JP3761095B2 - アンチスキッド制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、制動時の制動シリンダの流体圧を制御して車輪のロック状態発生を防止する車両のアンチスキッド制御装置に関し、特に、アクチュエータの電気的機能診断装置を有したアンチスキッド制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のアンチスキッド制御装置の基本構成は、マスタシリンダと車輪に設けられたホイールシリンダとの間に、流入弁、流出弁、加圧ポンプ、及びポンプ用の電動モータ等を備えたアクチュエータを介装し、このアクチュエータを必要に応じて作動させホイールシリンダに作用する流体圧を増減し、これによりブレーキ圧を制御するよう成されている。その際、車輪速センサからの信号により車輪の回転速度を算出し、これに基づいて所定の演算処理を行ってアクチュエータの制御信号を得てこれによってブレーキ圧を制御し、制動時の車輪ロックを防止しているものが多い。
【0003】
アクチュエータに設けられた流入弁、流出弁、及び加圧ポンプ用電動モータ等はそれぞれ制御回路からの制御信号によって制御されており、流入弁及び流出弁に配設されたソレノイドに励磁電流を供給して弁の開閉を制御し、電動モータに駆動電流を供給してこの電動モータの回転を制御することにより加圧ポンプの作動を制御している。
【0004】
従来、このようなアンチスキッド制御装置に自己診断機能を設けてアクチュエータの作動不良の有無を診断するものとして、例えば、特開昭63−46962号公報に記載される自己診断装置が提案されている。この従来例は、アクチュエータの作動不良の有無検出に際して、アクチュエータの作動に伴う作動騒音が大きくなるブレーキ作動時にはアクチュエータの作動不良の有無検出を行わず、ブレーキ非作動時にのみアクチュエータを作動させ機能診断を行うものである。イグニッション・スイッチの投入後に自己診断を行わせる場合に、ソレノイドバブル等のアクチュエータの作動を行わせると、この作動に伴って作動騒音が生じるが、特に、ブレーキが作動されてブレーキ油圧が高いときには、アクチュエータのオン・オフによる圧力変動が大きくなり、これにより作動騒音が増大する。このため、ブレーキの非作動時にのみアクチュエータを作動させて機能診断を行っている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来例のようにブレーキの非作動時にのみアクチュエータを作動させて機能診断を行う方式であっても、アクチュエータを作動させると、流出弁が開放しアキュムレータに作動液が流入し流路内が減圧状態になり、流路内の圧を初期状態の圧に戻すために、電動モータ及び加圧ポンプを作動させてアキュムレータ内の作動液を速やかに吐出する必要性が生じる。このとき、ある程度長時間、加圧ポンプを作動させなければならず、停車中に電動モータ等を作動させると、作動時の振動や騒音等の発生により搭乗者に不快感を与える恐れがある。
【0006】
また、走行開始後の所定の速度例えば約8km/hになって、電動モータ等の振動や騒音等の影響を大きく受けなくなったときにアクチュエータの機能診断を行う方式もあるが、これは、アクチュエータに異常があるときに運転者へ早期に警告を行うことができないという問題点を有している。例えば、走行した後の警告の発生により、車両に熟知していない運転者は車両を一旦停止し異常状態の確認を行う場合が生じ、運転者に手間を掛けさせ好ましいことではない。
【0007】
したがって、本発明に係るアンチスキッド制御装置は、上記問題点を解消し、アクチュエータに異常があるときには運転者へ早期に警告を行うことができると共に、不快感を与える電動モータ等の振動や騒音を低減することができるアクチュエータ機能診断装置を有したアンチスキッド制御装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に係るアンチスキッド制御装置は、図1のクレーム対応図に示すように、少なくとも電磁バルブ、アキュムレータ、アキュムレータ内の流体を吐出させるポンプ、及びポンプ用電動モータを有し各車輪に配設された制動用シリンダの流体圧を制御するアクチュエータと、車輪の回転速度に応じた出力信号を出力する車輪速検出手段と、該車輪速検出手段の出力信号に基づいて前記アクチュエータの作動を制御する制御手段と、停車中の所定時に前記電磁バルブを所定の時間作動させて当該電磁バルブの機能診断を行う電磁バルブ機能診断手段と、を備えるアンチスキッド制御装置において、停車中に前記ポンプ用電動モータを作動騒音によって搭乗者に不快感を与えないような短時間作動させて当該ポンプ用電動モータの電気的機能診断を行い、該電気的機能診断の診断結果が正常である場合、走行開始後に少なくとも1回前記ポンプ用電動モータを、前記電磁バルブの機能診断時に流入した前記アキュムレータ内の残余流体を吐出可能な所定時間作動させるモータ機能診断手段を備えたことを特徴とする。
【0009】
そして、請求項2に係るアンチスキッド制御装置は、前記モータ機能診断手段は、走行開始後に、停車中より長時間前記ポンプ用電動モータを作動させて前記アキュムレータ内の残余流体吐出、前記ポンプ用電動モータの電気的機能診断とを兼ねて行うことを特徴とする。
また、請求項3に係るアンチスキッド制御装置は、前記モータ機能診断手段は、走行開始後における前記ポンプ用電動モータの電気的機能診断で異常と判定したときに、更に前記ポンプ用電動モータに所定の時間作動電流を供給し、当該ポンプ用電動モータの電気的機能診断を行うことを特徴とする。
【0010】
さらに、請求項4に係るアンチスキッド制御装置は、前記モータ機能診断手段は、走行開始後における前記ポンプ用電動モータの電気的機能診断で異常と判定したときに、再度前回より長い時間前記ポンプ用電動モータに作動電流を供給して電気的機能診断を行うことを特徴とする。
【0011】
【作用】
請求項1に記載の発明によれば、モータ機能診断手段によって、先ず、車両の停車中にポンプ用電動モータを短時間作動させてポンプ用電動モータの電気的機能診断を作動騒音によって搭乗者に不快感を与えないように行う。このとき、電磁バルブの機能診断後にポンプ用電動モータの電気的機能診断を行うことにより、ポンプ用モータの作動によりポンプが稼働して、電磁バルブの機能診断時に流入したアキュムレータ内の流体が、ある程度吐出される。次に、電気的機能が正常であるときに走行開始後に、更にポンプ用電動モータを所定の時間作動させてアキュムレータに流入した残余流体を確実に吐出する。
【0012】
そして、請求項2に記載の発明によれば、停車中におけるポンプ用電動モータの電気的機能診断結果が正常であるときに、走行開始後に、停車中より長時間ポンプ用電動モータを作動させてアキュムレータの残余流体を確実に吐出すると共に、車両走行による実作動状態で電気的機能診断を行って安全性の向上を図っている。
また、請求項3に記載の発明によれば、走行開始後におけるポンプ用電動モータの電気的診断結果で異常と判定したときに、更にポンプ用電動モータに所定の時間作動電流を供給して電気的機能診断を行っている。停車中の電気的機能診断で異常無しと判定されたときには走行開始後の電気的機能診断においても通常は異常無しと判定される割合が高いのであるが、この走行開始後の診断で異常と判定されたときには、判定誤りの可能性も高いため更に電気的機能診断を行って不用意な異常警告の発生を防止している。
【0013】
請求項4に記載の発明によれば、モータ機能診断手段は、走行開始後でのポンプ用電動モータの電気的機能診断で異常と判定したときに、更にポンプ用電動モータ前回より長時間作動電流を供給して電気的機能診断を行っている。例えば、低温の環境下ではバッテリ電圧が低下し、走行開始後には車両システム全体に作動電流が供給されることにより更にバッテリ電圧の低下が生じ、走行開始後の負荷電流変動の増大や瞬間的なバッテリ電圧の低下が生じ、走行開始後の負荷電流変動の増大や瞬間的なバッテリ電圧の低下に起因してポンプ用電動モータが異常と判定される場合がある。しかし、再度の電気的機能診断で正常と判定されることもあり、このときにはポンプ用電動モータ前回より長時間作動電流を供給することにより、低温の環境下で流体の粘性抵抗が増大した場合においても、アキュムレータ内の残余流体は確実に吐出される。
【0014】
【実施例】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
図2は本発明に係る機能診断装置を備えたアンチスキッド制御装置の概略構成図である。図中、1FL,1FRは左右前輪、1RL,1RRは左右後輪であり、後輪1RL,1RRには、エンジン2の回転駆動力が変速機3、プロペラシャフト4及び終減速装置5を介して伝達されるよう構成される。
【0015】
車輪1FL〜1RRには、それぞれ制動用シリンダとしてのホイールシリンダ6FL〜6RRが取付けられている。また、各前輪1FL,1FRには、これらの車輪の回転速度に応じた周波数の車輪速信号を出力する車輪速検出手段としての車輪速センサ7FL,7FRが各々取付けられ、プロペラシャフト4には、後輪1RL,1RRの回転速度に応じた周波数の車輪速信号を出力する同じく車輪速検出手段としての車輪速センサ7Rが取付けられている。
【0016】
そして、前輪側のホイールシリンダ6FL,6FRには、ブレーキペダル8の踏み込みに応じて2系統のマスタシリンダ圧を発生するマスタシリンダ9からの一方のマスタシリンダ圧が、前輪側のアクチュエータ10FL,10FRを介して個別に供給されると共に、後輪側のホイールシリンダ6RL,6RRには、マスタシリンダ9からの他方のマスタシリンダ圧が共通の後輪側のアクチュエータ10Rを介して供給される。
【0017】
各アクチュエータ10FL〜10Rは、図3に示すように、マスタシリンダ9に接続される油圧配管11及びホイールシリンダ6FL〜6RR間に介装された電磁流入弁12と、この電磁流入弁12に対して並列に接続された電磁流出弁13、電動モータ17で回転駆動される油圧ポンプ14及び逆止弁15からなる直列回路と、流出弁13及び油圧ポンプ14間の油圧配管に接続されたアキュムレータ16と、を備える。
【0018】
各電磁流入弁12にはソレノイドFLI〜RI(図5のFLI,FRI,RIを参照)が配設され、同じく各電磁流出弁13にもソレノイドFLO〜RO(図5のFLO,FRO,ROを参照)が配設され、電磁流入弁12及び電磁流出弁13はともに可動鉄心(プランジャン)を有し、可動鉄心をソレノイドに発生した電磁力で可動することにより作動液の通路の開閉を行っている。
【0019】
電磁流入弁12及び電磁流出弁13の各ソレノイドには後述するコントローラ21から制御信号EVFL〜EVR 及びAVFL〜AVR がそれぞれ供給され、本実施例では、各ソレノイドへの励磁電流を非供給状態にするハイレベルの制御信号EVFL〜EVR 及びAVFL〜AVR が供給されたときに、電磁流入弁12は開状態、電磁流出弁13は閉状態にそれぞれ保持され、一方、各ソレノイドへの励磁電流を供給状態にするローレベルの制御信号EVFL〜EVR 及びAVFL〜AVR が供給されたときに、電磁流入弁12は閉状態、電磁流出弁13は開状態にそれぞれ保持される。また、電動モータ17は、コントローラ21から出力される制御信号MRによって間接的に制御され、制御信号MRがローレベルのときに駆動電流が供給され油圧ポンプ14を回転駆動しており、この詳細な動作については後述する。
【0020】
また、各車輪速センサ7FL〜7Rは、図4に示すように、各車輪1FL〜1RRと共に回転する外周面に例えば20の歯数を有するセレーションが形成されたロータ7aと、これに対向する磁石7bが内蔵され且つその発生磁束による誘導起電力を検出するコイル7cとから構成される。ロータ7aが回転すると、コイル7cからセレーションの回転数に応じた周波数の起電力が誘導され、これにより各車輪速センサ7FL〜7Rから交流電圧信号が出力される。
【0021】
さらに、ブレーキペダル8には、図2に示すように、その踏み込みに応動するストップランプスイッチ8aが取付けられ、このスイッチ8aから、ブレーキペダル8を開放しているときにはローレベルのスイッチ信号、ブレーキペダル8を踏み込んでいるときにはハイレベルのスイッチ信号が出力される。
そして、車輪速センサ7FL〜7R及びストップランプスイッチ8aの各検出信号はコントローラ21に入力される。
【0022】
コントローラ21は、図5に示すように、車輪速センサ7FL〜7Rの交流電圧信号を増幅し、且つ波形整形して矩形波に変換する波形整形回路22と、波形整形回路22から出力された矩形波信号、ストップランプスイッチ8aのスイッチ信号、及び後述する電圧検出回路27から出力されたソレノイド電圧検出値Vsa,Vsoとモータ電圧検出値Vmを入力する入力インタフェース回路23a、アクチュエータ10FL〜10Rの機能診断の処理を行うと共に車輪回転速度・疑似車速を演算し車輪のスリップ状態に応じて増圧・保持・減圧の処理を行う中央処理装置(CPU)23b、処理手順を記憶するメモリ23c、及び処理結果に応じて制御信号を出力する出力インタフェース回路23dを有するマイクロコンピュータ23と、出力インタフェース回路23dから出力されたモータ駆動信号SM が供給されるモータリレー駆動回路24と、出力インタフェース回路23dから出力されたアクチュエータリレー駆動信号SA が供給されるアクチュエータリレー駆動回路25と、同じく出力インタフェース回路23dから出力されたソレノイド駆動信号SFLI 〜SROが供給されるソレノイド駆動回路26と、電動モータ17の端子電圧であるモータ検出電圧VMR及びソレノイド駆動回路26から出力されるソレノイド検出電圧VSFLI〜VSRO がそれぞれ入力され、モータ電圧検出値Vm及びソレノイド電圧検出値Vsa,Vsoを入力インタフェース回路23aに供給する電圧検出回路27とを備えている。
【0023】
モータリレー駆動回路24は、その出力制御信号MRをモータリレー28に供給し、モータリレー28のオン・オフを制御する。モータリレー28は駆動コイル28aとリレー接点28bとを有し、この駆動コイル28aの一端は、モータリレー駆動回路24の出力端に接続され、他端は、ヒューズF2及びイグニッション・スイッチ29を介してバッテリ30に接続され、リレー接点28bの一端は、ヒューズF1を介してバッテリ30に接続され、他端は電動モータ17に接続されると共にこの電動モータ17の端子電圧はモータ検出電圧VMRとして電圧検出回路27に供給される。本実施例では、モータリレー駆動回路24にハイレベルのモータ駆動信号SM が入力されたときにローレベルの制御信号MRがモータリレー28に供給され、これにより、駆動コイル28aにはバッテリ30から励磁電流が流れ、リレー接点28bが閉じ、電動モータ17は電源電流の供給によって駆動される。
【0024】
アクチュエータリレー駆動回路25は、その出力制御信号ARをアクチュエータリレー31に供給し、アクチュエータリレー31のオン・オフを制御する。アクチュエータリレー31は駆動コイル31aとリレー接点31bとを有し、この駆動コイル31aの一端は、アクチュエータリレー駆動回路25の出力端に接続され、他端は、モータリレー28の駆動コイル28a及びヒューズF2の接続点に接続され、リレー接点31bの常開接点taはヒューズF3を介してバッテリ30に接続され、常閉接点tbは接地され、可動接点tcは、各アクチュエータ10FL〜10Rの流入弁12及び流出弁13に配設された各ソレノイドFLI〜ROに接続される。本実施例では、アクチュエータリレー駆動回路25にハイレベルのアクチュエータリレー駆動信号SA が入力されたときにローレベルの制御信号ARがアクチュエータリレー31に供給され、これにより駆動コイル31aには励磁電流が流れ、リレー接点31bが作動して常開接点ta及び可動接点tc間が導通し、各ソレノイドFLI〜ROへの電流供給の準備が整う。
【0025】
ソレノイド駆動回路26は、図6に示すように、入力されたソレノイド駆動信号SFLI 〜SROがそれぞれ供給される半導体素子例えばNPN型トランジスタQ1〜Q6を有し、ソレノイド駆動回路26の出力制御信号EVFL〜AVR はソレノイドFLI〜ROにそれぞれ供給される。ここで、ローレベルのソレノイド駆動信号SFLI 〜SROが入力されたときには、トランジスタQ1〜Q6はオフ状態となりソレノイドFLI〜ROには励磁電流が流れないが、ハイレベルのソレノイド駆動信号SFLI 〜SROが入力されたときには、トランジスタQ1〜Q6がオン状態になりローレベルの制御信号EVFL〜AVR がソレノイドFLI〜ROに供給され、これにより、常開接点ta及び可動接点tc間が導通している際には、バッテリ30からヒューズF3及びアクチュエータリレー31を介してソレノイドFLI〜ROに励磁電流が供給される。即ち、ハイレベルのソレノイド駆動信号SFLI 〜SROが出力され、制御信号EVFL〜AVR がローレベルとなり励磁電流が供給されたときに、対応するアクチュエータ10FL〜10Rの各流入弁12は閉状態となり、各流出弁13は開状態となる。
【0026】
電圧検出回路27は、図6に示すように、例えばコンパレータで構成された電圧レベル検出回路27a、27bと、一致回路27cと、ソレノイドFLI〜ROのコイル抵抗値に比べて十分大きな抵抗値を有した電圧検出抵抗Ra1〜Ra6と、電動モータ17のコイル抵抗値に比べて十分大きな抵抗値を有した電圧検出抵抗Rbとを有する。トランジスタQ1〜Q6のコレクタ端子から取り出されたソレノイド検出電圧VSFLI〜VSRO は電圧レベル検出回路27aに各々入力され、この電圧レベル検出回路27aの入力端子には一端が接地された電圧検出抵抗Ra1〜Ra6の他端が接続され、電動モータ17及びリレー接点28bの接続点から取り出されたモータ検出電圧VMRが電圧レベル検出回路27bに入力され、この電圧レベル検出回路27bの入力端子には一端が電源ラインに接続された電圧検出抵抗Rbの他端が接続され、電圧レベル検出回路27aの各出力信号VD1〜VD6は一致回路27cに供給され、一致回路27cから出力された各ソレノイド電圧検出値Vsa,Vso及び電圧レベル検出回路27bから出力されたモータ電圧検出値Vmが入力インタフェース23aにそれぞれ供給される。ここで、一致回路27cは6入力端子を有するAND回路27dと同じく6入力端子を有するOR回路27eを備え、AND回路27dはその入力信号が全てハイレベルのときにハイレベルのソレノイド電圧検出値Vsaを出力し、OR回路27eはその入力信号が全てローレベルのときにローレベルのソレノイド電圧検出値Vsoを出力する。
【0027】
この電圧検出回路27は、ソレノイド検出電圧VSFLI〜VSRO 及びモータ検出電圧VMRに基づいて、ソレノイドFLI〜RO及び電動モータ17の断線、短絡等の異常検出を行っている。常開接点ta及び可動接点tc間が導通している場合に、正常状態では、トランジスタQ1〜Q6がオフ状態のときソレノイド検出電圧VSFLI〜VSRO はバッテリ30とほぼ同一電圧のハイレベルになり、一方、トランジスタQ1〜Q6がオン状態のときにソレノイド検出電圧VSFLI〜VSRO はローレベルになる。
【0028】
しかしながら、ソレノイドFLI〜ROの何れかが断線すると、トランジスタQ1〜Q6がオフ状態のときに、電圧検出抵抗Ra1〜Ra6の作用により断線したソレノイドに対応するソレノイド検出電圧VSFLI〜VSRO がローレベルになり、一方、ソレノイドFLI〜ROの何れかに短絡異常が発生するとトランジスタQ1〜Q6がオン状態のときに、トランジスタQ1〜Q6のコレクタ及びエミッタ間の抵抗の作用により、短絡したソレノイドに対応するソレノイド検出電圧VSFLI〜VSRO がハイレベルになる。
【0029】
ソレノイド検出電圧VSFLI〜VSRO は、電圧レベル検出回路27aで所定の閾値電圧と比較され、ハイレベル及びローレベルのソレノイド検出電圧VSFLI〜VSRO に応じてそれぞれ所定のハイレベル及びローレベルの出力信号VD1〜VD6に変換されて、一致回路27cのAND回路27d及びOR回路27eに各々入力される。
【0030】
したがって、AND回路27dの出力信号であるソレノイド電圧検出値Vsaは、トランジスタQ1〜Q6がオフ状態であって、全てのソレノイドが正常状態のときにハイレベルとなり、何れかのソレノイドが断線状態のときにローレベルとなる。一方、OR回路27eの出力信号であるソレノイド電圧検出値Vsoは、トランジスタQ1〜Q6がオン状態であって、全てのソレノイドが正常状態のときにローレベルとなり、何れかのソレノイドが短絡状態のときにハイレベルとなる。これにより、ソレノイドFLI〜ROの断線、短絡等の異常を検出することができる。
【0031】
そして、モータリレー28のリレー接点28bが開放している場合に、電動モータ17が正常状態のときには、大きな抵抗値を有する電圧検出抵抗Rbの存在によりモータ検出電圧VMRはローレベルになるが、断線しているときにはモータ検出電圧VMRはハイレベルになる。また、リレー接点28bが閉じている場合に、電動モータ17が正常状態のときには、モータ検出電圧VMRはハイレベルになるが、短絡しているときにはモータ検出電圧VMRはローレベルになる。
【0032】
モータ検出電圧VMRは、電圧レベル検出回路27bで所定の閾値電圧と比較され、ハイレベル及びローレベルのモータ検出電圧VMRに応じてそれぞれ所定のハイレベル及びローレベルのモータ電圧検出値Vmに変換される。したがって、リレー接点28bの開閉ごとにモータ電圧検出値Vmを検出することにより、電動モータ17の断線、短絡等の異常を検出することができる。
【0033】
また、出力インタフェース23dからは警告信号SD が警告表示回路32に供給され、通常はローレベルの警告信号SD が出力されており、例えばソレノイドFLI〜RO又は電動モータ17に断線、短絡等の異常が検出されたときには、ハイレベルの警告信号SD が出力され、警告表示回路32により例えばインストルメントパネルに設けられた警告灯を点灯しあるいは警告音を発して、異常が発生したことを運転者に知らせる。
【0034】
次に、ソレノイド及び電動モータの機能診断時におけるマイクロコンピュータによる処理手順の一例を図7及び図8のフローチャートに基づいて説明する。
この処理は、イグニッション・スイッチ29が投入されたときの異常検出処理として実行される。
先ず、車両停車中に、ステップS1で、ハイレベルのアクチュエータリレー駆動信号SA を出力し、アクチュエータリレー31をオン状態にしてソレノイドiI,iO(i=FL,FR,R)へ電源電流を供給できるよう準備を行う。次に、ステップS2で、ローレベルのソレノイド駆動信号SiI, iOを出力し、トランジスタQ1〜Q6をオフ状態にしてソレノイドiI,iOに電源電流を供給せず、流入弁12を開状態、流出弁13を閉状態に維持する。次に、ステップS3に移行して、ソレノイド電圧検出値Vsaを読み込む。そして、ステップS4に移行して、ソレノイド電圧検出値Vsaと予め設定された設定電圧値Vrsとを比較して、Vsa>Vrsとなるか否か判定する。トランジスタQ1〜Q6がオフ状態であるにもかかわらずソレノイド電圧検出値Vsaがローレベルとなり、Vsa≦Vrsのときには、何れかのソレノイドiI,iOが断線状態であるとして、ステップS5のフェールセーフ制御処理に移行する。
【0035】
ステップS5では、ともにローレベルのソレノイド駆動信号SiI, iO及びモータ駆動信号SM を出力して、流入弁12を開状態、流出弁13を閉状態、電動モータ17を作動停止状態に設定し、ブレーキペダルの踏み込み量に応じた制動力を発揮させる通常のブレーキ状態を維持させる。また、ローレベルのアクチュエータリレー駆動信号SA を出力して、アクチュエータリレー31を遮断状態にし、アクチュエータ10FL〜10Rに対する電力の供給を遮断する。さらに、警告表示回路32にハイレベルの警告信号SD を出力して警告灯の点灯等を行い、これら一連のフェイルセーフ処理を実行してから処理を終了する。
【0036】
ステップS4で、Vsa>Vrsとなったときには、ソレノイドiI,iOは断線していないとしてステップS6に移行する。ステップS6では、ハイレベルのソレノイド駆動信号SiI, iOを出力して、トランジスタQ1〜Q6をオン状態にしてソレノイドiI,iOに電源電流を供給して励磁電流を流し、流入弁12を閉状態、流出弁13を開状態に維持する。次に、ステップS7に移行して、OR回路27eの出力信号であるソレノイド電圧検出値Vsoを読み込む。
【0037】
そして、ステップS8に移行して、ソレノイド電圧検出値Vsoと設定電圧値Vrsとを比較し、Vso<Vrsとなるか否か判定する。トランジスタQ1〜Q6がオン状態であるにもかかわらずソレノイド電圧検出値Vsaがハイレベルとなり、Vso≧Vrsのときには、何れかのソレノイドiI,iOが短絡状態であるとして、ステップS5のフェールセーフ制御処理に移行する。ステップS8で、Vso<Vrsとなったときには、ソレノイドiI,iOは短絡していないとしてステップS9に移行する。ステップS9では、ステップS2と同様に、ローレベルのソレノイド駆動信号SiI, iOを出力し、流入弁12を開状態、流出弁13を閉状態に保持して、ソレノイドiI,iOの機能診断を終了し、電動モータ17の機能診断を行うためにステップS10に移行する。ステップS1〜S9のソレノイドの機能診断処理が電磁バルブ機能診断手段に対応する。
【0038】
ステップS10では、ローレベルのモータ駆動信号SM を出力し、モータ駆動回路24をオフ状態にしてモータリレー28を開放状態にし、電動モータ17を作動停止状態に維持する。次に、ステップS11に移行して、モータ電圧検出値Vmを読み込み、ステップS12に移行する。
ステップS12では、モータ電圧検出値Vmと予め設定された設定電圧値Vrmとを比較し、Vm<Vrmとなるか否か判定する。Vm≧Vrmのときには、電動モータ17は断線状態であるとして、ステップS5に移行して前述のフェイルセーフ制御処理を実行する。Vm<Vrmのときには、電動モータ17は断線していないとして、ステップS13に移行する。
【0039】
ステップS13では、ハイレベルのモータ駆動信号SM を出力し、モータ駆動回路24をオン状態にし、モータリレー28に励磁電流を供給してリレー接点28bを閉じ、モータリレー28を介して電動モータ17に電源電流を供給して電動モータ17を作動させる。次に、ステップS14に移行して、電動モータ17が作動状態のときのモータ電圧検出値Vmを読み込み、ステップS15に移行する。
【0040】
ステップS15では、モータ電圧検出値Vmと設定電圧値Vrmとを比較して、Vm>Vrmとなるか否か判定する。Vm≦Vrmのときには、電動モータ17は短絡状態であるとして、ステップS5に移行して前述のフェイルセーフ制御処理を実行する。Vm>Vrmのときには、電動モータ17は短絡していないとして、ステップS16に移行する。
【0041】
ステップS16では、初期状態で零にクリアされているモータ駆動時間Tが予め設定された作動時間t1 に達したか否か判定し、判定によりモータ駆動時間Tが作動時間t1 に達していないときにはステップS16aに移行して、時間Tの値を1つ増加してステップS14に戻り、ステップS14,S15の処理を繰り返し、設定された作動時間t1 のあいだ機能診断を行うと共に、電動モータ17を駆動し油圧ポンプ14を作動させてアキュムレータ16に流入した作動液をマスタシリンダ9に戻す。T=t1 となったときにはステップS17に移行する。ここで、作動時間t1 は、電動モータ17及び油圧ポンプ14による作動騒音によって搭乗者に不快感を与えないような時間に設定されている。
【0042】
次に、ステップS17では、ステップS10と同様に、ローレベルのモータ駆動信号SM を出力して、電動モータ17を作動停止状態に保持し、車両停車中における作動時間t1 の電動モータ17の機能診断を終了して、上位のメインプログラムに戻る。
次に、走行開始後の電動モータの機能診断処理の一例を図8に示したフローチャートに基づいて説明する。この処理は、所定時間、例えば10msecごとにタイマ割り込み処理として実行される。
【0043】
先ず、ステップS18で、車速が所定の速度、例えば8km/h以上であるか否か判定する。8km/h未満のときには、電動モータ17を長時間作動させ油圧ポンプ14を回転駆動させることは作動音の発生により搭乗者に不快感を与える恐れがあるので、8km/h以上になるまで待機する。8km/h以上になったときには、ステップS12aに移行する。
【0044】
ステップS12aでは、電動モータ17が断線状態にないか否かの判定を行う。前述したように、ローレベルのモータ駆動信号SM を出力して電動モータ17を作動停止状態に維持し、モータ電圧検出値Vmを読み込み、モータ電圧検出値Vmと設定電圧値Vrmとを比較し、Vm<Vrmとなるか否か判定する。断線状態であるときには、ステップS5に移行して前述のフェイルセーフ処理を実行し、断線状態でないと判定したときには、ステップS19に移行する
ステップS19では、ハイレベルのモータ駆動信号SM を出力し、電動モータ17に電源電流を供給して電動モータ17を作動させる。次に、ステップS20に移行して、モータ電圧検出値Vmを読み込み、ステップS21に移行する。
【0045】
ステップS21では、モータ電圧検出値Vmと設定電圧値Vrmとを比較して、Vm>Vrmであるか否か判定し、電動モータ17が短絡状態でないか否か診断する。車両停車中のステップS15でも同じように短絡の診断を行っているが、ここでは、アキュムレータ16内の流体の吐出と電動モータ17の機能診断を兼ねており、再度の機能診断により安全性の向上を図ることができる。判定の結果、Vm>Vrmのときには、電動モータ17は短絡しておらず、ステップS12aの診断により断線もしていないと判定されているので、電動モータ17は正常状態であるとしてステップS22に移行する。
【0046】
ステップS22では、モータ駆動時間Tが予め設定された作動時間t2 に達したか否か判定し、判定によりモータ駆動時間Tが作動時間t2 に達していないときにはステップS22aに移行して、時間Tの値を1つ増加してステップS20に戻り、ステップS20,S21の処理を繰り返し、設定された作動時間t2 のあいだ機能診断を行うと共に、電動モータ17を駆動し油圧ポンプ14を作動させてアキュムレータ16に流入した作動液をマスタシリンダ9に戻す。ここで、作動時間t2 は、油圧ポンプ14を作動させて、常温時におけるアキュムレータ16内の流体を吐出させるのに十分な値に設定されている。そして、T=t2 となったときにはステップS23に移行し、ローレベルのモータ駆動信号SM を出力して電動モータ17を作動停止状態にして機能診断を終了し、上位のメインプログラムに戻る。
【0047】
ステップS21の判定により、Vm≦Vrmのときには、電動モータ17は短絡状態であるとして、ステップS24に移行する。ステップS24では、ハイレベルのモータ駆動信号SM を出力して電動モータ17を駆動させる。
次に、ステップS25に移行して、再度、モータ電圧検出値Vmを読み込み、ステップS26に移行する。ステップS26では、ステップS21と同様にモータ電圧検出値Vmと設定電圧値Vrmとを比較して、Vm>Vrmであるか否か判定し、電動モータ17が短絡状態でないか否か診断する。Vm≦Vrmのときには、ステップS5に移行して前述のフェイルセーフ処理を実行する。
【0048】
Vm>Vrmのときには、ステップS27に移行し、モータ駆動時間Tが予め設定された作動時間t3 に達したか否か判定し、モータ駆動時間Tが作動時間t3 に達していないときにはステップS27aに移行して、時間Tの値を1つ増加してステップS25に戻り、作動時間t3 に達するまでステップS25,S26を繰り返し、アキュムレータ16内の流体の吐出と機能診断を行う。ここで、作動時間t3 は、作動時間t2 より大きな値に設定されており、例えば、低温の環境下では、走行開始後に瞬間的なバッテリ電圧の低下又は負荷の変動によってモータ電圧検出値Vmが異常と判定される場合があり、このときには、電動モータ17を前回より長時間作動させることにより、流体の粘性抵抗が増大した場合においても、アキュムレータ16内の流体を確実に吐出することができる。
【0049】
そして、ステップS27で、T=t3 となったときにステップS23に移行し、電動モータ17を作動停止状態にして電動モータの機能診断を終了し、上位のメインプログラムに戻る。モータ機能診断手段として、上記のステップS10〜S27のモータ機能診断が実行される。
次に、機能診断の動作を図9及び図10に示すタイムチャートに基づいて説明する。車両停車中に、イグニッション・スイッチIG の投入に伴って、先ず、ソレノイドiI,iOの機能診断を行う。ローレベルのソレノイド駆動信号SiI, iOを出力して、流入弁12が開状態、流出弁13が閉状態のときの機能診断を行い、異常がなければ次に、ハイレベルのソレノイド駆動信号SiI, iOを出力して、流入弁12が閉状態、流出弁13が開状態のときの機能診断を行う。このとき、流出弁13が開状態となることにより、流路内の流体がアキュムレータ16に流入してアキュムレータ16の液量が増加し、流路内が減圧状態になり、流路内の圧を初期状態の圧に戻すために、油圧ポンプ14を作動させてアキュムレータ16内の流体を吐出する必要性が生じる。
【0050】
そして、次に、電動モータ17の機能診断を行う。ローレベルのモータ駆動信号SM を出力して、電動モータ17の断線異常の診断を行い、異常がなければ、ハイレベルのモータ駆動信号SM を作動時間t1 のあいだ出力して、電動モータ17の短絡異常の診断を行う。このときの診断で電動モータ17が駆動され、油圧ポンプ14の回転作動によりアキュムレータ16内の流体が若干吐出される。作動時間t1 は短時間に設定されているので、油圧ポンプ14の回転作動による騒音を低レべルに抑えることができる。
【0051】
さらに、走行を開始して車速が約8km/hに達したときに、停車中と同様に、先ず、ローレベルのモータ駆動信号SM を出力して、電動モータ17の断線異常の診断を行う。そして、異常がなければ、ハイレベルのモータ駆動信号SM を作動時間t2 のあいだ出力して、短絡異常の診断を行うと共に、油圧ポンプ14を回転作動させてアキュムレータ16内の流体を吐出して流路内を初期状態の圧に戻す。ここでの作動時間t2 は作動時間t1 より長時間に設定されているので、アキュムレータ16内の流体を確実に吐出することができる。また、停車中の油圧ポンプ14の作動によりアキュムレータ16内の流体はある程度吐出されているので、走行時における流体を吐出する作動時間t2 は従来より短縮され、走行後の油圧ポンプ14の作動騒音を低減することができる。
【0052】
また、走行開始後の電動モータ17の作動時の機能診断で異常と判定されたときには、図10に示すように、更にもう一度機能診断を行う。停車中の機能診断で正常と判定されている場合には、走行開始後に異常と判定されることは少ないが、例えば、低温の環境下でバッテリ電圧が低下した状態で、走行開始後に車両システム全体に作動電流が供給されることにより更にバッテリ電圧の低下が生じた場合には、異常と判定される場合がある。このように何らかの瞬間的な電圧低下により偶然に異常と判定される場合があるため、再度機能診断を行って正確な判定の向上に努める。このときの作動時間t3 は前回の作動時間t2 より長時間に設定されており、低温の環境下で流体の粘性抵抗が増加しても、アキュムレータ16内の流体は確実に吐出される。
【0053】
次に、上記に示した機能診断で異常と判定されなかったときに、マイクロコンピュータで実行されるアンチスキッド制御の処理手順の一例を図11のフローチャート及び図12の制御マップに基づいて説明する。
この処理は、アクチュエータ10FL〜10Rの何れか一つに対する処理を示しており、所定時間、例えば、10msec毎にタイマ割り込み処理として実行される。
【0054】
先ず、ステップS31で車輪速センサ7iの交流電圧信号に基づく車輪速パルスを読み込む。次に、ステップS32に移行して、車輪の周速度を表す車輪速演算値VWiを算出し、これを所定の記憶領域に更新記憶する。この車輪速演算値VWiの演算処理は、車輪速パルスの単位時間当りのパルス数を計数するか又はパルス間隔を計測した計測値と車輪速センサ7iのロータ7aの歯数Zとから車輪回転数Nを算出し、算出した車輪回転数Nと予め設定された車輪1iの円周長Lとに基づいて車輪速演算値VWiを算出する。
【0055】
次に、ステップS33に移行して、車輪速センサ7iが断線等の異常状態であるか否か判定する。この判定は、例えば制御対象が前左輪1FLのアクチュエータ10FLであるものとしたときには、この車輪速演算値VWFL と他の車輪速演算値VWFR 及びVWRの平均値との差分を演算し、この差分値が予め設定された設定値以上であるか否かを判定することにより行う。車輪速センサ7iに異常があるときには、ステップS39に移行して、異常を表す所定の識別コードを所定の記憶領域に記憶し、次に、ステップS40に移行して、ローレベルのモータ駆動信号SM 及びアクチュエータリレー駆動信号SA を出力して、モータリレー駆動回路24及びアクチュエータリレー駆動回路25を共にオフ状態にする。これにより、モータリレー28及びアクチュエータリレー31は遮断状態となり、電動モータ17及びアクチュエータ10iに対する電力の供給が遮断される。また、警告表示回路32にハイレベルの警告信号SD を出力して警告灯の点灯等を行い、これらのフェイルセーフ処理を実行してから処理を終了する。
【0056】
ステップS33の判定により、車輪速センサ7iが正常であると判定したときには、ステップS34に移行して、所定記憶領域に記憶されている各車輪速演算値VWFL 〜VWRに基づいて疑似車速VWREFを算出し、これを所定の記憶領域に記憶する。この疑似車速VWREFの算出は、通常は各輪の車輪速演算値VWFL 〜VWRのうち最も高い車輪速演算値VWiを選択し(セレクトハイ車輪速VWH)、このセレクトハイ車輪速VWHを疑似車速VWREFとして設定するが、車輪のロック傾向のもとでは、セレクトハイ車輪速VWHが車速を模したものではなくなるので、ロック傾向となった瞬時のセレクトハイ車輪速VWHを初期値とする一定減速勾配の車速を求め、これを疑似車速VWREFとして設定する。そして、ステップS35で、算出した疑似車速VWREFを微分して車輪加減速度αWiを算出する。
【0057】
次に、ステップS36に移行して、次式の演算を行ってスリップ率Siを算出する。
Si=(VWREF−VWi)×100/VWREF …(1)
そして、ステップS37に移行して、スリップ率Siが予め設定されたスリップ率設定値So(例えば15%)未満であるか否か判定する。ここで今、定速走行時であるとすると、Si<Soとなるので、このときには、ステップS38に移行する。
【0058】
ステップS38では、アンチスキッド制御終了条件を満たすか否かを判定する。この判定は、例えばストップランプスイッチ8aがオフ状態である否か、又は車速が零であるか否か等を判定することにより行い、定速走行時では、ストップランプスイッチ8aのスイッチ信号がオフ状態であるので、ステップS41に移行する。
【0059】
ステップS41では、制御フラグASを零に設定する。次に、ステップS42に移行して、ローレベルのソレノイド駆動信号SiI, iOを出力して、アクチュエータ10iに対する制御信号EVi ,AVi をハイレベルにし、且つ、ローレベルのモータ駆動信号SM を出力して、制御信号MRをハイレベルにし、急増圧モードに設定し、所定の上位メインプログラムに戻る。このステップS42では、流入弁12は開状態に、流出弁13は閉状態にそれぞれ制御され、ブレーキペダル8の踏み込みに応じた制動圧を発揮する通常のブレーキ状態となる。このような定速走行状態は、スリップ率Si及び車輪加減速度αWiが零なので、これは、図12の制御マップ中でa点に該当する。
【0060】
そして、定速走行状態からブレーキペダル8を踏み込んで制動開始状態に移行すると、アンチスキッド制御処理は、車輪速センサ7iに異常がないときにはステップS31〜S37を経てステップS38に移行し、ストップランプスイッチ8aのスイッチ信号がオン状態となることによりステップS43に移行する。
ステップS43では、車輪加減速度αWiが予め設定された加速度閾値β以上であるか否か判定する。制動開始状態であるので、αWi<βとなり、ステップS44に移行する。
【0061】
ステップS44では、車輪加減速度αWiが予め設定された減速度閾値α以下であるか否か判定する。前述したように制動開始状態であるので、αWi>αとなり、ステップS45に移行する。
ステップS45では、制御フラグASが零であるか否か判定する。この判定は、アンチスキッド制御を開始したか否かを判定するものであり、前回のアンチスキッド制御終了時点でAS=0と設定しているので、ステップS42に移行し急増圧モードに設定する。これは、図12の制御マップ中でa点とb点の区間に該当する。
【0062】
そして、ブレーキペダル8が更に踏み込まれてマスタシリンダ9の圧力が増加すると、ホイールシリンダ6iの圧力が上昇し、車輪1iに対して制動力が作用するので、車輪速度が低下して減速状態となる。このため、車輪加減速度αWiが減速度閾値αより小さい値となる。このときのアンチスキッド制御処理は、車輪速センサ7iに異常がないときにはステップS31〜S38を経てステップS43に移行し、減速度状態なのでαWi<βとなり、次のステップS44では、αWi≦αとなり、ステップS46の保持モードに移行する。
【0063】
ステップS46では、ハイレベルのソレノイド駆動信号SiIを出力して制御信号EVi をローレベルにし、, ローレベルのソレノイド駆動信号SiOを出力して制御信号AVi をハイレベルにし、且つ、ローレベルのモータ駆動信号SM を出力して制御信号MRをハイレベルにする。これにより、流入弁12及び流出弁13が共に閉状態になり、油圧ポンプ14も停止状態を維持するので、ホイールシリンダ6i内に圧力油が閉じ込められ、シリンダ圧は、高圧側の保持モードになる。これは、図12の制御マップ中でb点とc点の区間に該当する。
【0064】
この高圧側の保持モードにおいても、車輪に対して制動力が作用しているので、車輪加減速度αWiが減少すると共に、スリップ率Siが増加する。このときのアンチスキッド制御処理は、車輪速センサ7iに異常がないときにはステップS31〜S36を経てステップS37に移行し、スリップ率Siがスリップ率設定値So以上になると、ステップS47に移行する。
【0065】
ステップS47では、車輪加減速度αWiが加速度閾値β以上であるか否か判定する。車輪加減速度αWiは減速度となっているので、αWi<βとなり、ステップS48に移行する。ステップS48では、制御フラグを“1”にセットし、ステップS49の減圧モードに移行する。
ステップS49では、ハイレベルのソレノイド駆動信号SiI, iO及びモータ駆動信号SM を出力して、制御信号EVFL〜AVR 及び制御信号MRをローレベルにする。これにより、流入弁12が閉状態、流出弁13が開状態になると共に、油圧ポンプ14が作動状態になり、ホイールシリンダ6i内の圧力油は、流出弁13、油圧ポンプ14及び逆止弁15を介してマスタシリンダ9側に排出され、内圧が減少する。これは、図12の制御マップ中でc点に該当する。
【0066】
この減圧モードになると、車輪に対する制動力が緩和されるが、車輪速演算値VWiは暫くは減少状態を維持する。このため、図12の制御マップに示すように、車輪加減速度αWiは更に負の方向に減少すると共に、スリップ率Siは増加傾向を継続し、図中、d点に達する。その後、車輪速演算値VWiの減少率が低下し、更に減少が停止すると、車輪加減速度αWiは、図中、e点に示すように零になる。
【0067】
その後、車輪速演算値VWiは増速状態に移行し、これに応じて車輪加減速度αWiが正方向に増加する。減圧モードは、車輪加減速度αWiが加速度閾値β以上となるかスリップ率Siがスリップ率設定値So以下となるまで継続され、車輪速センサ7iに異常がないときにはステップS31〜S36を経てステップS37に移行し、ステップS37でSi≧Soを維持しているときにはステップS47に移行し、車輪加減速度αWiが加速度閾値β以上となったときに、ステップS46の低圧側の保持モードに移行する。これは、図12の制御マップ中でf点に該当する。
【0068】
この低圧側の保持モードは、前述の高圧側の保持モードと同様に、流入弁12及び流出弁13が共に閉状態になり、シリンダ圧は直前の圧力に保持される。これは、図12の制御マップ中でf点とh点の区間に該当する。
そして、スリップ率Siがスリップ率設定値So未満となるg点で、ステップS31からステップS38を経てステップS43に移行し、αWi≧βであるので、ステップS46の保持モードを継続する。
【0069】
低圧側の保持モードにおいても、車輪に対しては制動力が作用しているので、車輪速演算値VWiの増加率は徐々に減少し、車輪加減速度αWiが加速度閾値β未満に移行するh点で、、ステップS31からステップS38及びステップS43を経てステップS44に移行する。ステップS44では、αWi>αであるので、ステップS45に移行し、制御フラグASは減圧モード時に“1”にセットしているのでAS=1となり、緩増圧モードのステップS50に移行する。
【0070】
ステップS50では、ハイレベルとローレベルを交互に所定周期で繰り返す制御信号EVi を出力するソレノイド駆動信号SiIを出力すると共に、ハイレベルの制御信号AVi を出力するソレノイド駆動信号SiOを出力し、且つ、ローレベルのモータ駆動信号SM を出力して制御信号MRをハイレベルにする。これにより、流入弁12は開閉状態を繰り返し、流出弁13は閉状態、電動モータ17は作動停止状態となり、マスタシリンダ9からの圧力油が間欠的にホイールシリンダ6iに供給されて、ホイールシリンダ6iの内圧が緩やかに増圧される。
【0071】
この緩増圧モードでは、車輪1iに対する制動力が徐々に増加し、車輪速演算値VWiが低下して減速状態となる。その後、車輪加減速度αWiが減速度閾値α以下となると、ステップS31からステップS38及びステップS43を経てステップS44に移行し、αWi≦αであるので、ステップS46に移行し高圧側の保持モードとなる。
【0072】
その後、スリップ率Siが設定スリップ率So以上になると、ステップS31からステップS37を経てステップS47に移行し、αWi<βであるので、ステップS48を経て、ステップS49の減圧モードに移行する。この後、低圧保持モード、緩増圧モード、高圧側保持モード、減圧モードが繰り返され、アンチスキッド効果を発揮することができる。
【0073】
ここで、車速がある程度低下したときには、図12の点線図示のように、減圧モードにおいてスリップ率Siが設定スリップ率So未満に回復する場合があり、このときには、ステップS31からステップS38、及びステップS43,S44,S45を経て、ステップS50の緩増圧モードに移行することになる。また、車両が停止近傍の速度になったとき等の制御終了条件を満足する状態となったときには、ステップS38で制御終了と判断されるので、ステップS41に移行して、AS=0とセットしてからステップS42の急増圧モードに移行し、アンチスキッド制御を終了する。
【0074】
次に、全体の動作を説明する。停車中には、イグニッション・スイッチの投入によりソレノイドiI,iO及び電動モータ17について作動状態における短絡、断線等の電気的機能診断と、油圧ポンプ14の回転作動とが行われ、異常状態にあると診断されたときにはアンチスキッド制御は停止され、通常のブレーキ作動状態に保持される。機能に異常がないと診断されたときには、走行開始後に再び電動モータ17の短絡等の機能診断及び油圧ポンプ14の回転作動が行われ、異常と診断されたときには更に電動モータ17の機能診断が行われ、このとき異常と診断されたときにはアンチスキッド制御は停止され、異常なしと診断されたときには、アンチスキッド制御が実行される。
【0075】
このように、本実施例の機能診断時においては、停車中に、電動モータを作動させて電気的機能診断を行っているので、電動モータに異常が発生している場合には、車両走行前の早期に運転者に対してアンチスキッド制御装置の異常警告を行うことができる。また、停車中及び走行開始後に、電動モータを作動させてアキュムレータ内の流体を吐出しており、停車中の電動モータの作動では吐出できなかった残余流体を走行開始後に吐出しているため、停車中の作動時間を短時間に設定することができ、騒音レベルの低い環境下における作動音の発生時間が短縮され騒音等を低減することができる。
【0076】
そして、走行開始後にも機能診断を行っているため、走行中の実作動状態での異常検出を行うことができ、安全性の向上を更に達成することができる。
また、走行開始後の機能診断で異常と判定されたときには、再度機能診断を行っているため、瞬間的なバッテリの電圧低下や負荷電流変動等に起因する判断の誤りを排除することができ、信頼性の高いアンチスキッド制御装置を提供することができる。さらに、走行開始後の再度の機能診断では、前回より長時間電動モータを作動させており、低温の環境下で流体の粘性抵抗が増大しても、アキュムレータ内の残余流体を確実に吐出することができる。
【0077】
なお、上記実施例の電動モータの機能診断においては、電動モータの非駆動時及び駆動時で機能診断を行っているが、これに限定することなく、駆動時に、電動モータのモータ電圧検出値Vmが、ローレベルからハイレベルに反転するトリガ電圧を検出することにより電動モータの正常・異常を判定してもよい。また、電動モータの端子電圧を検出して機能診断を行っているが、電動モータに流れる電流を検出し、例えば、電流検出値が予め設定した値の範囲内にあるか否か判定することにより診断を行ってもよい。
【0078】
また、上記実施例の図7及び図8に示すフローチャートにおいては、ステップS16,S22,及びS27で、作動時間Tがそれぞれ設定値t1,2,3 に達するまで、短絡異常の機能診断を繰り返しているが、機能診断は繰り返さずに1回のみ行い、各ステップS16,S22,S27のところで設定値に達するまで待機するような処理手順にして、電動モータの作動時間を設定するようにしてもよい。
【0079】
また、上記実施例の電動モータの機能診断においては、走行開始後の機能診断で異常と判定されたときに更に1回機能診断を行っているが、異常と判定されたときには機能診断に要する時間の許すかぎり何回でも機能診断を行ってよく、回数を増やすことにより確実にアキュムレータ内の流体を吐出することが可能になる。
【0080】
また、上記実施例のソレノイドの機能診断においては、全てのソレノイドを同時にオン/オフさせているが、各ソレノイドを個別にオン/オフさせて各ソレノイド毎に機能診断を行ってもよい。
また、上記実施例においては、後輪側の車輪速を共通の車輪速センサで検出する3チャンネルアンチスキッド制御装置の場合についてのみ詳述したが、これに限定することなく、後輪側の左右輪についても個別に車輪速センサを設け、これに応じて左右のホイールシリンダに対して個別のアクチュエータを設ける、所謂4チャンネルアンチスキッド制御装置にも展開可能である。
【0081】
また、上記本実施例においては、車速を検出するために、車輪速から得られる疑似車速を用いたが、変速機構の出力軸の回転数から車速を得るとか、加速度センサからの加速度値を積分するなどして、適宜検出又は算出して得られたものを用いてよい。
また、上記実施例においては、コントローラ21としてマイクロコンピュータを適用した場合について説明したが、マイクロコンピュータに代わりに、比較回路、論理回路、演算回路等の電子回路を組み合わせて構成してもよい。
【0082】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1に記載の発明においては、停車中及び走行開始後にポンプ用電動モータを作動させるモータ機能診断手段を備え、このモータ機能診断手段によって、停車中にポンプ用電動モータの作動時の電気的機能診断を作動騒音によって搭乗者に不快感を与えないような時間行い、走行開始後にもポンプ用電動モータを作動させて電磁バルブの電気的機能診断中にアキュムレータに流入した流体を吐出している。これにより、ポンプ用電動モータに電気的異常が発生している場合には、車両走行前の早期に運転者に対してアンチスキッド制御装置の異常警告を行うことができる。また、電気的異常が発生していない場合には、停車中のポンプ用電動モータの作動では十分に吐出できなかったアキュムレータ内の残余流体を走行開始後に吐出しているため、停車中の作動時間を短時間に設定することができ、騒音レベルの低い環境下における作動音の発生時間が短縮され、搭乗者に不快感を与える騒音、振動等を低減することができる。
【0083】
そして、請求項2に記載の発明においては、走行開始後に、停車中より長時間ポンプ用電動モータを作動させると共に電気的機能診断も行うモータ機能診断手段を備えている。これにより、請求項1に記載した効果を有する他に、さらに、走行開始後に再度電気的機能診断を行っているため、走行中の実作動状態で異常検出を行うことができ、安全性の向上を更に達成することができる。
【0084】
また、請求項3に記載の発明においては、走行開始後でのポンプ用電動モータの電気的機能診断で異常と判定したときに、更にポンプ用電動モータ作動電流を供給して電気的機能診断を行うモータ機能診断手段を備えている。これにより、請求項2に記載した効果を有する他に、さらに、停車中の電気的機能診断では正常と判定されたにもかかわらず走行開始後に異常と判定した場合に再度電気的機能診断が実行され、バッテリの電圧低下や負荷電流変動等に起因する判定の誤りを是正でき、信頼性の向上を図ることができる。
【0085】
さらに、請求項4に記載の発明においては、走行開始後でのポンプ用電動モータの電気的機能診断で異常と判定したときに、さらにポンプ用電動モータに前回より長時間作動電流を供給して電気的機能診断を行うモータ機能診断手段を備えている。低温の環境下ではバッテリ電圧が低下し、走行開始後に瞬間的なバッテリ電圧の低下によってポンプ用電動モータが偶然に異常と判定された場合には、再度の電気的機能診断で正常と判定されることがある。本発明では、走行開始後の再度の電気的機能診断で前回より長時間ポンプ用電動モータを作動させることにより、請求項3に記載した効果を有する他に、再度の電気的機能診断で正常と判断されたときに、低温の環境下で流体の粘性抵抗が増大しても、アキュムレータ内の残余流体を確実に吐出することが可能となり、走行開始後の通常のブレーキ圧に支障をきたすことは回避される。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1の発明に係るクレーム対応図である。
【図2】本発明に係るアンチスキッド制御装置の一実施例を示す概略構成図である。
【図3】アクチュエータの一例を示す構成図である。
【図4】車速センサの一例を示す説明図である。
【図5】本実施例に係る制御回路のブロック図である。
【図6】本実施例に係るソレノイド駆動回路及び電圧レベル検出回路の一例を示すブロック図である。
【図7】本発明に係る機能診断制御の一実施例を示すフローチャートである。
【図8】本発明に係る機能診断制御の一実施例を示すフローチャートである。
【図9】本実施例に係る機能診断処理時のタイムチャートである。
【図10】本実施例に係る走行開始後の機能診断を示すタイムチャートである。
【図11】アンチスキッド制御処理を示すフローチャートである。
【図12】アンチスキッド制御の制御マップを示す説明図である。
【符号の説明】
1FL,1FR 前輪
1RL,1RR 後輪
6FL〜6RR ホイールシリンダ
7FL〜6RR 車輪速センサ
10FL,10FR 前輪側アクチュエータ
10R 後輪側アクチュエータ
12 流入弁
13 流出弁
14 油圧ポンプ
16 アキュムレータ
17 電動モータ
21 コントローラ
24 モータリレー駆動回路
25 アクチュエータリレー駆動回路
26 ソレノイド駆動回路
27 電圧検出回路
28 モータリレー
31 アクチュエータリレー
FLI〜RO ソレノイド

Claims (4)

  1. 少なくとも電磁バルブ、アキュムレータ、アキュムレータ内の流体を吐出させるポンプ、及びポンプ用電動モータを有し各車輪に配設された制動用シリンダの流体圧を制御するアクチュエータと、車輪の回転速度に応じた出力信号を出力する車輪速検出手段と、該車輪速検出手段の出力信号に基づいて前記アクチュエータの作動を制御する制御手段と、停車中の所定時に前記電磁バルブを所定の時間作動させて当該電磁バルブの機能診断を行う電磁バルブ機能診断手段と、を備えるアンチスキッド制御装置において、
    停車中に前記ポンプ用電動モータを作動騒音によって搭乗者に不快感を与えないような短時間作動させて当該ポンプ用電動モータの電気的機能診断を行い、該電気的機能診断の診断結果が正常である場合、走行開始後に少なくとも1回前記ポンプ用電動モータを、前記電磁バルブの機能診断時に流入した前記アキュムレータ内の残余流体を吐出可能な所定時間作動させるモータ機能診断手段を備えたことを特徴とするアンチスキッド制御装置。
  2. 前記モータ機能診断手段は、走行開始後に、停車中より長時間前記ポンプ用電動モータを作動させて前記アキュムレータ内の残余流体吐出、前記ポンプ用電動モータの電気的機能診断とを兼ねて行うことを特徴とする請求項1記載のアンチスキッド制御装置。
  3. 前記モータ機能診断手段は、走行開始後における前記ポンプ用電動モータの電気的機能診断で異常と判定したときに、更に前記ポンプ用電動モータに所定の時間作動電流を供給し、当該ポンプ用電動モータの電気的機能診断を行うことを特徴とする請求項2に記載のアンチスキッド制御装置。
  4. 前記モータ機能診断手段は、走行開始後における前記ポンプ用電動モータの電気的機能診断で異常と判定したときに、再度前回より長い時間前記ポンプ用電動モータに作動電流を供給して電気的機能診断を行うことを特徴とする請求項3に記載のアンチスキッド制御装置。
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