JP3769093B2 - 排水の高度処理装置および高度処理方法 - Google Patents

排水の高度処理装置および高度処理方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、排水の高度処理装置および高度処理方法に関するものであり、さらに詳しくは本発明は、通常の排水のオゾン処理の際に少量の過酸化水素を添加して処理する過酸化水素−オゾン併用排水処理方法において、TOC除去効率を低下させずに効率的且つ経済的に排水を処理する装置ならびにこれを用いた処理方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
過酸化水素−オゾン併用の排水処理方法は、添加した過酸化水素とオゾンとを反応させて、過酸化水素やオゾンよりも酸化分解力が非常に強いヒドロキシラジカル(OHラジカル)を効率的に生成させて、これを使ってオゾンのみでは分解できない難分解性物質をも除去する方法である。
【0003】
従来のこの種の処理装置の一例を図16に示す。図16において、1はオゾン反応器、2はオゾン発生装置、3は被処理水供給ポンプ、4は過酸化水素添加ポンプ、5はオゾン反応器1内にとりつけられた散気装置、6は排オゾン分解装置、7は過酸化水素貯留タンクであり、a〜eは配管である。
【0004】
次に動作について説明する。
汚濁有機物を含む被処理水は、被処理水供給ポンプ3により、ポンプ配管aを介してオゾン反応器1に供給される。また、過酸化水素は過酸化水素貯留タンク7から過酸化水素添加ポンプ4により、配管bを介してオゾン反応器1に供給され、被処理水に添加される。さらに、オゾン発生装置2では、空気または酸素、あるいは酸素富化ガスを原料としてオゾン化ガスを生成し、配管dを介して散気装置5に供給する。散気装置5では、オゾン化ガスを微細気泡としてオゾン反応器1に供給することにより被処理水中にオゾンを溶解させる。オゾン反応器1では溶解したオゾンと添加された過酸化水素とが反応してOHラジカルが生成し、これが被処理水中に含有する汚濁有機物を分解除去して、水を高度処理する。
オゾン反応器1内の被処理水に溶解しきれなかったオゾンは、排オゾンとして、配管eを介してオゾン分解触媒が充填されている排オゾン処理装置6に導かれ、酸素に無害分解化され、大気へ放出される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従来の過酸化水素添加オゾン処理装置は以上のような構成であったので、例えば図17に有機物濃度の1指標である全有機炭素濃度(TOC濃度、Total Organic Carbon)とオゾン消費量との関係の一例を示すように、単位有機性炭素量を分解除去するのに必要なオゾン量(ΔO3/ΔTOC)は178(g−O3/g−TOC)程度と多量のオゾンが必要であり、処理条件の最適化はされておらず、汚濁有機物の分解除去効率が悪くて経済的でなく実用性に乏しいという問題があった。また、接触段数を複数にして多段接触させる場合も処理条件の最適化はされておらず、経済的でなく実用性に乏しかった。
なお図17は図16と同型式の容積4L、水深1.4mの反応装置を用いて、TOC濃度7mg/Lの下水処理水の凝集ろ過水を被処理水として発生オゾン濃度20g/Nm3、供給オゾン化ガス流量1L/分、滞留時間5〜20分、過酸化水素添加濃度5〜20mg/Lの条件で得られた実験結果である。
【0006】
本発明は上記のような問題点を解消するためになされたもので、単位有機性炭素量を分解除去するために必要なオゾン量(ΔO3/ΔTOC)を低減し、汚濁有機物の分解除去効率が良好で、経済的で実用的な過酸化水素−オゾン併用タイプの排水の高度処理装置およびこれを用いた排水の高度処理方法を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上述の課題を解決すべく鋭意研究を行った結果、本発明を完成することができた。
すなわち本発明は、被処理水に過酸化水素とオゾンとを添加、混合して被処理水中の有機物を分解除去する装置において、該装置は、被処理水の配管と、前記配管に過酸化水素を注入する手段と、過酸化水素が添加された被処理水の前記配管にオゾン化ガスを少なくとも二箇所以上で分割注入するための手段と、前記配管の後に未溶解のオゾン化ガスと処理水とを分離して、未溶解のオゾン化ガスを無害分解化して放出する手段と、を備えたことを特徴とする排水の高度処理装置を提供するものである。
【0008】
また本発明は、被処理水の配管の断面が円形である前記の排水の高度処理装置を提供するものである。
【0009】
さらに本発明は、オゾン化ガスの導入箇所が少なくとも4箇所以上である前記の排水の高度処理装置を提供するものである。
【0010】
さらにまた本発明は、被処理水に過酸化水素とオゾンとを添加、混合して被処理水中の有機物を分解除去する方法において、配管に被処理水を通水し、前記配管を流れる被処理水に過酸化水素を注入し、続いて過酸化水素を含み且つ前記配管を流れる被処理水に、少なくとも二箇所以上でオゾン化ガスを分割注入し、前記配管後に未溶解のオゾン化ガスと処理水とを分離して、未溶解のオゾン化ガスを無害分解化して放出することを特徴とする排水の高度処理方法を提供するものである。
【0011】
また本発明は、被処理水が加圧され、配管内で被処理水中の有機物の分解が進む前記の排水の高度処理方法を提供するものである。
【0012】
さらに本発明は、オゾン化ガスが、あらかじめ定められた量で配分されて分割注入される前記の排水の高度処理方法を提供するものである。
【0013】
さらにまた本発明は、オゾン化ガスが、均等配分された注入量で分割注入される前記の排水の高度処理方法を提供するものである。
【0014】
また本発明は、被処理水にオゾン化ガスが分割注入されるよりも前に、被処理水に対して予定されている過酸化水素注入量の全量を注入する前記の排水の高度処理方法を提供するものである。
【0015】
さらに本発明は、過酸化水素を含む被処理水とオゾン化ガスとの反応時間が少なくとも8秒以上に設定される前記の排水の高度処理方法を提供するものである。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明者らは、TOCの除去効率が、オゾンの溶解効率に密接な関連があることを見いだした。本発明によれば、あらかじめ所定量の過酸化水素を添加した被処理水の配管に、あらかじめ定めた間隔で少なくとも二箇所以上でオゾン化ガスを導入することにより、配管内の圧力損失を小さくすることができる。その結果、単位有機性炭素量を分解除去するために必要なオゾン量(ΔO3/ΔTOC)が低減され、且つ汚濁有機物の分解除去効率が良好となる。さらに装置全体も小型化され実用上有利である。
【0017】
本発明者らは、動力学モデルに基づく計算機シミュレーションを繰り返し、単位有機性炭素量を分解除去するために必要なオゾン量(ΔO3/ΔTOC)を低減し、汚濁有機物の分解除去効率が良好となる過酸化水素とオゾンとを併用した排水の高度処理方法について研究してきた。その結果、いくつかの重要な現象を発見し、本発明に想到した。
【0018】
図1に本発明の装置の一実施態様を示す。また表1にシミュレーション条件を示す。モデルは反応器にはオゾン化ガス注入口が4点あり、オゾン化ガス注入後の被処理水の流れは完全混合とした。被処理水のTOCは5.7mgC/L、オゾン化ガス総流量は4.8L/分とする。動力学モデルは文献“Reactions of Hydroxyl Radicals with Hydrogen Peroxide at Ambient and Elevated Temparatures”(J.Phys.Chem.,86,55-68,1982)に記載のモデルを簡略化したものを用いた。図2に簡略化したモデルの反応スキームおよび反応式を示す。
【0019】
【表1】
Figure 0003769093
【0020】
次に図1の装置の動作について説明する。
汚濁有機物を含む被処理水は、被処理水供給ポンプ3により、ポンプ配管aを介して被処理水の流路からなるオゾン反応器1に供給される。流路は、その断面が円形であれば、オゾンの反応効率が高まり、被処理水中の有機物の分解が進むために望ましい。また、過酸化水素の導入手段は、過酸化水素添加ポンプ4であり、過酸化水素貯留タンク7から過酸化水素が配管bを介してオゾン反応器1に導入され、被処理水に添加される。さらに、オゾン発生装置2は空気または酸素、あるいは酸素富化ガスを原料としてオゾン化ガスを生成し、生成されたオゾン化ガスは配管dを介し分岐され、オゾン化ガス流量計9により所定量の流量となるように調節されてオゾン化ガス注入口5に供給される。例えば2点注入の場合は、最上流側の流量計および上流から3個目の流量計を所定量に合わせ、その他の流量計は閉じる。4点注入の場合は全流量計を所定量に合わせる。オゾン化ガス注入口5では、オゾン化ガスを被処理水に加えられた圧力を利用して微細気泡としてオゾン反応器1に供給することにより、被処理水中にオゾンを溶解させるのが好ましい。また、オゾン化ガス注入口5は、汚濁有機物が十分に分解されるに十分な被処理水−オゾン化ガスの接触がなされるような間隔でもって設けられるのがよい。オゾン反応器1では溶解したオゾンと添加された過酸化水素とが反応してOHラジカルが生成し、これが被処理水中に含有する汚濁有機物を分解除去して、水を高度処理する。
オゾン反応器1内の被処理水に溶解しきれなかったオゾンは、気液分離槽8で排オゾンとして、配管eを介してオゾン分解触媒が充填されている排オゾン処理装置6に導かれ、酸素に無害分解化され、大気へ放出される。
【0021】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しながらさらに説明する。
実施の形態1.
図3は、過酸化水素注入率40mg/L、注入オゾン濃度120mg/Lとしたときの1点注入、2点注入のときの処理水のTOCの変化である。1点注入の場合は滞留時間が0秒の時に、2点注入の場合は滞留時間が0秒と16秒の時にオゾン化ガスを注入しており、注入したときにTOCが大きく減少している。これよりオゾン化ガスの注入点数を2点に増やすことでTOCの値が小さくなり、処理水質が改善される。
また1点注入、2点注入のどちらの場合でもオゾン化ガス注入後約8秒でほぼ定常状態になっており、少なくとも8秒以上の反応時間で処理が完全に完了するといえる。
【0022】
図4は、図3と同条件での単位有機性炭素量を分解除去するために必要なオゾン量(ΔO3/ΔTOC)の結果である。1点注入の場合は、ΔO3/ΔTOCが34.4、2点注入の場合は27.6と改善されている。従って図3および図4よりオゾン化ガスの注入点数を2点に増やすことでTOC値および単位有機性炭素量を分解除去するために必要なオゾン量(ΔO3/ΔTOC)が小さくなり、処理水質および処理効率が改善される。これはオゾンの供給を2度に分けたことにより水中に溶解するオゾンの急激な上昇を抑えることによってOHラジカルの無効消費が抑えられたためであるといえる。
【0023】
図5は、それぞれ注入オゾン濃度60mg/L、オゾン注入点数4点、注入オゾン化ガスの流量は一段目の注入口で1.92L/分、以下流れ方向に順に1.44L/分、0.96L/分、0.48L/分とする傾斜配分および各段の注入オゾン化ガス流量を1.2L/分ずつとする均等配分して注入したときの過酸化水素注入率を10、22、40mg/Lと変化させたときの処理水のTOCの変化である。均等配分と傾斜配分のそれぞれの過酸化水素の注入率について比較すると、若干ではあるが均等配分のほうがTOC濃度が低い結果となっている。
【0024】
図6は、それぞれ注入オゾン濃度60mg/L、オゾン注入点数4点、注入オゾン化ガスの流量は一段目の注入口で1.92L/分、以下流れ方向に順に1.44L/分、0.96L/分、0.48L/分とする傾斜配分および各段の注入オゾン化ガス流量を1.2L/分ずつとする均等配分して注入したときの過酸化水素注入率を10、22、40mg/Lと変化させたときの単位有機性炭素量を分解除去するために必要なオゾン量(トO3/トTOC)の変化である。均等配分と傾斜配分のそれぞれの過酸化水素の注入率について比較すると、図5同様若干ではあるが均等配分のほうが単位有機性炭素量を分解除去するために必要なオゾン量(ΔO3/トTOC)が低い結果となっている。以上図5および図6より注入オゾン化ガス流量を均等配分したほうが傾斜配分した場合よりも処理水のTOCも低く、単位有機性炭素量を分解除去するために必要なオゾン量(トO3/トTOC)も小さく、処理水質がよくかつ効率よく処理できる。
【0025】
図7は、それぞれ注入オゾン濃度120mg/L、オゾン注入点数4点、注入オゾンの導入量は均等に分配すなわち1.2L/分ずつ注入して、過酸化水素注入率40.0mg/L、過酸化水素の全量をあらかじめ被処理水に添加した最初注入の場合およびオゾンの注入を各段の注入口で行う分割注入の場合の処理水のTOCの変化である。あらかじめ全量の過酸化水素を注入したほうが処理水のTOCが低くなっており、処理水質がよくなっている。
【0026】
図8は、それぞれ注入オゾン濃度120mg/L、オゾン注入点数4点、注入オゾンの導入量は均等に分配すなわち1.2L/分ずつ注入して、過酸化水素注入率40.0mg/L、過酸化水素の全量をあらかじめ被処理水に添加した最初注入の場合およびオゾンの注入を各段の注入口で行う分割注入の場合の被処理水の単位有機性炭素量を分解除去するために必要なオゾン量(トO3/トTOC)の変化である。図7同様あらかじめ全量の過酸化水素を注入したほうが被処理水の単位有機性炭素量を分解除去するために必要なオゾン量(トO3/トTOC)が低くなり、効率よく処理ができる。
【0027】
図9は、それぞれ注入オゾン濃度120mg/L、オゾン注入点数4点、注入オゾン化ガスの導入量は均等配分すなわち1.2L/分ずつ注入して、過酸化水素注入率40.0mg/L、過酸化水素の全量をあらかじめ被処理水に添加した最初注入の場合およびオゾンの注入を各段の注入口で行う分割注入の場合の処理水の過酸化水素の変化である。これより消費された過酸化水素量は最初注入のほうが多く、効率的に過酸化水素が消費されている。以上図7、図8、図9よりあらかじめ全量の過酸化水素を注入したほうが処理水のTOCおよび単位有機性炭素量を分解除去するために必要なオゾン量(ΔO3/トTOC)が低くなって効率よく処理ができ、過酸化水素も効率よく利用される。
【0028】
図10および図11は、注入オゾン濃度60mg/L、オゾン注入点数4点、注入オゾン化ガスの流量は均等配分、過酸化水素はあらかじめ全量を注入した場合のオゾン化ガス注入点数とTOCおよび単位有機性炭素量を分解除去するために必要なオゾン量(ΔO3/ΔTOC)との関係である。TOCおよび単位有機性炭素量を分解除去するために必要なオゾン量(ΔO3/ΔTOC)は、注入点数が増加すると減少していく傾向が見られるが、注入点数が4点以降は減少の度合いがすなわち曲線の傾きの絶対値が小さくなる。
【0029】
以上の結果より発明者らは次のような考察を導いた。すなわち、(1)被処理水の流路にオゾン化ガス注入口を設けることにより、汚濁有機物の分解除去効率が良好となり、過酸化水素とオゾンとを併用した排水の高度処理方法では反応が非常に早く完了し、装置をコンパクトにすることができる。(2)配管上のオゾン化ガス注入口の数が処理水質および処理効率に関係があり、オゾン化ガスの導入量は均等に配分したほうが処理水質および処理効率がよい。(3)過酸化水素の注入点は、あらかじめ予定されている過酸化水素投入量の全量を最初に注入したほうが処理水質および処理効率がよく、実装置を考えた場合に分岐点や流量計等を設置することを考えると分注するよりも有利である。(4)オゾン化ガスの注入点数が4点以上となると、処理水のTOCおよび単位有機性炭素量を分解除去するために必要なオゾン量(ΔO3/ΔTOC)は変化が小さくなる。
【0030】
実施の形態2.
次にオゾンの注入点数をパラメータとしたときの結果について示す。
図12および図13は、過酸化水素を注入率40.0mg/Lであらかじめ被処理水に注入し、オゾンの導入量を均等に配分したときの被処理水のTOCおよび単位有機性炭素量を分解除去するために必要なオゾン量(ΔO3/ΔTOC)を示すものである。横軸は注入オゾン濃度である。これより注入オゾン濃度が大きいほど処理水のTOCは低くなるが、単位有機性炭素量を分解除去するために必要なオゾン量(ΔO3/ΔTOC)は大きくなることが分かる。オゾン化ガスの注入点数を増やすことで処理水のTOCも低く、単位有機性炭素量を分解除去するために必要なオゾン量(ΔO3/ΔTOC)も小さくできる。
【0031】
図14および図15は、それぞれオゾン導入量を注入オゾン濃度60.0mg/Lで均等に配分して注入したときの処理水のTOC、および、単位有機性炭素量を分解除去するために必要なオゾン量(ΔO3/ΔTOC)を示すものである。最適過酸化水素注入率が存在することが分かり、今回のシミュレーション条件では約40mg/Lである。これ以上過酸化水素注入率を増加しても処理水のTOCも、単位有機性炭素量を分解除去するために必要なオゾン量(ΔO3/ΔTOC)も変化はない。
これらの結果より発明者らは次のような考察を導いた。すなわち、(1)被処理水の水質を向上するには、注入オゾン濃度を大きくすればよいが、単位有機性炭素量を分解除去するために必要なオゾン量(ΔO3/ΔTOC)は大きくなるため、注入オゾン濃度と単位有機性炭素量を分解除去するために必要なオゾン量(ΔO3/ΔTOC)が操作条件として重要である。(2)過酸化水素注入率には最適値が存在する。
【0032】
【発明の効果】
以上のように請求項1の発明によれば、被処理水に過酸化水素とオゾンとを添加、混合して被処理水中の有機物を分解除去する装置において、該装置は、被処理水の配管と、前記配管に過酸化水素を注入する手段と、過酸化水素が添加された被処理水の前記配管にオゾン化ガスを少なくとも二箇所以上で分割注入するための手段と、前記配管の後に未溶解のオゾン化ガスと処理水とを分離して、未溶解のオゾン化ガスを無害分解化して放出する手段と、を備えているため、流路内の圧力損失を小さくすることができる。そのため、単位有機性炭素量を分解除去するために必要なオゾン量(ΔO3/ΔTOC)を低減し、汚濁有機物の分解除去効率が良好で、経済的で実用的な過酸化水素−オゾン化ガス併用による排水の処理方法による水の高度処理を実現できる。また、装置自体もコンパクトにすることができ実用上有利である。
【0033】
また、請求項2の発明によれば、被処理水の配管の断面が円形であるため、オゾンの溶解効率が高まるために有利である。
【0034】
また、請求項3の発明によれば、オゾン化ガスの導入箇所を少なくとも4点以上とすることで必要なオゾン量(ΔO3/ΔTOC)を増加させずに効率よく処理できる。
【0035】
また、請求項4の発明によれば、被処理水に過酸化水素とオゾンとを添加、混合して被処理水中の有機物を分解除去する方法において、配管に被処理水を通水し、前記配管を流れる被処理水に過酸化水素を注入し、続いて過酸化水素を含み且つ前記配管を流れる被処理水に、少なくとも二箇所以上でオゾン化ガスを分割注入し、前記配管後に未溶解のオゾン化ガスと処理水とを分離して、未溶解のオゾン化ガスを無害分解化して放出するため、単位有機性炭素量を分解除去するために必要なオゾン量(ΔO3/ΔTOC)を低減し、汚濁有機物の分解除去効率が良好で、経済的で実用的な過酸化水素−オゾン併用タイプの排水の高度処理方法を提供することができる。
【0036】
また、請求項5の発明によれば、被処理水が加圧されて配管を流れるために、単位有機性炭素量を分解除去するために必要なオゾン量(ΔO3/トTOC)を低減し、汚濁有機物の分解除去効率が良好で、経済的で実用的な過酸化水素併用オゾン処理方法による水の高度処理を実現できる。
【0037】
また、請求項6の発明によれば、オゾン化ガスをあらかじめ定めた割合で分配して分割注入されることにより、単位有機性炭素量を分解除去するために必要なオゾン量(ΔO/ΔTOC)を低減し、汚濁有機物の分解除去効率が良好で、経済的で実用的な過酸化水素併用オゾン処理方法による水の高度処理を実現できる。
【0038】
また、請求項7の発明によれば、オゾン化ガスを均等配分された注入量で分割注入するので単位有機性炭素量を分解除去するために必要なオゾン量(ΔO/ΔTOC)を増加させずに、一層効率よく処理できる。
【0039】
また、請求項8の発明によれば、予め被処理水に対して予定されている過酸化水素注入量の全量を注入することにより、必要なオゾン量(ΔO/ΔTOC)を増加させずに一層効率よく処理できる。
【0040】
また、請求項9の発明によれば、過酸化水素を含む被処理水とオゾン化ガスとの反応時間が少なくとも8秒以上に設定されるため、必要なオゾン量(ΔO3/ΔTOC)を増加させずに一層効率よく処理できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の装置の一実施態様を説明するための図である。
【図2】 この発明のシミュレーションに用いた反応のモデルと反応式である。
【図3】 過酸化水素注入率40mg/L、注入オゾン濃度を120mg/L、1点注入、2点注入のときの処理水のTOCの変化を示す図である。
【図4】 過酸化水素注入率40mg/L、注入オゾン濃度120mg/Lで注入したときの1点注入および2点注入の単位有機性炭素量を分解除去するために必要なオゾン量(ΔO3/ΔTOC)を示す図である。
【図5】 過酸化水素注入率を10、22、40mg/L、注入オゾン濃度60mg/Lでオゾン注入点数が4点の場合の注入ガス流量が均等分配と傾斜分配のときのTOCを示す処理特性図である。
【図6】 過酸化水素注入率を10、22、40mg/L、注入オゾン濃度60mg/Lでオゾン注入点数が4点の場合の注入ガス流量が均等分配と傾斜分配のときの単位有機性炭素量を分解除去するために必要なオゾン量(ΔO3/ΔTOC)を示す処理特性図である。
【図7】 過酸化水素の注入方法が最初注入および分割注入の場合のオゾン注入点数4点、オゾン化ガス均等分配におけるTOCの変化を示す処理特性図である。
【図8】 過酸化水素の注入方法が最初注入および分割注入の場合のオゾン注入点数4点、オゾン化ガス均等分配における単位有機性炭素量を分解除去するために必要なオゾン量(ΔO3/ΔTOC)の変化を示す処理特性図である。
【図9】 過酸化水素の注入方法が最初注入および分割注入の場合のオゾン注入点数4点、オゾン化ガス均等分配における過酸化水素の変化を示す処理特性図である。
【図10】 過酸化水素注入率40mg/L、注入オゾン濃度120mg/Lで注入したときの注入点数に対するTOCの変化を示す処理特性図である。
【図11】 過酸化水素注入率40mg/L、注入オゾン濃度120mg/Lで注入したときの注入点数に対する単位有機性炭素量を分解除去するために必要なオゾン量(ΔO3/ΔTOC)の変化を示す処理特性図である。
【図12】 過酸化水素注入率が40mg/Lの場合の注入オゾン濃度に対するTOCの変化を示す処理特性図である。
【図13】 過酸化水素注入率が40mg/Lの場合の注入オゾン濃度に対する単位有機性炭素量を分解除去するために必要なオゾン量(ΔO3/ΔTOC)の変化を示す処理特性図である。
【図14】 注入オゾン濃度が60mg/Lの場合の過酸化水素注入率に対するTOCの変化を示す処理特性図である。
【図15】 注入オゾン濃度が40mg/Lの場合の過酸化水素注入率に対する単位有機性炭素量を分解除去するために必要なオゾン量(ΔO3/ΔTOC)の変化を示す処理特性図である。
【図16】 従来の過酸化水素併用オゾン処理装置の構成図である。
【図17】 従来の過酸化水素併用オゾン処理装置によるTOC濃度とオゾン消費量の関係を示す処理特性図である。
【符号の説明】
1 オゾン反応器、2 オゾン発生装置、3 被処理水供給ポンプ、4 過酸化水素添加ポンプ、5 オゾン化ガス注入口、6 排オゾン分解装置、7 過酸化水素貯留タンク、8 気液分離槽、9 オゾン化ガス流量計、a,b 被処理水配管、c 処理水配管、d,e オゾン化ガス配管。

Claims (9)

  1. 被処理水に過酸化水素とオゾンとを添加、混合して被処理水中の有機物を分解除去する装置において、該装置は、被処理水の配管と、前記配管に過酸化水素を添加する手段と、過酸化水素が添加された被処理水の前記配管にオゾン化ガスを少なくとも二箇所以上で分割注入するための手段と、前記配管の後に未溶解のオゾン化ガスと処理水とを分離して、未溶解のオゾン化ガスを無害分解化して放出する手段と、を備えたことを特徴とする排水の高度処理装置。
  2. 被処理水の配管の断面が円形である請求項1に記載の排水の高度処理装置。
  3. オゾン化ガスの導入箇所が少なくとも4箇所以上である請求項1または2に記載の排水の高度処理装置。
  4. 被処理水に過酸化水素とオゾンとを添加、混合して被処理水中の有機物を分解除去する方法において、配管に被処理水を通水し、前記配管を流れる被処理水に過酸化水素を注入し、続いて過酸化水素を含み且つ前記配管を流れる被処理水に、少なくとも二箇所以上でオゾン化ガスを分割注入し、前記配管後に未溶解のオゾン化ガスと処理水とを分離して、未溶解のオゾン化ガスを無害分解化して放出することを特徴とする排水の高度処理方法。
  5. 被処理水が加圧され、配管内で被処理水中の有機物の分解が進む請求項4に記載の排水の高度処理方法。
  6. オゾン化ガスが、あらかじめ定められた量で配分されて分割注入される請求項4または5に記載する排水の高度処理方法。
  7. オゾン化ガスが、均等配分された注入量で分割注入される請求項6に記載の排水の高度処理方法。
  8. 被処理水にオゾン化ガスが分割注入されるよりも前に、被処理水に対して予定されている過酸化水素注入量の全量を注入する請求項4ないし7のいずれか1項に記載する排水の高度処理方法。
  9. 過酸化水素を含む被処理水とオゾン化ガスとの反応時間が少なくとも8秒以上に設定される請求項4ないし8のいずれか1項に記載の排水の高度処理方法。
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