JP3761660B2 - 空気入りタイヤ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、トレッドにサイプの形成されたブロックを有する空気入りタイヤに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般的なスノータイヤには、タイヤ周方向に連続したジグザグ又はストレートな主溝とラグ溝とを組み合わせた構成に、複数本のサイプを実質平行に配したブロックパターンが一般的である。
【0003】
このサイプは、実質タイヤ周方向に対して60〜90度の角度を持っており、途中で枝分かれすることなく延びている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
近年の暖冬化による凍結路面の摩擦係数(μ)の低下により、従来以上にスタッドレスタイヤの氷上ブレーキ性能向上が望まれている。
【0005】
特に、最も凍結路面の摩擦係数が低下する0°C付近の氷上では、接地面にわき出る水膜を除去することが重要であることが分かっている。このために、タイヤ周方向に延びるサイプを配置して排水することが有効であると考えられるが、現実には周方向に延びるサイプは負荷時(接地時)にサイプが閉じてしまい、接地面にわき出る水膜の除去効果は減少してしまう。
【0006】
本発明は上記事実を考慮し、従来以上に氷上ブレーキ性能を向上することのできる空気入りタイヤを提供することが目的である。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、トレッド踏面部に設けられ実質的にタイヤ周方向に沿って延びる複数の周溝と実質的にタイヤ幅方向に沿って延びる横溝とによって区画された複数のブロックと、前記ブロックに設けられ実質的にタイヤ周方向に沿って延び両端が前記横溝に開口するサイプと、を有し、前記サイプは前記ブロックの踏込み側において2つに分岐した枝サイプを有しており、前記サイプの全体の周方向投影長さから前記枝サイプのタイヤ周方向投影長さを引いた値に対する前記枝サイプのタイヤ周方向投影長さの割合が0.2〜0.5であり、前記ブロックには、分岐した2つの枝サイプで分割されて踏込み側へ向かうに従って幅が広がるサブブロックが形成され、前記2つに分岐した枝サイプのなす角度θが30〜60度である、ことを特徴としている。
【0008】
次に、請求項1に記載の空気入りタイヤの作用を説明する。
氷上で空気入りタイヤが転動走行し氷面がブロックで押圧されると、氷面とブロックとの間に水がわき出る。
【0009】
氷面とブロックとの間にわき出た水は、ブロックに形成されたサイプに取り込まれ、サイプ内を流れて横溝に排出される。
【0010】
ここで、サイプが実質的にタイヤ周方向に延びて配置されているため、タイヤ転動時において流路を形成し、タイヤ踏面と氷面間にわき出た水をより多く除去することが可能である。
【0011】
このように、タイヤ踏面部にわき出た水は、常にブロック外へと排出されるため、より多くの水を除去することが可能となる。
【0012】
また、ブロック内には、分岐した枝サイプで分割されたサブブロックが踏込み側に形成される。この枝サイプで分割されたサブブロックは、他の部分よりも剛性を小さくできるので、ブレーキングによる減速時にブロック本体から離れる方向に動く。サブブロックがこのように動くと、枝サイプは開くことになり、水の排出効率が高まり、氷上ブレーキ性能が向上する。
サイプの全体の周方向投影長さから枝サイプのタイヤ周方向投影長さを引いた値に対する枝サイプのタイヤ周方向投影長さの割合を0.2〜0.5としたので、サブブロックに最適な剛性を持たせることが可能となる。上記割合が0.2未満になると、サブブロックの剛性が低下し過ぎて負荷時に倒れやすくなり、接地面積が減少する。一方、上記割合が0.5を越えると、サブブロックの剛性が高くなり過ぎ、ブレーキ時にサブブロックが動き難くなり、溝幅が拡大しなくなって排水効率を向上することができなくなる。
ここで、サイプを多数に分岐させると、ブロック剛性が大幅に低下することにつながり、路面からの入力によりブロックが倒れ込み易くなる。ブロックが倒れ込むと、ブロックの接地面が部分的に浮き上がり、接地面積の減少を招くことになり、氷雪上性能の低下を招く。したがって、サイプは2つに分岐させればサブブロックの数は1個となり、ブロック剛性の低下を防ぐことができ、ブロック剛性の低下による氷上性能の低下を防止するこ とができる。
また、2つに分岐した枝サイプのなす角度θが30度未満になると、踏込み側へ向かうに従って幅が広がるサブブロックが細長くなってサブブロックの剛性が低下し過ぎる。一方、角度θが60度を越えると、分岐部分で水がスムーズに流れなくなり排水効率が低下する。これらの理由により分岐角度θを30〜60度とする。
【0013】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の空気入りタイヤにおいて、前記サイプは前記ブロックの蹴り出し側においても複数に分岐していることを特徴としている。
【0014】
請求項2に記載の空気入りタイヤでは、サイプがブロックの蹴りだし側及び踏み込み側の両側で分岐しているので、タイヤのローテーション等でタイヤの取り付け方向が逆になっても、常に踏込み側に分岐したサイプを配置することができ、回転方向性の無いタイヤとすることができる。
【0015】
【0016】
【0017】
【0018】
【0019】
請求項3に記載の発明は、トレッド踏面部に設けられ実質的にタイヤ周方向に沿って延びる複数の周溝と実質的にタイヤ幅方向に沿って延びる横溝とによって区画された複数のブロックを有し、前記ブロックには、実質的にタイヤ周方向に沿って延びるサイプが形成され、蹴り出し側では前記サイプは少なくとも蹴り出し側の横溝に開口し、踏込み側では前記サイプは複数に分岐すると共に前記複数に分岐した枝サイプの一部が踏込み側の前記横溝に開口し、残部が前記周溝に開口しており、前記サイプの全体の周方向投影長さから前記枝サイプのタイヤ周方向投影長さを引いた値に対する前記枝サイプのタイヤ周方向投影長さの割合が0.2〜0.5であり、前記サイプのタイヤ周方向に沿って延びる部分に対して、前記周溝に開口する前記枝サイプが90度未満の角度で傾斜している、ことを特徴としている。
【0020】
次に、請求項3に記載の空気入りタイヤの作用を説明する。
氷上で空気入りタイヤが転動走行し氷面がブロックで押圧されると、氷面とブロックとの間に水がわき出る。
【0021】
氷面とブロックとの間にわき出た水は、ブロックに形成されたサイプに取り込まれる。サイプに取り込まれた水は、ブレーキ時にサイプ内を蹴り出し側から踏込み側へと流れ、踏込み側の横溝と周溝とに分かれて排出される。このように、タイヤ踏面部にわき出た水は、常にブロック外へと排出されるため、より多くの水を除去することが可能となる。
【0022】
また、ブロック内には、分岐した枝サイプで分割されたサブブロックが踏込み側に形成される。この枝サイプで分割されたサブブロックは、他の部分よりも剛性を小さくできるので、ブレーキングによる減速時にブロック本体から離れる方向に動く。サブブロックがこのように動くと、枝サイプは開くことになり、水の排出効率が高まり、氷上ブレーキ性能が向上する。
サイプの全体の周方向投影長さから枝サイプのタイヤ周方向投影長さを引いた値に対する枝サイプのタイヤ周方向投影長さの割合を0.2〜0.5としたので、サブブロックに最適な剛性を持たせることが可能となる。上記割合が0.2未満になると、サブブロックの剛性が低下し過ぎて負荷時に倒れやすくなり、接地面積が減少する。一方、上記割合が0.5を越えると、サブブロックの剛性が高くなり過ぎ、ブレーキ時にサブブロックが動き難くなり、溝幅が拡大しなくなって排水効率を向上することができなくなる。
【0023】
【0024】
【0025】
【0026】
【0027】
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の空気入りタイヤにおいて、前記サイプの分岐部分(枝サイプ)の溝幅が0.1〜1.2mmであることを特徴としている。
【0028】
分岐部分の溝幅を0.1〜1.2mmとしたので、接地時に排水可能な溝幅を確保することができる。
【0029】
分岐部分の溝幅が0.1mm未満になると排水効率が大幅に低下し、1.2mmを越えるとブロックの実接地面積が低下し、氷雪上性能が低下する。
【0030】
請求項5に記載の発明は、請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載の空気入りタイヤにおいて、前記サイプの本体部分の溝幅が0.3〜1.5mmであることを特徴としている。
【0031】
本体部分の溝幅を0.3〜1.5mmとしたので、接地時に排水可能な溝幅を確保することができる。
【0032】
本体部分の溝幅が0.3mm未満になると充分な排水が不可能となり、1.5mmを越えるとブロックの実接地面積が低下し、氷雪上性能が低下する。
【0033】
【発明の実施の形態】
[第1の実施形態]
以下に本発明の空気入りタイヤの第1の実施形態を図1乃至図3にしたがって説明する。
【0034】
図1に示すように、本実施形態の空気入りタイヤ10のトレッド12には、タイヤ周方向(矢印A方向及び矢印B方向)に沿って延びる周方向主溝14とタイヤ幅方向(矢印W方向)に沿って延びる複数の横溝16によって区画されたブロック18が複数設けられている。
【0035】
図1,2に示すように、ブロック18には、分岐サイプ20(サイプ)がタイヤ幅方向中央部に1本形成されている。
【0036】
分岐サイプ20は、タイヤ周方向に沿って直線状の本体部20A(サイプの本体部分)と、この本体部20Aに連結されタイヤ周方向に対して傾斜する直線状の枝部20B,20C(サイプの分岐部分)とを有し、枝部20Bと枝部20Cとによってブロック18内に三角形状のサブブロック24を形成している。
【0037】
分岐サイプ20は、ブロック18の踏込み側(図3に示すように、空気入りタイヤ10が路面22を転動走行する際のタイヤ回転方向側。矢印A方向側)で分岐しており、分岐した枝部20B及び枝部20Cは各々は横溝16に開口しており、本体部20Aは蹴り出し側(空気入りタイヤ10が路面22を転動走行する際のタイヤ回転方向と反対方向側。矢印B方向側)の横溝16に開口している。
【0038】
ここで、図2に示すように、枝部20Bと枝部20Cとのなす角度θは30〜60度の範囲内に設定されている。
【0039】
分岐サイプ20のタイヤ周方向投影長さL2 に対する枝部20及び枝部20Cのタイヤ周方向投影長さL1 の割合は、0.2〜0.5の範囲内に設定されている。
【0040】
枝部20B,20Cの溝幅t2 は接地時に零とならない寸法とされ、0.1〜1.2mmの範囲内に設定されている。
【0041】
本体部20Aの溝幅t1 は、枝部20B,20Cの溝幅t2 よりも大きく、0.3〜1.5mmの範囲内に設定されている。
【0042】
次に、本実施形態の空気入りタイヤの作用を説明する。
本実施形態の空気入りタイヤ10においては、ブロック18の幅方向中心付近に配置された本体部20Aの溝幅t1 が予め広く設定されているので、負荷時(接地時)に溝幅t1 が零になること(サイプが閉じること)はない。
【0043】
空気入りタイヤ10が転動回転し、ブロック18が凍結した路面22(氷面)に接地すると、圧力により氷面から水がわきでる。
【0044】
氷面とブロック18との間にわき出た水は、ブロック18に形成された分岐サイプ20に取り込まれ、取り込まれた水は分岐サイプ20内を流れて横溝16へと排出される。
【0045】
このように、タイヤ踏面部にわき出た水は、常にブロック18外へと排出されるため、より多くの水を除去することが可能となり、ブロック18と路面22との接触面積が確保され、氷上性能が確保される。
【0046】
また、サブブロック24は、そのサブブロック24よりも蹴り出し側にあるブロック18の本体部分(サブブロック24以外の部分)に比較してブロック剛性が相対的に低く動きやすい。また、ブレーキングによる減速時には、路面22と接したブロック18の接地面には、路面22からの摩擦力が矢印A方向に作用する。
【0047】
したがって、ブレーキング時には、踏込み側のサブブロック24がブロック18の本体部分から離れる方向に動き、この結果、枝部20B,20Cが開いて水の排出効率が高まり、氷上ブレーキ性能が向上する。
【0048】
なお、枝部20B,20Cは、上記のようにブレーキング時に開くため、本体部20Aよりも幅狭に設定してブロック18の剛性を確保しておくことができ、ブロック18の倒れ込みによる接地表面積の低下を抑制することができる。
[第2の実施形態]
本発明の空気入りタイヤの第2の実施形態を図4にしたがって説明する。
【0049】
図4に示すように、本実施形態のブロック18には、分岐サイプ20が2本形成されている。作用は第1の実施形態と同様であるが、分岐サイプ20を2本設けたため第1の実施形態よりも排水性を向上でき、より多くの水を除去することが可能となる。なお、分岐サイプ20は3本以上形成しても良い。
[第3の実施形態]
本発明の空気入りタイヤの第3の実施形態を図5にしたがって説明する。
【0050】
図5に示すように、本実施形態のブロック18に形成されている分岐サイプ20には、本体部20Aの両側に枝部20B,20Cが形成されている。
【0051】
作用は第1の実施形態と同様であるが、本実施形態では、タイヤのローテーション等でタイヤの取り付け方向が逆になっても、常に踏込み側に枝部20B,20Cを配置することができ、回転方向性の無いタイヤとすることができる。
【0052】
また、トラクション時には、路面22と接したブロック18の接地面には、路面22との摩擦力が矢印B方向に作用する。
【0053】
このとき、蹴り出し側(矢印B方向側)のサブブロック24は、ブロック18の本体部分から離れる方向に動き、この結果、枝部20B,20Cが開いて水の排出効率を高めることができ、これによりトラクション性能の向上を図ることが可能である。
[第4の実施形態]
本発明の空気入りタイヤの第4の実施形態を図6にしたがって説明する。
【0054】
本実施形態では、分岐サイプ20の枝部20B,20Cを湾曲させた例である。なお、作用、効果は前記第3の実施形態と同様である。
[第5の実施形態]
本発明の空気入りタイヤの第5の実施形態を図7にしたがって説明する。
【0055】
図7に示すように、本実施形態のブロック18には、分岐サイプ30,32が形成されている。
【0056】
分岐サイプ30と分岐サイプ32とは、ブロック18の幅方向中心線Sを対称軸として左右対称形状であるため、代表して分岐サイプ30の説明をする。
【0057】
分岐サイプ30は、タイヤ周方向に沿って延びる本体部30Aを有し、本体部30Aの両端部には、本体部30Aの延長線上に延びて横溝16に開口する枝部30Bと、先端が周方向主溝14(図7では図示せず)に開口する枝部30Cとが連結している。なお、枝部30Cは、枝部30Bに対して角度θで傾斜している。
【0058】
なお、分岐サイプ30で区画されたタイヤ周方向両側のサブブロック34のタイヤ周方向長さは、サブブロック34の間に配置されたサブブロック35のタイヤ周方向長さよりも短く設定されている。したがって、サブブロック34は、サブブロック35よりも剛性が低い。
【0059】
次に、本実施形態の空気入りタイヤの作用を説明する。
本実施形態の空気入りタイヤ10のブロック18においても、ブロック18の中心付近に配置された本体部30Aの溝幅が予め広く設定されているので、負荷時(接地時)に本体部30Aが閉じることがない。
【0060】
分岐サイプ30,32に取り込まれた水は、サイプ内を流れ、一部は枝部30Bを介して横溝16へと排出され、他の一部は枝部30Cを介して周方向主溝14へと排出される。
【0061】
したがって、本実施形態においてもタイヤ踏面部にわき出た水は、常にブロック18外へと排出されるため、より多くの水を除去することが可能となり、ブロック18と路面22との接触面積が確保され、氷上性能が確保される。
【0062】
また、踏み込み側のサブブロック34は、中央のサブブロック35に比較してブロック剛性が相対的に低いため、ブレーキング時には、踏込み側のサブブロック34がサブブロック35から離れる方向に動き、この結果、枝部30Cが開いて水の排出効率が高まり、氷上ブレーキ性能が向上する。
【0063】
一方、トラクション時には、蹴り出し側のサブブロック34がサブブロック35から離れる方向に動き、この結果、枝部30Cが開いて水の排出効率が高まり、トラクション性能が向上する。
【0064】
なお、本実施形態においても第3の実施形態と同様に本体部30Aの両側が分岐しているので、回転方向性の無いタイヤとすることができる。
[試験例]
本発明の効果を確かめるために、本発明の適用された実施例タイヤ4種、従来例タイヤ1種(何れもタイヤサイズは205/65R15)を用意し、以下の方法により氷上ブレーキ性能及び氷上トラクション性能の比較を行った。
(試験方法)
氷上ブレーキ性能:テストタイヤを実車に装着し、氷盤上を20km/hの速度で走行中に急ブレーキをかけ(ロック状態)、制動距離を測定した。
【0065】
氷上トラクション性能:テストタイヤを実車に装着し、氷盤上での20mの距離における発進からの加速時間測定した。
【0066】
なお、テストに用いた従来タイヤ、比較例タイヤ及び実施例タイヤの構造を以下に説明する。
【0067】
実施例タイヤ1:第2の実施形態で説明したタイヤ(図4参照)である。
実施例タイヤ2:第3の実施形態で説明したタイヤ(図5参照)である。
【0068】
実施例タイヤ3:第5の実施形態で説明したタイヤ(図7参照)である。
実施例タイヤ4:第4の実施形態で説明したタイヤ(図6参照)である。
【0069】
従来例タイヤ:図8に示すように、ブロック100にタイヤ幅方向(矢印W方向)に沿って2本のストレートサイプ102を形成したタイヤである。
【0070】
なお、ブロックの数及び大きさは(タイヤ周方向寸法31.4mm、タイヤ幅方向寸法27.4mm、高さ9.7mm)各タイヤ共に同じである。
【0071】
また、サイプの諸元及び評価は、以下の表1に示す通りである。評価は従来例タイヤを100とする指数表示で示しており、数値が大きいほど性能が良いことを示す。
【0072】
【表1】
【0073】
試験の結果、本発明の適用された実施例タイヤ1〜4は、従来例タイヤに比較して氷上ブレーキ性能が大幅に向上しているのが分かる。
【0074】
また、サイプを踏み込み側及び蹴りだし側の両方で分岐させた実施例タイヤ2は、実施例タイヤ1よりも氷上トラクション性能が向上している。これは、トラクション時にサイプの蹴り出し側の枝部が開いて排水性が向上したためである。
【0075】
また、実施例タイヤ3のブロックでは、サイプの枝部分のタイヤ幅方向に延びるエッジ成分が他の例よりも長いため氷上トラクション性能が特に向上している。
【0076】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1に記載の空気入りタイヤは上記の構成としたので、ブレーキングによる減速時に枝サイプを開かせてタイヤ踏面部にわき出た水の排出効率を高めることができ、これによって、氷上ブレーキ性能を向上することができる、という優れた効果を有する。また、排水性能を確保し、分岐したサイプで形成されたサブブロックに適正なブロック剛性を持たせることが可能となる。
【0077】
請求項2に記載の空気入りタイヤは上記の構成としたので、回転方向性の無いタイヤとすることができる、という優れた効果を有する。
【0078】
【0079】
【0080】
請求項3に記載の空気入りタイヤは上記の構成としたので、ブレーキングによる減速時に枝サイプを開かせてタイヤ踏面部にわき出た水の排出効率を高めることができ、これによって、氷上ブレーキ性能を向上することができる、という優れた効果を有する。
【0081】
【0082】
請求項4に記載の空気入りタイヤは上記の構成としたので、排水性能を確保し、氷上性能の低下を抑制することができる、という優れた効果を有する。
【0083】
請求項5に記載の空気入りタイヤは上記の構成としたので、排水性能を確保し、氷上性能の低下を抑制することができる、という優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施形態に係る空気入りタイヤのトレッドの平面図である。
【図2】 図1に示すブロックの拡大平面図である。
【図3】 転動する空気入りタイヤのブロックが路面に接地する様子を説明する説明図である。
【図4】 第2の実施形態に係る空気入りタイヤのブロックの平面図である。
【図5】 第3の実施形態に係る空気入りタイヤのブロックの平面図である。
【図6】 第4の実施形態に係る空気入りタイヤのブロックの平面図である。
【図7】 第5の実施形態に係る空気入りタイヤのブロックの平面図である。
【図8】 従来の空気入りタイヤのブロックの平面図である。
【符号の説明】
10 空気入りタイヤ
12 トレッド
14 周方向主溝
16 横溝
18 ブロック
20 分岐サイプ(サイプ)
20B 枝部(枝サイプ)
20C 枝部(枝サイプ)
24 サブブロック
30 分岐サイプ
30B 枝部(枝サイプ)
30C 枝部(枝サイプ)
34 サブブロック
Claims (5)
- トレッド踏面部に設けられ実質的にタイヤ周方向に沿って延びる複数の周溝と実質的にタイヤ幅方向に沿って延びる横溝とによって区画された複数のブロックと、
前記ブロックに設けられ実質的にタイヤ周方向に沿って延び両端が前記横溝に開口するサイプと、を有し、
前記サイプは前記ブロックの踏込み側において2つに分岐した枝サイプを有しており、
前記サイプの全体の周方向投影長さから前記枝サイプのタイヤ周方向投影長さを引いた値に対する前記枝サイプのタイヤ周方向投影長さの割合が0.2〜0.5であり、
前記ブロックには、分岐した2つの枝サイプで分割されて踏込み側へ向かうに従って幅が広がるサブブロックが形成され、
前記2つに分岐した枝サイプのなす角度θが30〜60度である、ことを特徴とする空気入りタイヤ。 - 前記サイプは前記ブロックの蹴り出し側においても2つに分岐していることを特徴とする請求項1に記載の空気入りタイヤ。
- トレッド踏面部に設けられ実質的にタイヤ周方向に沿って延びる複数の周溝と実質的にタイヤ幅方向に沿って延びる横溝とによって区画された複数のブロックを有し、
前記ブロックには、実質的にタイヤ周方向に沿って延びるサイプが形成され、蹴り出し側では前記サイプは少なくとも蹴り出し側の横溝に開口し、踏込み側では前記サイプは複数に分岐すると共に前記複数に分岐した枝サイプの一部が踏込み側の前記横溝に開口し、残部が前記周溝に開口しており、
前記サイプの全体の周方向投影長さから前記枝サイプのタイヤ周方向投影長さを引いた値に対する前記枝サイプのタイヤ周方向投影長さの割合が0.2〜0.5であり、
前記サイプのタイヤ周方向に沿って延びる部分に対して、前記周溝に開口する前記枝サイプが90度未満の角度で傾斜している、ことを特徴とする空気入りタイヤ。 - 前記サイプの分岐部分の溝幅が0.1〜1.2mmであることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の空気入りタイヤ。
- 前記サイプの本体部分の溝幅が0.3〜1.5mmであることを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載の空気入りタイヤ。
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