JP3764897B2 - プラズマディスプレイパネルの駆動方法 - Google Patents

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Description

本発明は、マトリクス表示方式のAC型プラズマディスプレイパネル(Plasma Display Panel:PDP)の駆動方法に関し、画面に沿った放電を生じさせる面放電形式のPDPに適用される。
PDPは、テレビジョンに適合する高速表示が可能な自己発光型の薄型表示デバイスである。面放電形式のAC型カラーPDPは、コンピュータの画面出力などに利用されており、HDTV用の大画面の実現手段として注目されている。
表示素子であるセルの集合によって画面が構成されるマトリクス表示方式のPDPにおいて、セルの点灯状態の維持(サステイン)にメモリ効果が利用されている。AC型PDPは、表示電極を誘電体で被覆することにより構造的にメモリ機能を有するように構成されている。AC型PDPによる表示に際しては、表示内容に応じて点灯(発光)すべきセルのみに壁電荷を蓄積させておき、1ラインの全てのセルに対して共通に交番極性の電圧(サステイン電圧)を印加する。サステイン電圧はサステイン電極間の放電開始電圧より低い値とする。壁電荷の存在するセルでは、壁電圧がサステイン電圧に重畳するので、セルに加わる実効電圧(セル電圧)が放電開始電圧を越えて放電が生じる。サステイン電圧の印加周期を短くすれば、見かけの上で連続的な点灯状態が得られる。
図11は従来のPDP90の内部構造を示す要部断面図である。
PDP90は、マトリクス表示の単位発光領域に3つの電極が対応する面放電形式のPDPである。PDP90では、前面側のガラス基板91の内面に、基板面に沿った放電(面放電)を生じさせるためのサステイン電極93,94が、マトリクス表示のライン毎に一対ずつ配列されている。これらのサステイン電極93,94を放電空間99に対して絶縁するように、AC駆動のための誘電体層96が設けられている。誘電体層96の表面にはハイガンマ材料からなる保護膜97が設けられている。誘電体層96及び保護膜97はともに透光性を有している。一方、背面側のガラス基板92の内面には、サステイン電極93,94と直交するようにアドレス電極95が配列されている。アドレス電極95の上部を含めて、ガラス基板92を被覆するように、蛍光体層98が設けられている。
サステイン電極93は、平面視帯状の透明電極(ITO膜)931に、それより幅の狭い帯状の金属薄膜(いわゆるバス電極)932を重ねた複合電極である。同様にサステイン電極94も、平面視帯状の透明電極941と、それより幅の狭い帯状の金属薄膜942とから構成されている。金属薄膜932,942は、適正な導電性を確保するための補助導体であり、透明電極931,941における面放電ギャップから遠い側の端縁部に重ねられている。
PDP90による表示に際しては、ライン順次のアドレッシングが行われる。単位発光領域内の面放電セルを点灯(発光)させる場合には、アドレス電極95とサステイン電極94とを適切にバイアスして対向放電(パネルの厚さ方向の放電)を生じさせ、誘電体層96(保護膜97も誘電体層96の一部とする)の表面に壁電荷を蓄積させる。面放電セルを点灯させない場合は対向放電が生じないように各電極の電位を設定する。このように面放電セルの点灯/非点灯を設定するアドレッシングの後、サステイン電極94とサステイン電極93とに対して、これらの相対電圧の極性が交互に入れ代わるようにサステイン電圧を印加し、周期的に面放電を生じさせる。蛍光体層98は、主に面放電で生じた紫外線UVによって局部的に励起されて所定色の可視光を放つ。この可視光の内、ガラス基板91を透過する光が表示光となる。放電空間99の前面側に位置するサステイン電極93,94を上述の積層構造とすることにより、表示光の遮光を最小限に抑えつつ、面放電領域を拡げて発光効率を高めることができる。
各ラインにおけるサステイン電極93とサステイン電極94との間隙S1は「放電スリット」と呼称されている。放電スリットS1のライン方向の一部が面放電ギャップである。放電スリットS1の幅(サステイン電極93,94の配列方向の寸法)は100〜200ボルト程度の駆動電圧の印加で面放電が生じるように選定されている。これに対して、隣接するラインの間におけるサステイン電極93とサステイン電極94との間隙S2は「逆スリット」と呼称され、この逆スリットS2の幅は放電スリットS1の幅よりも十分に大きい値に選定されている。すなわち、逆スリットS2を隔てて並ぶサステイン電極93,94の間での放電が防止されている。このように放電スリットS1及び逆スリットS2を設けてサステイン電極93,94を配列することにより、各ラインを選択的に発光させることができる。
なお、通常、サステイン電極93,94の幅は同一であるが、アドレッシングにおけるセル選択に用いる一方のサステイン電極94を他方のサステイン電極93より幅広とした構造が特開平5−121006号公報に開示されている。
特開平5−121006号公報
アドレッシングの理想形態は、まず、サステイン電極94とアドレス電極95との間でトリガー放電が起こり、この放電が直ちにサステイン電極94とサステイン電極94との間の面放電に移行するというものである。各サステイン電極93,94の近傍が均等に帯電するには面放電が不可欠である。上述のようにサステイン電極94が金属薄膜942を有している場合、実際のトリガー放電は、金属薄膜942とアドレス電極95との間で始まり、金属薄膜942の上方に壁電荷が蓄積するにつれて透明電極941とアドレス電極95との間の放電に移行する。
従来の構造では、残留電荷の影響などのためにトリガー放電が面放電に移行せずに停止する放電ミスが起こり易く、正しい表示を行うための駆動電圧の設定が難しいという問題があった。特に累積使用時間が長くなるほど、保護膜97の膜減りのために面放電開始電圧が上昇するので、放電ミスが頻繁に発生した。表示の高精細化(ライン数の増大)や多階調化にともなって1フレームの表示期間の内で1ラインのアドレッシングに割り当て可能な時間が短くなると、さらに放電ミスが起こり易くなる。
本発明は、アドレッシングに必要な放電を確実に生じさせて乱れのない高品位の表示を実現することを目的としている。
本発明においては駆動対象のプラズマディスプレイパネルを、サステイン電極対におけるアドレッシングのトリガー放電に係わる一方の電極の幅が他方の電極の幅よりも小さい構造をもつAC型のプラズマディスプレイパネルとする。つまり、発光効率に係わる電極対の電極面積を確保し、且つトリガー放電に係わる電極どうしの対向面積を縮小する。対向面積が小さければ、トリガー放電が迅速に発光効率に係わる電極間の放電に移行する。
電極の幅が小さくなった分だけ逆スリットが拡がり、隣接ライン間の放電の結合がより確実に防止される。逆スリットを従来と同一幅とすれば、電極の幅が小さくなった分だけ、ラインピッチの縮小(高精細化)が可能である。
一対の電極の幅が異なると、サステイン期間において幅の小さい電極の外側(逆スリット側)が帯電し易い。逆スリットに壁電荷が存在すると、サステインにはほとんど問題はないものの、サステインの後に行われる新たな表示のためのアドレッシングが不確実となってしまう。負電荷(電子)は中和やリークなどで比較的に早く消滅するのに対し、正電荷(イオン)は長く残存する。
そこで、本発明では、サステイン期間において、サステイン終了時点での逆スリットにおける正電荷の残留を防ぐように駆動電圧を印加する。例えば、一対の電極に正極性の電圧パルスを交互に印加する場合には、幅の大きい電極に対するパルス幅を他方より短くする。逆に負極性の電圧パルスを交互に印加する回路構成では、幅の小さい透明電極に対するパルス幅を短くする。つまり、幅の小さい電極が陰極となるときにパルス幅を短くする。ただし、サステインの全期間にわたってパルス幅を短くする必要はない。サステイン期間の最後の印加電圧を幅の小さい電極が陰極となるようにしても同様の効果が得られる。
請求項1の発明の駆動方法は、前記第1及び第2の電極の間で表示輝度に応じた回数の放電を生じさせるサステイン期間において、前記サステイン電極対に印加する駆動パルスのうちの最後に印加する駆動パルスの極性を、前記第2の電極が陽極となる極性とするものである。
請求項2の発明の駆動方法は、前記第1及び第2の電極の間で表示輝度に応じた回数の放電を生じさせるサステイン期間において、前記サステイン電極対に印加する駆動パルスのうちの少なくとも最後に前記第2の電極が陰極となる駆動パルスのパルス幅を、他の駆動パルスのパルス幅よりも短くするものである。
請求項1又は請求項2の発明によれば、サステイン期間において以後の駆動の障害となる不要の正電荷の帯電を防止することができる。
図1は本発明のPDP1の内部構造を示す斜視図、図2はPDP1の要部断面図である。
図1のPDP1は、フルカラー表示の可能な面放電形式のAC型PDPであり、蛍光体の配置形態による分類の上で反射型と呼称されている。
PDP1では、パネル外囲器を構成する基板対における前面側のガラス基板11の内面に、サステイン電極X,Yが配列されている。これらのサステイン電極X,Yを放電空間30に対して被覆するように、低融点ガラスからなる厚さ30μm程度の誘電体層17が表示領域の全域に設けられている。誘電体層17の表面には保護膜18として厚さ数千オングストロームの酸化マグネシウム膜が形成されている。化学気相成長(CVD)によれば、保護膜18の厚さを数μm以上とすることができる。誘電体層17及び保護膜18はともに透光性を有している。
一方、背面側のガラス基板21の内面には、サステイン電極X,Yと直交するようにアドレス電極(第3の電極)Aが配列されている。アドレス電極Aは下地層22の上に設けられ、厚さ10μm程度の誘電体層24によって被覆されている。誘電体層24の上には、高さ150μmの平面視直線帯状の隔壁29が、各アドレス電極Aの間に1つずつ設けられている。これらの隔壁29によって放電空間30がライン方向にサブピクセル(単位発光領域)毎に区画され、且つ放電空間30の間隙寸法が規定されている。そして、アドレス電極Aの上部を含めて、誘電体層24の表面及び隔壁29の側面を被覆するように、カラー表示のためのR,G,Bの3色の蛍光体層28R,28G,28B(以下、特に色を区別する必要がないときは蛍光体層28と記述する)が設けられている。放電空間30には、放電ガスとしてネオンにキセノン(1〜15%モル程度)を混合したペニングガスが封入されている。PDP1において、表示の1画素(ピクセル)は、各ラインL内の隣接する3つのサブピクセル(単位発光領域)で構成される。各列内の各ラインの発光色は同一である。
なお、PDP1では、マトリクス表示の列方向(サステイン電極X,Yの配列方向)に放電空間30を区画する隔壁は存在しない。そのため、ラインL間の電極間隙(逆スリット)は、面放電ギャップ(例えば80〜140μm)より大きい値(例えば400〜500μm)に選定されている。
図2のように、サステイン電極Xは、平面視において帯状にパターニングされた厚さ0.02μmのITO膜である透明電極x1と、それより幅の狭い帯状にパターニングされた厚さ2μmの金属膜(バス電極)x2とから構成されている。同様にサステイン電極Yも、帯状のITO膜である透明電極y1と、それより幅の狭い帯状の金属膜y2とが一体化した複合電極である。金属膜x2,y2は、ともにクロム/銅/クロムの3層構造の非透光性薄膜であり、サステイン電極X,Yのライン抵抗を低減するための補助導体として、透明電極x1,y1の放電空間側の表面上に放電スリットS1から遠い側の端縁に寄せて形成されている。
ここで、構造上の重要な特徴は、一対の透明電極x1,y1のうち、アドレス電極Aとの間のトリガー放電に係わる一方の透明電極y1の幅が、他方の透明電極x1の幅よりも小さいことである。幅の比率の実用上の好適値は80〜90%程度である。具体例としては、透明電極x1の幅は95μmであり、透明電極y1の幅は80μmである。なお、透明電極y1の幅はサステイン電極Yの幅であり、透明電極x1の幅はサステイン電極Xの幅である。透明電極y1の幅を小さくすることにより、アドレス電極Aとの対向面積が小さくなり、アドレッシングに際してトリガー放電が面放電に移行し易くなる。
図3はPDP1の電極マトリクスの概略図であり、放電空間30からみた各ガラス基板11,21の電極配列を模式的に示している。
マトリクス表示の1ラインには一対のサステイン電極X,Yが対応し、1列には1本のアドレス電極Aが対応する。そして、3列が1ピクセルに対応する。図3において斜線が付された枠状の領域a31は、ガラス基板11,21の接合領域である。全てのサステイン電極Xはガラス基板11における水平方向の一方の端縁部まで導出され、全てのサステイン電極Yは他方の端縁部まで導出されている。サステイン電極Xは、駆動回路の簡単化のために共通端子Xtと一体化され、電気的に共通化されている。サステイン電極Yは、ライン順次のアドレッシングを可能とするために、1ラインずつ独立した個別電極とされ、個々に個別端子Ytと一体化されている。また、アドレス電極Aは、ガラス基板21における垂直方向の端縁部の個別端子Atと一体化されている。
接合領域a31の内側において、サステイン電極X,Yとアドレス電極Aとによって放電セルの画定される領域が、有効表示領域a1(スクリーン)である。有効表示領域a1と接合領域a31との間には、接合材料のガス放出の影響を避けるために枠状の非表示領域a2が設けられている。ガラス基板21の非表示領域a2の部分に、放電ガスを封入するための貫通孔210が設けられている。
以上の構成のPDP1は、図示しない駆動ユニットと組み合わせた状態で、壁掛け式テレビジョン受像機などの表示デバイスとして使用される。その際、PDP1は、フレキシブル配線板などを介して駆動ユニットと電気的に接続される。
次に、PDP1の駆動方法について説明する。
図4はフィールド構成図であり、図5は印加電圧の波形図である。図6はアドレス期間TAにおける壁電荷の推移の模式図である。
PDP1による表示に際しては、画面(1フレーム)に例えば1つのフィールドfを対応づける。256階調表示を行う場合には、1つのフィールドfを8つのサブフィールドsfに分割する。各サブフィールドsfを、リセット期間TR、アドレス期間TA、及びサステイン期間TSに区分する。そして、各サブフィールドsfにおける輝度の相対比率が1:2:4:8:16:32:64:128となるように重み付けをして、各サブフィールドsfのサステイン期間TSにおける発光回数を設定する。各サブフィールドsfは、1つの階調レベルの画面表示期間である。なお、テレビジョンのようにインタレース形式で走査された画面を再生する場合には、1画面(1フレーム)を表示するために2つのフィールドfを用いる。
リセット期間TRは、それ以前の点灯状態の影響を防ぐため、有効表示領域a1の壁電荷の消去(全面消去)を行う期間である。図5のように、リセット期間TRにおいて、駆動ユニットは、サステイン電極Xに面放電開始電圧VfXYを越える波高値Vr(=Vs+Vw)の正極性の書込みパルスPWを印加する。同時に全てのアドレス電極Aに波高値Vawの正極性のパルスPawを印加する。
書込みパルスPWの立上がりに呼応して全てのラインLで強い面放電が生じ、誘電体層17に壁電荷が生じる。しかし、書込みパルスPWの立下がりに呼応して、壁電荷によるいわゆる自己放電が生じ、誘電体層17の壁電荷が消失する。パルスPawは、放電空間30の背面側の壁面への壁電荷の蓄積を抑えるために印加される。
アドレス期間TAは、ライン順次のアドレッシングを行う期間である。サステイン電極Xを接地電位に対して正電位Vax(例えば+50ボルト)にバイアスし、全てのサステイン電極Yを負電位Vsc(例えば−70ボルト)にバイアスする。この状態で、先頭のラインLから1ラインずつ順に各ラインLを選択し、サステイン電極Yに負極性のスキャンパルスPyを印加する。選択されたラインLのサステイン電極Yの電位は、一時的に負電位Vy(例えば−170ボルト)にバイアスされる。ラインLの選択と同時に、点灯すべきセルに対応したアドレス電極Aに対して波高値Va(例えば+60ボルト)の正極性のアドレスパルスPaを印加する。
選択されたラインLにおいて、アドレスパルスPaの印加されたセルでは、サステイン電極Yとアドレス電極Aとの間で基板対向方向のトリガー放電が起こる。サステイン電極XがアドレスパルスPaと同極性の電位にバイアスされているので、そのバイアスでアドレスパルスPaが打ち消され、サステイン電極Xとアドレス電極Aとの間では放電は起きない。また、サステイン電極Xのバイアス電位Vaxは、ラインL内の非選択のセルに壁電荷が蓄積するのを防止するため、サステイン電極Xとサステイン電極Yとの相対電圧が面放電開始電圧VfXYより低くなるように設定されている。通常、面放電開始電圧VfXYは、サステイン電極Yとアドレス電極Aとの間の放電開始電圧VfAYより高い。
トリガー放電は、サステイン電極Yの内の金属膜y2とアドレス電極Aとの間で始まり、誘電体層17に正電荷が蓄積するにつれて、透明電極y1とアドレス電極Aとの間の放電に移行する。蛍光体層28には負電荷が蓄積する。正電荷及び負電荷の蓄積によってサステイン電極Yとアドレス電極Aとの間の電界が弱まり、対向放電が停止する〔図6(A)〕。このトリガー放電によって放電スリットS1の近辺の放電空間30に浮遊電荷が発生するので、プライミング効果によって面放電開始電圧VfXYが下がる。このため、サステイン電極Xとサステイン電極Yとの間の面放電が起こり、誘電体層17上の壁電荷の蓄積量が増大する〔図6(B)〕。放電スリットS1の近辺に蓄積した壁電荷は、サステインに有効に作用する。
サステイン期間TSは、階調レベルに応じた輝度を確保するために、アドレッシングによって設定された点灯状態を維持する期間である。対向放電を防止するため、全てのアドレス電極Aを正極性の電位(例えばVs/2)にバイアスし、最初に全てのサステイン電極Yに波高値Vs(Vs<VfXY)の正極性のサステインパルスPsを印加する。その後、サステイン電極Xとサステイン電極Yとに対して、交互に波高値Vsの正極性のサステインパルスPsを印加する。サステインパルスPsの印加毎に、アドレス期間TAにおいて壁電荷の蓄積したセルで面放電が生じる。本実施形態では、サステイン期間TSの最終のサステインパルスPsは、サステイン電極Yに対してサステインパルスPsに印加される。この印加による面放電において、サステイン電極Yが陽極となるので、サステイン電極Yの側に帯電する壁電荷は負電荷(電子)である。面放電が拡がって負電荷が逆スリットS1に帯電したとしても、次のサブフィールドsfの表示に支障はない。負電荷の大半が次のサブフィールドsfにおける書込みパルスPWの印加までに消失するからである。つまり、サステイン電極X,Yの幅が異なっても正しく表示を行うことができる。
図7は第2の駆動方法に係るサステイン期間TSの印加電圧の波形図、図8は図7のパルス幅と帯電状態との関係の模式図である。図8では説明の便宜のためにPDP1の構造が簡略化されている。
図7の駆動方法も、上述の方法と同様に1フレームを複数のサブフィールドsfに分け、リセット期間TR,アドレス期間TA、及びサステイン期間TSを設けて階調表示を行うものである。サステイン期間TSにおいて、サステイン電極Xとサステイン電極Yとに対して交互に波高値Vsの正極性のパルスを印加する点も同様である。図7の駆動方法の特徴は、サステイン期間TSの最終のサステインパルスPssをサステイン電極Xに対して印加することである。このサステインパルスPssのパルス幅w2は、他のサステインパルスPsのパルス幅w1より短い。これによって、次のサブフィールドsfのリセット処理の障害となる“逆スリットS2に対する正電荷の帯電”が防止される。すなわち、通常のパルス幅w1のサステインパスルPsをサステイン電極Xに印加すると、サステイン電極Xを陽極とする(サステイン電極Xを陰極とする)面放電が起こり、サステイン電極Xの側に負電荷が、サステイン電極Yの側に正電荷が帯電する。面放電は1μs程度の時間が経過した時点で停止するが、その後もバイアスがかかっている間は浮遊電荷の静電吸着による帯電が進む。このため、サステインパルスPsの立下がり時点t1では、図8(A)のように逆スリットS2に正電荷が存在する。次に、サステイン電極Yに対してサステインパスルPsを印加すると、サステイン電極Yを陽極とする面放電が起こり、以前と逆極性の壁電荷が帯電する。このときのサステインパルスPsの立下がり時点t2では、図8(B)のように逆スリットS2に負電荷が存在する。そして、最後に短いパルス幅w2のサステインパルスPssをサステイン電極Xに印加すると、再びサステイン電極Xの側に負電荷、サステイン電極Yの側に正電荷が帯電する。ただし、この場合は、電圧印加時間が短いので、放電停止後の帯電が進行しない。したがって、サステインパルスPssの立下がり時点t3において図8(C)のように逆スリットS2に電荷が実質的に存在しない。
図9は第2のPDP2のサステイン電極構造の模式図である。
PDP2も上述のPDP1と同様の面放電形式のPDPである。マトリクス表示の各単位発光領域に、サステイン電極X2、サステイン電極Y2、及びアドレス電極A2が存在する。図示は省略したが、サステイン電極X2,Y2は誘電体によって放電空間302に対して絶縁されている。
サステイン電極X2は、透明電極x12と、補助導体である金属膜x22とからなる。サステイン電極Y2の幅WY は、サステイン電極X2の幅WX よりも小さい。金属膜x22は、透明電極x12の放電空間側の表面に蒸着され、透明電極x12における放電スリットS12から遠い側の端縁部に寄せて配置されている。サステイン電極Y2も、透明電極y12と補助導体である金属膜y22とからなる。ただし、金属膜y22は、透明電極y12の放電空間側の表面に放電スリットS12に近い側の端縁部に寄せて配置されている。金属膜y22を放電スリットS1の近傍に配置することにより、面放電がおこり易くなるので、トリガー放電の面放電への移行が促進される。
図10は駆動方法の変形例を示す印加電圧波形である。
サステイン期間TSにおいて、サステイン電極Xに対してパルス幅w2の正極性のサステインパルスPssを印加し、サステイン電極Yに対してパルス幅w1(w1>w2)の正極性のサステインパルスPsを印加することによって、周期的に面放電を生じさせる。つまり、サステイン電極Yが陰極となるときの電圧印加時間を短くする。これにより、逆スリットS2への正電荷の帯電が防止される。なお、サステインパルスPs,Pssを負極性パルスとするときは、サステイン電極Xに対してサステインパルスPsを印加し、サステイン電極Yに対してサステインパルスPssを印加する。
以上の説明で例示したPDP1〜4は、いずれもアドレス電極A,A2が背面側のガラス基板21の内面に配置された構造のものであるが、本発明は、アドレス電極A,A2とサステイン電極対とが同一の基板によって支持される構造のPDPにも適用可能である。
本発明はプラズマディスプレイパネルによる画像の表示に有用である。
本発明のPDPの内部構造を示す斜視図である。 PDPの要部断面図である。 PDPの電極マトリクスの概略図である。 フィールド構成図である。 印加電圧の波形図である。 アドレス期間における壁電荷の推移を示す模式図である。 第2の駆動方法に係るサステイン期間の印加電圧の波形図である。 図7のパルス幅と帯電状態との関係の模式図である。 第2のPDPのサステイン電極構造の模式図である。 駆動方法の変形例を示す印加電圧波形である。 従来のPDPの内部構造を示す要部断面図である。
符号の説明
1,2 PDP(プラズマディスプレイパネル)
30,302 放電空間
A アドレス電極(第3の電極)
S1,S12 放電スリット(放電ギャップ)
TA アドレス期間
TS サステイン期間
X ,WY
x12 透明電極
y12 透明電極
x22 金属膜
y22 金属膜
X,X2 サステイン電極(第1の電極)
Y,Y2 サステイン電極(第2の電極)

Claims (2)

  1. マトリクス表示の各単位発光領域において、行方向に延び且つ放電ギャップを隔てて列方向に並ぶ第1及び第2の電極と、列方向に延びる第3の電極とが交差し、前記第1及び第2の電極によってサステイン電極対が構成され、前記第2の電極と前記第3の電極とによってアドレス電極対が構成され、前記第2の電極の幅が前記第1の電極の幅より小さい構造をもつAC型のプラズマディスプレイパネルの駆動方法であって、
    単位発光領域の点灯/非点灯を設定するアドレス期間において、点灯の設定をすべき単位発光領域でアドレス放電を個別に生じさせて当該単位発光領域に壁電荷を形成し、
    前記第1及び第2の電極の間で表示輝度に応じた回数の放電を生じさせるサステイン期間において、前記サステイン電極対に印加する駆動パルスのうちの最後に印加する駆動パルスの極性を、前記第2の電極が陽極となる極性とする
    ことを特徴とするプラズマディスプレイパネルの駆動方法。
  2. マトリクス表示の各単位発光領域において、行方向に延び且つ放電ギャップを隔てて列方向に並ぶ第1及び第2の電極と、列方向に延びる第3の電極とが交差し、前記第1及び第2の電極によってサステイン電極対が構成され、前記第2の電極と前記第3の電極とによってアドレス電極対が構成され、前記第2の電極の幅が前記第1の電極の幅より小さい構造をもつAC型のプラズマディスプレイパネルの駆動方法であって、
    単位発光領域の点灯/非点灯を設定するアドレス期間において、点灯の設定をすべき単位発光領域でアドレス放電を個別に生じさせて当該単位発光領域に壁電荷を形成し、
    前記第1及び第2の電極の間で表示輝度に応じた回数の放電を生じさせるサステイン期間において、前記サステイン電極対に印加する駆動パルスのうちの少なくとも最後に前記第2の電極が陰極となる駆動パルスのパルス幅を、他の駆動パルスのパルス幅よりも短くする
    ことを特徴とするプラズマディスプレイパネルの駆動方法。
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