル35からキー入力等により視点、回転角、視点位置とz軸とのなす仰角等を設定するユーザインタフェース領域である。その他の効果は第1実施形態とほぼ同様である。
【0321】
図53は本発明の第3実施形態を備えた内視鏡システム70を示す。このシステム70は図1に示すシステム1において、3軸センスコイル22jの代わりに図55(a)に示すように磁気抵抗素子(MR素子と略記)76a,76b,76cで形成したセンサ75jを用いており、センサ75jはベッド4の隅の3箇所(又は4箇所)のそれぞれ既知の位置に取り付けてある。
【0322】
また、このシステム70における内視鏡形状検出装置3′の構成を図54に示す。この装置3′は図2において、3軸センスコイル22jの代わりにMR素子76a,76b,76cによるセンサ75jが用いてある。また、センスコイル出力増幅器27はセンサ出力増幅器27′となり、相互インダクタンス検出部26の代わりに磁界強度検出部26′が用いてある。
また、ソースコイル位置検出部31は基準データを格納したテーブル31bのデータを参照して位置検出又は位置推定を行う。
【0323】
各センサ75jは図55(a)に示すように磁界強度に応じて抵抗値が変化する3つのMR素子76a,76b,76cを立方体の互いに垂直で隣合う3つの面にそれぞれ取り付け、これら3つのMR素子76a,76b,76cを直列に接続して形成したセンサ75の2端子を磁界強度の検出信号の出力端子としている。
この場合、MR素子76a,76b,76cはそれぞれX,Y,Z方向の磁界強度成分により各抵抗値が基準値から変化するように設けらてある。
【0324】
各MR素子76qの抵抗変化分ΔRqは図55(c)に示すように磁界Hqの2乗に比例して変化するので、センサ75jの2端子の抵抗変化分ΔRは、図55(b)に示すようにx,y,z方向の磁界成分Hx,Hy,Hzそれぞれの2乗の総和になる。
【0325】
この実施形態ではセンサ75jの出力から磁界強度の2乗和に比例する信号が直接検出できるメリットがある。この信号は、磁界強度検出部26′で平方根の算出により磁界強度が検出される。
さらにソースコイル位置検出部31でテーブル31bのデータを参照して各ソースコイル16iの位置算出を行う。
【0326】
このテーブル31bのデータは第1実施形態と同様にして得られる。つまり、図17(a)において、3軸センスコイル22の代わりにセンサ75jを配置して、図17(b)に示すような最大磁界強度の曲線Cu及び最小磁界強度の曲線Cdの基準データをテーブル化したものである。
【0327】
図56は既知となる3つの位置にセンサA,B,C(75a,75b,75cに相当する)を配置し、複数のソース(具体的には例えばソースコイル16i)の一つを駆動させると、センサA,B,Cにはソースとの位置関係に対応した出力が発生する。
【0328】
その時のセンサA,B,Cの各出力をそれぞれνa、νb、νcとする。
また、予め各センサについて、そのセンサ出力と、その出力となるはずの空間座標群のデータをメモリ等に確保しておく。
【0329】
図57は例えばセンサAについてのデータテーブルを示している。今、ある位置にソースが一つ存在し、磁界を発生しているときに得られるセンサ出力νaを図57のテーブルのνa1〜νaLまで比較しνal≦νa<νak(k=l+1)となる整数lを求める。
同様に、他のセンサ出力νb、νcに対しても条件を満たす整数m,nを求める。
【0330】
このとき、条件を満たす出力データνal、νbm、νcnに対応した空間座標群Pai、Pbj、Pckが存在し、それらの関係は図58のようになっている。したがって、これらの共通領域となる3次元領域がソースの空間座標領域となる。さらにその領域の重心位置を求めてソースの3次元位置としても良い。
【0331】
このようにして求めた複数のソースの空間座標領域(或はその重心から求めた空間座標位置)を接続する処理等を行い、さらに形状推定により内視鏡の挿入形状を求めることができる。
図58によりそれぞれ得られた3次元位置又は領域を、各領域の重心位置等を通る線等で接続し、挿入部の形状を推定してモニタ画面に挿入部形状のモデル表示を行う。より簡略化して表示する場合には図59に示すように図58のようにして推定されたソースコイルの3次元領域又は3次元位置のみを3Dー2D投影等してモニタ画面に表示して挿入部形状のモデル表示を省くようにしても良い(図59の点線は補間した場合の線を示し、この補間を省略して表示しても良い)。
【0332】
この第3実施形態は、第1実施形態とほぼ同様にテーブルを用いて位置検出を行うので、位置検出或は位置推定の処理時間を短縮できる。また、MR素子により3方向の磁界強度の平方に比例した信号の和を直接検出できるようにしているので、磁界強度算出の処理を高速に行うことができるメリットもある。さらに挿入部形状をモデル的に描画する処理を省いて表示を行うことにより、非常に高速に挿入部の挿入形状の概略を表示できる。
また、図59のようにまず表示した後に、より視覚的に分かり易いモデル(上述のn角柱モデル等)で描画するようにしても良い。
【0333】
図60(a)は第4実施形態の内視鏡形状検出装置42を示す。この第3実施形態は図2において、プローブ15側に複数のセンサ、つまり複数のセンスコイル43iを内蔵し、ベッド側に磁界発生源、つまり複数の3軸ソースコイル44jを配置した構成である。第1実施形態と同様に内視鏡内及びベッド4に、それぞれが既知となる位置に設置される。
【0334】
従って、分配器28を経た駆動信号は各3軸ソースコイル44jに順次印加され、プローブ15側のセンスコイル43iで検出された信号は増幅器27で増幅され、検出部26を経て形状算出部30を構成する(センスコイル)位置検出部31′に入力される。
【0335】
この位置検出部31′は3軸ソースコイル44jを基準としてセンスコイル43iの位置を相対的に検出する。
その他の構成は第1実施形態と同様である。また、この変形例の効果も第1実施形態とほぼ同様である。
【0336】
図60(b)は第4実施形態の変形例の内視鏡形状検出装置42′を示す。この変形例は図53(a)において、3軸センスコイル43iが1軸センスコイル43i′に、1軸ソースコイル44jが3軸ソースコイル44j′に変更したものであり、その他は第3実施形態と同様の構成である。又、その効果もほぼ同様である。
【0337】
図61(a)は本発明の第5実施形態の内視鏡形状検出装置45を示す。この第5実施形態は図60(a)において、駆動信号の周波数を変えることで、図60(a)の分配器28を省略した構成になっている。
【0338】
従って、駆動部24はソースコイル44j毎に異なる周波数fjの駆動信号を出力する。その他は第4実施形態と同様の構成である。この第5実施形態の効果も第2実施形態とほぼ同様である。
【0339】
なお、第1ないし第5実施形態或は変形例において、センスコイルからの信号を増幅後に、デジタル変換しその後の検波等をすべてデジタル信号処理してもよい。
【0340】
また、最大の関心位置である内視鏡の先端部のみに、1つのソースコイル或はセンスコイルを内蔵してもよい。この場合には内視鏡の先端部の位置を検出する内視鏡先端部位置検出装置として機能することになる。
次に本発明の第6実施形態を図62を参照して説明する。図62は第6実施形態を含む内視鏡システム51を示す。
【0341】
上述の実施形態及び変形例では、推定された内視鏡形状は専用の表示装置としてのモニタ23に描出されていたが、この実施形態ではモニタ23に出力される映像信号を内視鏡画像を表示するモニタ12で切り換えて表示するようにしている。 このため、検出装置本体21の出力は接続ケーブル52を介してビデオプロセッサ11の外部映像信号入力端に入力され、切り換えスイッチ53を操作することによって、カラーモニタ12の表示面に内視鏡像及び内視鏡形状を選択表示することができるようにしている。
【0342】
さらにこの実施形態ではビデオプロセッサ11側の(CCD読み出しのドライブ信号のタイミングを決定する)基準信号がケーブル54を介して形状検出装置本体21に送るようにしている。そして、内視鏡形状の検出のために、ソースコイル16iに駆動信号を印加するタイミングは、ドライブ信号が出力されていない期間に行うようにタイミング調整を行うようにしている。
【0343】
図63はこのシステム51における動作期間の様子を示す。ビデオプロセッサ11内の光源部は図63(a)に示すようにR、G、Bの面順次光で順次照明する。そして、内視鏡6に内蔵された図示しないCCDには図63(b)に示すように照明が行われていない期間に、CCDドライブ期間が設定され、このCCDドライブ期間内にCCDをドライブするCCDドライブ信号が印加され、このCCDで光電変換された画像信号(撮像信号)が読み出される。
【0344】
一方、駆動信号が出力される駆動信号期間はCCDドライブ信号が出力されるCCDドライブ期間以外の期間、つまり照明(露光)期間内となるようにして、駆動信号が撮像信号に影響を及ぼさないようにすると共に、CCDドライブ信号がセンスコイルによる検出信号に影響を及ぼすことも防止できるようにしている。つまり、それぞれの機能の相互の干渉を解消する手段を構築している。
その他の構成は図1に示す第1実施形態と同様の構成である。
【0345】
この実施形態によれば、内視鏡形状の検出のための駆動信号が内視鏡画像信号にノイズとなることを防止できると共に、CCDドライブ信号がセンスコイルによる検出信号のノイズとなることを防止できる。その他の作用及び効果は第1実施形態とほぼ同様である。
【0346】
なお、この第6実施形態において、ピクチャインピクチャ方式で、内視鏡像に内視鏡形状を、或は内視鏡形状に内視鏡像を表示するようにしてもよい。
また、第6実施形態において、撮像信号と干渉することがないように内視鏡形状を検出する場合には、内視鏡観察画像をフリーズし、画像にノイズが混入しないようにしてもよい。(図1の操作パネル35に設定用の機能をいれる)。
【0347】
また、画像の取込みのフィールドごと、フレームごと、数フレームごと、数フィールドごと、内視鏡形状描出の処理完了ごとに、観察画像取込みを自動的に中断して形状検出のための磁界発生、磁界強度取込みを行ってもよい。
【0348】
次に本発明の第7実施形態を備えた内視鏡システム61を図64を参照して説明する。このシステム61は、図62の内視鏡システム51において、さらにヘッドマウントディスプレイ(以下、HMDと略記)62と、患者5の位置確認用のTVカメラ63と、このTVカメラ63から患者5の体の輪郭を抽出するコンピュータ64と、バーチャルリアリティ用の画像処理を行う画像処理装置65を有する。
【0349】
画像処理装置65は形状検出装置本体21の例えば形状画像生成部32(図2参照)と接続され、形状画像生成部32で生成される形状画像を画像処理して視点を少し変えた位置での右眼(又は左眼)観察用の形状画像生成し、形状画像生成部32で生成される形状画像を左眼用形状画像として共に、モニタ信号生成部33を経てHMD62の(右眼観察用及び左眼観察用)液晶ディスプレイに出力し、HMD62をヘッドに装着した術者はバーチャルリアリティで内視鏡形状を立体観察することができるようにしている。
【0350】
また、この実施形態ではTVカメラ63により、ベッド4上の患者5の位置を検出し、患者5の体の形状の映像信号を生成することによって、この体の形状にオーバラップして内視鏡形状をバーチャルリアリティで観察できるようにしている。このように体の形状にオーバラップ表示することにより、内視鏡6の挿入部7が実際にどの部分まで挿入されているかが分かるようにしている。
なお、カラーモニタ12には図62の場合と同様に内視鏡画像と、HMD62の一方の液晶ディスプレイに表示される(体の形状にオーバラップ表示される)内視鏡形状との一方を選択して表示することができる。
【0351】
図65はTVカメラ63により、ベッド4上の患者5の位置を検出する方法の説明図を示している。図65において、TVカメラ63で撮像された画像はケーブルの下に点線で示した矢印の画像であり、内視鏡形状検出装置3による画像はその下に示した画像であり、コンピュータ64で輪郭抽出を行い、(モニタ信号生成部33等を経て)図のように重ねて表示する。
患者5の体には、位置、方向を検出するための、ボディマーカ67が装着されている。これは、単数でも複数でもよい。
【0352】
ボディマーカ67には、位置検出用のコイルが内蔵されている。このボディマーカの設置位置を患者5の骨盤の横位置など基準点に設けて、内視鏡形状の表示の際、基準的な体形のグラフィックモデルと重ねて表示してもよい。
【0353】
患者が内視鏡検査用ベッド4に寝た場合に、ベッド4の上方に設けられた位置確認用のTVカメラ63で、ボディマーカ67も含めて、コンピュータ64に画像を取り込む。患者5の体に装着されたボディマーカ67は患者5の輪郭線の部分であるので、これを基準に、患者5の輪郭画像のみを抽出して形状表示と重ね合わせてカラーモニタ12等に描出する。
【0354】
重ね合わせの画像は、内視鏡検査の前に、あらかじめ取り込んだ患者5の体の全周画像をもとに画像、もしくは磁気的に求めたボディマーカ67の位置から、患者5の方向を導出し、コンピュータ64で合成形成して表示してもよい。
実際にTVカメラ63等で取り込んだ画像上の色(ベッド等)が、形状検出装置で合成して表示する内視鏡の色と類似の場合には、形状がカラーモニタ12上で判別しづらくなる。
【0355】
そこで、使用者が、表示される内視鏡形状の色を変えられるようにしてもよい。また、カラーモニタ12上に表示される内視鏡の太さも変えられるようにしてもよい。
【0356】
患者5の体の方向を検出することで、カラーモニタ12に表示する画像は、常に患者5の体の正面方向からの画像とするようにしてもよい。
当然、得られた画像を、回転させられるようにしてもよい。このようにすれば、使用者の視点と同じ所からの画像に変換が可能であるので、使用者が内視鏡形状を誤って認識することを無くすことができる。
【0357】
上記の例では、使用者が、自分の視点に合わせて得られた画像を回転させていたが、使用者にもボディマーカ67と同様に位置検出用のセンサを装着すれば、自動的に画像を回転等変形させることができる。
使用者の場合には、内視鏡6の挿入操作があるので、位置移動が大きく、使用者の動きを妨げない所に、装着することになる。また、センサの位置は使用者の視点と同じには物理的にできない。(頭蓋内にセンサを設置しなければならなくなる)
そこで、使用する際に、センサ位置と視点を合わせ込むための調整手段を設けてもよい。
【0358】
例えば、内視鏡検査用ベッド4の上に形状検出用のプローブを置いて、表示されるプローブ形状が実際の見え方と同様になるように、回転、拡大縮小し、その状態で、視点補正用のスイッチを押すことで、視点とセンサ位置のオフセット調整を行う。
【0359】
これは、先に述べたHMD62利用の場合も同じように行う必要がある。HMD62にセンサ68を固定してもよい。こうすれば、目線とセンサ位置があまり差がないため、ほとんど補正なしに使用することが可能である。
磁気的なセンサを用いて使用者の位置を検出する場合には、内視鏡形状と同様に磁気結合を利用するが、内視鏡形状検出用プローブ15内のソースコイル16iの位置の検出と同時に駆動するのではなく、時分割で駆動することで、相互の磁気干渉を低減するようにしてもよい。図66はこの時分割で駆動する場合の説明図を示す。
【0360】
幅の狭いパルス期間がHMD62の固定された磁気的なセンサを駆動する期間を示し、幅の長いパルス期間が内視鏡形状検出のためのソースコイル16iを駆動する期間を示す。
【0361】
この実施形態によれば、バーチャルリアリティで内視鏡形状を立体観察することができるので、内視鏡6による検査とか内視鏡6を用いた処置等を行う場合、内視鏡6の挿入部7の先端部を目的とする対象部位付近にまで導入する作業等がより容易かつ短時間にできる等のメリットがある。
その他は第1実施形態と同様の効果を有する。
【0362】
なお、HMD62に固定された磁気的なセンサと内視鏡形状検出のソースコイルとを駆動する場合、時分割で駆動する代わりに、それぞれの周波数を変えて、検波することで完全に同時駆動してもよい。この場合には、すべてのセンサ位置が同時に得られるので、内視鏡挿入でその位置、形状、使用者位置が早く変化してもそれに追随して、すばやく位置、形状が得られる。
これらの処理は、よく知られた直交検波を用いることができるが、アナログでも、A/D変換してデジタル的に処理を行ってもよい。
【0363】
これらの位置検出に用いる磁界発生用のコイル、磁界検出用のコイルは、それぞれのコアの特性のばらつき、巻き線のばらつき、周囲温度の差等で、同じ電流を供給しても発生する磁界強度のばらつき、同じ磁界強度の場にあっても、得られる検出信号強度のばらつきが生じてしまう。
【0364】
そこで、あらかじめ、そのばらつきを同じ磁界強度を発生するための電流値を測定し、ばらつき補正できるようにする。
例えば、ソースコイルから軸方向30cmの所で2ガウスの強度が得られるようにするための電流値を測定し、基準の電流値との比をテーブル値として記憶し、その比で駆動するようにする。センスコイルも同様に2ガウスの磁界強度での信号出力をあらかじめ測定し、基準値との比をテーブルとし、検出信号にかけることで補正を行う。
【0365】
この補正係数はコイルごとに設定する必要があるので、装置に設けられたキーボードから設定できるようにしてもよい。
また、プローブ15のコネクタ内に設けられたROMに値を、記憶させておき自動的に読み込まれるようにしてもよい。また、記憶させる値とか設定する値は、圧縮してコード化してもよい。
内視鏡検査用ベッド4に設置するコイルは、故障時以外は装置との組み合わせは変化しないため、装置組立時にばらつきの補正量を設定しておけばよい。
【0366】
ベッド側のコイルはこのように、基本的には常に同じ装置と組み合わされている。また、形状検出用のプローブ15における各コイルの間隔は、あらかじめ既知の値にて組立られている。そこで、ベッド中央に直線上にプローブ15を置いて、ばらつき補正用のスイッチを押すことでプローブ15内の各コイルのばらつきを補正するようにしてもよい。また、検出された位置が直線上に並ぶように、或は間隔が既知の値になるように、補正係数を設定したり、駆動電流を調整したりしても良い。
このようにすれば、プローブ15内に高価なROMを内蔵する必要もなくなる(これらは、形状検出用の特殊内視鏡の場合も同様)。
【0367】
次に本発明の第8実施形態を説明する。一般に位置検出に用いられるセンスコイルの検出可能な範囲は、装置のダイナミックレンジに依存する。そのため、検出信号のレベルが大きくなるソースコイルとセンスコイルが接近している場合の小さい距離がから、検出できる信号レベルが微小となる両者の矩離が遠い場合まで、充分にカバーできるダイナミックレンジが要求される。
【0368】
しかし、実際の内視鏡検査では、検査用のベッドが用いられ、患者はベッドの上に存在しているので、ベッドの上の領域のみが検出でされば良く、また一般的な体格の患者であれば、内視鏡挿入で考えられる内視鏡の位置は、ごく限定された領域となる。
【0369】
つまり、実用上限定されたダィナミックレンジを有していればよい。
一方、表示される画像を考えると、内視鏡画像のみが表示されると、一般には、どちらの方向の視点から描画されているのかを判断しにくい。
そこで、この実施形態では検出しうる領域の表示を、視点方向を術者に確認させるためのものとして用意する。
【0370】
この領域の内部であれば、充分な検出精度が得られるので、内視鏡の形状表示はこの領域の内部に存在する物に対してのみ実施する。この処理のフローを図67に示す。
【0371】
予め基準となる直方体等の値を検出範囲(検出領域)に設定しておき、ステップS121でこの検出範囲を取得する。つまり、実際に視野座標系からの検出範囲を基準データとして取り込む。次のステップS122でスコープイメージ描画の構築を開始する。この場合、コイル位置を補間する事で得られる内視鏡の位置座標を、検出領域を囲む面と比較し、検出領域内か否かを判断する(ステップS123)。
【0372】
比較して、領域内部と判断された場合のみその画像データをビデオRAMに格納し(ステップS124)、範囲の外の場合にはそのデータを破棄する(ステップS125)。ビデオRAMに格納した画像データをCRTに表示し(ステップS126)、イメージ構築の処理が終了かを判断し(ステップS126)、この処理が終了するまで行う。
【0373】
この実施形態では検出範囲内の場合には表示し、検出範囲外の場合には表示を行わないで終了する。
この検出領域の外に存在する内視鏡形状は、その位置精度が充分ではないので表示しないようにしている。
【0374】
しかし、領域の外に存在する形状を全く表示しないとすると、患者の移動などで内視鏡のほとんどが、領域外になってしまう場合には、殆ど形状が表示されなくなってしまう場合も考えられる。
そこで、例えば図68に示すように領域の内と外とで異なる表示方法で表示するようにしても良い。図68では検出範囲内か否かの判断の処理(ステップS123)において、範囲内の場合には第1RAMに格納し(ステップS124a)、範囲外の場合には第2RAMに格納する(ステップS125a)。これら第1RAM及び第2RAMに格納された画像データを異なる表示濃度等、表示方法を変えてCRTに表示する(ステップS126a)。その他は図66と同じ処理内容である。
【0375】
検出範囲の内と外で表示濃度の濃淡等を変更するものに限定されるものでなく、例えば領域の外に対しては(領域の内とは)別の色系統(内視鏡が暖色系なら寒色)で表示するようにしても良い(例えばそのようなLUTを用意する)。さらに描画に使用するピクセルを間引いて表示画像を粗くする。(表示マスクを用意しEXORをとる、ORをとるなどする)ようにしてもよい。
連続した内視鏡形状が検出精度と併せて表示されるので、内視鏡形状が確実に得られる。
【0376】
つまり、ソースコイルの位置を補間する事で得られる内視鏡の位置座標を、領域を囲む面と比較し、この比較により、領域内部と判断された場合のみ通常描画するようにした内視鏡形状検出装置の描画方法によれば、精度の良い形状表示を行うことができる。なお、この図67又は図68の処理を第1実施形態の図15のステップS42内で行うようにしても良い。
【0377】
次に本発明の第9実施形態を説明する。上述の実施形態等では内視鏡形状を表示する場合には、コンピュータグラフィックとして表示するようにしているのに対し、この実施形態では例えば内視鏡実画像で表示するものである。
【0378】
検出された或は推定された内視鏡形状は、コンピュータ内部でワイヤフレーム等で描画したり、光源を設定し、設定した面の陰影処理をしたりして表示する事等を説明した。
【0379】
しかしながら、一般にこの画像処理は、高速な演算、描画能力が要求されコンピュータの処理速度や、内蔵しているメモリの容量により、待ち時間の少ない快適な描画速度を得ることが困難になる場合も在り得る。この場合には描画速度を向上するために、処理が簡単なモデルが望まれる。しかし、あまり簡単化したモデルでは実際の内視鏡の画像とは大きく異なり、内視鏡を描出しても、内視鏡そのものを想起させるものになりにくくなる恐れがある。
【0380】
このような場合にはこの実施形態を採用することにより、処理能力の小さいコンピュータ等でも高速に且つ内視鏡の形状をより把握しやすい形状で表示することが可能になる。
このため、この実施形態では、テクスチャを張り付けて内視鏡形状を表示する手段を構成し、張り付けるテクスチャとして実際の内視鏡の画像を予めスキャナで取り込んでROMの中に格納し、さまざまなテクスチャを画像パターンとして用意する。つまり、テクスチャとして、あらかじめパターンを高速な半導体メモリの上に用意しておく。
そして図69に示すように検出された内視鏡の位置に対応する座標と対応するテクスチャのパターン中心の座標が一致するようにテクスチャを貼り付けを行う。
【0381】
貼り付けるテクスチャがこの図69に示すように四角を基本とする場合には、内視鏡形状の状態によって、表示される画像に段差が発生してしまうので、ペジェ曲線やスプライン曲線で外郭を接続してもよい。また公知のアンチェイリアスを施すようにしてもよい。
【0382】
使用するテクスチャは図70(a)に示すようにAからHの光源方向に対応し内視鏡挿入部7の画像を取り込んで用意しておく。
光源の方向は、記憶領域の大ききに応じて、また表示される画像の品質にあわせて適宜増減してテクスチャを用意できる事はいうまでもない。
【0383】
また、内視鏡挿入部7が傾いている場合の画像7aを図70(b),(c)を別に用意しておく事も可能である。
内視鏡挿入部7自身の傾きと光源方向に合わせたテクスチャを数多く記憶させておけばおくほど、画像表示のための演算が減り、より高速な描画が可能となる。
【0384】
内視鏡の画像と、背景とを際だたせるために、公知のエッジ強調をおこなってもよい。
この実施形態によれば内視鏡のイメージを構成するための表示用メモリとしてのビデオRAMに、画像パターンを予め書き込んだROMの画像を書き込むことになる。
【0385】
これは、内視鏡が存在する座標が求められた後では、単に、対応じたパターンをソートして書き込むという、メモリ間のデータ転送を行えばよいことになり、複雑な演算処理は不要となり、描画を行う速度を非常に高速に行うことが可能になる。
【0386】
また、使用するテクスチャが、実際の内視鏡を用いた物であるので、直感的に内視鏡形状のイメージがし易くなる。
また、既存の内視鏡と同じ色で、表示できるため、実際の内視鏡の形状を術者の頭の中で再構成する事が非常に容易にできる。
【0387】
次に本発明の第10実施形態を説明する。この実施形態は表示色を一定の長さ毎に切り替えるようにしたものである。
挿入されている内視鏡挿入部の形状は、コンピューターグラフィックにて、モニタ上に表示されるが、実際の内視鏡挿入部の外装とは違い、挿入長を示す表示がされていなかった。
【0388】
そのため、内蔵されているコイルの位置を内視鏡形状とは別の色を用いて、表示する等していたが、実際に患者の体内にどの程度の長さが挿入されているかを確認するには、モニタ上の画像から術者が判断する必要があった。
【0389】
特に位置検出用のコイルの設置間隔を一定にしておき、コイルの位置を他の疑似的内視鏡鏡表示と区別し(たとえば、内視鏡はグレースケールで、コイル位置は赤い点で表す)ておけば、何個分のコイルが表示されているかで、挿入長を得る事ができる。しかし、実際に内視鏡検査を行う場合には、内視鏡の挿入が目的ではなく、体内組織の観察、処置が目的であるため、余計な計数作業は、術者の負担となる。
【0390】
そこで、コンピューターグラフィックで表示される内視鏡形状を、一定の長さ毎に基本色を変えて表示するようにする。
たとえば、装置で表示可能な色によるカラーチャート上で引いた直線上で、ある程度離れた色を、基本色として設定する。
【0391】
これを、描画長に応じて、繰り返すことで、一定距離毎に色が変化させられる。
この一定距離は、使用者が設定できるようにしてもよい。
【0392】
コイル位置のみを別の色で表現するよりも、多くの描画面積をとれるので、視覚的に簡単に挿入長を理解できる。
グラデーションの変化の繰り返しで表現するようにしてもよい。
白黒2値画面では貼り付けるパターンを変えるようにしてもよい。
【0393】
簡単のため、内視鏡挿入部が直線であった場合の画像を図71(a)に示す。先端から一定の長さ毎にCa,Cb,Cc,Cd,Ceと色が変化して表示されるようにしている。
【0394】
このような表示は図71(b)に示すように貼り付ける色Ca,…,Chのデータをテクスチャエリア内の所定のアドレス位置にそれぞれ格納して、順次読み出すことで実現可能である。
各パターンは使用者が、自由に設定できるようにしてもよい。
【0395】
描画の基本的な流れを図72に示す。まず、ステップS131でパラメータnを0に初期化する。
次のステップS132で、挿入は先端部から行われるので先端の位置を検出し、この位置をPsn(ここではn=0)とし、この位置Psnから使用者が設定した距離lとなる内視鏡位置上の位置Psn+1を探索する。
【0396】
次のステップS133で、パラメータnが検出された挿入部長さ/lに等しい或はより小さいか否かを判断し(つまりn≦検出された挿入部長さ/l)、この条件を満足する場合にはnをn+1にして(ステップS134)、再びステップS132に戻り、同様の処理を繰り返す。
【0397】
一方、条件を満足しない場合には、次のステップS135に進み、先端側から探索された距離lごとに異なる色で表示する、つまり図71(a)のように表示してこの処理を終了する。
【0398】
次に本発明の第11実施形態を図73を参照して説明する。この実施形態は周辺画像を取り込んで表示するものである。
磁気で検出された内視鏡の形状表示をコンピュータグラフィックで行う場合に、生体組織等は、検出困難であるので、内視鏡のみしか表示されない。そのため、生体と内視鏡の位置関係が直感的にはわかりにくい。
【0399】
これを解決するために、第1実施形態では、ベッドの平面等の基準面を表示するようにした。この場合、コンピュータで作成したテクスチャであるので、実際の内視鏡室の光景とは異なり、すぐに、実際の内視鏡と対応付けて形状を認識しづらい場合もあり得る。これを防ぐためにこの実施形態のように周辺画像を取り込んで表示するようにしても良い。
【0400】
図73に示す第11実施形態の内視鏡形状検出装置101では、形状検出装置本体21にはビデオ入力装置としてのビデオカメラ102が接続され、このビデオカメラ102で内視鏡検査室103を撮像する。
【0401】
この内視鏡検査室103にはベッド4等が配置され、ベッド4等の画像がビデオカメラ102で撮像され、撮像された画像信号として形状検出装置本体21に出力される。この形状検出装置本体21は入力される画像信号を、画像処理部21a内のA/Dコンバータでデジタル信号に変換してメモリに格納する。このメモリの画像はモニタ信号生成部を経てモニタ23に再生する。
【0402】
術者はモニタ23に表示された画像に対し、キーボード35a及びマウス35bを操作して図74に示す処理を行わせて、内視鏡形状の表示の際に背景画像として表示させることができるようにしている。
【0403】
次に図74のフロ−を説明する。まず、ステップS141でビデオカメラ102による画像の取り込を行う。つまりビデオカメラ102からの画像信号を、A/D変換して、メモリに記憶する。
【0404】
次のステップS142で記憶された画像を、モニタ上に再生し、再生された画像を修正する処理を行う。つまり、フォトレタッチソフト等で不要な画像部分やノイズの部分を修正し、修正した画像のうち必要なエリアをマウス35bで選択し、張り付け用画像としてメモリに記憶しておく。
【0405】
次のステップS143で、内視鏡形状検出制御プログラムを呼び出し、かつメモリに記憶した張り付け用画像も読み込み、背景画面として貼り付ける領域を指定する。
【0406】
次のステップS144で、変形や拡大、縮小を行って、形状検出装置の形状表示画像との合わせ込み(混合)を行った後に、ステップS145で貼り込みデータを確定させることにより背景画像が確定する。
これにより、実際の内視鏡室の背景の中に検出された内視鏡の形状が表現されるので、患者の体内の内視鏡の形状が理解しやすい。
【0407】
次に本発明の第12実施形態を説明する。この実施形態はソースコイルを駆動するケーブルを用いないで無線で駆動するようにした。
第1実施形態等ではソースコイルの位置を検出するために、センスコイルで磁界強度に対応した検出信号を得るようにしている。この場合、微少な信号を検出するために、同期検波を行っている。そして、ソースコイルの駆動信号と同じ周波数の信号を抜き出すために、駆動信号に基づく参照信号を用いて検波部で、受信信号に対して直交検波を行い、受信信号の振幅と、駆動信号に対する位相を得るようにしている。
【0408】
この場合、駆動信号はケーブルを経由して形状検出装置側の検波部に伝送しているが、そのケーブルが術者の自由な動きを制限したり、患者にマーカとしてソースコイルを設けた場合には、患者の自由な体の動きを制限してしまう可能性がある。
そこで、この実施形態では参照信号を生成する信号を無線で伝送できるようにして無線で位置検出を行うことのできる装置を説明する。
【0409】
図75はソースコイルを設けたプローブ131側の構成を示す。電池、又は外部からの電磁界により交流信号を発生するアンテナコイル等で構成される電力供給手段132は電源手段133に電力を供給し、この電源手段133は安定化した直流電源を生成し、発振手段134等に動作に必要な電圧を供給する。
【0410】
発振手段134は所定の周波数で発振し、この発振信号を放射手段135に印加し、放射手段135は一定のレベルの駆動信号となるように増幅して内部のソースコイル136iに印加し、その周囲に磁界を発生させる。
【0411】
また、外部同期のための基準パルスを生成する基準信号発生手段137は発振手段134の発振信号から基準となる基準パルスを生成し、放射手段138に供給して放射手段138から放射する。
【0412】
この放射手段138は、駆動信号の振幅を一定にするためのAGC回路を備え、外部同期の為の基準パルスを拡散スペクトラム法を用いて送出する。
図76は図75をより具体的に構成したものを示す。電力供給手段132を構成するアンテナコイル132aで発生した交流信号は電源手段133を構成する整流器及びコンデンサによる直流化回路133aで整流されて直流に変換され、さらに安定化回路133bにより一定の直流電源電圧にされる。
【0413】
この直流電源電圧は発振手段134を構成する発振器134aに印加され、所定の周波数で発振し、放射手段135を構成するAGC回路135aにより一定のレベルまで増幅され、さらに切換スイッチ135bを介して順次ソースコイル136iに印加される。
【0414】
また、基準信号発生手段137を構成する拡散符号発生器137aは、発振器134aの出力がゼロになったところで0、次のゼロクロス点で1となるように発振信号出力レベルをモニタし、パルス信号を形成する。このパルス信号は変調器138aでたとえば、FSK変調され、さらに拡散変調器138bでPN符号を用いて拡散変調される。拡散変調された信号は必要に応じて増幅され、基準パルス送信用コイル138cから放射する。この信号スペクトルはブロードになる。
【0415】
なお、切換スイッチ135bは拡散符号発生器137aの出力をカウントするカウンタ等を用いて形成した切換制御器135cにより切換えが行われる。
一方、センスコイル22jを設けた形状検出装置本体側の参照信号生成回路141の構成を図77(a)に示す。
【0416】
形状検出装置本体は参照信号生成回路141を有し、上記コイル138cから放射された信号をアンテナコイル142で受信する。受信された信号は、送信側と同様の拡散符号発生器143のPN符号を参照して、逆拡散回路144で逆拡散され、BPF145でフィルタリングされた後、復調回路146で元の信号に戻される。
【0417】
従って、この復調された信号は基準駆動信号としてのパルス信号にするため、PLLループを形成し、このPLLループで基準周波数に位相ロックを行う。 位相ロックがかけられて、基準周波数に同調された信号が、基準位相が揃った参照波(参照信号)となり、この参照波は同期検波回路に出力され、センスコイルで検出した検出信号に対して同期検波に使用される。
【0418】
なお、受信側のPN符号は送信側と一致しないと、拡散を行う事になり、信号は再生されない。
つまり、位置を検出すべきコイルすべてのPN符号を変えておけば混信はなく、同時に多数の参照波を接続ケーブルなしに得る事ができる。つまり、図50に適用すれば、同時にソースコイルの駆動及びセンスコイルによる検出を無線で行うことができる。なお、変調及び復調は公知のどのような方式を採用しても良い。
【0419】
なお、電力供給手段132として図76のようにアンテナコイル132aを採用した場合には形状検出装置側或はこの装置とも別体で電磁界等を発生してそのエネルギをアンテナコイル132aに供給するエネルギ供給手段が必要となり、このエネルギ供給手段は147は例えば図77(b)に示すように発振器148とその発振出力を放射するコイル149と、直流電源150とから構成され、この直流電源150は電池でも商用電源から整流等で生成した電源を利用しても良い。
【0420】
発振器149は例えば上記発振器134aの周波数よりもはるかに高い周波数(例えば数10MHz〜数100)に設定され、発振器134aの周波数で発生される磁界に殆ど影響を及ぼさない。
なお、送信側の被変調波は、駆動信号(発振信号)そのものでもよい。
【0421】
また、この実施形態をマーカの表示に利用することもできる。図78(a)はこの第12実施形態の変形例の無線式の磁界発生ユニット159を示す。この無線式磁界発生ユニット159はコイルユニット152と駆動ユニット156とから構成される。
【0422】
例えば、図78(a)に示すように位置を知りたい対象物に装着され、その位置検出のための磁界発生に使用されるソースコイル151を内蔵したコイルユニット152にコネクタ153を設け、このソースコイル151を駆動する駆動回路154及び電池155を内蔵した駆動ユニット156のコネクタ受け157で接続することにより、マーカ用の位置検出に使用される無線式の磁界発生手段を構成している。
【0423】
上記駆動回路154及び電池155は、図76において、AGC回路135aの出力端にコネクタ受け157を接続し、このコネクタ受け157にコネクタ153を介して接続される1つのソースコイル151のみを駆動する構成にしたものとなる。
【0424】
また、図78(b)に示すように駆動ユニット156を無理なく設置できる位置までケーブル158で離してコイルユニット152と駆動ユニット156とを接続するようにしても良い。このケーブル158の両端にはコネクタ153及びコネクタ受け157に接続できるコネクタ手段が設けてある。なお、コネクタ153等を設けないでケーブル158でコイルユニット152と駆動ユニット156とを接続するようにしても良い。
【0425】
このような構造にすると、形状検出装置側とマーカに用いるコイル側との間のケーブルを省くことができるので、患者に取り付ける場合には患者の動きに殆ど制約されないし、術者が使用する場合には術者の動きに殆ど制約されない。
【0426】
次に本発明の第13実施形態を説明する。この実施形態は視覚的に分かり易いマーカ表示として例えば掌の位置を表示するようにしたものである。
これを、実現するために、ソースコイルもしくはセンスコイルの少なくとも一方を着脱可能に、掌等の任意の場所に固定できる手段を設ける。
【0427】
この第12実施形態は例えば第1実施形態の図2において、さらに図79(a)に示す掌位置検出用デバイス111をマーカ表示のための磁界発生手段として備えている。
【0428】
このデバイス111は図79(b)の分解図に示すように掌の位置を検出するための2つのソースコイル116a,116bを有し、これらをフレキシブルな薄い板112a,112b(例えばスチロール樹脂等の高分子体の柔軟な材質)の間に接着剤で固定され、また一方の板112aの外側の面(表面)には図79(a)のように固定の際の方向性を指示する指標114が設けてあり、さらに他方の板112bの裏面には着脱自在の固定手段として接着剤113が塗布されている。
【0429】
そして図79(c)に示すようにこの接着剤113により、術者或は介助者の掌(又は手袋)115に張り付けられるようにしている。上記接着剤113は使用前は剥離紙に覆われて、直前に剥離紙をはがして、所望の場所に張り付け固定することができる。接着剤を塗布しなくても、サージカルテープなどで固定しても良い。また、これは、患者の体の位置を確認するための、ボディマーカとして使用しても良い。
【0430】
また、上記指標114は例えば図79(a)のように指先側と手首側と表示してあり、術者等は固定方向を確認することができる。
検出に用いるソースコイル116a,116bは、ケーブル117により有線式に形状検出装置に接続されていても、図78(b)等のように駆動ユニットに接続して(形状検出装置とは接続されない)無線式で交流磁界を発生できるようにしてもよい。勿論、図78(a)等のように単体で交流磁界を発生するようにしても良い。
【0431】
形状検出装置で検出されたソースコイル116a,116bの位置をそれぞれP0(x0,y0,z0)、P1(x1,y1,z1)とする。
P01=(P1−P0)とすると、一つのベクトルが設定できる。このベクトルが、掌で手首から指先方向に重なるように、術者が掌に張り付ける。
【0432】
図80(a)に示すように検出された掌の位置は、モニタ画面上で内視鏡形状の画像118と共に、掌を模したグラフィック119で表示しても良いし、図80(b)に示すように矢印120で表示するようにしてもいい。
また、実際には、内視鏡を体外から確認するための手段であるので、内視鏡と術者の掌の距離を、補助情報として表示するようにしてもよい。
【0433】
図81は第13実施形態の変形例の内視鏡形状検出装置121を示す。この装置121は例えば図2の第1実施形態において、さらにマーカ表示等に使用できるソースコイルをそれぞれ内蔵したコイルユニット122a,122b,122c(122qで代表する)が設けている。また、形状検出装置本体21にはキーボード35b,マウス35cが接続されている。
【0434】
また、操作パネル35には拡大図に示すようにユーザ定義マーカスイッチ123a,ボディマーカスイッチ123b,マーカ設定モードON/OFFスイッチ123c,器具マーカスイッチ123d,ハンドマーカスイッチ123e,マーカ設定スイッチ123f(123kで代表する)等が設けてあり、これらのスイッチ123kを操作してコイルユニット122qにおける任意で使用するコイルを術者が指定できるようにしている。
【0435】
それぞれのコイルユニット122qは図79と同様に、術者に貼り付け固定するための手段が設けられている。また、操作パネル35にはカーソルキー124と共に、表示/コイル切換えキー125が設けてある。
【0436】
次に操作パネル35の操作により任意の所望のコイルユニットをユーザ定義マーカ、ボディマーカ、器具マーカ等に設定する処理を図82のフローを参照して説明する。この処理は例えば図15のステップS42のスコープイメージ描写の処理に組み込まれる。
【0437】
このステップS42の動作時(図82ではメインと記す)にCPUはマーカ設定モードスイッチ123cのON/OFFを監視しており(ステップS151)、マーカ設定モードスイッチ123cをONして、設定モードにすると、マーカとして設定可能なコイルユニット122qに対応した表示部が点滅、もしくは他のコイルユニットとは異なる色でモニタ23の画面に表示される。
【0438】
ステップS152のように、コイルユニット123qに対応した例えばユニットナンバNの表示部が点滅する。
従って、点滅したコイルユニット123qとしてボディマーカスイッチ123b等の設定したいマーカスイッチをONする(ステップS153)。
【0439】
点滅したコイルユニット122qが操作者が設定したいコイルユニット123p(p=a,b,c)か否かを知るには、コイルユニット123pを保持して、位置検出装置の上方等で動かすと、そのコイルユニット123pに対応した表示マークがモニタ画面上で移動する。
【0440】
従って、所望のコイルユニット123pが選択されていない場合には、たとえばマウスカーソル等のポインティングデバイス等で選択、或はカーソルキーで選択する等して、所望のコイルユニットを選択(選択で反転表示する)し(ステップS154)、ユニットナンバMに対応したコイルユニット123pをセットし、また、表示形式をセットする(ステップS155)。
【0441】
次にマーカ設定スイッチ123fをONしてマーカの設定を行い、所望のコイルユニット123pのマーカ登録する。(ステップS156、157)。
このようにして操作者は、順次必要なマーカを設定していく(例えば患者の右体側の位置を示すボディマーカ、左体側を示すボディマーカ、肛門の位置を示すボディマーカ等として登録する)。
【0442】
なお、モニタ画面にはマーカ表示のパターン候補も表示されるので、コイルユニットの選択と同じ様に表示のマウスやカーソルで選択する。コイルユニット選択と表示選択の機能の切換えはカーソル中央の表示/コイル切換えキーで行い、上記表示形式を切換えることができる。
【0443】
ここでは、位置のみしか検出できない場合について記述したが、検出される信号にはソースコイル、センスコイル相互の傾きによる変化の影響も含まれている。そこで、傾きを検出する事も可能となる。
なお、傾きまで検出できる位置導出手法を用いている場合には、掌に設置するソースコイル又はセンスコイルは一つでよい。
【0444】
設置するコイルユニットには、上述のように指先に対応する方向と、手首に対応する方向にそれぞれを現す表示がされている。(複数のコイルを一体化して構成する物にも適用できる。)
ソースコイル或はセンスコイルの位置のみを導出する方式で、例えばソースコイルを2つ用いる場合、或はソースコイルの方向まで導出する方式で、ソースコイルを1つ用いる場合には掌の向いている方向は規定できない。方向を決定するには、パラメータが3つ必要であり、掌の方向も含めて検出、描画する場合に使用される掌位置検出用デバイス161を図83に示す。
【0445】
図83に示す掌位置検出用デバイス161は、図79のデバイス111に1つのソースコイル116cを追加した構成になっている。このように1つソースコイル116cを追加することで、3つのソースコイル116a,116b,116cが含まれる一つの平面が定義できるので、掌の向きを決定することができる。
【0446】
これにより、掌の向きが変化する事を検出して、表示するマーカの描画パターンを変える事ができ、立体的な位置関係が、術者に把握しやすくなる。
図84に示すように、3つのソースコイル116a,116b,116cの位置P0,P1,P2の位置ベクトルをvP0,vP1,vP2とする。
原点Oは、ベッドの中央と設定する。
【0447】
このときP1P0=vP1−vP0 (1)
P2P0=vP2−vP0 (2)
で表される。ここで、例えばP1P0は位置P0から位置P1の長さを有し、位置P0から位置P1の方向を向くベクトルを表す。
【0448】
今、表示したい掌を、検出するための3点を含む平面は、この平面上の位置ベクトルをrとすると、一般に、
r=vP0+s(vP1−vP0)+t(vP2−vP0) (3)
と表される。
【0449】
r=vP0、vP1,vP2を代入して(3)を解くと、
x,y,z各軸方向の単位ベクトルをa.b.cとして、(3)式は
la+mb+nc=0 (4)
と書き直せる(l,m,nは少なくとも1つは0でない整数)。
【0450】
この時のu=(l、m、n)がP0、P1、P2の3点を含む平面に垂直な方向ベクトルを決めることになる。
そして、視点の位置ベクトルをqとすると、uとqの内積は、その角度が鈍角か鋭角か、直角かで負、正、0の値をとる(鋭角の場合は正、鈍角は負)。
この値の符号で掌が視点方向を向いているのか、手の甲が視点方向を向いているかが判断可能である。
【0451】
そこで、掌と甲では、画面に表示する色を変えるようにする。このデバイス161を内視鏡形状検出装置(例えば図81の装置121でコイルユニット122a,122b,122cとしてこのデバイス161を3つ用いる)に採用してマーカ表示を行う場合のマーカ表示処理を図85に示す。
【0452】
メインの状態からマーカが設定されているか否かの判断が行われる(ステップS161)。設定されていると、設定されている各コイルユニットの3つのソースコイルの位置検出が行われ、マーカの描画位置取得がされる(ステップS161)。
【0453】
次にマーカ設定モードに対応したパターンで、検出された位置にそのマーカの画像が、掌と甲では異なる色で表示され(ステップS163)、この表示の処理の後にメインに戻る。
【0454】
このようにマーカを表示する場合、掌或は甲の面からの傾き角等に応じて徐々に色が変化していくように(例えば、暖色から寒色へ変化するようにカラーテーブルから表示色を選択する)してもよい。また、表示される形が角度、位置にあわせて変形していくようにしても良い。
【0455】
図86は2つのソースコイルを用いて掌の位置と方向とを検出することを可能にする掌位置検出デバイス171を示す。
このデバイス171は、図79のデバイス111において、2つのソースコイル116a,116bが同方向とならないように、それぞれ位置P0,P1に設けられており、これを掌に貼り付けることができる。
【0456】
図87に示すようにソースコイル116a,116bの方向ベクトルをa,bとすると、a.bに平行な平面を表すベクトルcは、
c=ga+hb(g,hは少なくとも一つは0でない整数)
となり、この平面の垂線はa,bの外積となる。
【0457】
つまりi=a×bで決定されるベクトルを求め、さらに図83の場合の説明と同様に、iと視点方向を示すベクトルの内積の値wの正負、0により掌の方向が判別できる。
【0458】
図88はマーカ表示の処理内容をフローで示す。ステップS162までは図85と同様である。次のステップS173で平面に平行なベクトルcを算出し、さらにこのベクトルcに垂直なベクトルiを算出する。
【0459】
次にこのベクトルiと視点方向ベクトルqとの内積の値wを算出する(ステップS174)。そして、この値wの符号を判断し(ステップS175)、正の場合にはこのマーカのグラフィックの甲側パターンを描画し(ステップS176a)、負の場合にはこのマーカのグラフィックの掌側パターンを描画し(ステップS176b)、0の場合にはこのマーカのグラフィックの側面パターンを描画する(ステップS176c)。
【0460】
さらに、付加的な描画を行うとする場合には、甲側パターンを描画した場合には、ベクトルiとqとのなす角度(wの値から分かる)に応じて側面パターンを回転処理してメインに戻る(ステップS177a)。また、掌側パターンを描画した場合にもその角度に応じて側面パターンを回転処理してメインに戻る(ステップS177b)。
【0461】
図53の実施形態では3方向の磁界強度を検出するセンサ75jとして3つのMR素子を(直列接続して)用いているが、図89に示すように例えば90度をなす2つの面に検出軸が各々直交する2つのMR素子71、72を設置し、これらのMR素子71、72をステップモータ74やソレノイドで90度回転の往復運動をさせ、その90度の回転ごとに磁界強度を測定することで、その場所での磁界強度を測定するようにしても良い。また、MR素子の代わりにホール素子を用いても良い。
【0462】
複数のコイルとかMR素子等を位置検出センサとして用いる場合には、コア材に穴をあけて連結することで細長のプローブ15、もしくは内視鏡6でそれぞれの間隔を既知の長さに規制して、得られたセンサ位置の精度の向上を図ることができる。
【0463】
内視鏡6のチャンネル13等の狭い管状空間内に挿入するプローブ15の場合には、径をなるべく細くしたいためセンサの外側に位置規制の部材を設けるのは困難になることがある。
【0464】
そのため、連結しようとする面の検出部に連結用の穴をあけ、例えばMR素子をこの穴を避けて形成するようにしてもよい。図90(a)はこのようにしたセンサを示す。
各センサ80は立方体のセンサ支持部材81の3つの面にそれぞれMR素子82a,82b,82cを接着等で固定され、連結コード83に一定間隔毎に固定される。
【0465】
この場合、MR素子82aの中央には図90(b)に示すようにコード挿通用の穴84が形成され、連結コード83はこの穴84を通すことができるようにしている。なお、立方体のセンサ支持部材81にもコード挿通用の穴84′(図91参照)が形成されている。
一方、MR素子82aに連結用の穴84をあけるのではなく、図91に示すような構造にしても良い。
【0466】
図91に示すセンサ80′では、図90(a)のMR素子82aとMR素子82cとを一体化してMR素子82c′としたものである。このMR素子82c′は検出方向が直交するMR素子部85a,85cを同一平面上に形成して2方向検出用のMR素子センサを形成している。
【0467】
尚、このMR素子82c′を設けた面に隣接し、穴84′が形成されていない面には図89(a)と同様に、1方向の検出用のMR素子82bが取り付けてある。このようにセンサ支持部材81における連結に必要な面にはMR素子を設けないようにしてもよい。
【0468】
また、図91において、MR素子82c′として検出方向が直交するMR素子を同一平面上に一体構成したが、MR素子を2つ取り付けるようにしても良いことは明らかである。
【0469】
このような構造のセンサを位置決めするためには、図92(a)に示すように間隔uを決めてコード83等の固定部材に各センサ(80等)を接着剤で接着すれば良い。そして、固定部材の全長より短い長さのチューブ87内に挿入し、例えば固定部材にテンションをかけて位置決めを確実に行った状態で、図92(b)に示すようにチューブ87内に軟性の熱硬化性樹脂88や弾性を有した状態まで硬化した樹脂を充填して固めれば良い。
【0470】
また、位置決めを行うために図93に示すように円筒形の割型91、92にセンサ80を所定の間隔の各位置に置いて割型を閉じ、図示しない絶縁性の樹脂を流し込んで硬化させるようにしても良い。この場合、コード83にリード線を固定し、コード83を少し弛ませた状態で、樹脂を流し込んで硬化させるようにして、屈曲させてもリード線が断線しにくい構造となるようにしても良い。
【0471】
硬化したら伸展させた外套部材または熱収縮性の外套部材に挿入する。このように、外套部材に挿入することで、プローブとしての強度を確保するとともに、チャンネル内に挿入する場合の滑りを、外套部材の表面処理で確保できる。
また内部が樹脂で充填されているので、座屈を起こすことがない。
【0472】
なお、上述した実施形態等では内視鏡のチャンネル内にプローブを挿入して内視鏡内の既知の位置に磁界発生源或は磁界検出センサを配置するように説明したが、本発明はこれに限定されるものでなく、内視鏡内(例えば先端部内)に磁界発生源或は磁界検出センサを内蔵或は外周面に取り付ける等して設けるようにしても良い。
【0473】
また、内視鏡はCCD等の撮像素子を内蔵したものに限定されるものでなく、光学式の内視鏡(例えばファイバスコープ)でも良い。
また、ベッド4の隅等に磁界発生源或は磁界検出センサを配置するものに限定されるものでなく、ベッド4の周囲とかベッド4の上方側の位置等に配置しても良い。
【0474】
また、1軸或は3軸のコイルを用いてソースコイル或はセンスコイルを形成するものに限定されるものでなく、2軸のコイル(3軸のコイルから1つのコイルを除去したもの)を用いるようにしても良い。
【0475】
また、フレキシブル基板等にコイルを印刷形成したものをチューブ状にしてチャンネル内に設置できるようにしたものを位置検出或は形状検出用のプローブとして使用しても良い。また、このようにコイルを印刷形成したものをチューブ状にしてチャンネルを形成するチューブに適用しても良い。
【0476】
また、フレキシブル基板等にコイルを印刷形成したものを内視鏡の挿入部にスパイラル状に巻き付ける等して挿入部に取り付け、位置及び形状検出に利用するようにしても良い。
【0477】
なお、上述した実施形態等では可撓性を有し、被検体内に挿入される内視鏡挿入部内に、磁界発生素子としてのソースコイルを配置してその形状が変化しないように固定したもの、或は磁界発生素子側を被検体の外の既知の位置に配置し、磁界検出素子としてのセンスコイルとか磁気抵抗素子等を挿入部内に配置して、その形状が変化しないように固定したものについて説明した。
本発明はこれらに限定されるものでなく、以下のように硬性の挿入部を有する硬性内視鏡に対しても適用できる。
【0478】
腹腔鏡手術のような複数の硬性内視鏡を用いて手術又は検査を行う場合、それぞれの硬性内視鏡の先端の位置関係を正確に知ることは作業を円滑に行うために重要な役割を果たす。そこで、位置検出範囲内に存在する硬性内視鏡の接眼部付近にソースコイル1個のプローブを既知の部分の2箇所に固定するか、又はソースコイル2個を既知の距離で配置させたプローブを硬性内視鏡の中心軸に平行に固定する。
【0479】
硬性内視鏡は先端の向きを変える場合には接眼部付近がかなり動くためにプローブの固定部分は屈曲に対して耐性を持たせる必要があり、ソースコイルは絶縁部材で固める必要があるが、その他の部分は硬性内視鏡を動かす際に不用なテンションがかからないように柔軟な材質にしておく。
【0480】
このように配置されたソースコイルの位置から硬性内視鏡の先端までの距離は予め分かっているので、2つのソースコイルの位置が検出されると、その2つのソースコイルを結ぶ直線上に前記既知の距離の位置に先端部分があることが分かる。この場合、硬性内視鏡の内部にソースコイルを設けなくても良いので、どんな太さの硬性内視鏡に対しても使用できる。
【0481】
さらに本発明は人体等の生体内に挿入されるものに限定されるものでなく、生体以外の管腔内に挿入され、検査されるべき被検部(対象物)に対して、可撓性を有するプローブ内に磁界発生素子及び磁界検出素子のうちの一方を配置し、その形状が変形しないように絶縁部材等で固定し、前記磁界発生素子及び磁界検出素子のうちの他方を、被検部の外の既知の位置に配置したものにも適用できる。また、医療用の器具或はデバイス等の挿入具又は工業用でプラント内部等の管腔内に検査等で挿入される挿入具の内部等の既知の位置に、磁界発生素子及び磁界検出素子のうちの一方を絶縁部材等で固定或は取り付け、管腔内に挿入された可撓性の挿入部或は硬性の挿入部の位置とか挿入具の手元側の位置等を検出或は推定できるようにしても良い。
【0482】
これらの場合にも前記磁界発生素子で発生した磁界を前記磁界検出素子で検出して、既知の位置に配置した前記磁界発生素子又は磁界検出素子を基準にして被検部とか管腔内に挿入されるプローブとか挿入具内の前記磁界発生素子又は磁界検出素子の位置を検出し、さらにプローブ或は挿入具の少なくとも1箇所以上の位置を検出したり、プローブ或は挿入部の形状を推定し、推定した形状を表示したりすることができる。
上述の実施形態等では測定により磁界強度に対応する信号を得て、予め測定等で求めた基準データを参照するなどして、挿入部7内等に配置されたソースコイル16i等の存在する領域或は位置を算出するようにしているが、計算によって、挿入部6内等に配置したソースコイル16i等の位置及び傾きを導出するようにしても良い。
【0483】
また第1実施形態では、3軸のセンスコイル22jとして3軸に直交するコイルを用いてそれらのサイズ等のバラツキを補正するようにしているが、ソースコイル16i等に対しても行うようにしても良い。
なお、内視鏡の形状全体を表示してもよいが、関心の高い(例えば先端部のみ)部分を選択して表示できるようにしてもよい。
また、先端の方向のみを、矢印などで表現してもよい。
検出用のコイル位置のみ、他の補間して表現している内視鏡形状と色で区別して表現してもよい。その部分のみ×などの記号を付けてもよい。
ベッドからの距離で閾値を設定し、その位置より遠いときは暖色、近いときは寒色、もしくはその逆、彩度、明度、色相を変える等で表してもよい。
【0484】
また、この形状検出装置で検出される形状は、内視鏡挿入の過程を表すので、その時系列データをディスク等に記憶するようにしてもよい。
なお、内視鏡の可撓性を有する挿入部に磁界発生素子又は磁界検出素子の一方を固定する場合、挿入部の先端の硬質の先端硬質部材に固定しても良いし、湾曲自在の湾曲部を構成する硬質の湾曲駒に絶縁部材等でその形状が変形しないように固定しても良い。
また、挿入部内に配置される磁界検出素子又は前記磁界発生素子は少なくとも外表面の一部が曲面をなすように形成されるようにしても良い。
【0485】
なお、磁界発生素子がその周辺付近の空間では、1つの軸方向に強い指向性を持つ磁界を発生する素子の場合には、磁界検出素子としては、直交する3つの軸方向の磁界強度成分を検出できるものを用いることが望ましい。これは1つ或は2つの軸方向の磁界強度成分しか検出できない場合には、磁界発生素子と磁界検出素子との相対的な向きに大きく依存して、検出される磁界強度が非常に小さくなる場合と、大きくなる場合とのレベル差が大きくなる。このため、検出された信号から2つの素子間の距離の範囲を狭い範囲に限定することは殆どできないためである。
【0486】
一方、直交する3つの軸方向の磁界強度成分を検出できるものであると、指向性の強い磁界の場合でも、その向きの依存性は上記の場合より小さく、検出された磁界強度から2つの素子間の距離の範囲を比較的狭い範囲に限定できる。
【0487】
また、磁界検出素子として直交する3つの方向の磁界強度成分を検出できる素子の場合、各方向に対する検出感度は出来るだけ等しいものが望ましい。この場合には、各磁界強度成分の2乗の総和の平方根で磁界強度を得ることができるからである。一方、各方向に対する検出感度が異なると、磁界強度を算出するために補正を必要とするが、補正を行えば使用できる。
なお、上述した実施形態等を部分的に組み合わせて形成した実施形態等も本発明に属する。
又、本発明は上述した実施形態等の他に下記の付記の内容(クレーム、目的、作用、効果等)も含む。
【0488】
[付記]
1.被検部内に挿入可能な可撓性の挿入部と、
前記被検部の外部の既知の位置に配置され、駆動信号の印加により周囲に磁界を発生する磁界発生素子及び磁界を検出する磁界検出素子のうちの一方と組み合わされて使用され、前記挿入部内に配置され、前記磁界発生素子及び前記磁界検出素子のうちの他方と、
前記挿入部内に配置される前記他方を、該挿入部での位置が既知となるように前記磁界発生素子又は前記磁界検出素子の形状が変形しないように絶縁部材で固定する固定手段と、
を有する挿入部位置検出用プローブ。
請求項1は内視鏡の挿入部の位置を検出するための装置であるのに対し、この付記のクレーム1(以下、単に1と略記)は内視鏡に限定されるものでなく、被検部に挿入される可撓性の挿入部の位置を精度良く検出することを目的とするものである。挿入部の位置を検出するため、挿入部内に磁界発生素子又は磁界検出素子を絶縁部材で固定しているので、屈曲されて挿入されても、磁界発生素子又は磁界検出素子が変形することは防止される。そして、被検部の外部の既知の位置に配置された磁界検出素子又は磁界発生素子とにより、挿入部内の磁界発生素子又は磁界検出素子の位置を精度良く検出でき、この検出により挿入部の位置も精度良く検出(推定)できる。
【0489】
2.可撓性のチューブと、
前記チューブ内に配置され、駆動信号の印加により周囲に磁界を発生する磁界発生素子及び磁界を検出する磁界検出素子と、
前記磁界発生素子又は前記磁界検出素子の形状が変形しないように絶縁部材で固定する固定手段と、
を有する位置検出用プローブ。
1は被検部内に挿入される挿入部を有していたのに対し、このプローブは被検部内に挿入されても良いし、被検部等に挿入される器具その他のデバイスに取り付ける等して、その器具その他のデバイスの位置を精度良く検出することを目的とする。可撓性を有するチューブであるので、器具その他のデバイスへの取付も簡単にできる。1と同様に器具その他のデバイスの位置を精度良く検出することができる。また、チューブ内に磁界発生素子又は磁界検出素子を固定しているので、使用後に洗浄、消毒等も容易である。
【0490】
3.クレーム2の位置検出用プローブであって、前記磁界発生素子及び前記磁界検出素子の少なくとも前記磁界発生素子はコイルで構成される。
4.クレーム2の位置検出用プローブであって、前記チューブは人体に挿入可能である。
【0491】
5.被検部内に挿入可能な可撓性の挿入部を有する挿入具と、
駆動信号の印加により、周囲に磁界を発生する磁界発生素子を有する磁界発生手段と、
前記磁界発生素子で発生した磁界を検出する磁界検出素子を有する磁界検出手段と、
前記挿入部内に配置される前記磁界発生素子及び前記磁界検出素子のうちの一方を絶縁部材を介して、前記磁界発生素子又は前記磁界検出素子の形状が変形しないように固定する固定手段と、
前記磁界発生素子及び前記磁界検出素子のうちの他方を前記被検部外の既知の位置に設定する設置手段と、
前記被検部外又は前記挿入部内の前記磁界検出素子で検出された検出信号から前記被検部外の既知の位置に対する前記挿入部内に配置された前記磁界発生素子又は前記磁界検出素子の位置を推定する位置推定手段と、
を具備した挿入部位置検出装置。
請求項1が内視鏡の挿入部の位置を検出する装置であるのに対し、この装置は被検部に挿入される内視鏡を含む挿入具の挿入部の位置を検出することを目的とする。その作用及び効果は請求項1に対する内視鏡を挿入具に置換したものとほぼ同様となる。
【0492】
6.クレーム5の挿入部位置検出装置であって、前記磁界発生手段は複数の前記磁界発生素子を有する。
7.クレーム5の挿入部位置検出装置であって、前記磁界検出手段は複数の前記磁界検出素子を有する。
8.クレーム5の挿入部位置検出装置であって、前記一方は前記磁界発生素子又は前記磁界検出素子を複数有する。
9.クレーム8の挿入部位置検出装置であって、前記位置推定手段は前記位置を複数推定し、さらに推定された複数の位置から前記被検体内に挿入される前記挿入部の形状を推定する挿入部形状推定手段を有する。
10.クレーム9の挿入部位置検出装置であって、さらに推定された挿入部の形状に対応する画像を表示する表示手段を有する。
【0493】
11.クレーム7の挿入部位置検出装置であって、前記磁界発生素子は導線を巻回したコイルで構成される。
12.クレーム7の挿入部位置検出装置であって、前記磁界検出素子は導線を巻回したコイル又は磁界強度で抵抗値が変化する磁気抵抗素子で構成される。
13.クレーム7の挿入部位置検出装置であって、前記磁界発生素子は硬質のコア部材に導線を巻回したコイルで構成される。
14.クレーム7の挿入部位置検出装置であって、前記磁界検出素子は硬質のコア部材に導線を巻回したコイルで構成される。
15.クレーム7の挿入部位置検出装置であって、前記固定手段は前記磁界発生素子又は磁界検出素子を固定する絶縁性の接着剤である。
【0494】
16.クレーム7の挿入部位置検出装置であって、前記挿入部内に配置される前記磁界検出素子又は前記磁界発生素子は前記挿入部の軸方向に対して伸縮性を有しない固定部材によって連結される。
17.クレーム7の挿入部位置検出装置であって、前記挿入部内に配置される前記磁界検出素子又は前記磁界発生素子は少なくとも外表面の一部が曲面をなすように形成される。
18.クレーム7の挿入部位置検出装置であって、前記磁界検出素子又は前記磁界発生素子はシールドが施されたケーブルを介して信号の伝送を行う。
19.クレーム6の挿入部位置検出装置であって、複数の前記磁界発生素子はそれぞれ異なるタイミングで駆動される。
20.クレーム6の挿入部位置検出装置であって、複数の前記磁界発生素子はそれぞれ異なる周波数で駆動される。
【0495】
21.クレーム6の挿入部位置検出装置であって、複数の前記磁界発生素子はそれぞれ同時に駆動される。
22.クレーム20の挿入部位置検出装置であって、前記周波数はそれぞれが整数倍の関係にならない周波数に設定される。
23.クレーム7の挿入部位置検出装置であって、前記磁界発生素子を前記駆動信号で駆動した時、過渡応答を示す場合には、前記磁界検出素子で検出された検出信号を取り込むタイミングを前記過渡応答の時間程度遅延して取り込む。
24.クレーム7の挿入部位置検出装置であって、前記磁界発生素子を駆動する場合、該磁界発生素子の駆動信号に対する過渡応答特性を軽減する位相角の駆動信号で駆動する。
25.クレーム7の挿入部位置検出装置であって、前記磁界発生素子及び前記磁界検出素子の少なくとも前記磁界検出素子は直交する3つの軸方向にそれぞれ指向性を有するようにそれぞれ巻回された3つのコイルからなる3軸コイルである。
【0496】
26.クレーム25の挿入部位置検出装置であって、前記位置推定手段は前記3軸コイルの各コイルの径を考慮して、前記挿入部内の前記磁界発生素子又は前記磁界検出素子の位置を演算する補正手段を有する。
27.クレーム7の挿入部位置検出装置であって、前記位置推定手段は前記被検体外の既知の位置に設置された少なくとも3つ以上の磁界検出素子又は3つ以上の磁界発生素子の位置情報を用いて、前記挿入部内の各磁界発生素子又は磁界検出素子を存在が予測される3次元領域を算出する。
28.クレーム25の挿入部位置検出装置であって、前記位置推定手段は前記磁界検出素子の検出信号に対し、基準となる基準情報を参照して、前記磁界発生素子及び前記磁界検出素子との距離が存在する距離範囲を推定するための基準となる基準情報を有する。
29.クレーム28の挿入部位置検出装置であって、前記位置推定手段は前記磁界発生素子の向きを考慮して前記磁界発生素子から既知の距離の前記磁界検出素子で検出され得る磁界強度に対応する信号の最大値及び最小値を前記既知の距離の値を変えて得たデータを前記基準情報に設定する。
30.クレーム7の挿入部位置検出装置であって、前記挿入部内の前記磁界発生素子又は前記磁界検出素子は前記位置推定手段側と有線で接続される。
【0497】
31.クレーム7の挿入部位置検出装置であって、前記磁界発生素子又は前記磁界検出素子は前記位置推定手段側と無線で接続される。
32.クレーム7の挿入部位置検出装置であって、前記挿入部内の前記磁界検出素子又は前記磁界発生素子は前記位置推定手段側と無線で接続され、外部から無線で供給されるエネルギから直流電力を生成する手段を有する。
33.クレーム10の挿入部位置検出装置であって、さらに前記表示手段に基準位置を含むマーカを表示させるためのマーカ表示手段を有する。
34.クレーム33の挿入部位置検出装置であって、前記マーカ表示手段は、前記被検体外の任意位置に設置可能にされ、前記挿入部内に設けた前記一方を形成する前記磁界発生素子又は前記磁界検出素子と同じ種類の磁界発生素子又は磁界検出素子を有する。
35.クレーム34の挿入部位置検出装置であって、前記マーカ表示手段は、術者の手に設置可能な前記磁界発生素子又は前記磁界検出素子を有し、前記手の移動で設定された設定点に応じて前記表示手段に前記設定点に対応するマークを表示する。
【0498】
36.クレーム10の挿入部位置検出装置であって、前記表示手段は前記挿入部形状を表示するための第1及び第2の画像メモリを有し、前記第1の画像メモリに格納されている画像データを前記表示手段に出力している間に前記挿入部形状推定手段が前記挿入部の形状を推定する演算途中の画像データを前記第2の画像メモリに格納する。
37.クレーム10の挿入部位置検出装置であって、前記表示手段は前記挿入部に対応する画像を表示するためにそれぞれ異なる複数の画像パターンを格納した画像パターン格納手段を有し、前記表示手段は前記挿入部形状推定手段で推定された前記挿入部の形状に対応する画像パターンを前記画像パターン格納手段から読み出して表示する。
38.クレーム6の挿入部位置検出装置であって、前記表示手段は前記被検体の概略の形状を、前記画像にスーパインポーズして表示する。
39.クレーム7の挿入部位置検出装置であって、前記磁界検出手段は前記磁界検出素子で検出される検出信号から前記駆動信号を基にした参照信号を用いて同期検波によって求められた信号成分を抽出する。
40.クレーム7の挿入部位置検出装置であって、前記挿入部は前記磁界発生素子の駆動により発生する磁界に影響を及ぼさない部材で形成される。
41.クレーム7の挿入部位置検出装置であって、前記被検体が載置される載置台を有し、前記載置台は前記磁界発生素子の駆動により発生する磁界に対して影響を及ぼさない部材で形成される。
【0499】
42.管腔内に挿入可能な可撓性の挿入部を有する挿入具と、
駆動信号の印加により、周囲に磁界を発生する磁界発生素子を有する磁界発生手段と、
前記磁界発生素子で発生した磁界を検出する磁界検出素子を有する磁界検出手段と、
前記挿入具内に配置される前記磁界発生素子及び前記磁界検出素子のうちの一方を絶縁部材を介して、前記磁界発生素子又は前記磁界検出素子の形状が変形しないように固定する固定手段と、
前記磁界発生素子及び前記磁界検出素子のうちの他方を前記管腔外の既知の位置に設定する設置手段と、
前記管腔外又は前記挿入具内の前記磁界検出素子で検出された検出信号から前記管腔外の既知の位置に対する前記挿入具内に配置された前記磁界発生素子又は前記磁界検出素子の位置を推定する位置推定手段と、
を具備した位置検出装置。
管腔内に挿入される挿入部を有する挿入具の位置を精度良く検出することを目的とする。挿入具内の磁界発生素子又は磁界検出素子の位置を精度良く検出することにより、挿入具の位置を精度良く検出或は推定できる。
【0500】
43.被検体内に挿入可能な可撓性の挿入部を有し、前記挿入部の先端側に照明光を出射する照明光出射手段及び照明された被写体を観察する対物光学系を有する内視鏡と、
駆動信号の印加により、周囲に磁界を発生する磁界発生素子を有する磁界発生手段と、
前記磁界発生素子で発生した磁界を検出する磁界検出素子を有する磁界検出手段と、
前記挿入部内に配置される前記磁界発生素子及び前記磁界検出素子のうちの一方を絶縁部材で、前記磁界発生素子又は前記磁界検出素子の形状が変形しないように固定する固定手段と、
前記磁界発生素子及び前記磁界検出素子のうちの他方を前記被検体外の既知の位置に設定する設置手段と、
前記被検体外又は前記挿入部内の前記磁界検出素子で検出された検出信号から前記被検体外の既知の位置に対する前記挿入部内に配置された前記磁界発生素子又は前記磁界検出素子の位置を推定する位置推定手段と、
を具備した内視鏡位置検出装置。
内視鏡の構成をより具体的に記載しているが、請求項1とほぼ同様の目的、作用、効果を有する。
【0501】
44.クレーム43の内視鏡挿入部位置検出装置であって、前記一方は前記磁界発生素子又は磁界検出素子を複数有し、前記位置推定手段で推定された複数の位置から前記被検体内に挿入される前記挿入部の形状を推定する挿入部形状推定手段を有する。
45.クレーム44の内視鏡挿入部位置検出装置であって、さらに前記挿入部形状推定手段によって推定された挿入部の形状に対応する画像を表示する表示手段を有する。
46.クレーム43の内視鏡挿入部位置検出装置であって、前記磁界発生素子又は磁界検出素子は前記挿入部の先端に設けた硬質の先端硬質部材に固定される。47.クレーム43の内視鏡挿入部位置検出装置であって、前記挿入部は、湾曲自在の湾曲部を有し、前記磁界発生素子又は磁界検出素子は、前記湾曲部を構成する硬質の湾曲駒に固定される。
48.クレーム43の内視鏡挿入部位置検出装置であって、前記内視鏡は光電変換する機能を有する撮像素子を備え、前記撮像素子を駆動していない非撮像素子駆動期間内に前記磁界発生素子を駆動する。
49.クレーム43の内視鏡挿入部位置検出装置であって、前記内視鏡は光電変換する機能を有する撮像素子を備え、前記撮像素子を露光している露光期間内に前記磁界発生素子を駆動する。
50.クレーム43の内視鏡挿入部位置検出装置であって、前記内視鏡は処置具を挿通可能とするチャンネルを有し、前記磁界発生素子及び前記磁界検出素子の内の一方は前記チャンネル内に設置される。
【0502】
51.被検体内に挿入可能な可撓性の挿入部内に設置された又は被検体外の既知の位置に設置された磁界発生素子に、前記磁界発生素子を駆動する駆動信号を印加して前記磁界発生素子の周囲に磁界を発生させる駆動ステップと、
前記被検体外の既知の位置に設置された又は前記挿入部内に設置された磁界検出素子で、前記磁界発生素子からの距離に応じて強度が変化する磁界に対応する検出信号を検出する磁界検出ステップと、
前記検出信号から前記被検体外の前記磁界発生素子又は前記磁界検出素子の各既知の位置から前記挿入部内に設置された前記磁界発生素子又は前記磁界検出素子の存在する3次元位置を推定する位置推定ステップと、
を有する挿入部位置検出方法。
被検体に挿入される挿入部の位置を検出する方法をクレーム化している。
52.クレーム51の挿入部位置検出方法であって、前記挿入部内には前記磁界発生素子又は磁界検出素子が複数配置され、前記位置推定ステップで推定された各3次元位置を参照して前記被検体内に挿入された前記挿入部の形状を推定する形状推定ステップと、
推定された挿入部形状に対応する画像を表示する表示ステップとを有する。 被検体に挿入される挿入部の形状に対応する画像を表示することを目的とする。位置推定ステップで推定された各3次元位置を参照して被検体内に挿入された挿入部の形状を推定し、さらに推定された挿入部形状に対応する画像を表示する。このため、使用者は挿入部の状態を視覚的に把握でき、挿入部の挿入等の作業その他の処置を容易にできる。
【0503】
53.クレーム51の挿入部位置検出方法であって、前記磁界検出素子が複数配置された場合、前記駆動ステップは各磁界発生素子にそれぞれ異なるタイミングで前記駆動信号を印加する。
54.クレーム51の挿入部位置検出方法であって、前記磁界検出素子が複数配置されている場合、前記磁界検出ステップは各磁界検出素子でそれぞれ検出された磁界の強度に対応した検出信号をそれぞれ異なるタイミングで取り込む。
55.クレーム51の挿入部位置検出方法であって、前記磁界検出素子は直交する3つの軸方向の磁界強度成分を検出する機能を有し、前記位置推定ステップは前記検出信号に対応して予め用意した基準データを参照して最小距離及び最大距離との間の3次元領域内の3次元位置に前記挿入部内の前記磁界検出素子又は前記磁界発生素子が存在することを算出する。
【0504】
56.クレーム55の挿入部位置検出方法であって、前記基準データは前記磁界発生素子の向きを考慮して、前記磁界発生素子で発生した磁界に対して前記磁界発生素子から既知の距離で検出され得る前記磁界検出素子の検出信号の最大値及び最小値を前記既知の距離を変えて得たデータである。
57.クレーム55の挿入部位置検出方法であって、前記位置推定ステップは前記挿入部内の磁界検出素子又は前記磁界発生素子が存在する3次元領域を前記被検体外の既知の位置に配置された前記磁界検出素子又は前記磁界発生素子それぞれに対して行うことにより、複数の3次元領域の共通領域内の3次元位置に存在することを算出する。
58.クレーム51の挿入部位置検出方法であって、前記形状推定ステップは前記挿入部内の各磁界検出素子又は各磁界発生素子に対応する各3次元位置を連結する連結ステップを有する。
59.クレーム58の挿入部位置検出方法であって、前記形状推定ステップは前記各3次元位置の間を補間して連結する。
60.クレーム51の挿入部位置検出方法であって、前記表示ステップは前記挿入部の形状を視点に対向する仮想的なスクリーンに擬似的に投影した投影形状に対応する画像で表示する。
【0505】
61.クレーム60の挿入部位置検出方法であって、前記表示ステップは前記視点の位置を任意に設定可能である。
62.クレーム60の挿入部位置検出方法であって、前記表示ステップは前記スクリーンに擬似的に投影した投影形状に対応する画像における前記視点側から見えない部分を表示しない隠れ面或は隠れ線処理を行う。
63.クレーム60の挿入部位置検出方法であって、前記表示ステップは視点からの距離値に応じて遠近法的に前記画像を表示する。
64.クレーム60の挿入部位置検出方法であって、前記表示ステップは前記投影形状で表示する場合、立体感を強調する立体感強調処理を行う。
65.クレーム64の挿入部位置検出方法であって、前記立体感強調処理は擬似的な光線による反射モデルに応じて色の階調、輝度の階調、彩度、色相の少なくとも1つを変えて立体感を強調する。
【0506】
66.クレーム51の挿入部位置検出方法であって、前記表示ステップは前記挿入部の形状に対応する画像を表示する場合、前記挿入部の横断面を多角形とする多角柱として擬似的に表示する。
67.クレーム66の挿入部位置検出方法であって、前記表示ステップは前記多角柱の面をペイント処理する。
68.クレーム66の挿入部位置検出方法であって、前記表示ステップは前記多角柱をワイヤフレームで表示する。
69.クレーム51の挿入部位置検出方法であって、前記表示ステップは前記挿入部の形状に対応する画像を表示する場合、前記挿入部を多角形を連結した連結多角形として擬似的に表示する。
70.クレーム51の挿入部位置検出方法であって、前記表示ステップは前記画像を、指定されたコマンドに対応する処理を行って表示する。
【0507】
71.クレーム70の挿入部位置検出方法であって、前記コマンドはアフィン変換の処理を行う。
72.クレーム71の挿入部位置検出方法であって、前記アフィン変換を用いたコマンドは前記画像を3次元直交座標の少なくとも1つの座標軸の回りで回転するか、前記画像を拡大又は縮小するものである。
73.クレーム72の挿入部位置検出方法であって、前記コマンドは、前記画像を予め規定された視点位置から見た場合に対応する状態で表示する、ユーザにより登録された視点位置から見た場合に対応する状態で表示する、複数に分割された各画面にそれぞれ指定された視点位置から見た場合に対応する状態で表示する、コメント入力画面の表示、前記画像の背景色を変更する、前記画像と共にマーカの表示のON/OFF、前記3次元位置の数値表示のON/OFF、表示させるプログラムを終了する、の少なくとも1つの処理を行う指示に該当する。
74.クレーム52の挿入部位置検出方法であって、前記表示ステップは前記画像を表示する場合、前記挿入部の所定の長さ毎に前記画像の表示色を変更する。75.クレーム52の挿入部位置検出方法であって、前記表示ステップは前記被検体が載置されるベッドの上面等の基準面を表示する。
【0508】
76.被検体内に挿入可能な可撓性の挿入部を有する挿入具と、
前記挿入部内に設けられ、絶縁部材で形状が固定された第1のコイル素子と、
前記被検体外の既知の位置に配置された第2のコイル素子と、
前記第1及び第2のコイル素子のうちの一方に駆動信号を印加して、前記一方の周囲に磁界を発生させる駆動信号発生手段と、
前記第1及び第2のコイル素子のうちの他方で、前記他方の位置に形成される磁界に対応する検出信号を検出する磁界検出手段と、
前記検出信号から前記被検体外の既知の位置を基準として前記挿入部内の前記第1のコイル素子の存在する3次元位置ないしは3次元領域を算出する位置算出手段と、
を具備する挿入部位置検出装置。
1をより具体化した構成であり、その目的、作用、効果も1とほぼ同様である。
77.クレーム76の挿入部位置検出装置であって、前記3次元位置ないしは3次元領域の情報を用いて前記挿入部の形状を推定する形状推定手段と、推定された前記挿入部の形状に対応する画像を表示する画像表示手段とを有する。
【0509】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、載置台上は発生する磁界が影響を受けない環境に設定でき、且つ、この載置台上に3つの磁界発生素子又は磁界検出素子により形成される検出対象領域を設定でき、より精度の高い挿入部の位置検出を行なうことができる。また、3軸コイルの各コイルの径の違いによる各出力特性の違いを補正して、より精度の高い挿入部の位置検出を行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態を有する内視鏡システムの概略の構成図。
【図2】内視鏡形状検出装置の構成を示すブロック図。
【図3】内視鏡の外観図。
【図4】内視鏡装置の全体構成図。
【図5】プローブの先端側の構成を示す断面図。
【図6】プローブの構成を示す断面図。
【図7】プローブのソースコイルの位置をセンスコイルを用いて検出する様子を示す説明図。
【図8】内視鏡形状検出装置の具体的構成を示すブロック図。
【図9】ソースコイルの駆動及びセンスコイルによる信号検出の動作説明用フロー図。
【図10】ソースコイルの駆動及びセンスコイルによる信号検出の動作説明用タイミング図。
【図11】ベッド周辺に設けた複数のセンスコイルで内視鏡内の1つのソースコイルの存在範囲を検出する様子を示す説明図。
【図12】1軸コイルによる等磁界面の形状を示す説明図。
【図13】傾きから位置補正を行う様子を示す説明図。
【図14】モニタ画面に表示される内視鏡形状の出力画像を示す説明図。
【図15】内視鏡形状検出装置の処理内容を示すフロー図。
【図16】シールドルーム内でセンスコイルとソースコイルの既知の距離でセンスコイルで検出される最大磁界強度と最小磁界強度の値を距離を変えて測定されたグラフを示す特性図。
【図17】図16のデータを得る測定法等の説明図。
【図18】シールドルーム内と居室内での測定値は殆ど一致することを示す比較図。
【図19】磁界強度算出処理のフロー図。
【図20】キーボード入力処理のフロー図。
【図21】コマンド処理のフロー図。
【図22】スコープイメージ描写処理のフロー図。
【図23】n角柱モデルでのスコープイメージ描写処理のフロー図。
【図24】n角柱モデル構築のフロー図。
【図25】n角柱モデル構築における原点移動等の説明図。
【図26】n角柱モデル構築におけるy軸に平行なベクトルに垂直なベクトルを一定角度刻みで回転してn角柱データを作る処理の説明図。
【図27】元のベクトルに逆変換してn角柱モデルデータを生成する様子を示す説明図。
【図28】n角柱モデルデータを生成する場合の制限を示す説明図。
【図29】アフィン変換による軸の回転を示す説明図。
【図30】視点変更を世界座表系の回転に変更することの説明図。
【図31】3次元座標から2次元座標に投影変換する様子の説明図。
【図32】世界座標系等の説明図。
【図33】立体画像を表示する処理と採用される座標系との説明図。
【図34】n角柱モデルにおける陰線処理のフロー図。
【図35】ちらつき防止の処理の説明図。
【図36】色を用いてシェーディング処理するフロー図。
【図37】色彩を用いてシェーディング処理するフロー図。
【図38】輝度と彩度を用いてシェーディング処理するフロー図。
【図39】ワイヤフレームによるn角柱モデルのフロー図。
【図40】内視鏡形状の表示例を示す説明図。
【図41】n角形連結モデルで表示する場合のフロー図。
【図42】n角形連結モデルでの描画処理のフロー図。
【図43】ワイヤフレーム表示による表示の例を示す説明図。
【図44】第1実施形態の第1変形例の内視鏡形状検出装置の全体構成を示すブロック図。
【図45】動作説明用のタイミング図。
【図46】ソースコイル及びセンスコイルの各ケーブルをシールドした説明図。
【図47】ベッドの4箇所にセンスコイルを配置した様子を示す説明図。
【図48】第1実施形態の第2変形例における駆動電流のアップ或はダウン等で検出範囲を変更する作用の説明図。
【図49】本発明の第2実施形態の内視鏡形状検出装置の全体構成を示すブロック図。
【図50】第2実施形態の内視鏡形状検出装置のより具体的な構成を示すブロック図。
【図51】第2実施形態の磁界発生及び磁界検出の処理を示すフロー図。
【図52】内視鏡形状等を表示するモニタ画面を示す説明図。
【図53】本発明の第3実施形態を備えた内視鏡システムの全体構成図。
【図54】第3実施形態の内視鏡形状検出装置の構成を示すブロック図。
【図55】磁気抵抗素子で形成したサンサとその等価回路及び特性を示す図。
【図56】本発明の第3実施形態におけるセンサとソースとの関係を示す説明図。
【図57】センサAのデータテーブルを示す説明図。
【図58】出力データに対応した空間座標群からソース位置が決定されることを示す説明図。
【図59】図58で決定されたソース位置を表示した様子を示す説明図。
【図60】本発明の第4実施形態の内視鏡形状検出装置の構成を示すブロック図。
【図61】本発明の第5実施形態の内視鏡形状検出装置の構成を示すブロック図。
【図62】本発明の第6実施形態を備えた内視鏡システムの全体構成図。
【図63】CCDドライブ信号期間と駆動信号期間とが重ならないようにした説明図。
【図64】本発明の第7実施形態を備えた内視鏡システムの全体構成図。
【図65】患者の位置を検出する説明図。
【図66】時分割で位置検出及び形状検出の駆動を行う説明図。
【図67】本発明の第8実施形態における処理の内容を示すフロー図。
【図68】第8実施形態の変形例における処理の内容を示すフロー図。
【図69】本発明の第9実施形態における処理動作の説明図。
【図70】張り付けるテクスチャの説明図。
【図71】本発明の第10実施形態により表示される画像等の説明図。
【図72】第10実施形態により一定長さごとに色を変えて表示する処理のフロー図。
【図73】本発明の第11実施形態の内視鏡形状検出装置の構成図。
【図74】第11実施形態により背景画像を生成する処理内容を示すフロー図。
【図75】本発明の第12実施形態におけるプローブ側の構成を示すブロック図。
【図76】図75のより具体的な構成図。
【図77】参照信号生成回路等の構成図。
【図78】第12実施形態の変形例における磁界発生ユニットの構成図。
【図79】本発明の第13実施形態における掌位置検出用デバイスを示す図。
【図80】モニタ画面の表示例を示す説明図。
【図81】第13実施形態の第1変形例の内視鏡形状検出装置の構成図。
【図82】第1変形例の操作パネルの操作によるマーカ設定の処理内容を示すフロー図。
【図83】第13実施形態の第2変形例における掌位置検出用デバイスを示す図。
【図84】第2変形例の3つのソースコイルにより形成される平面等を示す説明図。
【図85】第2変形例におけるマーカ表示の動作のフロー図。
【図86】第13実施形態の第3変形例における掌位置検出用デバイスを示す図。
【図87】第3変形例の2つのソースコイルにより形成される平面等を示す説明図。
【図88】第3変形例におけるマーカ表示の動作のフロー図。
【図89】磁気抵抗素子とステップモータで3軸方向の磁界検出を行う手段を形成した例を示す斜視図。
【図90】磁気抵抗素子を連結したセンサ及び連結用の穴が形成された磁気抵抗素子を示す図。
【図91】検出方向が異なる磁気抵抗素子部を同一面に設けたセンサを示す図。
【図92】センサの位置決めの方法等を示す説明図。
【図93】円筒形の割型を用いて位置決めを行う様子を示す説明図。
【符号の説明】
1…内視鏡システム
2…内視鏡装置
3…内視鏡形状検出装置
4…ベッド
5…患者
6…内視鏡
7…挿入部
11…ビデオプロセッサ
12…カラーモニタ
13…チャンネル
15…プローブ
16i…ソースコイル
20…接着剤
21…形状検出装置本体
22j…3軸センスコイル
23…モニタ
24…ソースコイル駆動部
26…検出部
30…形状算出部
31…位置検出部
32…形状画像生成部
33…モニタ信号生成部
34…システム制御部
35…操作パネル
Claims (2)
- 被検体内に挿入可能な可撓性の挿入部を有し、該挿入部内に磁界を発生する磁界発生素子及び発生した磁界を検出する磁界検出素子のうちの一方が設けられてなる挿入具と、
前記被検体が載置可能になされ、前記磁界発生素子及び前記磁界検出素子のうちの他方が少なくとも3つ設けられてなる載置台と、
前記磁界発生素子と前記磁界検出素子との磁気結合によって得られる情報に基づいて、前記挿入部内に設けられた前記磁界発生素子及び前記磁界検出素子のうちの一方の素子の、前記載置台に設けられた前記磁界発生素子及び前記磁界検出素子のうちの他方の素子に対する位置を推定する位置推定手段と、
を備え、
前記載置台は、前記磁界発生素子の駆動により発生する磁界に対して影響を及ぼさない部材で形成され、前記被検体が載置される部位に検出対象領域が形成されるように前記少なくとも3つの磁界発生素子又は磁界検出素子が配置され、
前記磁界検出素子は、直交する3つの軸方向にそれぞれ指向性を有するように巻回された3つのコイルを有する3軸コイルで構成され、
前記位置推定手段は、前記3軸コイルの各軸に固有の、当該コイルの径の違いによる補正係数を用いて、前記挿入具の挿入部内に設けられた前記磁界発生素子又は前記磁界検出素子の位置を推定する際に得られる、当該各3軸コイルの各出力における位相の違いを補正する補正手段を有する、
ことを特徴とする挿入部位置検出装置。 - 前記位置推定手段は、前記挿入具に設けられた前記磁界発生素子又は磁界検出素子と無線で接続されることを特徴とする請求項1に記載の挿入部位置検出装置。
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