JP3762261B2 - 光半導体素子収納用パッケージおよび光半導体装置 - Google Patents
光半導体素子収納用パッケージおよび光半導体装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP3762261B2 JP3762261B2 JP2001222970A JP2001222970A JP3762261B2 JP 3762261 B2 JP3762261 B2 JP 3762261B2 JP 2001222970 A JP2001222970 A JP 2001222970A JP 2001222970 A JP2001222970 A JP 2001222970A JP 3762261 B2 JP3762261 B2 JP 3762261B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- optical semiconductor
- metal piece
- hole
- semiconductor element
- thermoelectric cooling
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Classifications
-
- H—ELECTRICITY
- H01—ELECTRIC ELEMENTS
- H01L—SEMICONDUCTOR DEVICES NOT COVERED BY CLASS H10
- H01L2924/00—Indexing scheme for arrangements or methods for connecting or disconnecting semiconductor or solid-state bodies as covered by H01L24/00
- H01L2924/0001—Technical content checked by a classifier
- H01L2924/0002—Not covered by any one of groups H01L24/00, H01L24/00 and H01L2224/00
Landscapes
- Cooling Or The Like Of Semiconductors Or Solid State Devices (AREA)
- Semiconductor Lasers (AREA)
- Optical Couplings Of Light Guides (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は光半導体素子を収納するための光半導体素子収納用パッケージに関し、特に光半導体素子収納用パッケージに設けられる入出力端子における熱電冷却素子のリード線の接続部を改善したものに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、マイクロ波帯やミリ波帯等の高周波信号を用いる半導体レーザ(LD),フォトダイオード(PD)等の光半導体素子を収納するための光半導体素子収納用パッケージ(以下、光半導体パッケージという)を図4〜図6に示す。これらの図において、101は基体、102は枠体、103は蓋体、104は光半導体素子、107は入出力端子を示す。これら基体101、枠体102、蓋体103、入出力端子107とで、光半導体素子104を光半導体パッケージ内に収容する容器が基本的に構成される。
【0003】
基体101は、上側主面に光半導体素子104を載置する載置部101aを有し、載置部101aには光半導体素子104が熱電冷却素子105を間に介して金(Au)−シリコン(Si)ロウ材等の接着剤により接着固定されるものであり、鉄(Fe)−ニッケル(Ni)−コバルト(Co)合金や銅(Cu)−タングステン(W)合金等の金属材料から成る。
【0004】
枠体102は、基体101の上側主面に載置部101aを囲繞するように銀ロウ等のロウ材で接合され、側部に入出力端子107を嵌着する取付部102aが形成されたものであり、Fe−Ni−Co合金やFe−Ni合金等の金属材料から成る。
【0005】
入出力端子107は、アルミナ(Al2O3),窒化アルミニウム(AlN),ムライト(3Al2O3・2SiO2)等のセラミックスから成り、枠体102の内外に突出する平板部107aの突出部117a,117bと枠体102に嵌着される立壁部107bとを有している。また、光半導体パッケージの内外を導通するようにモリブデン(Mo)−マンガン(Mn),W等から成る金属ペーストを焼結したメタライズ配線層112が平板部107aの上面に被着されて光半導体素子104と外部電気回路基板とを電気的に接続する。また、入出力端子107は、枠体102を貫通してまたは切り欠いて形成された取付部102aに銀ロウ等のロウ材で嵌着される。
【0006】
その入出力端子107の熱電冷却素子105のリード線115の接続部は、図5のように、入出力端子107のメタライズ配線層112上の枠体102内側の部位に、Fe−Ni−Co合金やFe−Ni合金等の金属から成る金属端子106がその一端を入出力端子107から内側に突出するようにして銀ロウ等のロウ材を介して接合されて成る。これにより、金属端子106にリード線115を接続することにより隣接するメタライズ配線層112間に短絡を発生させることなく溶接または半田等により容易に接続することができ、その結果、内部に収容する熱電冷却素子105および光半導体素子104を常に正常かつ安定に作動させ得るものが提案されている(特開平11−214597号公報参照)。
【0007】
リード端子116は、入出力端子107のメタライズ配線層112に銀ロウ等のロウ材を介して接合され、外部電気回路と入出力端子107との高周波信号の入出力を行うものであり、Fe−Ni−Co合金等の金属材料から成る。また、シールリング108は、枠体102の上面に銀ロウ等のロウ材で接合され入出力端子107を上方より挟持するとともに、上面に蓋体103をシーム溶接等により接合するための接合媒体として機能する。
【0008】
光ファイバ固定部材109は、Fe−Ni−Co合金やFe−Ni合金等の金属から成り、例えばFe−Ni合金のインゴット(塊)をプレス加工により所定の筒状に製作される。この光ファイバ固定部材109は、光ファイバ110を挿通可能な貫通孔を有する筒体であり、枠体102内側の端部がサファイアやガラス等の透光性材料から成る窓部材111で塞がれており、外側端部から光ファイバ110の一端が挿通固定される。また、光ファイバ110は、その外側端部に金属製フランジ110aをYAGレーザ溶接法等で光ファイバ固定部材109に溶接することにより枠体102に固定される。これにより、光ファイバ110を介して内部に収容する光半導体素子104と外部との光信号の授受が可能となる。
【0009】
また、メタライズ配線層112の枠体102外側の部位には、外部電気回路との高周波信号の入出力を行うために、導電性を有するFe−Ni−Co合金等の金属材料から成るリード端子116が銀ロウ等のロウ材で接合されるとともに、枠体102内側の部位には、光半導体素子104と電気的に接続するためのボンディングワイヤ114が接合される。
【0010】
そして、基体101の載置部101aに光半導体素子104が熱電冷却素子105を間に介して接着固定され、光半導体素子104の電極をボンディングワイヤ114を介してメタライズ配線層112に接続させるとともに、熱電冷却素子105の電極に接続されたリード線115をメタライズ配線層112に半田を介して電気的に接続する。次に、枠体102の上面に蓋体103を接合させ、基体101と枠体102と入出力端子107とシールリング108と蓋体103とから成る容器内部に、光半導体素子104及び熱電冷却素子105を気密に収容する。最後に、枠体102の光ファイバ固定部材109に光ファイバ110の一端を挿通させるとともに、これを半田等の接着剤やレーザ溶接によって接合させ、光ファイバ110を枠体102に固定することによって、最終製品としての光半導体装置となる。そして、光ファイバ110を介して内部に収容する光半導体素子104と外部との光信号の授受が可能となる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特開平11−214597号公報に記載された光半導体パッケージにおいては、熱電冷却素子105のリード線115を金属端子106の先端に押さえつけて、リード線115を半田付けまたは溶接する際に金属端子106の先端が上下に動いてしまい、リード線115を定位置で接合することが困難であった。その結果、リード線115と金属端子106との間での接続の信頼性が低下し、導通不良が発生して熱電冷却素子105の冷却機能が働かなくなり、光半導体素子104を正常に作動させることができなくなる場合があった。
【0012】
また、入出力端子107の平板部107aから枠体102の内側に突出している金属端子106自体が、熱電冷却素子105や光半導体素子104を実装する際に障害物となり作業性が低下する場合があった。さらに、金属端子106が障害物となるため、熱電冷却素子105自体を大きくすることができず冷却能力が低下し、光半導体素子104の長期信頼性の低下につながる場合があった。光半導体素子104、入出力端子107の平板部107aの幅を小さくしたりして熱電冷却素子105自体を大きくして冷却する構成を採り得るが、その場合、光半導体パッケージが大型化したり、リード線115と金属端子106間での接続強度が低下し導通不良等が発生する場合があった。
【0013】
さらに、板状の金属端子106の代わりに棒状の接続端子を立設し、その棒状部にリード線115を巻き付けてロウ付けする構成も採り得るが、その場合リード線115の巻き付け作業が煩雑なうえ、製品毎で一様な巻き付けが困難であり、巻き付けられたリード線115へのロウ材の濡れ具合や体積が不均一になり易い。そのため、製造の作業性が悪く歩留まりが低下するとともに、棒状の接続端子部で電気抵抗等の特性が製品によって変化し易くなるという問題点があった。
【0014】
従って、本発明は上記問題点に鑑み完成されたものであり、その目的は、熱電冷却素子のリード線をメタライズ配線層にロウ付けされた金属片に確実に接続することができ、その結果、内部に収容する熱電冷却素子および光半導体素子を長期にわたり正常かつ安定に作動させることである。また、リード線のメタライズ配線層への接続作業が簡易化され、接続部での電気抵抗等の特性が製品によって一定したものとすることである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明の光半導体パッケージは、上側主面に光半導体素子が熱電冷却素子を介して載置される載置部を有する基体と、前記上側主面に前記載置部を囲繞するように取着された金属製の枠体と、該枠体を貫通してまたは切り欠いて形成された入出力端子の取付部と、上面の一辺側から対向する他辺側にかけて形成された複数のメタライズ配線層を有する誘電体から成る平板部および該平板部の上面に前記複数のメタライズ配線層を間に挟んで接合された誘電体から成る立壁部から構成され、前記取付部に嵌着された入出力端子とを具備した光半導体素子収納用パッケージにおいて、前記平板部の前記枠体内側の部位に上下面を貫通して形成されるとともに上面側開口から内側にかけて内寸法が小となる段差部が形成された貫通孔が設けられており、該貫通孔の前記段差部の底面に前記メタライズ配線層に接続されたメタライズ層が形成されているとともに金属片が前記貫通孔に嵌着されて前記メタライズ層にロウ付けされており、前記金属片にはその下方の前記貫通孔と略同位置に前記貫通孔よりも細い貫通穴が形成されていることを特徴とする。
【0016】
本発明は、上記の構成により、熱電冷却素子のリード線を金属片の貫通穴に通して金属片上に半田付けまたは溶接するときに、リード線を金属片に押さえつけた際に、金属片が上下動することがなくなり、リード線を容易に接続できる。そのため、熱電冷却素子のリード線と金属片との間での接続信頼性が向上し、熱電冷却素子の冷却機能が良好に働くことから、光半導体素子を正常に作動させることができる。また、平板部の貫通孔と、金属片に貫通孔に位置合わせした貫通穴があることで、熱電冷却素子のリード線を取りつける際の位置決めが容易にでき、確実にリード線と金属片を接続することができる。組み立て作業中やろう付け後の熱収縮により、リード線を下方に引っ張るような外力が加わることが多いが、この外力に対する強度がきわめて向上し、リード線の外れを解消することができる。
【0017】
さらに、入出力端子の平板部上にある金属片は、平板部から枠体内側に突出していないため、熱電冷却素子等を実装する際の障害物とはならず作業性が向上する。さらに、光半導体パッケージを大きくしたり、入出力端子の平板部の突出幅を小さくせずに熱電冷却素子自体を大きくすることができるので、冷却能力が向上し、光半導体素子の長期信頼性を向上させることができる。さらに、金属片の上面におけるリード線を接続するための半田等のロウ材の濡れ具合や体積は製品毎で均一化されるので、その接続部での電気抵抗等の特性が製品毎に一定化されるという作用効果も有する。
【0018】
本発明において、好ましくは、前記金属片は下側の横断面における外形形状が小さくなっていることを特徴とする。
【0019】
本発明は、上記の構成により、平板部と金属片を接続する際の位置決めおよび金属片の嵌合が容易になり、金属片の嵌め込みの作業性が向上する。また、金属片と熱電冷却素子のリード線を接続する際にも金属片の位置が製品毎に固定されているので、リード線の接続位置のばらつきも抑えることができる。さらに、金属片の下側と貫通孔の段差部との間に空隙が形成され、その空隙にロウ材のフィレットを形成することが可能となり、接続強度をさらに強化できる。
【0020】
本発明の光半導体装置は、上記本発明の光半導体パッケージと、前記載置部に載置された前記熱電冷却素子と、前記熱電冷却素子の上面に載置され前記入出力端子に電気的に接続された光半導体素子と、前記枠体の上面に接合された蓋体とを具備したことを特徴とする。
【0021】
本発明は、上記の構成により、上記の本発明特有の作用効果を有する光半導体パッケージを用いた信頼性の高い光半導体装置を提供できる。
【0022】
【発明の実施の形態】
本発明の光半導体パッケージについて以下に詳細に説明する。図1は本発明の光半導体パッケージについて実施の形態の例を示す断面図であり、図2は図1の斜視図を示し、図3は図2の入出力端子を示し、(a)は金属片周辺の部分拡大斜視図、(b)は金属片と金属片を載置する前の貫通孔周辺の部分拡大斜視図である。図1において、1は基体、2は枠体、3は蓋体、7は入出力端子、8はシールリングであり、これらで光半導体素子4を内部に収容するための容器が主に構成される。
【0023】
本発明の基体1は、その上側主面にIC,LSI,半導体レーザ(LD),フォトダイオード(PD)等の光半導体素子4を熱電冷却素子5を間に介して載置するための載置部1aを有している。この基体1は、Fe−Ni−Co合金,Cu−W合金等の金属材料や、アルミナ(Al2O3),窒化アルミニウム(AlN),ムライト(3Al2O3・2SiO2)等のセラミックスから成る。金属材料から成る場合、例えば、Fe−Ni−Co合金のインゴット(塊)に圧延加工や打ち抜き加工等の従来周知の金属加工法を施すことによって所定の形状に製作される。一方、セラミックスから成る場合、その原料粉末に適当な有機バインダや溶剤等を添加混合しペースト状と成し、このペーストをドクターブレード法やカレンダーロール法によってセラミックグリーンシートと成し、しかる後、セラミックグリーンシートに適当な打ち抜き加工を施し、これを複数枚積層し焼成することによって作製される。
【0024】
なお、基体1が金属材料から成る場合、その表面に耐蝕性に優れかつロウ材との濡れ性に優れる金属、具体的には厚さ0.5〜9μmのNi層と厚さ0.5〜5μmのAu層を順次メッキ法により被着しておくのがよく、基体1が酸化腐蝕するのを有効に防止できるとともに、基体1の上側主面の載置部1aに光半導体素子4を熱電冷却素子5を間に介して強固に接着固定することができる。一方、基体1がセラミックスから成る場合、光半導体素子4を熱電冷却素子5を間に介して載置する載置部1aに耐蝕性に優れかつロウ材との濡れ性に優れる金属、具体的には厚さ0.5〜9μmのNi層と厚さ0.5〜5μmのAu層を順次メッキ法により被着しておくのがよく、載置部1aに光半導体素子4を熱電冷却素子5を間に介して強固に接着固定することができる。
【0025】
枠体2は、基体1の上側主面に載置部1aを囲繞するように取着され、Fe−Ni−Co合金やFe−Ni合金等の金属材料から成る。例えば、Fe−Ni−Co合金のインゴットをプレス加工により所定の枠状となすことによって製作される。また、枠体2には、内部に収容する光半導体素子4との間で光信号を授受するための光ファイバ10が挿通固定される筒状の光ファイバ固定部材9が、枠体2を貫通して銀ロウ等のロウ材を介して接合される。
【0026】
入出力端子7は、基体1,枠体2に熱膨張係数が近似するアルミナセラミックス等のセラミックスから成り、枠体2の内外に突出する平板部7aの突出部17a,17bと枠体2に嵌着される立壁部7bとを有している。また、光半導体パッケージの内外を導通するようにMo−Mn,W等から成る金属ペーストを焼結したメタライズ配線層12が平板部7a上面に被着されて、光半導体素子4と外部電気回路基板とを電気的に接続する。この入出力端子7は、枠体2を貫通してまたは切り欠いて形成された取付部2aに銀ロウ等のロウ材で嵌着される。
【0027】
本発明において、図3に示すように、入出力端子7の平板部7aの枠体2内側の部位に上下面を貫通して形成されるとともに上面側開口から内側にかけて内寸法が小となる段差部が形成された貫通孔18が設けられている。貫通孔18の段差部の底面にメタライズ配線層12に接続されたメタライズ層13が形成されているとともに金属片6が貫通孔18に嵌着されてメタライズ層13にロウ付けされている。さらに、金属片6にはその下方の貫通孔18と略同位置に貫通孔18よりも細い貫通穴19が形成されている。
【0028】
本発明の金属片6は、熱電冷却素子5のリード線15を電気的に接続するためのものである。図3においては、貫通孔18の開口形状と略同じ外形形状の金属片6を貫通孔18に嵌め込むようにしていることから、金属片6が容易に嵌着できるようになっているとともに、金属片6が貫通孔18の平板部7aの内部からに外に飛び出すのを防ぐことができる。
【0029】
上記の構成により、熱電冷却素子5のリード線15を金属片6の貫通穴19に通して金属片6上に半田付けや溶接で接合するとき、リード線15を金属片6に押さえつけた際に、金属片6が上下動することがなくなることから、リード線15を容易に接続できる。そのため、リード線15と金属片6の接続部の接続信頼性が向上し熱電冷却素子5の冷却機能が良好に働くことから、光半導体素子4を正常に作動させることができる。
【0030】
また、金属片6は入出力端子7の平板部7aの側面から枠体2内側に突出していないため、熱電冷却素子5および光半導体素子4を実装する際の障害物とはならず作業性が向上する。さらに、光半導体パッケージを大きくしたり、入出力端子7の平板部7aの突出幅を小さくせずに熱電冷却素子5自体を大きくすることができるので冷却能力が向上する。その結果、光半導体素子4を一定温度に冷却できる環境温度をより高く設定できるとともに、同一環境温度において、光半導体素子4をより低い温度設定で冷却可能となり、光半導体素子4の長期信頼性を向上させ得る。
【0031】
また、より好ましくは、図3のように貫通孔18の段差部から上側の外形形状および金属片6の平面視形状を略円形や略四角形とすることがよく、特に四角形の場合には角部を円弧状(Rをつけた形状)にすることがよい。この構成により、金属片6の側面と貫通孔18の内周面との接触面積が増大し、確実に金属片6が貫通孔18から枠体2内側に飛び出そうとするのを防ぐことができる。また、平板部7aの角部を円弧状にすることで、平板部7aへの応力を均一にするとともに緩和し角部からのクラック発生を防止できる。さらに、平板部7aの貫通孔18の縁も円弧状にすることで、金属片6を貫通孔18内に嵌合し易くなる。
【0032】
また、金属片6と、平板部7aの枠体2外側の突出部17bのメタライズ配線層12上に接続されたリード端子16とは、貫通孔18の段差部の底面にメタライズ配線層12に接続されたメタライズ層13を形成することにより、電気的に接続される。この構成により、平板部7aの枠体2内側の突出部17aにおいて貫通孔18の段差部から上側を大きく形成し貫通孔18と隣接するメタライズ配線層12との間隔が小さくなっても、この段差部によってメタライズ層13と隣接するメタライズ配線層12との間の短絡を防ぐことができる。また、金属片6を大きくできるためリード線15の実装面積を広くすることができる。
【0033】
この金属片6はFe−Ni−Co合金やFe−Ni合金等から成るのが良く、この場合リード線15を金属片6に容易に溶接することができる。従って、溶接に手間取って隣接するメタライズ配線層12間で短絡を発生させるようなことなく、リード線15を電気的に接続することができる。
【0034】
また、貫通孔18の段差部から上側の深さは0.2〜0.4mmがよい。0.2mm未満の場合、浅すぎて金属片6をしっかり嵌合し固定することができず、金属片6が外れる場合がある。また、0.4mmを超える場合、平板部7aを作製するためのセラミックグリーンシートを2層以上打ち抜いて段差部から上側を形成しなければならない場合があり、セラミックグリーンシートを積層した際の積層ずれにより、段差部から上側を所定の形状に形成できない場合がある。
【0035】
金属片6の厚さは0.25〜1mmとするのが好ましい。0.25mm未満だと、リード線15を金属片6に溶接する際に発生する熱が入出力端子7に早く伝わり吸収されるため、溶接作業が困難になる。また、金属片6が薄すぎるため、貫通孔18に金属片6を嵌着した際にロウ材が金属片6上面に這い上がってしまい、金属片6とリード線15を溶接する際にロウ材が支障となりリード線15が強固に接続できない場合がある。また、1mmを超えると、プレス加工による形成が困難となり、切削加工で加工せざるを得なくなる。すると、加工コストの上昇につながるという問題点がある。
【0036】
金属片6の外周面と貫通孔18の内周面との隙間は0.05mm以上であることが好ましい。0.05mm未満だと、隙間が狭くなり金属片6を貫通孔18の段差部の底面に接するように嵌着するのが困難になる。また、金属片6を貫通孔18に嵌着した際にロウ材が金属片6上面に這い上がってしまい、金属片6とリード線15を溶接する際にロウ材が支障となりリード線15が強固に接続できない場合がある。
【0037】
また、平板部7aの上下面を貫通した貫通孔18を設け、貫通孔18に位置を合わせて金属片6に貫通穴19を設けることで、貫通穴19がガイドの役割をはたすことができ、リード線15の挿入が容易になる。
【0038】
また本発明では、段差部より下方の貫通孔18の太さBに対する金属片6の貫通穴19の太さAの比がA/B=0.3〜0.8であることが好ましい。A/Bが0.3未満の場合、金属片6の貫通穴19の太さAが小さすぎてリード線15を挿入するのが困難になる。また、貫通孔18の太さBが大きくなりすぎると、平板部7aの上面に金属片6を嵌合するために十分な大きさの貫通孔18を確保するのが困難になり金属片6を安定に固定することができず、金属片6とリード線15の接続強度が低下し易くなる。さらに、A/Bが0.8を超えると、金属片6を貫通孔18の上側に嵌着したときに、ロウ材が金属片6の貫通穴19を通って金属片6上面に這い上がる可能性があるほか、貫通穴19がロウ材で埋まってしまい、リード線15を挿入できなくなる可能性がある。
【0039】
本発明は、平板部7aの枠体2内側の部位に上下面を貫通して形成されるとともに上面側開口から内側にかけて内寸法が小となる段差部が形成された貫通孔18が設けられており、貫通孔18の段差部の底面にメタライズ配線層12に接続されたメタライズ層13が形成されているとともに金属片6が貫通孔18に嵌着されてメタライズ層13にロウ付けされており、金属片6にはその下方の貫通孔18と略同位置に貫通孔18よりも細い貫通穴19が形成されていることにより、リード線15を金属片6上に溶接するためにリード線15を金属片6に押さえつけた際に、金属片6が上下動することがなくなり、リード線15を容易に接続できる。そのため、リード線15と金属片6との間での接続性が向上し熱電冷却素子5の冷却機能が良好に働くことから、光半導体素子4を正常に作動させることができる。また、金属片6に平板部7aの貫通孔18と位置を合わせて貫通穴19を設けたことで、リード線15を取付ける際の位置決めが容易にでき、確実にリード線15と金属片6を接続することができる。
【0040】
さらに、入出力端子7のメタライズ配線層12の端から金属片6が枠体2内側に確実に突出しないため、熱電冷却素子5等を実装する際の障害物とはならず作業性が向上する。また、光半導体パッケージを大きくしたり、入出力端子7の平板部7aの突出幅を小さくせずに、熱電冷却素子5自体を大きくすることができるので、冷却能力が向上し、光半導体素子4の長期信頼性が向上する。さらに、金属片6の上面におけるリード線15を接続するための半田等のロウ材の濡れ具合や体積は製品毎で均一化されるので、その接続部での電気抵抗等の特性が製品毎に一定化されるという作用効果も有する。
【0041】
また、好ましくは金属片6は下側の横断面における外形形状が小さくなっていることにより、平板部7aと金属片6を接続する際の位置決めおよび金属片6の嵌合が容易になり、金属片6の嵌め込みの作業性が向上する。また、金属片6とリード線15とを接続する際にも、金属片6の位置が製品毎に固定されているので、リード線15の接続位置のばらつきも抑えることができる。
【0042】
本発明の光半導体装置は、本発明の光半導体パッケージと、載置部1aに載置された熱電冷却素子5と、熱電冷却素子5の上面に載置され入出力端子7に電気的に接続された光半導体素子4と、枠体2の上面に接合された蓋体3とを具備したことにより、上記本発明の作用効果を有する光半導体パッケージを用いた信頼性の高いものとなる。この光半導体装置において、光ファイバは光半導体装置が外部電気回路基板等に搭載された後に設けることもでき、または製品としての光半導体装置自体に設けておくこともできる。
【0043】
なお、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲であれば種々の変更は可能である。
【0044】
【発明の効果】
本発明は、入出力端子の平板部の枠体内側の部位に上下面を貫通して形成されるとともに上面側開口から内側にかけて内寸法が小となる段差部が形成された貫通孔が設けられており、貫通孔の段差部の底面にメタライズ配線層に接続されたメタライズ層が形成されているとともに金属片が貫通孔に嵌着されてメタライズ層にロウ付けされており、金属片にはその下方の貫通孔と略同位置に貫通孔よりも細い貫通穴が形成されていることにより、リード線を金属片上に溶接するためにリード線を金属片に押さえつけた際に、金属片が上下動することがなくなり、リード線を容易に接続できる。そのため、リード線と金属片との間での接続性が向上し熱電冷却素子の冷却機能が良好に働くことから、光半導体素子を正常に作動させることができる。
【0045】
また、金属片にはその下方の貫通孔と略同位置に貫通孔よりも細い貫通穴が形成されていることにより、熱電冷却素子のリード線を取りつける際の位置決めが容易にでき確実にリード線と金属片を接続することができる。また、組み立て作業中やろう付け後の熱収縮により、リード線を下方に引っ張るような外力が加わることが多いが、この外力に対する強度がきわめて向上し、リード線の外れを解消することができる。
【0046】
さらに、入出力端子のメタライズ配線層の端から金属片が枠体内側に突出しないため、熱電冷却素子等を実装する際の障害物とならず作業性が向上する。さらに、光半導体パッケージを大きくしたり、入出力端子の平板部の幅を小さくせずに熱電冷却素子自体を大きくすることができるので、冷却能力が向上し光半導体素子の長期信頼性を向上させ得る。さらに、金属片の上面におけるリード線を接続するための半田等のロウ材の濡れ具合や体積は製品毎で均一化されるので、その接続部での電気抵抗等の特性が製品毎に一定化されるという作用効果も有する。
【0047】
本発明は、好ましくは金属片は下側の横断面における外形形状が小さくなっていることにより、平板部と金属片を接続する際の位置決めおよび金属片の嵌合が容易になり、組立の作業性が向上する。また、金属片と熱電冷却素子のリード線を接続する際にも、金属片の位置が製品毎に固定されているので、リード線の接続位置のばらつきも抑えられる。
【0048】
本発明の光半導体装置は、本発明の光半導体パッケージと、載置部に載置された熱電冷却素子と、熱電冷却素子の上面に載置され入出力端子に電気的に接続された光半導体素子と、枠体の上面に接合された蓋体とを具備したことにより、本発明の作用効果を有する光半導体パッケージを用いた信頼性の高いものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光半導体パッケージについて実施の形態の例を示す断面図である。
【図2】図1の光半導体パッケージの斜視図である。
【図3】図1の光半導体パッケージの入出力端子を示し、(a)は金属片周辺の部分拡大斜視図、(b)は金属片および金属片を載置する前の貫通孔周辺の部分拡大斜視図である。
【図4】従来の光半導体パッケージの断面図である。
【図5】図4の光半導体パッケージの斜視図である。
【図6】図4の光半導体パッケージの入出力端子における金属端子周辺の部分拡大斜視図である。
【符号の説明】
1:基体
1a:載置部
2:枠体
2a:取付部
3:蓋体
4:光半導体素子
5:熱電冷却素子
6:金属片
7:入出力端子
7a:平板部
7b:立壁部
12:メタライズ配線層
13:メタライズ層
18:貫通孔
19:貫通穴
Claims (3)
- 上側主面に光半導体素子が熱電冷却素子を介して載置される載置部を有する基体と、前記上側主面に前記載置部を囲繞するように取着された金属製の枠体と、該枠体を貫通してまたは切り欠いて形成された入出力端子の取付部と、上面の一辺側から対向する他辺側にかけて形成された複数のメタライズ配線層を有する誘電体から成る平板部および該平板部の上面に前記複数のメタライズ配線層を間に挟んで接合された誘電体から成る立壁部から構成され、前記取付部に嵌着された入出力端子とを具備した光半導体素子収納用パッケージにおいて、前記平板部の前記枠体内側の部位に上下面を貫通して形成されるとともに上面側開口から内側にかけて内寸法が小となる段差部が形成された貫通孔が設けられており、該貫通孔の前記段差部の底面に前記メタライズ配線層に接続されたメタライズ層が形成されているとともに金属片が前記貫通孔に嵌着されて前記メタライズ層にロウ付けされており、前記金属片にはその下方の前記貫通孔と略同位置に前記貫通孔よりも細い貫通穴が形成されていることを特徴とする光半導体素子収納用パッケージ。
- 前記金属片は下側の横断面における外形形状が小さくなっていることを特徴とする請求項1記載の光半導体素子収納用パッケージ。
- 請求項1または請求項2記載の光半導体素子収納用パッケージと、前記載置部に載置された前記熱電冷却素子と、前記熱電冷却素子の上面に載置され前記入出力端子に電気的に接続された光半導体素子と、前記枠体の上面に接合された蓋体とを具備したことを特徴とする光半導体装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001222970A JP3762261B2 (ja) | 2001-07-24 | 2001-07-24 | 光半導体素子収納用パッケージおよび光半導体装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001222970A JP3762261B2 (ja) | 2001-07-24 | 2001-07-24 | 光半導体素子収納用パッケージおよび光半導体装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003037327A JP2003037327A (ja) | 2003-02-07 |
JP3762261B2 true JP3762261B2 (ja) | 2006-04-05 |
Family
ID=19056375
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001222970A Expired - Fee Related JP3762261B2 (ja) | 2001-07-24 | 2001-07-24 | 光半導体素子収納用パッケージおよび光半導体装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3762261B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003037247A (ja) * | 2001-07-25 | 2003-02-07 | Kyocera Corp | 光半導体素子収納用パッケージおよび光半導体装置 |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5086755B2 (ja) * | 2007-10-03 | 2012-11-28 | アンリツ株式会社 | 導波路型光デバイスモジュールおよびその製造方法 |
-
2001
- 2001-07-24 JP JP2001222970A patent/JP3762261B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003037247A (ja) * | 2001-07-25 | 2003-02-07 | Kyocera Corp | 光半導体素子収納用パッケージおよび光半導体装置 |
JP4497762B2 (ja) * | 2001-07-25 | 2010-07-07 | 京セラ株式会社 | 光半導体素子収納用パッケージおよび光半導体装置 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2003037327A (ja) | 2003-02-07 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP3762261B2 (ja) | 光半導体素子収納用パッケージおよび光半導体装置 | |
JP3754902B2 (ja) | 光半導体素子収納用パッケージおよび光半導体装置 | |
JP4497762B2 (ja) | 光半導体素子収納用パッケージおよび光半導体装置 | |
JP3642739B2 (ja) | 半導体素子収納用パッケージ | |
JP4373831B2 (ja) | 電子部品収納用パッケージおよび電子装置 | |
JP3716185B2 (ja) | 半導体素子収納用パッケージ | |
JP5523199B2 (ja) | 素子収納用パッケージ、およびこれを備えた電子装置 | |
JP2003046180A (ja) | 入出力端子および光半導体素子収納用パッケージならびに光半導体装置 | |
JP3652241B2 (ja) | 半導体素子収納用パッケージ | |
JP3784346B2 (ja) | 入出力端子および半導体素子収納用パッケージならびに半導体装置 | |
JP3810334B2 (ja) | 半導体素子収納用パッケージおよび半導体装置 | |
JP3615697B2 (ja) | 半導体素子収納用パッケージ | |
JP4295641B2 (ja) | 電子部品収納用パッケージの製造方法 | |
JP2002289960A (ja) | 半導体素子収納用パッケージおよび半導体装置 | |
JP2004228532A (ja) | 入出力端子および半導体素子収納用パッケージならびに半導体装置 | |
JP2004259962A (ja) | 光半導体素子収納用パッケージおよび光半導体装置 | |
JP3696817B2 (ja) | 光半導体素子収納用パッケージおよび光半導体装置 | |
JP2004193428A (ja) | 半導体素子収納用パッケージおよび半導体装置 | |
JP2004296576A (ja) | 半導体素子収納用パッケージおよび半導体装置 | |
JP3652257B2 (ja) | 半導体素子収納用パッケージ | |
JP5725900B2 (ja) | 半導体素子収納用パッケージ、およびこれを備えた半導体装置 | |
JP5528484B2 (ja) | 入出力端子および光半導体素子収納用パッケージならびに光半導体装置 | |
JP3652255B2 (ja) | 半導体素子収納用パッケージ | |
JP2006128267A (ja) | 入出力端子ならびにこれを用いた電子部品収納用パッケージおよび電子装置 | |
JP4041327B2 (ja) | 半導体素子収納用パッケージおよび半導体装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20051206 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Effective date: 20051228 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20060112 |
|
R150 | Certificate of patent (=grant) or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090120 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Year of fee payment: 4 Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100120 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Year of fee payment: 5 Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110120 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110120 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Year of fee payment: 6 Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120120 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Year of fee payment: 6 Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120120 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130120 Year of fee payment: 7 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |