JP3767132B2 - 高延性を有し、かつ材質均一性に優れた高強度熱延鋼板の製造方法 - Google Patents

高延性を有し、かつ材質均一性に優れた高強度熱延鋼板の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、特に延性や伸びフランジ性等の優れた加工性が要求される自動車足廻り用材料等に好適な、高延性を有し、かつ材質均一性に優れた高強度熱延鋼板の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
現在、自動車足廻り用材料に使用される高強度熱延鋼板は、強度が40、50kgf/mm2 レベルの鋼板である。しかし、近年、自動車の軽量化と衝突安全性能の向上が盛んに叫ばれるようになり、これらの要求を満足するため、薄肉化による軽量化を目的とした鋼板の高強度化へのニーズが高まっており、将来的には80kgf/mm2 レベルの鋼板使用の可能性も十分に考えられる。80kgf/mm2 レべルの鋼板の製造にあたっては、安定して所定の強度が得られていることに加えて自動車足廻り用材料に使用されるために良好な延性や伸びフランジ性等の加工性が確保されていることが要求される。
【0003】
80kgf/mm2 レベルの高強度化を確保するためには、析出強化あるいは組織強化等を利用する必要があるが、低温変態相を利用する組織強化では巻取温度を低めなければならない。例えば特開平05−179396号公報に、NbCやTiCを析出させたフェライトとマルテンサイトおよび残留オーステナイトからなる組織とした、低YR(降伏比)で延性に優れる鋼板が公開されている。
【0004】
しかし、このような組織を有する鋼板を製造するには、実質的に巻取温度を390〜475℃まで下げる必要があるので、薄鋼板では形状が劣化し矯正により生産効率が低下するばかりか矯正量の増加に伴い延性が低下し加工性が低下するという問題がある。このような形状の問題を回避しつつ80kgf/mm2 レベルの高強度を確保するためには、低温変態相を生成させずに析出強化を主体に強度を確保する必要がある。また、C含有量を低減して、フェライト単相もしくはフェライト面積率が85%以上である組織とし、析出強化で強度を確保することで、高強度を達成しながら優れた伸びフランジ性を有する鋼板が、特開平06−200351号公報、特開平06−287685号公報そして特開平07−070696号公報に公開されている。
【0005】
一方、特開昭50−2620号公報にNbとTiを複合添加した鋼板の巻取温度を制御することで、80kgf/mm2 レベルの強度を有する鋼板の安定製造方法が公開されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特開平06−287685号公報および特開平07−070696号公報では、ε−Cuの析出強化も利用するもので、Cu添加鋼板はリサイクル性に劣るという問題があり、環境問題が重視されている今日においては積極的に活用すべき手段であるとはいい難い。また特開平06−200351号公報は、TiCを主体とした炭化物をポリゴナルフェライ卜中に分散させる技術に関するものであるが、到達強度レベルは70kgf/mm2 であり、80kgf/mm2 レベルの強度が安定的に確保できる製造方法については言及されていない。
【0007】
一方、特開昭50−2620号公報の技術は、巻取温度を500〜600℃とすることにより、析出物を大量かつ微細に析出させ、80kgf/mm2 以上の強度を安定的に得るものであるが、巻取温度が600℃では得られる強度が81.5kgf/mm2 と80kgf/mm2 レベルの鋼板の強度保証の観点からは安定製造性に不安が残り、さらに強度を高める為には巻取温度を500〜550℃まで下げる必要があるが、その場合伸びは20%未満と高延性を確保することができない。
このように、Cuを添加することなく一般的な析出強化元素であるTi、Nbの添加のみで80kgf/mm2 以上の強度の安定確保を保証しつつ、高延性でかつ形状劣化のない熱延鋼板を安定して製造する技術は未だ確立されていないのが現状である。
【0008】
本発明の目的は、このような現状を鑑み、リサイクル性が問題となるCuの添加による強化を利用せずに、TiとNbの複合添加をベースに、80kgf/mm2 以上の強度をコイル全長に渡って安定して確保しつつ、かつポリゴナルフェライトを有する組織とすることで延性に優れかつ形状劣化のない高強度熱延鋼板を製造する方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決し目的を達成するために、本発明は以下に示す手段を用いている。
(1)本発明の製造方法は、重量%で、C:0.08〜0.2%と、Mn:1〜2.5%と、Si:1%以下と、S:0.01%以下と、Sol.Al:0.01〜0.1%と、N:0.01%以下と、Ti:0.05〜0.2%と、Nb:0.005〜0.04%とを含有し、且つ下記(1)式を満たし、残部がFe及び不可避的不純物とからなり、さらに面積率で80%以上のポリゴナルフェライト地にベイニティックフェライト、パーライト、及びベイナイトの群から選択された一種以上が分散した組織を有する鋼板を製造する方法において、
連続鋳造鋼スラブを1200℃以上に加熱後圧延を開始するかまたは鋳造後直送圧延を行い、Ar3 以上の仕上温度で熱間圧延を終了する工程と、
仕上圧延された鋼板を、580〜620℃で巻取後10分越え30分以内に、巻取ったコイルの全体を空冷以上の冷却速度で冷却する工程と、
を備えたことを特徴とする、高延性を有し、かつ材質均一性に優れた高強度熱延鋼板の製造方法である。
【0010】
{(Nb%/92.9)/(Ti%/47.9)}≦0.13 …(1)
(2)本発明の製造方法は、鋼成分として、重量%でさらに、Cr:0.1〜1%を含有することを特徴とする、上記(1)に記載の高延性を有し、かつ材質均一性に優れた高強度熱延鋼板の製造方法である。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明者らは、上記の課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、以下の知見を得るに至った。
80kgf/mm2 レベルの強度を安定して確保するためには、上述したように、析出強化のみで強度を確保することで鋼板中のC含有量を低減し延性を改善する方法では、絶対的な強度の安定確保の保証が困難である。そこで、鋼板中のC含有量は従来の高強度熱延鋼板のレベルのままでフェライト−パーライト組織をベースとして検討を行った。従来の高強度熱延鋼板のC含有量レベルで延性を改善するためには、巻取温度を高めポリゴナルフェライトを有する組織とすることが必要である。
【0012】
しかしながら、巻取温度を高めることは、析出強化に寄与する微細析出物の凝集粗大化を促進するため、強度の低下につながる。
そこで、本発明者らは、巻取温度を高めかつ強度確保を図る技術を得るべく詳細に調査した結果、以下に示す新規知見を得た。
従来の高強度熱延鋼板のC含有量レベルである0.13C−0.35Si−1.7Mn−0.14Ti−0.03Nb−0.18Crを基本組成とする鋼板の、材質およびポリゴナルフェライト面積率に及ぼす巻取温度の影響を実機試作にて調査した。その結果を図1に示す。
【0013】
図1からわかるように、面積率で80%以上のポリゴナルフェライトを主体とした組織とするには、巻取温度は580℃以上とする必要がある。また、ポリゴナルフェライト量の増大に伴いコイル全体で伸びは増大していくが、コイルTop部では強度が低下しない。これは、微細析出物の析出状態に関係している。
【0014】
0.13C−0.3Si−1.8Mn−0.03Nb−0.12Ti−0.2Crを含有する実験室熱間圧延後の鋼板を、600℃の温度で種々の時間保持後水冷しその状態での微細析出物の析出状態を凍結する実験を行い、引張試験を行った結果を図2に示す。
【0015】
図2に示すように巻取温度が600℃では、析出強化に寄与する微細析出物の析出状態を表す降伏強度(YP)が、ある保持時間で極大値をとった後減少していき一定値に達することが分かる。このことは短時間の保持時間では微細析出物の析出が不十分であり、長時間の保持時間では微細析出物の粗大化が生じてしまうことを示唆している。また、さらに重要な点は、YPが極大値をとる、すなわち微細析出物の析出状態が最も有効に析出強化に寄与する状態において、伸びが低下しないという点である。すなわち、図1に示したように巻取後の冷却速度の速いコイルTop(頂)部及びBottom(尾)部では高延性でかつ高強度を達成することができるが、冷却速度の遅いコイルMiddle(中間)部では高強度が得られない。しかし、逆にコイルMiddle部でも巻取後の冷却条件を制御することによって、コイル全体に渡って、高強度でかつ高延性を有する高強度熱延鋼板の製造が可能である。また、TopおよびBottom部で一般に材質のバラツキが大きいことも、上記知見により説明できる。したがって、TopおよびBottom部についても冷却条件を制御することでバラツキの少ない均一な材質を得ることが可能である。
【0016】
以上の新規知見に基づき、本発明者らは、Ti,Nb複合添加析出強化型高張力鋼板の延性を改善するために、巻取り温度及び巻取り後のコイル全体の冷却条件(冷却開始時間,冷却速度)を一定範囲内に制御して、面積率80%以上のポリゴナルフェライトを主体とした組織に調整するようにして、コイル全長に渡って80kgf/mm2 以上の強度を安定して確保しつつかつ高延性を有する高強度熱延鋼板が得られることを見出し、本発明を完成させた。
【0017】
すなわち、本発明は、鋼組成、組織及び製造条件を下記範囲に限定することにより、リサイクル性が問題となるCuの添加による強化を利用せずに、TiとNbの複合添加をベースに、80kgf/mm2 以上の強度をコイル全長に渡って安定して確保しつつ、かつポリゴナルフェライトを有する組織とすることで延性に優れかつ形状劣化のない高強度熱延鋼板の製造方法を提供することができる。
【0018】
以下に、本発明の成分添加理由、成分限定理由、組織の限定理由及び製造条件の限定理由について、説明する。
(1)成分組成範囲及び鋼組織
C:0.08〜0.2%
鋼の高強度化のためには必須の元素であり、本発明に於けるような80kgf/mm2 以上の高強度を得るためには少なくとも0.08%は必要であるが、過剰に添加すると鋼中のセメンタイトが増加してしまい伸びフランジ性等の延性を劣化させてしまうので、その添加量の上限は0.2%である。
【0019】
Mn:1〜2.5%
固溶強化元素として鋼の高強度化には有効な元素であり、80kgf/mm2 以上の高強度を得るためには少なくとも1%は必要であるが、過剰な添加はコスト高となり経済的に不利であるので、その添加量の上限は2.5%である。
【0020】
Si:1%以下
Mnと同様に固溶強化元素として鋼の高強度化に有効な元素であるが、過剰な添加は表面性状を劣化させるのでその添加量の上限は1%である。
【0021】
P:0.05%以下
固溶強化元素として有効な元素であるが、過剰に添加すると加工性および溶接性の劣化を招くので、その添加量の上限は好ましくは0.05%である。
【0022】
S:0.01%以下
鋼中に過剰に存在すると加工性を劣化させるので、その鋼中含有量の上限は0.01%である。
【0023】
Sol.Al:0.01〜0.1%
脱酸剤として必要な元素であり、そのためには0.01%は必要であるが、過剰の添加は伸びフランジ性等の延性を劣化させるので、その添加量の上限は0.1%である。
【0024】
N:0.01%以下
鋼中に過剰に存在すると、本発明の場合、粗大な(Ti,Nb)Nの析出量が増加してしまい強度確保が困難となるので、その鋼中含有量の上限は0.01%である。
Ti:0.05〜0.2%、Nb:0.005〜0.04%、且つ{(Nb%/92.9)/(Ti%/47.9)}≦0.13
Tiは微細TiCとしてフェライト中に析出させ鋼板の強度を確保するためには、少なくとも0.05%は必要であるが、過剰の添加はコスト高となり経済的に不利であるので、その添加量の上限は0.2%である。
【0025】
Nbは圧延中のオーステナイトの再結晶を抑制し圧延後の冷却時にベイナイト組織を得るために必要であり、そのためには0.005%は必要であるが、過剰な添加は鋼中に粗大な(Ti,Nb)Nや(Nb,Ti)Cを多量に析出させ強度確保が困難となるので、その添加量の上限は0.04%であり、かつTiとNbの添加量割合は、所望の強度を得るために、{(Nb%/92.9)/(Ti%/47.9)}≦0.13を満足するものとする。
【0026】
さらに、本発明では、上記の合金元素の他に、鋼板の加工性を高めるために、Crを以下の範囲で含有してもよい。
Cr:0.1〜1%
加工性を損なう粗大なパーライトの生成を抑制する元素であり、効果を得るためには0.1%以上必要であるが、過剰の添加はコスト高となり経済的に不利であるのでその添加量の上限は1%である。
【0027】
以上の成分系を基本とするが、本発明における鋼板は必要に応じて、伸びフランジ性向上のためCaを0.01%以下、耐食性向上のためMo、Ni、Cuをそれぞれ1%以下よりなる群から選ばれる少なくとも一種以上をそれぞれ含有しても構わない。
【0028】
組織:本発明における鋼板の組織は、伸びフランジ性等の延性の観点から、面積率で80%以上のTiCの微細析出物によって強化したポリゴナルフェライトにべイナイトまたはパーライトもしくはベイニティックフェライトが混在したものとする。即ち、ポリゴナルフェライトの面積率については、前述の本発明者らの実験結果(図1)で説明したように、高強度熱延鋼板のC含有量レベルで高延性を得るために、80%以上にする必要がある。この面積率が80%未満では、所望の強度及び延性を確保することができない。
【0029】
また、延性及び伸びフランジ性等の観点から、面積率で80%以上のポリゴナルフェライト地に、ベイニティックフェライト、パーライト、及びベイナイトの群から選択された一種以上が分散した組織にすることが望ましい。
上記の成分組成範囲及び組織に調整することにより、リサイクル性が問題となるCuの添加による強化を利用せずに、TiとNbの複合添加をベースに、80kgf/mm2 以上の強度をコイル全長に渡って安定して確保しつつ、かつポリゴナルフェライトを有する組織とすることで延性に優れかつ形状劣化のない高強度熱延鋼板を得ることが可能となる。
【0030】
このような特性の鋼板は、以下の製造方法により製造することができる。
(2)鋼板製造工程
(製造方法)
上記の成分組成範囲に調整した鋼を転炉にて溶製し、連続鋳造によりスラブにした後、鋼スラブを1200℃以上に加熱後圧延を開始するか、または鋳造後直送圧延を行い、Ar3 以上の仕上温度で熱間圧延を終了し、次いで、580〜620℃で巻取後10分越え30分以内に、巻取ったコイルの全体を空冷以上の冷却速度で冷却する。
【0031】
a.スラブ加熱温度:1200℃以上
本発明においては、スラブ中に析出しているTiおよびNbの析出物を一旦鋼中に再固溶させる必要があり、そのためのスラブ加熱温度は1200℃以上は必要である。
【0032】
b.仕上温度(FT):Ar3 点以上
フェライト域での圧延となってしまうと、粗大なα展伸粒が生成し延性および強度が低下してしまうので、FTはAr3 点以上である必要がある。
【0033】
c.巻取温度(CT):580〜620℃
CTが620℃を越えると、微細TiCの粗大化を抑制することが現実的に困難となり、強度を確保することができない。また、CTが580℃未満では、図1で示したように、面積率で80%以上のポリゴナルフェライトを確保することができないので、その下限は580℃である。
d.巻取後のコイル全体の冷却:巻取後10分超え30分以内に空冷以上の冷却速度で冷却
巻取後のコイル全体の冷却速度は、上記した面積率で80%以上のポリゴナルフェライトを主体とした組織に調整するため、空冷以上が必要である。ただし、巻取直後にコイル全体を冷却してしまうと、オーステナイトが残存した状態からの冷却となつてしまい面積率で80%以上のポリゴナルフェライトが得られず高延性が達成できないので、コイル全体の冷却開始時間の下限は10分超えとする。また、冷却開始時間が遅いと、微細TiCが粗大化してしまい強度の確保が困難となるので、その上限は30分である。
【0034】
なお、巻取後のコイル全体の冷却方法は空冷以上の冷却速度が確保できるものであれば、例えばコイル水冷ヤードの利用や、オープンコイルの状態での強制空冷の利用等、特に規定するものではない。
【0035】
本発明の対象は通常の熱延鋼板以外に、酸洗熱延鋼板や熱延鋼板に亜鉛メッキや錫メッキ等を施した表面処理鋼板を含む。
また、鋼の溶製は転炉、電気炉のいずれでもよく、上記原理から、スラブを一旦冷却することなく連続鋳造後に直送圧延を行っても同様な効果を得ることができる。
以下に本発明の実施例を挙げ、本発明の効果を立証する。
【0036】
【実施例】
次に本発明の実施例を示す。
表1に示す化学成分を有する連続鋳造スラブ(A,B,D,E,F:本発明鋼、C:比較鋼)を転炉で溶製後、1250℃にて3〜5時間保持後、あるいは一部のスラブについては直送にて表2に示す条件No.1〜14(本発明例:No.1〜6、比較例:No.7〜14)にて熱間圧延を行い(Ar3 以上の仕上温度で圧延)、板厚4.5mmの熱延鋼板のコイルを作製した。このようにして製造したコイルを仮置き場へ搬送し、ミスト水冷により表2に示す条件にてコイル全体を冷却した後、コイルTop部5m、Middle部そしてBottom部10mの各位置から、コイル幅方向中央部よりL(長手)方向にJIS5号引張試験片を採取し引張試験を行い、また組織観察も行ってポリゴナルフェライトの面積率を測定した。
【0037】
表3に引張試験の結果を示す。本発明の製造方法を適用した本発明例No.1〜5および直送圧延にて製造した本発明例No.6のコイルについては、コイル全長に渡って80kgf/mm2 以上の強度を安定確保しており、かつ高延性を有しているので、本発明の製造方法を適用することにより、材質均一性に優れかつ高延性を有する高強度熱延鋼板が得られることがわかり、直送にて熱間圧延を開始してもその効果が同様に得られることがわかる。
【0038】
しかし、比較例No.7のコイルは、鋼板の化学成分が本発明の範囲外であるため本発明の製造方法を適用しても強度を確保することができなかった。比較例No.8〜12は、表1に示した本発明鋼A,B,D,E,Fと同様の化学成分を有し、かつ熱間圧延終了までは本発明の製造方法を適用しながら、コイル巻取後に本発明の製造方法を適用せずに通常通り空冷したコイルである。これらのコイルでは、コイル位置により強度の確保にバラツキが生じており、コイル全長に渡って均一な材質を得ることはできなかった。これは、前述した図2において詳述したように、コイルTopおよびBottom部では材質のバラツキが大きく、また巻取後の冷却速度が遅いコイルMiddle部では析出強化に寄与する微細TiCの粗大化が生じるため強度の確保ができず、結果的にコイル位置により材質がばらついてしまうためである。また比較例No.13は本発明鋼Aを用いながら、巻取温度(CT)を本発明の製造方法よりも下げたものであり、比較例No.14は本発明鋼Fを用いながらCTを本発明の製造方法よりも高めたものである。CTを本発明の製造方法より下げてしまうと、面積率で80%以上のポリゴナルフェライトが得られないばかりかベイニティックフェライ卜を主体とした組織となってしまい、高延性が得られない。また、CTを本発明の製造方法より高めると、析出強化に寄与する微細TiCの凝集粗大化が起こってしまい強度を確保することができない。
【0039】
【表1】
Figure 0003767132
【0040】
【表2】
Figure 0003767132
【0041】
【表3】
Figure 0003767132
【0042】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば、鋼組成、組織及び製造条件を特定することにより、TiおよびNbの複合添加をベースにリサイクル性が問題となるCu添加による強化を利用することなしに、80kgf/mm2 以上の強度をコイル全長に渡って安定して確保し、かつポリゴナルフェライトを有する組織とすることで延性に優れる高強度熱延鋼板が得られる。
従って、本発明は、延性や伸びフランジ性等の優れた加工性が要求される自動車足廻り用材料等に適用することができ、産業上非常に有効な技術である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る鋼板の材質(機械的特性)及びポリゴナルフェライト面積率に及ぼす巻取り温度の影響を示す図。
【図2】本発明の実施の形態に係る鋼板の材質(機械的特性)に及ぼす巻取り保持時間の影響を示す図。

Claims (2)

  1. 重量%で、C:0.08〜0.2%と、Mn:1〜2.5%と、Si:1%以下と、S:0.01%以下と、Sol.Al:0.01〜0.1%と、N:0.01%以下と、Ti:0.05〜0.2%と、Nb:0.005〜0.04%とを含有し、且つ下記(1)式を満たし、残部がFe及び不可避的不純物からなり、さらに面積率で80%以上のポリゴナルフェライト地にベイニティックフェライト、パーライト、及びベイナイトの群から選択された一種以上が分散した組織を有する鋼板を製造する方法において、
    連続鋳造鋼スラブを1200℃以上に加熱後圧延を開始し又は鋳造後直送圧延を行い、次いでAr3 以上の仕上圧延温度で熱間圧延を終了する工程と、
    仕上圧延された鋼板を、580〜620℃で巻取後10分越え30分以内に、巻取ったコイルの全体を空冷以上の冷却速度で冷却する工程と、
    を備えたことを特徴とする、高延性を有し、かつ材質均一性に優れた高強度熱延鋼板の製造方法。
    {(Nb%/92.9)/(Ti%/47.9)}≦0.13 …(1)
  2. 鋼成分として、重量%でさらに、Cr:0.1〜1%を含有することを特徴とする、請求項1に記載の高延性を有し、かつ材質均一性に優れた高強度熱延鋼板の製造方法。
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