JP3770964B2 - 洗浄剤組成物 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、短鎖アルキル硫酸塩及びアルキルスルホン酸塩と、セルラーゼ、アミラーゼ等の糖質分解酵素とを含有する洗浄剤組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
洗浄剤に酵素を配合することは古くから実施されており、洗浄剤中に酵素を配合することによって、優れた洗浄力を得ることができる。一般に洗浄補助剤として用いられている酵素は、プロテアーゼ、リパーゼ、セルラーゼ、又はα−アミラーゼである。
【0003】
また、かかる洗浄剤用酵素のうち、アミラーゼ、セルラーゼ等の糖質分解酵素は、それらを洗浄剤に配合することにより、食器、繊維などに強固に付着した米飯に代表される澱粉質汚れに効果的に作用したり、木綿単繊維の非晶質領域に作用し、単繊維内の皮脂汚れを効果的に除去し、洗浄力を向上せしめ得ることが見いだされている(特開平2−132192号公報、特開昭63−264699号公報)。
【0004】
糖質分解酵素には、澱粉のα−1,4 結合からなる主鎖を切断するα−アミラーゼ、β−アミラーゼ、α−1,6 結合及びその近傍を切断するプルラナーゼ、イソアミラーゼ、イソプルラナーゼ、ネオプルラナーゼ等の澱粉枝切り酵素、グルコースを生成するグルコアミラーゼ、β−1,4 結合からなるセルロースを分解するエンドグルカナーゼ、セロビオヒドラーゼ等のセルラーゼ、その他にはβ−グルゴシダーゼ、キシラナーゼ、ペクチナーゼ、リゾチーム等が知られている。
これら糖質分解酵素は昔から洗剤用途ばかりでなく、醸造産業、繊維産業、医薬品産業、及び食料品産業等で広く利用されてきた。
【0005】
しかしながら、自然界において従来見出されている糖質分解酵素の殆どは、産業上利用可能な酵素量を提供し得る量に至るまでの酵素生産性が十分ではなく、酵素反応性を十分に利用することが困難である。また酵素生産性が十分であっても、反応にかかる酵素の必要量が多く、使用するためには高い費用が要求され、事実上利用が困難になる場合がある。また酵素利用時における問題点としては、酵素の熱安定性等の問題により反応を長時間実行すると酵素が失活し、産業上利用が困難になることなどが挙げられる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
このような問題点を解決するための手段として、酵素生産性向上や保存安定性の向上等の他に、短い反応時間及び少量の酵素で十分な反応をさせる目的から、酵素反応系において酵素の反応速度を向上させる方法、即ち酵素反応の活性化法についても従来から検討されており、その方法を利用した洗剤組成物についても検討されてきた。
【0007】
糖質分解酵素反応の活性化法としては、セルラーゼに対するβ−グルコシダーゼの併用、α−アミラーゼ及びβ−アミラーゼに対するグルコアミラーゼや澱粉枝切り酵素の併用等に代表されるような各種酵素の相乗効果を利用したもの、プロテインエンジニアリング技術を利用し、特異的にアミノ酸残基を置換することによる酵素反応速度の向上を利用したもの、酵素固定化法、酵素反応系に特定のイオンや両親媒性物質等の酵素反応活性化剤を利用した方法がこれまでに報告されている。なかでも酵素反応活性化剤を利用する方法は非常に簡便でかつ剤によっては安価になる可能性が期待される。このような活性化剤に関しては、これまでに特定のノニオン活性剤、ポリオキシエチレンリン酸エステル及びカルボキシベタイン型両性活性剤をセルラーゼ反応系に加えることによって得られるもの(特開昭60−210984号)や、エンドグルカナーゼやα−アミラーゼ又はプルラナーゼ反応系に特定の水溶性ポリマーを添加することによって得られるもの(特表平5−507615号)、特定のセルラーゼにアクチンを加えることで得られるもの〔FEBS Letter, 187, 101-104(1985) 〕、特定のアミラーゼに対して塩素イオンを加えることで得られるもの〔Clin. Biochem.,16, 224-228(1983)〕、n−ヘキサンにTween20 (ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、アトラス・パウダー社)を添加して得られる逆相ミセル系を利用してアミラーゼ及びセルラーゼの酵素活性を高めること〔Biotechnol. Bioeng.,29, 901-902(1987) 〕などが報告されている。しかしながら、これらの活性化法は酵素の反応速度をある程度高めることはできるものの、未だその活性化力が十分でない等の問題があった。
【0008】
従って、本発明の目的は糖質分解酵素と、その反応速度を十分に活性化させる剤を含有する洗浄剤組成物を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
そこで本発明者らは、糖質分解酵素の反応活性化剤について鋭意探索を続けてきたところ、セルラーゼ、アミラーゼ等の糖質分解酵素の反応系に対して、低級アルキル硫酸塩及び低級アルキルスルホン酸塩を添加することによって、酵素活性を著しく向上できることを見いだし、本発明を完成させるに至った。
【0010】
即ち、本発明は、糖質分解酵素と、アルキル鎖の炭素数が1〜5のアルキル硫酸塩及びアルキル鎖の炭素数が1〜5のアルキルスルホン酸塩からなる群から選ばれる1種又は2種以上の塩とを含有することを特徴とする洗浄剤組成物を提供するものである。換言すれば本発明は、糖質分解酵素の基質(糖質)分解活性を、アルキル鎖の炭素数が1〜5のアルキル硫酸塩及びアルキル鎖の炭素数が1〜5のアルキルスルホン酸塩からなる群から選ばれる1種又は2種以上の塩により向上させ、高い洗浄力を有する洗浄剤組成物を実現したものである。
【0011】
本発明のアルキル硫酸塩及びアルキルスルホン酸塩としては、いずれもアルキル基の炭素数が1から5のものが使用され、対イオン種としてはナトリウム、カリウム、リチウム等のアルカリ金属塩、アンモニウムイオン等の1価の陽イオンが挙げられるが、好ましくは炭素数1から2のアルキル硫酸塩及びアルキルスルホン酸塩、さらに好ましくはメチル硫酸ナトリウム及びメチル硫酸カリウムが挙げられる。アルキル基の炭素数が多くなると、高濃度添加することによってアニオン性のミセルを形成しやすくなり、逆に反応が抑制されやすくなるため好ましくない。
【0012】
本発明の対象とする糖質分解酵素としては、糖質を分解する酵素であれば特に限定されないが、例えばα−アミラーゼ、β−アミラーゼ、グルコアミラーゼ、プルラナーゼ、イソアミラーゼ、イソプルラナーゼ、ネオプルラナーゼ等のアミラーゼ、及びエンドグルカナーゼ、セロビオヒドロラーゼ等のセルラーゼ、その他にはβ−グルゴシダーゼ、キシラナーゼ、ペクチナーゼ、リグニナーゼ、リゾチーム等が挙げられる。なかでもα−アミラーゼ、エンドグルカナーゼが好ましい。特にバチルス・アミロリキファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)由来のα−アミラーゼ及びバチルス・エスピー(Bacillus sp.) KSM-635株由来のセルラーゼが好ましい。なおKSM-635 はFERM BP-1485として菌寄託されており、菌株に関しては特開昭63−10977 号に、また詳しい製造方法に関しては特開昭63−264699号の実施例に記載されている。
【0013】
その他、α−アミラーゼとしては、バチルス・ズブチルス・マルバーグ(Bacillus subtilis Marburg) 、バチルス・ズブチルス・ナット(Bacillus subtilis natto) 、バチルス・リケニホルミス(Bacillus licheniformis)、バチルス・セレウス(Bacillus cereus) 、バチルス・サークランス(Bacillus circulans)、バチルス・マセランス(Bacillus macerans) 、シュードモナス・スヅリ(Pseudomonas stutzeri)、クレブシエラ・アエロゲネス(Klebusiella aerogenes) 等の細菌、ストレプトマイセス・グリセウス(Streptomyces griseus)等の放線菌、アスペルギルス・オリゼ(Aspergillus oryzae)、アスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger) 等のカビ類、イネ科及びまめ科植物の種子、ヒト及びブタなどの動物の消化腺など多くの生物から得られているものを使用できる。また、セルラーゼは、フミコーラ・ラニュギノーサ(Fumicola lanuginosa) 、トリコデルマ・ビリデ(Trichoderma viride)、トリコデルマ・レーセ(Trichoderma reesei)、トリコデルマ・コニンジ(Trichoderma koningii)等に由来することができる。
【0014】
本発明の洗浄剤組成物への上記糖質分解酵素の配合量は、例えばアミラーゼの場合ポテト由来可溶性澱粉の分解活性にして、また、セルラーゼの場合カルボキシメチルセルロースの分解活性にして、1〜10,000U/g、特に5〜5,000 U/g、更に10〜1,000 U/gが好ましい。
【0015】
次に糖質分解酵素として、セルラーゼ、アミラーゼの活性測定方法を下に示す。
<DNS(ジニトロサリチル酸)試薬の調製法>
水酸化ナトリウム16gをイオン交換水200ml に溶解する。これにDNS5gを徐々に添加しながら溶解する。DNSを完全に溶解させた後、酒石酸ナトリウムカリウムを300 g加える。完全に溶解させた後、イオン交換水にて100 mlに調製する。
【0016】
(1)基質
▲1▼ ポテト由来可溶性澱粉(和光純薬社製)の0.5 %水溶液(アミラーゼ配合量の決定)
▲2▼ カルボキシメチルセルロース(和光純薬社製)(セルラーゼ配合量の決定)
(2)基質溶液の調製
1.0 gの基質(和光純薬社製)を100ml のイオン交換水に溶解する。
【0017】
(3)サンプルの調製
試験管に基質溶液を0.5ml 入れ、そこに50mMリン酸緩衝液(pH7.0 )を0.4ml 、適当に希釈した酵素液0.1ml を加え、40℃の恒温槽中で30分間反応させる。反応終了後、DNS試薬を1ml添加し、沸騰水中で正確に5分間発色させ、発色後、直ちに氷水浴中に入れ冷却する。冷却後、イオン交換水4mlを加え、よく混合し、速やかに535nm における吸光度を測定する。
(4)ブランクの調製
試験管に基質溶液を0.5ml 入れ、そこに50mMリン酸緩衝液(pH7.0 )を0.4ml 、DNS試薬を1ml添加し、沸騰水中で正確に5分間発色させ、発色後、直ちに氷水浴中に入れ冷却する。冷却後、イオン交換水4mlを加え、よく混合し、速やかに535nm における吸光度を測定する。
(5)検量線の作成
試験管に基質溶液を0.5ml 入れ、そこに50mMリン酸(pH7.0 )を0.4ml 、これにブドウ糖濃度が260 〜1500μMになるように検量線用ブドウ糖溶液を0.1ml 加える。そこにDNS試薬を1ml添加し、沸騰水中で正確に5分間発色させ、発色後、直ちに氷水浴中に入れ冷却する。冷却後、イオン交換水4mlを加え、よく混合し、速やかに535nm における吸光度を測定する。横軸にブドウ糖濃度、縦軸に吸光度をとり傾きを求め、換算係数(F)を次式に従って算出する。
F=〔1/(傾き)〕×〔1×15〕×〔1/0.1〕
可溶性澱粉又はカルボキシメチルセルロースに対する分解活性を次式に従って算出する。
活性(U/リットル)=δ吸光度×F×希釈倍率
(δ吸光度=サンプルの吸光度−ブランクの吸光度)
【0018】
【発明の実施の形態】
本発明は、通常の糖質分解酵素を含有する洗浄剤組成物中に、アルキル鎖長が1〜5のアルキル硫酸塩及びアルキル鎖長が1〜5のアルキルスルホン酸塩からなる群から選ばれる1種又は2種以上の塩を配合するものであるが、かかるアルキル硫酸塩及び/又はアルキルスルホン酸塩は、組成物中に0.1 〜20重量%配合されるのが好ましい
【0019】
また、本発明の洗浄剤組成物には、公知の洗浄剤成分を配合することができ、当該公知の洗浄剤成分としては、例えば次のものが挙げられる。
【0020】
(1)界面活性剤:
平均炭素数10〜16のアルキル基を有する直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩、平均炭素数10〜20の直鎖又は分岐鎖のアルキル基を有し、1分子内に平均0.5 〜8モルのエチレンオキサイドを付加したアルキルエトキシ硫酸塩、平均炭素数10〜20のアルキル基を有するアルキル硫酸塩、平均10〜20の炭素原子を1分子中に有するオレフィンスルホン酸塩、平均10〜20の炭素原子を1分子中に有するアルカンスルホン酸塩、平均10〜20の炭素原子を1分子中に有するα−スルホ脂肪酸メチルあるいはエチルエステル塩、平均炭素数8〜20の高級脂肪酸塩、平均炭素数10〜20の直鎖又は分岐鎖のアルキル基を有し、1分子内に平均0.5 〜8モルのエチレンオキサイドを付加したアルキルエーテルカルボン酸塩などのアニオン性界面活性剤;平均炭素数10〜20のアルキル基を有し、平均1〜20モルのエチレンオキシドを付加したポリオキシエチレンアルキルエーテル、高級脂肪酸アルカノールアミド又はそのアルキレンオキサイド付加物などの非イオン性界面活性剤;その他ベタイン型両性界面活性剤;スルホン酸型両性界面活性剤、リン酸エステル系界面活性剤、アミノ酸型界面活性剤、カチオン性界面活性剤など。
これらの界面活性剤は洗浄剤組成物中0.5 〜60重量%(以下単に%で示す)配合され、特に粉体状洗浄剤組成物については10〜45%、液体洗浄剤組成物については20〜50%配合することが好ましい。また、本発明洗浄剤組成物が漂白洗浄剤である場合、界面活性剤は一般に1〜10%、好ましくは1〜5%配合される。
【0021】
(2)二価金属イオン捕捉剤:
トリポリリン酸塩、ピロリン酸塩、オルソリン酸塩などの縮合リン酸塩、ゼオライトなどのアルミノケイ酸塩、合成層状結晶性ケイ酸塩、ニトリロ三酢酸塩、エチレンジアミン四酢酸塩、クエン酸塩、イソクエン酸塩、ポリアセタールカルボン酸塩など。
この二価金属イオン捕捉剤は、0〜50%、好ましくは5〜40%配合される。また、リンを含有しない二価金属イオン捕捉剤を用いることがより好ましい。
【0022】
(3)アルカリ剤及び無機塩:
ケイ酸塩、炭酸塩、セスキ炭酸塩、硫酸塩、アルカノールアミンなど。
これらは0〜80%配合される。
【0023】
(4)再汚染防止剤:
ポリエチレングリコール、ポリアクリル酸塩、ポリアクリル酸コポリマー、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロースなど。再汚染防止剤の一部は二価金属イオン捕捉剤としても使用できる。再汚染防止剤は0〜10%、好ましくは1〜5%配合される。
【0024】
(5)酵素:
糖質分解酵素以外のリパーゼ、グルコースオキシダーゼ、コレステロールオキシダーゼ、プロテアーゼなどの酵素。
【0025】
(6)水道水中の有効塩素の捕捉剤又は還元剤:
有効塩素の捕捉剤として、硫酸アンモニウム、尿素、塩酸グアニジン、炭酸グアニジン、スルファミン酸グアニジン、二酸化チオ尿素、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、又グリシン、グルタミン酸ナトリウム等で代表されるアミノ酸及び牛血清アルブミン、カゼインなどの蛋白質、更には肉エキス、魚肉エキスなどが挙げられる。
還元剤としては、チオ硫酸塩、亜硫酸塩、亜ニチオン酸塩等のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩等及びロンガリットC等が挙げられる。特に、亜硫酸塩が好ましく、水中の酵素を安定化させる。
【0026】
(7)漂白剤:
過炭酸塩、過硼酸塩、スルホン化フタロシアニン亜鉛塩又はアルミニウム塩、過酸化水素など。漂白洗浄剤とする時は、特に過炭酸ナトリウムが最も効果的であり、1〜95重量%、好ましくは5〜95重量%、好ましくは20〜95重量%配合される。
【0027】
(8)蛍光染料:
通常洗浄剤に用いられる蛍光染料。
【0028】
(9)可溶化剤:
液体洗剤の場合には次のような可溶化剤を用いることができる。
エタノールなどの低級アルコール、ベンゼンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩などの低級アルキルベンゼンスルホン酸塩、プロピレングリコールなどのポリオール類など。
【0029】
(10)その他:
上記以外に従来より知られている香料、ケーキング防止剤、酸化防止剤、防腐剤、色素、青味付け剤、漂白活性化剤、酵素安定化剤、相調節剤等の洗剤に常用の成分を必要に応じて配合することができる。
【0030】
本発明の洗浄剤組成物は、上記糖質分解酵素、短鎖アルキル硫酸塩、スルホン酸塩、及び上記公知の洗浄成分を組み合わせて常法に従い、製造することができる。洗浄剤の形態は、用途に応じて選択することができ、例えば液体、粉末、顆粒等とすることができる。また、本発明洗浄剤組成物は、衣料用洗浄剤、漂白洗浄剤、自動食器洗浄機用洗浄剤、配水管洗浄剤、義歯洗浄剤等として使用することができるが、特に衣料用洗浄剤もしくは漂白洗浄剤として好適に使用することができる。
【0031】
【発明の効果】
本発明による洗浄剤組成物は、各種糖質分解酵素と、アルキル基の炭素数が1〜5のアルキル硫酸塩及び/又はアルキル基の炭素数が1〜5のアルキルスルホン酸塩を配合することによって得られるものであり、工業的に極めて大きな意義を有するものである。
【0032】
【実施例】
次に実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれら実施例になんら限定されるものではない。
【0033】
実施例1
<カレー人工汚染布の作製方法>
ボンカレーゴールド中辛(大塚食品社製)をミキサーにて粉砕し、綿布をこの液に接触、ブラッシングし、過剰付着汚れを脱落させた後、10cm×10cmの試験片を調製する。
【0034】
<洗浄力の評価方法>
洗浄前の原布及び洗浄前後の汚染布の460nm における反射率を自記色彩計(島津製作所社製)にて測定し、次式から求まる洗浄率(%)により、洗浄力を評価した。
【0035】
【数1】
Figure 0003770964
【0036】
<液体洗剤の調製>
表1に示す成分の原液を調製し、1N塩酸にてpHを7.0 に合わせる。次いでイオン交換水で表2に示す濃度にまで希釈し、pH7.0 の液体洗剤を得た。
【0037】
【表1】
Figure 0003770964
【0038】
*1:アルキル基の平均炭素数12(直鎖)、エチレンオキサイド平均付加モル数7のポリオキシエチレンアルキルエーテル
*2:炭素数12〜14の直鎖アルキル基を有し、エチレンオキサイド平均付加モル数が2.5 のポリオキシエチレンアルキル硫酸ナトリウム
*3:平均分子量=約1万。
【0039】
得られた液体洗剤を1.3ml 、4°DHの水1リットルに添加して洗浄液とし、更にメチル硫酸ナトリウムをこの洗浄液中に1%となるように加え、溶液のpHを水酸化ナトリウムと塩酸を用いてpH 7.0になるように再度調整し、また、pH 7.0において各種のα−アミラーゼを150 U/リットルとなるよう加えて評価用の洗浄液を調製した(実際の各酵素の添加量は1ml以下になるので、酵素添加によるスケールアップは無視する。)。30℃に調整した該洗浄液1リットルにカレー人工汚染布を浸漬し、30分間静置する。静置後、洗剤溶液と人工汚染液をそのままターゴトメーター用ステンレスビーカー(1リットル)に移し、ターゴトメーターにて100rpm、20℃、10分間攪拌する。流水下で充分すすいだ後、アイロンプレスを行い、反射率を測定し、洗浄率を求めた。この結果を表2に示す。表2より、活性が同じ条件であっても、α−アミラーゼに短鎖アルキル硫酸塩を配合した本発明の洗浄剤(本発明品1)は従来のα−アミラーゼのみを配合した洗浄剤(比較品1)より優れた洗浄力を有することがわかる。
【0040】
【表2】
Figure 0003770964
【0041】
*α−アミラーゼ:表中の記号は下記のα−アミラーゼを意味する。
(1)バチルス エスピー,KSM-AP 1378 由来,分子量約50,000
(2)バチルス サブチリス由来(和光純薬社製)
(3)バチルス エスピー,KSM-AP 1378 ,分子量約210,000 (特開平3−1084 82号公報記載のプルラナーゼ活性及びα−アミラーゼ活性を有する酵素)
(4)アスペルギルス オリザエ由来(シグマ社製)
(5)ブタ膵臓由来(シグマ社製)
(6)バチルス リケニホルミス(ターマミル,ノボ社製)。
【0042】
実施例2
<洗浄剤の製法>
(1)表3、4に示す比較品2、4、5、7〜9及び本発明品2、4、5、7〜9の成分(α−アミラーゼ以外)のうち、4A型ゼオライト10%、蛍光増白剤及び香料を除いた成分からなる50%水分量のスラリー混合物を調製し、噴霧乾燥して洗剤生地粒子を得る。これをハイスピードミキサーに入れて粉砕造粒し、先に除いておいた成分を添加して洗剤粒子を得た。
【0043】
(2)表3、4に示す比較品3及び本発明品3の成分(α−アミラーゼ以外)のうち、非イオン界面活性剤、4A型ゼオライト10%、吸油担体、蛍光増白剤及び香料を除いた成分からなる50%水分量のスラリー混合物を調製し、噴霧乾燥して洗剤生地粒子を得る。これをハイスピードミキサーに入れて粉砕造粒し、先に除いておいた成分を添加して洗剤粒子を得た。
【0044】
(3)表3、4に示す比較品6及び本発明品6の成分(α−アミラーゼ以外)のうち、非イオン界面活性剤、4A型ゼオライト10%、蛍光増白剤及び香料を除いた成分をレディゲミキサーにて攪拌しながら非イオン界面活性剤を徐々に添加する。添加後、残る成分を添加して洗剤粒子を得た。
【0045】
(4)バチルス エスピー KSM-AP 1378 由来のアルカリα−アミラーゼを芒硝と少量のポリエチレングリコールで造粒し、酵素粒子を得た。
上記(1)〜(3)の洗剤粒子を、(4)の酵素粒子とドライブレンドすることで表3、4に示す組成の粒状洗剤を得た。
なお、得られた粒状洗剤の平均粒径及びカサ密度は、平均粒径400 〜500 μm、カサ密度750 〜780 g/cm3 であった。
【0046】
<評価方法>
得られた粒状洗剤を、4°DHの水に添加して0.0833%水溶液の洗浄液を調製した。30℃に調整した該洗浄液1リットルに、実施例1と同様にして調整したカレー人工汚染布を浸漬し、10分間静置する。静置後、洗剤溶液と人工汚染布をそのままターゴトメーター用ステンレスビーカー(1リットル)に移し、ターゴトメーターにて100rpm、20℃、10分間攪拌する。流水下で充分すすいだ後、アイロンプレスを行い、実施例1と同様にして反射率を測定し、洗浄率を求めた。この結果を表3、4に示す。
【0047】
【表3】
Figure 0003770964
【0048】
【表4】
Figure 0003770964
【0049】
*1:バチルス エスピー KSM-AP 1378 由来,分子量約50,000(液化型アルカリα−アミラーゼ),比活性3,000 U/g,表中記載以外の少量のポリエチレングリコールを含む〔前記製法(4)〕。
*2:炭素数12〜14,中和度100 %
*3:平均粒径0.9 μm
*4:ポリオキシエチレンアルキルエーテル(EO平均付加モル数=8,アルキル基炭素数=12)
*5:直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム(アルキル基炭素数12〜16)
*6:アルキル硫酸ナトリウム(アルキル基炭素数=12〜14)
*7:平均分子量約8,000 ,配合量は、α−アミラーゼ粒子中のものを除く。
*8:平均分子量約13,000
*9:トクシールNR(徳山曹達)
*10:チノパールCBS(チバガイギー社製)

Claims (9)

  1. 糖質分解酵素と、アルキル鎖の炭素数が1〜5のアルキル硫酸塩及びアルキル鎖の炭素数が1〜5のアルキルスルホン酸塩からなる群から選ばれる1種又は2種以上の塩とを含有することを特徴とする洗浄剤組成物(漂白活性化剤としてアシルオキシベンゼンカルボン酸塩又はアシルオキシベンゼンスルホン酸塩を含有するもの、並びに、脂肪酸残基の炭素数8〜22の脂肪酸低級アルキルエステルのスルホン酸塩を含有するものを除く。)
  2. アルキル硫酸塩及び/又はアルキルスルホン酸塩を組成物中に0.1 〜20重量%含有する請求項1記載の洗浄剤組成物。
  3. アルキル硫酸塩が、メチル硫酸ナトリウムである請求項1又は2記載の洗浄剤組成物。
  4. 糖質分解酵素が、アミラーゼ又はセルラーゼである請求項1〜3の何れか1項記載の洗浄剤組成物。
  5. 糖質分解酵素が、バチルス(Bacillus)属の細菌から産生されるα−アミラーゼである請求項1〜3の何れか1項記載の洗浄剤組成物。
  6. 糖質分解酵素が、バチルス・アミロリキファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)から産生されるα−アミラーゼである請求項1〜3の何れか1項記載の洗浄剤組成物。
  7. 糖質分解酵素が、バチルス(Bacillus)属の細菌から産生されるセルラーゼである請求項1〜3の何れか1項記載の洗浄剤組成物。
  8. 糖質分解酵素が、バチルス・エスピー(Bacillus sp.)KSM-635 株の細菌から産生されるセルラーゼである請求項7記載の洗浄剤組成物。
  9. (i) 平均炭素数 10 16 のアルキル基を有する直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩、 (ii) 平均炭素数 10 20 の直鎖又は分岐鎖のアルキル基を有し、1分子内に平均 0.5 〜8モルのエチレンオキサイドを付加したアルキルエトキシ硫酸塩、 (iii) 平均炭素数 10 20 のアルキル基を有するアルキル硫酸塩、 (iv) 平均 10 20 の炭素原子を1分子中に有するオレフィンスルホン酸塩、 (v) 平均 10 20 の炭素原子を1分子中に有するアルカンスルホン酸塩、 (vi) 平均炭素数8〜 20 の高級脂肪酸塩、 (vii) 平均炭素数 10 20 の直鎖又は分岐鎖のアルキル基を有し、1分子内に平均 0.5 〜8モルのエチレンオキサイドを付加したアルキルエーテルカルボン酸塩から選ばれるアニオン性界面活性剤を含有する請求項1〜8何れか1項記載の洗浄剤組成物。
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