JP3766355B2 - 湿気硬化性エポキシ樹脂組成物 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、目地材、シーラントまたは接着剤などとして好適な湿気硬化性エポキシ樹脂組成物に関する。
【0002】
ケチミンやオキサゾリジンを潜在性硬化剤とする一液型エポキシ樹脂において、貯蔵安定性は大きな問題である。この問題に対して、WO98/31722には、立体障害性の潜在性硬化剤を利用することが開示されているが、これらの潜在性硬化剤は高い貯蔵安定性を示すが、必ずしも高い満足を与えるものではない。
【0003】
一方、分子中にイソシアネート基を2以上有するイソシアネート化合物は、アミン、ポリオールなどの硬化剤との反応により、三次元架橋構造を形成し、高強度、高伸度、耐摩耗性、耐脂性などの優れたポリウレタン硬化物となる。このイソシアネート化合物の主鎖にエーテル骨格の繰返し単位を存在させれば、可撓性硬化物が得られる。このようなウレタンポリマーを主剤とするポリウレタン組成物は従来より、目地材、シーラント、接着剤などとして広く利用されている。このようなイソシアネート基を有するウレタンポリマーは、空気中の水分と反応し、脱炭酸ガスを伴いながら硬化するので、一液型湿気硬化性ポリウレタン組成物となり得る。硬化剤の活性水素を化学的にブロッキングした湿気潜在性硬化剤を使用すれば、硬化をコントロ−ルできるとともに発泡を抑制することができる。
一液型湿気硬化性ポリウレタン組成物は、主剤と硬化剤とを作業時に混合する二液型ポ リウレタン組成物に比べて作業性が格段に向上するため、有用性が高いことは言うまでもない。
【0004】
ところで湿気硬化性ポリウレタン組成物を特にシーラント、目地材などとして使用する場合には、作業性はよいが液垂れしない性質、すなわち揺変性(チクソトロピー性、耐スランプ性)が求められる。この揺変性は、ポリウレタン組成物に、通常、フィラーとして炭酸カルシウムを使用し、コロイド状シリカなどを配合して改善される。
【0005】
炭酸カルシウムは、通常重質または軽質(コロイダル炭酸カルシウムまたは沈降炭酸カルシウム)の2種類が知られている。重質炭酸カルシウムは、前記のように、コロイド状シリカと組合されて揺変性一液型湿気硬化性ポリウレタン組成物に使われる。一方、一般的な軽質炭酸カルシウムは、貯蔵安定性が低く、一液型湿気硬化性ポリウレタン組成物には使われない。
【0006】
このため表面積の大きい軽質炭酸カルシウムを、一液型湿気硬化性ポリウレタン組成物に使用する場合には、貯蔵安定性を確保するために、該炭酸カルシウムを脂肪酸エステル(特許第2652044号)またはウレタン化合物(特開1998−245221号)で表面処理する必要がある。それにより、揺変性を有する一液型湿気硬化性ポリウレタン組成物を提供することができる。しかし、これらの炭酸カルシウムを使用するだけでは、必ずしも高い貯蔵安定性を与えるものではない。また、前記したコロイド状シリカの添加は、本質的にウレタン組成物の硬化時の発泡、クラックの発生、モジュラスが高くしすぎるという課題がある。
【0007】
このような状況に鑑みて、本発明者は先に、脂肪酸エステルで表面処理した炭酸カルシウムを含有するポリウレタン組成物に、脂肪酸シリルエステル(特許第2719105号)または脂肪酸シリルエステル基を有するポリシロキサン(特許第2749763号)を配合して貯蔵安定性を向上させることを提案した。特に脂肪酸シリルエステルを配合したポリウレタン組成物は、軽質炭酸カルシウムの配合を可能にし、揺変性および貯蔵安定性を付与することができる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
揺変性、貯蔵安定性にともに有効な脂肪酸シリルエステル基であるが、本発明者は、状況によっては、脂肪酸シリルエステル基が加水分解し、遊離カルボン酸(脂肪酸)を生じる場合があることを知見した。すなわち脂肪酸シリルエステル基は加水分解性が高いため、フィラーとして使用される炭酸カルシウムなどの中に本質的に含まれる水分により、貯蔵中に加水分解され、遊離カルボン酸を生じる。このため潜在性硬化剤、特にオキサゾリジンおよびケチミンの場合には該遊離酸による加水分解が促進され、貯蔵安定性を低下させる場合があることを知見した。また、エポキシ樹脂も遊離してくるカルボン酸により活性化され、貯蔵安定性を低下させる原因となる。
このため、特に無機フィラーを含むエポキシ樹脂組成物の貯蔵安定性を現況よりも一層向上することができる貯蔵安定化剤、およびこの貯蔵安定化剤を含み、貯蔵安定性に優れるとともに、作業時の硬化速度が速く、機械的特性に優れた硬化物を得ることができる一液型エポキシ樹脂組成物の出現が望まれている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前記のような課題は、以下の本発明によって解決することができる。
すなわち本発明は、以下の(i)〜(v)を提供する。
(i)エポキシ樹脂と、下記式(1)で示されるN−シリルアミド化合物と、湿気潜在性硬化剤とを含有する湿気硬化性エポキシ樹脂組成物。
(R 1 −CONH) 4-n −Si−R 2 n (1)
(式中、R 1 はヘテロ原子を含んでいてもよい炭素数5〜21の炭化水素基であり、nが0、1または2のとき、R 1 は同じであっても異なっていてもよい。R 2 は炭素数1〜3のアルキル基またはアルコキシ基であり、nは0、1、2または3である。)
(ii)前記N−シリルアミド化合物の含有量が、前記エポキシ樹脂100重量部に対して、0.5〜30重量部である、上記(i)に記載の湿気硬化性エポキシ樹脂組成物。
(iii)更に、分子中に2以上のイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーと、無機フィラーとを含有する、上記(i)に記載の湿気硬化性エポキシ樹脂組成物。
(iv)前記エポキシ樹脂の含有量が、前記ウレタンプレポリマー100重量部に対して、1〜100重量部であり、
前記N−シリルアミド化合物の含有量が、前記ウレタンプレポリマー100重量部に対して、0.5〜30重量部であり、
前記無機フィラーの含有量が、前記ウレタンプレポリマー100重量部に対して、1〜300重量部である、上記(iii)に記載の湿気硬化性エポキシ樹脂組成物。
(v)前記湿気潜在性硬化剤が、オキサゾリジン、ケチミン、エナミンおよびシリルメルカプタンから選ばれる、上記(i)〜(iv)のいずれかに記載の湿気硬化性エポキシ樹脂組成物。
【0010】
また本発明は、前記いずれかの湿気硬化性エポキシ樹脂組成物からなるシーラントまたは接着剤を提供する
【0011】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の湿気硬化性エポキシ樹脂組成物(以下単に「エポキシ樹脂組成物」ともいう)および該組成物の用途について詳細に説明する。
【0012】
本発明の湿気硬化性エポキシ樹脂組成物は、エポキシ樹脂と、後述する式(1)で示されるN−シリルアミド化合物と、湿気潜在性硬化剤とを含有する。本発明の湿気硬化性エポキシ樹脂組成物は、引張り強度などの機械的特性に優れるとともに、硬化速度が速く、かつ貯蔵安定性に優れ、貯蔵後も硬化速度、揺変性に大きな変化を伴わない湿気硬化性エポキシ樹脂組成物である。
従来のケチミンを使用した一液型湿気硬化性エポキシ樹脂組成物は貯蔵安定性に大きな問題があったが、本発明のエポキシ樹脂組成物により、この問題を見事に克服することができた。
このエポキシ樹脂組成物は、該エポキシ樹脂100重量部に対し、N−シリルアミド化合物を好ましくは0.5〜30重量部、より好ましくは1〜20重量部の割合で、湿気潜在性硬化剤を好ましくは0.3〜20重量部、より好ましくは0.5〜20重量部の割合で含有する。
また、エポキシ樹脂組成物は、無機フィラーを含有することができる。
【0013】
本発明の湿気硬化性エポキシ樹脂組成物は、無機フィラーを含有し、更に、分子中に2以上のイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーを含有するのが好ましい態様の一つである。この態様は、引張り強度などの機械的特性に優れるとともに、接着性に優れ、硬化速度が速く、揺変性を有し、かつ貯蔵安定性に優れ、貯蔵後も硬化速度、揺変性に大きな変化を伴わない
この態様において、配合量は、得られる組成物の硬化速度、硬化後の組成物の硬さ、圧縮・引張強度等により適宜決定される
エポキシ樹脂の含有量は、ウレタンプレポリマー100重量部に対して、好ましくは1〜100重量部であり、より好ましくは1〜50重量部である。特にシーラント、目地材などの用途に使用する場合には、エポキシ樹脂の含有量は、ウレタンプレポリマー100重量部に対し、1〜30重量部であるのがより好ましい。
N−シリルアミド化合物の含有量は、ウレタンプレポリマー100重量部に対して、0.好ましくは5〜30重量部、より好ましくは1〜20重量部である。
無機フィラーの含有量は、ウレタンプレポリマー100重量部に対して、好ましくは1〜300重量部、より好ましくは10〜250重量部である。
【0014】
本発明に用いられるエポキシ樹脂は、エポキシ基を1分子中に2以上持つポリエポキシ化合物であれば、特に制限はない。例えばビスフェノールAのグリシジルエーテル型エポキシ樹脂およびその誘導体、グリセリンのグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、ポリアルキレンオキサイドのグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、フェノールノボラックのグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、ダイマー酸のグリシジルエステル型エポキシ樹脂、ビスフェノールFのグリシジルエーテル型エポキシ樹脂およびそれらの変性樹脂などが挙げられる。これらのうちでも、ビスフェノールAのグリシジルエーテル型エポキシ樹脂およびその変性樹脂が好適に用いられる。ビスフェノールAのグリシジルエーテル型エポキシ樹脂の場合、平均重合度は1〜20の液状、半固体および固体のいずれでもよい。
【0015】
本発明に用いられるN−シリルアミド化合物は、式(1)で示される化合物である。
【0016】
(R 1 −CONH) 4-n −Si−R 2 n (1)
【0017】
(式中、R 1 はヘテロ原子を含んでいてもよい炭素数5〜21の炭化水素基であり、nが0、1または2のとき、R 1 は同じであっても異なっていてもよい。R 2 は炭素数1〜3のアルキル基またはアルコキシ基であり、nは0、1、2または3である。)
【0018】
本発明に用いられるN−シリルアミド化合物は、より具体的には上記式(1)で示される化合物およびその部分加水分解縮合物を含む。これらのN−シリルアミド化合物は、容易に加水分解し、アミド化合物(R 1 −CONH 2 基含有化合物)とシラノール化合物(HO−Si≡基含有化合物)を生成するため、湿気硬化性エポキシ樹脂組成物の水分を容易に除去することができる。そのため貯蔵安定性の向上に寄与する。また、生成したアミド化合物は揺変性を向上させる役割をする。
【0019】
1 としては、具体的にフェニル、ベンジル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ペンタデシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシル、オクタデシル、ノナデシル、エイコシルなどのアルキル基、オレイン酸残基、リノール酸残基、リノレイン酸残基などの酸残基などが挙げられ、なかでもフェニル、ペンタデシル、ヘプタデシル基およびオレイン酸残基が好適である。
2 としては、具体的にはメチル、エチル、プロピル、メトキシ、エトキシ、プロポキシであり、なかでもメチル、エチル、メトキシ、エトキシが好ましい。
【0020】
N−シリルアミド化合物の合成方法は、特に限定しないが、一例を挙げれば、R 1 基を含むカルボン酸アミドと、式S i −R 2 n 4-n (R 2 およびnは式(1)と同じ、Xはハロゲン)で示されるハロゲン化シラン化合物とから合成することができる。
カルボン酸アミドとしては、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ウンデカン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、セロチン酸、モンタン酸、メリシン酸などの直鎖飽和脂肪酸;カプロレイン酸、オレイン酸、セトレイン酸、ソルビン酸、リノール酸、リノレン酸などの不飽和脂肪 酸;安息香酸、フェニル酢酸などの芳香族カルボン酸などから選ばれるカルボン酸のアミド誘導体など、またはこれらの2種以上の組合わせが挙げられる。特にパルミチン酸、ステアリン酸およびオレイン酸のアミド化合物が好ましい。
【0021】
ハロゲン化シラン化合物としては、テトラクロロシラン、メチルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、トリメチルクロロシラン、ビニルトリクロロシラン、2−クロロエチルトリクロロシラン、エチルトリクロロシラン、2−シアノエチルトリクロロシラン、アリルトリクロロシラン、3−ブロモプロピルトリクロロシラン、メチルビニルトリクロロシラン、エチルメチルジクロロシラン、トリメチルブロモシラン、ジビニルジクロロシラン、メチル−3,3,3−トリフルオロプロピルジクロロシラン、イソブチルトリクロロシラン、ペンチルトリクロロシラン、フェニルトリクロロシラン、メチルフェニルジクロロシラン、ジメチルフェニルクロロシラン、シクロヘキシルトリクロロシラン、ベンジルトリクロロシラン、p−トリルトリクロロシラン、6−トリクロロシリル−2−ノルボルネン、2−トリクロロシリルノルボルナン、2−(4−シクロヘキシルニルエチル)トリクロロシラン、ドデシルトリクロロシラン、テトラデシルトリクロロシラン、1,2−ビス(トリクロロシリル)エタン、1,2−ビス(ジメチルクロロシリル)エタン、1,4−ビス(ジメチルクロロシリル)ベンゼンなどのクロロシラン化合物、1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ジクロロシロキサンまたはこれらの2種以上を組み合わせて使用することができる。好ましいのはクロロシラン化合物である。
【0022】
N−シリルアミド化合物は、前記のカルボン酸アミドと、ハロゲン化シラン化合物とを、活性水素を持たないヘキサン、ヘプタン、ベンゼン、トルエン、キシレン、塩化メチレン、クロロホルムなどを溶媒とし、トリエチルアミン、ピリジンなどの第三級アミンを脱塩化水素剤として、室温から100℃までの温度で反応させて合成される。
またN−シリルアミド化合物は、前記のカルボン酸アミドと、クロロシラン化合物とを、脱塩化水素剤を使用せずに120〜180℃に加熱し、生成する塩化水素ガスを除去しながら合成することもできる。触媒として、トリエチルアミン、ピリジンなどを用いることができる。
【0023】
またN−シリルアミド化合物の中の、例えばトリメチルシリル基が結合したアミド化合物は、ヘキサメチルジシラザンとアミド化合物とを、サッカリンの存在下に80〜150℃で、生成するアンモニアを溜去させながら反応させることによっても合成することができる。
【0024】
本発明に用いられるN−シリルアミド化合物を、後述する無機フィラーを含む湿気硬化性エポキシ樹脂組成物中に配合すれば、シリルエステルを配合した場合と同様に、貯蔵安定性を高めることができる。
本発明に用いられるN−シリルアミド化合物は、2種以上併用してもよい。特に好ましいN−シリルアミド化合物は、N―トリメチルシリルパルミチン酸アミド、N―トリメチルシリルステアリン酸アミド、N―トリメチルシリルオレイン酸アミドなどである。
【0025】
なお、N−シリルアミド化合物が、湿気硬化性エポキシ樹脂組成物の貯蔵安定性を向上させることは知られていない。したがって本発明は、N−シリルアミド化合物の湿気硬化性エポキシ樹脂組成物用貯蔵安定化剤としての用途も包含する。
【0026】
本発明に用いられる湿気潜在性硬化剤は、特に制限なく使用することができる。水分の非存在下では実質的に不活性であるが、水分との接触(加水分解)によりメルカプト基またはアミノ基を生成するものが好適であり、具体的にはオキサゾリジン、ケチミン(アルジミンを含む)、エナミンおよびシリルメルカプタンが好ましい。
【0027】
オキサゾリジンは、オキサゾリジン環を有する湿気潜在性化合物であればよく、例えば特公昭55−35407号、特公昭58−5913号、特開平7−33853号、特開平6−293821号、特開平9−278857号、特開2001−152080号公報などに開示されたものを使用することができる。具体的には、例えば下記式(2)で示されるオキサゾリジン化合物およびその誘導体が挙げられる。
【0028】
【化1】
Figure 0003766355
【0029】
式中R3はメチル基またはエチル基などの低級アルキル基などである。R4およびR5は、ヘテロ原子を含んでいてもよい炭素数1〜6の脂肪族炭化水素基、または炭素数6〜8の芳香族炭化水素基である。具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソブチル基、イソペンチル基、フェニル基、2,4−ジメチルフェニル基、p-メトキシフェニル基などが挙げられる。またR4とR5とが結合して炭素数6〜8の脂環式炭化水素基を形成していてもよい。R6は水素原子、メチル基または水酸基を有するアルキレン基を示す。
以下に好適なオキサゾリジンのうち数例を挙げる。
【0030】
【化2】
Figure 0003766355
【0031】
またケチミン(またはアルジミン)は、ケトン(またはアルデヒド)とアミンとの反応により得られるイミノ(=C=N−)結合を有する湿気潜在性化合物であればよく、例えば特開2001−2753号公報などに開示されたものが使用できる。
好ましいケチミンとして、ケトン(またはアルデヒド)と、アミンとから導かれるイミノ結合を有し、イミノ結合を構成する炭素または結合を構成する窒素の少なくとも一方のα位に分岐炭素または環員炭素が結合した構造、すなわち、イミノ結合のα位に嵩高い基を有するものが挙げられる。ここで環員炭素は、芳香環を構成する炭素であっても、脂環を構成する炭素であってもよい。特にイミノ結合を構成する炭素に嵩高い基が結合し、イミノ結合を構成する窒素にメチレンが結合しているものは、特に貯蔵安定性と硬化性(硬化速度)との両方に優れた一液型硬化性組成物が得られるので好ましい。
【0032】
本発明では、前記のような嵩高い基を有するケチミンとして、具体的には、(i)前記嵩高い基が結合したイミノ結合を、分子内に2以上有するケチミン、(ii)イミノ結合の炭素のα位に、ケトンまたはアルデヒドから導かれた嵩高い基を有し、かつアミノアルキルアルコキシシランから導かれるアミン成分を含むケイ素含有ケチミン、またはその重縮合ケチミンが挙げられる。
前記ケチミン(i)のうちでも、イミノ結合の炭素に嵩高い基が結合し、イミノ結合の窒素にメチレンが結合しているものは、貯蔵安定性と硬化性(硬化速度)との両方に優れた一液型硬化性組成物が得られるので好ましい。
【0033】
前記のようなケチミン(i)のうちでも、好適な具体例として、メチルイソプロピルケトン(MIPK)またはメチルt−ブチルケトン(MTBK)と、ジェファーミンEDR148(登録商標、サンテクノケミカル社販売:ポリエーテル骨格のジメチレンアミン)とから得られるもの、メチルイソプロピルケトン(MIPK)またはメチルt−ブチルケトン(MTBK)と、1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン(1,3−BAC)とから得られるもの、メチルイソプロピルケトン(MIPK)またはメチルt−ブチルケトン(MTBK)と、ノルボルナン骨格のジメチレンアミン(商品名:NBDA)とから得られるもの(例えば実施例で使用されるケチミン化合物)、メチルイソプロピルケトン(MIPK)またはメチルt−ブチルケトン(MTBK)と、メタキシリレンジアミン(MXDA)とから得られるもの、メチルイソプロピルケトン(MIPK)またはメチルt−ブチルケトン(MTBK)と、ポリアミドアミンとから得られるものなどが挙げられる。
これらの中でも、特にMIPKまたはMTBKと、NBDAとから得られるもの、MIPKと1,3−BACとから得られるものは、優れた硬化性を発現する。またMIPKまたはMTBKと、ポリアミドアミンとから得られるものは、湿潤面に対し優れた接着性を発現する。
【0034】
またアルジミンとしては、ピバルアルデヒドと、ノルボルナンジアミン(NBDA)、1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン(1,3−BAC)またはジェファーミンEDR148、メタキシリレンジアミン(MXDA)との組合わせ;イソブチルアルデヒドと、ノルボルナンジアミン(NBDA)、1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン(1,3−BAC)またはジェファーミンEDR148、メタキシリレンジアミン(MXDA)との組合わせ;シクロヘキサンカルボキシアルデヒドと、ノルボルナンジアミン(NBDA)、1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン(1,3−BAC)またはジェファーミンEDR148、メタキシリレンジアミン(MXDA)との組合わせなどから得られるものが好ましい。
【0035】
ケチミン(ii)は、アミノアルコキシシランから導かれるケイ素含有ケチミンである。このケチミンは、ケトンまたはアルデヒドのα位に嵩高い基を有するケトンまたはアルデヒドから導かれる。嵩高い基の態様は前記ケチミン(i)と同じである。
前記のようなケチミン(i)および(ii)の製造原料、製造方法などの詳細は、前記特開2001−2753号公報などに詳細に記載されている。
【0036】
エナミンは、エナミン結合を有する湿気潜在性化合物であればよく、例えば特開平7−289989号公報などに開示されたものを例示することができる。
シリルメルカプタンは、例えば特開平6−271641号公報などに開示されたものを例示することができる。
【0037】
前記のうちでもオキサゾリジン、ケチミンが好ましく用いられる。
【0038】
本発明のエポキシ樹脂組成物は、前記のような湿気潜在性硬化剤を前記エポキシ樹脂100重量部に対し、0.3〜20重量部の割合で含有することが好ましく、さらには0.5〜20重量部の割合で含有することがより好ましい。
【0039】
本発明に用いられる無機フィラーは、特に制限されるものではなく、目的、用途などに応じて選択される。
具体的には、炭酸カルシウム、コロイダルシリカ、無水珪酸、珪藻土、カーボンブラック、ホワイトカーボン、クレー、タルク、酸化チタン、生石灰、カオリン、ゼオライトなどを挙げることができる。特に炭酸カルシウムが好適に使用される。
【0040】
炭酸カルシウムとしては、高い揺変性が必要とされる場合には、軽質炭酸カルシウムが主に使用される。その場合、脂肪酸エステルまたはウレタン化合物などで表面処理されているものがより好ましく使用される。また作業性、硬化物の物性などの調整のために、重質炭酸カルシウムも併用される。また、高い揺変性が要求されない場合には、重質炭酸カルシウムが主に使用される。
【0041】
無機フィラーは、本発明のエポキシ樹脂組成物が後述するウレタンプレポリマーを更に含有する場合、所望の揺変性を得るためには、ウレタンプレポリマー100重量部に対して、通常、1〜300重量部、好ましくは10〜250重量部の割合で用いられる。なお無機フィラーの量は、前記を超え余りに多量になると、粘度が上がりすぎて作業性を低下させる傾向が出てくる。
【0042】
本発明においては、上述したように、無機フィラーを含有し、更に、分子中に2以上のイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーを含有するのが好ましい態様の一つである。
本発明に用いられるウレタンプレポリマーは、分子中に2以上のイソシアネート基(NCO基)を有するものであれば、通常のポリウレタン形成時に主剤として使用し得るウレタンプレポリマーを広く使用することができる。ウレタンプレポリマーは、通常、ポリオール化合物と過剰のポリイソシアネート化合物(すなわち水酸基(OH基)に対して等モル以上のNCO基)との反応により製造される。
前記ポリオール化合物としては、2以上の水酸基を有するものであれば特に制限されず、例えば、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、低分子ポリオール、他のポリオールなどが挙げられる。
【0043】
ポリエーテルポリオールは、1種または2種以上の低分子ポリオールに、プロピレンオキサイド、エチレンオキサイド、ブチレンオキサイド、スチレンオキサイドなどから選ばれるアルキレンオキサイド類の1種または2種以上を付加重合させて得られるものが挙げられる。
低分子ポリオールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、ヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、グリセリン、1,1,1−トリメチロールプロパン、1,2,5−ヘキサントリオール、ソルビトール、ペンタエリスリトールなどの多価アルコール、レゾルシン、ジヒドロキシスチレンおよび4,4′−ジヒドロキシフェニルプロパン(ビスフェノールA)、4,4′−ジヒドロキシフェニルメタン(ビスフェノールF)、臭素化ビスフェノールA、ビスフェノールS、ビスフェノールAF類などのビスフェノール骨格を有する芳香族ジオール類、さらにその水添物などが挙げられる。
【0044】
ポリエーテルポリオールとして、具体的には、ポリオキシプロピレングリコール(PPG)、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(PTMEG)、ポリエチレングリコール (PEG)、ポリオキシプロピレントリオール、エチレンオキサイド/プロピレンオキサイドブロック共重合体、ソルビトール系ポリオール、ビスフェノール骨格を有するジオールとアルキレンオキサイドとから得られるポリエーテルポリオール、例えば前記ビスフェノールA単位と、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド単位とを含むポリエーテルポリオールなどが挙げられる。
【0045】
ポリエステルポリオールは、前記低分子ポリオールの1種または2種以上と、グルタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、マレイン酸、フマール酸、ピメリン酸、スベリン酸、セバシン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、ピロメリット酸、ダイマー酸、オリゴマー酸、ヒマシ油、ヒマシ油とエチレングリコール/プロピレングリコールとの反応生成物などのヒドロキシカルボン酸などから選ばれる1種または2種以上の酸との縮合重合体;プロピオンラクトン、バレロラクトン、カプロラクトンなどの開環重合体で末端に二つの水酸基を有するものなどが挙げられる。
【0046】
ポリエステルポリオールとしては、例えばビスフェノールAとヒマシ油とから得られるポリエステルポリオール、ビスフェノールAとヒマシ油とエチレングリコール、プロピレングリコールとから得られるビスフェノール骨格を有するポリエステルポリオールなどが挙げられる。
【0047】
さらにアクリルポリオール、ポリブタジエンポリオール、水素添加されたポリブタジエンポリオールなどの炭素−炭素結合を主鎖骨格に有するポリマーポリオール、前記低分子ポリオールなども用いることができる。またアクリルポリオールとして、特開昭60−215007号公報に開示されている特殊な連続塊状重合で合成されたアクリルポリオールも好適に例示される。
【0048】
ウレタンプレポリマー用原料ポリオールとしては、前記のうちでも、硬化後の組成物のシーラントとしての物性の面で、数平均分子量1,000〜15,000、特に1,000〜10,000のポリエーテルポリオールが好ましい。
前記ポリオール化合物の2種以上を組合わせたものであってもよい。
【0049】
ウレタンプレポリマー用原料ポリイソシアネート化合物としては、イソシアネート基を2以上有するものであれば特に制限されない。具体的には、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4′−ジイソシアネート、ナフタレン−1,5−ジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネートなどの芳香族ポリイソシアネートおよびこれらの水素添加化合物;エチレンジイソシアネート、プロピレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネートなどの脂肪族ポリイソシアネート;イソホロンジイソシアネートなどの脂環式ポリイソシアネート;キシリレンジイソシアネート、メタテトラメチルキシリレンジイソシアネートなどの芳香環含有ポリイソシアネートなどが好適に例示される。
これらの2種以上を組み合わせたものであってもよい。
【0050】
ウレタンプレポリマーは、最終的に分子中に2以上の遊離イソシアネート基を含めば、その製造方法は特に限定されないが、通常、前記のポリオール化合物と過剰のポリイソシアネート化合物とを反応させて製造することができる。ポリオール化合物とポリイソシアネート化合物とは、ポリオール化合物中の水酸基1個あたりのポリイソシアネート化合物中のイソシアネート基の比(NCO/OH)が、通常1.2〜5.0となるように用いられ、シーラント用途では、好ましくは1.5〜2.4となるように用いられる。このような量比で用いれば、ウレタンプレポリマーの粘度が適当で、作業性が良好である。
例えばこのような量比のポリオールとポリイソシアネートとを、50〜100℃で加熱 撹拌することによって行うことができる。反応時には、必要に応じて有機スズ化合物、有機ビスマス化合物、アミンなどのウレタン化触媒を用いることもできる。
【0051】
本発明に用いられるウレタンプレポリマーは、遊離イソシアネート基からなる分子末端を2以上有するが、このNCO数は1分子あたりの平均数である。ウレタンプレポリマーの分子あたりのNCO数は2.2以上であることがより好ましい。またこのNCO数は、質量%で表示する場合には、0.4%以上であることが好ましく、より好ましくは0.5%以上である。
本発明においては、2種以上のウレタンプレポリマーを含むことができる。
【0052】
本発明の湿気硬化性エポキシ樹脂組成物には、さらにテルペン樹脂、フェノール樹脂、テルペン−フェノール樹脂、ロジン樹脂、キシレン樹脂などの接着性付与剤、シリコーン、変シリコーンなどのポリマーを配合してもよい。
【0053】
本発明の湿気硬化性エポキシ樹脂組成物には、さらに、粘度、物性の調整などを目的として、必要に応じて、硬化触媒、架橋剤、シランカップリング剤、他の充填剤、可塑剤、溶剤、接着付与剤、安定剤、着色剤などを配合してもよい。
【0054】
硬化触媒としては、例えば、テトラブチルチタネート、テトラプロピルチタネートなどのチタン酸エステル類;ジブチルスズジラウレート、ジブチルスズマレエート、ジブチルスズジアセテート、オクチル酸スズ、ナフテン酸スズなどの有機スズ化合物;オクチル酸鉛などが挙げられる。
硬化触媒の含有量は、前記樹脂成分(エポキシ樹脂およびウレタンプレポリマーの合計)100重量部あたり、0.002〜0.1重量部であることが好ましい。0.1重量部を超えると貯蔵安定性が低下し、熱劣化速度が速くなる傾向がある。
【0055】
また接着付与剤としてシランカップリングを含むこともできる。シランカップリング剤は、汎用のものを広く用いることができるが、例えばエポキシ基含有アルコキシシランが挙げられる。
エポキシ基含有アルコキシシランは、分子末端にエポキシ基と加水分解性のアルコキシシリル基を有する化合物であればよい。
【0056】
エポキシ基含有アルコキシシランのうちでも、γ−(または3−)グリシドキシプロピルトリメトキシシランが好ましく用いられる。
またクロロプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリクロロシラン、トリメトキシビニルシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランなどのエポキシ基を有さないシランカップリング剤も挙げられる。
γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシランなどのアミノ基を有するシランカップリング剤なども挙げられる。
前記シランカップリング剤以外にも、メチルシリケート、エチルシリケート(具体的には、三菱化学社製MS51、MS56)などを接着性改良のために使用することができる。
【0057】
可塑剤としては、各種の可塑剤が使用可能である。例えば、ジブチルフタレート、ジヘプチルフタレート、ジ(2−エチルヘキシル)フタレート、ブチルベンジルフタレート、ブチルフタリルブチルグリコレートなどのフタル酸エステル類;ジオクチルアジペート、ジオクチルセバケートなどの脂肪族二塩基酸エステル類;ジエチレングリコールジベンゾエート、トリエチレングリコールジベンゾエートなどのポリアルキレングリコールのエステル類;トリクレジルホスフェート、トリブチルホスフェートなどのリン酸エステル類;塩化パラフィン類;アルキルジフェニル;部分水添ターフェニルなどの炭化水素油;プロセスオイル類;アルキルベンゼン類などが挙げられる。
【0058】
充填剤としては、例えば、塩化ビニルペーストレジン、ガラスバルーン、塩化ビニリデン樹脂バルーン、アクリロニトリル・メタクリロニトリル樹脂バルーン、およびこれらの無機粉体処理物などが挙げられる。
【0059】
溶剤としては、例えば、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素、ヘキサン、ヘプタン、オクタンなどの脂肪族炭化水素、ミネラルスピリッツなどのガソリンから灯油留分に至る石油系溶剤類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン類、セロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテートなどのエーテルエステルなどが挙げられる。
【0060】
安定剤としては、ヒンダードフェノール系化合物、トリアゾール系化合物などが挙げられる。着色剤としては、チタンホワイト、カーボンブラック、ベンガラなどが挙げられる。
【0061】
本発明のエポキシ樹脂組成物は、湿気硬化性であり、一液型の組成物として使用するのが好ましいが、エポキシ樹脂を主剤側とし、主に硬化剤および/または硬化触媒を硬化剤側とする二液型としても使用できる。その場合、他の成分は主剤側、硬化剤側のいずれに含有させてもよい
【0062】
一液型のエポキシ樹脂組成物の製造方法は、特に限定されず、通常の一液型エポキシ樹脂組成物と同様に行えばよいが、製造は各成分の含水率が低い状態で、さらには無水状態で行うのが好ましい。そのため、各成分を減圧下に混合ミキサーなどの攪拌装置を用いて無水状態で十分混練し、均一に分散させて組成物を製造するのがよい。なお本発明のN−シリルアミド化合物は組成物中の水分を除去するために、混合初期に添加することが好ましい。
【0063】
【実施例】
次に本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
N−トリメチルシリルステアリン酸アミドの合成>
ステアリン酸アミドと、ヘキサメチルジシラザンとからN−トリメチルシリルステアリン酸アミドを合成した。反応式を以下に示す
【0064】
CH3(CH216CONH2+1/2(CH33SiNHSi(CH33
→CH3(CH216CONH−Si(CH33+1/2NH3
【0065】
ステアリン酸アミド800gに、トルエン400gおよびサッカリン0.5gを加え、100℃に加熱溶解した。これにヘキサメチルジシラザン260gを滴下し、滴下終了後、130℃で4時間加熱した。その後未反応のヘキサメチルジシラザンおよびトルエンを減圧留去し、N−トリメチルシリルステアリン酸アミド1003gを得た。
N−トリメチルシリルステアリン酸アミドが、IRスペクトル、1H−NMRスペクトルおよびMSスペクトルにより、下記構造であることを確認した。
【0066】
【化3】
Figure 0003766355
【0067】
N−トリメチルシリルオレイン酸アミドの合成>
ステアリン酸アミド800gの代わりに、オレイン酸アミド800gを用いた以外は、上記と同様の方法でN−トリメチルシリルオレイン酸アミド1002gを合成した。
【0068】
<ウレタンプレポリマーの合成>
ポリオキシプロピレンジオール(平均分子量2000)100g、ポリオキシプロピレントリオール(平均分子量5000)800g、およびメタテトラメチルキシリレンジイソシアネート140gを混合し(この時のNCO/OH=1.8)、混合物をN2気流中、90℃で撹拌、反応させて、イソシアネート基を1.8%含有するウレタンプレポリマーを合成した。
【0069】
(実施例1〜5および比較例1〜3)
エポキシ樹脂組成物の調製>
以下に示す各成分を表1に示す量で用い、万能混合機で混合してエポキシ樹脂組成物を調製した。
ウレタンプレポリマー前記方法で合成したも
・エポキシ樹脂:DER332、ダウケミカル社製、エポキシ当量173
炭酸カルシウム1シーレッツ200丸尾カルシウム社
炭酸カルシウム2スーパーS丸尾カルシウム社
・シリルアミド(1):前記方法で合成したN−トリメチルシリルステアリン酸アミド
・シリルアミド(2):前記方法で合成したN−トリメチルシリルオレイン酸アミド
シリルエステルKF−910信越化学工業社製粘度35mm2/秒(60℃)、融点45℃
オキサゾリジン:下記式(3)で示される化合物
ケチミン:下記式(4)で示される化合物
【0070】
【化4】
Figure 0003766355
【0071】
可塑剤:UP−100合成社
ミネラルスピリット:Aソルベント日石三菱社
エポキシシラン:A187日本ユニカー社
【0072】
得られたエポキシ樹脂組成物について、揺変性、貯蔵安定性および機械的特性を以下のように評価した。
(1)揺変性
エポキシ樹脂組成物を調製した直後の組成物の初期揺変性を、チクソインデックスにより評価した。チクソインデックスは20℃における粘度から以下のようにして求めた。結果を表1に示した。
BS型粘度計No.7ローターを使用し、20℃、1rpmおよび10rpmでの各粘度(cps)を測定し、1rpm/10rpmの粘度比をチクソインデックスとした。チクソインデックス値は高いほどチクソトロピー性が高いことを示す。
【0073】
(2)硬化時間(タックフリータイム)
JIS A5758に記載の方法に準拠して20℃、65%RHの雰囲気下で、エポキシ樹脂組成物を調製した直後の組成物の初期タックフリータイムを測定した。結果を表1に示した。
【0074】
(3)貯蔵安定性
エポキシ樹脂組成物を、密閉容器中、60℃で3日間貯蔵した後、前記チクソインデックスおよびタックフリータイムを測定した。結果を表1に示した。
【0075】
(4)伸び(Eb)
エポキシ樹脂組成物を、20℃、65%RHの雰囲気下で7日間放置し、硬化させた。この硬化物の伸び(Eb)をJIS K6251に準じて測定した。結果を表1に示した。
【0076】
【表1】
Figure 0003766355
【0077】
【発明の効果】
本発明のエポキシ樹脂組成物は、初期揺変性、硬化性を示すとともに、貯蔵安定性にも優れており、引張り強度などの機械的特性に優れた硬化物安定して与える。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、無機フィラーを含み良好な揺変性を有することから、シーラント、目地材、接着剤など、エポキシ樹脂組成物の通常の用途に広く使用することができるが、特にシーラント、目地材などの用途に好適である

Claims (5)

  1. エポキシ樹脂と、下記式(1)で示されるN−シリルアミド化合物と、湿気潜在性硬化剤とを含有する湿気硬化性エポキシ樹脂組成物。
    (R 1 −CONH) 4-n −Si−R 2 n (1)
    (式中、R 1 はヘテロ原子を含んでいてもよい炭素数5〜21の炭化水素基であり、nが0、1または2のとき、R 1 は同じであっても異なっていてもよい。R 2 は炭素数1〜3のアルキル基またはアルコキシ基であり、nは0、1、2または3である。)
  2. 前記N−シリルアミド化合物の含有量が、前記エポキシ樹脂100重量部に対して、0.5〜30重量部である、請求項に記載の湿気硬化性エポキシ樹脂組成物。
  3. 更に、分子中に2以上のイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーと、無機フィラーとを含有する、請求項に記載の湿気硬化性エポキシ樹脂組成物。
  4. 前記エポキシ樹脂の含有量が、前記ウレタンプレポリマー100重量部に対して、1〜100重量部であり、
    前記N−シリルアミド化合物の含有量が、前記ウレタンプレポリマー100重量部に対して、0.5〜30重量部であり、
    前記無機フィラーの含有量が、前記ウレタンプレポリマー100重量部に対して、1〜300重量部である、請求項に記載の湿気硬化性エポキシ樹脂組成物。
  5. 前記湿気潜在性硬化剤が、オキサゾリジン、ケチミン、エナミンおよびシリルメルカプタンから選ばれる、請求項1〜のいずれかに記載の湿気硬化性エポキシ樹脂組成物。
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