JP3759976B2 - 水中溶存有機ハロン除去方法 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、中空糸膜モジュールを用いて水中に溶存している有機ハロンを除去する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の中空糸膜を使用したモジュールのほとんどは、中空糸を直線状に引き揃え両端をポッティング剤により支持固定したものである。また、中空糸膜をスダレ編み等シート状物に加工し、それを積層または巻き取ってモジュールを作製する方法が、特開昭58−155862号、実開昭61−18143号、特開昭63−236502号、特開平2−102660号、実開昭61−125183号、特開昭62−57965号等、各公報で提案されている。
【0003】
従来の溶存ガス除去方法としては、溶液の入った容器を減圧する方法や、薬品処理により溶存ガスを除去する方法および装置が知られている。しかし、この様な装置では、溶存ガスの完全除去が困難で且つ除去時間が長いなどの問題がある。この点から、最近では疎水性の多孔膜を用いた溶存ガス除去装置が提案されている(特開昭62−42707号公報)。また、均質層をその両側から多孔質層で挟み込んだ三層構造の複合中空糸膜を用いて溶存ガスを除去する方法も知られている(実開平3−7908号、特開昭3−169303号公報)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来の中空糸膜モジュールは、容器内に配置される中空糸膜が直線的に配置され、しかもその中空糸膜はその両端のみがポッティング剤で固定されるものなので、中空糸膜長が長くなるとたるみ易く、これにより製造が困難になり、また中空糸膜に欠陥も生じ易い。たるみを防止する従来技術として、例えば容器内に集束板を配置し、集束板にあけられた孔に中空糸膜を通してある程度固定する方法がある。しかし、この様なモジュールは作製が困難であり、更には集束板と中空糸膜との擦れにより欠陥が生ずる等、根本的な解決にはなっていない。また、他の従来技術として、側面に開口部を有するパイプにより中空糸膜を集束しモジュールを作製する方法がある。しかし、中空糸膜を傷付けること無くパイプに中空糸膜を挿入することは困難であり、充填率が低下するばかりでなく、中空糸膜外表面を流れる流体にチャネリングが発生するといった欠点がある。
【0005】
更に、中空糸膜を直線的に配置し容器内に充填する従来の中空糸膜モジュールでは、中空糸膜同士が線状に接触するので接触部分が大きく膜面が有効に利用されないという問題もある。膜面利用率を向上させるには中空糸膜の充填率を低下させ中空糸膜同士の接触部分を減少させればよいが、この場合容器が大型になってしまう。一方、従来技術として、中空糸膜の編み地等のシート状物を用い、編み糸である経糸で中空糸膜間に一定の空間を形成して膜面を有効に利用した中空糸膜モジュールもある。しかし、織機または経糸等により中空糸を傷付けること無くシート状物を作製するのは困難であり、また中空糸膜間に経糸を配するので中空糸膜同士の間隔が広がり充填率が低下してしまう。
【0006】
更に、シート状に加工した中空糸膜を用いる従来の中空糸膜モジュールでは、中空糸膜をカセ取りまたはスダレ編み等の加工によりシート状物とし、それを巻き取りまたは積層して製造しているので、製造工程が複雑で、作業効率が良くない。
【0007】
中空糸膜モジュールを用いて水中溶存有機ハロンを除去するには、中空糸膜のガス側の有機ハロンガス分圧を水中の有機ハロンガス分圧以下にしなければならない。この為の方法として、真空ポンプを用いて減圧する減圧法、不活性ガス等有機ハロンガスを含まないガスを吸気または送気する換気法がある。しかし、減圧法では、有機ハロンの様に水との相互作用の強い物質は飽和水蒸気圧以上の減圧度では有効に除去できない。また換気法では、換気量が少ないと充分な水中溶存有機ハロン除去性能を示すことがなく、必要以上の換気能力を持つ吸気(または送気)ポンプ等の換気手段を使用した場合、除去効率上無駄であり、更に装置が大型化する。
【0008】
本発明の目的は、中空糸膜長が長くてもたるみが発生せず、中空糸膜の膜面利用率も高く、かつ簡易に製造できる中空糸膜モジュールを用いて水中に溶存している有機ハロンを除去する方法を提供することにある。
【0009】
本発明の他の目的は、効率的かつ簡易な水中溶存有機ハロン除去方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の水中溶存有機ハロン除去方法は、多孔状中空芯部材に中空糸膜をクロスワインディングしてなる中空糸膜巻体を備え、該中空糸膜の中空部に連通する空間と該中空糸膜の外表面および該多孔状中空芯部材の中空部に連通する空間とを該中空糸膜を境膜として隔離してなる中空糸膜モジュールを用い、前記中空糸膜の中空部に連通する空間と該中空糸膜の外表面および該多孔状中空芯部材の中空部に連通する空間とのうちの何れか一方の空間に導入する処理水の量の50倍〜200倍の流量で、他方の空間のガスを換気することを特徴とする。
【0012】
本発明の中空糸膜モジュールは、多孔状中空芯部材に一本または複数本の中空糸膜をクロスワインディングしてなる中空糸膜巻体を有している。ここでクロスワインディングとは、中空糸膜が層状に積層され、それぞれの層は隣合う層と中空糸膜の軸方向が交差するよう規則的に積層されていることをいう。
【0013】
この様にクロスワインディングされている中空糸膜は、従来の直線的に配置された中空糸膜と比較して、モジュール作製時等において糸がたるまないので、たるみによる糸切れや糸からみ等の問題が生じない。また、従来カセ取り法による直線配置型中空糸膜と比較して、中空糸膜が均一に配置されているので、中空糸外表面を流れる流体のチャネリングが生じ難い。更には、螺旋状に中空糸膜を配置するので、糸長を更に長くでき除去性能も向上できる。また更には、中空糸膜が螺旋状に規則的にからんだ状態であるので、モジュール内の中空糸膜は安定し、運搬時や使用時等に糸の擦れが少なく、糸切れ等が生じ難く、リークの問題が生じない。
【0014】
中空糸膜をクロスワインディングするには、紡糸や紡績等で一般的に用いられるワインダーを使用すればよい。ワインディングの際には、中空糸膜がつぶれる事が無い様に、テンションや巻き速度を適宜設定すればよい。この中空糸膜巻体は、ワインダーにより多孔状中空芯部材に中空糸膜を巻き取るだけの加工で製造でき、容器にそのまま収納しモジュールとして加工できる。即ち、本発明の中空糸モジュールは、カセ取り等の加工や積層等が必要な従来のモジュール製造法と比較して、簡易かつ作業効率良く製造できる。
【0015】
本発明における中空糸膜として、細孔径が0.05μm以下の疎水性多孔質膜を用いることもできるが、長時間使用すると水蒸気が漏れてしまい、その結果水が多孔質膜から漏れてしまう危険性がある。
【0016】
したがって、本発明における中空糸膜としては、図3に例示する様な、均質層31をその両側から多孔質層32で挟み込んだ三層膜構造の複合中空糸膜を用いることが望ましい。この均質層31の膜厚は通常8μm以下であり、多孔質層32は補強機能も受け持つ。
【0017】
多層複合中空糸膜30の水蒸気透過速度は3×10-3(cm3 (STP)/cm2 ・sec・cmHg)以上の性能を有することが好ましく、クロロホルム透過速度は1×10-3(cm3 (STP)/cm2 ・sec・cmHg)以上の透過性を有することが好ましい。この水蒸気透過速度が低過ぎ、またはクロロホルム透過速度が低過ぎると、水中に溶存する有機ハロンが複合中空糸膜を透過する速度が遅過ぎ、効率的に有機物を除去できない傾向にある。
【0018】
多孔質層32を形成する素材としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ3−メチルブテン−1、ポリ4−メチルペンテン−1等のポリオレフィン;フッ化ビニリデン、ポリテトラフロロエチレン等のフッ素系ポリマー;ポリスルフォン;ポリエーテルエーテルケトン;ポリエーテルケトン等の各種ポリマーを使用できる。結晶性のポリマーであるポリオレフィンは、容易に多孔質形成が可能な点において好ましい。
【0019】
均質層層31に用いられる素材としては、セグメント化ポリウレタン;シリコン系ポリマー;低密度ポリエチレン、ポリ4−メチルペンテン−1等のポリオレフィン;ポリアクリルアミド等が考えられるが、これらのうち有機ハロンと親和性の高いポリマーが好ましい。
【0020】
この様な多層複合中空糸膜30は、例えば特公平3−44811号公報等に記載された方法、即ち、多重円筒形の紡糸ノズルを用いて均質層31を形成するポリマーと多孔質層32を形成するポリマーとを交互に配置し溶融紡糸し、次いで均質層31を多孔質化することなく多孔質層32だけを多孔質化する条件で延伸する方法により製造できる。この様な多層複合中空糸膜は、水中溶存有機物、なかでも気/液平衡における気相の濃度が高い揮発性の有機物が効果的に除去できる。揮発性の有機物の中でも、特に極性の強い有機ハロンが均質層31に通常用いられる高分子素材と親和性が高く効率的に除去できるので、本発明に特に有用である。
【0021】
また、本発明の中空糸膜モジュールは、好ましくは、中空糸膜の中空部に連通する空間と該中空糸膜の外表面および該多孔状中空芯部材の中空部に連通する空間とのうちの何れか一方の空間に、水を導入するための導入口と導出するための導出口を有し、他方の空間のガスを換気するための排気口と吸気口を有する。
【0022】
本発明の水中溶存有機ハロン除去方法は、以上説明した本発明の中空糸膜モジュールを用いる事と、中空糸膜の中空部に連通する空間と該中空糸膜の外表面および該多孔状中空芯部材の中空部に連通する空間とのうちの何れか一方の空間に導入する処理水の量の50倍〜200倍の流量で、他方の空間のガスを換気することを特徴とする。本発明の方法によれば、本発明の中空糸膜モジュールを用いるので簡易かつ良好に有機ハロンを除去でき、また同時に換気量を上記特定範囲にすることによって、水の処理量に合わせて効率よく除去性能を発揮する排気能力を有する吸気ポンプあるいは送風機を選定でき、これにより無駄なく小型の装置を設計することもできる。
【0023】
換気量が水の処理量の5倍以下の場合は、中空糸膜を透過する有機ハロンガスおよび水蒸気が充分に排気されずに有機ハロンガスが気相側周辺に存在したままとなるので、液相と気相との有機ハロンガス分圧差が発生せず充分な有機ハロン除去性能を発揮することができない。また、水蒸気の排気が不充分だと凝縮水として気相側に蓄積し、有効膜面積を低下させるので除去性能に悪影響を与え、同時に凝縮水中に雑菌等が繁殖し排気ガス中に飛散する危険性がある。一方、水の処理量の200倍以上で換気する場合は、相当の大きさの送(排)気装置を用いなければならず装置の大型化や騒音といった問題点があるばかりでなく、必要以上の換気を長時間行うことは空気中に浮遊する塵芥が中空糸膜表面に付着し有効膜面積を低下させる原因となる。
【0024】
水の処理量の50倍〜200倍の流量で換気する換気手段としては、送風機または吸気ブロワ等が挙げられる。また、小型で吸気力の強い真空ポンプを使用しても構わない。真空ポンプの種類は油回転型、水封式、ダイヤフラム型等があるが、なかでも取扱いが簡便で小型のダイヤフラム型真空ポンプが好ましい。
【0025】
以下、図1および図2を参照しつつ、本発明の中空糸膜モジュールを更に詳細に説明する。図1は、本発明の水中溶存有機ハロン除去中空糸膜モジュールの一態様を示す模式図である。図2は、図1のモジュールに用いた中空糸膜巻体の模式的部分断面図である。
【0026】
図1に示す中空糸膜モジュールにおいて、容器1の内部には中空糸膜巻体4が垂直に配置され、その両端部がポッティング剤5により支持固定されている。中空糸膜巻体4は、図2に示す様に、多孔状中空芯部材6に一本または複数本の中空糸膜3をクロスワインディングしてなる。この多孔状中空芯部材6は、例えばパイプ状の中空部材の側面に多数の孔を設け、この孔によって流体の通過を可能としたものである。
【0027】
モジュールの上部には導入口7が設けられ、下部には導出口8が設けられている。導入口7は、溶存有機ハロンを含む水(処理前の水)をモジュール内に導入するための開口である。導出口8は、溶存有機ハロンを除去した後の水(処理後の水)をモジュール外に導出するための開口である。なお、以下の説明においては、上述の処理前および処理後の水を水溶液と総称する。
【0028】
容器1の周壁には複数の吸気口2が設けられている。この吸気口2はモジュール内に外気を吸い込むための開口である。モジュールの上部において、多孔状中空芯部材6は、上側のポッティング剤5と導入口7を有するキャップ10を貫通する脱有機ハロンガスおよび水蒸気口9に接続されてなる。モジュールの下部において、多孔状中空芯部材6は、上側のポッティング剤5と導出口8を有するキャップ11が設けられている。
【0029】
図1のモジュールにおいて、多数本の中空糸膜3,3,・・3の中空部に連通する空間とは、導入口7、空間AおよびB、中空糸膜3内の中空部、空間C、導出口8の順で連通する空間であり、この空間に処理すべき水溶液が流される。一方、多数本の中空糸膜3,3,・・3の外表面および多孔状中空芯部材6の中空部に連通する空間とは、吸気口2、中空糸膜巻体4の外側、空糸膜3の外表面、多孔状中空芯部材6の孔、多孔状中空芯部材6の中空部、脱有機ハロンガスおよび水蒸気口9の順で連通する空間であり、この空間に換気ガスが流される。この両空間は境膜としての中空糸膜以外の部分では完全に隔離されており、両空間を移動できるのは、中空糸膜を通過する有機ハロンガスおよび水蒸気である。
【0030】
即ち水溶液は、導入口7から導入され、導入口7からポッティング剤5端面とキャップ10より構成される空間AおよびB(AおよびBは互いに連通する空間である。)に導入され、中空糸膜3内の中空部を通り、この中空部を通る際に水中に溶存する有機ハロンが中空糸膜の外側の空間に移動する。そして、有機ハロンが除去された水溶液は、ポッティング剤5とキャップ11より構成される空間Cに至り、導出口8より導出される。
【0031】
また同時に、中空糸膜3の外側における有機ハロンガス分圧を水中の有機ハロンガス分圧以下にする目的で、中空糸膜3の外側の空間を換気する。この換気においては、外気を吸気口2より吸い込み、中空糸膜巻体4の外側から中空糸膜3の外表面、多孔状中空芯部材6の孔、多孔状中空芯部材6の中空部、脱有機ハロンガスおよび水蒸気口9の順で通気し、排気される。この外気が中空糸膜3の外表面を通る際に、前述した水中から除去された有機ハロンが水蒸気と共に移行し、有機ハロンおよび水蒸気が含まれた外気が脱有機ハロンガスおよび水蒸気口9より排気される。
【0032】
なお、図1のモジュールにおいて、外気を吸い込む吸気口4(または脱有機ハロンガスおよび水蒸気口9)を水溶液の導入口(または水溶液の導出口)とし、水溶液の導入口7(または水溶液の導出口8)を外気を吸い込む吸気口(または脱有機ハロンガスおよび水蒸気口)として用いることも可能である。
【0033】
【実施例】
以下、本発明を実施例に基づき更に詳細に説明する。
【0034】
<中空糸膜の製造例1>
同心円状に配置された3つの吐出口を有する中空糸膜製造用ノズルに対し、内層と外層に供給するポリマー素材として高密度ポリエチレン(三井石油化学社製、商品名Hizex2200j)を、中間層に供給するポリマー素材としてセグメント化ポリウレタン(Thermedics Ink. 製、商品名 TecoflexEG80A)を用い、吐出温度165℃、巻き取り速度180m/分で紡糸した。得られた中空糸未延伸糸を100℃で1時間アニール処理した。次いで、アニール処理糸を室温下で80%延伸し、引き続き105℃に加熱された加熱炉中で熱延伸倍率130%になるまで熱延伸を行って、複合中空糸膜を得た。
【0035】
得られた複合中空糸膜は、図3に示した様な三層構造からなり、内径は200μmであり、最内層から各々、25μm厚の多孔質層32、1μm厚の均質層31、30μm厚の多孔質層32が同心円状に配されていた。この多孔質層32の表面を走査型電子顕微鏡により観察したところ、幅0.06〜0.09μm、長さ0.1〜0.5μmのスリット状の孔が形成されていることが確認できた。また、この複合中空糸膜の水蒸気透過速度は8×10-3(cm3 (STP)/cm2 ・sec・cmHg)であり、クロロホルム透過速度は2×10-3(cm3 (STP)/cm2 ・sec・cmHg)であった。
【0036】
<実施例1>
製造例1で得た複合中空糸膜を用い、図1に示した中空糸膜モジュールを作製した。
【0037】
水処理量を1.0リットル/分または2.0リットル/分とし、換気量を水処理量の1〜400倍に変化させ、水中溶存有機ハロンとしてクロロホルムを50ppb含んだ水溶液を処理した。なお、モジュールの膜面積は3m2 であった。処理後の水溶液中に含まれるクロロホルム濃度を測定し、下記式に従いクロロホルムの除去率を計算した。
【0038】
クロロホルム除去率(%)={1−(Ci−Co)/Ci}×100
Ci:モジュールに入る水溶液中に含まれるクロロホルム濃度
Co:モジュールから出る水溶液中に含まれるクロロホルム濃度
この評価結果を下記表1に示す。
【0039】
<比較例1>
製造例1で得た複合中空糸膜を多孔状中空芯部材6には巻付けず、芯部材6の周囲に垂直方向に直線的に配置した以外は実施例1と同様のモジュールを作製した。このモジュールを用いて、実施例1と同様にクロロホルムの除去率を計算した。その結果を下記表1に示す。
【0040】
【表1】
表 1
表1に示す様に、実施例1のモジュールは比較例1のものと比較して、クロロホルムを効率的に除去できた。また、換気量を、水処理量の10倍〜200倍とした場合に特に優れた結果が得られた。
【0041】
【発明の効果】
以上説明した様に、本発明の水中溶存有機ハロン除去用中空糸膜モジュールは、中空糸膜がクロスワインディングされているので、中空糸膜長が長くてもたるまない。したがって、モジュール作製時の糸のたるみ等による糸切れや糸のからみ等が発生せず、欠陥が生じ難いモジュールである。また、中空糸外表面を流れる流体のチャネリングも生じ難く、有機ハロンの除去性能も高く、更にはモジュール内の中空糸膜は安定しているので、運搬時や使用時等に糸の擦れが少なく問題が生じ難い。しかも、本発明の中空糸膜モジュールは、紡糸や紡績等で一般的に用いられるワインダーを利用することによって簡易に製造できる。
【0042】
また、本発明の水中溶存有機ハロン除去方法は、本発明の中空糸膜モジュールを用いるので簡易かつ良好に有機ハロンを除去でき、また同時に換気量を特定範囲にすることによって、効率的に実施でき、装置の小型化も達成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の水中溶存有機ハロン除去中空糸膜モジュールの一態様を示す模式図である。
【図2】図1のモジュールに用いた中空糸膜巻体の模式的部分断面図である。
【図3】複合中空糸膜の模式図である。
【符号の説明】
1 容器
2 外気を吸い込む吸気口
3 中空糸膜
4 中空糸膜巻体
5 ポッティング剤
6 多孔状中空芯部材
7 水溶液の導入口
8 水溶液の導出口
9 脱有機ハロンガスおよび水蒸気口
10、11 キャップ
30 多層複合中空糸膜
31 均質膜
32 多孔質膜
Claims (2)
- 多孔状中空芯部材に中空糸膜をクロスワインディングしてなる中空糸膜巻体を備え、該中空糸膜の中空部に連通する空間と該中空糸膜の外表面および該多孔状中空芯部材の中空部に連通する空間とを該中空糸膜を境膜として隔離してなる中空糸膜モジュールを用い、前記中空糸膜の中空部に連通する空間と該中空糸膜の外表面および該多孔状中空芯部材の中空部に連通する空間とのうちの何れか一方の空間に導入する処理水の量の50倍〜200倍の流量で、他方の空間のガスを換気することを特徴とする水中溶存有機ハロン除去方法。
- 前記中空糸膜は、均質層をその両側から多孔質層で挟み込んだ三層膜構造の複合中空糸膜であり、前記均質層を構成する素材の水蒸気透過速度が3×10-3(cm3 (STP)/cm2 ・sec・cmHg)以上であり、クロロホルム透過速度が1×10-3(cm3 (STP)/cm2 ・sec・cmHg)以上である請求項1記載の水中溶存有機ハロン除去方法。
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JP05862295A JP3759976B2 (ja) | 1995-03-17 | 1995-03-17 | 水中溶存有機ハロン除去方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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JPH08252437A JPH08252437A (ja) | 1996-10-01 |
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- 1995-03-17 JP JP05862295A patent/JP3759976B2/ja not_active Expired - Lifetime
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