JP3769980B2 - 投写型表示装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像を投写して表示する投写型表示装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
投写型表示装置は、光変調装置と呼ばれる電気光学装置が用いられている。この光変調装置は、照明光を画像データに応じて変調し、変調された光を画像を表す画像光として射出するものである。光変調装置の例として、デジタル・マイクロミラー・デバイス(テキサス・インスツルメンツ(TI)社の登録商標である。以下、「DMD」と呼ぶ。)があげられる。
【0003】
DMDは、画像を構成する複数の画素に対応する複数のマイクロミラーを有している。複数のマイクロミラーはそれぞれ画像データに応じてその傾きが変化し、各マイクロミラーの傾きに応じて光を反射する。各マイクロミラーで反射された光のうち、所定の方向に反射された光が、画像を表す光(画像光)として利用される。すなわち、DMDは、照射された光の射出方向を画像データに応じて制御することにより照明光を変調し、変調された光を画像を表す光として利用するタイプの光変調装置(射出方向制御型光変調装置)である。
【0004】
図21は、従来の投写型表示装置の例を示す概略平面図である。この投写型表示装置6000は、照明光学系6100と、TIRプリズム6200と、色光分離合成プリズム6300と、3つのDMD6400R,6400G,6400Bと、投写レンズ6500とを備えている。
【0005】
照明光学系6100は、光源6110と、コンデンサレンズ6120と、反射ミラー6130とを備えている。光源6110から射出された光は、コンデンサレンズ6120の集光作用によって後述するDMD6400R,6400G,6400Bを照明するように集光される。コンデンサレンズ6120から射出された光は、反射ミラー6130で反射されてTIR(Total Internal Reflection )プリズム6200に入射する。TIRプリズム6200に入射した光は、プリズム内部で反射されて色光分離合成プリズム6300に入射する。色光分離合成プリズム6300に入射した光は、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の光に分離されて、対応する各色光用のDMD6400R,6400G,6400Bに入射する。各色光用のDMD6400R,6400G,6400Bから反射されてきた光は、色光分離合成プリズム6300において再び合成結合されてTIRプリズム6200を通過して投写レンズ6500に入射する。投写レンズ6500に入射した光は、投写されてカラー画像が表示される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従来の投写型表示装置6000は、カラー画像を表示するために、照明光学系6100から射出された照明光を色光分離合成プリズム6300において3色の色光に一旦分離し、分離された各色光を3つのDMD6400R,6400G,6400Bで変調し、各DMD6400R,6400G,6400Bで変調された光を再び色光分離合成プリズム6300で合成している。すなわち、色光分離合成プリズム6300は、分離と合成の両方の機能を有するように構成されている。このため、色光分離合成プリズム6300のサイズが大きくなっている。
【0007】
また、DMDのような光の射出方向を制御するタイプの光変調装置を利用する場合、DMDに照射される照明光の照射角度に制約があり、色光分離合成プリズム6300やTIRプリズム6200を、この制約を満足するように構成する必要がある。例えば、この制約を満足するため、通常、投写型表示装置を構成する光学要素や光学系を立体的に配置する場合があり、この結果として色光分離合成プリズム6300やTIRプリズム6200のサイズがさらに大きくなっている場合がある。
【0008】
従来の投写型表示装置は、このように、色光分離合成プリズム6300やTIRプリズムのサイズが大きくなっているために、小型化が困難であるという問題があった。
【0009】
この発明は、DMDのような射出方向制御型光変調装置を用いた投写型表示装置において、投写型表示装置の小型化を図る技術を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】
上述の課題を解決するため、本発明の投写型表示装置は、
照明光を射出する照明光学系と、
前記照明光学系から射出された光を複数の色光に分離する色光分離光学系と、
前記複数の色光ごとに設けられ、光照射面で反射される色光の射出方向を、与えられた信号に応じて制御することにより、前記各色光を変調する複数の射出方向制御型光変調装置と、
前記複数の射出方向制御型光変調装置から射出された複数の色光を合成する色光合成光学系と、
前記色光合成光学系で合成された光を投写する投写光学系と、
前記色光分離光学系から前記色光合成光学系までの各色光の光路上にそれぞれ設けられ、前記色光分離光学系から入射した色光をその色光に対応する射出方向制御型光変調装置の方向に向けて射出するとともに、前記対応する射出方向制御型光変調装置で変調されて入射した色光を前記色光合成光学系の方向に向けて射出する複数の射出方向規定光学系と、を備え、
前記照明光学系と、前記色光分離光学系と、前記複数の射出方向制御型光変調装置と、前記複数の射出方向規定光学系と、前記色光合成光学系とは、それぞれを通過する光の中心軸が略同一平面上に存在するように略平面的に配置されていることを特徴とする。
【0011】
本発明によれば、投写型表示装置を構成する各光学系の構成要素を、平面的に配置して装置を薄型にすることができるので、投写型表示装置の小型化を図ることができる。
【0012】
上記投写型表示装置において、
前記各色光用の射出方向規定光学系は、前記色光分離光学系から入射する色光と、対応する射出方向制御型光変調装置で反射されて再入射する色光とのうち、いずれか一方を反射し他方を透過させる反射/透過面を有することが好ましい。
【0013】
上記構成によれば、容易に、色光分離光学系から射出されて対応する射出方向規定光学系に入射する色光を対応する射出方向制御型光変調装置の方向に射出するとともに、対応する射出方向制御型光変調装置から射出された色光を色光合成光学系の方向に射出することができる。
【0014】
ここで、前記各色光用の射出方向規定光学系は、ギャップを挟んで2つのプリズム柱が組み合わされ、前記ギャップと前記プリズム柱との界面で前記反射/透過面が構成される反射/透過型プリズムにより構成できる。
【0015】
また、前記各色光用の射出方向規定光学系は、それぞれ、
所定の偏光方向を有する第1の直線偏光光を透過し、前記所定の偏光方向に垂直な方向を有する第2の直線偏光光を反射することによって前記反射/透過面として機能する偏光分離膜と、
対応する射出方向制御型光変調装置と前記偏光分離膜との間の光路上に配置されたλ/4位相差板と、を備え、
前記照明光学系は、非偏光な光を、前記第1または第2の直線偏光光に変換する偏光変換光学系を、備えて構成することもできる。
【0016】
上記投写型表示装置において、
前記各色光用の射出方向制御型光変調装置は、略矩形状の輪郭を有する光照射面を有しており、
各光照射面は、前記複数の色光の光路で構成される光路平面に対して、各光照射面の辺が傾きを有するように配置されており、
前記投写型表示装置は、さらに、
前記照明光学系と、前記色光分離光学系と、前記複数の射出方向制御型光変調装置と、前記複数の射出方向規定光学系と、前記色光合成光学系と、前記投写光学系とを収納する筐体と、
前記投写型表示装置の使用時において、投写された略矩形状の画像が正立するように前記筐体を傾けて支持するための傾斜支持具を備えることが好ましい。
【0017】
上記構成によれば、投写型表示装置の使用時において、正立した画像を表示させることができる。また、投写型表示装置の非使用時において、筐体を傾けないで配置することにより、投写型表示装置の配置スペースを薄くすることができる。これにより、投写型表示装置の非使用時における省スペース化を図ることができる。
【0018】
ここで、
前記各色光用の射出方向制御型光変調装置から射出された各色光が、前記投写光学系に至るまでの光路上で反射される回数が奇数または偶数で統一されるように、前記各色光用の射出方向制御型光変調装置と、対応する各色光用の射出方向規定光学系との位置関係が設定されていることが好ましい。
【0019】
このようにすれば、各色光用の射出方向制御型光変調装置として同じ種類のものを利用することができる。
【0020】
このとき、前記照明光学系は、前記照明光学系から射出された光が、前記各色の射出方向制御型光変調装置の光照射面を少なくとも含み、前記光照射面にほぼ相似な輪郭を有する照明領域を照明するように構成されており、
前記各色の射出方向制御型光変調装置の光照射面に照射された各色光の、前記照明光学系から前記各色の射出方向制御型光変調装置までの光路上で反射される回数が奇数または偶数で統一されるように、前記色光分離光学系および前記複数の射出方向規定光学系が構成されていることが好ましい。
【0021】
このようにすれば、照明光学系から射出された光を各色光用の射出方向制御型光変調装置の光照射面により有効に照射させることができる。
【0022】
上記投写型表示装置において、
前記色光分離光学系と、前記複数の射出方向制御型光変調装置と、前記複数の射出方向規定光学系と、前記色光合成光学系とは、前記色光分離光学系で分離されて前記色光合成光学系で合成されるまでの各色光の光路長が等しくなるように配置されていることが好ましい。
【0023】
このようにすれば、色光分離光学系と複数の射出方向規定光学系と色光合成光学系とを小型化することができるので、投写型表示装置の小型化をさらに図ることができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
A.第1実施例:
図1は本発明の第1実施例としての投写型表示装置1000における光学系の要部を示す概略斜視図であり、図2は概略平面図である。この投写型表示装置1000は、照明光学系100と、色光分離光学系200と、3つのDMD300R,300G,300Bと、3つのTIRプリズム400R,400G,400Bと、クロスダイクロイックプリズム500と、投写レンズ600と、λ/2位相差板700とを備えている。照明光学系100は、光源110と、第1のレンズアレイ120と、第2のレンズアレイ130と、偏光変換光学系140と、重畳レンズ150とを備えている。色光分離光学系200は、第1のクロスダイクロイックプリズム210と、ダイクロイックミラー220と、反射ミラー230,240と、コンデンサーレンズ250,260とを備えている。ここで、互いに直交する軸をx,y,zとし、投写レンズ600の光軸に平行で投写方向を正とする方向をzとする。このとき、投写型表示装置1000を構成する各光学系の各構成要素は、各構成要素を通過する光の中心軸(図1のシステム光軸LC上にある)が略同一平面(xz平面に平行な平面)上に位置するように平面的に配置されている。
【0025】
図3は、照明光学系100の構成を示す説明図である。説明を容易にするため、重畳レンズ150から照明対象300までの光路上に配置された構成要素を省略するとともに、その光路を直線的に示している。ここで、照明対象300は、DMD300R、300G、300Bに相当する。互いに直交する軸をx,y,zとし、光源110から見て光の射出方向をzとする。紙面から垂直に向かう方向をyとし、紙面に平行な方向をxとする。光源110と、第1のレンズアレイ120と、第2のレンズアレイ130と、偏光変換光学系140と、重畳レンズ150とは、システムシステム光軸LCに沿って配列されている。第1と第2のレンズアレイ120,130は、それぞれの中心軸が光源110の光軸(光源光軸)110LCにほぼ一致するように配置されている。偏光変換光学系140と重畳レンズ150は、それぞれの中心軸がシステム光軸LCに一致するように配置されている。光源光軸110LCはシステム光軸LCから−x方向に所定のずれ量Dpだけ平行にずれている。このずれ量Dpについては後述する。
【0026】
光源110は、光源ランプ112と凹面鏡114とを有している。光源ランプ112は、放射状の光線を射出する放射光源である。光源ランプ112としては、メタルハライドランプや高圧水銀灯などの高圧放電灯が用いられる。凹面鏡114は、光源ランプ112からの放射光線を反射して第1のレンズアレイ120の方向に射出する。凹面鏡114としては、放物面鏡や楕円面鏡が用いられる。
【0027】
図4は、第1のレンズアレイ120の外観を示す斜視図である。第1のレンズアレイ120は略矩形状の輪郭を有する小レンズ122がM行N列のマトリクス状に配列された構成を有している。この例では、M=5,N=4である。第2のレンズアレイ130も、第1のレンズアレイ120の小レンズ122に対応するように、小レンズ133がM行N列のマトリクス状に配列された構成を有している。第1のレンズアレイ120の各小レンズ122は、光源110(図3)から射出された光線束を複数の(すなわちM×N個の)部分光線束に分割し、各部分光線束を第2のレンズアレイ130の対応する各小レンズ133の近傍で結像するように集光する機能を有している。第2のレンズアレイ130の各小レンズ133は、各部分光線束が後述する偏光変換光学系140に有効に入射するように集光する機能を有している。
【0028】
第1のレンズアレイ120の各小レンズ122をz方向から見た外形形状は、照明対象300であるDMD300R,300G,300Bの光照射面(照明光を画像データに応じて変調する領域)の輪郭形状とほぼ相似形をなすように設定されている。例えば、DMDの光照射面のアスペクト比(横と縦の寸法の比率)が4:3であるならば、各小レンズ122のアスペクト比も4:3に設定されている。
【0029】
図5は、偏光変換光学系140の構成およびその機能を示す説明図である。図5(A)は偏光変換光学系140の斜視図であり、図5(B)はその一部を拡大して示す平面図である。偏光変換光学系140は、遮光板142と、偏光ビームスプリッタアレイ144と、選択位相差板146とを備えている。偏光ビームスプリッタアレイ144は、それぞれ断面が平行四辺形の柱状の複数の透光性板材144aが、交互に貼り合わされた形状を有している。透光性板材144aの界面には、偏光分離膜144bと反射膜144cとが交互に形成されている。なお、この偏光ビームスプリッタアレイ144は、偏光分離膜144bと反射膜144cが交互に配置されるように、これらの膜が形成された複数枚の板ガラスを貼り合わせて、所定の角度で斜めに切断することによって作製することができる。偏光分離膜144bは誘電体多層膜で、また、反射膜144cは誘電体多層膜あるいはアルミニウム膜で形成することができる。
【0030】
遮光板142は、図5(A)に示すように、複数の遮光面142aと複数の開口面142bとがストライプ状に配列して構成されたものである。遮光面142aと開口面142bの配列の仕方は、第2のレンズアレイ130から射出された部分光線束が偏光ビームスプリッタアレイ144の偏光分離膜144bにのみ入射し、反射膜144cには入射しないように設定されている。遮光板142としては、平板状の透明体(例えばガラス板)に遮光性の膜(例えばクロム膜、アルミニウム膜、及び、誘電体多層膜)を部分的に形成したものや、或いは、例えばアルミニウム板のような遮光性の平板に開口部を設けたもの等を使用できる。
【0031】
遮光板142の開口面142bを通過した非偏光な光線束(図5(B)に、実線で示す)は、偏光ビームスプリッタアレイ144の偏光分離膜144bに入射し、2種類の直線偏光光(s偏光光とp偏光光と)に分離される(図5(B)に、一点鎖線で示す)。p偏光光のほとんどは、偏光分離膜144bをそのまま透過する。一方、s偏光光のほとんどは、偏光分離膜144bで反射され、さらに反射膜144cで反射されて、偏光分離膜144bをそのまま通過したp偏光光とほぼ平行な状態で、x軸方向に距離Wp(偏光分離膜144bや反射膜144cのx軸方向の幅)だけ平行移動されて射出される。選択位相差板146の偏光分離膜144bを通過する光の射出面部分にはλ/2位相差層146aが形成されており、反射膜144cで反射された光の射出面部分にはλ/2位相差層は形成されておらず、開口層146bとなっている。従って、偏光分離膜144bを透過したp偏光光は、λ/2位相差層146aによってs偏光光に変換されて選択位相差板146から射出される。一方、反射膜144で反射されたs偏光光は、開口層146bの通過に際して偏光状態が全く変化しないため、s偏光光のまま選択位相差板146から射出される。この結果、偏光変換光学系140に入射した非偏光な光のほとんどがs偏光光に変換されて射出される。もちろん反射膜144cで反射される光の射出面部分だけに選択位相差板146のλ/2位相差層146aを形成することにより、ほとんどの光束をp偏光光に変換して射出することもできる。また、偏光分離膜144bは、s偏光光をほとんど透過し、p偏光光をほとんど反射するものでもよい。
【0032】
ところで、図5(B)から解るように、偏光変換光学系140から射出する2つのs偏光光の中心(2つのs偏光光の中央)は、入射する非偏光な光(s偏光光+p偏光光)の中心よりもx方向にずれている。このずれ量は、λ/2位相差層146aの幅Wp(すなわち偏光分離膜144bのx軸方向に沿った幅)の半分に等しい。このため、図3に示すように、光源110の光軸110LCは、システム光軸LCから、Wp/2に等しい距離Dpだけずれた位置に設定されている。
【0033】
偏光変換光学系140から射出される複数の複数の部分光線束は、重畳レンズ150の重畳作用によって照明対象300上で重畳される。以上の説明からわかるように、2つのレンズアレイ120,130と、重畳レンズ150とは、いわゆるインテグレータ光学系を構成している。これにより、照明光学系100は、照明対象300であるDMD300R,300G,300Bの光照射面を色光分離光学系200を介して均一に照明することができる。なお、光源110の凹面鏡114を楕円面鏡とした場合には、重畳レンズ150を省略することもできる。
【0034】
ここで、後述するようにDMD300R、300G、300Bの光照射面302は、光照射面302に垂直な中心軸を中心としてxz平面に対して傾きを有するように回転配置されている(図1)。このため、投写型表示装置1000の照明光学系100は、実際には、第1のレンズアレイ120の各小レンズ122から射出された各部分光線束がDMD300R、300G、300Bの光照射面302を有効に照明するように、システム光軸LCを中心に所定の傾きに対応する角度で回転配置されている。
【0035】
図2の照明光学系100から射出された光は、色光分離光学系200の第1のクロスダイクロイックプリズム210に入射する。第1のクロスダイクロイックプリズム210には、赤色光反射面212と緑色光青色光反射面214とが、4つの直角プリズムの界面に略X字状に形成されている。赤色光反射面212には、赤色光成分を反射し、赤色光成分よりも短波長の色光成分(緑色光成分および青色光成分)を透過する誘電体多層膜が形成されている。緑色光青色光反射面214には、赤色光成分を透過し赤色光成分よりも短波長の色光成分を反射する誘電体多層膜が形成されている。第1のクロスダイクロイックプリズム210に入射した光のうち赤色光成分は、赤色光反射面212で反射して反射ミラー240の方向に射出される。赤色光成分を除く色光成分(すなわち、緑色光成分と青色光成分の合成光)は、緑色光青色光反射面214で反射して反射ミラー230の方向に射出される。
【0036】
反射ミラー230で反射した緑色光成分と青色光成分の合成光は、コンデンサーレンズ250を介してダイクロイックミラー220に入射する。ダイクロイックミラー220は、その入射面上に青色光成分を透過し緑色光成分を反射する誘電体多層膜が形成されている。したがって、ダイクロイックミラー220に入射した緑色光成分と青色光成分の合成光は青色光成分と緑色光成分とに分離され、青色光成分はダイクロイックミラー220を透過し、緑色光成分は反射される。ダイクロイックミラー220で反射された緑色光は緑色光用のTIRプリズム400Gに入射し、ダイクロイックミラー220を透過した青色光は青色光用のTIRプリズム400Bに入射する。また、反射ミラー240で反射された赤色光成分は、コンデンサーレンズ260を介して赤色光用のTIRプリズム400Rに入射する。なお、コンデンサーレンズ250,260は、入射する各部分光線束を、それぞれの主光線に平行な平行光に変換するために設けられている。
【0037】
以上のように、色光分離光学系200は、照明光学系100から射出された光を、赤色、緑色、青色の3つの色光成分に分離する機能を有している。
【0038】
青色光用のDMD300Bは、光照射面302が第2のクロスダイクロイックプリズム500の青色光入射側面503の方向を向くように、yz平面に平行に配置されている。青色光用のTIRプリズム400Bは、DMD300Bと青色光入射側面503との間に配置されている。青色光用のTIRプリズム400Bにz軸にほぼ平行に入射した青色光は、ギャップ402Bの界面で全反射して入射角約20度でDMD300Bに入射する。DMD300Bに入射した青色光は反射されて射出される。DMD300Bから射出された青色光のうち、x軸にほぼ平行に射出された青色光は、TIRプリズム400Bのギャップ402Bを透過して、青色光入射側面503から第2のクロスダイクロイックプリズム500に入射する。すなわち、TIRプリズム400Bのギャップ402Bは、ダイクロイックミラー220から射出されてz軸に平行に入射する青色光をDMD300Bに入射角20度で入射させるように全反射し、DMD300Bからx軸に平行に射出された光を透過するように形成されている。
【0039】
緑色光用のDMD300Gは、光照射面302が第2のクロスダイクロイックプリズム500の緑色光入射側面502の方向を向くように、xy平面に平行に配置されている。緑色光用のTIRプリズム400Gは、DMD300Gと緑色光入射側面502との間に配置されている。緑色光用のTIRプリズム400Gは、青色光用のTIRプリズム400Bと同様に、ダイクロイックミラー220から射出されてx軸に平行に入射する緑色光をDMD300Gに入射角約20度で入射させるように全反射し、DMD300Gからz軸に平行に射出された緑色光を透過するように形成されている。
【0040】
赤色光用のDMD300Rは、光照射面302が第2のクロスダイクロイックプリズム500の赤色光入射側面501の方向を向くように、yz平面に平行に配置されている。赤色光用のTIRプリズム400Rは、DMD300Rと赤色光入射側面501との間に配置されている。赤色光用のTIRプリズム400Rも、青色光用のTIRプリズム400Bと同様に、反射ミラー240から射出されてz軸に平行に入射する赤色光をDMD300Rに入射角約20度で入射させるように全反射し、DMD300Rからx軸に平行に射出された赤色光を透過するように形成されている。
【0041】
なお、青色光用のTIRプリズム400Bに入射する光には、z軸に平行でない成分も含んでおり、このような成分の光は、ギャップ402Bで全反射されない場合があり、また、DMD300Bから射出された後にギャップ402Bの界面で反射されてしまい透過できない場合もある。そこで、ギャップ402Bは、TIRプリズム400Bに入射する青色光の光の角度成分に応じて、DMD300Bから射出されて青色の画像を表すための光の利用効率がより良くなるように反射と透過の特性(具体的にはギャップ402Bの界面の角度とプリズムの光学定数)が調整されている。他の色光用のTIRプリズム400R,400Gも同様である。
【0042】
以上、説明からわかるように、各色光用のTIRプリズム400R,400G,400Bが本発明の反射/透過型プリズム、すなわち、射出方向規定光学系に相当する。
【0043】
図6は、青色光用のTIRプリズム400Bの構成例について示す説明図である。青色光用のTIRプリズム400Bは、例えば、次のように作製することができる。まず、35度および55度の頂角を有する2つの直角プリズム420を準備する。そして、ギャップ402Bの大きさに相当するスペーサを介して2つの直角プリズムの斜面426同士を貼り合わせて1つのプリズム柱を作製する。次に、作製されたプリズム柱を側面422に垂直な切断面SL1,SL2、および側面424に垂直な切断面SL3で切断し、各側面を研磨する。これにより、青色光用のTIRプリズム400Bを作製することができる。また、赤色および緑色光用のTIRプリズム400R,400Gも青色光用のTIRプリズム400Bと同様に作製することができる。
【0044】
図2の各色光用のDMD300R,300G,300Bによって変調されることによりTIRプリズム400R,400G,400BのDMD300R,300G,300Bと対向する面に対してほぼ垂直に射出され、各色光用のTIRプリズム400R,400G,400Bを透過した各色光は、各色光の入射側面501,502,503から第2のクロスダイクロイックプリズム500に入射する。
【0045】
第2のクロスダイクロイックプリズム500には、赤色光反射面506と青色光反射面508とが、4つの直角プリズムの界面に略X字状に形成されている。赤色光反射面506には、赤色光成分を反射し赤色光成分よりも短波長の色光を透過するする誘電体多層膜が形成されている。青色光反射面508には、青色光成分を反射し青色光よりも長波長の色光を透過する誘電体多層膜が形成されている。赤色光入射側面501から入射した赤色光は、赤色光反射面506で反射されて投写レンズ600の方向に射出される。青色光入射側面503から入射した青色光は、青色光反射面508で反射されて投写レンズ600の方向に射出される。緑色光入射側面502から入射した緑色光は、赤色光反射面506および青色光反射面508の両方を透過して投写レンズ600の方向にそのまま射出される。これにより、第2のクロスダイクロイックプリズム500は、各色光用のDMD300R,300G,300Bから射出された各色光を合成して、カラー画像を表す画像光を射出することができる。第2のクロスダイクロイックプリズム500は、本発明の色光合成光学系に相当する。
【0046】
第2のクロスダイクロイックプリズム500で合成された画像光は、投写レンズ600を介して投写され、画像が表示される。この投写レンズ600が本発明の投写光学系に相当する。
【0047】
図7は、青色光用のDMD300Bについて示す説明図である。図7(A)は、青色光用のDMD300Bの光照射面302の概略を示す説明図である。DMD300Bの光照射面302上には、略正方形の輪郭を有する複数のマイクロミラー304がマトリクス状に形成されている。各マイクロミラー304は、左下と右上の頂点を結ぶ対角線を回動軸304cとして所定の回動範囲(±θr)で回動可能に形成されている。なお、時計周りに沿った角度を正とする。この各マイクロミラー304が画像を構成する各画素に相当する。
【0048】
ここで、説明を容易にするため、光照射面302に照射される照明光を、中心光線(入射光線)IRで代表して示すこととする。また、照明光IRの光照射面302への入射位置を通り、光照射面302の横方向軸をh、光照射面302の縦方向軸をvとする。装置の構成を容易にするためには、各マイクロミラー304のへの入射光とその反射光とを含む面が各マイクロミラー304の回動軸304cに垂直となるように、照明光IRを光照射面302に入射させることが好ましい。具体的には、DMD300Bに照射される照明光IRは、照明光IRを光照射面302に平行な平面上に投影したときの照明光IRの光路が、光照射面302の横方向軸hに対して所定の傾きθh(約45度)を有するように右斜め下方向または左斜め上方向から入射される。一方、TIRプリズム400Bで反射されてDMD300Bに入射する照明光IRは、水平面上の光路を通ってDMD300Bに入射する(図1)。そこで、本実施例においては、図7(B)に示すように、DMD300Bを、光照射面302を反時計周りに45度回転させて、各マイクロミラー304の回動軸304cが上下方向を向くように配置している。これにより、照明光IRの横方向軸hに対する傾きθhを約45度に保ちつつ、照明光IRを右水平方向から入射させるようにしている。なお、照明光IRを左方向から入射させるようにしてもよい。
【0049】
図8は、マイクロミラー304への入射光とその反射光とを含む面、すなわち、回動軸304cに垂直な断面における光路を示す説明図である。図8(A)は、照明光IRを右水平方向から入射させる場合を示している。マイクロミラー304は、光照射面302に平行な平面F(図8に破線で示す)に対して、回動軸304cを中心に約±θr度(θr≒10度)回動する。なお、時計周りに沿った角度を正とする。照明光IRは、上述したように、平面Fの法線Fn(光照射面302に垂直な中心軸に平行な線)から+θLだけ傾いた方向からマイクロミラー304に入射させる。
【0050】
マイクロミラー304が平面Fに対して+θrだけ傾いた状態の場合、照明光IRは、照明光IRから−2・(θL−θr)だけ傾いた方向に反射光RR(+θr)として反射される。マイクロミラー304が平面Fに対して−θrだけ傾いた状態の場合、照明光IRは、照明光IRから−2・(θL+θr)だけ傾いた方向に反射光RR(−θr)として反射される。このように、マイクロミラー304に照射された照明光IRは、マイクロミラー304の回動角度に応じて異なった方向に反射して射出される。
【0051】
ここで、反射光RR(+θl)の方向に投写レンズを配置すると、反射光RR(−θr)は無効光URとなり、反射光RR(+θr)のみを有効光(画像光)ERとして利用することができる。すなわち、マイクロミラー304が+(θr)だけ傾いた状態において、反射光RR(+θr)を投写レンズを介して投写して明表示を実現し、マイクロミラー304が−(θr)だけ傾いた状態において、反射光RR(−θr)を投写レンズを介して投写せずに暗表示を実現することができる。中間の階調は、画像を描画する一定時間の中で、階調に応じて1つの画素の明と暗の表示の割合を制御する手法(いわゆるパルス幅変調と呼ばれる手法)で実現することができる。なお、反射光RR(−θr)を有効光として利用し、反射光RR(+θr)を無効光とすることも可能である。この場合には、同じ画像データに対して明暗を反転させた画像を表示させることができる。
【0052】
本実施例においては、θL=2・θr(≒20度)とすることにより、マイクロミラー304が平面F(光照射面302)に対して+θrだけ傾いた場合に、反射光RR(+θr)が法線Fn(光照射面302に垂直な軸)に平行な方向を向くように設定し、反射光RR(+θr)を有効光ERとしている。上述した青色光用のTIRプリズム400Bにおいて、z軸にほぼ平行に入射した光を反射してDMD300Bに入射角約20度で入射させるようにし、青色光用のDMD300Bからx軸にほぼ平行に射出された光を透過して第2のクロスダイクロイックプリズム500に入射させるようにしているのは、このためである。
【0053】
なお、図8(B)に示すように、各マイクロミラー304に対して左方向から照明光IRを入射させた場合には、照明光IRを右方向から入射させた場合と対称な動作となる。すなわち、マイクロミラー304が平面Fに対して−θrだけ傾いた場合、照明光IRは、照明光IRから+2・(θL−θl)だけ傾いた方向に反射光RR(−θr)として反射される。マイクロミラー304が平面Fに対して+θrだけ傾いた状態の場合、照明光IRは、照明光IRから+2・(θL+θr)だけ傾いた方向に反射光RR(+θr)として反射される。θL=2・θr(≒20度)の場合には、マイクロミラー304が平面Fに対して−θrだけ傾いた場合に、反射光RR(−θr)が法線Fnに平行な方向を向く。
【0054】
図9は、各色光用のDMD300R,300G,300Bの光照射面302の向きを示す説明図である。なお、図9(A−2),(B−2),(C−2)に示す各色の投写される画像は、左右方向の画像の反転についてのみ着目して示しており、実際に投写される画像は投写レンズ600の構成に応じて上下方向が反転する場合もある。各色光用のDMD300R,300G,300Bから射出された各色の画像光のうち、赤色光および青色光は、図2に示す第2のクロスダイクロイックプリズム500において一回反射されるので、投写される赤色および青色の画像は、DMD300R、300Bに形成される画像とは左右方向が反転する。第2のクロスダイクロイックプリズム500において合成された画像光によって形成される各色の画像の左右方向を一致させるために、通常は、各色光用のDMD300R,300G,300Bに与えられる各色の画像データの左右方向をこれらの反転が吸収されるように調整する。
【0055】
ところで、本実施例においては、図7を用いて説明したように、各色光用のDMD300R,300G,300Bに対して照明光IRを水平方向から入射させるために、各画素304の回動軸304cが上下方向を向くようにそれぞれの光照射面302を傾けて配置している。このとき、図9(A−1)に示すように青色光用のDMD300Bの光照射面302は、反時計周りに45度傾いて配置されている。このDMD300Bから射出された光が第2のクロスダイクロイックプリズム500で一回反射されるとその傾きが反転するので、投写される画像は図9(A−2)に示すように時計周りに45度傾いていることになる。赤色光用と緑色光用のDMD300R,300Gの光照射面302の配置の傾きも、投写される画像の向きが青色光の画像の向きと一致するように、DMD300R,300Gから射出された光の反転回数に応じて調整される。具体的には、緑色光用のDMD300Gは、DMD300Gから射出された光が第2のクロスダイクロイックプリズム500で反射されずに透過するため、図9(B−2)に示す投写される画像の向きと一致するように配置される。すなわち、図9(B−1)に示すように、青色光用のDMD300Bとは対称に、時計回りに約45度傾けて配置される。赤色光用のDMD300Rは、DMD300Rから射出された光が第2のクロスダイクロイックプリズム500で反射されるので、図9(C−2)に示す投写される画像の向きと対称となるように配置される。すなわち、図9(C−1)に示すように、青色光用のDMD300Bと同様に、反時計周りに約45度傾けて配置される。また、与えられる各色の画像データの左右方向の向きは、緑色を基準とすると、青色および赤色の画像データいついて左右方向が反対向きに与えられる。
【0056】
なお、図9に示すように各色光用のDMD300R,300G,300Bを傾けて配置した場合に、緑色光用のDMD300Gには、図7に示した各マイクロミラー304の右上と左下の頂点を結ぶ対角線を回動軸304cとする種類のDMDではなく、各マイクロミラー304の左上と右下の頂点を結ぶ対角線を回動軸304cとする種類のDMDが用いられる。
【0057】
また、緑色および赤色光用のDMD300G,300Rには、図2に示したように、光照射面302に対して左方向から光を入射させている。したがって、上述したように、各マイクロミラーの動作が図8(B)を用いて説明したように反対になる。したがって、各色の画像データ(暗から明までの階調データ)を反転して与える必要がある。すなわち、暗データを明データとし、明データを暗データとして与える必要がある。
【0058】
以上説明した投写型表示装置1000においては、以下に示す点から、従来の投写型表示装置に比べて小型化が可能である。図10は、第1のクロスダイクロイックプリズム210から第2のクロスダイクロイックプリズム500までの各色光の光路を示す説明図である。第1のクロスダイクロイックプリズム210から第2のクロスダイクロイックプリズム500までの赤色光の光路長L1と青色光の光路長L2は等しく設定されている。また、ダイクロイックミラー220から第2のクロスダイクロイックプリズム500までの緑色光の光路長L3と青色光の光路長L4も等しく設定されている。これにより、赤、緑、青の各色光の第1のクロスダイクロイックプリズム210から第2のクロスダイクロイックプリズム500までの光路長が等しく設定されている。この結果、各色光の光路長が異なる場合に、通常設けられるリレー光学系のような種々の光学系を省略することができるので、投写型表示装置1000を小型にすることができる。
【0059】
なお、各色光の光路長を等しくするには、以下のように各色光の光路を設定すればよい。すなわち、2つの色光に分離する分離位置と、2つの色光を合成する合成位置とを結ぶ線に対して、2つの色光の光路が対称な光路となるように配置されているようにすればよい。図10の例では、第1のクロスダイクロイックプリズム210で分離された赤色光の光路と赤色光を除く光の光路とが、第1のクロスダイクロイックプリズム210の中心と第2のクロスダイクロイックプリズム500の中心とを結ぶ線SL1に対して対称となるように設定されている。また、ダイクロイックミラー220で分離された緑色光の光路と青色光の光路とが、ダイクロイックミラー220の中心と第2のクロスダイクロイックプリズム500の中心とを結ぶ線SL2に対して対称となるように設定されている。
【0060】
また、上述したように、本実施例の投写型表示装置1000は、照明光学系100から射出された光を、色光分離光学系200において赤色、青色、緑色の各色光に分離し、各色光ごとに、各色光用のDMD300R,300G,300Bにおいて各色の画像を表す光を射出し、第2のクロスダイクロイックプリズム500において合成することにより、カラー画像を表す画像光を形成するようにしている。すなわち、投写型表示装置1000を構成する光学系を各色光ごとに分離して構成している。そして、各色光用のDMD300R,300G,300Bに水平方向から光を入射させるように傾けて配置している。これにより、図1に示したように、各光学系を構成する構成要素を平面的に配置することができるので、投写型表示装置1000の光学系の配置スペースを薄く小型にすることができる。この結果、投写型表示装置の全体を従来に比べて小型にすることできる。
【0061】
図11は、投写型表示装置1000の設置方法について示す説明図である。図11(A−1)に示すように、投写型表示装置1000を図2のxz平面が平面P1に平行となるように設置して、例えばリアスクリーンSCに投写表示した場合の画像は、図11(A−2)に示すように、緑色光用のDMD300Gの光照射面302の傾き(図9(B))と同様に、時計周りに45度傾いた画像となる。このような表示の傾きを無くすため、図11(B−1)に示すように、本実施例の投写型表示装置1000は、その筐体を斜めの状態で支持するための収納可能な支持具1010を備えており、光学系の全体が、図2のxz平面が平面P1に対して反時計周りに45度傾くように設置することができる。これにより、図11(B−2)に示すように、表示された画像の傾きをなくすことができる。なお、この支持具1010を伸縮自在としたり、折りたたみ可能として筐体(箱体)内に収納することにより、投写表示を行わない場合には、図11(A−1)に示すように、光学系全体の光路が水平になるように設置することができる。これにより、非使用時における配置スペースを小さくすることが可能である。
【0062】
ところで、図2に示すように、緑色光用のTIRプリズム400Gと第2のクロスダイクロイックプリズム500の緑色光入射側面502との間には、λ/2位相差板700が設けられている。このλ/2位相差板700は、入射する直線偏光光の偏光方向をこれに垂直な偏光方向を有する直線偏光光に調整する偏光方向調整光学系としての機能を有している。緑色光用のDMD300Gから射出された緑色光は、照明光学系100から射出された照明光と同じs偏光光であるので、λ/2位相差板700を通過する際にp偏光光に変換される。この理由は、以下に説明するように、第2のクロスダイクロイックプリズム500における緑色光の透過率を向上させるためである。
【0063】
図12と図13は、赤色光反射面506の赤色反射膜と青色光反射面508の青色反射膜の分光反射率特性の一例を示すグラフである。図12と図13には、s偏光光に対する反射率特性が破線で描かれており、p偏光光に対する反射率特性が実線で描かれている。なお、この明細書においては、反射率が50%以上の波長域を「有効反射波長域」、反射率が50%となる波長を「カットオフ波長」と呼ぶ。
【0064】
青色光の波長域は通常約400nm〜約500nmであり、緑色光の波長域は通常約500nm〜約580nm、赤色光の波長域は通常約580nm〜約700nmに設定される。図12から解るように、赤色反射膜のs偏光光に対する有効反射波長域(約530nm〜約750nm)は、p偏光光に対する有効反射波長域(約600nm〜約700nm)を含み、これより広い波長域となっている。赤色光はs偏光光として第2のクロスダイクロイックプリズム500に入射するので、この赤色光は図12の特性を有する赤色反射膜によってほぼ100%反射される。一方、緑色光はp偏光光として第2のクロスダイクロイックプリズム500に入射するので、この緑色光は図12の特性を有する赤色反射膜をほぼ100%透過する。
【0065】
一方、図13から解るように、青色反射膜のs偏光光に対する有効反射波長域(約390nm〜約530nm)は、p偏光光に対する有効反射波長域(約400nm〜約460nm)を含み、これより広い波長域となっている。青色光はs偏光光として第2のクロスダイクロイックプリズム500に入射するので、この青色光は図6の特性を有する青色反射膜によって約80%以上のかなり高い反射率で反射される。一方、緑色光はp偏光光として第2のクロスダイクロイックプリズム500に入射するので、この緑色光は図13の特性を有する青色反射膜をほぼ100%透過する。
【0066】
このように、赤色反射膜と青色反射膜は、s偏光光に対する反射率特性が、p偏光光に対する反射率特性よりも優れている。従って、赤色光と青色光をs偏光光として第2のクロスダイクロイックプリズム500に入射させ、緑色光をp偏光光として第2のクロスダイクロイックプリズム500に入射させることによって、赤色光と青色光に対しては高い反射率を得ることができ、一方、緑色光に対しては透過率を得ることができる。この結果、3色の光の利用効率をそれぞれ高めることができる。
【0067】
なお、第2のクロスダイクロイックプリズム500の赤色反射膜および青色反射膜の特性がよい場合には、λ/2位相差板700を省略することも可能である。この場合には、照明光学系100の偏光変換光学系140を省略することもできる。
【0068】
B.第2実施例:
図14は、本発明の第2実施例としての投写型表示装置2000における光学系の要部を示す概略平面図である。この投写型表示装置2000は、第1実施例の投写型表示装置1000の緑色光用のDMD300GとTIRプリズム400Gの構成を変更したものであり、他の構成は第1実施例と同じである。
【0069】
緑色光用のDMD300Gaは、光照射面302がダイクロイックミラー220の方向を向くように、第2のクロスダイクロイックプリズム500の緑色光入射側面502に垂直、すなわち、yz平面に平行に配置されている。緑色光用のTIRプリズム400Gaは、緑色光用のDMD300Gとダイクロイックミラー220との間に配置されている。ダイクロイックミラー220から緑色光用のTIRプリズム400Gに入射した緑色光は、ギャップ402Gaを透過しDMD300Gに入射する。DMD300Gに入射した緑色光は反射されて射出される。
【0070】
図15は、DMD300Gaにおけるマイクロミラー304への入射光とその反射光とを含む面、すなわち、回動軸304cに垂直な断面における光路を示す説明図である。
【0071】
マイクロミラー304の回動角度±θrは、他のDMD300R,300Bと同じである。照明光IRは、光照射面302に平行な平面Fの法線Fnに平行にマイクロミラー304に入射する。マイクロミラー304が平面Fに対して+θrだけ傾いた状態の場合、照明光IRは、照明光IRから+2・θrだけ傾いた方向に反射光RR(+θr)として反射され、有効光ERとして利用される。マイクロミラー304が平面Fに対して−θrだけ傾いた状態の場合、照明光IRは、照明光IRから−2・θrだけ傾いた方向に反射光RR(−θr)として反射され、無効光URとなる。なお、θr≒10度であるので、有効光ERは、反射角20度で射出される。
【0072】
TIRプリズム400Gaのギャップ402Gaは、DMD300Gaから反射角約20度で射出する緑色光を反射して、第2のクロスダイクロイックプリズム500の緑色光入射側面502にほぼ垂直に入射させるように形成されている。
【0073】
図16は、各色光用のDMD300R,300Ga,300Bの光照射面302の向きを示す説明図である。緑色光用のDMD300Gaから射出された緑色光は、投写レンズ600に入射するまでに、緑色光用のTIRプリズム400Gaで一回反射される。この反射回数は、他の色光用のDMD300R,300Gから射出された色光が投写レンズ600に入射するまでに第2のクロスダイクロイックプリズム500で反射される回数と同じに設定されている。これにより、DMD300Gaの光照射面302の傾きを、他の色光用のDMD300R,300Bの光照射面302の傾きと同じにすることができる。この結果、第2実施例の投写型表示装置2000は、第1実施例における緑色光用のDMD300Gが他の色光用のDMD300R,300Bと異なる種類のDMDを用いる必要があったのに対して、同じ種類のDMDを用いることができるという利点がある。
【0074】
なお、色光分離光学系200で分離された各色光が照明する各色光用のDMD300R、300G、300B上の照明領域は、光を有効に利用するため、第1実施例において説明したように、光照射面302に相似な輪郭を有すように設定する場合が多い。各色光用のDMD300R,300Ga,300Bの光照射面302が傾いて配置されている場合に、照明光学系100から射出された光を有効に利用するためには、各色光用のDMD300R、300G、300Bの光照射面302上の照明領域が各光照射面302の傾斜に合わせて、傾斜していることが好ましい。このため、照明光学系100は、照明光学系100から射出される照明光の輪郭形状の傾きが、各色光用のDMD300R、300G、300Bの光照射面302の傾きに一致するように照明光学系100の中心軸を中心として傾けて配置されている。このとき、照明光学系100から各色光用のDMD300R,300G,300Bに至るまでの各色光の光路上において、各色光が反射される回数が偶数回の場合には、照明領域の傾きが光照射面302とは反対向きとなってしまうため、光の利用効率が低下してしまう。そこで、本実施例の投写型表示装置2000においては、照明光学系100から各色光用のDMD300R,300G,300Bに至るまでの各色光の光路上において反射される色光の回数が奇数回で統一されていることが好ましい。図17では、各色光の反射される回数が3回で統一されている。なお、必ずしも同じ回数である必要はない。すなわち、照明領域の左右方向の傾斜の向きを、光照射面302の左右方向の傾斜の向きと一致させればよいので、奇数であれば反射回数が色光によって異なっていてもよい。なお、照明光学系1000は、照明光学系100から射出される照明光の輪郭形状の傾きが、各色光用のDMD300R、300G、300Bの光照射面302の傾きとは反対の傾きを有するように照明光学系100の中心軸を中心として傾けて配置されるようにすることもできる。この場合には、照明光学系100から各色光用のDMD300R,300G,300Bに至るまでの各色光の光路上において反射される色光の回数が偶数回で統一されていることが好ましい。
【0075】
図17は、図14に示した投写型表示装置2000の変形例である投写型表示装置2000Aを示す概略平面図である。この投写型表示装置2000Aは、緑色光用のDMD300Gaをyz平面に平行ではなく、yz平面に対して反時計周りに20度傾けて配置したものである。この場合には、投写型表示装置2000において緑色光用のDMD300Gaの光照射面302に垂直に入射させていた光を、他の色光用のDMD300R,300Bと同様に入射角20度で入射させることができる。
【0076】
C.第3実施例:
図18は、本発明の第3実施例としての投写型表示装置3000における光学系の要部を示す概略平面図である。この投写型表示装置3000は、第1実施例の投写型表示装置1000の緑色光用のDMD300GをDMD300Gaに置き換え、赤色および青色光用のTIRプリズム400R,400Bを、TIRプリズム400Ra,400Baに置き換えた構成を示している。また、赤色光用のDMD300Rは、光照射面302が反射ミラー240の方向を向くように、赤色光入射側面501に垂直、すなわち、yz平面に平行に配置され、赤色光用のTIRプリズム400Raは、赤色光用のDMD300Rと反射ミラー240との間に配置されている。青色光用のDMD300Bは、光照射面302がダイクロイックミラー220の方向を向くように、青色光入射側面503に垂直、すなわち、yz平面に平行に配置され、青色光用のTIRプリズム400Baは、青色光用のDMD300Bとダイクロイックミラー220との間に配置されている。なお、他の構成は、第1実施例と同じである。
【0077】
赤色光用のTIRプリズム400Raに入射した赤色光は、ギャップ402Raを透過しDMD300Rに入射する。DMD300Rに入射した赤色光は反射されて射出され、赤色光用のTIRプリズム400Raのギャップ402Raで反射されて第2のクロスダイクロイックプリズム500の赤色光入射側面501にほぼ垂直に入射する。青色光用のTIRプリズム400Baに入射した青色光も、ギャップ402Baを透過しDMD300Bに入射する。DMD300Bに入射した青色光は反射されて射出され、青色光用のTIRプリズム400Baのギャップ402Baで反射されて第2のクロスダイクロイックプリズム500の青色光入射側面503にほぼ垂直に入射する。
【0078】
この投写型表示装置3000は、第1実施例の投写型表示装置1000(図2)における緑色光用のDMD300Gに対して第2実施例の投写型表示装置2000(図13)のように緑色光用のDMD300Gaの配置の向きを変更する代わりに、変わりに、赤色および青色光用のDMD300R、300Gの配置の向きを変更した例を示している。
【0079】
緑色光用のDMD300Gaから射出された緑色光は、一回も反射されることなく投写レンズ600に入射する。一方、赤色光用のDMD300Rから射出された光は、TIRプリズム400Raと第2のクロスダイクロイックプリズム500の赤色光反射面506で2回反射される。また、青色光用のDMD300Bから射出された光も、TIRプリズム400Baと第2のクロスダイクロイックプリズム500の青色光反射面508で2回反射される。この場合、緑色光の反射回数と赤色および青色の反射回数とが異なっているものの、同じ偶数であるので、第2実施例の投写型表示装置2000と同様に、DMD300Gaの光照射面302の傾きを、他の色光用のDMD300R,300Bの光照射面302の傾きと同じにすることができる。この結果、第3実施例の投写型表示装置3000も、同じ種類のDMDを用いることができるという利点がある。
【0080】
なお、本実施例の投写型表示装置3000においても、第2実施例の投写型表示装置の変形例2000Aと同様に、赤色光用のDMD300Rをxy平面に対して反時計周りに20度傾けて配置し、青色光用のDMD300Bをxy平面に対して時計回りに20度傾けて配置させることもできる。
【0081】
D.第4実施例:
本発明の第4実施例としての投写型表示装置4000における光学系の要部を示す概略平面図である。この投写型表示装置4000は、第2実施例の投写型表示装置2000の射出方向規定光学系としてのTIRプリズム400R,400G,400Bを別の射出方向規定光学系に変更したものであり、他の構成は第2実施例と同じである。
【0082】
λ
青色光用の射出方向規定光学系800Bは、青色光用のDMD300Bと第2のクロスダイクロイックプリズム500との間の光路上に配置された偏光分離膜820Bと、偏光分離膜820Bと青色光用のDMD300Bとの間の光路上に配置されたλ/4位相差板840Bと、偏光分離膜820Bと第2のクロスダイクロイックプリズム500の間に配置されたλ/2位相差板860Bとを備えている。偏光分離膜820Bは、図5を用いて説明した偏光変換光学系140の偏光分離膜144bと同様に、s偏光光を反射しp偏光光を透過する誘電体多層膜である。偏光分離膜820Bは、z軸に平行な青色のs偏光光を青色光用のDMD300Bに入射角約20度で入射させるようにyz平面に対して傾けて配置されている。偏光分離膜偏光分離膜820Bで反射された青色光は、λ/4位相差板840Bを通過する際に円偏光光に変換される。円偏光の青色光は、DMD300Bで反射される際に回転方向が反転するので、再びλ/4位相差板840Bに入射してp偏光光に変換される。p偏光光の青色光は、偏光分離膜820Bを透過し、λ/2位相差板860Bでs偏光光に変換されて、第2のクロスダイクロイックプリズム500の青色光入射側面503に入射される。
【0083】
赤色光用の射出方向規定光学系800Rも、青色光用の射出方向規定光学系800Bと同様な構成を有しており、赤色光用のDMD300Rと第2のクロスダイクロイックプリズム500との間の光路上に配置された偏光分離膜820Rと、偏光分離膜820Rと赤色光用のDMD300Rとの間の光路上に配置されたλ/4位相差板840Rと、偏光分離膜820Rと第2のクロスダイクロイックプリズム500の間に配置されたλ/2位相差板860Rとを備えている。
【0084】
緑色光用の射出方向規定光学系800Gは、ダイクロイックミラー220と青色光用のDMD300Gaとの間の光路上に配置された偏光分離膜820Gと、偏光分離膜820Gと青色光用のDMD300Gaとの間の光路上に配置されたλ/4位相差板840Gと、偏光分離膜820Gと第2のクロスダイクロイックプリズム500の間に配置されたλ/2位相差板860Gとを備えている。さらに、ダイクロイックミラー220と偏光分離膜820Gとの間の光路上にλ/2位相差板880Gを備えている。偏光分離膜820Rは、偏光分離膜820B,820Rと同様に、s偏光光を反射しp偏光光を透過する。λ/2位相差板880Gは、ダイクロイックミラー220から射出された緑色光が偏光分離膜820Gを透過して緑色光用のDMD300Gaに入射するように、s偏光の緑色光をp偏光光に変換する。p偏光の緑色光は、偏光分離膜820Gを透過して、λ/4位相差板840Gを通過する際に円偏光光に変換される。円偏光の緑色光は、DMD300Rで反射され、再びλ/4位相差板840Gに入射してs偏光光に変換される。s偏光光の緑色光は、偏光分離膜820Gで反射される。偏光分離膜820Gは、緑色光用のDMD300Gaから反射角約20度で射出された緑色光が第2のクロスダイクロイックプリズム500の緑色光入射側面502にほぼ垂直に入射するように配置されている。偏光分離膜偏光分離膜820Rで反射されたs偏光の緑色光は、λ/4位相差板860Gに入射してp偏光光に変換されて、第2のクロスダイクロイックプリズム500の緑色光入射側面502に入射される。
【0085】
なお、各色光用の偏光分離膜820R,820G,820Bが本発明の反射/透過面に相当する。
【0086】
第4実施例の投写型表示装置4000においても、投写型表示装置を小型化することが可能である。また、各色光用の射出方向規定光学系を、TIRプリズムではなく、色光分離膜と、λ/4位相差板により構成しているので、TIRプリズムを用いた場合に比べて、さらに、小型化が可能であるという利点がある。
【0087】
E.第5実施例:
図20は、本発明の第5実施例としての投写型表示装置5000における光学系の要部を示す概略平面図である。この投写型表示装置5000は、第2実施例の投写型表示装置2000の色光分離光学系200の構成を変更するとともに、照明光学系100の位置を変更したものであり、他の構成は第2実施例と同じである。
【0088】
色光分離光学系200Aは、図14の第1のクロスダイクロイックプリズム210を省略し、反射ミラー230をダイクロイックミラー230Aに置き換えたものである。照明光学系100は、射出される光をダイクロイックミラー230Aに入射するように配置されている。ダイクロイックミラー230Aは、その入射面上に赤色光成分を反射し、赤色光よりも波長の短い色光(緑色光成分および青色光成分)を反射する誘電体多層膜が形成されている。したがって、第1のダイクロイックミラー230Aに入射した光は、赤色光成分と赤色光成分を除く色光成分とに分離される。赤色光成分を除く色光成分は第2のダイクロイックミラー220に入射して第1実施例で説明したように青色光成分と緑色光成分とに分離され、各色光用のDMD300B,300Gに入射される。第1のダイクロイックミラー230Aで分離された赤色光成分は、3つのレンズ270,280,290を介して反射ミラー240に入射され、第1実施例で説明したように、赤色光用のDMD300Rに入射される。なお、3つのレンズ270,280,290は、リレー光学系を構成している。このリレー光学系は、赤色光の光路長が他の色光の光路長よりも長いために発生する光の発散等による赤色光の利用効率の低下を防止する機能を有している。
【0089】
以上のように、本実施例の投写型表示装置4000においては、赤色光の光路長が他の色光に比べて長くなっている。しかし、上述の各実施例と同様に、光学系を構成する各光学要素を、各色光ごとに、各光学要素を通過する光の中心軸が略同一平面上に位置するように配置することができる。これにより、本実施例の投写型表示装置においても、装置の薄型化による小型化を図ることができる。
【0090】
本実施例は、第2実施例の投写型表示装置2000の色光分離光学系200の構成を変更するとともに、照明光学系100の位置を変更したものを例に説明しているが、他の実施例においても適用可能である。
【0091】
なお、本発明は上記の各実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能である。
【0092】
例えば、上記各実施例において用いたDMDは、マイクロミラーの回動軸が約45度の傾斜を有し、回動範囲が±10度の場合を例に説明しているが、これに限定されるものではない。例えば、回動軸が縦方向または横方向を向いているような場合であってもよい。また、回動範囲が±10度でなくてもよい。いずれの場合においても、各光学要素を通過する光の中心軸が略同一平面上に位置するように配置されるように、DMDの配置やTIRプリズムの反射/透過特性を設定するようにすればよい。
【0093】
また、上記各実施例では、DMDを用いた投写型表示装置を例に説明しているが、これに限定されるものではない。本発明は、光照射面に照射された光の射出方向を、与えられた画像データ(信号)に応じて制御することにより、光照射面に照射された光を変調し、画像を表す画像光を射出する射出方向制御型光変調装置を用いた投写型表示装置に適用可能である。
【0094】
また、上記各実施例では、照明光学系として、s偏光光を射出する偏光照明光学系を適用した場合を例に説明しているが、これに限定されるものではなく、非偏光な光を射出する照明光学系を用いることもできる。また、照明光学系として、レンズアレイを用いたインテグレータ光学系を適用した場合を例に説明しているが、インテグレータロッドを用いたインテグレータ光学系を適用することも可能である。また、インテグレータ光学系を適用しない照明光学系を用いることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例としての投写型表示装置1000における光学系の要部を示す概略斜視図である。
【図2】本発明の第1実施例としての投写型表示装置1000における光学系の要部を示す概略概略平面図である。
【図3】照明光学系100の構成を示す説明図である。
【図4】第1のレンズアレイ120の外観を示す斜視図である。
【図5】偏光変換光学系140の構成およびその機能を示す説明図である。
【図6】青色光用のTIRプリズム400Bの構成例について示す説明図である。
【図7】青色光用のDMD300Bについて示す説明図である。
【図8】マイクロミラー304への入射光とその反射光とを含む面、すなわち、回動軸304cに垂直な断面における光路を示す説明図である。
【図9】各色光用のDMD300R,300G,300Bの光照射面302の向きを示す説明図である。
【図10】第1のクロスダイクロイックプリズム210から第2のクロスダイクロイックプリズム500までの各色光の光路を示す説明図である。
【図11】投写型表示装置1000の設置方法について示す説明図である。
【図12】赤色光反射面506の赤色反射膜の分光反射率特性の一例を示すグラフである。
【図13】青色光反射面508の青色反射膜の分光反射率特性の一例を示すグラフである。
【図14】本発明の第2実施例としての投写型表示装置2000における光学系の要部を示す概略平面図である。
【図15】DMD300Gaにおけるマイクロミラー304への入射光とその反射光とを含む面、すなわち、回動軸304cに垂直な断面における光路を示す説明図である。
【図16】各色光用のDMD300R,300Ga,300Bの光照射面302の向きを示す説明図である。
【図17】投写型表示装置2000の変形例である投写型表示装置2000Aを示す概略平面図である。
【図18】本発明の第3実施例としての投写型表示装置3000における光学系の要部を示す概略平面図である。
【図19】本発明の第4実施例としての投写型表示装置4000における光学系の要部を示す概略平面図である。
【図20】本発明の第5実施例としての投写型表示装置5000における光学系の要部を示す概略平面図である。
【図21】従来の投写型表示装置の例を示す概略平面図である。
【符号の説明】
100...照明光学系
110...光源
110LC...光源光軸
112...光源ランプ
114...凹面鏡
120...第1のレンズアレイ
122...小レンズ
130...第2のレンズアレイ
133...小レンズ
140...偏光変換光学系
142...遮光板
142a...遮光面
142b...開口面
144...偏光ビームスプリッタアレイ
144a...透光性板材
144b...偏光分離膜
144c...反射膜
146...選択位相差板
146b...開口層
150...重畳レンズ
200...色光分離光学系
200A...色光分離光学系
210...第1のクロスダイクロイックプリズム
212...赤色光反射面
214...緑色光青色光反射面
220...ダイクロイックミラー
230,240...反射ミラー
230A...ダイクロイックミラー
250,260...コンデンサレンズ
270,280,290...レンズ
300...照明対象
300R,300G,300B...DMD
300Ga...DMD
302...光照射面
304...マイクロミラー(画素)
304c...回動軸
400R,400G,400B...TIRプリズム
400Ga...TIRプリズム
400Ra,400Ba...TIRプリズム
402R,402G,402B...ギャップ
402Ga...ギャップ
402Ra,402Ba...ギャップ
420...直角プリズム
422...側面
424...側面
426...斜面
500...第2のクロスダイクロイックプリズム
501...赤色光入射側面
502...緑色光入射側面
503...青色光入射側面
506...赤色光反射面
508...青色光反射面
600...投写レンズ
800R,800G,800B...射出方向規定光学系
820R,820G,820B...偏光分離膜
840R,840G,840B...λ/4位相差板
860R,860G,860B...λ/2位相差板
880G...λ/2位相差板
1000...投写型表示装置
1010...支持具
2000...投写型表示装置
2000A...投写型表示装置変形例)
3000...投写型表示装置
4000...投写型表示装置
5000...投写型表示装置
6000...投写型表示装置
6100...照明光学系
6110...光源
6120...コンデンサレンズ
6130...反射ミラー
6200...TIRプリズム
6200...プリズム
6300...色光分離合成プリズム
6400R,6400G,6400B...DMD
6400R,6440G,6400B...DMD
6500...投写レンズ

Claims (8)

  1. 画像を投写して表示する投写型表示装置であって、
    照明光を射出する照明光学系と、
    前記照明光学系から射出された光を複数の色光に分離する色光分離光学系と、
    前記複数の色光ごとに設けられ、光照射面で反射される色光の射出方向を、与えられた信号に応じて制御することにより、前記各色光を変調する複数の射出方向制御型光変調装置と、
    前記複数の射出方向制御型光変調装置から射出された複数の色光を合成する色光合成光学系と、
    前記色光合成光学系で合成された光を投写する投写光学系と、
    前記色光分離光学系から前記色光合成光学系までの各色光の光路上にそれぞれ設けられ、前記色光分離光学系から入射した色光をその色光に対応する射出方向制御型光変調装置の方向に向けて射出するとともに、前記対応する射出方向制御型光変調装置で変調されて入射した色光を前記色光合成光学系の方向に向けて射出する複数の射出方向規定光学系と、を備え、
    前記照明光学系と、前記色光分離光学系と、前記複数の射出方向制御型光変調装置と、前記複数の射出方向規定光学系と、前記色光合成光学系とは、それぞれを通過する光の中心軸が略同一平面上に存在するように略平面的に配置されていることを特徴とする投写型表示装置。
  2. 請求項1記載の投写型表示装置であって、
    前記各色光用の射出方向規定光学系は、前記色光分離光学系から入射する色光と、対応する射出方向制御型光変調装置で反射されて再入射する色光とのうち、いずれか一方を反射し他方を透過させる反射/透過面を有する、投写型表示装置。
  3. 請求項2記載の投写型表示装置であって、
    前記各色光用の射出方向規定光学系は、ギャップを挟んで2つのプリズム柱が組み合わされ、前記ギャップと前記プリズム柱との界面で前記反射/透過面が構成される反射/透過型プリズムである、投写型表示装置。
  4. 請求項2記載の投写型表示装置であって、
    前記各色光用の射出方向規定光学系は、それぞれ、
    所定の偏光方向を有する第1の直線偏光光を透過し、前記所定の偏光方向に垂直な方向を有する第2の直線偏光光を反射することによって前記反射/透過面として機能する偏光分離膜と、
    対応する射出方向制御型光変調装置と前記偏光分離膜との間の光路上に配置されたλ/4位相差板と、を備え、
    前記照明光学系は、非偏光な光を、前記第1または第2の直線偏光光に変換する偏光変換光学系を、備える、投写型表示装置。
  5. 請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の投写型表示装置であって、
    前記各色光用の射出方向制御型光変調装置は、略矩形状の輪郭を有する光照射面を有しており、
    各光照射面は、前記複数の色光の光路で構成される光路平面に対して、各光照射面の辺が傾きを有するように配置されており、
    前記投写型表示装置は、さらに、
    前記照明光学系と、前記色光分離光学系と、前記複数の射出方向制御型光変調装置と、前記複数の射出方向規定光学系と、前記色光合成光学系と、前記投写光学系とを収納する筐体と、
    前記投写型表示装置の使用時において、投写された略矩形状の画像が正立するように前記筐体を傾けて支持するための傾斜支持具を備える、投写型表示装置。
  6. 請求項5記載の投写型表示装置であって、
    前記各色光用の射出方向制御型光変調装置から射出された各色光が、前記投写光学系に至るまでの光路上で反射される回数が奇数または偶数で統一されるように、前記各色光用の射出方向制御型光変調装置と、対応する各色光用の射出方向規定光学系との位置関係が設定されている、投写型表示装置。
  7. 請求項6記載の投写型表示装置であって、
    前記照明光学系は、前記照明光学系から射出された光が、前記各色の射出方向制御型光変調装置の光照射面を少なくとも含み、前記光照射面にほぼ相似な輪郭を有する照明領域を照明するように構成されており、
    前記各色の射出方向制御型光変調装置の光照射面に照射された各色光の、前記照明光学系から前記各色の射出方向制御型光変調装置までの光路上で反射される回数が奇数または偶数で統一されるように、前記色光分離光学系および前記複数の射出方向規定光学系が構成されている、投写型表示装置。
  8. 請求項1ないし請求項7のいずれかに記載の投写型表示装置であって、
    前記色光分離光学系と、前記複数の射出方向制御型光変調装置と、前記複数の射出方向規定光学系と、前記色光合成光学系とは、前記色光分離光学系で分離されて前記色光合成光学系で合成されるまでの各色光の光路長が等しくなるように配置されている、投写型表示装置。
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