JP3763439B2 - 廃水のオゾン処理方法およびオゾン処理装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は廃水の処理方法および処理装置に関するものである。さらに詳しくは、活性汚泥法等の微生物を用いた廃水処理過程において、微生物混合液のオゾン処理により、処理性能を維持しながら発生微生物量の低減、微生物の集合体、すなわち、微生物フロックの沈降性悪化の抑制、および沈降性の回復を実現できる廃水の処理方法および処理装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より廃水処理に広く用いられている活性汚泥処理法等の微生物を用いた処理方法においては、廃水処理にともない大量の余剰汚泥が発生する。余剰汚泥は主に脱水後、焼却により処分されおり、微生物による消化処理なども行われているが、その処分には多大なエネルギー、および費用を要する。したがって、廃水処理を行う過程において汚泥をできるだけ発生させないことが求められている。また、廃水処理の過程においては、糸状細菌の増殖により汚泥の沈降性が悪化し、沈殿槽における固液分離が不十分となることがしばしば起こり、このような場合、微生物が処理水とともに流出してしまうため処理水質の悪化を引き起こす。したがって、安定な廃水処理を行うには、汚泥沈降性悪化の抑制、および悪化した汚泥の沈降性を回復することが求められている。
【0003】
廃水処理の過程において発生する汚泥を低減する方法として、例えば活性汚泥を処理系から引き抜き、オゾン処理した後に処理系に導入する方法が例えば特開平8ー52488号公報に提案されている。図26は従来の廃水のオゾン処理方法における処理フローの1例を示す図である。図に示されるように、曝気槽1の液流入側には被処理液路2が、そして液流出側には連絡路3が連結される。またオゾン処理槽4には途中に汚泥引抜ポンプ5を備えた引抜汚泥路6が曝気槽1より導入されている。オゾン処理槽4にはオゾンを供給するオゾン供給路8、汚泥との反応に用いられなかったオゾンを排出する排オゾン路7、オゾン処理した汚泥を曝気槽1に戻すオゾン処理汚泥路9が連結されている。なお、曝気槽1の底部には散気装置が設けられ、ここに空気供給路が連絡されており、また連絡路3の後段には処理液路および汚泥引出路を連結した汚泥分離部が連結し、更に汚泥引出路と曝気槽1を汚泥返送ポンプを備えた返送汚泥路が連結されているが、これらについては省略して記述する。
【0004】
次に従来の処理方法について説明する。被処理液路2から有機性廃水を曝気槽1に導入し、曝気槽1において空気を散気し活性汚泥による好気的な処理を行った後、曝気槽1の混合液を連絡路3から汚泥分離部に送り固液分離し、分離液を処理水として排出する。曝気槽1から汚泥引抜ポンプ5により引抜汚泥路6を通して引抜いた汚泥をオゾン処理槽4に循環し、オゾン供給路8からのオゾンと接触させてオゾン処理を行う。オゾン処理汚泥はオゾン処理汚泥路9から曝気槽1に戻され好気的に処理される。
【0005】
上記の方法において、被処理液中のBODの同化により増殖する量よりも多い量の活性汚泥を好気性処理系から引き抜き、オゾン処理した後、好気性処理系に導入することにより余剰汚泥の発生を減少する。
【0006】
また、処理系から引き抜いた活性汚泥についてオゾン処理を行った報告例としてYasuiらの報告(Wat.Sci.Tech.,30,11(1994))がある。図27は引き抜いた活性汚泥に30mg/Lの濃度のオゾンを用い、回分的にオゾン処理を行った際のオゾン量と、MLVSS濃度および溶解性TOC濃度の関係を示す特性図である。
【0007】
図において、活性汚泥のオゾン処理により汚泥のMLVSS濃度はほとんど変化せず、溶解性TOC濃度が僅かに増加しており、このオゾン処理条件では活性汚泥の一部が可溶化するのみであり、活性汚泥の無機化はほとんどおこらない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
以上の従来の技術では、曝気槽から引き抜いた活性汚泥のオゾン処理の際、連続的に汚泥にオゾン注入を行っているので、余剰汚泥量低減の効果を得るには大量のオゾン注入量が必要となり、オゾン製造にかかわるコストが高くなるという問題点があった。
【0009】
また、図27におけるオゾン処理条件では活性汚泥に対するオゾン処理の作用は汚泥の一部を可溶化するのみで無機化には至らず、有機物の量についてはほとんど変化をもたらさない。よって、引き抜いた活性汚泥にオゾン処理を行った後、曝気槽に戻す従来の処理方法において、このようなオゾン処理を行うと、引き抜いた汚泥に相当する有機物がすべて曝気槽の負荷となり、負荷を増大させるため、処理水中の有機物濃度が増加し、処理水質の悪化を引き起こすという問題点、および、処理水質を維持するのに必要となる曝気量が増大するという問題点があった。
【0010】
また、従来の技術では、活性汚泥のオゾン処理を導入することによる効果は余剰汚泥量の低減のみであるため、汚泥の固液分離を著しく阻害する活性汚泥の沈降性悪化の抑制、および悪化した状態からの回復に対する効果は全く得られない。
【0011】
また、従来の技術では、活性汚泥の有機物分解活性には全く無関係にオゾン処理を行うため、流入する廃水の質的変化や温度変化などの外部的な要因により、さらには導入したオゾンによって活性汚泥の有機物分解活性が低下しているような場合、オゾン処理によって活性汚泥の有機物分解活性を著しく低下させ、その結果、処理水中の有機物濃度が増加する、すなわち処理水質の悪化を引き起こすという問題点があった。
【0012】
また、従来の技術では、流入する有機物負荷の変動には全く無関係にオゾン処理を行うため、流入する廃水中の有機物濃度が高くなったり排水量が多くなるなどによって有機物負荷が増大するような場合、オゾン処理によって曝気槽の有機物負荷を著しく増大させ、その結果、処理水中の有機物濃度が増加し処理水質の悪化を引き起こすという問題点、および、処理水質を維持するのに必要となる曝気量が増大するという問題点があった。
【0013】
また、従来の技術では、曝気槽中の活性汚泥混合液の溶存酸素濃度には全く無関係にオゾン処理および曝気槽への空気供給を行っている。したがって、有機物負荷の増大するような場合、空気供給量の不足により、活性汚泥混合液の溶存酸素が低下し、その結果、処理水中の有機物濃度が増加し、処理水質の悪化を引き起こすという問題があった。また、活性汚泥の有機物分解活性が低下し活性汚泥混合液の溶存酸素が増加するような場合、オゾン処理によって活性汚泥の有機物分解活性をさらに低下させ、その結果、処理水中の有機物濃度が増加し、処理水質の悪化を引き起こすという問題があった。
【0014】
また、従来の技術では、活性汚泥の微生物集合体である活性汚泥フロック中の細胞外有機物の量や組成には全く無関係にオゾン処理を行うため、活性汚泥フロック中の細胞外有機物含有量が多いような場合には、注入したオゾンの大部分が活性汚泥フロック中の細胞外有機物と反応してしまうことになり、注入したオゾンが有効に活性汚泥微生物との反応に利用されず、その結果、オゾン処理による余剰汚泥量の低減の効果が安定に得られないという問題点があった。
【0015】
また、従来の技術では、活性汚泥微生物のオゾンに対する抵抗性には全く無関係にオゾン処理を行うため、活性汚泥微生物の自らを防御する抗酸化酵素の活性が高く、酸化に対する抵抗性が強いような場合には、注入したオゾンによって微生物が死滅しないことになり、注入したオゾンが有効に活性汚泥微生物の無機化、可溶化の反応に利用されず、その結果、オゾン処理による余剰汚泥量の低減の効果が安定に得られないという問題点があった。
【0016】
また、従来の技術では、活性汚泥のオゾン処理を導入することによる効果は単一の槽からなる曝気槽についてのものであり、多槽から構成される曝気槽に対する効果については全く得られない。
【0017】
また、従来の技術では、オゾン処理後の汚泥を曝気槽に戻す際、オゾン処理汚泥の量を調節せずに戻しているため、流入する廃水中の有機物濃度が高くなったり排水量が多くなるなどによって有機物負荷が一時的に増大するような場合、オゾン処理によって曝気槽の活性汚泥に対する有機物負荷を著しく増大させ、その結果、処理水中の有機物濃度が増加し処理水質の悪化を引き起こすという問題点、および、処理水質を維持するのに必要となる曝気量が増大するという問題点があった。
【0018】
また、従来の技術では、活性汚泥のオゾン処理において、活性汚泥にただたんにオゾンを注入しているためオゾンの溶解効率、および、活性汚泥とオゾンの接触効率、反応効率が低いという問題点があった。
【0019】
また、従来の技術では、引き抜いた活性汚泥の処理にオゾンのみを注入し、他の強力な酸化剤を用いていないため、活性汚泥微生物の死滅は進むものの、微生物の可溶化、無機化がおこりにくい。よって、このようなオゾン処理を行うと引き抜いた汚泥に相当する有機物がすべて曝気槽の負荷となり、負荷を増大させるため処理水中の有機物濃度が増加し、処理水質の悪化を引き起こすという問題点、および、処理水質を維持するのに必要となる曝気量が増大するという問題点があった。
【0020】
また、従来の技術では、活性汚泥の微生物集合体である活性汚泥フロックの凝集性には全く無関係にオゾン処理を行うため、活性汚泥フロックの凝集性が高いような場合には、分散した場合に比べ注入したオゾンがフロック内部の活性汚泥微生物と接触しにくいことになり、注入したオゾンが有効に活性汚泥微生物との反応に利用されず、その結果、オゾン処理による余剰汚泥量の低減の効果が安定に得られないという問題点があった。
【0021】
また、従来の技術では、オゾン発生器で発生したオゾンを貯蔵することなくそのまま活性汚泥のオゾン処理に用いているので、必要となるオゾン量が多くなるような場合、オゾン発生器がこれに応じて大きくなりオゾン発生器製造にかかわるコストが高くなるという問題点があった。
【0022】
この発明は、上記のような問題点を解消するためになされたもので、少ないオゾン注入量で発生する汚泥量を低減し、また処理水質の悪化を引き起こさずに発生する汚泥量を低減し、また余剰汚泥量の低減の効果を安定に確保し、更に、発生汚泥量の低減のみならず、汚泥沈降性悪化を抑制し、また悪化した汚泥の沈降性を回復するための方法および装置を提供することを目的とする。
【0023】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明に係る廃水のオゾン処理装置は、廃水の微生物処理において、処理系から微生物混合液を引き抜く混合液引き抜き手段と、微生物混合液と反応させるオゾンガスを発生するオゾン発生手段と、引き抜いた微生物混合液に前記オゾン発生手段より発生したオゾンガスを注入して処理するオゾン処理手段と、オゾン処理した微生物混合液を処理系へ還流する混合液還流手段と、オゾン処理動作を制御する制御手段と、微生物混合液の溶存酸素を測定する測定手段を備え、制御手段は前記測定手段による測定値に応じてオゾン処理を行うとともに、処理系の微生物反応槽への空気供給量を調節することを特徴とする廃水のオゾン処理装置である。
【0044】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
この発明の実施の形態1に係る廃水のオゾン処理方法の基となる実験1、および実験1によって検証される本実施の形態の効果について説明する。
【0045】
実験1:
廃水として肉エキスとペプトンを主体とするTOC濃度約200mg/Lの人工廃水を用い、滞留時間12時間、汚泥滞留時間20日の条件で8Lの曝気槽を用いた連続廃水処理実験を行った。処理系を2系統設置し、一方をオゾン処理系とし、曝気槽の汚泥を600ml引き抜いて、1Lのガス洗浄瓶に投入し、オゾン処理を行った後曝気槽に戻した。オゾン濃度は約30mg/L、オゾン吸収量は0〜50mg−O3/g−MLSSとした。他方についてはオゾン非処理系とし、同様に曝気槽の汚泥を引き抜き、オゾンと同じ条件で酸素のみを通気し、曝気槽に戻した。
【0046】
この一連の操作を1日6回間欠的に行った。流入廃水中の有機物を基質として増殖すると見積もられる汚泥量に対するオゾン処理する汚泥量の比を処理汚泥比とすると、この場合の処理汚泥比は約5に相当する。また、1日あたりのオゾン吸収量、および1日あたりのオゾン処理する汚泥量を上記の間欠オゾン注入の場合と同条件とし、オゾンを連続的に注入する実験も行った。
【0047】
オゾン吸収量と発生汚泥収率の変化率、すなわちオゾン非処理系の収率に対するオゾン注入系の収率の比の関係は図1のようになり、間欠オゾン処理における発生汚泥収率の低下は連続オゾン処理における発生汚泥収率の低下より大きく、発生汚泥量の低減には間欠オゾン処理が連続オゾン処理よりも極めて大きな効果を奏することが見出された。図1より、たとえば汚泥収率を40%低減するのに必要となるオゾン吸収量は、間欠オゾン処理では連続オゾン処理の場合の約1/3であり、極めて少ないオゾン量で発生汚泥量を著しく低下させることができる効果が得られる。
【0048】
図1においてオゾン吸収量が10mg−O3/g−MLSSの場合、約50%の発生汚泥量低減の効果があり、発生汚泥量低減に望ましいオゾン吸収量は10mg−O3/g−MLSS以上であることが明らかとなる。
【0049】
また実験1において、オゾン吸収量が10mg−O3/g−MLSSの間欠オゾン処理の場合、処理期間中のSVIの変化は図2のようになり、オゾン非処理系では実験途中よりSVIの増加、すなわち汚泥沈降性悪化がおこったが、オゾン注入系ではSVIは変化せず良好な沈降性を維持した。これより、間欠オゾン処理は、発生汚泥量低減の効果とともに汚泥の沈降性悪化を抑制する効果を奏することが明らかとなる。
【0050】
実施の形態2.
この発明の実施の形態2に係る廃水のオゾン処理方法の基となる実験2、実験3および実験2、実験3によって検証される本実施の形態の効果について説明する。
【0051】
実験2:
1Lのガス洗浄瓶にMLSS濃度1700mg/Lの活性汚泥を600ml投入し、オゾン濃度(0〜60mg/L)をかえた回分的なオゾン処理を行った。オゾンガス濃度と汚泥溶液の全TOC濃度、および溶解性TOC濃度の関係は図3のようになり、オゾンガス濃度の増加にともない溶解性TOC濃度の増加、すなわち汚泥の可溶化が起こるだけでなく、全TOC濃度の低下、すなわち汚泥の無機化がおこることを確認した。この傾向はオゾン濃度50mg/Lで顕著であり、これ以上のオゾン濃度の場合さらに無機化が促進された。
【0052】
実験3:
実験1と同様の実験において、オゾン吸収量、処理汚泥比を同じとし、オゾン濃度をかえた間欠オゾン処理を行った。流入TOC量の積算値と発生汚泥量の積算値の関係は図4のようになり、汚泥発生収率に相当する図中の傾きはオゾン濃度50mg/Lの場合の方がオゾン濃度30mg/Lの場合に比べ小さくなった。
また、処理水のTOC濃度は、オゾン濃度30mg/Lの場合はオゾン処理系で非処理系よりもTOC濃度が2〜5mg/L高かったが、オゾン濃度50mg/Lの場合の処理水のTOC濃度はオゾン処理系、非処理系のいずれも約20mg/Lで両系に差はなかった。
【0053】
実験2、3から、オゾン濃度50mg/L以上のオゾンガスを汚泥に間欠的に注入することにより、汚泥の可溶化だけでなく無機化がおこり、さらに、このような汚泥の無機化を起こすようなオゾン処理を行うことにより、発生汚泥量低減の効果が大きくなるとともに、処理水質の悪化を引き起こさないこと明らかとなる。
【0054】
上記の実験3ではオゾン処理を間欠的に行ったがこれに限るものではなく、オゾン処理を連続的に行う場合においてもオゾン濃度50mg/L以上のオゾンガスを用いることにより同様の効果が得られる。
【0055】
実施の形態3.
この発明の実施の形態3に係る廃水のオゾン処理方法の基となる実験4、実験5および実験4、実験5によって検証される本実施の形態の効果について説明する。
【0056】
実験4:
1Lのガス洗浄瓶にMLSS濃度70〜4600mg/Lの活性汚泥を600ml投入し、オゾン濃度50mg/Lのガスを800mL/分の流量で3分間注入する回分的なオゾン処理を行った。オゾン注入終了直後にオゾン処理した活性汚泥にヨウ化カリウムを投入し、活性汚泥中に残存する溶存オゾンをヨウ化カリウムに吸収させ溶存オゾン濃度を測定した。活性汚泥のMLSS濃度と溶存オゾン濃度の関係は図5のようになり、MLSS濃度の増加にともない溶存オゾン濃度は低下した。MLSS濃度1500mg/L以上では溶存オゾン濃度はゼロとなり、注入されたオゾンは溶存オゾンとして溶液中に残存するのではなく瞬時に汚泥との反応によって消費された。
【0057】
実験5:
廃水として肉エキスとペプトンを主体とするTOC濃度約200mg/Lの人工廃水を用い、滞留時間12時間、汚泥滞留時間20日の条件で8Lの曝気槽を用いた連続廃水処理実験を行った。処理系を2系統設置し、一方をオゾン処理系とし、曝気槽の汚泥を1Lのオゾン反応槽を通して再び曝気槽に戻るよう循環させ、循環中の汚泥に所定時間オゾンを注入しオゾン処理を行った。他方についてはオゾン非処理系とし、同様に曝気槽の汚泥を循環させ、オゾンと同じ条件で酸素のみを通気した。オゾン濃度を約110mg/Lとし、一連の操作を1日3回間欠的に行った。オゾン吸収量、処理汚泥比を同じとし、オゾン反応槽における汚泥の滞留時間(1〜35分)をかえた間欠オゾン注入を行った。
【0058】
オゾン反応槽における汚泥の滞留時間と発生汚泥収率の変化率の関係は図6のようになり、滞留時間1分の場合において汚泥発生収率の変化率は約0.1となり、汚泥はほとんど発生しなかった。滞留時間10分以上では汚泥発生収率はゼロとなった。
【0059】
実験4、5から、注入されたオゾンと活性汚泥との反応は極めて速く進行し、発生汚泥量の低減にはわずかな反応時間でも効果があり、また、実験5で行ったように汚泥を循環させ循環中の活性汚泥をオゾン処理する場合の滞留時間は数秒〜10分で発生汚泥量低減の効果が十分あることが明らかとなる。
【0060】
上記の実験5ではオゾン処理を間欠的に行ったがこれに限るものではなく、オゾン処理を連続的に行う場合においても同様の数秒〜10分の滞留時間で発生汚泥量低減の効果が十分得られる。
【0061】
このように発生汚泥量低減に必要となる滞留時間が数秒〜10分と短くてよいということはオゾンと活性汚泥を反応させるオゾン反応部を、非常にコンパクトにすることができることを示すもので、実際の装置を構築する上で、極めて大きな効果となる。
【0062】
実施の形態4.
この発明の実施の形態4に係る廃水のオゾン処理方法の基となる実験6ないし実験8によって検証される本実施の形態の効果について説明する。
【0063】
実験6:
実験1と同様の実験において、処理汚泥比をかえた間欠オゾン処理を行った(処理汚泥比0.5〜5.0)。流入TOC量の積算値と発生汚泥量の積算値の関係は図7のようになり、処理汚泥比が高いほど汚泥量低減の効果が大きくなった。これら実験においてはオゾン処理系、非処理系で処理水TOC濃度の大きな差はなかったが、処理汚泥比を10以上にすると発生汚泥量は減少するものの、処理水のTOC濃度が大きく増加し処理水質が著しく悪化した。また、これら実験においてオゾン処理系では糸状細菌の過剰発生はみられず汚泥の沈降性の悪化は抑制されていた。これより、発生汚泥量の低減および汚泥沈降性悪化の抑制に対する処理汚泥比としては10以下である必要があり、さらに0.5〜5の範囲にあることが望ましいことが明らかになった。
【0064】
実験7:
次に、糸状細菌の過剰発生により沈降性が悪化した汚泥に対するオゾンの効果を調べた。1Lのガス洗浄瓶に糸状細菌を多く含むSVI730ml/gの活性汚泥を600ml投入し、オゾン吸収量をかえた回分的なオゾン処理を行った(オゾン吸収量0〜9.6mg−O3/g−MLSS)。 オゾン吸収量とSVIの関係は図8のようになり、オゾン吸収量1mg−O3/g−MLSS程度からSVIの低下がみられ、10mg−O3/g−MLSSの場合SVIはオゾン処理前に比べ約40%にまで低下し、沈降性が大幅に回復した。
このときの顕微鏡観察より糸状細菌の構造がオゾン処理により変化していた。これ以上のオゾン吸収量の場合さらに沈降性の回復の効果があった。これより、糸状細菌により悪化した沈降性を回復させるためのオゾン吸収量は1mg−O3/g−MLSS以上であり、発生汚泥量の低減や沈降性悪化の抑制の場合よりも少ないオゾン吸収量でも悪化した沈降性を回復させるのに効果があることが明らかとなった。
【0065】
実験8:
糸状細菌を多く含む活性汚泥を用いた実験1と同様の間欠オゾン処理実験を行い、SVIに対する処理汚泥比の影響を調べた。オゾン処理条件は、オゾン吸収量を1mg−O3/g−MLSSとし、処理回数をかえ処理汚泥比をかえた(処理汚泥比0〜9.8)。
処理汚泥比とSVIの変化率、すなわちオゾン非処理系のSVIに対するオゾン処理系のSVIの比の関係は図9のようになり、処理汚泥比を増加するほどSVI低下の効果が大きく、処理汚泥比10の場合SVIは20%にまで低下した。
また、処理汚泥比10の場合においても、オゾン処理系とオゾン比処理系で処理水TOC濃度はほぼ等しく、オゾン処理による処理性能の低下は起こらなかった。これより、悪化した汚泥の沈降性を回復するには、処理汚泥比を発生汚泥量の低減や沈降性悪化の抑制の場合よりも大きくすることにより効果が得られることが明らかとなった。
【0066】
上記の実験6、7、8の結果から、曝気槽の活性汚泥を引き抜き、間欠的にオゾン処理し、曝気槽へ戻す本発明では、発生汚泥量を低減する、もしくは沈降性悪化を抑制するための適切なオゾン処理条件と、悪化した汚泥沈降性を回復させるための適切なオゾン処理条件が存在し、汚泥の沈降性に応じてそれぞれのオゾン処理条件を選定する、すなわち、沈降性が良好な場合には、発生汚泥量の低減および沈降性悪化の抑制に適切なオゾン処理条件を、逆に沈降性が不良な場合には沈降性の回復に適切なオゾン条件を選定することにより、発生汚泥量を低減しつつ汚泥沈降性悪化の抑制、あるいは、沈降性の回復を実現し得ることを見出した。
【0067】
上記の実験6、8ではオゾン処理を間欠的に行ったがこれに限るものではなく、オゾン処理を連続的に行う場合においても汚泥の沈降性に応じて発生汚泥量の低減および沈降性悪化の抑制に適切なオゾン処理条件と、悪化した汚泥沈降性の回復に適切なオゾン処理条件を選定することにより、同様の効果が得られる。
【0068】
実施の形態5.
この発明における実施の形態5に係る廃水のオゾン処理方法について説明する。上記の実験6、7、8より、曝気槽から引き抜いた汚泥の間欠的なオゾン処理において、オゾン吸収量の望ましい条件は、発生汚泥量の低減および汚泥沈降性悪化の抑制を目的とする場合、10mg−O3/g−MLSS以上、悪化した沈降性の回復を目的とする場合、1mg−O3/g−MLSS以上であることが明らかとなった。
【0069】
また、上記の実験6、8ではオゾン処理を間欠的に行ったが、これに限るものではなく、オゾン処理を連続的に行う場合においても同様となり、連続オゾン処理の場合、オゾン吸収量の望ましい条件は、同様に発生汚泥量の低減および汚泥沈降性悪化の抑制を目的とする場合、10mg−O3/g−MLSS以上、悪化した沈降性の回復を目的とする場合、1mg−O3/g−MLSS以上となる。
【0070】
実施の形態6.
この発明における実施の形態6に係る廃水のオゾン処理方法について説明する。上記の実験6、7、8より、曝気槽から引き抜いた汚泥の間欠的なオゾン処理において、処理汚泥比の望ましい条件は、発生汚泥量の低減および汚泥沈降性悪化の抑制を目的とする場合、0.5〜5、悪化した沈降性の回復を目的とする場合、2〜10であることが明らかとなった。
【0071】
また、上記の実験6、8ではオゾン処理を間欠的に行ったが、これに限るものではなく、オゾン処理を連続的に行う場合においても同様となり、連続オゾン処理の場合、処理汚泥比の望ましい条件は、同様に発生汚泥量の低減および汚泥沈降性悪化の抑制を目的とする場合、0.5〜5、悪化した沈降性の回復を目的とする場合、2〜10となる。
【0072】
実施の形態7.
以下に、この発明の実施の形態7に係る廃水のオゾン処理装置を図について説明する。図10は本発明の廃水のオゾン処理装置のフローを示す図である。図10に示すように、曝気槽(微生物反応槽)1の液流入側には被処理液路2が、そして液流出側には連絡路3が連結している。また、オゾン処理槽(オゾン処理手段)4には途中に汚泥引抜ポンプ(混合液引き抜き手段)5を備えた引抜汚泥路6が曝気槽1に接続している。オゾン処理槽4にはオゾンを供給するオゾン供給路8、汚泥との反応に用いられなかったオゾンを排出する排オゾン路7、オゾン処理後の汚泥を曝気槽1に戻すオゾン処理汚泥路(混合液環流手段)9が連結している。なお、曝気槽1の底部には散気装置が設けられここに空気供給路が連絡し、連絡路3の後段には処理液路および汚泥引出路を連結した汚泥分離部が連結し、さらに、汚泥引出路と曝気槽1を汚泥返送ポンプを備えた返送汚泥路が連結しているがこれらについては図示していない。
オゾン供給路8の途中にはオゾン発生器(オゾン発生手段)10が設けられている。オゾン発生器10は原料ガス供給路11より供給された原料ガスを基にオゾンガス(以下、オゾンと記載する。)を発生し、オゾン供給路8を介してオゾン処理槽4にオゾンを供給する。汚泥引抜ポンプ5およびオゾン発生器10の動作制御ならびに調節を制御部(制御手段)12によって行う。
【0073】
次に本実施の形態の動作について説明する。被処理液路2から有機性廃水を曝気槽1に導入し、曝気槽1において好気的な処理を行った後、曝気槽1の混合液を連絡路3から汚泥分離部に送り固液分離した後、分離液を排出する。
この廃水処理過程において、汚泥引抜ポンプ5を動作させ曝気槽1の汚泥混合液を引抜汚泥路6を介してオゾン処理槽4に導入し、オゾン処理汚泥路9を通して再び曝気槽1にもどし、曝気槽1の汚泥を循環させる。
オゾン発生器10で原料ガス供給路11から供給される酸素ガスまたは空気を原料ガスとしてオゾンを発生し、このオゾンをオゾン供給路8を通してオゾン処理槽4に注入する。オゾン反応槽4では汚泥引抜ポンプ5によって循環される汚泥にオゾンを接触させ、汚泥とオゾンを反応させる。このとき汚泥との反応に用いられなかったオゾンは排オゾン路7から排出される。
所定時間後にオゾン発生器10でのオゾン発生を停止し、オゾン処理槽4と曝気槽1の汚泥を十分置換した後、汚泥引抜ポンプ5を停止する。
この一連の動作を間欠オゾン処理の1サイクルとし、制御部12により、発生汚泥量の低減および汚泥沈降性悪化の抑制、または、汚泥沈降性の回復にそれぞれ適した1サイクルあたりのオゾン注入量、1日あたりのサイクル数、サイクル間隔となるよう汚泥引抜ポンプ5、オゾン発生器10の運転を行う。
【0074】
活性汚泥の沈降性が良好な場合には、発生汚泥量の低減および汚泥沈降性悪化の抑制に適した運転を行う。活性汚泥をオゾン処理し、活性汚泥微生物を死滅させ、さらに可溶化、無機化する。その後、曝気槽に戻して曝気槽内微生物の基質(えさ)として分解することにより、その際発生する二酸化酸素に相当する汚泥量を低減することが可能となる。汚泥の間欠オゾン処理は高い濃度のオゾンを集中的に注入しオゾン処理時の時間当たりのオゾン注入量を高くできるため、連続オゾン処理よりも汚泥中の微生物の可溶化、無機化を促進し、曝気槽に戻したときの分解性を高めることができる。その結果、発生汚泥量低減の効果は間欠オゾン処理のほうが連続オゾン処理よりも大きく、間欠オゾン処理によって連続オゾン処理よりも大幅に少ないオゾン注入量で発生汚泥量を低減することができる。また、同時にオゾン処理によって汚泥中の糸状細菌をも死滅させることから、糸状細菌の過剰な増殖を抑え、糸状細菌による汚泥沈降性悪化を抑制することができる。
これに対し、汚泥沈降性悪化の要因である糸状細菌が過剰に発生し汚泥の沈降性が悪化した場合には、上記の活性汚泥の沈降性が良好な場合とは異なり悪化した沈降性を回復するための糸状細菌の死滅に有効な1サイクルあたりのオゾン注入量、1日あたりのサイクル数、サイクル間隔で運転を行い、過剰に発生した糸状細菌を死滅させ、汚泥沈降性を回復することができる。
【0075】
上記の例では、間欠オゾン処理の一連の動作時にのみ汚泥引抜ポンプ5を動作したが、汚泥引抜ポンプ5は常時動作しても同様の効果が得られる。
【0076】
また、上記の例では、オゾン処理中において汚泥引抜ポンプ5を動作したが、オゾン処理中は汚泥引抜ポンプ5を停止しても同様の効果が得られる。このようにオゾン処理中に汚泥引抜ポンプ5を停止する場合は、引抜汚泥路6およびオゾン処理汚泥路9により汚泥をオゾン処理槽4に循環するだけに限るものではなく、汚泥引抜ポンプ5に液を流す方向をかえることができるポンプを用いれば、汚泥をオゾン反応槽に導入し、オゾン処理した後、汚泥引抜ポンプ5を逆方向に動作させることによりオゾン処理した汚泥を曝気槽1に戻すことができる。
また、汚泥引抜ポンプ5に加えオゾン処理汚泥路6にオゾン処理後の汚泥を曝気槽1へもどすためのポンプを設置し、これらポンプを動作してもよい。
【0077】
上記の例では、オゾン処理槽4を設けここで汚泥のオゾン処理を行ったが、これに限るものではなく、曝気槽1を適宜仕切り、この仕切った部分をオゾン処理槽とし、ここに汚泥を循環させ、オゾンを間欠的に注入するようにしても同様の効果が得られる。
【0078】
実施の形態8.
次いで、この発明の実施の形態8に係る廃水のオゾン処理装置を図について説明する。図11は本発明の廃水のオゾン処理装置のフローを示す図である。図11において13は曝気槽1中の活性汚泥のSV(Sludge Volume)を自動的に測定するSV測定器であり、これ以外は図10と同様である。
【0079】
次に動作について説明する。曝気槽1において廃水処理を行う過程で、汚泥引抜ポンプ5を動作させ曝気槽1の汚泥混合液を引抜汚泥路6、オゾン処理槽4、オゾン処理汚泥路9を通して循環させる。オゾン発生器10で原料ガス供給路11から供給される酸素ガスまたは空気を原料ガスとしてオゾンを発生し、このオゾンをオゾン供給路8を通してオゾン処理槽4に注入し、汚泥のオゾン処理を行う。このとき汚泥との反応に用いられなかったオゾンは排オゾン路7から排出される。この一連の動作を連続的に行い、制御部12により、発生汚泥量の低減および汚泥沈降性悪化の抑制、または、汚泥沈降性の回復にそれぞれ適したオゾン注入量、循環汚泥流量となるよう汚泥引抜ポンプ5、オゾン発生器10の運転を行う。
このような連続的なオゾン処理において、SV測定器13により汚泥のSVを測定し、測定結果を制御部12に入力する。入力を受けた制御部12ではこの結果にもとづきオゾン注入量、循環汚泥流量を設定し、その設定に従って汚泥引抜ポンプ5、オゾン発生器10の運転を行う。
【0080】
汚泥沈降性が良好な場合には汚泥のSVは小さくなる。SV測定器13からの入力信号が通常のSV値をもとに予め設定した値以下の低い場合、制御部12では活性汚泥の沈降性は良好と判断し、発生汚泥量の低減および汚泥沈降性悪化の抑制に適したオゾン注入量、循環汚泥流量を設定し、これに応じた汚泥引抜ポンプ5、オゾン発生器10の運転を行う。
一方、汚泥沈降性が悪化する傾向にある場合、または完全に悪化した場合にはその程度に応じてSVは大きくなる。SV測定器13からの入力信号が通常のSV値をもとに予め設定した値よりも高い場合、制御部12では沈降性が悪化したと判断し、汚泥沈降性の回復に適したオゾン注入量、循環汚泥流量を設定し、これに応じた汚泥引抜ポンプ5、オゾン発生器10の運転を行う。
【0081】
上記のように曝気槽中の活性汚泥のSV値に応じてオゾン注入量、循環汚泥流量をかえた運転を行うことにより、活性汚泥の沈降性に応じた的確なオゾン処理が可能になり、発生汚泥量の低減および汚泥沈降性悪化の抑制、または、汚泥沈降性の回復という効果が安定に得られる。
【0082】
なお、上記の例では汚泥のオゾン処理を連続的に行ったが、これに限るものではなく、間欠的にオゾン処理することによりさらに効率的な運転が可能となる。
間欠オゾン処理の場合の動作は実施の形態7と同様となり、さらに、SV測定器13による測定値に応じて制御部12で間欠オゾン処理の1サイクルあたりのオゾン注入量、1日あたりのサイクル数、サイクル間隔を設定し、これに応じた汚泥引抜ポンプ5、オゾン発生器10の運転を行う。
曝気槽中の活性汚泥のSV値に応じて1サイクルあたりのオゾン注入量、1日あたりのサイクル数、サイクル間隔をかえた運転を行うことにより、活性汚泥の沈降性に応じた的確なオゾン処理が可能になり、発生汚泥量の低減および汚泥沈降性悪化の抑制、または、汚泥沈降性の回復という効果が安定に得られる。加えて、間欠オゾン処理とすることによって連続オゾン処理よりも大幅に少ないオゾン注入量で発生汚泥量の低減および汚泥沈降性悪化の抑制、または、汚泥沈降性の回復の効果が得られる。
【0083】
上記の例では、活性汚泥のSVを測定したが、これに限るものではなく、SVI、活性汚泥フロックの沈降速度、活性汚泥フロック粒径など汚泥の沈降性に関する指標であれば同様の効果が得られる。さらに、これら指標を複数組み合わせて用いてもよい。
【0084】
上記の例では、自動測定器を用いたが、これに限るものではなく、活性汚泥フロックの沈降性に関する指標を手分析等により求め、その値を制御部に入力しても同様の効果が得られる。
【0085】
実施の形態9.
次いで、この発明の実施の形態9に係る廃水のオゾン処理装置を図について説明する。図12は本発明の廃水のオゾン処理装置のフローを示す図である。図12において14は曝気槽1中の活性汚泥の呼吸活性を自動的に測定する呼吸活性測定器であり、これ以外は図10と同様である。
【0086】
次に動作について説明する。曝気槽1において廃水処理を行う過程で、汚泥引抜ポンプ5を動作させ曝気槽1の汚泥混合液を引抜汚泥路6、オゾン処理槽4、オゾン処理汚泥路9を通して循環させる。オゾン発生器10で原料ガス供給路11から供給される酸素ガスまたは空気を原料ガスとしてオゾンを発生し、このオゾンをオゾン供給路8を通してオゾン処理槽4に注入し、汚泥のオゾン処理を行う。このとき汚泥との反応に用いられなかったオゾンは排オゾン路7から排出される。この一連の動作を連続的に行い、制御部12により、発生汚泥量の低減および汚泥沈降性悪化の抑制、または、汚泥沈降性の回復にそれぞれ適したオゾン注入量、循環汚泥流量となるよう汚泥引抜ポンプ5、オゾン発生器10の運転を行う。
このような連続的なオゾン処理において、呼吸活性測定器14により活性汚泥の呼吸活性を測定し、測定結果を制御部12に入力する。入力を受けた制御部12ではこの結果にもとづきオゾン注入量、循環汚泥流量を設定し、その設定に従って汚泥引抜ポンプ5、オゾン発生器10の運転を行う。
【0087】
活性汚泥の有機物分解が良好な場合には、呼吸活性は高い値を示す。呼吸活性測定器14からの入力信号が通常の呼吸活性値をもとに予め設定した値以上の高い場合、制御部12では活性汚泥の有機物分解活性は良好と判断し、発生汚泥量の低減および汚泥沈降性悪化の抑制、または、汚泥沈降性の回復のそれぞれに適したオゾン注入量、循環汚泥流量を設定し、これに応じて汚泥引抜ポンプ5、オゾン発生器10の運転を行う。
一方、流入する廃水の質的変化などの外的要因や、オゾンの過剰な注入などにより曝気槽中の活性汚泥の有機物分解活性が低下する場合、呼吸活性は低くなる。このように活性汚泥の有機物分解活性が低い状態で汚泥のオゾン処理を行うと、活性汚泥の有機物分解活性はさらに低下し処理水質の大幅な悪化を引き起こす可能性がある。呼吸活性測定器14からの入力信号が通常の呼吸活性値をもとに予め設定した値よりも低い場合、制御部12では曝気槽中の活性汚泥の有機物分解が良好ではないと判断し、呼吸活性値の低下の程度に応じてオゾン注入量、循環汚泥流量を減らすなどのオゾン処理を抑えた条件を設定し、これに応じて汚泥引抜ポンプ5、オゾン発生器10の運転を行う。
【0088】
上記のように曝気槽中の活性汚泥の呼吸活性値に応じてオゾン注入量、循環汚泥流量をかえた運転を行うことにより、活性汚泥の有機物分解活性に応じた的確なオゾン処理が可能になり、活性汚泥の有機物分解活性を回復し、処理水質の悪化を回避しながら、発生汚泥量の低減および汚泥沈降性悪化の抑制、または、汚泥沈降性の回復という効果が安定に得られる。
【0089】
なお、上記の例では汚泥のオゾン処理を連続的に行ったが、これに限るものではなく、間欠的にオゾン処理することによりさらに効率的な運転が可能となる。
間欠オゾン処理の場合の動作は実施の形態7と同様となり、さらに、呼吸活性測定器14による測定値に応じて制御部12で間欠オゾン処理の1サイクルあたりのオゾン注入量、1日あたりのサイクル数、サイクル間隔を設定し、これに応じた汚泥引抜ポンプ5、オゾン発生器10の運転を行う。
曝気槽中の活性汚泥の呼吸活性値に応じて1サイクルあたりのオゾン注入量、1日あたりのサイクル数、サイクル間隔をかえた運転を行うことにより、活性汚泥の有機物分解活性に応じた的確なオゾン処理が可能になり、活性汚泥の有機物分解活性を回復し、処理水質の悪化を回避しながら、発生汚泥量の低減および汚泥沈降性悪化の抑制、または、汚泥沈降性の回復という効果が安定に得られる。加えて、間欠オゾン処理とすることによって連続オゾン処理よりも大幅に少ないオゾン注入量で発生汚泥量の低減および汚泥沈降性悪化の抑制、または、汚泥沈降性の回復の効果が得られる。
【0090】
上記の例では、活性汚泥の呼吸活性を測定したが、これに限るものではなく、脱水素酵素活性、ATP量、NADH量など活性汚泥の有機物分解活性に関する他の指標でも同様の効果が得られる。さらに、これら指標を複数組み合わせて用いてもよい。
【0091】
上記の例では、自動測定器を用いたが、これに限るものではなく、活性汚泥の有機物分解活性に関する指標を手分析等により求め、その値を制御部に入力しても同様の効果が得られる。
【0092】
上記の例では呼吸活性などの活性汚泥の有機物分解活性に関する指標値に応じてオゾン処理条件をかえた運転を行ったが、呼吸活性などの有機物分解活性の指標とともにSVなどの活性汚泥の沈降性の指標を測定し、2種の測定値に応じてオゾン注入量、循環汚泥流量、サイクル数、サイクル間隔をかえることにより、より効果的な運転が可能となる。
【0093】
実施の形態10.
次いで、この発明の実施の形態10に係る廃水のオゾン処理装置を図について説明する。図13は本発明の廃水のオゾン処理装置のフローを示す図である。図13において15は被処理液路2を通る廃水中のTOC濃度を自動的に測定するTOC濃度測定器であり、これ以外は図10と同様である。
【0094】
次に動作について説明する。曝気槽1において廃水処理を行う過程で、汚泥引抜ポンプ5を動作させ曝気槽1の汚泥混合液を引抜汚泥路6、オゾン処理槽4、オゾン処理汚泥路9を通して循環させる。オゾン発生器10で原料ガス供給路11から供給される酸素ガスまたは空気を原料ガスとしてオゾンを発生し、このオゾンをオゾン供給路8を通してオゾン処理槽4に注入し、汚泥のオゾン処理を行う。このとき汚泥との反応に用いられなかったオゾンは排オゾン路7から排出される。この一連の動作を連続的に行い、制御部12により、発生汚泥量の低減および汚泥沈降性悪化の抑制、または、汚泥沈降性の回復にそれぞれ適したオゾン注入量、循環汚泥流量となるよう汚泥引抜ポンプ5、オゾン発生器10の運転を行う。
このような連続的なオゾン処理において、TOC濃度測定器15により流入廃水中のTOC濃度を測定し、測定結果を制御部12に入力する。入力を受けた制御部12ではこの結果にもとづきオゾン注入量、循環汚泥流量を設定し、その設定に従って汚泥引抜ポンプ5、オゾン発生器10の運転を行う。
【0095】
流入廃水中のTOC濃度は時間的に変動する。夜間や休日などは流入廃水中のTOC濃度は低いことが多く、曝気槽中の活性汚泥に対する有機物負荷は小さくなる。TOC濃度測定器15からの入力信号が通常のTOC濃度をもとに予め設定した値以下の低い場合、制御部12では流入有機物負荷が低いと判断し、発生汚泥量の低減および汚泥沈降性悪化の抑制、あるいは、汚泥沈降性の回復のそれぞれに適したオゾン注入量、循環汚泥流量を設定し、これに応じて汚泥引抜ポンプ5、オゾン発生器10の運転を行う。
一方、昼間などの生活および産業活動が活発になる時間帯においては流入廃水中のTOC濃度は高く曝気槽中の活性汚泥に対する有機物負荷は高くなる場合がある。このように有機物負荷が大きい状態で汚泥のオゾン処理を行うと、曝気槽中の活性汚泥に対する負荷はさらに増大するため、処理水質の大幅な悪化を引き起こす可能性がある。TOC濃度測定器15からの入力信号が設定値よりも高い場合、制御部12では流入有機物負荷が高いと判断し、TOC濃度値に応じてオゾン注入量、循環汚泥流量を減らすなどのオゾン処理を抑えた条件を設定し、これに応じて汚泥引抜ポンプ5、オゾン発生器10の運転を行う。
【0096】
上記のように流入廃水中のTOC濃度値に応じてオゾン注入量、循環汚泥流量をかえた運転を行うことにより、有機物負荷に応じた的確なオゾン処理が可能になり、曝気槽中の活性汚泥に対する有機物負荷を均一化し、負荷増大によって生じる処理水質の悪化、必要曝気量の増大等を回避しながら、発生汚泥量の低減および汚泥沈降性悪化の抑制、または、汚泥沈降性の回復という効果が安定に得られる。
【0097】
なお、上記の例では汚泥のオゾン処理を連続的に行ったが、これに限るものではなく、間欠的にオゾン処理することによりさらに効率的な運転が可能となる。間欠オゾン処理の場合の動作は実施の形態7と同様となり、さらに、TOC濃度測定器15による測定値に応じて制御部12で間欠オゾン処理の1サイクルあたりのオゾン注入量、1日あたりのサイクル数、サイクル間隔を設定し、これに応じた汚泥引抜ポンプ5、オゾン発生器10の運転を行う。
流入廃水中のTOC濃度値に応じて1サイクルあたりのオゾン注入量、1日あたりのサイクル数、サイクル間隔をかえた運転を行うことにより、曝気槽中の活性汚泥に対する有機物負荷に応じた的確なオゾン処理が可能になり、曝気槽中の活性汚泥に対する有機物負荷を均一化し、負荷増大によって生じる処理水質の悪化、必要曝気量の増大等を回避しながら、発生汚泥量の低減および汚泥沈降性悪化の抑制、または、汚泥沈降性の回復という効果が安定に得られる。加えて、間欠オゾン処理とすることによって連続オゾン処理よりも大幅に少ないオゾン注入量で発生汚泥量の低減および汚泥沈降性悪化の抑制、または、汚泥沈降性の回復の効果が得られる。
【0098】
上記の例では、流入廃水中のTOC濃度を測定したが、これに限るものではなく、COD濃度、BOD濃度などの水中の有機物に関する指標であれば同様の効果が得られる。さらに、これら指標を複数組み合わせて用いてもよい。
【0099】
上記の例では流入廃水中のTOC濃度を測定したが、これに限るものではなく、流入廃水の流量など流入有機物負荷に関する他の指標でも同様の効果が得られる。さらに、これら指標を複数組み合わせて用いてもよい。
【0100】
上記の例では、自動測定器を用いたが、これに限るものではなく、流入有機物負荷に関する指標を手分析等により求め、その値を制御部12に入力してもよい。
【0101】
また、流入廃水中の有機物濃度、流量の時間的な変動がおおむね一定であり、流入有機物負荷のパターンが予め想定できるような場合には、常に測定を行う必要はなく、負荷パターンに応じたオゾン注入量、汚泥循環流量、サイクル数、サイクル間隔を設定し、これに応じて汚泥引抜ポンプ5、オゾン発生器10の運転を行っても同様の効果が得られる。
【0102】
上記の例では流入廃水のTOC濃度などの流入有機物負荷に関する指標値に応じてオゾン処理条件をかえた運転を行ったが、流入廃水のTOC濃度などの流入有機物負荷の指標とともに、SVなどの活性汚泥の沈降性の指標、呼吸活性などの有機物分解活性の指標を測定し、これら多種の測定値に応じてオゾン注入量、汚泥循環流量、サイクル数、サイクル間隔をかえることにより、より効果的な運転が可能となる。
【0103】
実施の形態11.
次いで、この発明の実施の形態11に係る廃水のオゾン処理装置を図について説明する。図14は本発明の廃水のオゾン処理装置のフローを示す図である。図14において16は曝気槽1の底部に設けられた散気装置、17は散気装置16に空気を供給する空気供給装置、18は散気装置と空気供給装置を連結する空気供給路、19は曝気槽1中の活性汚泥混合液の溶存酸素濃度を自動的に測定する溶存酸素濃度測定器であり、これ以外は図10と同様である。
【0104】
次に動作について説明する。曝気槽1において廃水処理を行う過程で、汚泥引抜ポンプ5を動作させ曝気槽1の汚泥混合液を引抜汚泥路6、オゾン処理槽4、オゾン処理汚泥路9を通して循環させる。オゾン発生器10で原料ガス供給路11から供給される酸素ガスまたは空気を原料ガスとしてオゾンを発生し、このオゾンをオゾン供給路8を通してオゾン処理槽4に注入し、汚泥のオゾン処理を行う。このとき汚泥との反応に用いられなかったオゾンは排オゾン路7から排出される。この一連の動作を連続的に行い、制御部12により、発生汚泥量の低減および汚泥沈降性悪化の抑制、または、汚泥沈降性の回復にそれぞれ適したオゾン注入量、循環汚泥流量となるよう汚泥引抜ポンプ5、オゾン発生器10の運転を行う。
このような連続的なオゾン処理において、溶存酸素濃度測定器19により曝気槽1中の活性汚泥混合液の溶存酸素濃度を測定し、測定結果を制御部12に入力する。入力を受けた制御部12ではこの結果にもとづきオゾン注入量、循環汚泥流量、曝気槽に供給する空気量を設定し、その設定に従って汚泥引抜ポンプ5、オゾン発生器10、空気供給装置17の運転を行う。
【0105】
活性汚泥混合液の溶存酸素濃度は流入負荷や活性汚泥の有機物分解活性によって変動する。微生物の増殖、代謝などの活動が維持され廃水の処理が良好に行われるためには溶存酸素濃度が適切な範囲内にあることが必要となる。溶存酸素濃度測定器19からの入力信号が通常の溶存酸素濃度をもとに予め設定した範囲内にある場合、制御部12は活性汚泥混合液の溶存酸素濃度は適切と判断し、発生汚泥量低減および汚泥沈降性悪化の抑制、または、汚泥沈降性の回復のそれぞれに適したオゾン注入量、循環汚泥流量を設定し、これに応じて汚泥引抜ポンプ5、オゾン発生器10、空気供給装置17の運転を行う。
【0106】
一方、流入する廃水中の有機物濃度の増加やオゾン処理後の汚泥を曝気槽1に戻すことなどによって、曝気槽1中の活性汚泥に対する有機物負荷が増大する場合、活性汚泥混合液の溶存酸素濃度は低下する。このように有機物負荷が高い状態で汚泥のオゾン処理を行うと、曝気槽中の活性汚泥に対する負荷はさらに増加するため、処理水質の大幅な悪化を引き起こす可能性がある。溶存酸素濃度測定器19からの入力信号が設定範囲よりも低い場合、制御部12では流入有機物負荷が大きいと判断し、溶存酸素濃度の低下の程度に応じてオゾン注入量、循環汚泥流量を減らすなどのオゾン処理を抑えた条件、および空気供給量を増す条件を設定し、これに応じて汚泥引抜ポンプ5、オゾン発生器10、空気供給装置17の運転を行う。
【0107】
また、流入する廃水の質的変化、温度変化などの外的要因や、オゾンの過剰な注入などにより曝気槽中の活性汚泥の有機物分解活性が低下する場合、供給した酸素が活性汚泥中の微生物の活動に使用されなくなり活性汚泥混合液の溶存酸素濃度は増加する。このように活性汚泥の有機物分解活性が低い状態で汚泥のオゾン処理を行うと、活性汚泥の有機物分解活性はさらに低下するため、処理水質の大幅な悪化を引き起こす可能性がある。溶存酸素濃度測定器19からの入力信号が設定範囲よりも高い場合、制御部12では曝気槽中の活性汚泥の有機物分解活性が小さいと判断し、溶存酸素濃度の増加の程度に応じてオゾン注入量、循環汚泥流量を減らすなどのオゾン処理を抑えた条件を設定し、これに応じて汚泥引抜ポンプ5、オゾン発生器10、空気供給装置17の運転を行う。
【0108】
また、流入する廃水中の有機物濃度、流入量の低下などによって、曝気槽中の活性汚泥に対する有機物負荷が低減する場合、活性汚泥混合液の溶存酸素濃度は増加する。流入廃水中の有機物濃度、流量の時間的な変動がおおむね一定であり、流入有機物負荷のパターンが予め想定でき溶存酸素濃度の増加がこの有機物負荷の低減によるものと明らかに判断できる場合、溶存酸素濃度測定器19から設定範囲よりも高い入力信号を受けた制御部12では流入有機物負荷が小さいと判断し、溶存酸素濃度の増加の程度に応じてオゾン注入量、循環汚泥流量を増すなどの条件を設定し、これに応じて汚泥引抜ポンプ5、オゾン発生器10、空気供給装置17の運転を行う。
【0109】
上記のように曝気槽中の活性汚泥混合液の溶存酸素濃度値に応じてオゾン注入量、循環汚泥流量、空気供給量をかえた運転を行うことにより、曝気槽中の活性汚泥に対する有機物負荷、活性汚泥の有機物分解活性に応じた的確なオゾン処理が可能になり、負荷増減や活性変化にともなう処理水質の悪化を回避しながら、発生汚泥量の低減および汚泥沈降性悪化の抑制、または、汚泥沈降性の回復という効果が安定に得られる。
【0110】
なお、上記の例では汚泥のオゾン処理を連続的に行ったが、これに限るものではなく、間欠的にオゾン処理することによりさらに効率的な運転が可能となる。間欠オゾン処理の場合の動作は実施の形態7と同様となり、さらに、溶存酸素濃度測定器19による測定値に応じて制御部12で間欠オゾン処理の1サイクルあたりのオゾン注入量、1日あたりのサイクル数、サイクル間隔、曝気槽に供給する空気量を設定し、これに応じた汚泥引抜ポンプ5、オゾン発生器10、空気供給装置17の運転を行う。
曝気槽中の活性汚泥混合液の溶存酸素濃度値に応じて1サイクルあたりのオゾン注入量、1日あたりのサイクル数、サイクル間隔、空気供給量をかえた運転を行うことにより、曝気槽中の活性汚泥に対する有機物負荷、活性汚泥の有機物分解活性に応じた的確なオゾン処理が可能になり、負荷増減や活性変化にともなう処理水質の悪化を回避しながら、発生汚泥量の低減および汚泥沈降性悪化の抑制、あるいは、汚泥沈降性の回復という効果が安定に得られる。加えて、間欠オゾン処理とすることによって連続オゾン処理よりも大幅に少ないオゾン注入量で発生汚泥量の低減および汚泥沈降性悪化の抑制、または、汚泥沈降性の回復の効果が得られる。
【0111】
上記の例では、自動測定器を用いたが、これに限るものではなく、活性汚泥混合液の溶存酸素濃度を手分析等により求め、その値を制御部に入力しても同様の効果が得られる。
【0112】
上記の例では活性汚泥混合液の溶存酸素濃度に応じてオゾン処理条件をかえた運転を行ったが、活性汚泥混合液の溶存酸素濃度とともに、SVなどの活性汚泥の沈降性の指標、呼吸活性などの有機物分解活性の指標、流入廃水のTOC濃度などの流入有機物負荷の指標を測定し、これら多種の測定値に応じてオゾン注入量、汚泥循環流量、サイクル数、サイクル間隔、空気供給量をかえることにより、より効果的な運転が可能となる。
【0113】
特に、呼吸活性などの有機物分解活性の指標、流入廃水のTOC濃度などの流入有機物負荷の指標と組み合わせることによって、負荷増減や活性変化をより的確に把握することが可能となり、いっそう効果的な運転が可能となる。
【0114】
実施の形態12.
次いで、この発明の実施の形態12に係る廃水のオゾン処理装置を図について説明する。図15は本発明の廃水のオゾン処理装置のフローを示す図である。図15において20は曝気槽1中の活性汚泥フロック中の多糖類濃度を自動的に測定する多糖類濃度測定器であり、これ以外は図10と同様である。
【0115】
次に動作について説明する。曝気槽1において廃水処理を行う過程で、汚泥引抜ポンプ5を動作させ曝気槽1の汚泥混合液を引抜汚泥路6、オゾン処理槽4、オゾン処理汚泥路9を通して循環させる。オゾン発生器10で原料ガス供給路11から供給される酸素ガスまたは空気を原料ガスとしてオゾンを発生し、このオゾンをオゾン供給路8を通してオゾン処理槽4に注入し、汚泥のオゾン処理を行う。このとき汚泥との反応に用いられなかったオゾンは排オゾン路7から排出される。この一連の動作を連続的に行い、制御部12により、発生汚泥量の低減および汚泥沈降性悪化の抑制、または、汚泥沈降性の回復にそれぞれ適したオゾン注入量、循環汚泥流量となるよう汚泥引抜ポンプ5、オゾン発生器10の運転を行う。
このような連続的なオゾン処理において、多糖類濃度測定器20により活性汚泥フロック中の多糖類濃度を測定し、測定結果を制御部12に入力する。入力を受けた制御部12ではこの結果にもとづきオゾン注入量、循環汚泥流量を設定し、その設定に従って汚泥引抜ポンプ5、オゾン発生器10の運転を行う。
【0116】
活性汚泥フロックは微生物とともに多糖類等の細胞外有機物から構成される。細胞外有機物の量、組成は廃水の質的変化や温度変化などの外的要因によって変化する。細胞外有機物がフロック内に過剰に存在する場合、オゾン処理の際、オゾンと細胞外有機物の反応が優先的になり、オゾンと微生物の反応が阻害されオゾン処理の効果が小さくなる。
多糖類濃度測定器20からの入力信号が通常の多糖類濃度をもとに予め設定した値以下の低い場合、制御部12では活性汚泥フロック内の細胞外有機物量は正常と判断し、発生汚泥量の低減および汚泥沈降性悪化の抑制、または、汚泥沈降性の回復のそれぞれに適したオゾン注入量、循環汚泥流量を設定し、これに応じて汚泥引抜ポンプ5、オゾン発生器10の運転を行う。
一方、多糖類濃度測定器20からの入力信号が設定値よりも高い場合、制御部12では活性汚泥フロック内の細胞外有機物量は過剰に多いと判断し、多糖類濃度の増加の程度に応じてオゾン注入量、循環汚泥流量を増すなどのオゾン処理を高めた条件を設定し、これに応じて汚泥引抜ポンプ5、オゾン発生器10の運転を行う。
【0117】
上記のように曝気槽中の活性汚泥フロック中の多糖類濃度値に応じてオゾン注入量、循環汚泥流量をかえた運転を行うことにより、汚泥フロック中の細胞外有機物である多糖類の濃度に応じた的確なオゾン処理が可能になり、細胞外有機物との反応によるオゾンの消費を見込んだオゾン注入ができ、発生汚泥量の低減および汚泥沈降性悪化の抑制、または、汚泥沈降性の回復という効果が安定に得られる。
【0118】
なお、上記の例では汚泥のオゾン処理を連続的に行ったが、これに限るものではなく、間欠的にオゾン処理することによりさらに効率的な運転が可能となる。間欠オゾン処理の場合の動作は実施の形態7と同様となり、さらに多糖類濃度測定器20による測定値に応じて制御部12で間欠オゾン処理の1サイクルあたりのオゾン注入量、1日あたりのサイクル数、サイクル間隔を設定し、これに応じた汚泥引抜ポンプ5、オゾン発生器10の運転を行う。
曝気槽中の活性汚泥フロック中の多糖類濃度値に応じて1サイクルあたりのオゾン注入量、1日あたりのサイクル数、サイクル間隔をかえた運転を行うことにより、汚泥フロック中の細胞外有機物である多糖類の濃度に応じた的確なオゾン処理が可能になり、細胞外有機物との反応によるオゾンの消費を見込んだオゾン注入ができ、発生汚泥量の低減および汚泥沈降性悪化の抑制、または、汚泥沈降性の回復という効果が安定に得られる。加えて、間欠オゾン処理とすることによって連続オゾン処理よりも大幅に少ないオゾン注入量で発生汚泥量の低減および汚泥沈降性悪化の抑制、または、汚泥沈降性の回復の効果が得られる。
【0119】
上記の例では、活性汚泥フロック中の多糖類濃度を測定したが、これに限るものではなく、汚泥フロック中のタンパク質濃度、脂質濃度など汚泥フロック中の細胞外有機物に関する他の指標でも同様の効果が得られる。さらに、これら指標を複数組み合わせて用いてもよい。
【0120】
上記の例では、自動測定器を用いたが、これに限るものではなく、汚泥フロック中の細胞外有機物に関する指標を手分析等により求め、その値を制御部12に入力しても同様の効果が得られる。
【0121】
上記の例では多糖類濃度などの汚泥フロック中の細胞外有機物に関する指標値に応じてオゾン注入条件をかえた運転を行ったが、多糖類濃度などの汚泥フロック中の細胞外有機物の指標とともに、SVなどの活性汚泥の沈降性の指標、呼吸活性などの有機物分解活性に関する指標、流入廃水中のTOC濃度などの流入有機物負荷の指標、曝気槽中の活性汚泥混合液の溶存酸素濃度を測定し、これら多種の測定値に応じてオゾン注入量、汚泥循環流量、サイクル数、サイクル間隔、空気供給量をかえることにより、より効果的な運転が可能となる。
【0122】
実施の形態13.
次いで、この発明の実施の形態13に係る廃水のオゾン処理装置を図について説明する。図16は本発明の廃水のオゾン処理装置のフローを示す図である。図16において21は曝気槽1中の活性汚泥微生物のカタラーゼ活性を自動的に測定するカタラーゼ活性測定器であり、これ以外は図10と同様である。
【0123】
次に動作について説明する。曝気槽1において廃水処理を行う過程で、汚泥引抜ポンプ5を動作させ曝気槽1の汚泥混合液を引抜汚泥路6、オゾン処理槽4、オゾン処理汚泥路9を通して循環させる。オゾン発生器10で原料ガス供給路11から供給される酸素ガスまたは空気を原料ガスとしてオゾンを発生し、このオゾンをオゾン供給路8を通してオゾン処理槽4に注入し、汚泥のオゾン処理を行う。このとき汚泥との反応に用いられなかったオゾンは排オゾン路7から排出される。この一連の動作を連続的に行い、制御部12により、発生汚泥量の低減および汚泥沈降性悪化の抑制、または、汚泥沈降性の回復にそれぞれ適したオゾン注入量、循環汚泥流量となるよう汚泥引抜ポンプ5、オゾン発生器10の運転を行う。
このような連続的なオゾン処理において、カタラーゼ活性測定器21により活性汚泥微生物のカタラーゼ活性を測定し、測定結果を制御部12に入力する。入力を受けた制御部12ではこの結果にもとづきオゾン注入量、循環汚泥流量を設定し、その設定に従って汚泥引抜ポンプ5、オゾン発生器10の運転を行う。
【0124】
活性汚泥微生物は、過酸化水素、オゾンなどの外部からの酸化剤に対し、自己を防御するカタラーゼなどの抗酸化酵素を有する。抗酸化酵素の活性は、流入する廃水の質的変化や温度変化などの外的要因、あるいは増殖フェイズなど活性汚泥微生物自身の要因によって変化する。抗酸化酵素活性が過剰に高い場合、活性汚泥微生物はオゾンに対し高い抵抗性をもつため、オゾンによる微生物の死滅ひいては可溶化、無機化の反応が進みにくくなり、オゾン処理の効果が小さくなる。
カタラーゼ活性測定器21からの入力信号が、通常のカタラーゼ活性をもとに予め設定した値以下の低い場合、制御部12では活性汚泥微生物の酸化に対する抵抗性は正常と判断し、発生汚泥量の低減および汚泥沈降性悪化の抑制、または、汚泥沈降性の回復のそれぞれに適したオゾン注入量、循環汚泥流量を設定し、これに応じて汚泥引抜ポンプ5、オゾン発生器10の運転を行う。
一方、カタラーゼ活性測定器21からの入力信号が設定値よりも高い場合、制御部12では活性汚泥微生物の抗酸化性は過剰に高いと判断し、カタラーゼ活性の増加の程度に応じて、オゾン注入量、循環汚泥流量を増すなどのオゾン処理を高めた条件を設定し、これに応じて汚泥引抜ポンプ5、オゾン発生器10の運転を行う。
【0125】
上記のように曝気槽中の活性汚泥微生物のカタラーゼ活性値に応じてオゾン注入量、汚泥循環流量をかえた運転を行うことにより、活性汚泥微生物の外部からの酸化に対する抵抗性に応じた的確なオゾン処理が可能になり、発生汚泥量の低減および汚泥沈降性悪化の抑制、または、汚泥沈降性の回復という効果が安定に得られる。
【0126】
なお、上記の例では汚泥のオゾン処理を連続的に行ったが、これに限るものではなく、間欠的にオゾン処理することによりさらに効率的な運転が可能となる。間欠オゾン処理の場合は実施の形態7と同様になり、さらに、カタラーゼ活性測定器21による測定値に応じて制御部12で間欠オゾン処理の1サイクルあたりのオゾン注入量、1日あたりのサイクル数、サイクル間隔を設定し、これに応じた汚泥引抜ポンプ5、オゾン発生器10の運転を行う。
曝気槽中の活性汚泥微生物のカタラーゼ活性値に応じて1サイクルあたりのオゾン注入量、1日あたりのサイクル数、サイクル間隔をかえた運転を行うことにより、活性汚泥微生物の外部からの酸化に対する抵抗性に応じた的確なオゾン処理が可能になり、発生汚泥量の低減および汚泥沈降性の悪化の抑制、または、汚泥沈降性の回復という効果が安定に得られる。加えて、間欠オゾン処理とすることによって連続オゾン処理よりも大幅に少ないオゾン注入量で発生汚泥量の低減および汚泥沈降性悪化の抑制、または、汚泥沈降性の回復の効果が得られる。
【0127】
上記の例では、活性汚泥微生物のカタラーゼ活性を測定したが、これに限るものではなく、活性汚泥微生物のスーパーオキシドジスムターゼ活性など微生物の外部からの酸化に対抗する抗酸化酵素に関する他の指標でも同様の効果が得られる。さらに、これら指標を複数組み合わせて用いてもよい。
【0128】
上記の例では、自動測定器を用いたが、これに限るものではなく、活性汚泥微生物の外部からの酸化に対抗する抗酸化酵素に関する指標を手分析等により求め、その値を制御部12に入力しても同様の効果が得られる。
【0129】
上記の例ではカタラーゼ活性などの活性汚泥微生物の抗酸化酵素活性値に応じてオゾン注入条件をかえた運転を行ったが、カタラーゼ活性などの活性汚泥微生物の抗酸化酵素活性の指標とともに、SVなどの汚泥の沈降性の指標、呼吸活性などの有機物分解活性に関する指標、流入廃水中の有機物濃度などの流入負荷の指標、多糖類濃度などの汚泥フロック中の細胞外有機物に関する指標、曝気槽中の活性汚泥混合液の溶存酸素濃度を測定し、これら多種の測定値に応じてオゾン注入量、汚泥循環流量、サイクル数、サイクル間隔、空気供給量をかえることにより、より効果的な運転が可能となる。
【0130】
実施の形態14.
次いで、この発明の実施の形態14に係る廃水のオゾン処理装置を図について説明する。図17は本発明の廃水のオゾン処理装置のフローを示す図である。図17において22は4つの連続する槽から構成される曝気槽であり、引抜汚泥路6が曝気槽22の最終槽に、オゾン処理汚泥路9が曝気槽22の最初の槽にそれぞれ連結され、これ以外は図10と同様である。
【0131】
次に本実施の形態の動作について説明する。曝気槽22において廃水処理を行う過程で、制御部12により汚泥引抜ポンプ5を動作させ曝気槽22の最終槽の汚泥を引抜汚泥路6を介してオゾン処理槽4に導入し、オゾン処理汚泥路9を通して曝気槽22の最初の槽にもどし、曝気槽22の汚泥を循環させる。オゾン発生器10で原料ガス供給路11から供給される酸素ガスまたは空気を原料ガスとしてオゾンを発生し、このオゾンをオゾン供給路8を通してオゾン処理槽4に注入し、汚泥のオゾン処理を行う。このとき汚泥との反応に用いられなかったオゾンは排オゾン路7から排出される。この一連の動作を連続的に行い、制御部12により、発生汚泥量の低減および汚泥沈降性悪化の抑制、または、汚泥沈降性の回復にそれぞれ適したオゾン注入量、循環汚泥流量となるよう汚泥引抜ポンプ5、オゾン発生器10の運転を行う。
【0132】
オゾン処理後の汚泥を曝気槽に戻すことによって、曝気槽中の活性汚泥に対する有機物負荷は増大する。1つの槽からなる曝気槽では、オゾン処理される汚泥が曝気槽から引き抜かれるため、曝気槽中の有機物分解に関与する活性汚泥の量が減少する。このように活性汚泥量が減少したところにオゾン処理汚泥を負荷として戻すため、曝気槽中の活性汚泥に対する有機物負荷の増大は非常に大きくなり、処理水質の大幅な悪化を引き起こす可能性がある。これに対し、本実施の形態では、汚泥を曝気槽22の最終槽から引き抜き、オゾン処理後の汚泥をこの引き抜いた槽とは別の曝気槽22の最初の槽へ戻す。最初の槽では汚泥が引き抜かれず通常の活性汚泥量が維持されているため、オゾン処理汚泥による過剰な有機物負荷の増大が抑えられ、処理水質が大幅に悪化する可能性を軽減することができる。
【0133】
上記のようにオゾン処理する汚泥を引き抜く槽とオゾン処理後の汚泥を戻す槽を分離することにより、オゾン処理汚泥を戻された曝気槽中の活性汚泥に対する有機物負荷の大幅な増大を抑えることが可能となり、過剰な負荷増大によって生じる処理水質の悪化、必要曝気量の増大等を回避しながら、発生汚泥量の低減および汚泥沈降性悪化の抑制、または、汚泥沈降性の回復という効果が安定に得られる。
【0134】
なお、上記の例では汚泥のオゾン処理を連続的に行ったが、これに限るものではなく、間欠的にオゾン処理することによりさらに効率的な運転が可能となる。
間欠オゾン処理の場合の動作は実施の形態7とほぼ同様となり、制御部12で間欠オゾン処理の1サイクルあたりのオゾン注入量、1日あたりのサイクル数サイクル間隔を設定し、これに応じた汚泥引抜ポンプ5、オゾン発生器10の運転を行う。
オゾン処理する汚泥を引き抜く槽とオゾン処理後の汚泥を戻す槽を分離することにより、オゾン処理汚泥を戻された曝気槽中の活性汚泥に対する有機物負荷の大幅な増大を抑えることが可能となり、過剰な負荷増大によって生じる処理水質の悪化、必要曝気量の増大等を回避しながら、発生汚泥量の低減および汚泥沈降性悪化の抑制、または、汚泥沈降性の回復という効果が安定に得られる。加えて、間欠オゾン処理とすることによって連続オゾン処理よりも大幅に少ないオゾン注入量で発生汚泥量の低減および汚泥沈降性悪化の抑制、または、汚泥沈降性の回復の効果が得られる。
【0135】
上記の例では、4つの連続する槽から構成される曝気槽の場合を示したが、これに限るものではなく、連続するすくなくとも2槽以上の多槽から構成される曝気槽であれば同様の効果が得られる。
【0136】
上記の例では多槽からなる曝気槽の最終槽から汚泥を引き抜き、最初の槽にオゾン処理後の汚泥を戻したがこれに限るものではなく、1つの曝気槽を構成する多槽のうちいずれかの槽から汚泥を引き抜き、オゾン処理後の汚泥を引き抜いた槽とは別の槽に戻しても同様の効果が得られる。
【0137】
上記の例では従来より多槽から構成される既存の曝気槽の場合を示したが、これに限るものではなく、1つの槽からなる曝気槽を適宜仕切り、オゾン処理のために汚泥を引き抜く槽とオゾン処理汚泥を戻す槽を分離すれば同様の効果が得られる。
【0138】
また、上記の例において、SVなどの活性汚泥の沈降性の指標、呼吸活性などの有機物分解活性に関する指標、流入廃水中の有機物濃度などの流入有機物負荷の指標、多糖類濃度などの汚泥フロック中の細胞外有機物に関する指標、カタラーゼ活性などの活性汚泥微生物の抗酸化酵素活性の指標、曝気槽中の活性汚泥混合液の溶存酸素濃度を測定し、これら多種の測定値に応じて制御部12においてオゾン注入量、汚泥循環流量、サイクル数、サイクル間隔、空気供給量をかえた運転を行うことにより、より効果的な運転が可能となる。
【0139】
実施の形態15.
次いで、この発明の実施の形態15に係る廃水のオゾン処理装置を図について説明する。図18は本発明の廃水のオゾン処理装置のフローを示す図である。図18において23はオゾン処理後の汚泥を貯留するオゾン処理汚泥貯留槽であり、オゾン処理汚泥貯留槽23はオゾン反応槽4に連結したオゾン処理汚泥路9および途中に貯留汚泥返送ポンプ24を備えた貯留汚泥路25と連結している。これ以外は図10と同様である。
【0140】
次に動作について説明する。曝気槽1において廃水処理を行う過程で、制御部12により汚泥引抜ポンプ5を動作させ曝気槽1の汚泥を引抜汚泥路6を介してオゾン処理槽4に導入する。
オゾン発生器10で原料ガス供給路11から供給される酸素ガスまたは空気を原料ガスとしてオゾンを発生し、このオゾンをオゾン供給路8を通してオゾン処理槽4に注入する。オゾン反応槽4では汚泥引抜ポンプ5によって循環される汚泥にオゾンを接触させ、汚泥とオゾンの反応を行う。このとき汚泥との反応に用いられなかったオゾンは排オゾン路7から排出する。オゾン処理した汚泥はオゾン処理汚泥路9を介してオゾン処理汚泥貯留槽23へ導入され貯留される。
所定時間後にオゾン発生器10でのオゾン発生を停止し、オゾン処理槽4と曝気槽1の汚泥を十分置換した後、汚泥引抜ポンプ5を停止する。その後、次のオゾン処理が始まるまでの期間を使って、貯留汚泥返送ポンプ24を動作させ、貯留汚泥路25を通してオゾン処理後の汚泥を曝気槽1に戻す。
この一連の動作を間欠オゾン処理の1サイクルとし、制御部12により、発生汚泥量の低減および汚泥沈降性悪化の抑制、または、汚泥沈降性の回復にそれぞれ適した1サイクルあたりのオゾン注入量、1日あたりのサイクル数、サイクル間隔となるよう汚泥引抜ポンプ5、オゾン発生器10の運転を行う。
【0141】
曝気槽1の活性汚泥をオゾン反応槽4との間で循環させながらオゾンを注入する場合、オゾン処理汚泥は活性汚泥の循環流量で曝気槽に戻ることになる。したがって、汚泥循環流量が大きい場合には、多量のオゾン処理汚泥が短時間で曝気槽に戻ることになり、曝気槽中の活性汚泥に対する有機物負荷が急激に増大し、処理水質の大幅な悪化を引き起こす可能性がある。これに対し、本実施の形態では、オゾン処理した汚泥をいったん処理汚泥貯留槽23に貯留し、オゾン処理を行わない期間に曝気槽に戻すため、オゾン処理汚泥を十分貯留できる容積の汚泥貯留槽を用い、また貯留汚泥返送ポンプ24を低流量で動作することで、一時的な有機物負荷の増大を抑えながらオゾン処理汚泥を曝気槽へ戻すことができる。
【0142】
上記のようにオゾン処理後の汚泥を期間をかけて曝気槽に戻すことにより、曝気槽中の活性汚泥に対する急激な有機物負荷の増大を抑えることが可能となり、負荷増大によって生じる処理水質の悪化、必要曝気量の増大等を回避しながら、発生汚泥量の低減および汚泥沈降性悪化の抑制、または、汚泥沈降性の回復という効果が安定に得られる。
【0143】
上記の例では、オゾン注入中は貯留汚泥返送ポンプ24を停止する例を示したがこれに限るものではなく、オゾン処理時に貯留汚泥返送ポンプ24を動作しても同様の効果が得られる。この場合汚泥を引き抜く槽とオゾン処理後の汚泥を戻す槽を分離することにより、処理水質が悪化する可能性をより軽減することができる。
【0144】
上記の例では処理汚泥貯留槽を設置しこれにオゾン処理後の汚泥を貯留したが、これに限るものではなく、曝気槽の前段に廃水の流量を調節する調整槽などがある場合には、ここにオゾン処理汚泥を導入しても同様の効果が得られる。
【0145】
上記の例では、処理汚泥貯留槽23内を撹拌する装置を設置しなかったがこれに限るものではなく、オゾン処理後の汚泥が処理汚泥貯留槽23中で沈殿するなどによって、曝気槽1への処理汚泥の返送が不均一になる場合は、回転式撹拌機などの処理汚泥貯留槽23内を撹拌する装置を設置してもかまわない。
【0146】
上記の例では、1つの槽からなる曝気槽中の活性汚泥をオゾン処理したが、これに限るものではなく、多槽から構成される曝気槽中の活性汚泥をオゾン処理する場合においても同様の効果が得られ、この場合汚泥を引き抜く槽とオゾン処理後の汚泥を戻す槽を分離することにより、処理水質が悪化する可能性をより軽減することができる。
【0147】
また、上記の例において、SVなどの活性汚泥の沈降性の指標、呼吸活性などの有機物分解活性に関する指標、流入廃水中の有機物濃度などの流入有機物負荷の指標、多糖類濃度などの汚泥フロック中の細胞外有機物に関する指標、カタラーゼ活性などの活性汚泥微生物の抗酸化酵素活性の指標、曝気槽中の活性汚泥混合液の溶存酸素濃度を測定し、これら多種の測定値に応じて制御部12においてオゾン注入量、汚泥循環流量、サイクル数、サイクル間隔、空気供給量をかえた運転を行うことにより、より効果的な運転が可能となる。
【0148】
実施の形態16.
次いで、この発明の実施の形態16に係る廃水のオゾン処理装置を図について説明する。図19は本発明の廃水のオゾン処理装置のフローを示す図である。図19において26はオゾン供給路8と連結し、オゾン反応槽4中に設置したオゾン散気装置であり、これ以外は図10と同様である。
【0149】
次に動作について説明する。曝気槽1において廃水処理を行う過程で、汚泥引抜ポンプ5を動作させ曝気槽1の汚泥混合液を引抜汚泥路6、オゾン処理槽4、オゾン処理汚泥路9を通して循環させる。オゾン発生器10で原料ガス供給路11から供給される酸素ガスまたは空気を原料ガスとしてオゾンを発生し、このオゾンをオゾン供給路8およびオゾン処理槽4中に設置したオゾン散気装置26を介してオゾン処理槽4中の活性汚泥にオゾンを注入する。このとき汚泥との反応に用いられなかったオゾンは排オゾン路7から排出される。この一連の動作を連続的に行い、制御部12により、発生汚泥量の低減および汚泥沈降性悪化の抑制、または、汚泥沈降性の回復にそれぞれ適したオゾン注入量、循環汚泥流量となるよう汚泥引抜ポンプ5、オゾン発生器10の運転を行う。
【0150】
オゾン散気装置26には微細な穴が多数存在し、ここを介して送られるオゾンは1〜5mmの微細な気泡となりオゾンの溶解効率が高くなるとともに、活性汚泥と接触する場合の接触面積が非常に大きくなる。このため、活性汚泥との接触効率、および活性汚泥とオゾンの反応効率が高くなり、効率的なオゾン注入が可能となり、発生汚泥量の低減および汚泥沈降性悪化の抑制、または、汚泥沈降性の回復という効果が効率よく得られる。
【0151】
なお、上記の例では汚泥のオゾン処理を連続的に行ったが、これに限るものではなく、間欠的にオゾン処理することによりさらに効率的な運転が可能となる。間欠オゾン処理の場合の動作は実施の形態7と同様となり、上記のような散気装置を用いることにより、活性汚泥との接触効率、および活性汚泥とオゾンの反応効率が高くなり、効率的なオゾン注入が可能となり、発生汚泥量の低減および汚泥沈降性悪化の抑制、または、汚泥沈降性の回復という効果が効率よく得られる。加えて、間欠オゾン処理とすることによって連続オゾン処理よりも大幅に少ないオゾン注入量で発生汚泥量の低減および汚泥沈降性悪化の抑制、または、汚泥沈降性の回復の効果が得られる。
【0152】
上記の例では、1つの槽からなる曝気槽中の活性汚泥をオゾン処理したが、これに限るものではなく、多槽から構成される曝気槽中の活性汚泥をオゾン処理する場合においても同様の効果が得られ、この場合汚泥を引き抜く槽とオゾン処理後の汚泥を戻す槽を分離することにより、処理水質が悪化する可能性をより軽減することができる。
また、上記の例では、オゾンを効率よく注入するためにオゾン散気装置などのオゾン注入装置を用いたが、オゾン散気装置などのオゾン注入装置とともに、オゾン処理後の汚泥をいったん貯留する装置を組み合わせることにより、より効率的で安定な運転が可能となる。
【0153】
また、上記の例において、SVなどの活性汚泥の沈降性の指標、呼吸活性などの有機物分解活性に関する指標、流入廃水中の有機物濃度などの流入有機物負荷の指標、多糖類濃度などの汚泥フロック中の細胞外有機物に関する指標、カタラーゼ活性などの活性汚泥微生物の抗酸化酵素活性の指標、曝気槽中の活性汚泥混合液の溶存酸素濃度を測定し、これら多種の測定値に応じて制御部12においてオゾン注入量、汚泥循環流量、サイクル数、サイクル間隔、空気供給量をかえた運転を行うことにより、より効果的な運転が可能となる。
【0154】
実施の形態17.
次いで、この発明の実施の形態17に係る廃水のオゾン処理装置を図について説明する。図20は本発明の廃水のオゾン処理装置のフローを示す図である。図20において、27はエジェクターであり、汚泥引抜ポンプ5を途中に備えた汚泥引抜路6およびオゾン供給路8と連結している。エジェクターの後段には、パイプ内の長手方向にスパイラル状に形成した構造体が入ったラインミキサー28が連続し、このラインミキサー28はオゾン処理汚泥9に連続している。29はラインミキサー28で反応に用いられなかったオゾンを排出する排オゾン路であり、これ以外は図10と同様である。
【0155】
次に動作について説明する。曝気槽において廃水処理を行う過程で、汚泥引抜ポンプ5を動作させ曝気槽1の汚泥混合液を汚泥引抜路6を介してエジェクター27に導入する。オゾン発生器10で原料ガス供給路11から供給される酸素ガスまたは空気を原料ガスとしてオゾンを発生し、このオゾンをオゾン供給路8を通してエジェクター27に導入し、活性汚泥にオゾンを注入する。注入したオゾンと活性汚泥をラインミキサー28内を通過させ、両者を混合させて接触させる。反応に用いられなかったオゾンを排オゾン路29から排出しながら、オゾン処理汚泥をオゾン処理汚泥路9を通して曝気槽1に戻す。この一連の動作を連続的に行い、制御部12により、発生汚泥量の低減および汚泥沈降性の悪化の抑制、または、汚泥沈降性の回復にそれぞれ適したオゾン注入量、循環汚泥流量となるよう汚泥引抜ポンプ5、オゾン発生器10の運転を行う。
【0156】
上記のようにオゾン注入の際にエジェクター27を用いることにより、汚泥混合液中に溶存するオゾン濃度が非常に高くなり、オゾンの溶解効率を高めることができる。また、ラインミキサー28を用いることにより汚泥とオゾンの接触効率を高め、反応効率を高めることが可能となる。よって、少ないオゾン量で発生汚泥量低減などの効果が得られる。また、エジェクター27およびラインミキサー28を複数連結することにより溶解効率、反応効率をさらに向上させることが可能である。さらに、エジェクター27およびラインミキサー28は小型であるので、装置のコンパクト化が可能になる。
【0157】
上記の例では、排オゾンを汚泥引抜路6に設けた排オゾン路18から排気したが、液中にオゾンが残存する場合、曝気槽の活性汚泥の有機物分解に悪影響をおよぼす可能性がある。汚泥混合液中の残存オゾンによって処理水質が悪化するなどの問題が生じるような場合は、ラインミキサー28の後段に気液分離槽を設け、ここにオゾンを含む汚泥混合液を通すことにより、残存するオゾンを十分除去することができ、このような問題点を回避できる。
【0158】
なお、上記の例では汚泥のオゾン処理を連続的に行ったが、これに限るものではなく、間欠的にオゾン処理することによりさらに効率的な運転が可能となる。間欠オゾン処理の場合の動作は実施の形態7とほぼ同様となり、活性汚泥混合液の循環およびオゾンの注入を間欠的に行う。制御部12により、発生汚泥量の低減および汚泥沈降性悪化の抑制、または、汚泥沈降性の回復のそれぞれに適した間欠オゾン処理の1サイクルあたりのオゾン注入量、1日あたりのサイクル数、サイクル間隔を設定し、これに応じた汚泥引き抜きポンプ5、オゾン発生器10の運転を行う。上記のエジェクター、ラインミキサーを用いることによりオゾンの溶解効率、汚泥とオゾンの反応効率を高めることができ、必要となるオゾン量を低減することが可能となる。加えて、間欠オゾン処理とすることによって連続オゾン処理よりも大幅に少ないオゾン注入量で発生汚泥量の低減および汚泥沈降性の悪化の抑制、または、汚泥沈降性の回復の効果が得られる。
【0159】
上記の例では、エジェクターおよびラインミキサーを用いたが、これに限るものではなく、オゾンを効率的に注入できる注入装置、活性汚泥とオゾンを高効率に撹拌混合する混合装置であれば、同様の効果が得られる。
【0160】
上記の例では、1つの槽からなる曝気槽中の活性汚泥をオゾン処理したが、これに限るものではなく、多槽から構成される曝気槽中の活性汚泥をオゾン処理する場合においても同様の効果が得られ、この場合汚泥を引き抜く槽とオゾン処理後の汚泥を戻す槽を分離することにより、処理水質が悪化する可能性をより軽減することができる。
【0161】
また、上記の例では、オゾンの溶解効率、オゾンと活性汚泥の反応効率を高めるためエジェクターなどのオゾン注入装置、ラインミキサーなどの混合装置を用いたが、オゾン注入装置、混合装置とともに、オゾン処理後の汚泥をいったん貯留する装置を組み合わせることにより、より効率的で安定な運転が可能となる。
【0162】
また、上記の例において、SVなどの活性汚泥の沈降性の指標、呼吸活性などの有機物分解活性に関する指標、流入廃水中の有機物濃度などの流入有機物負荷の指標、多糖類濃度などの汚泥フロック中の細胞外有機物に関する指標、カタラーゼ活性などの活性汚泥微生物の抗酸化酵素活性の指標、曝気槽中の活性汚泥混合液の溶存酸素濃度を測定し、これら多種の測定値に応じて制御部12においてオゾン注入量、汚泥循環流量、サイクル数、サイクル間隔、空気供給量をかえた運転を行うことにより、より効率的な運転が可能となる。
【0163】
実施の形態18.
次いで、この発明の実施の形態18に係る廃水のオゾン処理装置を図について説明する。図21は本発明の廃水のオゾン処理装置のフローを示す図である。図21において、30は曝気槽の活性汚泥を循環する汚泥循環槽であり、これには途中に汚泥引き抜きポンプ5を備えた汚泥引抜路6、オゾン処理汚泥路9、および反応に用いられなかったオゾンを排出する排オゾン路29が連結されている。31は汚泥循環槽30中の活性汚泥を循環する汚泥循環路であり、汚泥循環路31の途中には汚泥循環ポンプ32、エジェクター27、ラインミキサー28が設置されている。エジェクター27はオゾン供給路8に連結されており、これ以外は図10と同様である。
【0164】
次に動作について説明する。曝気槽1において廃水処理を行う過程において、汚泥引抜ポンプ5を動作させ、曝気槽1の汚泥を汚泥引抜路6、汚泥循環槽30、オゾン処理汚泥路9を通して循環させる。
同時に、汚泥循環ポンプ32を動作させ、汚泥循環槽30中の汚泥を汚泥循環路31を介してエジェクター27に導入する。オゾン発生器10で原料ガス供給路11から供給される酸素ガスまたは空気を原料ガスとしてオゾンを発生し、このオゾンをオゾン供給路8を通してエジェクター27に導入し、活性汚泥にオゾンを注入する。注入したオゾンと活性汚泥をラインミキサー28内を通過させ、両者を混合させ反応させる。オゾン処理後の汚泥を汚泥循環路31を通して汚泥循環槽30に戻す。反応に用いられなかったオゾンは汚泥循環槽30に連結した排オゾン路29から排出される。この一連の動作を連続的に行い、制御部12により、発生汚泥量の低減および汚泥沈降性の悪化の抑制、または、汚泥沈降性の回復にそれぞれ適したオゾン注入量、循環汚泥流量、汚泥循環路における汚泥流量となるよう汚泥引抜ポンプ5、汚泥循環ポンプ32、オゾン発生器10の運転を行う。
【0165】
上記のようにオゾン注入の際にエジェクター27を用いることにより、オゾンの溶解効率を高めることができる。また、ラインミキサー28を用いることにより汚泥とオゾンの反応効率を高めることが可能となる。さらに、曝気槽1の活性汚泥を汚泥循環槽30に受け、この活性汚泥を循環しながらオゾン注入を行うため、エジェクター27におけるオゾン処理を繰り返し行うことができるので制御性が向上するとともに、オゾンの溶解効率およびオゾンと汚泥の反応効率をさらに向上させることができ、少ないオゾン量で発生汚泥量低減などの効果が得られる。また、エジェクター27およびラインミキサー28を複数連結することにより溶解効率、反応効率をさらに向上させることができる。また、汚泥循環槽30は排オゾン路29を備えているため、オゾン処理後の汚泥混合液中に残存するオゾンを脱気する気液分離槽を兼ねることになり、曝気槽の活性汚泥の有機物分解に悪影響をおよぼす可能性のある残存オゾンを十分除去することができる。
【0166】
なお、上記の例では汚泥のオゾン処理を連続的に行ったが、これに限るものではなく、間欠的にオゾン処理することによりさらに効率的な運転が可能となる。間欠オゾン処理の場合の動作は実施の形態7とほぼ同様となり、活性汚泥混合液の循環およびオゾンの注入を間欠的に行う。制御部12により、発生汚泥量の低減および汚泥沈降性悪化の抑制、または、汚泥沈降性の回復にそれぞれに適した間欠オゾン処理の1サイクルあたりのオゾン注入量、1日あたりのサイクル数、サイクル間隔を設定し、これに応じた汚泥引抜ポンプ5、汚泥循環ポンプ32、オゾン発生器10の運転を行う。
エジェクター、ラインミキサーを用いることによりオゾンの溶解効率、汚泥とオゾンの反応効率を高めることができ、必要となるオゾン量を低減することが可能となる。また、汚泥循環槽30を用いることにより、エジェクターにおけるオゾン処理を繰り返し行うことができるので制御性が向上するとともに、オゾンの溶解効率およびオゾンと汚泥の反応効率をさらに向上させることができ少ないオゾン量で発生汚泥量低減などの効果が得られる。加えて、間欠オゾン処理とすることによって連続オゾン処理よりも大幅に少ないオゾン注入量で発生汚泥量の低減および汚泥沈降性悪化の抑制、または、汚泥沈降性の回復の効果が得られる。
【0167】
上記の例では、エジェクターおよびラインミキサーを用いたが、これに限るものではなく、オゾンを効率的に注入できる注入装置、活性汚泥とオゾンを効率的に撹拌混合する混合装置であれば、同様の効果が得られる。
【0168】
上記の例では、1つの槽からなる曝気槽中の活性汚泥をオゾン処理したが、これに限るものではなく、多槽から構成される曝気槽中の活性汚泥をオゾン処理する場合においても同様の効果が得られ、この場合汚泥を引き抜く槽とオゾン処理後の汚泥を戻す槽を分離することにより、処理水質が悪化する可能性をより軽減することができる。
【0169】
また、上記の例では、オゾンの溶解効率、オゾンと活性汚泥の反応効率を高めるためエジェクターなどのオゾン注入装置、ラインミキサーなどの混合装置を用いたが、オゾン注入装置、混合装置とともに、オゾン処理後の汚泥をいったん貯留する装置を組み合わせることにより、より効率的で安定な運転が可能となる。
【0170】
また、上記の例において、SVなどの活性汚泥の沈降性の指標、呼吸活性などの有機物分解活性に関する指標、流入廃水中の有機物濃度などの流入有機物負荷の指標、多糖類濃度などの汚泥フロック中の細胞外有機物に関する指標、カタラーゼ活性などの活性汚泥微生物の抗酸化酵素活性の指標、曝気槽中の活性汚泥混合液の溶存酸素濃度を測定し、これら多種の測定値に応じて制御部12においてオゾン注入量、汚泥循環流量、サイクル数、サイクル間隔、空気供給量をかえた運転を行うことにより、より効率的な運転が可能となる。
【0171】
実施の形態19.
次いで、この発明の実施の形態19に係る廃水のオゾン処理装置を図について説明する。図22は本発明の廃水のオゾン処理装置のフローを示す図である。図22において33は過酸化水素を貯留する過酸化酸素貯留槽、34は途中に過酸化水素供給ポンプ35を備え、オゾン反応槽4内のオゾン注入部付近に過酸化水素と供給する過酸化水素供給路である。制御部12では、汚泥引抜ポンプ5、オゾン発生器10とともに、過酸化水素供給ポンプ35の動作制御を行い、これ以外は図10と同様である。
【0172】
次に動作について説明する。曝気槽1において廃水処理を行う過程で、汚泥引抜ポンプ5を動作させ曝気槽1の活性汚泥を引抜汚泥路6、オゾン処理槽4、オゾン処理汚泥路9を通して循環させる。
オゾン発生器10で原料ガス供給路11から供給される酸素ガスまたは空気を原料ガスとしてオゾンを発生し、このオゾンをオゾン供給路8を通してオゾン処理槽4に注入する。同時に過酸化水素供給ポンプ34を動作させ、オゾン反応槽4内のオゾン注入部周辺に過酸化水素を供給し、オゾンと過酸化水素との反応により反応性の高いOHラジカルなどの活性種を生成する。オゾン反応槽4では汚泥引抜ポンプ5によって循環される活性汚泥にオゾンおよびオゾンと過酸化水素の反応によって生成した活性種を接触させ、処理を行う。このとき汚泥との反応に用いられなかったオゾンは排オゾン路7から排出する。この一連の動作を連続的に行い、制御部12により、発生汚泥量の低減および汚泥沈降性の悪化の抑制、または、汚泥沈降性の回復にそれぞれ適したオゾン注入量、循環汚泥流量となるよう汚泥引抜ポンプ5、過酸化水素供給ポンプ35、オゾン発生器10の運転を行う。
【0173】
オゾンと過酸化水素との反応によって生成する活性種は、オゾン以上に高い酸化力を有するため、この活性種と活性汚泥を反応させることにより、活性汚泥微生物の死滅、可溶化、無機化の反応をオゾンとの反応以上に強力に進めることができる。
【0174】
上記のように酸化力の非常に強い活性種を用いて活性汚泥を処理することにより、活性汚泥の反応が促進されるため、注入するオゾン量、処理汚泥量の低減が可能となり、安い運転コストで、負荷増大によって生じる処理水質の悪化、必要曝気量の増大等を回避しながら、発生汚泥量の低減および汚泥沈降性悪化の抑制、または、汚泥沈降性の回復という効果が安定に得られる。
【0175】
なお、上記の例では汚泥のオゾン処理を連続的に行ったが、これに限るものではなく、間欠的にオゾン処理することによりさらに効率的な運転が可能となる。間欠オゾン処理の場合の動作は実施の形態7とほぼ同様となり、活性汚泥混合液の循環、オゾンの注入および過酸化水素の注入を間欠的に行う。制御部12により、発生汚泥量の低減および汚泥沈降性悪化の抑制、または、汚泥沈降性の回復にそれぞれに適した間欠オゾン処理の1サイクルあたりのオゾン注入量、1日あたりのサイクル数、サイクル間隔を設定し、これに応じた汚泥引抜ポンプ5、過酸化水素供給ポンプ35、オゾン発生器10の運転を行う。
酸化力の非常に強い活性種を用いて活性汚泥を処理することにより、活性汚泥の反応が促進されるため、注入するオゾン量、処理汚泥量の低減が可能となり、安い運転コストで、負荷増大によって生じる処理水質の悪化、必要曝気量の増大等を回避しながら、発生汚泥量の低減および汚泥沈降性悪化の抑制、または、汚泥沈降性の回復という効果が安定に得られる。加えて、間欠オゾン処理とすることによって連続オゾン処理よりも大幅に少ないオゾン注入量で発生汚泥量の低減および汚泥沈降性悪化の抑制、または、汚泥沈降性の回復の効果が得られる。
【0176】
上記の例では、1つの槽からなる曝気槽中の活性汚泥をオゾン処理したが、これに限るものではなく、多槽から構成される曝気槽中の活性汚泥をオゾン処理する場合においても同様の効果が得られ、この場合汚泥を引き抜く槽とオゾン処理後の汚泥を戻す槽を分離することにより、処理水質が悪化する可能性をより軽減することができる。
【0177】
上記の例では、高い反応性を有する活性種の生成のために過酸化水素を加える装置を用いたが、過酸化水素添加のための装置とともに、オゾン貯留槽などのオゾン処理後の汚泥をいったん貯留する装置、オゾン散気装置などのオゾンを気泡として注入するためのオゾン注入装置、エジェクターなどのオゾン注入装置、ラインミキサーなどの混合装置を組み合わせることにより、より効率的で安定な運転が可能となる。
【0178】
また、上記の例において、SVなどの活性汚泥の沈降性の指標、呼吸活性などの有機物分解活性に関する指標、流入廃水中の有機物濃度などの流入有機物負荷の指標、多糖類濃度などの汚泥フロック中の細胞外有機物に関する指標、カタラーゼ活性などの活性汚泥微生物の抗酸化酵素活性の指標、曝気槽中の活性汚泥混合液の溶存酸素濃度を測定し、これら多種の測定値に応じて制御部12においてオゾン注入量、汚泥循環流量、サイクル数、サイクル間隔、空気供給量をかえた運転を行うことにより、より効果的な運転が可能となる。
【0179】
実施の形態20.
次いで、この発明の実施の形態20に係る廃水のオゾン処理装置を図について説明する。図23は本発明の廃水のオゾン処理装置のフローを示す図である。図23において36は汚泥引抜路6の途中に設置されたラインミキサーであり、これ以外は図10と同様である。
【0180】
次に動作について説明する。曝気槽1において廃水処理を行う過程で、制御部12により汚泥引抜ポンプ5を動作させ曝気槽1の汚泥を引抜汚泥路6およびラインミキサー36を介してオゾン処理槽4に導入し、オゾン処理汚泥路9を通して再び曝気槽にもどし、曝気槽1の汚泥を循環させる。オゾン発生器10で原料ガス供給路11から供給される酸素ガスまたは空気を原料ガスとしてオゾンを発生し、このオゾンをオゾン供給路8を通してオゾン処理槽4に注入し、汚泥のオゾン処理を行う。このとき汚泥との反応に用いられなかったオゾンは排オゾン路7から排出される。この一連の動作を連続的に行い、制御部12により、発生汚泥量の低減および汚泥沈降性悪化の抑制、または、汚泥沈降性の回復にそれぞれ適したオゾン注入量、循環汚泥流量となるよう汚泥引抜ポンプ5、オゾン発生器10の運転を行う。
【0181】
通常活性汚泥は微生物や細胞外有機物の集合体であるフロックを形成しているが、フロックの凝集性が良好な汚泥にオゾンを注入した場合、オゾンはフロック表面の微生物とは容易に反応するが、フロック内部に存在する微生物とはオゾンが活性汚泥フロックの内部に浸透しなければ反応できず、反応は進み難くなる。これに対し、本実施の形態ではオゾン注入の前段にラインミキサーを設置しており、ラインミキサー内で曝気槽の活性汚泥を激しく撹拌し活性汚泥フロックを破壊させ活性汚泥微生物を分散した状態にすることができる。このような活性汚泥微生物が分散した状態の汚泥にオゾンを注入すると、オゾンと微生物の反応が進み易くなり、注入したオゾンの効果が高まる。
【0182】
上記のようにオゾン注入の前段に活性汚泥フロックを分散することにより、活性汚泥微生物と注入されたオゾンとの反応性が高まるため、注入するオゾン量、処理汚泥量の低減が可能となり、安い運転コストで、負荷増大によって生じる処理水質の悪化、必要曝気量の増大等を回避しながら、発生汚泥量の低減、汚泥沈降性悪化の抑制、および汚泥沈降性の回復という効果が安定に得られる。
【0183】
上記の例では、ラインミキサーを用いたが、これに限るものではなく、超音波破砕機、ホモジナイザーなどの活性汚泥フロックを分散することのできるものであれば同様の効果が得られる。さらに、これら機器を複数組み合わせて用いてもよい。
【0184】
なお、上記の例では汚泥のオゾン処理を連続的に行ったが、これに限るものではなく、間欠的にオゾン処理することによりさらに効率的な運転が可能となる。間欠オゾン処理の動作の場合は実施の形態7とほぼ同様となり、活性汚泥混合液の循環およびオゾンの注入を間欠的に行う。制御部12により、発生汚泥量の低減および汚泥沈降性悪化の抑制、または、汚泥沈降性の回復にそれぞれ適した間欠オゾン処理の1サイクルあたりのオゾン注入量、1日あたりのサイクル数、サイクル間隔を設定し、これに応じた汚泥引抜ポンプ5、オゾン発生器10の運転を行う。
オゾン注入の前段に活性汚泥フロックを分散することにより、活性汚泥微生物と注入されたオゾンとの反応性が高まるため、注入するオゾン量、汚泥処理量の低減が可能となり、安い運転コストで、負荷増大によって生じる処理水質の悪化、必要曝気量の増大等を回避しながら、発生汚泥量の低減、汚泥沈降性悪化の抑制、および汚泥沈降性の回復という効果が安定に得られる。加えて、間欠オゾン処理とすることによって連続オゾン処理よりも大幅に少ないオゾン注入量で発生汚泥量の低減および汚泥沈降性悪化の抑制、または、汚泥沈降性の回復の効果が得られる。
【0185】
上記の例では、1つの槽からなる曝気槽中の活性汚泥をオゾン処理したが、これに限るものではなく、多槽から構成される曝気槽中の活性汚泥をオゾン処理する場合においても同様の効果が得られ、この場合汚泥を引き抜く槽とオゾン処理後の汚泥を戻す槽を分離することにより、処理水質が悪化する可能性をより軽減することができる。
【0186】
また、上記の例では、ラインミキサーなどの活性汚泥フロックを破砕する装置を用いたが、活性汚泥フロックを破砕する装置とともに、オゾン貯留槽などのオゾン処理後の汚泥をいったん貯留する装置、オゾン散気装置などのオゾンを気泡として注入するためのオゾン注入装置、エジェクターなどのオゾン注入装置、ラインミキサーなどの混合装置、過酸化水素添加のための装置を組み合わせることにより、より効率的で安定な運転が可能となる。
【0187】
また、上記の例において、SVなどの活性汚泥の沈降性の指標、呼吸活性などの有機物分解活性に関する指標、流入廃水中の有機物濃度などの流入有機物負荷の指標、多糖類濃度などの汚泥フロック中の細胞外有機物に関する指標、カタラーゼ活性などの活性汚泥微生物の抗酸化酵素活性の指標、曝気槽中の活性汚泥混合液の溶存酸素濃度を測定し、これら多種の測定値に応じて制御部12においてオゾン注入量、汚泥循環流量、サイクル数、サイクル間隔、空気供給量をかえた運転を行うことにより、より効果的な運転が可能となる。
【0188】
実施の形態21.
次いで、この発明の実施の形態21に係る廃水のオゾン処理装置を図について説明する。図24は本発明の廃水のオゾン処理装置のフローを示す図である。図24において、42は本実施の形態に係わるオゾン発生部である。このオゾン発生部42において、37はオゾン吸着塔であり、このオゾン吸着塔37はオゾン発生器10より発生したオゾンを吸着させるシリカゲルを充填している。38はガス循環路であり、このガス循環路38は途中にガス循環ポンプ39を設け原料ガス供給路11と連結されている。40はオゾン注入路であり、このオゾン注入路はオゾン吸着塔37とオゾン処理槽4とを連結し、オゾン吸着塔37よりオゾン処理槽4にオゾンを注入する。41はオゾン吸着塔37に連結された脱着ガス供給路であり、この脱着ガス供給路41は酸素ガス等のガスをオゾン吸着塔37に流してシリカゲルに吸着したオゾンを脱着させる。これ以外は図10と同様である。
【0189】
次に動作について説明する。実施の形態7と同様の活性汚泥の間欠オゾン処理を行う過程において、オゾン処理を行わない期間には、オゾン発生器10でオゾンを連続的に発生しながらオゾンをオゾン吸着塔37に送り、吸着塔内のシリカゲルにオゾンを吸着させる。オゾン吸着塔37から排出されるオゾン吸着後のガスをガス循環路38、およびガス循環ポンプ39を用いて再びオゾン発生器10に送りオゾンの原料とする。
【0190】
汚泥のオゾン処理を行う期間には、オゾン発生器10での原料ガスの圧力が一定になるよう原料ガス供給路11に酸素ガスまたは空気を適宜送りオゾン発生器10でオゾンを発生させ、このオゾンをオゾン注入路40を通してオゾン処理槽4に送る。同時にオゾン吸着塔37に脱着用ガス路41から酸素ガス等のガスを流しシリカゲルに吸着したオゾンを脱着させ、脱着したオゾンをオゾン注入路40を介してオゾン処理槽4に送る。制御部12により、発生汚泥量の低減および汚泥沈降性悪化の抑制、または、汚泥沈降性の回復のそれぞれに適した間欠オゾン処理の1サイクルあたりのオゾン注入量、1日あたりのサイクル数、およびサイクル間隔を設定し、これに応じてオゾン発生部42におけるオゾンの発生、吸着、脱着、および注入の一連の動作制御および汚泥引抜ポンプ5の運転を行う。
【0191】
上記のようにオゾン発生部42においてオゾンの製造に加え、オゾンの吸着および脱着過程を設けることにより、オゾン処理を行わない期間においてオゾンを発生させ、このオゾンを一時的に貯蔵し、必要な時期に、必要なオゾン量を脱着して汚泥のオゾン処理に用いることができる。これより、オゾン発生器10の稼働率を高め、オゾン発生器10の単位時間あたりのオゾン発生量、すなわちオゾン発生能力を大幅に低減することが可能となる。また、深夜の安価な電力を使用することができ、オゾン製造のランニングコストを低減できる。そして、この方法は本発明のように間欠的にオゾンを必要時期に必要量だけ注入するような場合、極めて効果的なオゾン発生方法となる。
【0192】
上記の例において、オゾン吸着塔に冷凍機、ヒーターを備え、吸脱着時の温度を制御する、すなわち吸着時にシリカゲルへのオゾンの吸着を促進するためオゾン吸着塔37の温度を下げる。次いで、脱着時にオゾンのシリカゲルからガス中への脱着を容易にするためオゾン吸着塔37の温度を上げることによりさらに効率的なオゾンの吸脱着が可能となる。また、上記実施の形態ではガスパージによって脱着する方法を示したが、シリカゲルを昇温して脱着させるようにしてもよい。
【0193】
また、上記の例では、発生したオゾンを貯蔵するため吸着剤を充填したオゾン吸着塔37を用いたが、これに限るものではなく、オゾン吸着塔37のかわりに高濃度、かつ高圧力のオゾンガスを保持可能なオゾンガス貯蔵タンクを用いれば、ガスの状態でオゾンを貯蔵することができ、同様の効果が得られる。
【0194】
上記の例では、1つの槽からなる曝気槽中の活性汚泥をオゾン処理したが、これに限るものではなく、多槽から構成される曝気槽中の活性汚泥をオゾン処理する場合においても同様の効果が得られ、この場合汚泥を引き抜く槽とオゾン処理後の汚泥を戻す槽を分離することにより、処理水質が悪化する可能性をより軽減することができる。
【0195】
また、上記の例では、発生したオゾンを吸着、脱着させる装置を用いたが、オゾン吸着、脱着のための装置とともに、オゾン貯留槽などのオゾン処理後の汚泥をいったん貯留する装置、オゾン散気装置などのオゾンを気泡として注入するためのオゾン注入装置、エジェクターなどのオゾン注入装置、ラインミキサーなどの混合装置、過酸化水素添加のための装置、活性汚泥フロックを破砕する装置を組み合わせることにより、より効率的で安定な運転が可能となる。
【0196】
また、上記の例において、SVなどの活性汚泥の沈降性の指標、呼吸活性などの有機物分解活性に関する指標、流入廃水中の有機物濃度などの流入有機物負荷の指標、多糖類濃度などの汚泥フロック中の細胞外有機物に関する指標、カタラーゼ活性などの活性汚泥微生物の抗酸化酵素活性の指標、曝気槽中の活性汚泥混合液の溶存酸素濃度を測定し、これら多種の測定値に応じて制御部12においてオゾン注入量、汚泥循環流量、サイクル数、サイクル間隔、空気供給量をかえた運転を行うことにより、より効果的な運転が可能となる。
【0197】
実施の形態22.
次いで、この発明の実施の形態22に係る廃水のオゾン処理装置を図について説明する。図25は本発明の廃水のオゾン処理装置のフローを示す図である。図25においてオゾン処理槽4が2個並列に配置され、各々のオゾン処理槽4に曝気槽1からの引抜汚泥路6、曝気槽1へのオゾン処理汚泥路9、オゾン発生器10からのオゾン供給路8、排オゾン路7が連結しておりオゾンが各オゾン反応槽4に交互に注入できるような構造となっており、これ以外は図10と同様である。
【0198】
次に動作について説明する。曝気槽1において廃水処理を行う過程で、制御部12により汚泥引抜ポンプ5を動作させ曝気槽1の汚泥を引抜汚泥路6、オゾン処理槽4、オゾン処理汚泥路9を通して再び曝気槽にもどし、曝気槽1の汚泥を循環させる。その後は、実施の形態7と同様の間欠的なオゾン処理を行う。
次のオゾン処理サイクルには他系統のオゾン処理槽4を用いて同様の汚泥の間欠オゾン処理を行い、以降2系統のオゾン処理槽4を交互に用いながら汚泥のオゾン処理を行う。制御部12により発生汚泥量の低減および汚泥沈降性悪化の抑制、または、汚泥沈降性の回復のそれぞれに適した間欠オゾン処理の1サイクルあたりのオゾン注入量、1日あたりの処理サイクル数、および処理サイクル間隔を設定し、これに応じて汚泥引抜ポンプ5、オゾン発生器10の運転およびオゾン処理槽4の切り替えを行う。
【0199】
上記のように、間欠オゾン処理を行うオゾン処理槽を2系統にすることにより、オゾン処理槽4を小型化して、1日あたりの処理サイクル数を高めた運転が可能になる。処理サイクル数を高めることにより、1処理サイクルあたりのオゾン注入量を少なくできるためオゾン発生器10の単位時間あたりのオゾン発生量、すなわちオゾン発生能力を低減することが可能となる。
【0200】
オゾン処理槽4を2系統にすることにより、1サイクル中の汚泥の置換、および溶存するオゾンの追い出しが必要な場合も汚泥をオゾン処理することが可能となり、サイクル数を上げることができる。また、上記の例では、オゾン処理槽4を2系統設置したが、これに限るものではなくオゾン処理槽4を複数個設置して複数系統にすることもできる。
【0201】
上記の例では、1つの槽からなる曝気槽中の活性汚泥をオゾン処理したが、これに限るものではなく、多槽から構成される曝気槽中の活性汚泥をオゾン処理する場合においても同様の効果が得られ、この場合汚泥を引き抜く槽とオゾン処理後の汚泥を戻す槽を分離することにより、処理水質が悪化する可能性をより軽減することができる。
【0202】
また、上記の例では、複数系列のオゾン処理に対する装置を用いたが、オゾン処理槽を複数系列とするとともに、オゾン貯留槽などのオゾン処理後の汚泥をいったん貯留する装置、オゾン散気装置などのオゾンを気泡として注入するためのオゾン注入装置、エジェクターなどのオゾン注入装置、ラインミキサーなどの混合装置、過酸化水素添加のための装置、活性汚泥フロックを破砕する装置、発生したオゾンを吸着、脱着させる装置を組み合わせることにより、より効率的で安定な運転が可能となる。
【0203】
また、上記の例において、SVなどの活性汚泥の沈降性の指標、呼吸活性などの有機物分解活性に関する指標、流入廃水中の有機物濃度などの流入有機物負荷の指標、多糖類濃度などの汚泥フロック中の細胞外有機物に関する指標、カタラーゼ活性などの活性汚泥微生物の抗酸化酵素活性の指標、曝気槽中の活性汚泥混合液の溶存酸素濃度を測定し、これら多種の測定値に応じて制御部12においてオゾン注入量、汚泥循環流量、サイクル数、サイクル間隔、空気供給量をかえた運転を行うことにより、より効果的な運転が可能となる。
【0204】
上記の実施の形態1〜22においてはオゾン処理する微生物混合液として、連続的に廃水処理を行う活性汚泥法の曝気槽の活性汚泥を対象としたが、これに限るものではなく、活性汚泥法の返送汚泥や沈殿槽内の活性汚泥、また、回分式活性汚泥法や接触酸化法における曝気槽の活性汚泥などの微生物を用いた廃水処理方法における微生物混合液についても同様の効果が得られる。
【0205】
【発明の効果】
請求項1の発明によれば、廃水の微生物処理において、処理系から微生物混合液を引き抜く混合液引き抜き手段と、微生物混合液と反応させるオゾンガスを発生するオゾン発生手段と、引き抜いた微生物混合液に前記オゾン発生手段より発生したオゾンガスを注入して処理するオゾン処理手段と、オゾン処理した微生物混合液を処理系へ還流する混合液還流手段と、オゾン処理動作を制御する制御手段と、微生物混合液の溶存酸素を測定する測定手段を備え、制御手段は前記測定手段による測定値に応じてオゾン処理を行うとともに、処理系の微生物反応槽への空気供給量を調節することを特徴とする廃水のオゾン処理装置であるので、微生物混合液の溶存酸素を測定する測定手段を備え、制御手段は前記測定手段による測定値に応じて、オゾン注入量、単位時間あたりのオゾン処理微生物量などのオゾン処理条件をかえたオゾン処理、および処理系の微生物反応槽への空気供給量の調整を行うことにより、流入有機物負荷や微生物の有機物分解活性に応じた的確なオゾン処理ができ、負荷増大や活性低下に由来する処理水質の悪化を引きおこさずに、発生微生物量の低減、微生物集合体の沈降性悪化の抑制、悪化した沈降性の回復が安定に行なえるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に関する実験におけるオゾン吸収量と発生汚泥収率の変化率の関係を示す特性図である。
【図2】 本発明に関する実験における処理期間とSVIの関係を示す特性図である。
【図3】 本発明に関する実験におけるオゾンガス濃度と全TOC濃度、および溶解性TOC濃度の関係を示す特性図である。
【図4】 本発明に関する実験における流入TOC量と発生汚泥量の関係を示す特性図である。
【図5】 本発明に関する実験におけるMLSS濃度とオゾン処理汚泥の溶存オゾン濃度の関係を示す特性図である。
【図6】 本発明に関する実験における滞留時間と発生汚泥収率の変化率の関係を示す特性図である。
【図7】 本発明に関する実験における流入TOC量と発生汚泥量の関係を示す特性図である。
【図8】 本発明に関する実験におけるオゾン吸収量とSVIの関係を示す特性図である。
【図9】 本発明に関する実験における処理汚泥比とSVIの変化率の関係を示す特性図である。
【図10】 本発明のさらに別の実施例の廃水処理装置の動作を説明するフローチャートである。
【図11】 本発明のさらに別の実施例の廃水処理装置の動作を説明するフローチャートである。
【図12】 本発明のさらに別の実施例の廃水処理装置の動作を説明するフローチャートである。
【図13】 本発明のさらに別の実施例の廃水処理装置の動作を説明するフローチャートである。
【図14】 本発明のさらに別の実施例の廃水処理装置の動作を説明するフローチャートである。
【図15】 本発明のさらに別の実施例の廃水処理装置の動作を説明するフローチャートである。
【図16】 本発明のさらに別の実施例の廃水処理装置の動作を説明するフローチャートである。
【図17】 本発明のさらに別の実施例の廃水処理装置の動作を説明するフローチャートである。
【図18】 本発明のさらに別の実施例の廃水処理装置の動作を説明するフローチャートである。
【図19】 本発明のさらに別の実施例の廃水処理装置の動作を説明するフローチャートである。
【図20】 本発明のさらに別の実施例の廃水処理装置の動作を説明するフローチャートである。
【図21】 本発明のさらに別の実施例の廃水処理装置の動作を説明するフローチャートである。
【図22】 本発明のさらに別の実施例の廃水処理装置の動作を説明するフローチャートである。
【図23】 本発明のさらに別の実施例の廃水処理装置の動作を説明するフローチャートである。
【図24】 本発明のさらに別の実施例の廃水処理装置の動作を説明するフローチャートである。
【図25】 本発明のさらに別の実施例の廃水処理装置の動作を説明するフローチャートである。
【図26】 従来技術の廃水処理装置の動作を説明するフローチャートである。
【図27】 従来技術におけるオゾン量と汚泥のMLVSS濃度、および溶解性TOC濃度の関係を示す特性図である。
【符号の説明】
1 曝気槽、2 被処理液路、3 連絡路、4 オゾン処理槽、5 汚泥引抜ポンプ、6 引抜汚泥路、7 排オゾン路、8 オゾン供給路、9 オゾン処理汚泥路、10 オゾン発生器、11 原料ガス供給路、12 制御部、13 SV測定器、14 呼吸活性測定器、15 TOC濃度測定器、16 散気装置、17 空気供給装置、18 空気供給路、19 溶存酸素濃度測定器、20 多糖類濃度測定器、21 カタラーゼ活性測定器、22 曝気槽、23 オゾン処理汚泥貯留槽、24 貯留汚泥返送ポンプ、25 貯留汚泥路、26 オゾン散気装置、27 エジェクター、28 ラインミキサー、29 排オゾン路、30汚泥循環槽、31 汚泥循環路、32 汚泥循環ポンプ、33 過酸化水素貯留槽、34 過酸化水素供給路、35 過酸化水素供給ポンプ、36 ラインミキサー、37 オゾン吸着塔、38 ガス循環路、39 ガス循環ポンプ、40オゾン注入路、41 脱着ガス供給路、42 オゾン発生部。
Claims (1)
- 廃水の微生物処理において、処理系から微生物混合液を引き抜く混合液引き抜き手段と、微生物混合液と反応させるオゾンガスを発生するオゾン発生手段と、引き抜いた微生物混合液に前記オゾン発生手段より発生したオゾンガスを注入して処理するオゾン処理手段と、オゾン処理した微生物混合液を処理系へ還流する混合液還流手段と、オゾン処理動作を制御する制御手段と、微生物混合液の溶存酸素を測定する測定手段を備え、制御手段は前記測定手段による測定値に応じてオゾン処理を行うとともに、処理系の微生物反応槽への空気供給量を調節することを特徴とする廃水のオゾン処理装置。
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