JP3765590B2 - 現像方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は普通紙複写機やレーザプリンタ及び普通紙ファクシミリ等に用いられる現像方法に関する。さらに詳しくは、トナーとして外殻の主成分が非晶質ポリエステルよりなるカプセルトナーを用いる場合において、磁気ブラシ現像法を採用するリプログラフィーシステムに適した静電荷像の現像方法に関するものであり、特に磁気ブラシ現像方式に用いられる二成分現像剤による現像方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術・発明が解決しようとする課題】
複写機やレーザビームプリンタ等において画像を形成する場合、一般にカールソン方式が用いられている(米国特許明細書2,221,776 、 2,297,691及び2,357,809 号;"Electrophotography":p22-p41,R.M.Shaffert 1965,The Focal Press)。電子写真法においては、光学的手段によって形成された静電潜像は先ず現像工程で現像された後、転写工程で記録紙等の記録媒体に転写され、更に定着工程で一般には高い熱と高い圧力を有する定着ローラー系で定着され画像が形成される。このような従来の画像形成方法において、静電潜像を形成してから記録媒体に定着させる迄の工程の中で定着装置の発熱体の温度が非常に高温であり、かつ大きな圧力を必要としているのが現状である。
【0003】
一方、感光体、現像装置は室温に保持される必要がある為、定着部と感光体、現像装置とはかなりの距離を置く必要があり、そのため装置が大型化するばかりでなく強制的に発生する熱を系外に排除する事が必要となっている。強制放熱装置で発生する騒音と放熱はオフィス等の環境破壊の一因でもある。定着工程は単独で存在し、通常200℃前後の高い温度でかつ2Kg/cm以上の線圧を持つ定着装置で定着する為、定着器周辺には、高価な耐熱性樹脂、耐熱性ゴムが必要とされている。また、このように高温で定着すると紙のカール、ジャムり等のトラブルが発生し易く、紙の厚みによっては紙が熱を吸収する為、定着不良を起こすという問題点が指摘されている。
【0004】
また、定着温度が高いと設定温度になるまでに時間がかかりクイック印字ができない為、ファクシミリの様なクイック印字が要求される装置には不向きである。一方、100℃程度以下の定着温度で定着させようとする、従来のトナーでは熱によるトナー中の樹脂の軟化は期待できないため、樹脂の塑性変形による定着が主体となり、通常5Kg/cm以上の大きな線圧が必要とされ、その場合には大がかりな定着装置になるばかりでなく、定着強度は熱定着に比較して劣り、紙しわが発生する等の問題も発生する。
【0005】
これらの観点からも新しいシステムとそれに適応したトナーの開発が期待されている。このような期待に応えるべく、本出願人は、外殻が非晶質ポリエステルよりなるカプセルトナーを開発し、特許出願済である(特願平4−259088号)。このカプセルトナーは、熱圧力定着方式において耐オフセット性、耐ブロッキング性が優れ、低温定着でき、カブリのない鮮明な画像を多数回にわたり安定に形成することができる一方、従来からのトナーとは熱的性質等が大きく異なるため、該トナーを用いる場合に適した現像方法の開発が要請された。
【0006】
本発明の目的は、かかる課題を解決すべく、特に、外殻の主成分が非晶質ポリエステルよりなるカプセルトナーを用いる場合に適する、トナー粒子と磁性キャリアとからなる二成分現像剤を用いて像担持体上の潜像を現像する現像方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
即ち、本発明の要旨は、トナー粒子と磁性キャリアとからなる二成分現像剤を用いて像担持体上の潜像を現像する方法において、該トナーが少なくとも熱可塑性樹脂と着色剤を含有する熱溶融性芯材と、その芯材の表面を被覆するよう設けた外殻とにより構成され、該外殻の主成分が非晶質ポリエステルよりなるカプセルトナーであり、該キャリアが樹脂によってコート化処理された、見かけ密度2.7g/cm3 以下および/または飽和磁化60emu/g以下のフェライトキャリアであり、該コート化処理によるコーティング層の厚さが1.0μm以上であることを特徴とする現像方法に関する。
【0008】
本発明で用いられるトナーは、少なくとも熱可塑性樹脂と着色剤を含有する熱溶融性芯材と、その芯材の表面を被覆するよう設けた外殻とにより構成され、該外殻の主成分が非晶質ポリエステルよりなるカプセルトナーである。該カプセルトナーとは、熱により殻の構造が弱くなる性質の殻を有し、低温で圧力により定着させることができる芯材を内包するトナーである。即ち、熱により殻の構造が変化し、圧力を加えられた時点で芯材が放出されて定着される。
【0009】
ここで、外殻の主成分である非晶質ポリエステルは、通常、1種以上のアルコール単量体(2価,3価以上)および1種以上のカルボン酸単量体(2価,3価以上)の縮重合によって得られるものであって、少なくとも3価以上の多価アルコール単量体および/または3価以上の多価カルボン酸単量体を含有する単量体を用いて縮重合によって得られるものである(特願平4−259088号)。このような非晶質ポリエステルは、外殻の全重量中、通常50〜100重量%含有され、外殻に含有される他の成分としては、ポリアミド、ポリエステルアミド、ポリウレア等を0〜50重量%用いることができる。
【0010】
2価アルコール成分としては、例えばポリオキシプロピレン(2.2) −2,2 −ビス (4−ヒドロキシフェニル) プロパン、ポリオキシプロピレン(3.3) −2,2 −ビス (4−ヒドロキシフェニル) プロパン、ポリオキシプロピレン(2.0) −2,2 −ビス (4−ヒドロキシフェニル) プロパン、ポリオキシプロピレン(2.0) −ポリオキシエチレン(2.0) −2,2 −ビス (4−ヒドロキシフェニル) プロパン、ポリオキシプロピレン(6) −2,2 −ビス (4−ヒドロキシフェニル) プロパン等のビスフェノールAのアルキレンオキシド付加物、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2 −プロピレングリコール、1,3 −プロピレングリコール、1,4 −ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4 −ブテンジオール、1,5 −ペンタンジオール、1,6 −ヘキサンジオール、1,4 −シクロヘキサンジメタノール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ビスフェノールA、ビスフェノールAのプロピレン付加物、ビスフェノールAのエチレン付加物、水素添加ビスフェノールA等が挙げられる。
【0011】
3価以上のアルコール成分としては、例えばソルビトール、1,2,3,6 −ヘキサンテトロール、1,4 −ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4 −ブタントリオール、1,2,5 −ペンタントリオール、グリセロール、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4 −ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5 −トリヒドロキシメチルベンゼン等が挙げられる。好ましくは、3価のアルコールが用いられる。
本発明においては、これらの2価のアルコール単量体及び3価以上の多価アルコール単量体から単独であるいは複数の単量体を用いることができる。
【0012】
また、酸成分としては、カルボン酸成分で2価の単量体として、例えばマレイン酸、フマール酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、コハク酸、アジピン酸、セバチン酸、アゼライン酸、マロン酸、n−ドデセニルコハク酸、n−ドデシルコハク酸、n−オクチルコハク酸、イソオクテニルコハク酸、イソオクチルコハク酸、及びこれらの酸の無水物、もしくは低級アルキルエステル等が挙げられる。
【0013】
3価以上のカルボン酸成分としては、例えば1,2,4 −ベンゼントリカルボン酸、2,5,7 −ナフタレントリカルボン酸、1,2,4 −ナフタレントリカルボン酸、1,2,4 −ブタントリカルボン酸、1,2,5 −ヘキサントリカルボン酸、1,3 −ジカルボキシル−2−メチル−2−メチレンカルボキシプロパン、1,2,4 −シクロヘキサントリカルボン酸、テトラ (メチレンカルボキシル) メタン、1,2,7,8 −オクタンテトラカルボン酸、ピロメリット酸、エンポール三量体酸及びこれらの酸無水物、低級アルキルエステル等が挙げられる。好ましくは、3価のカルボン酸もしくはその誘導体が用いられる。
本発明においては、これらの2価のカルボン酸単量体及び3価以上のカルボン酸単量体から単独であるいは複数の単量体を用いることができる。
【0014】
本発明における非晶質ポリエステルの製造方法は、特に限定されることなく、上記の単量体を用いてエステル化、エステル交換反応により製造することができる。ここで、非晶質とは明確な融点を有しない状態をいい、本発明においては、結晶質のポリエステルを用いると融解に必要なエネルギー量が大きく、トナー定着性が向上できず好ましくない。
【0015】
本発明に用いられる非晶質ポリエステルは、さらにガラス転移点が50〜80℃であることが好ましい。50℃未満であるとトナーの保存安定性が悪くなり、80℃を越えるとトナーの定着性が悪くなる。なお本発明において、ガラス転移点とは示差走査熱量計(セイコー電子工業社製)を用い、昇温速度10℃/min で測定した際に、ガラス転移点以下のベースラインの延長線とピークの立ち上がり部分からピークの頂点までの間での最大傾斜を示す接線との交点の温度をいう。
【0016】
また、該非晶質ポリエステルの酸価は、3〜50(KOHmg/g)であることが好ましく、より好ましくは10〜30(KOHmg/g)である。3(KOHmg/g)未満であると、殻材となる非晶質ポリエステルがin situ重合中に界面に出にくくなり、トナーの保存安定性が悪く、50(KOHmg/g)を越えるとポリエステルが水相へ移行しやすく製造安定性が悪くなる。ここで酸価の測定方法は、JIS K0070によるものである。
【0017】
本発明に好適に用いられる外殻の主成分が非晶質ポリエステルよりなるカプセルトナーは、in situ重合法などの公知の方法により製造される。このカプセルトナーは少なくとも熱可塑性樹脂、着色剤を含有する熱溶融性芯材と、その芯材の表面を被覆するよう設けた外殻とにより構成される。
【0018】
本発明におけるカプセルトナーの熱溶融性芯材の主成分として用いられる樹脂としては、ポリエステル樹脂、ポリエステル・ポリアミド樹脂、ポリアミド樹脂、ビニル樹脂等の熱可塑性樹脂が挙げられ、好ましくは、ビニル系樹脂が挙げられる。このような熱溶融性芯材の主成分となる熱可塑性樹脂に由来するガラス転移点は、10〜50℃であることが好ましいが、ガラス転移点が10℃未満ではカプセルトナーの保存安定性が悪化し、50℃を越えるとカプセルトナーの定着強度が悪化し好ましくない。
【0019】
前記の熱可塑性樹脂のうち、ビニル樹脂を構成する単量体としては、例えば、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、p−エチルスチレン、2,4 −ジメチルスチレン、p−クロルスチレン、ビニルナフタレン等のスチレン若しくはスチレン誘導体、例えばエチレン、プロピレン、ブチレン、イソブチレン等の如きエチレン系不飽和モノオレフィン類、例えば塩化ビニル、臭化ビニル、弗化ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ギ酸ビニル、カプロン酸ビニル等の如きビニルエステル類、例えばアクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸アミル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸イソオクチル、アクリル酸デシル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸メトキシエチル、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸グリシジル、アクリル酸2−クロルエチル、アクリル酸フェニル、α−クロルアクリル酸メチル、メタクリル酸、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸アミル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸イソオクチル、メタクリル酸デシル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸メトキシエチル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸グリシジル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル等の如きエチレン性モノカルボン酸及びそのエステル、例えばアクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド等の如きエチレン性モノカルボン酸置換体、例えばマレイン酸ジメチル等の如きエチレン性ジカルボン酸及びその置換体、例えばビニルメチルケトン等の如きビニルケトン類、例えばビニルメチルエーテル等の如きビニルエーテル類、例えばビニリデンクロリド等の如きビニリデンハロゲン化物、例えばN−ビニルピロール、N−ビニルピロリドン等の如きN−ビニル化合物類が挙げられる。
【0020】
本発明に係る芯材用の樹脂を構成する成分の内、樹脂の主骨格形成にスチレンもしくはスチレン誘導体を50〜90重量%用い、樹脂の軟化温度等の熱特性の調節にエチレン性モノカルボン酸もしくはそのエステルを10〜50重量%用いることが、芯材用樹脂のガラス転移点を制御し易く好ましい。
【0021】
本発明に係る芯材用の樹脂を構成する単量体組成物中に架橋剤を添加する場合、例えば、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン、ポリエチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、1,3 −ブチレングリコールジメタクリレート、1,6 −ヘキシレングリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ジプロピレングリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート、2,2'−ビス(4−メタクリロキシジエトキシフェニル)プロパン、2,2'−ビス(4−アクリロキシジエトキシフェニル)プロパン、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、ジブロムネオペンチルグリコールジメタクリレート、フタル酸ジアリルなど、一般の架橋剤を適宜(必要に応じて2種以上組み合わせて)用いることができる。
【0022】
これらの架橋剤の使用量は、重合性単量体を基準にして0.001 〜15重量%、好ましくは0.1 〜10重量%で使用するのが良い。これらの架橋剤の使用量が15重量%より多いとトナーが熱で溶融しにくくなり、熱定着性又は熱圧力定着性が劣ることとなる。また使用量が0.001 重量%より少ないと、熱圧力定着において、トナーの一部が紙に完全に固着しないでローラー表面に付着し、次の紙に転移するというオフセット現象を防ぎにくくなる。
また、上記単量体を、不飽和ポリエステルの存在下に重合させてグラフトもしくは架橋重合体とし、芯材用の樹脂としても良い。
【0023】
また、芯材用の熱可塑性樹脂を製造する際使用される重合開始剤としては、2,2'−アゾビス(2,4 −ジメチルバレロニトリル)、2,2'−アゾビスイソブチロニトリル、1,1'−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2'−アゾビス−4−メトキシ−2,4 −ジメチルバレロニトリル、その他のアゾ系又はジアゾ系重合開始剤:ベンゾイルパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド、イソプロピルパーオキシカーボネート、キュメンハイドロパーオキサイド、2,4 −ジクロロベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイドの如き過酸化物系重合開始剤が挙げられる。
【0024】
重合体の分子量及び分子量分布を調節する目的で、又は反応時間を調節する目的等で、二種類又はそれ以上の重合開始剤を混合して使用することもできる。重合開始剤の使用量は、重合単量体100 重量部に対して0.1 〜20重量部、好ましくは1〜10重量部である。
【0025】
本発明では、カプセルトナーの芯材中に着色剤が含有されるが、従来のトナー用着色剤に用いられている染料、顔料等のすべてを使用できる。
本発明に用いられる着色剤としては、サーマルブラック法、アセチレンブラック法、チャンネルブラック法、ランプブラック法等により製造される各種のカーボンブラック、カーボンブラックの表面を樹脂で被覆しているグラフト化カーボンブラック、ニグロシン染料、フタロシアニンブルー、パーマネントブラウンFG、ブリリアントファーストスカーレット、ピグメントグリーンB、ローダミン−Bベース、ソルベントレッド49、ソルベントレッド146 、ソルベントブルー35等及びそれらの混合物等を挙げる事ができ、通常、芯材中の樹脂 100重量部に対して1〜15重量部程度が使用される。
【0026】
本発明においては、更に芯材中に荷電制御剤を添加することもでき、添加する負帯電性荷電制御剤としては、特に限定されることなく、例えば含金属アゾ染料である「バリファーストブラック3804」、「ボントロンS−31」、「ボントロンS−32」、「ボントロンS−34」(以上、オリエント化学社製)、「アイゼンスピロンブラックTVH」(保土ヶ谷化学社製)等、銅フタロシアニン染料、サリチル酸のアルキル誘導体の金属錯体、例えば「ボントロンE−81」、「ボントロンE−82」、「ボントロンE−85」(以上、オリエント化学社製)、4級アンモニウム塩、例えば「COPY CHARGE NX VP434」(ヘキスト社製)、ニトロイミダゾール誘導体等を挙げることができる。
【0027】
正帯電性荷電制御剤としては、特に限定されることなく、例えばニグロシン染料として「ニグロシンベースEX」、「オイルブラックBS」、「オイルブラックSO」、「ボントロンN−01」、「ボントロンN−07」、「ボントロンN−11」(以上、オリエント化学社製)等、3級アミンを側鎖として含有するトリフェニルメタン系染料、4級アンモニウム塩化合物、例えば「ボントロンP−51」(オリエント化学社製)、セチルトリメチルアンモニウムブロミド、「COPY CHARGE PX VP435」(ヘキスト社製)等、ポリアミン樹脂、例えば「AFP−B」(オリエント化学社製)、イミダゾール誘導体等を挙げることができる。
以上の荷電制御剤は芯材中に0.1 〜8.0 重量%、好ましくは0.2 〜5.0 重量%含有される。
【0028】
芯材中には必要に応じて、熱圧力定着における耐オフセット性を改善する目的で、例えばポリオレフィン、脂肪酸金属塩、脂肪酸エステル、部分ケン化脂肪酸エステル、高級脂肪酸、高級アルコール、パラフィンワックス、アミド系ワックス、多価アルコールエステル、シリコンワニス、脂肪族フロロカーボン、シリコンオイル等のオフセット防止剤を任意の一種以上含有せしめても良い。
【0029】
前記ポリオレフィンとしては、例えばポリプロピレン、ポリエチレン、ポリブテン等の樹脂であって、軟化点が80〜160 ℃のものである。前記脂肪酸金属塩としては、例えばマレイン酸と亜鉛、マグネシウム、カルシウム等との金属塩;ステアリン酸と亜鉛、カドミウム、バリウム、鉛、鉄、ニッケル、コバルト、銅、アルミニウム、マグネシウム等との金属塩;二塩基性ステアリン酸鉛;オレイン酸と亜鉛、マグネシウム、鉄、コバルト、銅、鉛、カルシウム等との金属塩;パルミチン酸とアルミニウム、カルシウム等との金属塩;カプリル酸塩;カプロン酸鉛;リノール酸と亜鉛、コバルト等との金属塩;リシノール酸カルシウム;リシノレイン酸と亜鉛、カドミウム等との金属塩及びこれらの混合物等が挙げられる。前記脂肪酸エステルとしては、例えばマレイン酸エチルエステル、マレイン酸ブチルエステル、ステアリン酸メチルエステル、ステアリン酸ブチルエステル、パルミチン酸セチルエステル、モンタン酸エチレングリコールエステル等が挙げられる。前記部分ケン化脂肪酸エステルとしては、例えばモンタン酸エステルのカルシウム部分ケン化物等が挙げられる。前記高級脂肪酸としては、例えばドデカン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リシノール酸、アラキン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、セラコレイン酸等及びこれらの混合物を挙げることができる。前記高級アルコールとしては、例えばドデシルアルコール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、パルミチルアルコール、ステアリルアルコール、アラキルアルコール、ベヘニルアルコール等を挙げることができる。前記パラフィンワックスとしては、例えば天然パラフィン、マイクロワックス、合成パラフィン、塩素化炭化水素等が挙げられる。前記アミド系ワックスとしては、例えばステアリン酸アミド、オレイン酸アミド、パルミチン酸アミド、ラウリル酸アミド、ベヘニン酸アミド、メチレンビスステアロアミド、エチレンビスステアロアミド、N,N'−m−キシリレンビスステアリン酸アミド、N,N'−m−キシリレンビス−12−ヒドロキシステアリン酸アミド、N,N'−イソフタル酸ビスステアリルアミド、N,N'−イソフタル酸ビス−12−ヒドロキシステアリルアミド等が挙げられる。前記多価アルコールエステルとしては、例えばグリセリンステアレート、グリセリンリシノレート、グリセリンモノベヘネート、ソルビタンモノステアレート、プロピレングリコールモノステアレート、ソルビタントリオレート等が挙げられる。前記シリコンワニスとしては、例えばメチルシリコンワニス、フェニルシリコンワニス等が挙げられる。前記脂肪族フロロカーボンとしては、例えば四フッ化エチレン、六フッ化プロピレンの低重合化合物あるいは特開昭53−124428号公報記載の含フッ素界面活性剤等が挙げられる。
これらのオフセット防止剤の芯材中の樹脂に対する割合は1〜20重量%が好ましい。
【0030】
本発明におけるカプセルトナーの製造方法は、製造設備や製造工程の簡素化という点からin situ重合法が好ましいが、例えば芯材としての母粒子と数平均粒子径が母粒子の数平均粒子径の 1/8以下である外殻形成材料の子粒子とを気流中で高速撹拌して外殻を形成するといった乾式法にて行われてもよい。
【0031】
以下、in situ重合法による製造方法を例にとり説明する。
この製造方法において、外殻形成は、芯材構成材料と非晶質ポリエステルよりなる外殻構成材料の混合液を分散媒中に分散させ、外殻構成材料が液滴の表面に偏在するという性質を利用して行うことができる。即ち、溶解度指数の差によって混合液の液滴中で芯材構成材料と外殻構成材料の分離が起こり、その状態で重合が進行してカプセル構造が形成される。この方法によると、外殻がほぼ均一な厚みを持った非晶質ポリエステルよりなる層として形成されるため、トナーの帯電特性が均質になるという特長を有する。
【0032】
この方法による場合、分散質の凝集、合体を防ぐ為に、分散媒中に分散安定剤を含有させておく必要がある。
分散安定剤としては、例えばゼラチン、ゼラチン誘導体、ポリビニルアルコール、ポリスチレンスルホン酸、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリアクリル酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、テトラデシル硫酸ナトリウム、ペンタデシル硫酸ナトリウム、オクチル硫酸ナトリウム、アリル−アルキル−ポリエーテルスルホン酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、ラウリン酸ナトリウム、カプリン酸ナトリウム、カプリル酸ナトリウム、カプロン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、オレイン酸カルシウム、3,3 −ジスルホンジフェニル尿素−4,4 −ジアゾ−ビス−アミノ−β−ナフトール−6−スルホン酸ナトリウム、オルト−カルボキシベンゼン−アゾ−ジメチルアニリン、2,2,5,5 −テトラメチル−トリフェニルメタン−4,4 −ジアゾ−ビス−β−ナフトール−ジスルホン酸ナトリウム、コロイダルシリカ、アルミナ、リン酸三カルシウム、水酸化第二鉄、水酸化チタン、水酸化アルミニウム、その他を使用することができる。これらの分散安定剤は二種以上を併用してもよい。
【0033】
前記分散安定剤の分散媒としては、水、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、エチレングリコール、グリセリン、アセトニトリル、アセトン、イソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等が挙げられる。これらを単独あるいは混合して用いることも可能である。
【0034】
本発明における製造方法において、前記の非晶質ポリエステルの添加量は、芯材100重量部に対し、通常3〜50重量部、好ましくは5〜40重量部である。3重量部未満であると外殻の膜厚が薄くなりすぎて保存安定性が悪くなり、50重量部を越えると高粘度になり微粒化が困難となり製造安定性が悪くなる。
【0035】
本発明においては、前記のようにして得られるカプセルトナーを前駆体粒子として更にseed重合を行った熱圧力定着用カプセルトナーを用いてもよい。従って、本発明においてカプセルトナーとは、前記のようなin situ重合法単独で得られるものの他、in situ重合とseed重合を組み合わせて得られるものをも含むものである。
【0036】
即ち、seed重合は前記のようにして得られるカプセルトナー(以下、前駆体粒子という場合がある)の水系懸濁液に少なくともビニル重合性単量体とビニル重合開始剤を添加して前駆体粒子中に吸収させた後、該前駆体粒子中の単量体成分を重合させるものである。例えば、前記のin situ重合法による前駆体粒子の製造後、懸濁状態のまま、直ちに少なくともビニル重合性単量体とビニル重合開始剤を添加して前駆体粒子中に吸収させ、該前駆体粒子中の単量体成分をseed重合させてもよい。こうすることにより製造工程をより簡略化できる。なお、前駆体粒子中に吸収させるビニル重合性単量体等は、予め水乳濁液として添加しても良い。
【0037】
添加する水乳濁液は、水にビニル重合性単量体とビニル重合開始剤を分散安定剤と共に乳化分散させたものであり、他に架橋剤、オフセット防止剤、荷電制御剤等を含有させることもできる。
【0038】
seed重合に用いるビニル重合性単量体としては、前記の前駆体粒子の製造時に用いられるものと同じものでもよい。また、ビニル重合開始剤、架橋剤、分散安定剤も、前記の前駆体粒子の製造時に用いられるものと同様のものを用いることができる。seed重合に用いる架橋剤の使用量としては、ビニル重合性単量体を基準にして0.001 〜15重量%、好ましくは0.1 〜10重量%で使用するのが良い。これらの架橋剤の使用量が15重量%より多いと得られるトナーが熱で溶融しにくくなり、熱定着性又は熱圧力定着性が劣ることとなる。また使用量が0.001 重量%より少ないと、熱圧力定着において、トナーの一部が紙に完全に固着しないでローラー表面に付着し、次の紙に転移するというオフセット現象を防ぎにくくなる。
【0039】
また、トナーの保存安定性の更なる向上のため、前記の非晶質ポリエステルを水乳濁液に添加してもよい。そのときの添加量としては芯材100重量部に対し、通常1〜20重量部、好ましくは3〜15重量部である。また、外殻の主成分である非晶質ポリエステルの他に、例えばカルボキシル基、酸無水物基、水酸基、アミノ基、アンモニウムイオン等の親水基官能基を有するビニル樹脂、非晶質ポリエステルアミド、非晶質ポリアミド、エポキシ樹脂等を併用してもよい。このような水乳濁液は、超音波発振機等により均一に分散させて調製することができる。
【0040】
また、seed重合で添加する非晶質ポリエステルの酸価は、in situ重合(1段目反応)の場合と同様に3〜50(KOHmg/g)であることが好ましく、より好ましくは10〜30(KOHmg/g)である。3(KOHmg/g)未満であると、殻材となる非晶質ポリエステルがseed重合中に界面に存在しにくくなり、得られるトナーの保存安定性が悪く、50(KOHmg/g)を越えるとポリエステルが水相へ移行しやすく製造安定性が悪くなる。ここで酸価の測定方法は、JIS K0070によるものである。
【0041】
水乳濁液の添加量は、ビニル重合性単量体の使用量が、前駆体粒子100重量部に対し10〜200重量部となるように調整する。10重量部未満では定着性改良に効果が無く、200重量部を越えると均一に単量体を前駆体粒子中に吸収させ難くなる。
【0042】
上記の水乳濁液の添加により、該ビニル重合性単量体は前駆体粒子中に吸収されて前駆体粒子の膨潤が起こる。そして、この状態で前駆体粒子中の単量体成分が重合する。即ち、前駆体粒子を種粒子とするseed重合である。
【0043】
このようにして更にseed重合させると、in situ重合法単独で製造されたカプセルトナーと比較して、つぎの点がより改善されることになる。
【0044】
即ち、in situ重合法で製造したカプセルトナーは、低温定着性と保存安定性の点で従来のものより優れるが、seed重合法を更に行うことにより、界面科学的により均一な外殻が形成され、更なる保存安定性が優れるものとなる。また、芯材の重合性単量体を2段(in situ重合反応およびseed重合反応)に分けて重合させることができるため、さらに、架橋剤を適宜使用することにより、芯材中の熱可塑性樹脂の分子量制御が容易になり、低温定着性と耐オフセット性をより良好にすることができる。特に高速での定着のみならず低速での定着にも適したトナーを提供することができる。
【0045】
また、帯電制御を目的として本発明におけるカプセルトナーの外殻材料中には先に例示した如き荷電制御剤を適量添加してもよいし、また、この荷電制御剤をトナーと混合して用いることもできるが、外殻自身で帯電性を制御しているため、それらを添加する場合でも添加量は少なくてすむ。
【0046】
なお、本発明におけるカプセルトナーの粒径は別段制約を受けるものではないが、平均粒径は通常3〜30μm とされる。カプセルトナーの外殻の厚みは0.01〜1μm が好ましく、0.01μm 未満では耐ブロッキング性が悪化し、1μm を超えると熱溶融性が悪化し好ましくない。
【0047】
本発明におけるカプセルトナーには、必要に応じて、流動性向上剤、クリーニング性向上剤などを用いることができる。流動性向上剤としては、例えばシリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ベンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素などを挙げることができる。特にシリカの微粉末が好ましい。
【0048】
なお、シリカの微粉末は、Si−O−Si結合を有する微粉末であり、乾式法及び湿式法で製造されたもののいずれであってもよい。また、無水二酸化ケイ素のほか、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸亜鉛などいずれであってもよいが、 SiO2 を85重量%以上含むものが好ましい。また、シラン系カップリング剤、チタン系カップリング剤、シリコンオイル、側鎖にアミンを有するシリコンオイルなどにより表面処理されたシリカの微粉末などを用いることができる。
【0049】
クリーニング性向上剤としては、ステアリン酸亜鉛に代表される高級脂肪酸の金属塩、フッ素系高分子量体の微粒子粉末などがある。
更に現像性を調整するための添加剤、例えばメタクリル酸メチルエステル、メタクリル酸ブチルエステル等の重合物の微粒子粉末などを用いてもよい。
【0050】
更に調色、抵抗調整などのために少量のカーボンブラックを用いてもよい。カーボンブラックとしては従来公知のもの、例えばファーネスブラック、チャネルブラック、アセチレンブラックなどの種々のものを用いることができる。
【0051】
磁気ブラシ現像法に用いられるキャリア粒子としては、一般に鉄鋼石を還元して製造する鉱石還元鉄粉、ミルスケールを還元して製造するミルスケール還元鉄粉、銅の溶湯を細かい細孔から流出して冷却粉末化した球状のアトマイズ鉄粉、銅の薄片を窒化し粉砕後脱窒素化した窒化鉄粉等が従来から使用されている。また、Fe2 3 を主原料としたフェライト粉を造粒/乾燥、焼成する事により得られるフェライトキャリアも用いられている。
【0052】
鉄粉系キャリアは空気中の水分により酸化され表面にFe2 3 いわゆる錆が発生する為、強制酸化により比較的高抵抗の安定な酸化薄膜で覆うが、この処理度合いでキャリアの電気抵抗を調整する事ができる。鉄粉系キャリアはフェライトキャリアに比較して低抵抗であり画像濃度が出易いが真比重が大きい事、流動性が低い事から現像剤寿命は一般的にフェライトキャリアより劣る。
【0053】
一方、フェライトキャリアは真比重が鉄粉系キャリアに比較し30〜40%小さく、電気抵抗、磁気特性を幅広く制御する事ができ、球状であり流動性が良く、残留磁化が少ないものが出来る等の特徴を有している。その為、フェライトキャリアは鉄粉系キャリアに比較すると画像の調整がし易く、且つ現像剤の長寿命化に適しているがまだ要望を十分に満たすレベルに至っていない。
【0054】
また、現像剤の長寿命化に対しては核粒子の性能、トナーの性能も考慮して検討する必要がある。即ち、フェライトキャリアを核粒子とする場合フェライトの原料であるFe2 3 ,NiO,CuO,CoO,MgO,ZnO,NiCO3 ,MnCO3 ,BaCO3 ,SrCO3 ,Li2 CO3 ,CdO等の組成比と組成の均一性が重要であり且つ化学的変化の少ない材料を選択する必要がある。
【0055】
マグネタイト(Fe2 3 )もフェライトの一種で、別名、鉄フェライトとも呼ばれている。原料はFe2 3 を100%使用し、これを後述のフェライト製造と同様の乾式法によりキャリアを製造する。マグネタイトキャリアは磁気特性、特に最大磁化がフェライトより大きく、キャリア内部に低抵抗のFeOが有る事、FeOが比較的低抵抗である事からフェライトキャリアより低抵抗になり画像濃度が出易く、且つ他の性能はフェライト系に準ずる為、有効現像電位幅が小さい反転現像方式の現像剤には効果的であり最近注目されている。
【0056】
本発明において用いる事のできる核粒子としては、マグネタイトキャリア又はフェライトキャリアであり、Fe2 3 以外にはNiO,CuO,CoO,MgO,ZnO,NiCO3 ,MnCO3 ,BaCO3 ,SrCO3 ,Li2 CO3 ,CdO等の原料を用いる。他に、添加剤としてはSiO2 ,CaCO3 ,TiO2 ,SnO2 ,PbO,V2 5 ,Bi2 5 ,Al2 3 等を用いる事も出来る。
【0057】
フェライトキャリアは一般に原料を機械的に混合し、仮焼成微粉砕後、造粒、高温焼成する乾式法で製造される。即ち、主原料の数種の金属酸化物に、場合により添加剤的に他の金属酸化物を配合し乾燥後、焼成したものにポリビニルアルコールのごとき結着剤、消泡剤、分散剤等を加え造粒用のスラリーとする。該スラリーを粉霧乾燥し得られた顆粒を電気炉にて900〜1300℃で焼成した後、解砕、分級し核粒子が製造される。
【0058】
本発明においては、上記のようなキャリアのうち、後述の理由により見かけ密度2.7g/cm3 以下、または飽和磁化60emu/g以下のものが用いられる。本発明では、これらの条件のうち、いずれか一方を満たしていればよいが、この条件の両方を満たしたもの、即ち見かけ密度が2.7g/cm3 以下であり、かつ飽和磁化が60emu/g以下のものが、より好適に用いられる。
【0059】
キャリアの見かけ密度は、JIS−Z2504(金属粉の見かけ密度試験方法)に準じた測定方法で測定されるが、一般にフェライトキャリアまたはマグネタイトキャリアの見かけ密度は2.5〜3.5(g/cm3 )であり、鉄粉キャリアの2.5〜4.5に比較して若干軽い。しかし本発明に用いられるキャリアは見かけ密度が小さく、通常2.7g/cm3 以下好ましくは2.0〜2.6g/cm3 を必要とする。見かけ密度が2.7g/cm3 を越える場合は、トナーにかかる力が大きくなり過ぎ、本発明に使用するカプセルトナーの殻が破損し易くなる。又、密度が2.0g/cm3 未満の場合は、飽和磁化が低すぎたり、キャリアの強度が無くなり現像槽内で破損し易くなったり、キャリア飛散を生じ易くなる等の好ましくない現象が発生する可能性があるので、2.0g/cm3 以上が好ましい。
【0060】
このような低見かけ密度キャリアは、キャリア製造に於いて原料の金属酸化物の粒度、分散剤、結着剤の種類と添加量、増量剤の添加、スラリー化の条件、粉霧乾燥の条件及び焼成条件等をコントロールする事により達成する事が出来る。
【0061】
キャリアの飽和磁化は、振動容量型磁力計(東英工業製VSMP−1)により磁束密度を3000Oeに設定した時の条件にて測定されるが、一般にフェライトキャリアの飽和磁化は通常50〜80(emu/g)であり鉄粉キャリアの150〜210に比較して小さい。しかし本発明に用いられるキャリアは、飽和磁化が小さく、通常60emu/g以下、好ましくは30〜55emu/gを必要とする。飽和磁化が60emu/gを越える場合は、トナーにかかる力が大きくなり過ぎ、本発明に使用するカプセルトナーの殻が破損し易くなる。又、飽和磁化が30emu/g未満の場合は、現像剤の流動性が低下したり、帯電量の迅速な立ち上がりが無く、現像槽内からトナーの吹き出しが発生したり、キャリア飛散を生じ易くなる等の好ましくない現象が発生する可能性があり、30emu/g以上が好ましい。
【0062】
このような飽和磁化の低いキャリアは、キャリア製造に於いて原料の金属酸化物の粒度、分散剤、結着剤の種類と添加量、増量剤の添加、スラリー化の条件、粉霧乾燥の条件及び焼成条件等をコントロールする事により達成する事が出来る。キャリアの飽和磁化は主として組成に依存しておりMn,Feの含有量を多くすると飽和磁化は低下する。
【0063】
又、フェライトキャリア、マグネタイトキャリア等の核粒子の表面に樹脂被覆層を設けた樹脂コートキャリアが考案されており、キャリア粒子表面にトナーが固着してトナーの帯電を不安定にする事が軽減され現像剤の耐久性を更に向上する事が出来る点、トナーの摩擦帯電性を調節できる点、帯電特性の環境依存性を軽減できる点等の可能性を持っており最近注目されている。コート用の樹脂材料に必要な性能としては、その核体粒子の表面上の被覆層十分な耐摩耗性と耐熱性を有する事、被覆層が核体粒子に対して十分な接着性を有する事、キャリア粒子表面にトナー粒子が固着しないように被覆層が良好な固着防止性を有する事、トナーに容易に所望の極性及び大きさの帯電性を与える事等が要求される。樹脂材料としてはフッ素樹脂、アクリル樹脂、スチレンアクリル樹脂、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリブタジエン樹脂等が用いられ、好ましくはアクリル樹脂、シリコーン樹脂である。
【0064】
キャリアへの被覆方法は、樹脂を有機溶剤等に溶解したり、水性樹脂エマルジョンにした溶液を用い、浸漬法、粉霧法等により、粒子表面に塗布した後、乾燥及び/又は加熱硬化等により厚さが通常0.1μm〜1.0μmの樹脂皮膜を作るものが一般的である。しかし本発明におけるカプセルトナーに用いるコートキャリアは、コーティング層の厚さが通常1.0μm以上のものが用いられる。コーティング層の厚さが1.0μm未満ではキャリアの表面の凹凸を平滑化するには不十分であり、流動性が低くなりカプセルトナーにかかる力が大きくなる為、殻の摩耗、破損が発生し易く現像剤寿命が短くなる為、好ましくない。一方キャリアのコート層は現像器内のマグネットロール上にあるスリーブにより摩耗するがコーティング層を厚くする事により、流動性が向上し摩耗による膜厚の低減を抑制できるため長寿命化に効果がある。従って、更に好ましくは2.0μm 以上である。しかし、一方コーティング層の厚膜化は多数回の樹脂コートを行うか樹脂溶液の高濃度化が必要であり前者の場合は製造工程の煩雑化、後者の場合は塗膜の不均一性が問題となり現実的にはコーティング層の厚さは嵩々5.0μmである。
【0065】
本発明における前記のようなカプセルトナーと前記のような見かけ密度、または飽和磁化を有するキャリアとからなる二成分現像剤を用いて本発明の現像方法を実施する場合、用いる現像装置及び方法としては従来より公知のものをそのまま利用することができる。即ち、像担持体上の潜像と逆極性のトナーをクーロン力で現像する正規現像方式、像担持体上の潜像と同極性のトナーをバイアス電圧を印加してクーロン反発力を利用して現像する反転現像方式のようにして像担持体上の潜像を現像することができる。
この場合、トナー粒子とキャリアの配合量は通常1/99〜20/80である。
【0066】
本発明の現像方法は、像担持体として感光体上に形成された潜像や、誘電体に形成された潜像等の現像に用いることができる。
このようにして本発明の現像方法により現像工程が終了した後は、例えば従来より公知の方法でトナー像は記録紙等の記録媒体に転写され、定着される。
【0067】
【実施例】
以下、実施例および比較例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例等によりなんら限定されるものではない。
【0068】
カプセルトナー製造例1
ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物367.5g、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物146.4g、テレフタル酸126.0g、ドデセニル無水コハク酸40.2g、無水トリメリット酸77.7gをガラス製2リットルの4つ口フラスコに入れ、温度計、ステンレス製攪拌棒、流下式コンデンサー、及び窒素導入管を取り付け、マントルヒーター中で、窒素気流下にて220℃にて反応せしめた。
【0069】
重合度は、ASTM E28−67に準拠した軟化点より追跡を行い、軟化点が110℃に達したとき、反応を終了した。このとき得られた樹脂を樹脂Aとする。
この樹脂のガラス転移点を、示差走査熱量計(セイコー電子工業社製)で測定したところ、65℃であった。また、軟化点および酸価を測定し、それぞれ110℃および18KOHmg/gであった。なお、酸価はJIS K0070に準ずる方法により測定した。
【0070】
スチレン69.0重量部、2−エチルヘキシルアクリレート31.0重量部、ジビニルベンゼン 0.9重量部、カーボンブラック「#44 」(三菱化成社製)7.0 重量部に、樹脂Aを20重量部、2,2'−アゾビスイソブチロニトリル3.5 重量部を添加し、アトライター(三井三池化工機社製)に投入し、10℃にて5時間分散し、重合性組成物を得た。次いで、2リットルのガラス製セパラブルフラスコに予め調製したリン酸三カルシウム4重量%の水性コロイド溶液560gに対して前記の重合性組成物を240g添加し、TKホモミキサー(特殊機化工業社製)を用いて、5℃にて回転数12000rpmで5分間乳化分散させた。
【0071】
次に、4つ口のガラス製の蓋をし、還流冷却管、温度計、窒素導入管、ステンレススチール製撹拌棒を取り付け、電熱マントルヒータ中に設置した。窒素下にて撹拌を続けながら、85℃まで昇温し、10時間反応せしめた。冷却後、10%塩酸水溶液にて分散媒を溶かし、濾過、水洗を経て、45℃にて12時間、20mmHgで減圧乾燥し、風力分級機にて分級し、平均粒径8μm の外殻が非晶質ポリエステルであるカプセルトナーを得た。
【0072】
このカプセルトナー 100重量部に、疎水性シリカ微粉末「アエロジル R-972」(日本アエロジル社製)0.4 重量部を加えて混合し、本発明におけるカプセルトナーを得た。これをトナー1とする。芯材中の樹脂に由来するガラス転移点は30.6℃、また、トナー1の軟化点は125.5 ℃であった。
【0073】
カプセルトナー製造例2
ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物525.0g、テレフタル酸138.6g、ドデセニル無水コハク酸160.8gをガラス製2リットルの4つ口フラスコに入れ、温度計、ステンレス製攪拌棒、流下式コンデンサー、及び窒素導入管を取り付け、マントルヒーター中で、窒素気流下にて220℃にて反応せしめた。
【0074】
重合度は、ASTM E28−67に準拠した軟化点より追跡を行い、軟化点が110℃に達したとき、反応を終了した。このとき得られた樹脂を樹脂Bとする。
この樹脂のガラス転移点を、示差走査熱量計(セイコー電子工業社製)で測定したところ、63℃であった。また、軟化点および酸価を測定し、それぞれ110℃および10KOHmg/gであった。なお、酸価はJIS K0070に準ずる方法により測定した。
【0075】
スチレン75重量部、n−ブチルアクリレート25重量部よりなる軟化点75.3℃、ガラス転移点40.5℃の共重合体100 重量部を銅フタロシアニン「Sumikaprint Cyanine Blue GN-0 」(住友化学社製)6重量部、樹脂Bを15重量部、ポリプロピレンワックス「Biscol 550P」(三洋化成社製)5重量部とともに予備混合を行い、2軸の押し出し機にて溶融混練し、冷却後粉砕した。この混錬物を40重量部、スチレン50重量部、n−ブチルアクリレート15重量部、2,2'−アゾビスイソブチルニトリル2.5 重量部を混合し、重合性組成物を得た。次いで、2リットルのガラス製セパラブルフラスコにて予め調製しておいたリン酸三カルシウム4重量%の水性コロイド溶液560gに対して前記の重合性組成物を240g添加し、TKホモミキサーを用いて、5℃にて回転数12000rpmで2分間乳化分散させた。
【0076】
次に、4つ口のガラス製の蓋をし、還流冷却管、温度計、窒素導入管、ステンレススチール製撹拌棒を取り付け、電熱マントルヒータ中に設置した。窒素下にて撹拌を続けながら、85℃まで昇温し、10時間反応せしめた。冷却後、10%塩酸水溶液にて分散媒を溶かし、濾過、水洗を経て、45℃にて12時間、20mmHgで減圧乾燥し、風力分級機にて分級し、平均粒径8μm の外殻が非晶質ポリエステルであるカプセルトナーを得た。
【0077】
このカプセルトナー 100重量部に、疎水性シリカ微粉末「アエロジル R-972」(日本アエロジル社製)0.4 重量部を加えて混合し、本発明におけるカプセルトナーを得た。これをトナー2とする。芯材中の樹脂に由来するガラス転移点は33.2℃、またトナー2の軟化点は122.8 ℃であった。
【0078】
カプセルトナー製造例3
スチレン69.0重量部、2−エチルヘキシルアクリレート31.0重量部、2、2’−アゾビスイソブチロニトリル6.0重量部、ジビニルベンゼン0.8重量部に前記の樹脂Aを15.0重量部添加し、樹脂Aを溶解させた。樹脂Aが溶解した後にスチレンによりグラフトされたカーボンブラック「GPE−3」(菱有工業社製)20重量部を添加し、マグネチックスターラーで1時間分散し、重合性組成物を得た。次いで2リットルのガラス製セパラブルフラスコにて予め調製したリン酸三カルシウム4重量%の水性コロイド溶液560gに対して前記の重合性組成物240gを添加し、TKホモミキサーを用いて乳化分散させた。
【0079】
次に4つ口のガラス製の蓋をし、還流冷却管、温度計、窒素導入管、ステンレス製攪拌棒を取り付け、電熱マントルヒーター中に設置し、窒素下にて攪拌を続けながら、1段目の重合として85℃まで昇温し、10時間の重合反応を行い種粒子とし室温まで冷却し、前駆体粒子を得た。
【0080】
次いで、該前駆体粒子の水系懸濁液中に、超音波発振機(US−150、(株)日本精機製作所製)にて調製したスチレン26.0重量部、2−エチルヘキシルアクリレート14.0重量部、2、2’−アゾビスイソブチロニトリル1.6重量部、ジビニルベンゼン0.8重量部、ラウリル硫酸ナトリウム0.2重量部、水80重量部からなるエマルション溶液122.6重量部を滴下し、窒素下にて攪拌を続けながら、2段目の重合として85℃まで昇温し10時間反応せしめた。冷却後10%塩酸水溶液にて分散媒を溶かし、濾過、水洗を経て風乾後、45℃にて12時間、20mmHgで減圧乾燥し、風力分級機にて分級し、平均粒径8μmの外殻が非晶質ポリエステルであるカプセルトナーを得た。
【0081】
このカプセルトナー100重量部に疎水性シリカ微粉末「アエロジルR−972」0.4重量部を加えて、混合し本発明のカプセルトナーを得た。これをトナー3とする。
芯材中の樹脂に由来するガラス転移点は35.6℃、またトナー3の軟化点は122.0℃であった。
【0082】
キャリア製造例1
Fe2 3 53モル%、ZnO32モル%、CuO15モル%を湿式ボールミルで10時間粉砕・混合し、乾燥させた後950℃で4時間保持した。これを湿式ボールミルで24時間粉砕し3μm以下とした。このスラリーを造粒乾燥し、電気炉にて窒素雰囲気中で1200℃、6時間保持した後、粉砕・分級して60〜100μmとした。この造粒フェライトキャリアの磁気特性を測定したところ3000Oe時の磁化の値は55emuであり、保持力、残留磁化は0であった。且つ、見かけ密度は2.5であった。
【0083】
キャリア製造例2
Fe2 3 を湿式ボールミルで10時間粉砕・混合し、乾燥させた後950℃で4時間保持した。これを湿式ボールミルで24時間粉砕し5μm以下とした。このスラリーを造粒乾燥し、電気炉にて窒素雰囲気中で1200℃で6時間保持した後、粉砕・分級して60〜100μmとした。この造粒マグネタイトキャリアの磁気特性を測定したところ3000Oe時の磁化の値は55emuであり、保持力、残留磁化は0であった。且つ、見かけ密度は2.7であった。
【0084】
キャリア製造例3
Fe2 3 69モル%、ZnO16モル%、CuO15モル%を湿式ボールミルで10時間粉砕・混合し、乾燥させた後950℃で4時間保持した。これを湿式ボールミルで24時間粉砕し5μm以下とした。このスラリーを造粒乾燥し、電気炉にて窒素雰囲気中で1200℃、6時間保持した後、粉砕・分級して60〜100μmとした。この造粒フェライトキャリアの磁気特性を測定したところ3000Oe時の磁化の値は48emuであり、保持力、残留磁化は0であった。且つ、見かけ密度は2.5であった。
【0085】
キャリア製造例4
Fe2 3 を湿式ボールミルで10時間粉砕・混合し、乾燥させた後950℃で4時間保持した。これを湿式ボールミルで24時間粉砕し5μm以下とした。このスラリーを造粒乾燥し、電気炉にて窒素雰囲気中で1200℃で6時間保持した後、粉砕・分級して60〜100μmとした。この造粒マグネタイトキャリアの磁気特性を測定したところ3000Oe時の磁化の値は50emuであり、保持力、残留磁化は0であった。且つ、見かけ密度は2.7であった。
【0086】
コートキャリア製造例1
キャリア製造例1で得られたフェライトキャリアを用い、被覆用シリコーン樹脂組成物を流動床を用いてキャリアに対し12重量%のコーティングを行い、更に150℃で3時間焼き付けを行い、樹脂コートキャリアを得た。該樹脂コートキャリアの見かけ密度は、2.40g/cm3 、抵抗は3×1012Ωcmであり、且つ、飽和磁化は55emu/gであった。又、該コートキャリアのコート材の厚みを炭素分析装置にて全コート材重量を算出し測定した結果、1.5μmであった。
【0087】
コートキャリア製造例2
キャリア製造例2で得られたマグネタイトキャリアを用い、被覆用アクリル系樹脂組成物を流動床を用いてキャリアに対し12重量%のコーティングを行い、更に150℃で3時間焼き付けを行い、樹脂コートキャリアを得た。該樹脂コートキャリアの見かけ密度は2.60g/cm3 、抵抗は4×1012Ωcmであり、且つ、飽和磁化は84emu/gであった。又、該コートキャリアのコート材の厚みを炭素分析装置にて全コート材重量を算出し測定した結果、1.5μmであった。
【0088】
コートキャリア製造例3
キャリア製造例3で得られたフェライトキャリアを用い、被覆用アミン変性シリコーン樹脂組成物を流動床を用いてキャリアに対し15重量%のコーティングを行い、更に150℃で3時間焼き付けを行い、樹脂コートキャリアを得た。該樹脂コートキャリアの見かけ密度は、2.40g/cm3 、抵抗は3×1012Ωcmであり、且つ、飽和磁化は48emu/gであった。又、該コートキャリアのコート材の厚みを炭素分析装置にて全コート材重量を算出し測定した結果、1.8μmであった。
【0089】
コートキャリア製造例4
キャリア製造例4で得られたマグネタイトキャリアを用い、被覆用ウレタン変性シリコーン樹脂組成物を流動床を用いてキャリアに対し15重量%のコーティングを行い、更に150℃で3時間焼き付けを行い、樹脂コートキャリアを得た。該樹脂コートキャリアの見かけ密度は、2.60g/cm3 、抵抗は2×1012Ωcmであり、且つ、飽和磁化は86emu/gであった。又、該コートキャリアのコート材の厚みを炭素分析装置にて全コート材重量を算出し測定した結果、1.8μmであった。
【0090】
実施例1
カプセルトナー製造例1で得られたカプセルトナー8重量部に対しコートキャリア製造例1で得られた樹脂コートキャリアを92重量部混合し、Vブレンダーにて約8時間混合撹拌し現像剤を得た。
前記の現像剤を用い、且つ間欠的にカプセルトナーを補給しながら撹拌装置を備えた市販のOPC搭載のコピー速度12枚/分のディジタルコピアにより複写したところ、A4サイズにして5万枚の現像を行っても全く画像の劣化は見られず良好な画質の複写が得られた。又、該トナーの定着性をガーゼこすりテストで評価したところ100℃のヒートローラー表面温度で充分に定着していた。
【0091】
実施例2
カプセルトナー製造例2で得られたカプセルトナー8重量部に対しコートキャリア製造例2で得られた樹脂コートキャリアを92重量部混合し、Vブレンダーにて約8時間混合撹拌し現像剤を得た。
前記の現像剤を用い、且つ間欠的にカプセルトナーを補給しながら撹拌装置を備えた実施例1と同様の市販のOPC搭載のディジタルコピアにより複写したところ、A4サイズにして5万枚の現像を行っても全く画像の劣化は見られず良好な画質の複写が得られた。
【0092】
実施例3
カプセルトナー製造例1で得られたカプセルトナー8重量部に対しコートキャリア製造例3で得られた樹脂コートキャリアを92重量部混合し、Vブレンダーにて約8時間混合撹拌し現像剤を得た。
前記の現像剤を用い、且つ間欠的にカプセルトナーを補給しながら撹拌装置を備えたコピー速度12枚/分の市販のOPC搭載のディジタルコピアにより複写したところ、A4サイズにして5万枚の現像を行っても全く画像の劣化は見られず良好な画質の複写が得られた。又、該トナーの定着性をガーゼこすりテストで評価したところ100℃のヒートローラ表面温度で充分に定着していた。
【0093】
実施例4
カプセルトナー製造例2で得られたカプセルトナー8重量部に対しコートキャリア製造例4で得られた樹脂コートキャリアを92重量部混合し、Vブレンダーにて約8時間混合撹拌し現像剤を得た。
前記の現像剤を用い、且つ間欠的にカプセルトナーを補給しながら撹拌装置を備えた実施例1と同様の市販のOPC搭載のディジタルコピアにより複写したところ、A4サイズにして5万枚の現像を行っても全く画像の劣化は見られず良好な画質の複写が得られた。
【0094】
実施例5
カプセルトナー製造例3で得られたカプセルトナー8重量部に対しコートキャリア製造例3で得られた樹脂コートキャリアを92重量部混合し、Vブレンダーにて約8時間混合撹拌し現像剤を得た。
前記の現像剤を用い、且つ間欠的にカプセルトナーを補給しながら撹拌装置を備えたコピー速度12枚/分の市販のOPC搭載のディジタルコピアにより複写したところ、A4サイズにして5万枚の現像を行っても全く画像の劣化は見られず良好な画質の複写が得られた。又、該トナーの定着性をガーゼこすりテストで評価したところ100℃のヒートローラ表面温度で充分に定着していた。
【0095】
実施例6
カプセルトナー製造例3で得られたカプセルトナー8重量部に対しコートキャリア製造例4で得られた樹脂コートキャリアを92重量部混合し、Vブレンダーにて約8時間混合撹拌し現像剤を得た。
前記の現像剤を用い、且つ間欠的にカプセルトナーを補給しながら撹拌装置を備えた実施例1と同様の市販のOPC搭載のディジタルコピアにより複写したところ、A4サイズにして5万枚の現像を行っても全く画像の劣化は見られず良好な画質の複写が得られた。
【0096】
比較キャリア製造例1
Fe2 3 55モル%、ZnO25モル%、NiCO3 20モル%を湿式ボールミルで10時間粉砕・混合し、乾燥させた後950℃で4時間保持した。これを湿式ボールミルで24時間粉砕し10μm以下とした。このスラリーを造粒乾燥し1200℃で6時間保持した後、粉砕・分級して60〜100μmとした。この造粒フェライトキャリアの磁気特性を測定したところ3000Oe時の磁化の値は60emuであり、保持力、残留磁化は0であった。且つ、見かけ密度は2.9であった。
【0097】
比較キャリア製造例2
Fe2 3 を湿式ボールミルで10時間粉砕・混合し、乾燥させた後950℃で4時間保持した。これを湿式ボールミルで24時間粉砕し10μm以下とした。このスラリーを造粒乾燥し、電気炉にて窒素雰囲気中で1200℃で6時間保持した後、粉砕・分級して60〜100μmとした。この造粒マグネタイトキャリアの磁気特性を測定したところ3000Oe時の磁化の値は60emuであり、保持力、残留磁化は0であった。且つ、見かけ密度は2.9であった。
【0098】
比較コートキャリア製造例1
比較キャリア製造例1で得られたフェライトキャリアを用い、被覆用シリコーン樹脂組成物を流動床を用いてキャリアに対し10重量%のコーティングを行い、更に150℃で3時間焼き付けを行い、樹脂コートキャリアを得た。
該樹脂コートキャリアの見かけ密度は、2.80g/cm3 、抵抗は2.5×1012Ωcmであり、且つ、飽和磁化は75emu/gであった。又、該コートキャリアのコート材の厚みを、炭素分析装置にて全コート材重量を算出し測定した結果、1.0μmであった。
【0099】
比較コートキャリア製造例2
比較キャリア製造例1で得られたフェライトキャリアを用い、被覆用アクリル系樹脂組成物を流動床を用いてキャリアに対し15重量%のコーティングを行い、更に150℃で3時間焼き付けを行い、樹脂コートキャリアを得た。該樹脂コートキャリアの見かけ密度は、2.8g/cm3 、抵抗は4×1012Ωcmであり、且つ、飽和磁化は75emu/gであった。又、該コートキャリアのコート材の厚みを炭素分析装置にて全コート材重量を算出し測定した結果、1.8μmであった。
【0100】
比較コートキャリア製造例3
比較キャリア製造例2で得られたマグネタイトキャリアを用い、被覆用アクリル系樹脂組成物を流動床を用いてキャリアに対し1重量%のコーティングを行い、更に150℃で3時間焼き付けを行い、樹脂コートキャリアを得た。該樹脂コートキャリアの見かけ密度は、2.8g/cm3 、抵抗は2×1012Ωcmであり、且つ、飽和磁化は90emu/gであった。又、該コ−トキャリアのコート材の厚みを炭素分析装置にて全コート材重量を算出し測定した結果、0.1μmであった。
【0101】
比較例1
カプセルトナー製造例1で得られたカプセルトナー8重量部に対し比較コートキャリア製造例1で得られた樹脂コートキャリアを92重量部混合し、Vブレンダーにて約8時間混合撹拌し現像剤を得た。
前記の現像剤を用い、且つ間欠的にカプセルトナーを補給しながら撹拌装置を備えた市販のOPC搭載のディジタルコピアにより複写したところ、A4サイズにして2万枚で画像の劣化が見られ、画像濃度の上昇と階調性の低下が見られ、又地かぶりが発生し黒芯が見られた。又現像剤の中にトナ−の凝集が発生していた。
【0102】
比較例2
カプセルトナー製造例2で得られたカプセルトナー8重量部に対し比較コートキャリア製造例2で得られた樹脂コートキャリアを92重量部混合し、Vブレンダーにて約8時間混合撹拌し現像剤を得た。
前記の現像剤を用い、且つ間欠的にカプセルトナーを補給しながら撹拌装置を備えた市販のOPC搭載のディジタルコピアにより複写したところ、A4サイズにして2万枚で画像の劣化が見られ、画像濃度の上昇と階調性の低下が見られた。
【0103】
比較例3
カプセルトナー製造例2で得られたカプセルトナー8重量部に対し比較コートキャリア製造例3で得られた樹脂コートキャリアを92重量部混合し、Vブレンダーにて約8時間混合撹拌し現像剤を得た。前記の現像剤を用い、且つ間欠的にカプセルトナーを補給しながら撹拌装置を備えた市販のOPC搭載のディジタルコピアにより複写したところ、A4サイズにして1万枚で画像の劣化が見られ、画像濃度の上昇と階調性の低下が見られた。
【0104】
【発明の効果】
本発明において所定の見かけ密度、飽和磁化を有するキャリアを含有する二成分現像剤を用いることにより、本発明におけるカプセルトナーに適した現像を行うことができ、低エネルギー定着と現像剤の長寿命化が可能となる。

Claims (5)

  1. トナー粒子と磁性キャリアとからなる二成分現像剤を用いて像担持体上の潜像を現像する方法において、該トナーが少なくとも熱可塑性樹脂と着色剤を含有する熱溶融性芯材と、その芯材の表面を被覆するよう設けた外殻とにより構成され、該外殻の主成分が非晶質ポリエステルよりなるカプセルトナーであり、該キャリアが樹脂によってコート化処理された、見かけ密度2.7g/cm3 以下および/または飽和磁化60emu/g以下のフェライトキャリアであり、該コート化処理によるコーティング層の厚さが1.0μm以上であることを特徴とする現像方法。
  2. 非晶質ポリエステルのガラス転移点が、50〜80℃である請求項1記載の現像方法。
  3. 非晶質ポリエステルの酸価が、3〜50(KOHmg/g)である請求項1記載の現像方法。
  4. 非晶質ポリエステルが、1種以上のアルコール単量体および1種以上のカルボン酸単量体の縮重合によって得られるものであって、少なくとも3価以上の多価アルコール単量体および/または3価以上の多価カルボン酸単量体を含有する単量体を用いて縮重合によって得られるものである請求項1記載の現像方法。
  5. カプセルトナー中、熱溶融性芯材の主成分となる熱可塑性樹脂に由来するガラス転移点が、10〜50℃である請求項1記載の現像方法。
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