JP3761365B2 - 電球形蛍光ランプ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電球形蛍光ランプに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
省エネルギー化の時代を迎えて、照明分野においても低効率の一般電球を代替する高効率の電球形蛍光ランプの開発・展開が活発に進められている。
【0003】
従来電球形蛍光ランプとしては、一般電球40W、60Wおよび100Wの光束相当の3品種が開発・展開されている。この場合、それぞれの品種の消費電力は10W、14Wおよび25W前後という一般電球の約1/4の値であり、高い省エネルギー効果が得られることがわかる。当初は、一般電球40W、60W光束相当の低ワット品種の展開が進められ、最近は光束1520lmの一般電球100Wを代替する高ワット品種の展開が図られている。これら品種の開発では、小形の一般電球との代替を促進する面から一般電球器具にそのまま点灯できるといういわゆる電球器具適応率が高いことが要望され、このために特にランプ形状の小形化が進められてきた。
【0004】
従来電球形蛍光ランプは、図9および図10に示すように、それぞれ蛍光発光管28,29、電子点灯回路部30,31、外管バルブ32,33、樹脂ケース34,35、口金36,37を組み立てたものから構成されている。ここで、一般電球と従来の電球形蛍光ランプのランプ形状を比較してみると、一般電球のナス形外管バルブの外径60mmおよびランプ全長110mmに対して、当初の低ワット品種に関しては図9に示すような外管バルブ32が同様のナス形で外径Doが60mmおよびランプ全長Loが130mm前後というかなりの小形化が図られており、従ってその電球器具適応率も約70%という高い値が達成されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
今後一般電球を代替する電球形蛍光ランプを普及させて省エネルギー化を進めるうえで、特に主力品種の一つである一般電球100Wを代替する高ワット電球形蛍光ランプ(従来消費電力25W前後)の一層の小形化を図って、その電球器具適応率を高めることが要望されている。
【0006】
しかしながら、一般電球100Wを代替する高ワット品種に関しては、外管バルブ33が図10に示すような筒形で外径Doが70mmおよびランプ全長Loが150mm前後という未だ小形化という面では不十分であり、その電球器具適応率も約40%という低いレベルにある。
【0007】
そこで、本発明者はかかる高ワット電球形蛍光ランプの開発に先立って、まず種々の一般電球用器具の形状・寸法を調べて、ランプの電球器具適応率を高めるためのランプ形状面での必要条件について検討した。その結果、(i)外管バルブは図9のような一般電球と同様のナス形としてその底部の外径を絞り込み、(ii)併せて樹脂ケースの外径も絞り込む、ことが必要条件であることがわかった。これにより、従来高ワット品種の樹脂ケースの肩部と電球器具反射板との当たりを防ぎ、その電球器具適応率を高めることができる。一方、ランプ全長に関しては、全長は比較的長くても開放型電球器具であれば適応できるが、ランプを器具に装着したときの外観的好ましさを保つ必要があり、少なくとも従来高ワット品種の寸法以下であることが望ましいといえる。結論として、高ワット電球形蛍光ランプのそれぞれのランプ寸法の上限値として、(i)ナス形外管バルブ32の外径Doが70mm、底部外径Diが58mmおよび全長Liが85mm、(ii)樹脂ケースの外径Dcが58mm,(iii)ランプ全長Loが148mmを実現するならば、ランプの電球器具適応率を低ワット品種と同等の約70%まで高め得ることがわかった。
【0008】
なお、上記ランプ寸法の下限値は、後述のように寿命を含めたランプ諸特性に関して所定の定格値が得られる条件のもとで規定される。
【0009】
次いで本発明者は、予備開発として上記ランプ寸法からなる、より小形の高ワット電球形蛍光ランプを試作してその寿命も含めたランプ諸特性を測定した。その結果、かかる消費電力25W前後の高ワット品種の開発における第一の問題点はランプの寿命が短いことであり、これをもたらす主な要因としては、(i)第一に蛍光発光管の過度の温度上昇によるランプ寿命中の光束劣化が大きい、(ii)次いで狭い樹脂ケース内に装着された電子点灯回路部の電子部品およびPC樹脂基板の温度が過度に上昇して回路誤動作が発生する、という2つであることがわかった。特に、上記要因(ii)の場合は、コンデンサー部品の不良発生が多く、ランプは比較的短時間のうちに寿命終了に至る。今後、一般電球100Wを代替する高ワットで小型の電球形蛍光ランプを普及するためには、従来ランプと同様の6000時間以上の寿命を保証する必要がある。
【0010】
更に、地球環境保護のための省エネルギー化を一層進めるうえから、消費電力を従来ランプの25W前後より低減した高効率の高ワット電球形蛍光ランプが要望されている。数値目標としては、一般電球100W相当のランプ光束1520lmを得るのにランプ消費電力として従来値25W前後に対して23W以下、ランプ発光効率として66lm/W以上の実現が望まれる。
【0011】
本発明は、ランプ形状の一層の小形化により電球器具適応率が高められ、かつ6000時間以上のランプ寿命が保証され、更に消費電力がより低減された高効率の高ワット電球形蛍光ランプを提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明の電球形蛍光ランプは、4本のU形ガラス管が接合され、内部に主アマルガムおよび補助アマルガムを有し、かつ内部に一対の電極を有する蛍光発光管、電子点灯回路部、外管バルブ、樹脂ケースおよび口金からなる電球形蛍光ランプであって、前記電球形蛍光ランプは、(i)前記外管バルブにおいて、外径が60mm〜70mm、底部外径が50mm〜58mmおよび全長が73mm〜85mm、(ii)前記樹脂ケースにおいて、外径が50mm〜58mm、(iii)前記電球形蛍光ランプのランプ全長が148mm以下からなり、前記蛍光発光管は、電極間距離450mm〜540mmおよび管内径が8.0mm〜10.0mmの範囲であり、ランプ電流値220mA以下の領域で動作され、前記蛍光発光管の緩衝ガスとしてNe組成比率75%以下の(Ne+Ar)混合ガスが主体として封入され、前記蛍光発光管の電極と前記電子点灯回路部のPC樹脂基板との距離は25mm〜40mmの範囲にあり、光束1520lmで一般電球100W相当の明るさを有し、器具適応率が70%以上を有する構成を有している。
【0013】
これにより、ランプ形状が一層小形化されて電球器具適応率が70%以上と高められ、併せて6000時間以上の寿命と66lm/W以上の高ランプ効率が実現されて、ランプ消費電力が一層低減される。
【0015】
また、特に電子点灯回路部の電子部品およびPC樹脂基板の過度な温度上昇が抑えられて回路誤動作等が防止され、6000時間以上の寿命が保証されるという作用が得られる。
【0017】
また、同一管内径でありながらランプ効率が一層高められるという作用が得られる。
【0019】
また、ランプ形状の一層の小形化とランプの高効率化が容易に図られるという作用が得られる。
【0021】
また、ランプ効率がより高められてランプ消費電力の一層の低減が図られるという作用が得られる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図1〜図8を用いて説明する。
【0023】
図1および図2は、それぞれ本発明の実施の形態である電球形蛍光ランプの発光管展開図およびランプ完成品の構成図を示す。図1の蛍光発光管1の容囲器2は、4本のU形ガラス管3,4,5,6をいわゆるブリッジ接合部7,8,9により一連の放電路を形成するように接合したものからなる。放電路の両端部となるU形ガラス管3,6のそれぞれの管端部10,11には対をなすタングステンコイル電極12,13がリード線14,15によって保持されている。U形ガラス管3,4,5,6の内表面の主要部分には蛍光体16が塗付されており、この場合、蛍光体16としては、それぞれ赤、緑および青発光の3種類の希土類蛍光体、Y2O3:Eu、LaPO4:Ce,TbおよびBaMg2Al6O27:Eu,Mnを混合したものを用いた。
【0024】
蛍光発光管1の容囲器2の内部には、2つの主アマルガム17,18と4つの補助アマルガム19,20,21,22が配置され、更に緩衝ガスとしてアルゴンおよびネオンなどの希ガスが封入されている。この場合、主アマルガム17,18としてはBi−Pb−Sn−Hg粒(総量110mg、Hg比率1.5%)を用い、補助アマルガム19,20,21,22としてはステンレスメッシュにInメッキしたものを用いた。
【0025】
一方、電球形蛍光ランプの完成品としては、図2に示すように、蛍光発光管1を用いて電子点灯回路部23、外管バルブ24、樹脂ケース25および口金26を組み立てたものから構成されている。なお、電子点灯回路部23はPC樹脂基板27に電子部品が実装されたものから構成されている。ここで、ランプ寸法の上限値としては(i)外管バルブ24の外径Doが70mm、底部外径Diが58mmおよび全長Liが85mm、(ii)樹脂ケース25の外径Dcが58mm、(iii)ランプ全長Loが148mmと設定しており、これは前述の本発明の目的とする電球器具適応率70%を実現するためのより小形なランプ寸法の上限値に相当するものである。また、電子点灯回路部23としてシリーズインバータ方式の基本構成からなるものを用い、その回路変換効率(回路入力電力に対する出力電力の比率)は91%である。
【0026】
本発明者は、目的とする高ワット電球形蛍光ランプの開発にあたり、まず用いる蛍光発光管を特定するために従来技術にもとづく種々の構成からなる蛍光発光管について調査した。その結果、4本のU形ガラス管からなる蛍光発光管1は、(i)ランプ形状の小形化が比較的容易で、(ii)両電極間の放電路が長くなりそれだけランプの発光効率が高くなって消費電力の低減も見込める、ことから適していると判断した。
【0027】
ここで本発明者は、図1の4本のU形ガラス管からなる蛍光発光管1を用いた高ワット電球形蛍光ランプに関して、電球器具適応率を高めるために上記のようなランプ形状の小形化を図っても、6000時間以上の寿命を保証するための検討に着手した。この場合、前述のように、ランプ形状の小形化におけるランプ短寿命化の問題は主に(i)蛍光発光管の過度な温度上昇による光束劣化の増大、(ii)次いで電子点灯回路部の電子部品およびPC樹脂基板の過度の温度上昇による回路誤動作、の2つに起因しているので、かかる温度上昇を抑制するための検討を行った。その結果、次のことがわかった。
【0028】
(a)蛍光発光管と電子点灯回路部の電子部品およびPC樹脂基板の温度を規定する主要パラメターは、外管バルブ24の内部に設けられた蛍光発光管1の放熱量である。通常の電球形蛍光ランプの蛍光発光管はランプ消費電力のうち約90%を消費しており、蛍光発光管の消費電力のうち約75%が熱として放散されている。従って、蛍光発光管の放熱量は基本的にランプ消費電力に依存しており、25W前後という高ワット品種では放熱量の増大は避けられない問題といえる。また、後述するように、電子点灯回路部の温度は、回路に近接しておりかつ消費電力割合が高い一対の電極端部の放熱量に大きく左右される。
【0029】
(b)電子部品およびPC樹脂基板の温度を規定する副次的パラメターとしては、電子点灯回路部自体の消費電力であるいわゆる回路損失が挙げられる。この場合、かかる回路損失は基本的にランプ消費電力よりもむしろランプ電流に依存しており、ランプ電流の低減により回路損失は減少して電子部品およびPC樹脂基板の温度は低下する、といえる。しかしながら最近では、電子点灯回路部の回路損失は(i)電子回路の改良設計の進展、(ii)電子部品の低損失化、などにより次第に低減されて、ランプ消費電力の10%弱という最低限度の範囲まで抑えられてきている。従って、回路損失のこれ以上の低減は難しいといえる。
【0030】
以上から、蛍光発光管、電子部品およびPC樹脂基板の過度な温度上昇を抑えるための基本的方法としては、主に蛍光発光管の放熱量を抑制すればよいことが明らかとなった。
【0031】
図1の蛍光発光管1を用いた高ワット電球形蛍光ランプに関して、蛍光発光管1の放熱量を抑えるには、まず蛍光発光管1の消費電力そのものを低減すればよい。これは、蛍光発光管1、すなわちランプの発光効率そのものを改善することを意味しており、まさに本発明のもうひとつの目的である省エネルギー化のためのランプ消費電力の一層の低減そのものに相当している。
【0032】
本発明の目的とする光束1520lmの高ワット電球形蛍光ランプは、前述のように、ランプ形状がより小形となるので、用いる蛍光発光管1の管内径は従来ランプの約10.5mmより細くなる。この場合、本発明者はかかるランプの発光効率を左右する主要パラメターはランプ電流であると推測した。つまり、管内径が細くなりランプ電流密度が高い領域になると、蛍光発光管1の発光光束はランプ電流の増大に対する飽和特性が顕著になるので、ランプ効率はランプ電流の増大につれて低下するといえる。そこで最初に、本発明が目的とするランプ効率66lm/W以上を実現するランプ電流領域を規定し、次いで関連する前記蛍光発光管1の種々のパラメターの妥当な範囲を明らかにするための実験を行った。
【0033】
具体的には、最初に前記蛍光発光管1の電極間距離Leを一定に保ってランプ電流を主に左右する管内径を変えたときのランプ効率および寿命特性を測定した。
【0034】
この測定には、本発明が目的とする電球器具適応率70%以上を余裕をもって満足できる典型的ランプとして、前記上限値より小形のランプ寸法である(i)ナス形の外管バルブ24の外径Doが65mm、底部外径Diが54mmおよび全長Liが79mm、(ii)樹脂ケース25の外径Dcが54mm、(iii)ランプ全長Loが143mmに設定し、一方、蛍光発光管1の電極間距離Leとしては上記ランプ寸法に適応した値である490mmに設定した。また、緩衝ガスの希ガスとしては標準のArガスを3Torr封入した。そして、この測定の結果、次のことがわかった。
【0035】
(a)図3に示すように、蛍光発光管1の管内径が細くなるにつれてランプ電流(図3中破線で示す)はほぼ単調に低くなり、併せてランプ効率(図3中実線で示す)は上昇して、従ってランプ光束値1520lmが得られるときのランプ消費電力は低下する。ここで、本発明が目的とするランプ効率66lm/W以上を得るには、ランプ管内径は10.0mm以下の範囲となり、これはランプ電流として220mA以下の領域に相当する。そして、かかる領域において、ランプ消費電力が従来値25W前後より低い23W以下でもランプ光束約1520lmのランプが得られる。更に、ランプ電流としては210mA以下の領域がより好ましく、このとき例えばランプ消費電力22Wでランプ効率68lm/Wとなり、目的とする光束1520lmに近いランプが得られる。
【0036】
(b)図4は、図3で管内径を変えたランプの寿命6000時間における光束維持率(6000時間点灯時の光束/100時間点灯時の光束×100%)を示す。電球形蛍光ランプでは光束維持率60%で寿命終了と規定されているので、本発明の目的とする寿命6000時間を保証するにはランプの管内径は8.0mm以上の範囲で設定することが必要条件となる。管内径が8.0mm未満となると、蛍光発光管1の管壁負荷が高くなりその管壁温度が過度に上昇して蛍光体16の光束劣化が大きくなるからである。
【0037】
次いで、蛍光発光管1の電極間距離Leの範囲を規定する検討を行った。この場合、電極間距離Leの上限値は、管内径が上限値10.0mmの蛍光発光管1をランプ寸法上限値の外管バルブ24(外径Doが70mm、底部外径Diが58mmおよび全長Liが85mm)の内部に設置できうる最長値に相当し、本発明者の検討結果からこの上限値は540mmと規定できることがわかった。
【0038】
一方、電極間距離Leの下限値を規定するするために、管内径の下限値8.0mmおよび上限値10.0mmのそれぞれについてLe値を変えたランプを試作して寿命も含めたランプ特性を測定した。なお、緩衝ガスとしては上記と同じ標準のArガスを3Torr封入した。
【0039】
この結果、図5および図6にそれぞれ示すように、(i)電極間距離Leが短くなるにつれて管内径にかかわらずランプ電流は上昇し、(ii)従ってランプ効率(図6中実線で示す)および寿命6000時間における光束維持率(図6中破線で示す)はともに低下することがわかった。そして、電極間距離Leが450mm以下の範囲では本発明が目的とするランプ効率66lm/Wおよび寿命6000時間を得ることはできない。
【0040】
以上の結果をまとめると、本発明が目的とする高ワット電球形蛍光ランプを実現するための蛍光発光管の放熱量を抑制する第一の手段として、(i)蛍光発光管の電極間距離Leを450mm〜540mmで管内径を8.0mm〜10.0mmの範囲、(ii)ランプ電流を220mA以下の領域、に設定すればよいことが明らかになった。
【0041】
更に、緩衝ガスとして標準の上記Arガスに代って(Ne50%+Ar50%)混合ガスを封入したランプを試作して、緩衝ガスの種類によるランプ特性の変化を調べた。その結果、図7に示すように、(Ne50%+Ar50%)混合ガスを3Torr封入したランプでは、同一管内径においてArガスを封入したものと比べてランプ電流(図7中破線で示す)はより低下してランプ効率(図7中実線で示す)はより上昇することがわかった。例えば、管内径の上記上限値10.0mmにおいて、ランプ電流が約210mA、ランプ効率が約68lm/Wの値が得られた。一方、ランプ寿命特性に関しては、同一管内径でランプ電流が低下するにもかかわらず、図4のArガスを封入したランプとほぼ同様の光束維持率を示す寿命特性が得られた。但し、Ne混合割合を75%以上に高めたランプでは、タングステンコイル電極12,13に充填されている電子放射物質の寿命中の損耗が激しくなり、寿命6000時間を保証できなくなる。
【0042】
以上から、新たに本発明の目的とする高ワット電球形蛍光ランプにおいて緩衝ガスとして(Ne+Ar)混合ガスを用いることは、管内径が同一でもランプ効率の一層の改善に有効な手段となる、ことが明らかとなった。
【0043】
上記において、前述のように、蛍光発光管1の管内径の上限値10.0mmおよび電極間距離Leの上限値540mmの組合せが、外管バルブ24の寸法上限値の外径Doが70mm、底部外径Diが58mmおよび全長Liが85mmに相応するものである。ここで、外管バルブ24の寸法下限値について検討すると、これは蛍光発光管1の管内径および電極間距離Leがそれぞれ9.3mmおよび450mmの値の組合せに相応しており、これから外管バルブ24の寸法下限値はそれぞれ外径Doが60mm、底部外径Diが50mmおよび全長Liが73mmに相応することがわかった。以上をまとめると、ランプ形状の寸法としては(i)外管バルブ24の寸法がそれぞれ外径Doが60mm〜70mm、底部外径Diが50mm〜58mmおよび全長Liが73mm〜85mm、(ii)樹脂ケース25の外径Dcが50mm〜58mm、(iii)ランプ全長Loが148mm以下の範囲となり、一方、蛍光発光管1の寸法はそれぞれ電極間距離Leが450mm〜540mmおよび管内径が8.0mm〜10.0mmの範囲となる。
【0044】
以上では、蛍光発光管1および電子点灯回路部23の電子部品およびPC樹脂基板27の温度を規定している蛍光発光管1の放熱量を抑えるために消費電力そのものの低減について検討した。一方、前述のように図2の構成からなる電球形蛍光ランプにおいては、蛍光発光管1の一対の電極部の放熱量が電子点灯回路部23の電子部品およびPC樹脂基板27の温度上昇を助長して、これもランプ短寿命の発生の一因となっている。
【0045】
ここで本発明者は、かかる電極部の放熱量による電子部品およびPC樹脂基板27の温度上昇を抑える具体的手段について検討した。この場合、電子部品およびPC樹脂基板27の温度に関するランプ開発上の具体的規格値として、ランプ点灯時におけるPC樹脂基板27の最大温度を130℃以下と規定して検討した。この規格値が満足されるならば本発明が目的とする電子回路の寿命6000時間以上を保証できるからである。また本実験には、上記結果に基づく本発明の目的にかなう典型的ランプとして、ランプ寸法が(i)外管バルブ24の外径Doが65mm、底部外径Diが54mmおよび全長Liが79mm、(ii)樹脂ケース25の外径Dcが54mm、(iii)ランプ全長Loが143mm、一方、蛍光発光管1の寸法が電極間距離Le490mmおよび管内径9.1mmと設定されたものを用いた。ランプは、ランプ電流210mAで動作されて、消費電力22Wでランプ効率68lm/Wの特性を示した。
【0046】
この検討の結果、下記のように、PC樹脂基板27の温度を左右する一つの主要なパラメターは、蛍光発光管1の一対のタングステンコイル電極12,13とPC樹脂基板27の距離Lpであることがわかった。
【0047】
図8は、PC樹脂基板27の最大温度Tmと前記距離Lpとの関係を示す。最大温度Tmの測定は、室温25℃において一般電球100W用の開放型器具内でランプを点灯させて行った。図8から、PC樹脂基板27の最大温度Tmは前記距離Lpの増加につれて約0.8〜1.2℃/mmの割合で低くなり、最大温度Tmを規格値130℃以下にするには距離Lpは少なくとも25mm以上にする必要があることがわかる。このような最大温度Tmの距離Lpによる大きな変化は、(i)電極12,13における消費電力が約2.5Wと全ランプ消費電力22Wの約12%に相当し、(ii)かかる電力が局所的に消費される電極12,13がPC樹脂基板27に近接しているからといえる。距離Lpとしては、過酷な実使用条件における寿命6000時間をも保証するために、25mmよりも長くして裕度を持たせることが望ましいが、他方、距離Lpをあまり長くすることは本発明の目的とするより小形のランプ寸法を得る面からの制約がある。本発明者の検討結果では距離Lpは25mm〜40mmの範囲が妥当であると規定した。つまり、この範囲であれば、PC樹脂基板27の最大温度を規格値130℃以下に保つことができて、かつより小形のランプ寸法をも実現できるものである。
【0048】
なお、タングステンコイル電極12,13とPC樹脂基板27の距離Lpを長くするには、(i)蛍光発光管1の管端部とPC樹脂基板127の距離Lp1、(ii)蛍光発光管1の管端部とタングステンコイル電極12,13の距離Lp2、のいずれかあるいは両者を調整すればよい。但し、実際のランプ設計では、両者の距離Lp1およびLp2を共に調整するのがより好ましい。
【0049】
以上の結果に基づいて、最終的に本発明の目的にかなう典型的ランプとして、上記ランプ寸法および蛍光発光管寸法に加えて距離Lpを32mmと設定して試作したランプは、蛍光発光管1および電子点灯回路部23ともに寿命6000時間以上を正常に動作することが確認された。
【0050】
以上のように、本発明によりランプおよび蛍光発光管の寸法と動作ランプ電流値を妥当な範囲に設定することにより、ランプ形状が一層小形化され、併せて6000時間以上の寿命と66lm/W以上の高ランプ効率をもつ高ワット電球形蛍光ランプが得られる。
【0051】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、ランプ形状が一層小形化されて電球器具適応率が高められ、併せて6000時間以上の長寿命化と66lm/W以上の高ランプ効率を有し、さらに消費電力の一層の低減が図られた高ワットの電球形蛍光ランプを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態である電球形蛍光ランプの蛍光発光管の展開図
【図2】本発明の実施の形態である電球形蛍光ランプの一部切欠正面図
【図3】蛍光発光管の管内径とランプ諸特性との関係を示す図
【図4】蛍光発光管の管内径とランプ光束維持率との関係を示す図
【図5】蛍光発光管の電極間距離をパラメターとしたときの管内径とランプ電流との関係を示す図
【図6】蛍光発光管の電極間距離をパラメターとしたときの管内径とランプ光束維持率との関係を示す図
【図7】蛍光発光管の(Ne+Ar)緩衝ガスによるランプ諸特性の変化を示す図
【図8】電極とPC樹脂基板の距離Lpに対するPC樹脂基板の最大温度の変化を示す図
【図9】従来のナス形外管バルブを備えた電球形蛍光ランプの一部切欠正面図
【図10】従来の筒形外管バルブを備えた電球形蛍光ランプの一部切欠正面図
【符号の説明】
1 蛍光発光管
12,13 電極
23 電子点灯回路部
24 外管バルブ
25 樹脂ケース
27 PC樹脂基板
Claims (1)
- 4本のU形ガラス管が接合され、内部に主アマルガムおよび補助アマルガムを有し、かつ内部に一対の電極を有する蛍光発光管、電子点灯回路部、外管バルブ、樹脂ケースおよび口金からなる電球形蛍光ランプであって、前記電球形蛍光ランプは、(i)前記外管バルブにおいて、外径が60mm〜70mm、底部外径が50mm〜58mmおよび全長が73mm〜85mm、(ii)前記樹脂ケースにおいて、外径が50mm〜58mm、(iii)前記電球形蛍光ランプのランプ全長が148mm以下からなり、前記蛍光発光管は、電極間距離450mm〜540mmおよび管内径が8.0mm〜10.0mmの範囲であり、ランプ電流値220mA以下の領域で動作され、前記蛍光発光管の緩衝ガスとしてNe組成比率75%以下の(Ne+Ar)混合ガスが主体として封入され、前記蛍光発光管の電極と前記電子点灯回路部のPC樹脂基板との距離は25mm〜40mmの範囲にあり、光束1520lmで一般電球100W相当の明るさを有し、器具適応率が70%以上を有することを特徴とした電球形蛍光ランプ。
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