JP3768913B2 - 直流キャンドモータポンプおよび遠心ポンプ - Google Patents

直流キャンドモータポンプおよび遠心ポンプ Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、非自吸式の直流キャンドモータポンプの構造に関し、特に半導体製造装置の温調器用などに使用する非自吸式の直流キャンドモータポンプの構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、非自吸式のキャンドモータポンプは、ステータとロータをそれぞれキャンで密閉し、これらのステータとロータキャンとの隙間に、図4に矢印のように、軸受の潤滑とモータの冷却とを行う液体を環流する。特に液温200℃までの高温液を取り扱うキャンドモータポンプとしては図4に示す誘導式キャンドモータのものが多く、ロータの外周面からステータ内周面までの隙間Gのエアギャップを大きくすると、図6に示すように、モータ効率が著しく低下する。それゆえ、ステータキャンとロータキャンとの隙間が1mm以下に制限されている現状である。
【0003】
ステータキャンとロータキャンの隙間が小さい場合では、液体が隙間に詰まり易く、かつ、モータ部ロータの流体摩擦の増加によるモータ部およびポンプ部の効率の低減が避けられず、軸受の十分な液体潤滑が図れず、さらにモータ部の冷却も十分に図れないのでモータ部の冷却構造が複雑となることもある。さらに、ステータキャンとロータキャンとの隙間を小さく保つ必要のため軸受の摩耗量が著しく制限され、軸受を頻繁に交換する必要がある。
【0004】
また、従来、液温100℃未満の液体を取り扱うキャンドモータポンプとしては、熱の発生量を低くするためにロータに永久磁石を配設した直流モータポンプが使用されている。しかし、この直流モータポンプのロータに配設の永久磁石は殆どがフェライト磁石であり、図10の磁石の諸特性から分かるように、200℃の液温の高温液までは取り扱えず、従って、高温液を扱う場合は誘導式キャンドモータによっていた。
【0005】
一方、従来の装置では、ポンプ部の羽根車とポンプ部ケーシングとの隙間の軸封構造に対しては、キャンドモータポンプのステータキャンとロータキャンとの隙間が小さく、かつ、羽根車とポンプ部ケーシングとの隙間の軸封部分は、図5に示すように、羽根車のウェアリングが羽根車回転軸側から軸方向のウェアリングとなりポンプ部ケーシング軸側面との間に隙間を設けた構造となっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、モータ部のステータキャンとロータキャンの隙間を従来の高温液を取り扱えるキャンドモータに比して広くすることを可能として軸受の磨耗量を大きな範囲まで許容可能とし、その結果、軸受の磨耗による頻繁な軸受交換を不要とし、モータ部およびポンプ部の効率に優れ、モータ部の寿命の向上した小型で、かつ、200℃の液温の高温液まで取り扱うことが可能な直流キャンドモータポンプを提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するための本発明の手段は、請求項1の発明では、ステータと永久磁石を有するロータをそれぞれステータキャンとロータキャンで密閉したモータ部と該モータ部により駆動されるポンプ部からなり、モータ部のステータキャンとロータキャンの隙間に汲み上げ液体の一部を通してモータ部の冷却並びにロータ軸受の潤滑を行わせた直流キャンドモータポンプにおいて、モータキャンとステータキャンをステンレス製とし、モータ部の永久磁石を希土類磁石とすることによりステータキャンとロータキャンとの隙間Cを1mmより大きくし、高温液まで取り扱い可能としたことを特徴とする直流キャンドモータポンプである。
【0008】
請求項2の発明では、モータ部のステータとロータは、ロータが有する希土類磁石の外周面からステータ内周面までの隙間Gと希土類磁石の半径方向の厚さtとの比G/tを0.5〜2.5とした構成からなることを特徴とする請求項1の手段の直流キャンドモータポンプである。
【0009】
請求項3の発明では、左右のステータ側板の外面とステータキャンとの間に周縁にフランジを有する環状ばね板をそれぞれ配設し、ステータ側板の外面と環状ばね板の外周縁部および環状ばね板の内周縁部とステータキャンをそれぞれ環状ばね板のフランジで溶接し、かつ、ステータキャンとステータキャン外周を内嵌支持するモータ部ケーシング間にOリングを配設して密閉したことを特徴とする請求項1または2の手段の直流キャンドモータポンプである。
【0010】
請求項4の発明では、羽根車を囲むポンプ部ケーシング内壁に拡径段差部を設け、羽根車の汲み上げ液体の吸引口を規制する回転軸に同芯状の羽根車ウェアリングをポンプ部ケーシングの羽根車回転半径方向に折り曲げて折曲側板とし、該折曲側板の先端と該先端に対峙するポンプ部ケーシング側壁の拡径段差部面との羽根車半径方向の隙間Gr並びに折曲側板の側面と該側面に対峙するポンプ部ケーシング側壁の拡径段差部側面との羽根車回転軸方向の隙間Gaにより羽根車とポンプ部ケーシング間を軸封したことを特徴とするキャンドモータポンプのポンプ部に使用する遠心ポンプである。
【0011】
請求項5の発明では、遠心ポンプの羽根車ウェアリングの羽根車半径方向の折曲側板は、羽根車回転軸方向の羽根車ウェアリングを羽根車半径方向へ直接折り曲げ形成したことを特徴とする請求項4の手段の遠心ポンプである。
【0012】
請求項6の発明では、遠心ポンプの羽根車ウェアリングの羽根車半径方向の折曲側板は、羽根車回転軸方向の羽根車ウェアリングに回転羽根半径方向の折曲板を溶接して形成したことを特徴とする請求項4の手段の遠心ポンプである。
【0013】
請求項7の発明では、遠心ポンプは、比速度100〔(m3/min)・m・rpm〕以下の低比速度の遠心ポンプで、羽根車回転軸方向の隙間Gaを0.3〜1.6mmとし、かつ、羽根車半径方向の隙間Grを羽根車回転軸方向の隙間Ga以上の大きさとしたことを特徴とする請求項4〜6のいずれか1項の手段の遠心ポンプである。
【0014】
本発明の作用について説明すると、従来の液温200℃までの高温液を取り扱えるキャンドモータポンプは、誘導式モータによるものが多く、モータ部の効率をある程度に保つため、モータ部のステータキャンとロータキャンの隙間が1mm以下と大きな隙間が得られなかったのに対し、上記の本発明の手段の直流キャンドモータポンプは、モータ部のロータに配設の永久磁石を希土類磁石とすることにより、ステータキャンとロータキャンとの隙間Cを1mmより大きくし、さらにモータ部のロータに配設の希土類磁石の外周面からステータ内周面までの隙間(エアギャップ)をGとし、希土類磁石の半径方向厚さをtとするとき、ステータとロータはG/tが0.5〜2.5の範囲に納まるように構成しているので、小型・高効率のキャンドモータが得られる。
【0015】
さらに左右のステータ側板の外面とステータキャンとの間に周縁にフランジを有する環状ばね板をそれぞれ配設して溶接により接合したので、高温液を取り扱ってステータキャンが熱膨張しても追従して延びてステータ側板とキャンとの間から液体がステータ側に侵入することを防止することができる。
【0016】
また遠心ポンプの羽根車とそのケーシングすなわちポンプ部ケーシングとの隙間の軸封構造において、羽根車ウェアリングをポンプ部ケーシングの羽根車回転半径方向に折曲げて折曲側板とすることで、羽根車回転軸方向隙間Gaを0.3〜1.6mmの範囲とし、かつ、半径方向隙間Grを羽根車回転軸方向隙間Ga以上の大きさの軸封構造とすることができ、半径方向隙間Grを大きくでき、その結果、軸受が磨耗してもウェアリングがポンプ部ケーシングと擦れることなく良好な軸封が保てる。本発明のこの遠心ポンプは本発明の直流キャンドモータポンプに使用でき、直流キャンドモータポンプの小型化、高効率化が図られ、軸受の磨耗による頻繁な軸受交換が不要となる。もちろん本発明の遠心ポンプはインダクションモータを用いるキャンドモータポンプにも適用でき、それによってインダクションキャンドモータポンプの小型化、高効率化が図られ、同様に軸受の磨耗による頻繁な軸受交換が不要となる。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。図1は本発明の直流キャンドモータポンプを一部断面で示す図である。図2は図1の直流キャンドモータポンプのポンプ部の羽根車とポンプ部ケーシングの部分の一実施の形態を示す図である。図3は図2の部分の他の実施の形態を示す図である。図4は従来の高温液を取り扱える誘導式キャンドモータポンプを一部断面で示す図である。図5は図4の誘導式キャンドモータポンプのポンプ部の羽根車とポンプ部ケーシングの部分を示す図である。図6は誘導式モータの効率と誘導式モータのロータの外周面からステータ内周面までの隙間Gのエアギャップとの関係を示すグラフである。図7は本発明の直流キャンドモータポンプと従来の誘導式キャンドモータポンプの隙間Cを1mmとしたものの性能を比較して示すグラフである。図8は羽根車ウェアリングとポンプ部ケーシングとの半径方向隙間を1.2mmにした時の軸方向隙間Gaとポンプ効率との関係を示すグラフである。図9は本発明に用いる希土類磁石の諸特性を示すグラフである。図10は従来のフェライト磁石の諸特性を示すグラフである。
【0018】
図1に示すように、本発明の直流キャンドモータポンプ1は、モータ部2と、該モータ部2により駆動されるポンプ部19からなる。モータ部2は希土類磁石9を有するロータ4とロータ4の外周のステータ13からなる直流モータからなり、ロータ4の回転軸7がモータ部ケーシング3に取り付けた軸受5および軸受6でスリーブ7aを介して支持されている。さらにロータ4の回転軸7にはロータ本体8aとヨーク8が取り付けられ、ヨーク8の外周には希土類磁石9であるネオジム磁石を有する。このロータ4の希土類磁石9は半径方向の厚さtを有し、希土類磁石9の最外周はステンレスのロータキャン10と左右のロータ側板11、12で密閉されている。
【0019】
一方、ステータ13は界磁コイル14を有し、ステータ13の外周のモータ部ケーシング3、左右のステータ側板18、19およびステンレスのステータキャン15に内包されている。左右のステータ側板18、19はその外側面および内周面側をボルトで締結された左右のモータ部ケーシング3で支持されており、ステータキャン15の左右の両端が左右のステータ側板18、19の内周面を越えて左右のモータ部ケーシング3に設けられた凹陥部16に入り込んでいる。それぞれ左右のステータ側板18、19の部分のステータキャン15と、そのステータキャン15を内周側から支持するモータ部ケーシング3の間にはそれぞれOリング33、34が嵌められ水密に密閉されている。さらに左右のモータ部ケーシング3に設けられた凹陥部16内には環状ばね板20、21がステータ側板18、19およびステータキャン15間に溶接され、ステータキャン15の熱膨張による延びを許容するとともにステータキャン15とステータ側板18、19の内周面との隙間からモータ内の環流液体がステータ13内に入り込まないようにガードしている。
【0020】
ところでステータキャン15とロータキャン10の隙間Cは通常の誘導式キャンドモータでは1mm以下であるが、本発明の直流キャンドモータポンプのモータ部では、特に1mmより大きい隙間Cとする。そしてステータキャン15とロータキャン10の隙間に汲み上げ液体の一部を環流してモータ部2の冷却とロータ4の軸受5、6の潤滑作用を行わせている。このため、図1に示すように、ポンプ部22のステンレスの羽根車24で汲み上げられた液体の一部をポンプ部ケーシングを構成する左側のモータ部ケーシング3に流入通路を設け矢印の様に液体をモータ内に環流する。
【0021】
図1において、モータ部2の右側には遠心ポンプからなるポンプ部22が配設され、上記のとおり、ポンプ部ケーシングの左側面を兼ねる右側のモータ部ケーシング3とポンプ部ケーシング23の中に遠心ポンプを構成するステンレスの羽根車24がモータ部2の回転軸7に取り付けられて駆動される。羽根車24の中心部の右側はポンプ部22の液体の吸込み口37となっている。さらにポンプ部22の外周の一箇所に、図1に示すように、遠心ポンプで汲み上げた液体をポンプ外に送給するための吐出口38が設けられている。
【0022】
さらに、本発明の実施の形態では、モータ部2のロータ4における従来のフェライト磁石に代えて希土類磁石9とし、この希土類磁石9にネオジム磁石を使用するものである。これは、本発明の直流キャンドモータポンプ1が精密樹脂成型金型用や半導体製造工程用の温調器などの200℃の高温液の汲み上げに使用されるものであり、この温度において十分に高効率に使用できることが要求されるが、図10の磁石諸特性に見られるとおり、従来使用されているフェライト磁石では200℃では取り扱えないが、発明者らが鋭意検討したところ、図9の磁石諸特性に見られるとおりネオジム磁石では高温液まで取り扱うことができることによる。さらに、図7に見られるように、本発明の直流キャンドモータポンプの性能は、従来のキャンドモータポンプの隙間Cを1mmとしたものの性能に比して優れていることがわかる。そこで、本発明の実施の形態では、希土類磁石9としてネオジム磁石を使用する。
【0023】
さらに、上記のように、ステータキャン15とロータキャン10の隙間Cを1mmより大とするものにおいて、モータ部2のステータ13とロータ4は、ロータ4の希土類磁石9の外周面からステータ内周面17までの隙間をGとし、ロータ4の希土類磁石9の半径方向の厚さをtとするとき、G/tが0.5〜2.5となるように構成する。それによって、希土類磁石を採用した直流キャンドモータポンプは、鉄損およびロータの流体摩擦損失などが減少され、モータ部の高効率が図られる。
【0024】
さらに、本発明は、ポンプ部22は上記したとおり遠心ポンプから形成されている。この遠心ポンプの羽根車24を囲むポンプ部ケーシング23の内壁に拡径段差部29、30を設け、羽根車24の中心部の汲み上げ液体の吸引口を規制する回転軸7に同芯状の羽根車ウェアリング25、26をポンプ部ケーシング23の羽根車回転半径方向に折り曲げて折曲側板27、28とする。これらの折曲側板27、28の先端とこれらの先端に対峙するポンプ部ケーシング23の拡径段差部上面29a、30aとの羽根車半径方向の隙間Grとし、さらに折曲側板27、28の側面とこれらの側面に対峙するポンプ部ケーシング23の側壁の拡径段差部側面29b、30bとの羽根車回転軸方向の隙間Gaとし、この隙間Grと隙間Gaにより羽根車24とポンプ部ケーシング23の間を軸封する。
【0025】
上記の羽根車ウェアリング25の羽根車半径方向の折曲側板27は、図2に示すように、羽根車回転軸方向の羽根車ウェアリング25を羽根車半径方向へ直接折り曲げにより形成したものとする。なお、折曲側板28は羽根車ウェアリング26が羽根車24と溶接部32で溶接して一体化して形成する。
【0026】
さらに、他の実施の形態では、羽根車ウェアリング25の羽根車半径方向の折曲側板27は、図3に示すように、羽根車回転軸方向の羽根車ウェアリング25に溶接部31で溶接して一体化して形成する。さらに、羽根車ウェアリング26の羽根車半径方向の折曲側板28は、図2に示すように、半径方向の羽根車24に溶接部32で溶接して一体化して形成する。
【0027】
さらに上記の羽根車24とポンプ部ケーシング23の間の軸封において、遠心ポンプは比速度100〔(m3/min)・m・rpm〕以下の低比速度nsの遠心ポンプとする。ns=n・Q1/2/H3/4で表され、ここでnsは比速度、nはポンプの回転数[rpm]、Qは吐出し量[m3/min]、Hは揚程[m]である。この比速度は幾何学的に相似な羽根車を使って毎分1立方メートルの液体を全揚程において1メートル揚液するために必要なポンプ回転数である。この遠心ポンプにおいて羽根車回転軸方向の隙間Gaを0.3〜1.6mmとする。すなわち、図8に見られるとおり、ポンプ効率ηpは上記隙間Gaが1.6mmを超えると低下する。0.3mmより狭いとポンプ効率ηpは高いが、この場合は狭すぎて機械的に触れによる事故を発生する危険があるので、実用上から0.3mm以上とする。さらに、羽根車半径方向の隙間Grを羽根車回転軸方向の隙間Ga以上の大きさとする。この隙間Grを隙間Gaより大とするのは、ネオジム磁石を採用して軸受の損耗を大きく許容したことに合わせた隙間Grとしたもので、折曲側板27、28の上端が拡径段差部29、30と当接することのないようにしたものである。
【0028】
また、さらに本発明では、上記したように、左右のステータ側板18、19の外面とステータキャン15との間に周縁にフランジを有する環状ばね板20、21をそれぞれ配設し、ステータ側板18、19と環状ばね板20、21の外周縁部および環状ばね板20、21の内周縁部とステータキャン15をそれぞれ環状ばね板20、21のフランジの部分で溶接している。そして、ステータキャン15とステータキャン外周を内嵌支持するモータ部ケーシング3間にOリング33、34をそれぞれ配設して密閉している。この構造とすることで、高温の液体を取り扱うことによるステータキャンの熱膨張を許容し、かつ、液密を十分に保ててステータ内に液体が侵入することがない。
【0029】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明はモータ部のロータの永久磁石にネオジム磁石を採用してステンレス製のステータキャンとロータキャンの隙間Cを従来に比して広くしたことにより、さらに遠心モータの羽根車を囲むケーシング内壁に拡径段差部を設け、羽根車の汲み上げ液体の吸引口を規制する回転軸に同芯状の羽根車ウェアリングをケーシングの羽根車回転半径方向に折り曲げて折曲側板とし、折曲側板の先端とこの先端に対峙するケーシング側壁の拡径段差部面との羽根車半径方向の隙間Grとし、さらに折曲側板の側面とこの側面に対峙するケーシング側壁の拡径段差部側面との羽根車回転軸方向の隙間Gaとして羽根車とケーシング間を軸封したことにより、遠心ポンプおよびこの遠心ポンプを使用するキャンドモータポンプの軸受の磨耗量を大きな範囲まで許容可能とし、軸受の磨耗による頻繁な軸受交換を不要とし、効率の高い、寿命の向上した小型の遠心ポンブおよびこの遠心ポンプを使用したキャンドモータポンプが得られ、さらに、200℃の液温の高温液まで取り扱うことが可能な直流キャンドモータポンプが得られ、本発明は従来にない優れた効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の直流キャンドモータポンプを一部断面で示す図である。
【図2】図1の直流キャンドモータポンプのポンプ部の羽根車とポンプ部ケーシングの部分の一実施の形態を示す図である。
【図3】図2の部分の他の実施の形態を示す図である。
【図4】従来の高温液を取り扱える誘導式キャンドモータポンプを一部断面で示す図である。
【図5】図4の誘導式キャンドモータポンプのポンプ部の羽根車とポンプ部ケーシングの部分を示す図である。
【図6】誘導式モータの効率と誘導式モータのロータの外周面からステータ内周面までの隙間Gのエアギャップとの関係を示すグラフである。
【図7】本発明の直流キャンドモータポンプと従来の誘導式キャンドモータポンプの隙間Cを1mmとしたものの性能を比較して示すグラフである。
【図8】羽根車ウェアリングとポンプ部ケーシングとの半径方向隙間を1.2mmにした時の軸方向隙間Gaとポンプ効率との関係を示すグラフである。
【図9】本発明に用いる希土類磁石の諸特性を示すグラフである。
【図10】従来のフェライト磁石の諸特性を示すグラフである。
【符号の説明】
1 直流キャンドモータポンプ
2 モータ部
3 モータ部ケーシング
4 ロータ
5 軸受
6 軸受
7 回転軸
7a スリーブ
8 ヨーク
8a ロータ本体
9 希土類磁石
10 ロータキャン
11 ロータ側板
12 ロータ側板
13 ステータ
14 界磁コイル
15 ステータキャン
16 凹陥部
17 ステータ内周面
18 ステータ側板
19 ステータ側板
20 環状ばね板
21 環状ばね板
22 ポンプ部
23 ポンプ部ケーシング
24 羽根車
25 羽根車ウェアリング
26 羽根車ウェアリング
27 折曲側板
28 折曲側板
29 拡径段差部
30 拡径段差部
31 溶接部
32 溶接部
33 Oリング
34 Oリング
35 流入通路
36 流出通路
37 吸い込み口
38 吐出口
39 電源

Claims (7)

  1. ステータと永久磁石を有するロータをそれぞれステータキャンとロータキャンで密閉したモータ部と該モータ部により駆動されるポンプ部からなり、モータ部のステータキャンとロータキャンの隙間に汲み上げ液体の一部を通してモータ部の冷却並びにロータ軸受の潤滑を行わせた直流キャンドモータポンプにおいて、モータキャンとステータキャンをステンレス製とし、モータ部の永久磁石を希土類磁石とすることによりステータキャンとロータキャンとの隙間Cを1mmより大きくし、高温液まで取り扱い可能としたことを特徴とする直流キャンドモータポンプ。
  2. モータ部のステータとロータは、ロータが有する希土類磁石の外周面からステータ内周面までの隙間Gと希土類磁石の半径方向の厚さtとの比G/tを0.5〜2.5とした構成からなることを特徴とする請求項1記載の直流キャンドモータポンプ。
  3. 左右のステータ側板の外面とステータキャンとの間に周縁にフランジを有する環状ばね板をそれぞれ配設し、ステータ側板の外面と環状ばね板の外周縁部および環状ばね板の内周縁部とステータキャンをそれぞれ環状ばね板のフランジで溶接し、かつ、ステータキャンとステータキャン外周を内嵌支持するモータ部ケーシング間にOリングを配設して密閉したことを特徴とする請求項1または2に記載の直流キャンドモータポンプ。
  4. 羽根車を囲むポンプ部ケーシング内壁に拡径段差部を設け、羽根車の汲み上げ液体の吸引口を規制する回転軸に同芯状の羽根車ウェアリングをポンプ部ケーシングの羽根車回転半径方向に折り曲げて折曲側板とし、該折曲側板の先端と該先端に対峙するポンプ部ケーシング側壁の拡径段差部面との羽根車半径方向の隙間Gr並びに折曲側板の側面と該側面に対峙するポンプ部ケーシング側壁の拡径段差部側面との羽根車回転軸方向の隙間Gaにより羽根車とポンプ部ケーシング間を軸封したことを特徴とするキャンドモータポンプのポンプ部に使用する遠心ポンプ。
  5. 遠心ポンプの羽根車ウェアリングの羽根車半径方向の折曲側板は、羽根車回転軸方向の羽根車ウェアリングを羽根車半径方向へ直接折り曲げ形成したことを特徴とする請求項4に記載の遠心ポンプ。
  6. 遠心ポンプの羽根車ウェアリングの羽根車半径方向の折曲側板は、羽根車回転軸方向の羽根車ウェアリングに回転羽根半径方向の折曲板を溶接して形成したことを特徴とする請求項4に記載の遠心ポンプ。
  7. 遠心ポンプは、比速度100〔(m3/min)・m・rpm〕以下の低比速度の遠心ポンプで、羽根車回転軸方向の隙間Gaを0.3〜1.6mmとし、かつ、羽根車半径方向の隙間Grを羽根車回転軸方向の隙間Ga以上の大きさとしたことを特徴とする請求項4〜6のいずれか1項に記載の遠心ポンプ。
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