JP3769326B2 - アクティブ型除振装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば半導体製造工場やレーザー応用製品製造工場などに設置される各種機器を搭載した機器搭載台に地震や自動車の走行などに起因する振動が伝播されて該機器搭載台が振動することを除去する除振装置で、詳しくは、ピエゾアクチュエータを用いて該ピエゾアクチュエータを、機器搭載台の振動に対して干渉するように外部より駆動制御させることにより搭載機器の励起振動や低周波数領域の振動などを除去可能としているアクティブ型除振装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種のアクティブ型除振装置として、従来、実開平6−58254号公報に開示されたようなものが提案されている。同公報に開示されているアクティブ型除振装置は、ピエゾアクチュエータと、該ピエゾアクチュエータの駆動変位を径の異なる2つのピストン部材と作動流体とを用いて伝達する機構とを備えていることを基本構成とし、上記径の異なる2つのピストン部材のいずれか一方もしくは両方と、これを取り囲み、かつ上記ピストン部材の側面にほぼ平行な側面を持つハウジング部材との間に、ゴム状弾性体を接着し介在させてなるものである。
【0003】
上記構成の従来のアクティブ型除振装置においては、2つのピストン部材とハウジング部材との間に介在させたゴム状弾性体により作動流体の漏出を防ぐようにしてあるので、両ピストン部材とハウジング部材との間の摩擦がなくて両ピストン部材の作動が円滑になり、ピエゾアクチュエータの駆動変位を2つのピストン部材と作動流体とを介して効率よく伝達して所定の除振性能および制振性能を確実に発揮させることを可能としている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記したような構成の従来のアクティブ型除振装置では、2つのピストン部材とハウジング部材との間に介在させたゴム状弾性体が搭載機器荷重を分担して受け持つものであるから、半導体製造工場やレーザー応用製品製造工場などに設置される機器のように搭載機器荷重が大きくて上記ゴム状弾性体が受け持つ分担荷重が大きい場合、小口径ピストン部材とハウジング部材との間に接着して介在させたゴム状弾性体が歪劣化することになり、このようなゴム状弾性体の歪劣化を生じないようにするためには、そのゴム状弾性体のばね定数を大きくしなければならなくなり、その結果、共振周波数が高くなって低周波域の除振性能が悪くなるという問題がある。また、ピエゾアクチュエータへの予荷重(圧縮力)が大きくなるので、このピエゾアクチュエータの駆動効率が悪化するという問題もあった。
【0005】
本発明は上記のような実情に鑑みてなされたもので、搭載機器荷重が大きい場合でも共振周波数を低く設定することが可能であるとともに、ピエゾアクチュエータへの予荷重をその駆動効率の良い値に容易に調整することも可能にして、低周波域を含めて広い範囲の振動に対して所定の除振性能および制振性能を確実かつ安定よく発揮させることができるアクティブ型除振装置を提供することを主たる目的としている。
【0006】
本発明の他の目的は、上記のような優れた除振性能および制振性能を確保しつつ、装置全体のコンパクト化および座屈強度の増大化を図ることができるようにすることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記主たる目的を達成するために、請求項1に記載の発明に係るアクティブ型除振装置は、機器搭載台を弾性支持する空気ばねと、上記機器搭載台に当接し支持するピストン状部材と、外部より駆動制御可能なピエゾアクチュエータと、このピエゾアクチュエータの駆動方向の少なくとも一端側に装着されたピストン部材を介して該ピエゾアクチュエータの変位を上記ピストン状部材に伝達する作動流体と、この作動流体を密封状態に封入して上記ピストン状部材と上記ピエゾアクチュエータとを接続する流体通路とを備え、上記ピストン状部材による機器搭載台の支持位置が、上記空気ばねによる機器搭載台の弾性支持領域の中央部に配置されており、上記ピエゾアクチュエータが、その収納ケース内に該ピエゾアクチュエータの駆動方向を上記空気ばねによる機器搭載台の弾性主軸方向に対して直交するように配置されているとともに、上記空気ばねの上記機器搭載台支持側とは反対側が上記収納ケースに固定支持されていることを特徴とするものである。
【0008】
上記のような構成の請求項1に記載の発明によれば、空気ばねとピエゾアクチュエータの駆動変位が作動流体を介して伝達されるピストン状部材とにより機器搭載台を並列的に支持させて、搭載機器荷重を両者に分担して受け持たせることによって、搭載機器荷重が大きい場合でも、ばね定数を下げて共振周波数を低く設定することが可能となり、低周波域を含めて広い周波数範囲および荷重範囲の振動に対して所定の除振性能および制振性能を発揮させることができる。また、上記空気ばねとピストン状部材とによる分担荷重比率を任意に調整することが可能であるから、空気ばねとピストン状部材とにより機器搭載台を直列的に支持させる場合に比べて、ピストン状部材に駆動変位を伝達するピエゾアクチュエータへの予荷重を該ピエゾアクチュエータの駆動効率の良い値に調整することが容易となり、所定の除振性能および制振性能を適正かつ安定よく発揮させることができる。
【0009】
上記請求項1に記載の発明に係るアクティブ型除振装置において、上記ピストン状部材による機器搭載台の支持位置と上記空気ばねによる機器搭載台の弾性支持位置との関係は、上記ピストン状部材による機器搭載台の支持位置が上記空気ばねによる機器搭載台の弾性支持領域の中央部に配置される。これによって、装置全体をコンパクトに纏めることが可能であるとともに、単一の装置として取扱えて組込作業等も容易に行える。
【0010】
また、上記ピエゾアクチュエータを、その収納ケース内に該ピエゾアクチュエータの駆動方向が上記空気ばねによる機器搭載台の弾性主軸方向に対して直交するように配置するとともに、上記空気ばねの上記機器搭載台支持側とは反対側を上記収納ケースに固定支持する構成を採用する。これによって、装置全体の座屈強度も高めて、一層大きい搭載機器荷重に対応させることができる。
【0011】
また、上記のようなアクティブ型除振装置におけるピエゾアクチュエータの数およびピストン部材の数は1つまたは複数個のいずれでもよいが、特に請求項2に記載のように、複数個のピエゾアクチュエータを使用することによって、搭載機器荷重が大きい場合でも、一つのピエゾアクチュエータ一つにかかる予荷重を小さくすることが可能で、ピエゾアクチュエータの駆動効率を一層向上することができる。また、複数個のピエゾアクチュエータを使用する場合のそれらの配置手段としては、各ピエゾアクチュエータの駆動方向が互いに平行となるように並列に配置する、もしくは放射状に配置することが考えられ、それら配置手段は搭載機器の形態や荷重分布などに応じて適宜に選択される。
【0012】
さらに、上記アクティブ型除振装置において、請求項3に記載のように、ピエゾアクチュエータの収納ケースを密閉状態に構成し、この密閉状収納ケースの内部空間に上記空気ばねの内部空間を連通接続する構成を採用する場合は、収納ケースが空気ばねの補助タンクとして機能して、空気ばねのばね定数を更に低く設定することが可能となり、除振性能および制振性能の一層の向上が図れるとともに適用範囲の拡大が図れ、かつ、ピエゾアクチュエータに対する保冷効果も達成することが可能である。
【0013】
さらにまた、請求項4に記載のように、上記アクティブ型除振装置を構成する空気ばね及びピストン状部材による機器搭載台の支持軸方向に対して直交する方向から機器搭載台に当接し支持する別のピストン状部材を設けるとともに、この別のピストン状部材に、流体通路に密封された作動流体を介して変位を伝達する別のピエゾアクチュエータを上記ピエゾアクチュエータの収納ケース内に一体に組込んだ構成とすることにより、単一の装置を用いて設置所要スペースを可及的に小さくしながら、搭載機器に作用する鉛直方向および水平方向の振動に対して所定の除振性能および制振性能を発揮させることが可能である。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面にもとづいて説明する。
図1は本発明に係るアクティブ型除振装置の第1の実施形態を示す半縦断側面図、図2は同アクティブ型除振装置の半縦断正面図であり、大別して、機器搭載台1の下部に配置されて該機器搭載台1を弾性支持する空気ばね2と、上記機器搭載台1の下面に当接し該機器搭載台1を支持するピストン状部材3と、水平面に沿って一定の間隔を隔ててそれらの駆動方向(矢印x方向)が互いに平行となるように並列に配置されて外部より駆動制御可能とされた複数個(図面上では4個で示すが、2個以上であればよい。)の積層形ピエゾ素子などのピエゾアクチュエータ一4…と、これら並列配置された複数個のピエゾアクチュエータ4…を収納し床面に設置されるアクチュエータ収納ケース8と、上記複数個のピエゾアクチュエータ4…の駆動方向xの一端部にそれぞれ各別に固定されたピストン部材5…と、上記各ピエゾアクチュエータ4…の駆動変位を上記ピストン部材5…を介して上記ピストン状部材3に伝達するエチレングリコール水溶液などの作動流体6と、この作動流体6を密封状態に封入する流体通路7とを備えている。
【0015】
上記アクチュエータ収納ケース8は、全体が平面視ほぼ正方形状の箱形に形成されており、このアクチュエータ収納ケース8はそこに収納されている上記ピエゾアクチュエータ4…の駆動方向xが上記空気ばね2による機器搭載台1の弾性主軸方向(矢印y方向)に対して直交するように配置されているとともに、この収納ケース8の直上部で、上記空気ばね2による機器搭載台1の弾性支持領域の中央部位置に上記ピストン状部材3を筒状ゴムシール10を介して上下に変位可能に嵌合支持する筒型ホルダー11が固定され、また、上記空気ばね2の下端側が上記筒型ホルダー11の外周において上記アクチュエータ収納ケース8の上面に固定支持されており、これによって、上記空気ばね2と上記ピストン状部材3が上記アクチュエータ収納ケース8を介して一体化されている。
【0016】
また、上記アクチュエータ収納ケース8は密閉状態に構成されており、その内部空間8aと上記空気ばね2の内部空間2aとをオリフィス12を介して連通接続することにより、上記密閉状収納ケース8の内部空間8aを空気ばね2の補助タンクとしている。
【0017】
上記各ピストン部材5…の外周面にはそれぞれゴムリング13…が嵌着されており、これら各ピストン部材5…に対応させて上記アクチュエータ収納ケース8の一端側壁部8bに形成された複数の作動流体通路14…が集合された一端から上記ピストン状部材3の直下の他端に至るまでの上記流体通路7が上記アクチュエータ収納ケース8の一端側壁部8bおよび上壁部8cの肉厚内に形成されている。
【0018】
なお、上記空気ばね2は、例えば内外のゴム層間に補強用ビードワイヤーを挟在させてなるプライコードなどの膨張収縮可能な可撓材製袋状体内に加圧空気を封入してなるもので、そのばね定数は、搭載機器の重量や動作条件などに対応して封入空気圧を調整することによって適宜に設定変更可能とされている。
【0019】
上記のような構成のアクティブ型除振装置においては、搭載機器および機器搭載台1の荷重が空気ばね2とピストン状部材3及び作動流体6を介して複数個のピエゾアクチュエータ4…とに分担して受け止められることになるため、上記の搭載機器荷重が大きい場合でもピエゾアクチュエータ4…が分担する荷重割合は小さくて該ピエゾアクチュエータ4…の駆動範囲の制限や制御力の干渉という不都合を解消することが可能であるとともに、ばね定数を下げて共振周波数を低く設定することが可能で、低周波域を含めて広い周波数範囲の振動に対して所定の除振性能および制振性能を発揮させることが可能である。また、上記空気ばね2とピストン状部材3とによる分担荷重比率を任意に調整することが可能であるため、空気ばね2とピストン状部材3とにより機器搭載台1を直列的に支持させる場合に比べて、ピストン状部材3に駆動変位を伝達するピエゾアクチュエータ4…への予荷重を、該ピエゾアクチュエータ4…の駆動効率を悪化させない値に調整しやすくなり、所定の除振性能および制振性能を適正かつ安定よく発揮させることができる。
【0020】
また、上記ピストン状部材3による機器搭載台1の支持位置を上記空気ばね2による機器搭載台1の弾性支持領域の中央部に配置したことにより、装置全体をコンパクトに纏めることが可能であるとともに、単一の装置として取扱えて組込作業等も容易であり、さらに、アクチュエータ収納ケース8をそこに収納されたピエゾアクチュエータ4…の駆動方向xが上記空気ばね2による機器搭載台1の弾性主軸方向yに対して直交するように配置して、上記空気ばね2と上記ピストン状部材3とが上記アクチュエータ収納ケース8を介して一体化されているので、当該除振装置全体の座屈強度が高まり、一層大きい搭載機器荷重に対応させることが可能であり、さらにまた、アクチュエータ収納ケース8が密閉状態に構成され、この密閉状アクチュエータ収納ケース8の内部空間8aに空気ばね2の内部空間2aが連通接続されているので、アクチュエータ収納ケース8が空気ばね2の補助タンクとして機能して空気ばね2のばね定数を更に低く設定することが可能となり、除振性能および制振性能の一層の向上が図れるとともに、適用範囲の拡大が図れ、かつ、ピエゾアクチュエータ4…に対する保冷効果も達成することが可能である。
【0021】
図3は本発明に係るアクティブ型除振装置の参考例を示す半縦断側面図であり、上記空気ばね2とピエゾアクチュエータ収納ケース8とを水平横方向に並設させて、空気ばね2による機器搭載台1の弾性支持位置と上記ピストン状部材3及びピエゾアクチュエータ4…による機器搭載台1の支持位置とを空間的に離れた位置に設定したものであり、その他の構成は、図1及び図2に示す第1の実施形態と同一であるため、該当部分に同一の符号を付して、それらの詳しい説明は省略している。なお、この参考例では、ピエゾアクチュエータ収納ケース8の内部空間と空気ばね2の内部空間とを連通接続するためのオリフィスは設けていないが、オリフィスに代えて外部配管を用いて両空間を連通接続させてもよい。
【0022】
図3で示す参考例によるアクティブ型除振装置の場合も、上記第1の実施形態の場合と同様に、搭載機器および機器搭載台1の荷重を空気ばね2とピストン状部材3及び作動流体6を介して複数個のピエゾアクチュエータ4…とに分担して受け止めさせることが可能で、第1の実施形態と同等な除振性能および制振性能を発揮させることができる。
【0023】
図4は本発明に係るアクティブ型除振装置の第2の実施形態を示す半縦断正面図であり、上記第1の実施形態で詳述したような構成のアクティブ型除振装置におけるピエゾアクチュエータ収納ケース8の内部の上下中間位置に仕切壁15を設けて、この仕切壁15の上部空間に上記複数個のピエゾアクチュエータ4…を収納し、かつ、上記仕切壁15の下部空間に別の複数個のピエゾアクチュエータ4A…を収納するとともに、上記ピエゾアクチュエータ収納ケース8の一側壁部8dに筒状ゴムシール10A及び筒型ホルダー11Aを介して上記空気ばね2及びピストン状部材3による機器搭載台1の支持軸方向(矢印y方向)に対して直交する方向から機器搭載台1の側面に当接し該機器搭載台1を支持する別のピストン状部材9が設けられており、上記別の複数個のピエゾアクチュエータ4A…の駆動変位を各ピエゾアクチュエータ4A…の駆動方向の一端部にそれぞれ各別に固定されたピストン部材5A…を介して上記別のピストン状部材9に伝達するエチレングリコール水溶液などの作動流体6Aを密封状態に封入する流体通路7Aを上記ピエゾアクチュエータ収納ケース8の一端側壁部8b及びこれに直交する上記側壁部8dの肉厚内に形成したものである。なお、上記別のピストン部材5A…の外周面にもそれぞれゴムリング13A…が嵌着されている。
【0024】
図4で示す第2の実施形態によるアクティブ型除振装置の場合も、上記第1の実施形態及び参考例の場合と同様に、搭載機器および機器搭載台1の鉛直方向の荷重を空気ばね2とピストン状部材3及び作動流体6を介して複数個のピエゾアクチュエータ4…とに分担して受け止めさせることが可能であるとともに、機器搭載台1に作用する水平方向の振動に対しても、上記別のピストン状部材9、作動流体6A及び別のピエゾアクチュエータ4A…により制御することが可能で、単一の装置を用いて設置所要スペースを可及的に小さくしながら、搭載機器に作用する鉛直方向および水平方向の振動に対して所定の除振性能および制振性能を発揮させることが可能である。
【0025】
なお、上記の各実施形態では、上記ピエゾアクチュエータ4,4Aを複数個用いたもので説明したが、単一のピエゾアクチュエータ4,4Aのみを用いてもよい。また、上記各実施形態では、ピエゾアクチュエータ4,4Aの一つに対して一つのピストン部材5,5Aを装着したもので説明したが、複数個のピエゾアクチュエータ4…,4A…に対して一つのピストン部材5,5Aを共用させるように構成してもよい。
【0026】
さらに、図示は省略するが、上記複数個のピエゾアクチュエータ4…,4A…を同一平面上に放射状に配置してアクチュエータ収納ケース8内に収納させてもよく、さらにまた、アクチュエータ収納ケース8は、箱形のものに限らず、円柱形や星形等であってもよい。
【0027】
【発明の効果】
以上のように、請求項1に記載の発明によれば、空気ばねとピエゾアクチュエータの駆動変位を作動流体を介して伝達するピストン状部材とにより機器搭載台を並列的に支持させて、搭載機器荷重を両者に分担して受け持たせるようにしたので、搭載機器荷重が大きい場合でも、ピエゾアクチュエータの分担荷重を小さくして該ピエゾアクチュエータの駆動範囲の制限や制御力の干渉という不都合を解消することが可能であるとともに、ばね定数を下げて共振周波数を低く設定することが可能であるため、低周波域を含めて広い周波数範囲および荷重範囲の振動に対して所定の除振性能および制振性能を確実に発揮させることができる。しかも、上記空気ばねとピストン状部材とによる分担荷重比率を任意に調整することが可能であるから、空気ばねとピストン状部材とにより機器搭載台を直列的に支持させる場合に比べて、ピストン状部材に駆動変位を伝達するピエゾアクチュエータへの予荷重を該ピエゾアクチュエータの駆動効率の良い値に容易に調整することが可能となり、所定の除振性能および制振性能を適正かつ安定よく発揮させることができるという効果を奏する。
【0028】
また、請求項1に記載の発明によれば、上記の効果に加えて、装置全体をコンパクトに纏めることができるとともに、単一の装置として取扱えて組込作業等も容易に行える。
【0029】
また、上記請求項1に記載の発明によれば、装置全体の座屈強度も高めて、一層大きい搭載機器荷重に対応させることができ、適用性の著しい拡充を達成することができる。
【0030】
また、請求項2に記載の発明によれば、複数個のピエゾアクチュエータの使用によって、搭載機器荷重が大きい場合でも、ピエゾアクチュエータ一つにかかる予荷重を小さくすることが可能で、ピエゾアクチュエータの駆動効率を一層向上することができる。
【0031】
さらに、請求項3に記載した発明のように、ピエゾアクチュエータの収納ケースを密閉状態に構成し、この密閉状収納ケースの内部空間に空気ばねの内部空間を連通接続する構成を採用する場合は、空気ばねのばね定数を更に低く設定して除振性能および制振性能の一層の向上を図ることができるとともに、ケース内に収納されたピエゾアクチュエータに対する保冷効果も達成することができる。
【0032】
さらにまた、請求項4に記載した発明によれば、単一の装置を用いて設置所要スペースを可及的に小さくしながら、搭載機器に作用する鉛直方向および水平方向の振動に対して所定の除振性能および制振性能を発揮させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るアクティブ型除振装置の第1の実施形態を示す半縦断側面図である。
【図2】 同上アクティブ型除振装置の半縦断正面図である。
【図3】 本発明に係るアクティブ型除振装置の参考例を示す半縦断側面図である。
【図4】 本発明に係るアクティブ型除振装置の第2の実施形態を示す半縦断正面図である。
【符号の説明】
1 機器搭載台
2 空気ばね
2a 空気ばねの内部空間
3 ピストン状部材
4,4A ピエゾアクチュエータ
5,9 ピストン部材
6,6A 作動流体
7,7A 流体通路
8 アクチュエータ収納ケース
8a アクチュエータ収納ケースの内部空間
Claims (4)
- 機器搭載台を弾性支持する空気ばねと、
上記機器搭載台に当接し支持するピストン状部材と、
外部より駆動制御可能なピエゾアクチュエータと、
このピエゾアクチュエータの駆動方向の少なくとも一端側に装着されたピストン部材を介して該ピエゾアクチュエータの変位を上記ピストン状部材に伝達する作動流体と、
この作動流体を密封状態に封入して上記ピストン状部材と上記ピエゾアクチュエータとを接続する流体通路とを備え、
上記ピストン状部材による機器搭載台の支持位置が、上記空気ばねによる機器搭載台の弾性支持領域の中央部に配置されており、
上記ピエゾアクチュエータが、その収納ケース内に該ピエゾアクチュエータの駆動方向を上記空気ばねによる機器搭載台の弾性主軸方向に対して直交するように配置されているとともに、上記空気ばねの上記機器搭載台支持側とは反対側が上記収納ケースに固定支持されていることを特徴とするアクティブ型除振装置。 - 上記ピエゾアクチュエータは複数個で、それらの駆動方向が互いに平行となるように並列に、もしくは放射状に配置されていることを特徴とする請求項1に記載のアクティブ型除振装置。
- 上記ピエゾアクチュエータの収納ケースが密閉状態に構成されており、この密閉状収納ケースの内部空間に上記空気ばねの内部空間が連通接続されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のアクティブ型除振装置。
- 上記空気ばね及びピストン状部材による機器搭載台の支持軸方向に対して直交する方向から機器搭載台に当接し支持する別のピストン状部材が設けられているとともに、この別のピストン状部材に、流体通路に密封された作動流体を介して変位を伝達する別のピエゾアクチュエータを上記ピエゾアクチュエータの収納ケース内に一体に組込んでいることを特徴とする請求項1又は2に記載のアクティブ型除振装置。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18489796A JP3769326B2 (ja) | 1996-07-15 | 1996-07-15 | アクティブ型除振装置 |
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