JP3768334B2 - 一方向プリプレグの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術の分野】
本発明は、一方向強化材繊維とガラススクリムクロスとを貼り合わせたガラスクロス付きの一方向プリプレグ(UDPP)に関する。更に詳しくは、一方向引揃え強化繊維材とガラススクリムクロスとの接着性に優れたUDPPに関する。
【0002】
【従来の技術】
プリプレグは、強化繊維材に樹脂を含浸させた繊維強化樹脂複合材料成形用の中間素材として広く使用されており、繊維の配列は一方向を始め、織物、不織布など様々であるが、繊維が一方向に配向している、いわゆるUDPPは、最も多用されているプリプレグのひとつでり、通常は表面に極薄いガラスクロス(いわゆるスクリムクロス)を貼り付けたのものが供給されている。
【0003】
ガラスクロス付き一方向プリプレグは、目的とするパイプ、平板、その他の複雑構造物などの成形物の材料設計に応じた繊維配向になるように積層し成形される。この積層・成形の際ガラスクロス付き一方向プリプレグの層間に気泡を抱き込むと成形物の機械的性能を著しく低下させるため、極力気泡の抱き込みのない状態で積層・成形するよう配慮されている。
【0004】
このようなガラスクロス付き一方向プリプレグの製造は、シート状に引き揃えられた強化繊維材の列にフィルム状のマトリックス樹脂材(樹脂フィルム)を重ね合わせ、加熱ロール間を通して個々の繊維の間にマトリックス樹脂を含浸させる(ホットメルト法)と共に、含浸後、表面にガラスクロスを配し加熱・加圧して貼り付けるのが一般的に行われている方法である(特公平4−60008号公報、特公平4−60009号公報)。
【0005】
ここで使用されるガラスクロスは、樹脂を含浸させたプリプレグ状態のものもしくはガラスクロスの生機であるが、生機は工程中に目ずれを生じやすいため殆どが樹脂を付着させたプリプレグ状態のガラスクロスが使用されている。
【0006】
しかしながら、プリプレグ状態のガラスクロスを後から貼り付ける工程によって製造したガラスクロス付き一方向プリプレグは、一旦プリプレグ状態にしたガラスクロスへのマトリックス樹脂の通りが悪く、また強化繊維材にマトリックス樹脂が含浸している上にガラスクロスを重ね押圧しても、マトリックス樹脂がガラスクロスの反対の面(強化繊維材に接していない面)にまで到達し難いという問題がある。いずれの場合にしても、ガラスクロス面、特にガラスクロスの織り目部分に樹脂の欠損部が生じ、極端な場合には目視においても表面の凹凸が確認されるようになる。顕微鏡的に見ると、表面の織り目(経糸、緯糸によって出来た穴部)に樹脂の欠損部が確認される。
【0007】
また、表面に樹脂欠損部を有するプリプレグは、積層時にプリプレグ相互の接着性(べた付き、タック)が低く、積層時に気泡の抱き込みを生じやすく、積層時に層間で動きやすいため、積層間の繊維配向に乱れを生じやすい。
【0008】
ガラスクロスへの樹脂含浸が不良となり、強化繊維材との接着性が弱くなると、ガラスクロス付き一方向プリプレグは、保管中に一方向に配列した強化繊維材とガラスクロスとの界面に剥離が生じ、プリプレグの幅方向および繊維軸方向にU字型の剥離部が目視出来るようになる。
【0009】
ガラスクロスプリプレグの製造には、溶剤法を採用する方法が多く採用されている。この溶剤法は、ホットメルト法に比較してガラスクロスの織り目の乱れを防止出来る効果があるが、樹脂含浸後、溶剤を除去する必要があり残存溶剤の影響が懸念される。
【0010】
引き揃えられた強化繊維材列と樹脂フィルムとを重ね合わせ、樹脂を個々の繊維間に押圧含浸させる際、ガラスクロスの生機を重ね合わせ、同時に樹脂を押圧含浸させる方法も知られている。
【0011】
このような方法によると、残存溶剤の懸念は解消するがガラスクロスの経糸と緯糸の交叉部で相互が固定されていないため、樹脂含浸時にガラス繊維が樹脂の中で泳ぎ、織り目の乱れを生ずるという問題が生ずる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
ガラスクロス付き一方向プリプレグは、ガラスクロスの織目に樹脂の欠損部を生じやすく、積層の際、この表面の樹脂欠損部に気泡を生じやすい。また、芯管に巻かれた状態のガラスクロス付き一方向プリプレグは保管中に一方向に配列した強化繊維材と、ガラスクロスとの界面に剥離が生じ、この剥離部に溜まった空気が積層・成形時に気泡となって成形物中に残るという問題を生ずる。
【0013】
【発明の目的】
本発明は、表面に樹脂欠損部がなく、且つ一方向に引き揃えられた強化繊維材とガラスクロスとの接着強度が高いガラスクロス付き一方向プリプレグを提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明は下記の構成からなる。
(請求項1) ホットメルト法でガラスクロス付き一方向プリプレグの製造にあたり、あらかじめ樹脂フィルムとガラスクロスの生機とを重ねて接着した後、シート状の強化繊維材列とを、ガラスクロス面と強化繊維材列面とが隣接するように重ね、次いで加熱・押圧機構に供給しマトリックス樹脂をガラスクロス層を通過させながら強化繊維材に浸透・含浸させる事を特徴とするガラスクロス付き一方向プリプレグの製造方法。
【0015】
本発明によると、ガラスクロス付き一方向プリプレグの表面に樹脂欠損部がなく、また引きはがし強度が高いため、保存中に、あるいは作業中に、強化繊維材とガラスクロスとの剥離が生じないため、成形時に空気の抱き込みを生じ難く、このため成形物の強度が高い物が得られる。
【0016】
通常ガラスクロス付き一方向プリプレグは、用途等に応じ樹脂含有量が20〜50重量%程度の広範囲に及ぶが、樹脂含有量が30重量%以下のガラスクロス付き一方向プリプレグは、低樹脂含有量に起因してタックが低くなる傾向にある。
【0017】
また、熱硬化性のマトリックス樹脂に熱可塑性樹脂粉末等の固形成分を加えたマトリックス樹脂系では、タックが低くなる傾向がある。このような低タックのガラスクロス付き一方向プリプレグにおいても、本発明によればガラスクロスの剥離がなく、高い密着性が得られる。
【0018】
通常のガラスクロス付き一方向プリプレグは、一方向に配向しているシート状の強化繊維材列とガラスクロスとが貼り合わされた構造を有するプリプレグであり、通常は一方の面に離形紙を配し、他方の面はポリエチレン等の熱可塑性の離型フィルムで覆われている。
【0019】
本発明のガラスクロス付き一方向プリプレグは、シート状の強化繊維材列とガラスクロスとが強固に接着しており、作業環境のような常温状態では実質的に両者を剥離することが出来ない程度に強固に接着している。
【0020】
顕微鏡的に観察すると、ガラスクロスの表面にまでマトリックス樹脂で被覆されており、ガラスクロスの織り目にもマトリックス樹脂の欠損部がない。このためガラスクロス織り目部の表裏でマトリックス樹脂がリベット型に広がり強固な結合強度を有しているものと考えられる。
【0021】
強固に結合している結果、強化繊維材の軸方向に無理に引き剥がそうとすると、ガラスクロスが切断する。ガラスクロスが強固に接合されているかどうかを、簡便的に評価するには、幅30mm程度のテープ状に裁断したUDPPの端部から注意深くガラスクロスを引き剥がす。端部のガラスクロスが引き剥がせない場合は、極少量の溶剤をガラスクロス付き一方向プリプレグの端部に塗布しマトリックス樹脂を溶解し、治具に固定するに必要な長さのガラスクロスを端部から引き剥がす。
【0022】
次いでガラスクロスの端部を直径8〜10mm程度の丸棒に巻き付け、均等に力が配分するようにして、徐々に丸棒を転がし、引き剥がし量を増やしながらガラスクロスを巻き付いていく。従来のガラスクロス付き一方向プリプレグでは、引き剥がすことが出来るが、本発明のガラスクロス付き一方向プリプレグはガラスクロスが破断し引き剥がせない。
【0023】
本発明において強化繊維材とは、一般に繊維強化樹脂複合材料における強化繊維として使用されている強化用繊維群であり、具体的には、無機繊維、有機繊維、金属繊維、金属被覆繊維又はそれらの混合からなり、無機繊維としては、炭素繊維、黒鉛繊維、炭化珪素繊維、アルミナ繊維、タングステンカーバイト繊維、ボロン繊維、ガラス繊維等、有機繊維としてはアラミド繊維、高密度ポリエチレン繊維、ナイロン繊維、ポリエステル繊維等の有機繊維が挙げられる。また金属繊維としてはステンレス繊維、金属被覆繊維としては、上記の無機繊維、有機繊維の表面にニッケル、銅等の金属層を電解メッキ又は無電解メッキによって形成させた繊維である。特に炭素繊維、黒鉛繊維のを使用したUDPPが好ましく、通常は目付50〜300g/m2↑である。
【0024】
本発明においてガラスクロスとは、通常のUDPPに貼り合わされて使用される、いわゆるスクリムクロスであり、強化繊維材として使用されているガラス繊維織物を意味していない。このようなガラスクロス(スクリムクロス)は、目付(単位面積あたりの重量)が10〜100g/m2↑ 好ましくは20〜30g/m2↑ でありガラス繊維からなるきわめて薄い織物である。
【0025】
このガラスクロスは一方向プリプレグの幅方向に強度を与え、強化繊維材の配列の乱れを防止する機能を有する。
【0026】
本発明においてマトリックス樹脂とは、通常繊維強化複合材料のマトリックス樹脂として用いられている熱硬化性樹脂であり、特にエポキシ樹脂が好適に使用される。エポキシ樹脂硬化剤は、エポキシ基と反応しうる活性基を有する化合物であれば用いることが出来る。好ましくは、アミノ基、酸無水物基、アジド基を有する化合物が適している。具体的には、ジシアンジアミド、ジアミノジフェニルスルホンの各種異性体、アミノ安息香酸エステル類が適している。
【0027】
エポキシ樹脂以外の熱硬化性樹脂としては、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂等も使用できる。
【0028】
本発明のプリプレグには、上記の熱硬化性樹脂に熱可塑性樹脂を混合して用いることも好適である。好適な熱可塑性樹脂としては、ポリアクリレート、ポリアミド、アラミド、ポリエステル、ポリフェニレンスルフィド、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルエーテルケトンである。これらの熱可塑性樹脂を併用することによって、靱性の高い硬化成形物を与えることが出来る。
【0029】
ガラスクロス付き一方向プリプレグにおけるマトリックス樹脂含有量は、用途等に於いて異なるが、通常は樹脂含有量(RC)は20〜50重量%である。特に好ましくは20〜40重量%である。マトリックス樹脂には、成形物の靱性向上のために、50重量%以下、特に30重量%以下の量、粒径150μm以下の熱可塑性樹脂粉末を添加する事もでき、このような混合樹脂系では一般にタックが低くなる傾向にあり、その結果ガラスクロスの剥離が生じやすくなるので、その対策として本発明は特に有効である。
【0030】
ガラスクロス付き一方向プリプレグは、一般に次のようにして製造することが出来る事が知られている。即ち、強化繊維をボビンから引き出し、引き揃えてシート状の強化繊維列を形成する。
【0031】
マトリックス樹脂は、硬化剤、硬化促進剤その他の添加物を混合し、フィルム状の樹脂(いわゆるBーステージ状態の樹脂フィルム)とし、離形紙に担持する。シート状の強化繊維材列と樹脂フィルを重ね、加熱された押圧ローラー、熱板等の加熱・押圧機構に供給し、強化繊維材の単繊維間にマトリックス樹脂を浸透・含浸させる。樹脂フィルムは強化繊維材列の片面ももしくは両面から供給される。
【0032】
この際、本発明では、あらかじめ樹脂フィルムとガラスクロスとを重ねて仮接着した後、シート状の強化繊維材列と重ね合わせる。この際ガラスクロス面と強化繊維材列面とが隣接するように重ねることが重要になる。次いで加熱・押圧機構に供給しマトリックス樹脂をガラスクロス層を通過させながら強化繊維材に浸透・含浸させる。このようにしてマトリックス樹脂を強化繊維材に供給すると、ガラスクロス層をマトリックス樹脂が強制的に通過することになり、しかもガラスクロスの強化材繊維材に接していない方の面は、押圧機構に接しているため、平面性が保持される。その結果、強化繊維材層とガラスクロスとは強固に結合することになる。ここで使用されるガラスクロスは生機を使用する。生機を使用することによって、ガラスクロス付き一方向プリプレグの揮発分をいっそう少なくすることが出来、マトリックス樹脂の含浸性も良好である。
【0033】
マトリックス樹脂と強化繊維材の間に生機を供給する方法としては、加熱・押圧機構の先端で3者を同時に会合させる方法、生機の背面に設けられたスリットからマトリックス樹脂を供給し、生機層を通して溶融状態のマトリックス樹脂を強化繊維材に含浸させる方法があるが、いずれの場合も高粘度の液状樹脂の中で生機を構成するガラス繊維が泳ぐ形となり目ずれの原因となる。
【0034】
本発明方法のように、あらかじめ樹脂フィルムに生機を接着し、次いでシート状の強化繊維材と重ね合わせると、この時点でガラスクロスが加熱・押圧されることになるため、繊維のずれは殆ど生ずることはない。
【0035】
しかも、ガラスクロスと押圧機構の間に介在する離型紙の、ガラスクロス側の面にてマトリックス樹脂が挟まれる。このため、ガラスクロスの織り目の凹部をマトリックス樹脂が埋め尽くす結果となりシート状の強化繊維材剥離不能なほど強固に接合することになり、しかも表面は離型紙の面に沿った、樹脂欠損部の殆どない平滑な面のガラスクロス付き一方向プリプレグが得られる。
【0036】
本発明により得られるガラスクロス付き一方向プリプレグは、表面にガラスクロスの織り目が殆ど観察されず、ガラスクロスの上にマトリックス樹脂層が形成していることを伺わせている。またガラスクロスを引き剥がす事が出来ない程度に強固に接着し、無理に引き剥がそうとするとガラスクロスが切断する。
【0037】
【発明の効果】
本発明により得られるガラスクロス付き一方向プリプレグは、マトリックス樹脂がガラスクロスに十分に含浸し、強化繊維材層とガラスクロス層との接着性がよく、成形時・保存時両者間の剥離がなく、成形時の気泡の抱き込みもなく、高品質のガラスクロス付き一方向プリプレグを与える。
【0038】
またガラスクロス付き一方向プリプレグの表面の織り目に樹脂欠損部がなく、ガラスクロスの目ずれもない。
【0039】
その結果本発明により得られるガラスクロス付き一方向プリプレグを用いて成形した成形物はコンポジット性能が高いという効果を有する。
【0040】
【実施例】
マトリックス樹脂成分として、フェノールノボラック型エポキシ樹脂/ビスフェノールA型エポキシ樹脂:70/30重量部、硬化剤成分としてDICY/DMU:5/3部の混合比からなる目付44g/m2↑の2種の樹脂フィルムを準備し、この樹脂フィルムを離型紙に担持し巻き取る際、ガラスクロスを離型紙の反対側の面に合わせ接着しガラスクロス付きの樹脂フィルムとして巻き取った。ガラスクロスとして、目付24.5g/m2↑を使用した。
【0041】
同時に樹脂組成が同一で目付のみ35g/m2↑とした樹脂フィルムを別途製作した。強化繊維材として、炭素繊維(強度430Kgf/mm2↑、弾性率24ton/mm2↑)束を引き揃えた、目付150g/m2↑シート状炭素繊維を準備した。
【0042】
シート状炭素繊維の一方の面にガラスクロス付きの樹脂フィルムを、ガラスクロス面がシート状炭素繊維とが接するように配し、他方の面にガラスクロスのない樹脂フィルムを配し、含浸のための加熱押圧機構に供給した。この際の温度100〜120℃、押圧力7〜8kg/cmの線圧にて段階的に含浸させ、均一なガラスクロス付き一方向プリプレグを得た。このガラスクロス付き一方向プリプレグをガラスクロスのない面に離型紙、ガラスクロスの面にポリエチレンフィルムを配し巻き取った。このガラスクロス付き一方向プリプレグの樹脂含有率(RC)は32重量%であった。
【0043】
【比較例】
比較のために、同一のシート状炭素繊維の両面に、上記した樹脂フィルムのうちガラスクロスを接着していない樹脂フィルムを供給し、同一条件にて炭素繊維間に樹脂を含浸させ、次いで28重量%の樹脂で処理されたガラスクロスを配し、60℃、2kg/cmにて加熱押圧しガラスクロスを接着させ、同様にして巻き取った。このガラスクロス付き一方向プリプレグのRCは32重量%であった。この両者のガラスクロス付き一方向プリプレグを一辺1mの正方形に切断し、23℃、RH65%にコントロールされた室内に7日間、平に静置した後、評価した。
【0044】
その結果、本発明により得られるガラスクロス付き一方向プリプレグは、強化繊維材の軸方向、幅方向の何れにも剥離は認められなかった。また、端部を少量のアセトンで剥離し、暫時放置しアセトンを揮発後、幅30mmに切断し、端部のガラスクロスを直径8mmのガラス棒に巻き付け、転がすようにして徐々にガラスクロスを剥がし、簡便法にて接着状態をテストした結果、20mm以上剥がすことは出来ず、ガラスクロスに破断部が認められ徐々に全面破断した。
【0045】
これに対し、比較例に示したガラスクロスを後から接着したガラスクロス付き一方向プリプレグでは、シート状炭素繊維とガラスクロスとが炭素繊維の軸方向および幅方向にU字状の剥離が見られた。簡便剥離テストでは、抵抗はあるがガラスクロスを破断するには至らず、引き剥がすことが出来た。
【0046】
また、両者を目視観察の結果、本発明のガラスクロス付き一方向プリプレグは表面が平滑であり、ガラスクロス乱反射がなく炭素繊維の黒がそのまま目視され、またガラスクロスの織り目は殆ど目視されず、樹脂の欠損部も認められなかった。
【0047】
これに対し比較例の後接着ガラスクロス付き一方向プリプレグは、ガラスクロスの織り目が観察され全体に白っぽく見えた。また、表面はガラスクロスの梨地状であった。
Claims (1)
- ホットメルト法でガラスクロス付き一方向プリプレグの製造にあたり、あらかじめ樹脂フィルムとガラスクロスの生機とを重ねて接着した後、シート状の強化繊維材列とを、ガラスクロス面と強化繊維材列面とが隣接するように重ね、次いで加熱・押圧機構に供給しマトリックス樹脂をガラスクロス層を通過させながら強化繊維材に浸透・含浸させる事を特徴とするガラスクロス付き一方向プリプレグの製造方法。
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JPH11960A JPH11960A (ja) | 1999-01-06 |
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