JP3767092B2 - 熱交換フィン - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は瞬間式給湯器等の熱交換器に用いられる熱交換フィンに関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の熱交換フィンの従来例を図4〜図6を参照して説明する。図4は従来の熱交換フィンを用いた熱交換器の断面図、図5は従来の熱交換フィンの要部の斜視図、図6は熱交換フィンと燃焼缶体との接合部分の詳細図である。
従来、給湯器等においては、燃焼缶体1の内空間に、多数枚の整列せられた熱交換フィン10とそれらを貫通する水管2とからなる熱交換器が配置せられる。前記燃焼缶体1内空間の下方には図示しないバーナが配置され、バーナの燃焼によって発生した高温の燃焼排ガスが上昇して熱交換フィン10の間を通過する際に熱交換フィン10側に熱交換され、これによって水管2内の水等が加熱せられる。
前記熱交換フィン10には、例えばその左右両辺の肩部11や下側部12に、直角方向に折れ曲がった折れ曲がり縁11a 、12a が設けられ、この折れ曲がり縁11a 、12a によって前記下方から上昇してくる燃焼排ガスがフィン10の中央を通らずに、フィン10の側方を通って逃げて行くのを防止するようにしている。
また一方、前記熱交換フィン10の左右両辺には、前記肩部11と下側部12との間に、前記燃焼缶体1の内壁に対してロウ付けにより接合される中央部13が設けられ、該中央部13にも直角方向に折れ曲がった折れ曲がり縁13a が、前記折れ曲がり縁11a 、12a とは独立して、設けられ、該折れ曲がり縁13a によって、前記ロウ付けの接合面積を確保するようにしていた。
即ち、図6を参照して、従来は熱交換フィン10群を燃焼缶体1の内空間に固定するのに、棒状等のロウ材Rを、燃焼缶体1の内壁と熱交換フィン10の中央部13と肩部11との隙間Sに配置し、炉等内で加熱してロウ付けを行っていた。前記ロウ材Rは加熱されることで、溶融し、熱交換フィン10の中央部13の折れ曲がり縁13a と燃焼缶体1の内壁との隙間に侵入し、両者をロウ付けする。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記した従来の熱交換フィン10においては、特にロウ材Rが内側に反っている場合等、ロウ付けを行う際に溶融したロウが、熱交換フィン10の中央部13の折れ曲がり縁13a の内側にも流れ易く、このため、中央部13の折れ曲がり縁13a と燃焼缶体1の内壁との隙間へのロウの侵入が悪くなり、ロウ付け不良を起こす問題があった。
【0004】
そこで本発明は、上記従来の熱交換フィンの欠点を解消し、燃焼缶体内壁とのロウ付けが安定して確実に行え、且つ燃焼排ガスが熱交換フィンの中央を通らずに側方を通って逃げて行くのを防止することができる熱交換フィンの提供を課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を達成するため、本発明の熱交換フィンは、燃焼缶体の内空間に複数枚が整列配置されると共にそれらを水管が貫通するようになされた熱交換フィンであって、該熱交換フィンの左右両辺には、少なくとも斜めに構成された肩部と垂下して構成されて前記燃焼缶体の内壁に対して接合せられる中央部とを有し、且つ前記肩部と前記中央部とには、それらの間に接続領域を介して途切れることなく連続する直角方向の折れ曲がり縁を構成すると共に、接続領域と中央部の折れ曲がり縁との接続角度、及び接続領域と肩部の折れ曲がり縁との接続角度を、何れの接続角度をも90度を超える鈍角に構成してあることを特徴としている。
【0006】
上記本発明の特徴によれば、斜めに構成された肩部の折れ曲がり縁と垂下する中央部の折れ曲がり縁とが途中で途切れることなく連続して構成されているので、ロウ付け作業の際、例えロウ材が多少反った状態となっていても、確実に折れ曲がり縁の外側に配置せられることになる。よってロウ材が中央部の折れ曲がり縁と燃焼缶体の内壁との間に流れ易い状態となる。また折れ曲がり縁が連続しているので、溶融したロウが折れ曲がり縁の内側に流れることが十分に防止せられる。
以上より、溶融したロウが中央部の折れ曲がり縁と燃焼缶体の内壁との間に確実に侵入せられ、ロウ付けが確実に且つ安定してなされる。
また、折れ曲がり縁は肩部から中央部にかけて途中で途切れることなく連続せられているので、燃焼排ガスが熱交換フィンの中央部を通らずに側方へ逃げるのが防止せられる。
【0007】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の熱交換フィンを用いた熱交換器の断面図、図2は熱交換フィンの要部の斜視図、図3は熱交換フィンと燃焼缶体との接合部分の詳細図である。
【0008】
燃焼缶体1の内空間に、熱交換フィン20が多数枚、整列せられた状態で配置され、それらの熱交換フィン20群を貫通して水管2が設けられている。実際には、水管2に対して多数枚の熱交換フィン20を一定の間隔で取り付けて一体化したものを、燃焼缶体1の内空間に配置し、燃焼缶体1の内壁と接触する各熱交換フィン20の左右の縁でロウ付けし、また燃焼缶体1を貫通する水管2の貫通位置等でロウ付けして、固定する。前記燃焼缶体1内空間の下方には図示しないバーナが配置され、バーナの燃焼によって発生した高温の燃焼排ガスが上昇して熱交換フィン20の間を通過する際に熱交換フィン20側に熱交換され、これによって水管2内の水等が加熱せられる。
前記熱交換フィン20には、その左右両辺の肩部21や下側部22に、直角方向に折れ曲がった折れ曲がり縁21a 、22a が設けられ、この折れ曲がり縁21a 、22a によって前記下方から上昇してくる燃焼排ガスがフィン20の中央を通らずに、フィン20の側方を通って逃げて行くのを防止するようにしている。
また一方、前記熱交換フィン20の左右両辺には、前記肩部21と下側部22との間に、前記燃焼缶体1の内壁に対してロウ付けにより接合される中央部23が設けられ、該中央部23にも直角方向に折れ曲がった折れ曲がり縁23a が設けられ、該折れ曲がり縁23a によって、前記ロウ付けの接合面積を確保するようにされている。
【0009】
以上は、略従来の熱交換フィンと同じ構成である。
本発明の熱交換フィン20は、前記燃焼缶体1の内壁との間でロウ付けを行うべき左右両辺の中央部23の折れ曲がり縁23a をその肩部21の折れ曲がり縁21a と連続させて形成し、途中で途切れないように構成している。
前記中央部23の折れ曲がり縁23a と肩部21の折れ曲がり縁21a とを連続させて途切れないようにするためには、中央部23から肩部21への接続領域Zにおいて、急角度の曲がり角を形成しないようにすることが、連続した折れ曲がり縁を一体成型する上で重要である。
図2に明示されるように、本発明では接続領域Zと中央部23の折れ曲がり縁23a との接続角度Θ1 、及び接続領域Zと肩部21の折れ曲がり縁21a との接続角度Θ2 は何れも90度を越える鈍角に調整して、曲げ加工或いは付加絞り的な加工が可能なように考慮している。
【0010】
以上のように熱交換フィン20の左右辺の中央部23の折れ曲がり縁23a と肩部21の折れ曲がり縁21a とを連続して形成することで、ロウ付けを容易に、確実に、安定して行うことができる。
即ち、図3を参照して、ロウ付け作業に際しては、燃焼缶体1の内空間に配置された熱交換フィン20群と燃焼缶体1の内壁とが接触する位置の直ぐ上に構成される隙間Sに対して棒状等のロウ材Rを配置する。中央部23の折れ曲がり縁23a と肩部21の折れ曲がり縁21a とが連続するので、前記ロウ材Rが多少、反っていたり、曲がっていたりしても、そのロウ材Rが折れ曲がり縁21a 、23a の内側に入り込んで位置せられてしまうといったことが防止される。
ロウ付けは、ロウ材Rを配置した状態で、炉内等で加熱、冷却されることによって行われる。その際、前記ロウ材Rは加熱されることで、溶融し、重力で下方に流れ、熱交換フィン20の中央部23の折れ曲がり縁23a と燃焼缶体1の内壁との隙間に侵入し、両者をロウ付けする。中央部23の折れ曲がり縁23a と肩部21の折れ曲がり縁21a とが連続して、途中で切れていないので、前記溶融したロウが中央部23の折れ曲がり縁23a の内側へ流れてしまうといったことが確実に防止できる。即ち、ロウ付け不良が防止される。
【0011】
【発明の効果】
本発明は以上の構成よりなり、請求項1に記載の熱交換フィンによれば、熱交換フィンの左右両辺には、少なくとも斜めに構成された肩部と垂下して構成されて燃焼缶体の内壁に対して接合される中央部とを有し、且つ前記肩部と前記中央部とには、それらの間に接続領域を介して途切れることなく連続する直角方向の折れ曲がり縁が構成されているので、
斜めに構成された肩部の折れ曲がり縁と垂下する中央部の折れ曲がり縁とが途中で途切れることなく連続して構成されていることで、ロウ付け作業の際、例えロウ材が多少反った状態となっていても、該ロウ材を確実に折れ曲がり縁の外側に配置することができる。よってロウ材を中央部の折れ曲がり縁と燃焼缶体の内壁との間に流れ易い状態とすることができる。
また肩部の折れ曲がり縁と垂下する中央部の折れ曲がり縁とが途中で途切れることなく連続して構成されていることで、ロウ付けの際に溶融したロウが折れ曲がり縁と燃焼缶体の内壁との隙間に流れ込まずに、折れ曲がり縁の内側に流れてしまうといったことを十分に防止することができる。
以上により、本発明の熱交換フィンによれば、ロウ材を適所に確実に配置させることができ、且つ溶融したロウを中央部の折れ曲がり縁と燃焼缶体の内壁との間に確実に侵入させることができ、ロウ付けを容易に、確実に、安定して行うことができる。
また、折れ曲がり縁を肩部から中央部にかけて途中で途切れることなく連続させているので、燃焼排ガスが熱交換フィンの中央部を通らずに側方へ逃げるのを一層確実に防止することができる。
そして特に、接続領域と中央部の折れ曲がり縁との接続角度、及び接続領域と肩部の折れ曲がり縁との接続角度を、何れの接続角度をも90度を超える鈍角に構成してあるので、中央部と肩部との接続領域において、急角度の曲がり角を形成しないようにすることができ、連続した折れ曲がり縁の加工を途切れることなく構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の熱交換フィンを用いた熱交換器の断面図である。
【図2】熱交換フィンの要部の斜視図である。
【図3】熱交換フィンと燃焼缶体との接合部分の詳細図である。
【図4】従来の熱交換フィンを用いた熱交換器の断面図である。
【図5】従来の熱交換フィンの要部の斜視図である。
【図6】熱交換フィンと燃焼缶体との接合部分の詳細図である。
【符号の説明】
1 燃焼缶体
2 水管
20 熱交換フィン
21 肩部
21a 折れ曲がり縁
23 中央部
23a 折れ曲がり縁
S 隙間
R ロウ材
Claims (1)
- 燃焼缶体の内空間に複数枚が整列配置されると共にそれらを水管が貫通するようになされた熱交換フィンであって、該熱交換フィンの左右両辺には、少なくとも斜めに構成された肩部と垂下して構成されて前記燃焼缶体の内壁に対して接合せられる中央部とを有し、且つ前記肩部と前記中央部とには、それらの間に接続領域を介して途切れることなく連続する直角方向の折れ曲がり縁を構成すると共に、接続領域と中央部の折れ曲がり縁との接続角度、及び接続領域と肩部の折れ曲がり縁との接続角度を、何れの接続角度をも90度を超える鈍角に構成してあることを特徴とする熱交換フィン。
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JP15575297A JP3767092B2 (ja) | 1997-05-28 | 1997-05-28 | 熱交換フィン |
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