JP3730948B2 - 硬化性組成物 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本願発明は、イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーを含む新規な硬化性組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から窯業系サイディングなどの建築物の外壁防水シーリング材、塩化ビニルシートなどの樹脂製シート、タイル、木質板などの建築用部材の接着剤あるいは塗り床材として、イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーを含有する硬化性組成物が作業のしやすさ、硬化後の接着性の高さや、低モジュラスから高モジュラス(低伸びから高伸び)まで硬化後のゴム弾性物性を広範囲に調節できるなどの優れた点から広く用いられている。
【0003】
しかし、イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーは、イソシアネート基濃度が高かったり、硬化速度を速めたりした場合、大気中の水分(湿気)と反応し硬化する際、発生する炭酸ガスの量が多くなったり、急激に炭酸ガスが発生したりしたとき、硬化物内部に気泡が生じるため外観が悪くなる、伸びなどのゴム引張物性が悪くなる、接着性が悪くなるなどの不具合が生じる。
【0004】
このため、たとえば炭酸ガスによる発泡を防止するために、特開昭63-191820号公報においては、ポリオールケイ酸エステルを潜在硬化剤として使用して硬化した樹脂の内部に炭酸ガスに起因する気泡を実質的に含有しないようにした湿気硬化型-液ポリウレタンプレポリマーを硬化させる方法が開示され、また、特開2000-212239号公報においては、特定の総不飽和度の低いポリアルキレンポリオールに基づくウレタンプレポリマーという特定のプレポリマーに、加水分解によりイソシアネート基と反応しうる活性水素を発生させるシリル基を含有する特定の化合物を添加して硬化速度と炭酸ガスによる発泡の少ない湿気硬化性組成物とすることが開示されている。
【0005】
これらの方法によって、炭酸ガスによる硬化物の発泡を防止することは可能であるが、これらの潜在硬化剤の加水分解速度を速めるとともに再生するポリオールや活性水素を有する化合物とイソシアネート基との反応速度を速めるために、触媒を添加したり、あるいは酢酸エチルやポリエステル系ウレタンなどの極性の高い化合物を存在させたような場合には、コロイダルシリカなど一般に使用されるシリカ系揺変性付与剤が添加されても揺変性付与構造が破壊されてしまい、硬化性組成物を厚塗りした場合や外壁目地など垂直部分に充填施工した場合、あるいは硬化性組成物にせん断応力を与えたような場合には、塗布されたり施工された硬化性組成物がタレを起こして(スランプして)施工がうまくいかないとか、できなくなってしまうことになる。
【0006】
なお、揺変性付与構造が破壊される原因は、明白ではないが、触媒あるいは極性の高い化合物とコロイダルシリカとが相互作用を起こし、コロイダルシリカが本来の揺変性付与作用をしなくなってしまうためと推定される。
【0007】
このタレを防止する手段として、有機物で表面処理した炭酸カルシウムを揺変付与剤として使用する方法もすでに知られている。しかしながら、この方法によるとタレは防止できるものの、多量に添加しなければ揺変性付与の効果が十分でないとともに、多量に添加するため硬化性組成物の組成の自由度が小さくなって、限られた組成のものしか使用できないとともに、混合する場合に特別の装置を必要とし、製造しにくいなどの欠点がある。また、特開昭64-14269号公報において、ポリウレタン樹脂に疎水性コロイド状シリカおよびアミノシラン化合物とポリイソシアネートとの反応物を配合して揺変性を付与する方法が開示されているが、この方法でも揺変性を付与する効果は不十分である。
【0008】
このように、従来の硬化性組成物では硬化速度を速めても発泡が抑制され、かつ少量の揺変性付与剤で揺変性を付与できる(タレを防止できる)とともに接着性に優れたものが得られなかった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本願発明の目的は、上述の従来の欠点にかんがみて、ウレタンプレポリマーを含む硬化性組成物において、硬化速度を速めても発泡を生じさせることなく硬化することができ、かつ少量の揺変性付与剤で揺変性を付与できる(タレを防止できる)とともに接着性に優れた硬化性組成物を提供しようとするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
そこで、本願発明は、上述の課題であるウレタンプレポリマーを含む硬化性組成物において硬化速度を速めても発泡が生じることなく硬化することができ、かつ少量の揺変性付与剤により揺変性が付与されるとともに接着性に優れたものを実現するべく鋭意検討した結果、イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーに特定の潜在硬化剤と特定の揺変性付与剤を添加することにより上述の課題を解決することができることを見い出し、本願発明に至ったものである。
【0011】
本願発明は、イソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(A)と、水分により加水分解してポリオールを再生することが可能なケイ酸エステル(B)と、置換基を有していてもよいウレイレン基含有有機基(イ)結合無機系物質粒子(C)とを含有することを特徴とする硬化性組成物に関するものであり、より詳しくは、以下の発明、すなわち、
(a)イソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(A)と、水分により加水分解してポリオールを再生することが可能なケイ酸エステル(B)と、下記一般式(1)で示される置換基を有していてもよいウレイレン基含有有機基(イ)結合無機系物質粒子(C)とを含有することを特徴とする硬化性組成物。
【化6】
Figure 0003730948
(式中、Rは1価の有機基、Rは2価の有機基、RはHまたは置換基、RはHまたは置換基、Yはカップリング基、Zは無機系物質粒子、mは0または1、nは1以上の整数をそれぞれ示す。ただし、RとRは同時に置換基であることはない。)
【0012】
(b)前記水分により加水分解してポリオールを再生することが可能なケイ酸エステル(B)が、ポリオールとアルコキシシリル基含有化合物との脱アルコール反応により得られる化合物である、(a)に記載の硬化性組成物。
【0013】
(c)前記水分により加水分解してポリオールを再生することが可能なケイ酸エステル(B)が、ネオペンチルグリコールとアルコキシシリル基含有化合物との脱アルコール反応により得られる化合物である、(a)に記載の硬化性組成物。
【0014】
(d)前記置換基を有していてもよいウレイレン基含有有機基(イ)結合無機系物質粒子(C)が、置換基を有していてもよいウレイレン基含有有機基(イ)と加水分解性シリル基を有する有機化合物(D)と、加水分解性シリル基と反応する官能基を有する無機系物質粒子との反応生成物であることを特徴とする(a)に記載の硬化性組成物。
【0015】
(e)前記置換基を有していてもよいウレイレン基含有有機基(イ)と加水分解性シリル基を有する有機化合物(D)が、
(1)加水分解性シリル基と第1級アミノ基および/または第2級アミノ基、またはイソシアネート基を有する有機化合物(E)と、イソシアネート基、または第1級アミノ基および/または第2級アミノ基を有する有機化合物(F)(ただし、有機化合物(E)が第1級アミノ基および/または第2級アミノ基を有する有機化合物である場合には、有機化合物(F)はイソシアネート基を有し、有機化合物(E)がイソシアネート基を有する有機化合物である場合には、有機化合物(F)は、第1級アミノ基および/または第2級アミノ基を有する有機化合物を意味する。)との反応生成物、および
(2)加水分解性シリル基および第1級アミノ基および/または第2級アミノ基を有する有機化合物と、第1級アミノ基および/または第2級アミノ基を有する有機化合物とを有機ポリイソシアネートを介して反応させた生成物、よりなる群より選ばれる有機化合物であることを特徴とする(d)に記載の硬化性組成物。
【0016】
(f)前記置換基を有していてもよいウレイレン基含有有機基(イ)と加水分解性シリル基を有する有機化合物(D)が、加水分解性シリル基と、第1級アミノ基および/または第2級アミノ基を有する有機化合物と有機モノイソシアネートとの反応生成物であることを特徴とする(d)に記載の硬化性組成物。
【0017】
(g)前記置換基を有していてもよいウレイレン基含有有機基(イ)と加水分解性シリル基を有する有機化合物(D)が、下記一般式(2)で示される加水分解性シリル基と第1級アミノ基および/または第2級アミノ基を有する有機化合物と、下記一般式(3)で示される有機モノイソシアネートとの反応生成物であることを特徴とする(d)または(f)に記載の硬化性組成物。
【化7】
Figure 0003730948
(式中、R5はH、フェニル基またはベンジル基、R6は炭素数2〜6の2価の脂肪族炭化水素基、R7は炭素数2〜10の2価の脂肪族炭化水素基、R8は炭素数1〜20のアルキル基、アリール基およびアラルキル基から選ばれる基、Xは加水分解性の1価の基、aは0、1または2の整数、pは0または1の整数をそれぞれ示す。)
【化8】
Figure 0003730948
(式中、R9は炭素数4〜24の1価の脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基、芳香脂肪族炭化水素基、および脂環式炭化水素基から選ばれる基を示す)
【0018】
(h)前記置換基を有していてもよいウレイレン基含有有機基(イ)と加水分解性シリル基を有する有機化合物(D)が第1級アミノ基および/または第2級アミノ基を有する有機化合物と、加水分解性シリル基を有する有機イソシアネート化合物との反応生成物であることを特徴とする(d)に記載の硬化性組成物。
【0019】
(i)前記置換基を有していてもよいウレイレン基含有有機基(イ)と加水分解性シリル基を有する有機化合物(D)が、下記一般式(4)で示される第1級アミノ基および/または第2級アミノ基を有する有機化合物と、下記一般式(5)で示される加水分解性シリル基を有する有機イソシアネート化合物との反応生成物であることを特徴とする(d)または(h)に記載の硬化性組成物。
【化9】
Figure 0003730948
(式中、R10は炭素数2〜24の1価の脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基、芳香脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基、3級窒素原子含有脂肪族炭化水素基、および酸素原子含有脂肪族炭化水素基から選ばれる基、R11はHまたは炭素数2〜24の1価の脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基、芳香脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基、3級窒素原子含有脂肪族炭化水素基、および酸素原子含有脂肪族炭化水素基から選ばれる基をそれぞれ示す。)
【化10】
Figure 0003730948
(式中、R12は炭素数2〜6の2価の脂肪族炭化水素基、R13は炭素数1〜20のアルキル基、アリール基およびアラルキル基から選ばれる基、Xは加水分解性の1価の基、bは0、1または2の整数、qは0または1の整数をそれぞれ示す。)
【0020】
(j)前記加水分解性シリル基と反応する官能基を有する無機系物質粒子が、二酸化ケイ素粒子であることを特徴とする(d)に記載の硬化性組成物。
【0021】
(k)更に添加剤を含有することを特徴とする(a)〜(j)のいずれか1項に記載の硬化性組成物。
【0022】
(l)前記添加剤が、可塑剤、耐候安定剤、架橋触媒、充填剤、カップリング剤、保存安定性改良剤および着色剤の群から選ばれる1種または2種以上であることを特徴とする(k)に記載の硬化性組成物。
に関するものである。
【0023】
このような、構成をとることにより従来のイソシアネート基含有ウレタンプレポリマー系硬化性組成物に比べて、硬化速度が速まったにもかかわらず発泡が生じることがなく、しかも少量の揺変性付与剤により揺変性が付与されるとともに接着性に優れるという効果を奏するものである。
【0024】
本願発明の硬化性組成物で使用する各成分については以下で詳しく説明する。
まず、イソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(A)成分について説明する。
【0025】
イソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(A)は、有機ポリイソシアネートと活性水素含有化合物とを活性水素(基)に対してイソシアネート基過剰条件で反応させて得られるものである。
【0026】
有機ポリイソシアネートとしては、具体的には例えば、フェニレンジイソシアネート、ジフエニルジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、ジフエニルメタンジイソシアネート(MDI)、トリレンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルエーテルジイソシアネートなどの芳香族ジイソシアネート、キシリレンジイソシアネートなどの芳香脂肪族ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、プロピレンジイソシアネート、ブチレンジイソシアネートなどの脂肪族ジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート、メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、イソホロンジイソシアネートなどの脂環族ジイソシアネート、およびこれらジイソシアネートのカルボジイミド変性体、ビウレット変性体、アロファネート変性体、二量体、三量体、または、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート(クルードMDI、ポリメリックMDI)などが挙げられ、これらは単独または2種以上を混合して用いることができる。これらのうち、発泡防止性と耐候性に優れている点で、脂肪族ジイソシアネート、脂環族ジイソシアネート、芳香脂肪族ジイソシアネートが好ましく、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネートが更に好ましい。
【0027】
前記活性水素含有化合物としては、高分子ポリオール、アミノアルコール、ポリアミンなどが挙げられる。これらの化合物のうち、高分子のポリオールが好適である。
【0028】
高分子ポリオールとしては、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリオレフィンポリオール、動植物系ポリオール、これらのコポリオール等、またはこれらの2種以上の混合物が挙げられる。これらの高分子ポリオールのうち、作業性、接着性、耐候性などが優れている点から、ポリエーテルポリオールが好ましい。
【0029】
ポリエステルポリオールとしては、例えば、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、オルソフタル酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸、へキサヒドロオルソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、トリメリット酸等のポリカルボン酸、酸エステル、または酸無水物等の1種以上と、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,4−シクロへキサンジメタノール、ビスフェノールAのエチレンオキサイドあるいはプロピレンオキサイド付加物、トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリトール等の低分子アルコール類、ヘキサメチレンジアミン、キシリレンジアミン、イソホロンジアミン等の低分子アミン類、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン等の低分子アミノアルコール類の1種以上との脱水縮合反応で得られる、ポリエステルポリオールまたはポリエステルアミドポリオールが挙げられる。
【0030】
また例えば、低分子アルコール類、低分子アミン類、低分子アミノアルコール類を開始剤として、ε-カプロラクトン、γ一バレロラクトン等の環状エステル(ラクトン)モノマーの開環重合で得られるラクトン系ポリエステルポリオールが挙げられる。
【0031】
ポリカーボネートポリオールとしては、例えば、前述のポリエステルポリオールの合成に用いられる低分子アルコール類とホスゲンとの脱塩酸反応、あるいは前記低分子アルコール類とジエチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジフェニルカーボネート等とのエステル交換反応で得られるものが挙げられる。
【0032】
ポリエーテルポリオールとしては、例えば、前述のポリエステルポリオールの合成に用いられる低分子アルコール類、低分子アミン類、低分子アミノアルコール類を開始剤として、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、テトラヒドロフラン等を開環重合させたポリオキシエチレンポリオール、ポリオキシプロピレンポリオール、ポリテトラメチレンエーテルポリオール、これらを共重合したポリエーテルポリオール、更に、前述のポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオールを開始剤としたポリエステルエーテルポリオールが挙げられる。また、イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーの変性用として、メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコールなどのモノアルコール類を開始剤として、前記プロピレンオキサイドなどのポリオキシアルキレンモノオールなども使用できる。これらのうち、特にポリオキシプロピレンポリオールが好ましい。
【0033】
ポリオレフィンポリオールとしては、例えば、水酸基含有ポリブタジエン、水素添加した水酸基含有ポリブタジエン、水酸基含有ポリイソプレン、水素添加した水酸基含有ポリイソプレン、水酸基含有塩素化ポリプロピレン、水酸基含有塩素化ポリエチレンが挙げられる。
【0034】
動植物系ポリオールとしては、例えば、ヒマシ油系ジオールが挙げられる。
これらの高分子ポリオールの数平均分子量は500〜30,000、特に1,000〜20,000が好ましい。
【0035】
鎖延長剤としては、前記のポリエステルポリオールの合成に用いられる低分子アルコール類、低分子アミン類、低分子アミノアルコール類のうち分子量500未満のもの等、またはこれらの2種以上の混合物が好適に例示される。
【0036】
本願発明におけるイソシアネート基含有ウレタンプレポリマーは、一括仕込み反応法、多段階仕込み反応法のいずれでも合成できるが、プレポリマーの分子中にイソシアネート基を残す必要がある。有機ポリイソシアネートのイソシアネート基と高分子ポリオール、場合により更に鎖延長剤の活性水素(基)とのイソシアネート基/活性水素(基)の当量比は、1.1〜5.0が好ましく、更に1.3〜2.0が好ましい。このようにして得られるイソシアネート基含有ウレタンプレポリマーのイソシアネート基含有量は0.1〜15.0質量%が好ましく、特に0.3〜10.0質量%が好ましく、最も好ましくは0.4〜5.0質量%である。イソシアネート基含有量が0.1質量%未満の場合は、分子量が大きくなりすぎて粘度が増大し作業性が低下する。また、プレポリマー中の架橋点が少ないため、十分な接着性が得られない。イソシアネート基含有量が15.0質量%を超える場合は、炭酸ガスによる発泡を防止することが困難になるため好ましくない。
【0037】
本願発明におけるイソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(A)の合成には、オクテン酸錫などの、亜鉛、錫、鉛、ジルコニウム、ビスマス、コバルト、マンガン、鉄などの金属とオクテン酸、ナフテン酸などの有機酸との金属塩、ジブチル錫ジアセチルアセトナート、ジルコニウムテトラアセチルアセトナート、チタンテトラアセチルアセトナート、EXCESTAR C−501(旭硝子社製)などの有機金属キレート化合物、ジブチル錫ジラウレート、ジオクチル錫ジラウレート等の有機金属化合物、トリエチレンジアミン、トリエチルアミン、トリ−n−ブチルアミン等の有機アミンやその塩等の公知のウレタン化触媒を用いることができる。これらのうち有機金属化合物が好ましい。また、更に公知の有機溶媒を用いることもできる。
【0038】
つぎに、本願発明の水分により加水分解してポリオールを再生することが可能なケイ酸エステル(B)成分について説明する。
【0039】
本願発明において用いられるポリオールケイ酸エステルは、例えば、各種の1価アルコールのケイ酸エステルをポリオールでアルコール置換し、生成する1価アルコールを溜去すること(下記の式(6))、あるいは、ケイ酸のハロゲン化合物とポリオールとを脱ハロゲン化水素すること(下記の式(7))により得られる。
【化11】
Figure 0003730948
(式中、R14 はアルキル基を表わし、R15はアルキレン基またはオキシアルキレン基を表わす。)
【化12】
Figure 0003730948
(式中、R16はアルキレン基またはオキシアルキレン基を表わし、
X´はハロゲン原子を表わす。)
【0040】
前記(6)式および(7)式の生成物であるケイ酸エステルは、鎖状エステルのみでなく、下記の環状のケイ酸エステルも含むものである。これに関しては、アメリカ化学会誌(J.A.C.S.)第69巻(1947年)第2689〜 2691頁を参照されたい。
【化13】
Figure 0003730948
(式中、R´はアルキレン基またはオキシアルキレン基を表わす。)
【0041】
1価アルコールのケイ酸エステルとしては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシランなどのテトラアルコキシシラン、アルキルトリメトキシシラン、アルキルトリエトキシシランなどのトリアルコキシシラン、ジアルキルジメトキシシラン、ジアルキルジエトキシシランなどのジアルコキシシラン、トリアルキルモノメトキシシランなどのモノアルコキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルメチルジイソプロペノキシシランなどのアルコキシシランカップリング剤などを挙げることができる。これらは単独または2種以上を混合して用いることができる。これらのうち、加水分解後の生成物に接着付与効果もある点から、アルコキシシランカップリング剤が好ましく、特に3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランが好ましい。
【0042】
ケイ酸のハロゲン化合物としては、テトラクロロシラン、アルキルトリクロロシラン、ジアルキルジクロロシラン、トリアルキルモノクロロシランなどを挙げることができる。これらは単独または2種以上を混合して用いることができる。ポリオールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ヘキサングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ポリエチレングリコール、ポリテトラメチレンジオールなどを挙げることができる。これらは単独または2種以上を混合して用いることができる。これらのうち、1級水酸基を有する多官能アルコール類が好ましく、得られるケイ酸エステルの粘度が低いためネオペンチルグリコールが特に好ましい。
【0043】
上記ジ、トリ、またはテトラアルコキシシランとポリオールとのエステル交換によるケイ酸エステルの合成時には、原料アルコキシシランの一部を残存させることも可能である。しかし、この場合には、加水分解により発生する一価アルコールが、イソシアネート基末端ウレタンプレポリマーと反応して架橋高分子化を妨害する。この副反応を抑制するためには、残存アルコキシシランに2級または3級の1価アルコールを添加してアルコリシスを行い、メタノールまたはエタノール等の1級アルコールを系外に留出させることにより、ポリオールと2級または3級の1価アルコールとよりなるケイ酸エステルが得られる。このケイ酸エステルは加水分解によりポリオールと2級または3級の1価アルコールを発生するが、2級または3級の1価アルコールはイソシアネート基との反応が遅いので、エチレングリコール等の1級ポリオールとイソシアネート基との反応が優先してイソシアネート基末端ウレタンプレポリマーは高分子化し、2級または3級の1価アルコールは未反応のまま系外に蒸発する。
【0044】
2級または3級の1価アルコールとしては、イソプロパノール、sec−ブタノール、2−オクタノール、t e r t−ブタノール、t e r t−オクタノールや2,3,4−トリメチル−1,3−ペンタジオールモノブチレートなどの1価アルコールが挙げられる。
【0045】
上記ポリオールケイ酸エステルとしては、鎖状エステル以外に環状のケイ酸エステルが挙げられる。具体的には例えば、ジアルコキシシシラン系として、ジメチル・エチレンジオキシシラン二量体、ジメチル(トリメチレン−1,3−ジオキシ)シラン、ジメチル(テトラメチレン−1,4−ジオキシ)シラン、ジメチル(2,2′−オキシジエトキシ)シラン、ジメチル(2,2′−エチレンジオキシジエトキシ)シラン、テトラメチル−1,3−(2,2′−オキシジエトキシ)ジシロキサンが挙げられ、更にトリアルコキシシラン系として、2分子のメチルトリメトキシシランや2分子のγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランと3分子のネオペンチルグリコールとの縮合した粘稠液状物が挙げられる。
【0046】
本願発明において、イソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(A)とケイ酸エステル(B)との混合比は、ケイ酸エステルの加水分解によって再生するポリオールの水酸基が、ウレタンプレポリマー中のイソシアネート基1当量に対して0.2〜1.5当量、更に0.3〜1.0当量になるようにするのが好ましい。再生ポリオールの水酸基が0.2当量より少ないと、過剰のイソシアネート基が水分と反応して発泡の原因となり、逆に、1.5当量より多い場合は分子末端が水酸基で止まって高分子化できず、硬化後の接着性やゴム弾性などの諸物性が悪くなるので好ましくない。
【0047】
本願発明におけるポリオールケイ酸エステルと空気中の水分との反応並びにイソシアネート基と1級水酸基との反応は、イソシアネート基と水分との反応よりも大巾に速い。それ故、イソシアネート基末端ウレタンプレポリマーとケイ酸エステルとの共存下において、前記混合物が湿分と接触するとケイ酸エステルの加水分解(下記の式(8))が、湿分とイソシアネート基との反応(下記の式(10))に優先し、次に再生したポリオールとイソシアネート基とのウレタン化反応(下記の式(9))が起こってポリウレタン硬化物が得られる。
【化14】
Figure 0003730948
(式中、R17はアルキレン基またはオキシアルキレン基を表わし、R18は有機基を表わす。)
【0048】
すなわち反応速度は(8)>(10)である。一般にイソシアネート基と1級水酸基との反応速度は、イソシアネート基と水との反応に比べて大巾に「早く((9)>(10))」、したがって、(10)式の反応は実質的にほとんど起こらず、その結果、炭酸ガスによる硬化物の発泡が防止される。
【0049】
つぎに、置換基を有していてもよいウレイレン基含有有機基(イ)結合無機系物質粒子(C)について説明する。
【0050】
本願発明者らは、揺変性付与剤について鋭意検討した結果、下記一般式(1)で示される無機系物質粒子の表面に置換基を有していてもよいウレイレン基含有有機基(イ)をカップリング基Yにより結合させた粒子(C)を使用することにより、硬化性組成物に対して強力で安定した揺変性を付与することができることを見出し、本願発明に到達したものである。
【化15】
Figure 0003730948
(式中、Rは1価の有機基、Rは2価の有機基、RはHまたは置換基、RはHまたは置換基、Yはカップリング基、Zは無機系物質粒子、mは0または1、nは1以上の整数をそれぞれ示す。ただし、RとRは同時に置換基であることはない。)
【0051】
ここにおいて、前記置換基を有していてもよいウレイレン基含有有機基(イ)とは、(1)式においてYとZを除いた部分を意味する。
【0052】
つまり、この置換基を有していてもよいウレイレン基含有有機基(イ)が結合した無機系物質粒子(C)が本願発明の硬化性組成物に、少量の使用で優れた揺変性を付与する揺変性付与剤として作用するものである。この安定した揺変性付与効果は、ウレイレン基(ウレア基、−NHCONH−)の強力な水素結合とそれに結合している(炭化水素基などの)有機基の絡み合いにより安定した揺変性付与構造を形成することによりもたらされるものと推測される。
【0053】
このウレイレン基は置換基を有していてもよいが、ただし、ウレイレン基がさらに置換基を有する場合は2個の水素原子が同時に置換されることはない。これは少なくとも1個の水素原子が存在しないと水素結合を形成することができないためである。
【0054】
さらに、本願発明においてウレイレン基含有有機基(イ)はウレタンプレポリマー、特にウレタンプレポリマー中のイソシアネート基と貯蔵中に反応しない基である必要がある。なぜならば、このウレイレン基含有有機基(イ)がウレタンプレポリマーと反応すると、貯蔵中にウレイレン基含有有機基(イ)結合無機系物質粒子(C)により形成された揺変性付与構造が破壊されてしまうとともに増粘し、硬化性組成物を使用することができなくなってしまうためである。
【0055】
具体的には、一般式(1)中の有機基Rとしては、ウレタンプレポリマー、特にウレタンプレポリマー中のイソシアネート基と反応しない基であれば何でもよく、例えば炭素数2〜24の1価の脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基、芳香脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基などがあげられ、鎖中に酸素原子、3級窒素原子などの異種原子を有していてもよい。さらに有機基Rはアルキル基、アリール基、アラルキル基、ハロゲン、ハロゲンで置換されたアルキル基またはアリール基またはアラルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ基などで置換されていてもよい。これらのうち安定した揺変性付与効果の点から炭素数4〜24の1価の飽和脂肪族炭化水素基が好ましい。
【0056】
一般式(1)中の有機基Rとしては、ウレタンプレポリマー、特にウレタンプレポリマー中のイソシアネート基と反応しない基であれば何でもよく、例えば炭素数2〜16の2価の脂肪族炭化水素基があげられ、鎖中に酸素原子、3級窒素原子などの異種原子を有していてもよい。さらに有機基Rはアルキル基、アリール基、アラルキル基、ハロゲン、ハロゲンで置換されたアルキル基またはアリール基またはアラルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ基などで置換されていてもよい。
【0057】
また、有機基Rは使用する原料によって存在する場合と存在しない場合があるが、安定した揺変性付与効果の点から存在したほうが好ましい。
【0058】
一般式(1)中の置換基RまたはRとしては、ウレタンプレポリマー、特にウレタンプレポリマー中のイソシアネート基と反応しない基であれば何でもよく、例えば炭素数2〜30の1価の脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基、芳香脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基、ウレイレン基含有脂肪族炭化水素基、あるいはウレイレン基とビュレット結合した炭素数4〜24の1価の脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基、芳香脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基、加水分解性シリル基含有脂肪族炭化水素基などがあげられる。
【0059】
一般式(1)中のカップリング基Yは無機系物質粒子の表面と置換基を有していてもよいウレイレン基含有有機基(イ)とを結合する基であり、−Ti O−、−S iO−などがあげられるが、製造のし易さと揺変性付与効果の大きさの点から−S iO−(シロキサン結合)が好ましい。
【0060】
なお、無機系物質粒子に安定した揺変性付与能力を与えるために、置換基を有していてもよいウレイレン基含有有機基(イ)はこのカップリング基Yにより無機系物質粒子の表面に1個以上結合されていればよい。
【0061】
この置換基を有していてもよいウレイレン基含有有機基(イ)が結合した無機系物質粒子(C)は、具体的には、置換基を有していてもよいウレイレン基含有有機基(イ)と加水分解性シリル基を有する有機化合物(D)と、加水分解性シリル基と反応する官能基を有する無機系物質粒子とを反応させ、シロキサン結合(−Si−O)を形成させた反応生成物である。
【0062】
この置換基を有していてもよいウレイレン基含有有機基(イ)と加水分解性シリル基を有する有機化合物(D)は、より具体的には、(1)加水分解性シリル基と第1級アミノ基および/または第2級アミノ基、またはイソシアネート基を有する有機化合物(E)と、イソシアネート基、または第1級アミノ基および/または第2級アミノ基を有する有機化合物(F)(ただし、有機化合物(E)が第1級アミノ基および/または第2級アミノ基を有する有機化合物である場合には、有機化合物(F)はイソシアネート基を有し、有機化合物(E)がイソシアネート基を有する有機化合物である場合には、有機化合物(F)は、第1級アミノ基および/または第2級アミノ基を有する有機化合物を意味する。)との反応生成物、
(2)加水分解性シリル基および第1級アミノ基および/または第2級アミノ基を有する有機化合物と、第1級アミノ基および/または第2級アミノ基を有する有機化合物とを有機ポリイソシアネートを介して反応させた生成物があげられる。
【0063】
その他には、加水分解性シリル基および第1級アミノ基および/または第2級アミノ基を有する有機化合物と、n−ブチルアルコールなどの有機モノアルコールとを有機ポリイソシアネートを介して反応させた生成物、または、加水分解性シリル基とイソシアネート基を有する有機化合物と有機モノイソシアネートとを有機ポリアミンを介して反応させた生成物、などもあげられる。
【0064】
より具体的には、上記の置換基を有していてもよいウレイレン基含有有機基(イ)と加水分解性シリル基を有する有機化合物(D)としては、下記一般式(2)で示される加水分解性シリル基と第1級アミノ基および/または第2級アミノ基を有する有機化合物と、下記一般式(3)で示される有機モノイソシアネートとの反応生成物が好ましく使用される。
【化16】
Figure 0003730948
(式中、RはH、フェニル基またはベンジル基、Rは炭素数2〜6の2価の脂肪族炭化水素基、Rは炭素数2〜10の2価の脂肪族炭化水素基、Rは炭素数1〜20のアルキル基、アリール基およびアラルキル基から選ばれる基、Xは加水分解性の1価の基、aは0、1または2の整数、pは0または1の整数をそれぞれ示す。)
【化17】
Figure 0003730948
(式中、Rは炭素数4〜24の1価の脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基、芳香脂肪族炭化水素基、および脂環式炭化水素基から選ばれる基を示す。)
【0065】
また、置換基を有していてもよいウレイレン基含有有機基(イ)と加水分解性シリル基を有する有機化合物(D)としては、下記一般式(4)で示される第1級アミノ基および/または第2級アミノ基を有する有機化合物と、下記一般式(5)で示される加水分解性シリル基を有する有機イソシアネート化合物との反応生成物が好ましく使用される。
【化18】
Figure 0003730948
(式中、R10は炭素数2〜24の1価の脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基、芳香脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基、3級窒素原子含有脂肪族炭化水素基、および酸素原子含有脂肪族炭化水素基から選ばれる基、R11 はHまたは炭素数2〜24の1価の脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基、芳香脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基、3級窒素原子含有脂肪族炭化水素基、および酸素原子含有脂肪族炭化水素基から選ばれる基をそれぞれ示す。)
【化19】
Figure 0003730948
(式中、R12は炭素数2〜6の2価の脂肪族炭化水素基、R13は炭素数1〜20のアルキル基、アリール基およびアラルキル基から選ばれる基、Xは加水分解性の1価の基、bは0、1または2の整数、qは0または1の整数をそれぞれ示す。)
【0066】
第1級および/または第2級アミノ基と加水分解性シリル基を含有する有機化合物としては、分子内に第1級および/または第2級アミノ基と加水分解性シリル基を含有していればよいが、イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーと反応する他の官能基は含有していない。例えば、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシランなどが挙げられる。これらは単独であるいは2種以上混合して使用できる。これらのうち、安定した搖変性付与効果の点から、第1級および/または第2級アミノ基と加水分解性シリル基を含有する脂肪族炭化水素化合物が好ましく、特にN−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシランが好ましい。
【0067】
有機モノイソシアネートとしては、分子内にイソシアネート基を1個含有すればよいが、加水分解性シリル基、およびイソシアネート基含有ウレタンプレポリマーと反応する他の官能基は含有していない。有機モノイソシアネートのイソシアネート基以外の基としては、疎水性の有機基(特に炭化水素基)が好ましい。具体的には、n−ブチルモノイソシアネート、n−ヘキシルモノイソシアネート、n−テトラデシルモノイソシアネート、n−ヘキサデシルモノイソシアネート、オクタデシルモノイソシアネートなどの脂肪族モノイソシアネート、フェニルモノイソシアネート、p−イソプロピルフェニルモノイソシアネートなどの芳香族モノイソシアネート、ベンジルモノイソシアネートなどの芳香脂肪族モノイソシアネートなどが挙げられる。これら以外に、2−クロロエチルモノイソシアネートなどのハロゲン置換脂肪族モノイソシアネート、p−クロロフェニルモノイソシアネートなどのハロゲン置換芳香族モノイソシアネート、p−クロロベンジルモノイソシアネートなどのハロゲン置換芳香脂肪族モノイソシアネートなどもあげられる。これらは単独であるいは2種以上混合して使用できる。これらのうち、安定した揺変性付与効果の点で脂肪族モノイソシアネートが好ましく、特にオクタデシルモノイソシアネートが好ましい。
【0068】
第1級および/または第2級アミノ基含有有機化合物としては、有機モノアミンや有機ポリアミンが挙げられ、分子内に加水分解性シリル基およびイソシアネート基含有ウレタンプレポリマーと反応するアミノ基以外の他の官能基は含有していない。
【0069】
第1級アミンとしては、プロピルアミン、ブチルアミン、ヘキシルアミン、ヘプチルアミン、2−エチルヘキシルアミン、オクチルアミン、テトラデシルアミン、ペンタデシルアミン、ステアリルアミン、アミノテトラコサン、オレイルアミンなどの脂肪族モノアミン、トリメチルシクロヘキシルアミンなどの脂環族モノアミン、ベンジルアミン等の芳香脂肪族モノアミン、アニリン等の芳香族モノアミン、3−メトキシプロピルアミン、3−エトキシプロピルアミン、2−エチルへキシルオキシプロピルアミンなどの酸素原子含有脂肪族アミン、ジメチルアミノプロピルアミン、ジエチルアミノプロピルアミンなどの第3級窒素原子含有脂肪族アミンなどを挙げることができ、
【0070】
第2級アミンとしては、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、ジブチルアミン、ジへキシルアミン、ジ−2−エチルヘキシルアミン、ジラウリルアミン、ジステアリルアミン、メチルラウリルアミンなどの脂肪族モノアミン、ジフェニルアミン等の芳香族モノアミン、ジベンジルアミンなどの芳香脂肪族モノアミンなどが挙げられ、第1級アミノ基と第2級アミノ基を有するポリアミンとしては、3−メチルアミノプロピルアミン、4―メチルアミノブチルアミンなどを挙げることができる。
【0071】
これらのうちで、合成のし易さと安定した揺変性付与効果の大きさから、他の官能基を有しない炭素数2〜24の脂肪族第1級アミンが好ましく、さらには炭素数4〜18の脂肪族第1級モノアミンが好ましく、特にブチルアミンとステアリルアミンが好ましい。
【0072】
加水分解性シリル基とイソシアネート基を有する有機化合物としては、分子内にイソシアネート基と加水分解性シリル基を含有していればよく、イソシアネート機は1個、加水分解性シリル基は1個以上含有していればよいが、イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーと反応する他の官能基は含有していない。
【0073】
加水分解性シリル基とイソシアネート基を有する有機化合物としては、具体的には、3−イソシアネートプロピルトリメトキシシラン、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、3−イソシアネートプロピルメチルジメトキシシラン、3−イソシアネートプロピルメチルジエトキシシラン、3−イソシアネートプロピルイソプロポキシシラン、イソシアネートトリメトキシシランなどが挙げられ、これらは単独であるいは2種以上混合して使用できる。これらのうち、合成のし易さと揺変性付与効果の大きさの点で3−イソシアネートプロピルトリメトキシシランが最も好ましい。
【0074】
つぎに加水分解性シリル基について説明する。加水分解性シリル基としてはいくつか考えられるが、具体的に好ましい加水分解性シリル基は、一般式(2)と一般式(5)に記載されているように、以下に記載の基である。
【化20】
Figure 0003730948
式中、R8およびR13は炭化水素基であり、炭素数1〜20のアルキル基、アリール基およびアラルキル基から選ばれる基が好ましく、メチル基が最も好ましい。Xで示される反応性の基はハロゲン原子、水素原子、アルコキシ基、アシルコキシ基、ケトキシメート基、アミド基、酸アミド基、メルカプト基、アルケニルオキシ基およびアミノオキシ基より選ばれる加水分解性の基であり、Xが複数存在する場合にはこの複数のXは同じ基であっても相異なる基であってもよい。このうちXはアルコキシ基であるものが好ましく、メトキシ基またはエトキシ基がさらに好ましい。aおよびbは0、1または2の整数であり、特に0または1が好ましい。
【0075】
有機ポリイソシアネートとしては、前述のイソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(A)の合成方法の説明においてあげたものと同じものが使用でき、それらは単独あるいは2種以上混合して使用できる。これらのうち揺変性付与効果の大きさの点で脂肪族ポリイソシアネート、脂環族ポリイソシアネートが好ましく、特にイソホロンジイソシアネートが好ましい。
【0076】
なお、前記の置換基を有していてもよいウレイレン基含有有機基(イ)と加水分解性シリル基を有する有機化合物(D)の合成において、イソシアネート基/活性水素(基)の反応当量比は0.1/1〜10/1、更に0.5/1〜2/1、特に0.5/1〜1.2/1の範囲が好ましい。イソシアネート基/活性水素(基)の反応当量比が0.1/1を下まわると揺変性付与効果が小さくなり過ぎ、10/1を越えると未反応のイソシアネート基が多く残り、発泡などの悪影響がでてくる。
【0077】
本願発明における加水分解性シリル基と反応する官能基を有する無機系物質粒子は、粒子表面に置換基を有していてもよいウレイレン基含有有機基(イ)と加水分解性シリル基を有する有機化合物(D)の加水分解性シリル基に対して反応可能な官能基を有しているものであればどのようなものでもよい。このような加水分解性シリル基と反応可能な官能基としては具体的には例えば、Mg−OH、Ca−OH、Ti−OH、Fe−OH、Al−OH、Si−OH等の各種金属原子に結合した水酸基が挙げられる。また、前記加水分解性シリル基と反応する官能基を無機系物質の粒子表面に有しているならば、単一の無機系物質粒子自体が前記の反応する官能基を有しているものであってもよいし(例えば二酸化ケイ素粒子)、他の無機系物質粒子が前記の反応する官能基を有している無機物質により被覆あるいは混合等により複合化されているものでもよく(例えば、炭酸カルシウム粒子の表面を二酸化ケイ素粒子でコーティングしたもの)、また他の無機系物質粒子に不純物として前記の反応する官能基を有している無機物質が含有されているものであってもよい(例えば、炭酸カルシウム粒子中に不純物として二酸化ケイ素を含有したもの)。
【0078】
なお、ここにおいて、例えば二酸化ケイ素(SiO)等の化学式では水酸基がないものでも、粒子表面は水分により反応を受け、水酸基を含有しているのである。また、金属粒子については、粒子表面が酸化され、次いで水分により反応を受け、使用の際には粒子表面に水酸基を含有しているのである。
また、前記無機系物質粒子には、炭素(カーボンブラック等)あるいは(メタ)アクリル系重合体粒子、サランマイクロバルーン等の有機系物質粒子を、前記無機物質で被覆処理等加工したものも含まれる。
【0079】
前記加水分解性シリル基と反応可能な官能基を有している無機系物質粒子としては、石灰石、珪藻土、カオリンクレーなどの天然鉱物を微粉砕したものでもよいし、また沈降炭酸カルシウム、乾式法シリカ粒子等の合成品であってもよく、具体的に例えば、チタン、鉄、ニッケル、銅、亜鉛、アルミニウム等の金属粒子、酸化チタン、酸化鉄、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、二酸化ケイ素(シリカ)、含水ケイ酸等の金属酸化物粒子、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化アルミニウム等の金属水酸化物粒子、重質炭酸カルシウムや沈降炭酸カルシウム(軽質炭酸カルシウムまたはコロイド状炭酸カルシウム)等の炭酸カルシウム、塩基性炭酸マグネシウム等の金属炭酸塩粒子、ウォラストナイト等のケイ酸カルシウム、含水ケイ酸カルシウム、カオリンクレー等のケイ酸アルミニウム、天然マイカ等のケイ酸アルミニウム−カリウム、含水ケイ酸アルミニウム、タルク等のケイ酸マグネシウム等の金属ケイ酸塩粒子、ジルコニア等のセラミックス粒子、カリガラス等の各種ガラス粒子等が挙げられ、これらは単独であるいは2種以上混合して使用できる。
【0080】
更に、二酸化ケイ素(シリカ)としては、石英、ケイ砂、珪藻土等を粉砕した天然シリカ、また、沈降法シリカ等の湿式法シリカ、フュームドシリカ(コロイダルシリカ)等の乾式法シリカ等の合成シリカ等が挙げられる。
また、前記無機系物質粒子の形状はどんなものであってもよく、具体的には例えば、フュームドシリカ等の球状、セビオライト、ウォラストナイト等の繊維状あるいは針状、マイカやタルク等のフレーク状(板状)、雲母等の鱗片状、シリカゲル等の多孔質状、シリカバルーン等のバルーン状、珪藻土等の管状など種々の形状が挙げられ、用途に応じて使い分けることができる。
【0081】
本願発明において、前記無機系物質粒子の平均(一次)粒子径(直径または長径)は、1,000,000nm(1,000μm)以下、更には1〜100,000nm(100μm)、特に1〜10,000nm(10μm)が好ましく、また更に、置換基を有していてもよいウレイレン基含有有機基(イ)と加水分解性シリル基を有する有機化合物(D)を粒子表面で反応させた無機系物質粒子が硬化性組成物に対して揺変性を付与する効果が大きい点で、前記無機系物質粒子の平均(一次)粒子径は1〜1、000nmのコロイド状と呼ばれるものが好ましく、更に1〜100nmが好ましく、特に5〜50nmが好ましい。またBET比表面積(m/g)は、0.1以上、更には20〜500が好ましく、特に40〜500が好ましい。
【0082】
本願発明においては、前記のうち、金属酸化物粒子、金属水酸化物粒子、金属炭酸塩粒子、金属ケイ酸塩粒子が好ましく、更に二酸化ケイ素粒子が好ましく、特に置換基を有していてもよいウレイレン基含有有機基(イ)と加水分解性シリル基を有する有機化合物(D)を反応させたとき、硬化性組成物に対する揺変性付与効果が大きいことより親水性コロイダルシリカが最も好ましい。
また、前記無機系物質粒子は結晶水を持っていてもよいし、また持っていなくてもよいが、組成物が一液湿気硬化型の場合は、貯蔵安定性を向上させるためには結晶水を持っていない方が好ましい。
【0083】
置換基を有していてもよいウレイレン基含有有機基(イ)結合無機系物質粒子(C)は、イソシアネート含有ウレタンプレポリマー(A)100重量部に対して、0.1〜300重量部、更に1〜100重量部、特に5〜50重量部配合するのが好ましい。配合量が0.1重量部を下まわると揺変性付与効果が小さくなり過ぎ、300重量部を越えると作業性が悪くなる。
【0084】
本願発明において、揺変性室温硬化性組成物を製造する方法としては、前記の置換基を有していてもよいウレイレン基含有有機基(イ)と加水分解性シリル基を有する有機化合物(D)と加水分解性シリル基と反応する官能基を有する無機系物質粒子とを、触媒および/または有機分散媒の存在下または不存在下、5〜200℃の温度で、0.1〜100時間、好ましくは30〜80℃の温度で、0.5〜5時間加熱し反応させて置換基を有していてもよいウレイレン基含有有機基(イ)結合無機系物質粒子(C)をあらかじめ合成し、得られた置換基を有していてもよいウレイレン基含有有機基(イ)結合無機系物質粒子(C)(有機分散媒を使用したときは、有機分散媒混合体のままか、あるいはロ過または有機分散媒を揮発などして分離したもの)を、イソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(A)に添加、混合して揺変性室温硬化性組成物を得る方法が挙げられる。触媒と有機分散媒は必要に応じて使用すればよいが、触媒は反応温度を低下でき、反応時間も短縮できる点で、有機分散媒は反応を均一にできる点で使用するのが好ましい。なお、必要に応じて後述の添加剤を混合する。
【0085】
揺変性室温硬化性組成物を製造する他の方法としては、イソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(A)の存在下、かつ、触媒および/または有機分散媒の存在下または不存在下、置換基を有していてもよいウレイレン基含有有機基(イ)と加水分解性シリル基を有する有機化合物(D)と加水分解性シリル基と反応する官能基を有する無機系物質粒子とを5〜100℃の温度で0.1〜100時間、好ましくは30〜80℃の温度で0.5〜10時間加熱し反応させて置換基を有していてもよいウレイレン基含有有機基(イ)結合無機系物質粒子(C)を合成すると同時に揺変性室温硬化性組成物を得る方法が挙げられる。触媒と有機分散媒は必要に応じて使用すればよいが、触媒は反応温度を低下でき、反応時間も短縮できるため使用するのが好ましい。なお、必要に応じて後述の添加剤を混合する。
【0086】
後者のイソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(A)の存在下、置換基を有していてもよいウレイレン基含有有機基(イ)と加水分解性シリル基を有する有機化合物(D)と加水分解性シリル基と反応する官能基を有する無機系物質粒子とを反応させる製造方法の方が、製造し易く低コストである点から特に好ましい。
【0087】
前記の必要に応じて使用する触媒としては、前述のイソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(A)の合成に使用される触媒と同じものが挙げられ、それらのうち反応速度が高く、毒性および揮発性の比較的低い液体である点から有機錫化合物や有機金属キレート化合物が好ましく、更に有機金属キレート化合物が好ましく、ジブチル錫ジアセチルアセトナートが最も好ましい。
【0088】
前記の必要に応じて使用する触媒は、加水分解性シリル基反応性官能基含有無機系物質粒子100重量部に対して、0〜10重量部、特に0.05〜5重量部配合するのが好ましい。
前記の必要に応じて使用する有機分散媒としては、後述の添加剤として例示した有機溶剤または可塑剤で各成分と反応しないものであればどのようなものでも使用できる。
【0089】
前記の必要に応じて使用する有機分散媒は、加水分解性シリル基反応性官能基含有無機系物質粒子100重量部に対して、0〜3,000重量部、特に50〜2,000重量部配合するのが好ましい。
【0090】
つぎに、本願発明の硬化性組成物における添加剤について説明する。
本願発明における添加剤としては、可塑剤、耐候安定剤、架橋触媒、充填剤、カップリング剤(その部分加水分解縮合物を含む)、保存安定性改良剤(脱水剤)、着色剤などが挙げられる。
【0091】
可塑剤は、硬化性組成物の粘度を下げて作業性を改善するために使用され、耐候安定剤は、硬化樹脂の酸化や光劣化、熱劣化を防止して、耐候性だけでなく耐熱性を更に向上させるために使用されるものである。耐候安定剤としては具体的には、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光硬化性化合物を挙げることができる。
可塑剤としては、具体的には、フタル酸ジオクチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ブチルベンジルなどのフタル酸エステル類、アジピン酸ジオクチル、コハク酸ジイソデシル、セバシン酸ジブチル、オレイン酸ブチルなどの脂肪族カルボン酸エステル類、ペンタエリスリトールエステルなどのアルコールエステル類、リン酸トリオクチル、リン酸トリクレジルなどのリン酸エステル類、塩素化パラフィン、前記のイソシアネート基含有ウレタンプレポリマーの合成に使用されるポリエーテルポリオールをエーテル化またはエステル化などした水酸基を含有しないポリオキシアルキレン類、中でもシユークロースなどの糖類多価アルコールにエチレンオキサイドやプロピレンオキサイドを付加重合したポリエーテルポリオールをエーテル化またはエステル化などした水酸基を含有しない糖類系ポリオキシアルキレン類、ポリ−α−メチルスチレン、ポリスチレンなどのポリスチレンのオリゴマー類、ポリブタジエン、ブタジエン−アクリロニトリル共重合体、ポリクロロプレン、ポリイソプレン、ポリブテン、水素添加ポリブテンなどのオリゴマー類、(メタ)アクリレート共重合物などのイソシアネート基と反応しない可塑剤が挙げられる。
【0092】
可塑剤は、イソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(A)の100重量部に対して、1〜200重量部、特に2〜50重量部配合するのが好ましい。
【0093】
酸化防止剤としてはヒンダードアミン系やヒンダードフェノール系の酸化防止剤が挙げられ、ヒンダードアミン系酸化防止剤としては、例えば、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、デカンニ酸ビス(2,2,6,6−テトラメチル−1(オクチルオキシ)−4−ピペリジル)エステル、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)[[3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル]メチル]ブチルマロネート、メチル1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルセバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、1−[2−〔3−(3,5−ジ−t e r t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕エチル]−4−〔3−(3,5−ジ−t ert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、コハク酸ジメチル・1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン重縮合物、ポリ[{6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)アミノ−、1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル}{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}ヘキサメチレン{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}]、N,N′−ビス(3−アミノプロピル)エチレンジアミン−2,4−ビス[N−ブチル−N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)アミノ]−6−クロロ−1,3、5−トリアジン縮合物が挙げられる。また、旭電化工業社製、商品名アデカフタブLA−63P、LA−68LDなどの高分子量のヒンダードアミン系酸化防止剤も挙げられる。
【0094】
ヒンダードフェノール系酸化防止剤としては、例えば、ペンタエリスリト−ル−テトラキス[3−(3,5−ジ−t e r t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t e r t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、N,N′−ヘキサン−1,6−ジイルビス[3−(3,5−ジ−t e r t−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオアミド]、ベンゼンプロパン酸3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシC7−C9側鎖アルキルエステル、2,4−ジメチル−6−(1−メチルペンタデシル)フェノールが挙げられる。
【0095】
紫外線吸収剤としては、例えば、2−(3,5−ジ−tert−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾールなどのベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−[(ヘキシル)オキシ]−フェノールなどのトリアジン系紫外線吸収剤、オクタベンゾンなどのべンゾフェノン系紫外線吸収剤、2,4−ジ−tert−ブチルフェニル−3,5−ジ−t e r t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエートなどのベンゾエート系紫外線吸収剤が挙げられる。
【0096】
光硬化性化合物としては、アクリロイル基やメタクリロイル基などの光によって反応硬化する基を分子内に1個以上含有する化合物が挙げられ、具体的には、例えば、イソシアネート基含有ウレタン樹脂に水酸基含有アクリレート化合物や水酸基含有メタクリレート化合物を反応させたウレタンアクリレートやウレタンメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレートやトリメチロールプロパントリメタクリレートなどのエステルアクリレートやエステルメタクリレート、ポリエチレンアジペートポリオールのアクリレートやメタクリレートなどのポリエステルアクリレートやポリエステルメタクリレート、ポリエーテルポリオ−ルのアクリレートやメタクリレートなどのポリエーテルアクリレートやポリエーテルメタクリレート、あるいはポリケイ皮酸ビニル類、アジド化樹脂などが挙げられ、分子量10,000以下、更に分子量5,000以下の単量体、オリゴマーが好ましく、特にアクリロイル基および/またはメタクリロイル基を1分子当たり平均して2個以上含有するものが好ましい。
【0097】
耐候安定剤は、イソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(A)100重量部に対して、0.01〜30重量部、特に0.1〜10重量部配合するのが好ましい。
【0098】
架橋触媒は、本願発明の硬化性組成物およびシーリング材組成物の硬化を促進する触媒であり、前述のイソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(A)の合成の際に使用することのできるウレタン化触媒と同じものが挙げられる。このうち、反応速度が高く、毒性および揮発性の比較的低い液体である点から、有機金属キレート化合物が好ましく、ジブチル錫ジアセチルアセトナートが更に好ましい。
【0099】
架橋触媒は、イソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(A)100重量部に対して、10重量部以下、特に5重量部以下配合するのが好ましい。
【0100】
充填剤、カップリング剤(その部分加水分解縮合物を含む)、保存安定性改良剤(脱水剤)、着色剤は、接着性向上、補強、だれ防止、着色などのために、本願発明の硬化性組成物に配合して使用することができる。
【0101】
充填剤としては、マイカ、カオリン、ゼオライト、グラファイト、珪藻土、白土、クレー、タルク、スレート粉、無水ケイ酸、石英微粉末、アルミニウム粉末、亜鉛粉末、沈降性シリカなどの合成シリカ、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、アルミナ、酸化カルシウム、酸化マグネシウムなどの無機粉末状充填剤、アスベスト、ガラス繊維、炭素繊維などの繊維状充填剤、ガラスバルーン、シラスバルーン、シリカバルーン、セラミックバルーンなどの無機系バルーン状充填剤などの無機系充填剤、あるいはこれらの表面を脂肪酸などの有機物で処理した充填剤、木粉、クルミ穀粉、もみ殻粉、パルプ粉、木綿チップ、ゴム粉末、熱可塑性あるいは熱硬化性樹脂の微粉末、ポリエチレンなどの粉末や中空体、サランマイクロバルーンなどの有機系バルーン状充填剤などの有機系充填剤などの他、水酸化マグネシウムや水酸化アルミニウムなどの難燃性付与充填剤なども挙げられ、粒径0.01〜1,000μmのものが好ましい。
【0102】
カップリング剤としては、前記の置換基を有していてもよいウレイレン基含有有機基(イ)と加水分解性シリル基を有する有機化合物(D)以外の、シラン系、アルミニウム系、ジルコアルミネート系などの各種カップリング剤および/またはその部分加水分解縮合物が挙げられる。
【0103】
シラン系カップリング剤としては、具体的には、メチルシリケート、メチルトリメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン、ドデシルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジブチルジメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、トリエチルメトキシシラン、トリフェニルメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシランなどのアルコキシシリル基を含有する分子量500以下、好ましくは400以下の低分子化合物および/またはこれらシラン系カップリング剤の1種または2種以上の部分加水分解縮合物で分子量200〜3,000の化合物が挙げられる。
【0104】
本願発明において、その他の揺変性付与剤は特に必要としないが、必要に応じて使用することができる。その他の揺変性付与剤としては、コロイダルシリカ、石綿粉、前記脂肪酸処理炭酸カルシウムなどの無機揺変性付与剤、有機ベントイト、変性ポリエステルポリオール、脂肪酸アマイドなどの有機揺変性付与剤が挙げられる。
【0105】
保存安定性改良剤としては、組成物中に存在する水分と反応する酸化カルシウム、p−トルエンスルホニルイソシアネートなどが挙げられる。
【0106】
着色剤としては、酸化チタンや酸化鉄などの無機系顔料、銅フタロシアニンなどの有機系顔料、カーボンブラックなどが挙げられる。
これらは単独あるいは混合して使用できる。
【0107】
充填剤、カップリング剤、保存安定性改良剤、および着色剤の合計の配合量は、イソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(A)100重量部に対して0〜500重量部、特に5〜300重量部であることが好ましい。
【0108】
本願発明の硬化性組成物において、前記各添加剤成分はそれぞれ1種類または2種以上を混合して使用することができる。
【0109】
本願発明の硬化性組成物において、必要に応じて、酢酸エチルなどのエステル系溶剤、メチルエチルケトンなどのケトン系溶剤、n−ヘキサンなどの脂肪族系溶剤、シクロヘキサンなどの脂環族系溶剤、トルエンやキシレンなどの芳香族系溶剤など従来公知の有機溶剤でイソシアネート基に反応しないものであればどのようなものでも使用することができる。これらは単独であるいは2種以上を混合して使用することができる。その種類と使用量は硬化性組成物の用途に応じて適宜決定すれば良い。
【0110】
なお、本願発明の硬化性組成物は作業性の点から1液湿気硬化型として使用するのが好ましいが、本願発明の硬化性組成物を主剤とし、水などの硬化剤を混合して硬化させる2液硬化型としても使用できる。
【0111】
本願発明の硬化性組成物は、揺変性に優れ(スランプしない)、かつ硬化後接着性が良好で高伸びの優れた硬化物になるため、各種用途に使用できるが、特に建築用あるいは土木用のシーリング材として好適に用いられる。
【0112】
以下に本願発明の実施例を示すが、本願発明がこれに限定されるものではない。
【0113】
合成例1(ネオペンチルグリコールのケイ酸エステル)
攪拌機、温度形、窒素シール管および還流冷却器の付いた加熱、冷却装置付き反応容器中に、ネオペンチルグリコール312.5g、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(日本ユニカー社製、A−187)475.1gおよび反応触媒としてテトラ−ブチルチタネート0.001gを入れ、窒素ガスを流しながら攪拌、加熱し、2時間還流した。液温は138℃から100℃に低下した。その後、還流冷却器をはずして副生メタノールを系外に留去させながら200℃になるまで加熱を続け、IRで3300〜3500cm−1に水酸基による吸収のない淡黄色のケイ酸エステルの液体595.6gを得た。留出したメタノールの質量は192gであった。
この液体はガスクロマトグラフィー〔FID、ガスクロパック55−カラム(ガスクロ工業社製)、オーブン温度200℃〕にかけても、ネオペンチルグリコールのピークを示さなかった。
参考として、この液体に水を加えて加水分解したものをガスクロマトグラフィーにかけたところ、ネオペンチルグリコールのピークがほぼ定量的に検出され、再生していることが確認できた。
【0114】
合成例2(ウレイレン基含有有機基と加水分解性シリル基を有する有機化合物)
攪拌機、温度形、窒素シール管および還流冷却器の付いた加熱、冷却装置付き反応容器中に、窒素ガスを流しながら、N−(2−アミノエチル)3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン(チッソ社製、S−310)を103.2g仕込み、攪拌しながらオクタデシルモノイソシアネート(保土谷化学工業社製、ミリオネートO)295.0g(R値(NCO当量/活性水素当量)=0.67)を滴下ロートによリ65℃以下に冷却しながら加えた後、加温して60〜65℃で30分間攪拌を行い、FTIRによリイソシアネート基のピークの消失を確認し、常温まで冷却して反応を終了させた。
得られた反応生成物は、常温で固体であった。これをS−1と称する。
【0115】
合成例3(ウレイレン基含有有機基と加水分解性シリル基を有する有機化合物)
合成例2と同様な反応容器中に、窒素ガスを流しながら、3−イソシアネートプロピルトリメトキシシラン(日本ユニカー社製、Y−5187)を205.4g仕込み、攪拌しながらn−ブチルアミン73.1g(R値(NCO当量/活性水素基当量)=0.5)を滴下ロートにより65℃以下に冷却しながら加えた後、加温して60〜65℃で30分間攪拌を行い、FTIRによりイソシアネート基のピークの消失を確認し、常温まで冷却して反応を終了させた。
得られた反応生成物は、常温で透明の液体であった。これをS−2と称する。
【0116】
合成例4(ウレイレン基含有有機基と加水分解性シリル基を有する有機化合物)
合成例2と同様な反応容器中に、窒素ガスを流しながら、イソホロンジイソシアネート(デグサヒユールスジャパン社製、IPDI)を222.3g仕込み、攪拌しながら3−アミノプロピルトリメトキシシラン(チッソ社製、S−360)179.3gとn−ブチルアミン73.1g(R値(NCO当量/合計の活性水素基当量)=0.5))を滴下ロートにより65℃以下に令却しながら加えた後、加温して60〜65℃で30分間攪拌を行い、FTIRによりイソシアネート基のピークの消失を確認し、常温まで冷却して反応を終了させた。
得られた反応生成物は、常温で固体であった。これをS−3と称する。
【0117】
合成例5(イソシアネート基含有ウレタンプレポリマー)
攪拌機、温度計、窒素シール管および加熱・冷却装置付き反応容器に、窒素ガスを流しながらポリオキシプロピレントリオール(旭梢子社製、エクセノール5030、数平均分子量5,000)430g(OH当量=0.258)を入れ、攪拌しながらイソホロンジイソシアネート(住友バイエルウレタン社製、デスモジュール1、分子量222.3)56g(NCO当量=0.504、R値=NCO当量/OH当量=1.95)を仕込み、さらに反応触媒としてジブチル錫ジラウレート0.04gを入れ加温して70〜80℃で2時間反応させて、滴定によリイソシアネート基含有量が理論値(2.13質量%)以下になった時点で反応を終了し、イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーを製造した。
このイソシアネート基含有ウレタンプレポリマーは、滴定による実測イソシアネート基含有量2.07質量%、粘度11,500mPa・s/25℃、常温で半透明の液体であった。
【0118】
実施例1
加熱、冷却装置および窒素シール管付き混練容器に、窒素を流しながら合成例5で得たイソシアネ−卜基含有ウレタンプレポリマー785gと乾燥した炭酸カルシウム(白石カルシウム社製、ホワイトンB)50gとを仕込み均一になるまで攪拌、混合し、次いでヒンダードフェノール系酸化防止剤(チバ・スペシヤルテイ・ケミカルズ社製、IRGANOX1010、ペンタエリスリトールテトラキス〔3−(3,5−ジ−テトラ−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕)5gとp−トルエンスルホニルイソシアネート1gを仕込み均一になるまで攪拌、混合し、次いで親水性コロイダルシリカ(日本アエロジル社製、AEROSIL200、BET比表面積200m/g、平均一次粒子径約12nm)59gを仕込みさらに均一になるまで1時間攪拌、混合した。次いで合成例2で得たウレイレン基含有有機基と加水分解性シリル基を有する有機化合物S−1を22gとジブチル錫ジアセチルアセトナート(日東化成社製、ネオスタンU−220)1gとを仕込み、60〜70℃に加温して1時間攪拌、混合した後常温まで冷却した。このとき内容物の粘度が著しく増し揺変性が付与されたのが観察された。次いで合成例1で得たネオペンチルグリコールのケイ酸エステル34gとジブチル錫ジアセチルアセトナート(日東化成社製、ネオスタンU−220)7gとを仕込み均一になるまで攪拌、混合し、さらに減圧脱泡し、容器に充填、密封してシーリング材組成物を調製した。
【0119】
実施例2
実施例1において、合成例2で得たウレイレン基含有有機基と加水分解性シリル基を有する有機化合物S−1の替わりに、合成例3で得たウレイレン基含有有機基と加水分解性シリル基を有する有機化合物S−2を22g使用した以外は同様にして、シーリング材組成物を調製した。
【0120】
実施例3
実施例1において、合成例2で得たウレイレン基含有有機基と加水分解性シリル基を有する有機化合物S−1の替わりに、合成例4で得たウレイレン基含有有機基と加水分解性シリル基を有する有機化合物S−3を22g使用した以外は同様にして、シーリング材組成物を調製した。
【0121】
比較例1および比較例2
実施例1において、合成例2で得たウレイレン基含有有機基と加水分解性シリル基を有する有機化合物S−1を使用しないで、替わりに3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(日本ユニカー社製、A−187)を6g使用した以外は同様に反応処理させて得たシーリング材組成物を比較例1とし、また実施例1において、合成例2で得たウレイレン基含有有機基と加水分解性シリル基を有する有機化合物S−1を使用しないで、替わりに3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(日本ユニカー社製、A−187)を6g使用し反応処理させ、かつネオペンチルグリコールのケイ酸エステルを使用しない以外は同様にして得たシーリング材組成物を比較例2とした。
【0122】
以上の結果を表1に示す。
【表1】
Figure 0003730948
試験方法
▲1▼スランプ
JIS A 1439:1997「建築用シーリング材の試験方法」の4.1スランプ試験に準拠して、スランプ(縦)を測定した(測定温度23℃)。
▲2▼発泡性
厚さ3mmのラワン合板の表面にシーリング材組成物をおおよそ幅20mm×頂点の高さ10mm×長さ100mmのビ−ド状に塗布し、23℃、50%相対湿度で14日間養生硬化させた後、カッターで幅の中心付近を長さ方向に縦に切り硬化物内部の発泡の有無を目視により観察した。発泡が認められないか、または極めて少ないものを○、発泡が多数認められるものを×と評価した。
▲3▼タックフリー
JIS A 1439:1997「建築用シーリング材の試験方法」の4.19タックフリー試験に準拠して、タックフリーを測定した。
▲4▼内部硬化性
スレートの表面に長さ150mm×幅25mm×深さ10mmの目地を作製し、シーリング材組成物を充填し表面をへラで平らにしたものを23℃、50%相対湿度に置き、1日後と3日後にシーリング材組成物部分をカッターで切り、硬化した部分の厚みを測定した。
▲5▼引張接着性拭験
JIS A 1439:1997「建築用シーリング材の試験方法」の4.21引張接着性試験に準拠し、養生後の試験体について引張り試験をした。なお、試験体はスレートをプライマー(OP−2531、オート化学工業社製)で処理し、シーリング材組成物を打設、養生して作製した。最大引張応力(Tmax)の値が100N/cm以上のものを○、100N/cm未満のものを×と評価し、最大荷重時の伸び(Emax)が300%以上のものを○、300%未満のものを×と評価した。
【0123】
試験結果
実施例1、2および3において、イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーに親水性コロイダルシリカと、ウレイレン基含有有機基と加水分解性シリル基を有する有機化合物S−1、同S−2、同S−3をそれぞれ加え、加熱反応処理し、さらにネオペンチルグリコールのケイ酸エステルをそれぞれ配合したものは、スランプが0mmと良好で、硬化速度が速く、かつ硬化物に発泡がなく、伸びが大きな優れたシーリング材組成物であるのに対し、比較例1においては、イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーに親水性コロイダルシリカと、ウレイレン基を含有しない3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランとを加え加熱反応処理し、さらにネオペンチルグリコールのケイ酸エステルを配合したものは、発泡がなく、硬化速度も速いのであるが、スランプが10mmを超えきわめて悪いものであった。また比較例2においては、イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーに親水性コロイダルシリカと、ウレイレン基を含有しない3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランとを加え加熱反応処理をしているが、ネオペンチルグリコールのケイ酸エステルを配合しないものは、スランプが10mmを超え、発泡が多いため硬化物の伸びも小さく、かつ硬化速度の遅い劣ったものであった。
【0124】
【発明の効果】
上述のように、本願発明は、イソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(A)と、水分により加水分解してポリオールを再生することが可能なケイ酸エステル(B)と、置換基を有していてもよいウレイレン基含有有機基(イ)結合無機系物質粒子(C)とを含有する硬化性組成物という構成をとることにより、従来のイソシアネート基含有ウレタンプレポリマー系硬化性組成物に比べて、硬化速度が速まったにもかかわらず発泡が生じることがなく、しかも少量の揺変性付与剤により揺変性が付与されるとともに接着性に優れるという効果を奏する。

Claims (12)

  1. イソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(A)と、水分により加水分解してポリオールを再生することが可能なケイ酸エステル(B)と、下記一般式(1)で示される置換基を有していてもよいウレイレン基含有有機基(イ)結合無機系物質粒子(C)とを含有することを特徴とする硬化性組成物。
    Figure 0003730948
    (式中、Rは1価の有機基、Rは2価の有機基、RはHまたは置換基、RはHまたは置換基、Yはカップリング基、Zは無機系物質粒子、mは0または1、nは1以上の整数をそれぞれ示す。ただし、RとRは同時に置換基であることはない。)
  2. 前記水分により加水分解してポリオールを再生することが可能なケイ酸エステル(B)が、ポリオールとアルコキシシリル基含有化合物との脱アルコール反応により得られる化合物であることを特徴とする請求項1に記載の硬化性組成物。
  3. 前記水分により加水分解してポリオールを再生することが可能なケイ酸エステル(B)が、ネオペンチルグリコールとアルコキシシリル基含有化合物との脱アルコール反応により得られる化合物であることを特徴とする請求項1に記載の硬化性組成物。
  4. 前記置換基を有していてもよいウレイレン基含有有機基(イ)結合無機系物質粒子(C)が、置換基を有していてもよいウレイレン基含有有機基(イ)と加水分解性シリル基を有する有機化合物(D)と、加水分解性シリル基と反応する官能基を有する無機系物質粒子との反応生成物であることを特徴とする請求項1に記載の硬化性組成物。
  5. 前記置換基を有していてもよいウレイレン基含有有機基(イ)と加水分解性シリル基を有する有機化合物(D)が、
    (1)加水分解性シリル基と第1級アミノ基および/または第2級アミノ基、またはイソシアネート基を有する有機化合物(E)と、イソシアネート基、または第1級アミノ基および/または第2級アミノ基を有する有機化合物(F)(ただし、有機化合物(E)が第1級アミノ基および/または第2級アミノ基を有する有機化合物である場合には、有機化合物(F)はイソシアネート基を有し、有機化合物(E)がイソシアネート基を有する有機化合物である場合には、有機化合物(F)は、第1級アミノ基および/または第2級アミノ基を有する有機化合物を意味する。)との反応生成物、および
    (2)加水分解性シリル基および第1級アミノ基および/または第2級アミノ基を有する有機化合物と、第1級アミノ基および/または第2級アミノ基を有する有機化合物とを有機ポリイソシアネートを介して反応させた生成物、
    よりなる群より選ばれる有機化合物であることを特徴とする請求項4に記載の硬化性組成物。
  6. 前記置換基を有していてもよいウレイレン基含有有機基(イ)と加水分解性シリル基を有する有機化合物(D)が、加水分解性シリル基と第1級アミノ基および/または第2級アミノ基を有する有機化合物と、有機モノイソシアネートとの反応生成物であることを特徴とする請求項4に記載の硬化性組成物。
  7. 前記置換基を有していてもよいウレイレン基含有有機基(イ)と加水分解性シリル基を有する有機化合物(D)が、下記一般式(2)で示される加水分解性シリル基と第1級アミノ基および/または第2級アミノ基を有する有機化合物と、下記一般式(3)で示される有機モノイソシアネートとの反応生成物であることを特徴とする請求項4または請求項6に記載の硬化性組成物。
    Figure 0003730948
    (式中、RはH、フェニル基またはベンジル基、Rは炭素数2〜6の2価の脂肪族炭化水素基、Rは炭素数2〜10の2価の脂肪族炭化水素基、Rは炭素数1〜20のアルキル基、アリール基およびアラルキル基から選ばれる基、Xは加水分解性の1価の基、aは0、1または2の整数、pは0または1の整数をそれぞれ示す。)
    Figure 0003730948
    (式中、Rは炭素数4〜24の1価の脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基、芳香脂肪族炭化水素基、および脂環式炭化水素基から選ばれる基を示す。)
  8. 前記置換基を有していてもよいウレイレン基含有有機基(イ)と加水分解性シリル基を有する有機化合物(D)が第1級アミノ基および/または第2級アミノ基を有する有機化合物と、加水分解性シリル基を有する有機イソシアネート化合物との反応生成物であることを特徴とする請求項4に記載の硬化性組成物。
  9. 前記置換基を有していてもよいウレイレン基含有有機基(イ)と加水分解性シリル基を有する有機化合物(D)が、下記一般式(4)で示される第1級アミノ基および/または第2級アミノ基を有する有機化合物と、下記一般式(5)で示される加水分解性シリル基を有する有機イソシアネート化合物との反応生成物であることを特徴とする請求項4または請求項8に記載の硬化性組成物。
    Figure 0003730948
    (式中、R10は炭素数2〜24の1価の脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基、芳香脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基、3級窒素原子含有脂肪族炭化水素基、および酸素原子含有脂肪族炭化水素基から選ばれる基、R11はHまたは炭素数2〜24の1価の脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基、芳香脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基、3級窒素原子含有脂肪族炭化水素基、および酸素原子含有脂肪族炭化水素基から選ばれる基をそれぞれ示す。)
    Figure 0003730948
    (式中、R12は炭素数2〜6の2価の脂肪族炭化水素基、R13は炭素数1〜20のアルキル基、アリール基およびアラルキル基から選ばれる基、Xは加水分解性の1価の基、bは0、1または2の整数、qは0または1の整数をそれぞれ示す。)
  10. 前記加水分解性シリル基と反応する官能基を有する無機系物質粒子が、二酸化ケイ素粒子であることを特徴とする請求項4に記載の硬化性組成物。
  11. 更に添加剤を含有することを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の硬化性組成物。
  12. 前記添加剤が、可塑剤、耐候安定剤、架橋触媒、充填剤、カップリング剤、保存安定性改良剤および着色剤の群から選ばれる1種または2種以上であることを特徴とする請求項11に記載の硬化性組成物。
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