JP3767545B2 - 筒形防振装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、ゴムブッシュを筒形の相手部材に圧入し、嵌合状態に保持するようになした筒形防振装置に関し、特にゴムブッシュの外筒が樹脂にて構成されたものに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、剛性の外筒及び内筒と、それら外筒及び内筒間に配置されたゴム弾性体とを有するゴムブッシュを、外筒の外面において筒形の剛性の相手部材に圧入して、ゴムブッシュを相手部材にて嵌合状態に保持するようになした筒形防振装置が、自動車のトレーリングアームブッシュ,トルクロッドブッシュ等のサスペンションブッシュやエンジンマウント等として広く用いられている。
【0003】
この種の筒形防振装置は、従来ゴムブッシュの外筒,内筒,相手部材が何れも金属製であり、ゴムブッシュの外筒を所定の締め代で相手部材に圧入すると、外筒の外面と相手部材の内面との間に発生する強い摩擦力に基づいてゴムブッシュが相手部材から抜け防止される。
【0004】
ところで、近年ゴムブッシュの外筒を樹脂化することが検討されており、この場合、樹脂から成る外筒の弾性復元力が応力緩和により低下し、更に熱影響を受けることにより大きく応力緩和を生じ、初期には所定の締め代をもって圧入したとしても、その後の経時変化により外筒の相手部材に対する弾性復元力が低下し、抜き力が低下してしまう問題が内在する。
【0005】
この問題の対策の一例が下記特許文献1に開示されている。
図11はその具体例を示している。同図において200はゴムブッシュで、金属製の内筒202と、その外周面に一体に固着されたゴム弾性体204と、更にそのゴム弾性体204の外周面に一体に固着された樹脂製の外筒206とを有している。
208は金属製の筒形をなす相手部材で、ゴムブッシュ200は、この相手部材208内部に圧入されて嵌合状態に保持されている。
【0006】
樹脂製の外筒206及びゴム弾性体204は、それぞれ軸方向端部(図中下端部)にフランジ部210及び212を有しており、また外筒206は、これとは反対側の軸方向端部且つ相手部材208から軸方向に突き出した部分に、互いに逆方向に傾斜する傾斜面214,216を備えた、部分的に厚肉の係合部218を有している。
ゴムブッシュ200は、相手部材208への圧入後において、この係合部218が相手部材208の軸端に係合することによって相手部材208から抜け防止される。
【0007】
【特許文献1】
実開平5−77637号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら図11に示す筒形防振装置の場合、外筒206の一部、詳しくは係合部218の部分が相手部材208から軸方向に突き出し、外部に露出して外気に曝されていることから劣化を生じ易い問題の外、相手部材208から突き出して露出した部分に飛び石等が当ったりして割れを生じ易い問題がある。
更にこの筒形防振装置の場合、必然的にゴムブッシュ200の軸方向長が相手部材208よりも長くなければならず、形状的な制約を受ける問題がある。
【0009】
更にこの例の筒形防振装置の場合、外筒206が割れを生じない範囲で最大の締め代をもって外筒206を相手部材208に圧入することが望ましいが、この場合相手部材208との嵌合部分において最大の締め代を設定すると、圧入時に部分的な厚肉部分である係合部218の部分が過大に縮径させられることとなって、同部分で割れを生じ易いといった問題がある。
一方で係合部218の部分で割れを生じないように圧入時の締め代を設定すると、圧入後において外筒206の、相手部材208との嵌合部分での締め代が不足してしまうといった問題を生ずる。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の筒形防振装置はこのような課題を解決するために案出されたものである。
而して請求項1のものは、樹脂製の外筒と、内筒と、それら外筒及び内筒間に配置されたゴム弾性体とを有するゴムブッシュを、該外筒の外面において筒形の剛性の相手部材に圧入して該ゴムブッシュを該相手部材にて嵌合状態に保持するようになした筒形防振装置において、前記相手部材の内面に、径方向外方に凹陥した形態の凹陥部を軸方向に部分的に形成して該相手部材の内面の形状を、該凹陥部と非凹陥部との境界部に段付部を有する段付形状となす一方、前記外筒の外面を該相手部材への圧入前の状態で前記非凹陥部よりも大径となし、樹脂の弾性変形を利用して該外筒を縮径させながら該相手部材内部に圧入し、該外筒の前記凹陥部に対向して位置する部分を圧入後の弾性復元力で拡径させて、該外筒の外面形状を前記相手部材の内面形状に倣った段付形状となし、該相手部材の段付部と該外筒の段付部とを軸方向に且つ抜け方向に互いに係合させたことを特徴とする。
【0011】
請求項2のものは、請求項1において、前記外筒の、前記凹陥部に対向して位置する部分の前記弾性復元力による拡径方向の戻り変形の変形量を他部よりも大となし、以って該外筒の外面形状を前記相手部材の内面形状に倣った段付形状となしたことを特徴とする。
【0012】
請求項3のものは、請求項1,2の何れかにおいて、前記外筒の外面を前記相手部材への圧入前の状態で実質的に軸方向のストレート形状となしてあることを特徴とする。
【0013】
請求項4のものは、請求項1〜3の何れかにおいて、前記凹陥部を軸方向の中間部に設けて、該凹陥部の軸方向両側の非凹陥部と該凹陥部との境界部に、軸方向に互いに逆向きをなす一対の段付部を形成してあることを特徴とする。
【0014】
請求項5のものは、請求項1〜4の何れかにおいて、前記相手部材を軸方向の分割構成とし、大径の内径を有する分割筒体にて前記凹陥部を形成したことを特徴とする。
【0015】
請求項6のものは、請求項1〜5の何れかにおいて、前記相手部材の内面には、径方向外方に凹陥した形態の凹陥部を周方向に部分的に形成して該相手部材の内面を周方向に段付部を有する段付形状となしてあることを特徴とする。
【0016】
請求項7のものは、請求項1〜6の何れかにおいて、前記凹陥部の内径を、圧入前の状態において前記外筒の対応する部分の最大外径と同等以下となしてあることを特徴とする。
【0017】
【作用及び発明の効果】
以上のように本発明は、相手部材の内面の形状を、凹陥部を有する段付形状となし、ゴムブッシュにおける樹脂製の外筒の外面を、圧入により樹脂の弾性変形を利用して相手部材の内面の形状に倣った段付形状となし、それらの段付部をゴムブッシュの抜け方向に係合させたもので、本発明によれば、それら外筒及び相手部材の段付部の係合作用によってゴムブッシュの抜き力を効果的に高め得、ゴムブッシュの抜けを良好に防止することができる。
【0018】
本発明は、相手部材の内面と外筒の外面とを係合させるものであり、従って外筒が相手部材から軸方向に突出しない形態で筒形防振装置を構成することが可能となる。
そしてこのようになした場合、外筒の、相手部材から突き出した部分が外気に曝されて劣化し、また飛び石等が当って割れを生じる等の問題を解決することができる。
またゴムブッシュを相手部材よりも長くすることの制約が除かれて筒形防振装置の設計の自由度が増す効果が得られる。
【0019】
本発明においては、外筒の、凹陥部に対向して位置する部分の弾性復元力による拡径方向の戻り変形の変形量を他部よりも大となすことによって、外筒の外面形状を相手部材の内面形状に倣った段付形状となすことができる(請求項2)。
更に外筒の外面を相手部材への圧入前の状態で実質的に軸方向のストレート形状となしておくことができる(請求項3)。
【0020】
このように外筒の外面を軸方向のストレート形状とすることで、図11に示す筒形防振装置における問題、即ち外筒206に径方向外方に突出する部分的な厚肉部を形成することによって、圧入の際に同部分が過度に縮径方向に締め付けられ、割れを生じてしまうといった問題を解決することができる。
【0021】
請求項4は、上記凹陥部を軸方向の中間部に設けて、その凹陥部の軸方向両側の非凹陥部との境界部に、軸方向において互いに逆向きをなす一対の段付部を形成したもので、この場合、相手部材に圧入されたゴムブッシュは、相手部材に対し軸方向且つ互いに逆方向に係合した状態となり、何れの方向に対しても良好に抜け防止される。
本発明は、特に外筒がフランジ部を有しない形態のものに適用して効果が大である。
【0022】
請求項5は、相手部材を軸方向に複数分割し、そして大径の内径を有する分割筒体にて前記凹陥部を形成したもので、このようになすことで容易に相手部材の内面に凹陥部及び段付部を形成することができる。
【0023】
本発明においてはまた、相手部材の内面に凹陥部を周方向に部分的に形成しておくことができ(請求項6)、この場合、相手部材とそこに圧入されたゴムブッシュとを周方向に係合させ得て、同方向の相対移動を阻止することが可能となる。
【0024】
本発明ではまた上記凹陥部の内径を、圧入前の状態において上記外筒の対応する部分の最大外径と同等以下となしておくことができる(請求項7)。
【0025】
【実施例】
次に本発明の実施例を図面に基づいて詳しく説明する。
この例は自動車のトーションビーム式リヤサスペンションにおけるトレーリングアームと車体との連結部分に用いられる筒形防振装置の例で、図2はゴムブッシュ10を、図3は図2のゴムブッシュ10を圧入すべき相手部材12を、図1は図3の相手部材12に図2のゴムブッシュ10を圧入して組み付けた状態をそれぞれ示している。
尚、図1において14は相手部材12から延び出したアームである。
【0026】
図2に示しているように、ゴムブッシュ10は円筒形状をなす内筒16と、同じく円筒形状をなす外筒18と、それらの間に配置されて内筒16及び外筒18を弾性的に連結するゴム弾性体20とを有している。
ここで内筒16は金属製とされ、また外筒18は樹脂製とされている。
尚、内筒16については剛性のある樹脂を用いることも可能である。
またゴム弾性体20には、同図に示しているように一対の空所(すぐり)22が軸方向に沿って形成されている。
【0027】
外筒18には、図2(B)に示しているように軸方向一端(図中左端)にフランジ部24が形成されており、またこれに対応してゴム弾性体20にも軸方向一端にフランジ部26が形成されている。
【0028】
ここでゴムブッシュ10は、図4に示す外筒18の外径、詳しくはフランジ部24を除いた部分の外径dが直径67mmとされている。
また外筒18の軸方向長、詳しくはフランジ部24を除いた部分の軸方向長lが、相手部材12の軸方向長Lとほぼ同等とされている。
【0029】
尚本例において、外筒18を構成する樹脂としては各種のものを用いることができる。
詳しくは、かかる外筒18の構成樹脂として熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂等を用いることができ、その中でも振動入力に対する耐衝撃強度や外筒18としての成形性に優れる熱可塑性樹脂が好適に用いられる。
【0030】
また熱可塑性樹脂材料としてはポリアミド(芳香族ポリアミドや変性ポリアミドを含む),ポリエステル(変性ポリエステルを含む),ポリプロピレン,ポリカーボネート,ポリアセタール,ポリフェニレンサルファイド,変性ポリフェニレンエーテル等があり、その中でも強度や充填材による補強効果,コストのバランスに優れるポリアミドが好適に用いられる。
【0031】
またそのような樹脂材料を補強するために樹脂材料に配合ないしは混合される充填材としてガラス繊維,炭素繊維,アラミド繊維,ボロン繊維,アルミナ繊維,金属繊維,炭化珪素繊維,ガラスビーズ,ウィスカー,ワラスナイト,カオリナイト,タルク,マイカ,カーボンナノチューブ他、珪酸マグネシウム若しくは珪酸アルミニウムの層で構成される層状フィロ珪酸塩、例えばモンモリロナイト,ヘクトライト,バーミキュライト,ハロサイト等があるが、その中でも補強効果の高さやコストの点からガラス繊維が好適に用いられる。
また使用部位によっては充填材のない非強化樹脂材料も用いることができる。
本例の外筒18の樹脂材料は、ポリアミド66(PA66)に充填材としてガラス繊維30%を混合したものを用いている。
【0032】
一方図3に示す相手部材12は、全体としてゴムブッシュ10に対応した円筒形状をなしている。
ここで相手部材12はその全体が金属にて構成されている。
【0033】
図3(B)に示しているように、相手部材12にはその内面に軸方向半分に亘って径方向外方に凹陥する形態の凹陥部28が環状に形成されており、かかる凹陥部28と非凹陥部30との境界に段付部32が形成されている。
【0034】
ここで凹陥部28の内径D(図4参照)は、圧入前のゴムブッシュ10の外筒18の外径dと等しい寸法とされている。
一方非凹陥部30の内径Dは、外筒18の外径dよりも小さい寸法、具体的にはここでは直径65mmの寸法とされている。
尚、凹陥部28の軸方向長Lは、全体の軸方向長Lに対して丁度1/2の寸法とされている。但しLの寸法は適宜変更可能である。
【0035】
本例の筒形防振装置では、図4に示すようにしてゴムブッシュ10を相手部材12内部に軸方向に圧入して、ゴムブッシュ10を相手部材12にて嵌合状態に保持するようにする。
このとき、樹脂製の外筒18は弾性変形を伴って縮径しつつその外面において相手部材12の内部に圧入される。
そして圧入後、外筒18の相手部材12における凹陥部28に対向して位置する部分が弾性復元力によって拡径し、凹陥部28内に部分的に入り込んだ状態となる。
【0036】
そして外筒18の外面形状は相手部材12の内面形状に倣った段付形状に変形する。
詳しくは、図1において凹陥部28に対応した部分が大径部34、非凹陥部30に対応した部分が小径部36をなす段付形状に変形し、そして外筒18における段付部38が、相手部材12の内面に形成された段付部32に対して軸方向且つ抜け方向、即ち図中左向きに係合した状態となる。
そしてこれら段付部32と38との係合作用によって、ゴムブッシュ10の相手部材12からの高い抜き力が得られ、ゴムブッシュ10が良好に抜け防止される。
【0037】
因みに図5は、図1〜図4に示す実施例品の抜き力を図6(B),(C)に示す比較例品1及び比較例品2(但し相手部材12-1,12-2のみ開示)との比較において示したものである。
【0038】
ここで比較例品1は、図6(A)に示す実施例品の相手部材12と異なって、相手部材12-1の内面に凹陥部28及び段付部32を設けず、その内面の形状を軸方向のストレート形状となしたものである。
尚その内径はDで、上記実施例の非凹陥部30の内径と同等である。
また比較例品2は、相手部材12-2の内面をブラスト処理して表面粗さを粗くしたものである(通常は表面粗さが数μmであるのに対しここでは30μm程度の表面粗さとしている)。
【0039】
図5において、(A)は圧入後に常温放置した場合の抜き力の経時変化の測定結果であり、また(B)は熱間放置(80℃)した場合の抜き力の経時変化の測定結果である。
【0040】
図5(A)の常温放置の場合の結果において、比較例品2は初期抜き力が高く、その分、時間経過後(500時間経過後)も高い抜き力を保持している。
また比較例品1は初期抜き力が低い分だけ、時間経過後の抜き力は低くなっている。
これに対し実施例品の場合、初期抜き力が低いために時間経過後の抜き力は比較例品2に比べれば低くなっているが、初期抜き力に対する時間経過後の抜き力の低下率(経時変化率)は比較例品1,比較例品2に比べて格段と優れている。
【0041】
一方図5(B)の熱間放置の場合、比較例品1,比較例品2ともに経時変化による抜き力は大幅に低下しているにも拘わらず、実施例品の場合、抜き力の低下は少なく抑えられている。
【0042】
以上のように本例の筒形防振装置の場合、外筒18及び相手部材12の各段付部32,38の係合作用によって、ゴムブッシュ10の抜き力を効果的に高め得、ゴムブッシュ10が相手部材12から抜けるのを良好に防止することができる。
【0043】
また本例ではゴムブッシュ10の外筒18を相手部材12から軸方向に突出させず、相手部材12の内面で外筒18を軸方向に係合させていることから、図11に示す従来の筒形防振装置のように、相手部材208から外筒206が外部に露出することによって劣化し、或いはまたそこに飛び石等が当って外筒206が割れを生じるといった不具合を生じない。
【0044】
またゴムブッシュ10を相手部材12よりも必ず長くしなければならないといった制約がなく、筒形防振装置の設計の自由度が増す利点が得られる。
また本例では、外筒18の外面が軸方向にストレート形状をなしているため、図11に示す筒形防振装置における問題、即ち外筒206に径方向外方に突出する部分的な厚肉部を形成することによって、圧入の際に同部分が過度に縮径方向に締め付けられ、割れを生じてしまうといった問題を解決することができる。
【0045】
図7は本発明の他の実施例を示している。
この内(A)は、相手部材12における段付部32をテーパ状に形成した例で、また(B)は相手部材12を分割筒体18Aと18Bとの2分割構成とし、内径の大きな分割筒体18Bによって凹陥部28を形成し、そしてその凹陥部28と非凹陥部30との境界に段付部32を形成した例である。
【0046】
更にまた(C)は、相手部材12を分割筒体18C,18D,18Eの3分割構成とし、そして軸方向の中間部に位置する内径の最も大きな分割筒体18Dにて凹陥部28を形成し、凹陥部28とその軸方向両側の非凹陥部30との境界に、軸方向において互いに向きが逆となる一対の段付部32を形成した例である。
【0047】
これら図7(B),(C)に示すように、相手部材12を軸方向に複数分割し、そして大径の内径を有する分割筒体18B,18Dにて凹陥部28を形成するようになした場合、容易に筒形の相手部材12の内面に凹陥部28及び段付部32を形成することができる。
【0048】
また図7(C)の場合、相手部材12に圧入されたゴムブッシュ10が、軸方向且つ互いに反対向きの両方向に抜止めされた状態となり、従って図7(C)によれば、ゴムブッシュ10がフランジ部24を有しないものであっても、即ちフランジ部24による相手部材12への当接によって、軸方向の抜けを防止するといったことができない場合であっても、相手部材12内部に圧入されたゴムブッシュ10を支障なく軸方向の両方向に抜け防止することができる。
【0049】
図8は本発明の更に他の実施例を示したもので、この例は相手部材12の内面に且つ周方向に沿って、径方向外方に凹陥する形態の凹陥部40と非凹陥部42とを交互に設け、それら凹陥部40と非凹陥部42との境界に段付部44を形成したものである。
【0050】
相手部材12の内面をこのような段付形状になしておいた場合、そこに圧入したゴムブッシュ10の樹脂製の外筒18が、その内面形状に倣った形状に変形し、これによってゴムブッシュ10が相手部材12に対し周方向に強く拘束された状態となる。
【0051】
以上は外筒18の外面を軸方向のストレート形状となした例であるが、外筒18の外面を軸方向の非ストレート形状となすことも可能である。
図9はその具体例を示している。
図9(B)において(イ)は外筒18の外面形状の、凹陥部28に対向する部分の軸方向の一部を径方向外方に突出する周方向の環状の突出部46として形成した例である。
【0052】
また(ロ)は外筒18の外面形状を、フランジ部24から反対側の軸方向端に向って外径が漸次増大した後、一定軸方向長に亘って同じ外径を保ち、その後外径が漸次小となるような形状で形成し、以って相手部材12における非凹陥部30から凹陥部28にかけて外筒18の外面形状を径方向外方に突出する突出部48として形成した例を示している。
【0053】
更に(ハ)は外筒18の外面形状をフランジ部24から反対側の軸方向端に向って外径が漸次増大するような形状で形成した例を示している。
更に(ニ)は外筒18の外面形状を微細な凹凸50を有する形状に形成した例を示している。
【0054】
一方図10は外筒18の内面形状を非ストレート形状となした例を示したもので、この内(B)(イ)は外筒18の内面形状の、凹陥部28に対向する部分の軸方向の一部を部分的に径方向内方に突出させて成る周方向の環状の突出部52として形成した例を示している。
また(ロ)は外筒18の内面形状の、凹陥部28に対向する部分をほぼ全体的に径方向内方に且つ周方向に環状に突出させて成る突出部54として形成した例を示している。
【0055】
以上本発明の実施例を詳述したがこれはあくまで一例示であり、本発明は上記自動車のトーションビーム式リヤサスペンションにおける筒形防振装置以外の各種筒形防振装置に適用することが可能であるなど、その趣旨を逸脱しない範囲において種々変更を加えた形態で構成可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である筒形防振装置を示す図である。
【図2】同実施例におけるゴムブッシュを圧入前の状態で示す図である。(A):(B)の左側面図である。
(B):(A)のB−B断面図である。
【図3】同実施例における相手部材を示す図である。
【図4】同実施例におけるゴムブッシュと相手部材との寸法関係を圧入方向とともに示す図である。
【図5】本実施例におけるゴムブッシュの抜き力の経時変化を比較例とともに示す図である。
【図6】図5の測定に用いた比較例品における相手部材の内面形状を実施例品のそれと比較して示した図である。
【図7】本発明の更に他の各実施例の要部を示した図である。
【図8】本発明の更に他の実施例の要部を示した図である。
【図9】本発明の更に他の各実施例の要部を示した図である。
【図10】本発明の更に他の各実施例の要部を示した図である。
【図11】従来の筒形防振装置の一例を示す図である。
【符号の説明】
10 ゴムブッシュ
12 相手部材
16 内筒
18 外筒
18A,18B,18C,18D,18E 分割筒体
20 ゴム弾性体
28,40 凹陥部
30,42 非凹陥部
32,38,44 段付部
外筒の外径
凹陥部の内径

Claims (7)

  1. 樹脂製の外筒と、内筒と、それら外筒及び内筒間に配置されたゴム弾性体とを有するゴムブッシュを、該外筒の外面において筒形の剛性の相手部材に圧入して該ゴムブッシュを該相手部材にて嵌合状態に保持するようになした筒形防振装置において、
    前記相手部材の内面に、径方向外方に凹陥した形態の凹陥部を軸方向に部分的に形成して該相手部材の内面の形状を、該凹陥部と非凹陥部との境界部に段付部を有する段付形状となす一方、前記外筒の外面を該相手部材への圧入前の状態で前記非凹陥部よりも大径となし、樹脂の弾性変形を利用して該外筒を縮径させながら該相手部材内部に圧入し、該外筒の前記凹陥部に対向して位置する部分を圧入後の弾性復元力で拡径させて、該外筒の外面形状を前記相手部材の内面形状に倣った段付形状となし、該相手部材の段付部と該外筒の段付部とを軸方向に且つ抜け方向に互いに係合させたことを特徴とする筒形防振装置。
  2. 請求項1において、前記外筒の、前記凹陥部に対向して位置する部分の前記弾性復元力による拡径方向の戻り変形の変形量を他部よりも大となし、以って該外筒の外面形状を前記相手部材の内面形状に倣った段付形状となしたことを特徴とする筒形防振装置。
  3. 請求項1,2の何れかにおいて、前記外筒の外面を前記相手部材への圧入前の状態で実質的に軸方向のストレート形状となしてあることを特徴とする筒形防振装置。
  4. 請求項1〜3の何れかにおいて、前記凹陥部を軸方向の中間部に設けて、該凹陥部の軸方向両側の非凹陥部と該凹陥部との境界部に、軸方向に互いに逆向きをなす一対の段付部を形成してあることを特徴とする筒形防振装置。
  5. 請求項1〜4の何れかにおいて、前記相手部材を軸方向の分割構成とし、大径の内径を有する分割筒体にて前記凹陥部を形成したことを特徴とする筒形防振装置。
  6. 請求項1〜5の何れかにおいて、前記相手部材の内面には、径方向外方に凹陥した形態の凹陥部を周方向に部分的に形成して該相手部材の内面を周方向に段付部を有する段付形状となしてあることを特徴とする筒形防振装置。
  7. 請求項1〜6の何れかにおいて、前記凹陥部の内径を、圧入前の状態において前記外筒の対応する部分の最大外径と同等以下となしてあることを特徴とする筒形防振装置。
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