JP3765393B2 - 多関節ロボットの減速装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、アーム姿勢や搬送物の重量に依らず、ロボットが制御系にとって好ましい負荷となるように設計された二段以上の減速機構を備えた多関節ロボットの減速装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の電動ロボットの関節は、モータ+減速機+アームの組み合わせで構成されている。モータ軸の慣性モーメントとモータ軸に固定された減速機の入力側の慣性モーメントの合計値をJM、減速機の減速比をRG、関節軸回りのアームの慣性モーメントをJAとすると、JA/(JMG 2)は慣性比と呼ばれている。
小型のモータであっても、減速比RGが大きな減速機を用いれば、原理的にはいくらでも大型のアームを駆動させることができる。しかし、制御性能の点からは、経験的に慣性比は3〜10、理論的には4が良いとされている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
つまり、ロボットの設計においては、慣性比を3〜10に抑え、できるだけ4に近くすれば、制御効果を十分に引き上げることができる。しかし、ロボットアームは動作中姿勢を変化するため関節軸に作用する慣性(イナーシャ)が変化し、また、ペイロード等の搬送物の重量や慣性モーメントによっても関節軸に作用する慣性が変化する。近年では、産業用ロボットは、動作範囲の拡大傾向、可搬重量の増大傾向にあり、機械系の設計において慣性比を常に3〜10に抑えることは、実用上不可能であると言える。
【0004】
例えば、特開昭58−137577号公報には、産業用ロボットの慣性比をある範囲に抑える機構が開示されている。この技術では、慣性比を調整する手段として、リンクの取り付け位置が変更可能な機構を採用し、モータからアームまでの減速比を変化させている。しかし、このように、リンクの付加機構により慣性比を調節するとなると、ロボットが大型化し、コストが増大する。また、この方法では、負荷の重量に応じた慣性比の補償は可能となるが、動作中のアームの姿勢変化による慣性比の補償は、事実上不可能である。
【0005】
本発明は上記の諸点に鑑みなされたもので、本発明の目的は、アーム姿勢、ペイロード等の搬送物の重量に依らず、各関節の慣性比を望ましい範囲に抑えることができる減速機構を備えた多関節ロボットの減速装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明の多関節ロボットの減速装置は、多関節ロボットにおけるモータとアームの間に組み付ける減速機が、アームの姿勢及び搬送物の重量に依らず、各関節の慣性比を常に望ましい範囲に収めて、ロボットの制御系にとって好ましい負荷となるように設計された二段減速機構を備えた構成としている。
【0007】
すなわち、モータとアームの間に組み付ける減速機に、モータ側要素の慣性モーメントをJR1、中間部要素の慣性モーメントをJR2、一段目減速比をRG1、二段目減速比をRG2とする二段減速機構を採用する(図1参照)。ただし、JR1、JR2、RG1、RG2には、以下の数1に示す(1)式の関係がある。
【0008】
【数1】
Figure 0003765393
【0009】
ここで、JAmin、JAmaxはアームイナーシャの最小値、最大値、JMはモータ回転軸の慣性モーメント、RGはモータからアームへの全体減速比、Nminは慣性比で4以下の3近傍の値、Nmaxは慣性比で4以上の10近傍の値である。一般には、アームイナーシャがJAminのとき、荷重(図1では、ペイロード)は取り付けられておらず、アームイナーシャがJAmaxのとき、許容最大重量の荷重(ペイロード)が取り付けられている。さらに、一段目の減速機よりも、二段目の減速機の剛性は高くなるようにする。
そのような二段減速機を用いた場合の慣性比は、以下の数2に示す式で求められる。
【0010】
【数2】
Figure 0003765393
【0011】
よって、慣性比の変化範囲は、
A=JAminのとき、N=Nmin
A=JAmaxのとき、N=Nmax
となり、ペイロードを交換したり、アームが大きく姿勢を変えても、慣性比は望ましい値の範囲に収まることになる。
Amax、JAmin、JM、RGは、上流工程の設計で決定されるため、それらの値によっては、RG1、RG2が1以下になることもある。その場合には、二段のうち一段は増速機構になる。
【0012】
また、モータとアームの間に組み付ける減速機に、上述した二段減速機構と同じ意図に基づく三段減速機構を採用することができ、この場合は、以下の数3に示す(2)式の条件を満たす必要がある。
【0013】
【数3】
Figure 0003765393
【0014】
また、モータとアームの間に組み付ける減速機に、上述した二段減速機構と同じ意図に基づく四段以上の多段減速機構を採用することも可能である。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について説明するが、本発明は下記の実施の形態に何ら限定されるものではなく、適宜変更して実施することが可能なものである。
上述した設計法に基づき、図2に示すスカラーロボットのジョイント1の減速機を設計する。設計仕様は以下のように定められている。
ジョイント1回りの慣性モーメントの最大値(アーム最伸、最大負荷)
Amax=26.99 [kg・m2]
ジョイント1回りの慣性モーメントの最小値(アーム最縮、無負荷)
Amin=2.735 [kg・m2]
モータ軸の慣性モーメント
M=3.20×10-6 [kg・m2]
全体減速比
G=600 [-] 程度
【0016】
この仕様から、単に全体減速比だけを見て、減速機を設計してしまうと、慣性比JA/(JMG 2)は最小で2.3、最大で23程度となり、非常に制御のしにくい機械系となる。そこで、本発明による設計法の流れで、減速機を設計する。
まず、上記の数1に示す(1)式を用いて、二段減速機の設計値の拘束条件を以下のように得る。
R1=6.425×10-6,RG1 2=4.7000×104R2
G1G2=600
ここで、アーム全体のサイズを考慮して、JR2を以下の範囲で選択し、その際のRG1、RG2を得る。
R2=1.0〜3.0×10-4,RG1=2.167〜3.755,
G2=276.9〜159.8
【0017】
この場合、一段目減速比は小さく、二段目減速比が高いので、一例として、一段目の減速機構には歯車対、二段目の減速機構にはハーモニック減速機を採用する。これらの仕様に当てはまるよう、減速機構の部品として以下のものを選択した。
Figure 0003765393
この結果、全体減速比はRG=(96/25)×160=614.4となる。
【0018】
G=614.4、RG1=3.84として、もう一度上記の数1に示す(1)式に代入して以下を得る。
R1=6.425×10-6,JR2=2.992×10-4
歯車とハーモニックギアの慣性モーメントを考えると、一段目減速機ではΔJR1=5.02×10-6、二段目減速機ではΔJR2=4.19×10-5分慣性モーメントが足りない。この不足分は、例えば、フライホイールを取り付けることで補えばよい。このようにして、減速機を設計した結果、アームの姿勢や負荷の重さがどのように変化しても、このロボットの慣性比は常に3〜10に収まることになる(図3参照)。よって、制御系の設計が非常に容易なロボットが実現できる。
【0019】
図4は、上記のようにして設計した二段減速装置10をモータ12とアーム14の間に組み付けた構成の一例を示している。一段目減速機16は平歯車18、20からなり、シャフト22を介して二段目減速機であるハーモニック減速機24が取り付けられている。平歯車18、シャフト22には、慣性モーメントの不足分を補うためのフライホイール26、28が取り付けられている。
【0020】
【発明の効果】
本発明は上記のように構成されているので、つぎのような効果を奏する。
(1) 多関節ロボットの減速機構を、本発明のように、二段、または、それ以上にし、そして、それぞれの減速機の設計値を本発明で示した拘束条件に従い決定すれば、アームの姿勢や負荷の重さがどのように変化しても、各関節の慣性比を常に望ましい範囲に抑えることができる。よって、制御系設計に負担の少ない、高性能なロボットを実現できる。
(2) 大型の付帯機構を必要とせず、ロボットの動作中も常に、制御系にとって好ましい負荷となるように慣性比が抑制される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の多関節ロボットの減速装置における二段減速機構の一例を示す模式図である。
【図2】本発明の実施の第1形態における多関節ロボットの一例(スカラーロボット)を示す概略構成図である。
【図3】本発明の実施の第1形態における二段減速機における慣性比Nを従来の減速機との比較で示したグラフである。
【図4】本発明の実施の第1形態における二段減速装置をモータとアームの間に組み付けた構成の一例を示す断面構成説明図である。
【符号の説明】
10 二段減速装置
12 モータ
14 アーム
16 一段目減速機
18、20 平歯車
22 シャフト
24 ハーモニック減速機(二段目減速機)
26、28 フライホイール

Claims (1)

  1. 多関節ロボットにおける二段減速装置をモータとアームの間に組み付けた構成とし、一段目減速機が平歯車からなり、シャフトを介して二段目減速機が取り付けられ、平歯車、シャフトに慣性モーメントの不足分を補うためのフライホイールが取り付けられた二段減速装置が、アームの姿勢及び搬送物の重量に依らず、各関節の慣性比を3〜10の範囲に収めて、ロボットの制御系にとって好ましい負荷となるように、下記の数1に示す(1)式を用いて得た減速機の設計値の拘束条件に従い設計された二段減速機構を備えたことを特徴とする多関節ロボットの減速装置。
    Figure 0003765393
    (J R1 :モータ側要素の慣性モーメント、J R2 :中間部要素の慣性モーメント、R G1 :一段目減速比、R G2 :二段目減速比、J Amin :アームイナーシャの最小値、J Amax :アームイナーシャの最大値、J M :モータ回転軸の慣性モーメント、R G :モータからアームへの全体減速比、N min :慣性比で4以下の3近傍の値、N max :慣性比で4以上の10近傍の値)
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