JP3759772B2 - アクリルアミド誘導体及びその製造方法 - Google Patents
アクリルアミド誘導体及びその製造方法 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は抗菌、抗腫瘍活性を有する新規アクリルアミド誘導体、その光学活性体並びにそれらの薬理学上許容される塩に関する。
【0002】
【従来の技術】
抗菌活性、抗腫瘍活性を有する抗生物質としてCC−1065が「ジャーナルオブ アンチバイオティックス(J. Antibiotics)」31巻、1211頁(1978年)、同34巻、1119頁(1981年)、USP4169888号に、また類似の構造を有するデュオカルマイシンA及びその類縁体がWO87/06265号、EP0318056号、「ジャーナル オブ アンチバイオティックス(J. Antibiotics)」42巻、1229頁(1989年)、特開平4−99774号に開示されている。
【0003】
さらにCC−1065の誘導体がEP0359454号、特開昭60−193989号、特表平2−502005号に、またデュオカルマイシン類の誘導体が特開平3−7287号、特開平3−128379号、EP0354583号、EP0406749号に開示されている。これらはいずれも天然物の基本骨格をそのまま利用しているか、天然物の化学修飾から誘導されたものである。
【0004】
一つの化合物内に2つのテトラヒドロピロロインドール骨格を有する化合物は、特開昭60−193989号(EP0154445号)及び特表平2−502005号(WO8804659号)の特許請求の範囲に含まれるが、具体的な記載はなく該当する実施例の開示はない。また、架橋部分が−R5−T−R'5−(R5、R'5はカルボニル基で置換されたフェニル基、複素環基、ベンゼン縮合複素環基等、Tはアミノカルボニル、カルボニルアミノ、カルボニルオキシ、オキシカルボニル等)で表される化合物が特表平4−500664号(WO9002746号)に記載され、架橋部分がカルボニルビス(イミノ−1H−インドール−2−カルボニル)基、5,5’−[(1,2−ジオキソ−1,2−エタンジイル)ジアミノ]ビス−1H−インドール−2−カルボニル基の化合物等が実施例として開示されている。
【0005】
2つの7−トリフルオロメチル−8−メトキシカルボニル−1,2,3,6−テトラヒドロピロロ[3,2−e]インドール環を有し、架橋部分がカルボニルビス(イミノ−1H−インドール−2−カルボニル)基である化合物は本出願人らによって既に開示されている(特開平6−116269号)。
【0006】
しかし、本発明化合物のようなアクリルアミド誘導体は従来知られていない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
癌の治療法として外科的切除法、X線などによる放射線療法、及び化学療法剤による薬物療法などが臨床で用いられている。これらのうちで化学療法剤による薬物療法は、体の各部位に広がった癌や末期癌に対して唯一の治療法である。本来、患者の負担がもっとも少ないと思われるこの薬物療法が実際は強い副作用のため、患者に対してひどい苦痛を与えている。また、現在の化学療法剤は細胞増殖の速い白血病に対しては有効性を示すものの増殖の遅い固形腫瘍に対して有効性が低いものが多い。このような理由で化学療法剤による癌治療は必ずしも第一選択的に行われてはいない。
【0008】
本発明は、このような化学療法の現状を踏まえ、癌細胞に対して選択性が高く固形腫瘍に対しても有効でしかも低毒性な化合物を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を行った結果、新規な本発明化合物が、癌細胞に対する選択性が高く、低毒性で、固形腫瘍に対しても強い活性を有することを見い出し、発明を完成した。
【0010】
すなわち本発明は、下記一般式(1)
【0011】
【化8】
【0012】
[式中、 X 1 及び X 2 は水素原子、 OR 3 ( R 3 は C1 〜 C6 の低級アルキル基)、 C 1〜 C6 の低級アルキル基又は X 1 及び X 2 が互いに結合して− OCH 2 CH 2 O −若しくは− OCH 2 O −であり、 A がベンゼン環、ビフェニル環、ビピリジン環、ナフタレン環、アントラセン環又はアントラキノン環であり、R 1 及びR 2 は
【0013】
【化9】
【0014】
(R 4 は水素原子、Yはハロゲン原子、環Bは
【0015】
【化10】
【0016】
で表される縮合環である。)を示す。]で表されるアクリルアミド誘導体、その光学活性体又はこれらの化合物の薬理学上許容される塩及びその製造方法を提供することにある。
【0018】
また、X1及びX2が互いに結合した場合とは、
【0019】
【化11】
【0020】
が挙げられる。
【0021】
環Bで表される縮合環とは芳香族系あるいは非芳香族系の炭化水素あるいは複素縮合環、例えば
【0022】
【化12】
【0023】
の縮合環を意味する。
【0026】
【発明の実施の形態】
本発明は、以下に述べる製造方法によって、上記一般式(1)で表される化合物を提供する。
【0027】
すなわち、下記一般式(2a)
【0028】
【化13】
【0029】
(式中、R5 はOHを示す。環A、X1 及びX2は前記と同じ。)で表されるカルボン酸と下記一般式(4)
【0030】
【化14】
【0031】
で表される化合物、又はその塩とをジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)あるいは3−エチル−1−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩などの縮合剤を用いて縮合させるか、又は(2b)
【0032】
【化15】
【0033】
(式中、Vはハロゲン原子、1−イミダゾリル基、4−ニトロフェノキシ基、コハク酸イミドイルオキシ基などの反応性残基を示す。)で表されるカルボン酸のハロゲン化物、カルボン酸のイミダゾリド、カルボン酸の活性エステル、カルボン酸の混合、又は対称酸無水物とを反応させることにより、下記一般式(1a)
【0034】
【化16】
【0035】
で表される化合物を製造することができる。この縮合反応はトリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、ジメチルアミノピリジンなどの有機塩基、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、水素化ナトリウム、水素化カリウムなどの無機塩基の存在下、又は非存在下でジクロロメタン、トルエン、アセトニトリル、N、N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、テトラヒドロフラン等の溶媒中で−20〜50℃で30分から48時間処理することにより容易に実施することができる。
【0036】
また、下記一般式(1c)
【0037】
【化17】
【0038】
で表される化合物を低級アルカノイルクロリド、アリロイルクロリド、低級アルコキシカルボニルクロリド、置換又は無置換のアリールオキシカルボニルクロリド、α−アミノ酸クロリド、置換されていてもよいカルバモイルクロリド、あるいはそれらの活性エステルと処理することにより下記一般式(1d)
【0039】
【化18】
【0040】
で表される化合物に導くことができる。この反応は、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、ジメチルアミノピリジンなどの有機塩基、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウムなどの無機塩基の存在下、又は非存在下で不活性溶媒中、−20〜100℃、好ましくは0〜50℃で実施される。
【0042】
また、下記一般式(9)
【0043】
【化19】
【0044】
(式中、R11は直鎖又は分枝状のC1〜C6の低級アルキル基を示す。)および下記一般式(7)
【0045】
【化20】
【0046】
(式中、R12はOR13(R13は直鎖又は分枝状のC1〜C6の低級アルキル基)、ジアルキルアミノ基、R14は直鎖又は分枝状のC1〜C6の低級アルキル基、あるいはR14同士が環を形成してメチレン基、エチレン基、プロピレン基を示す。)で表されるジアルデヒド誘導体は、例えば以下に述べる方法によって製造することができる。
【0047】
【化21】
【0048】
(R9は水酸基又は反応性残基、R10は水素原子、直鎖又は分枝状のC1〜C6の低級アルキル基、R15はメチル基、エチル基、ベンジル基を示し、R11は前記に同じ。)
【0049】
(第一工程)
本工程は、一般式(10)で表される化合物に、一般式(11)で表される化合物を縮合させ、一般式(12)で表される化合物を製造するものである。
【0050】
本反応は、R9がOHの場合、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)あるいは3−エチル−1−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩などの縮合剤を用いて縮合させるか、またはR9がハロゲン原子などの反応性残基の場合、ピリジン、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミンなどの塩基存在下、あるいは非存在下で反応させることにより、容易に実施することができる。
【0051】
(第二工程)
本工程は、一般式(12)で表される化合物を閉環することにより、下記一般式(4)で表される化合物を製造するものである。本閉環反応は、ポリリン酸、ポリリン酸エステル、硫酸、塩化チオニルなどと0〜100℃で30分から24時間処理することにより容易に実施することができる。
【0052】
(第三工程)
本工程は、一般式(4)で表される化合物に下記一般式(13)
R11Z1 (13)
(式中、Z1 は、Li、MgCl、MgBrを示し、R11は前記と同じ。)で表される有機金属試薬を反応させることにより、一般式(5)で表される化合物を製造するものである。本反応は、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジメトキシエタン、トルエン、ヘキサンなど、あるいはそれらの混合溶媒中で行われ、−20〜50℃で30分から24時間処理することにより容易に実施することができる。
【0053】
(第四工程)
本工程は、一般式(5)で表される化合物に下記一般式(14)
R15Z2 (14)
(式中、Z2 は、Cl、Br、I、OSO2CH3、
【0054】
【化22】
【0055】
を示し、R15は前記と同じ。)で表される化合物を反応させることにより、一般式(15)で表される化合物を製造するものである。本反応は、ニトロメタン、ジメチルホルムアミド、ジオキサンなどの溶媒中、あるいは溶媒を用いずに行われ、0〜100℃で30分から24時間処理することにより容易に実施することができる。
【0056】
(第五工程)
本工程は、一般式(15)で表される化合物を還元することにより一般式(9)で表されるジアルデヒド誘導体を製造するものである。本反応に用いられる還元剤としては、水素化ジイソブチルアルミニウム、水素化アルミニウムリチウム、水素化ビス(メトキシエトキシ)アルミニウムナトリウム、水素化ホウ素ナトリウム、シアン化水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素リチウムなどが挙げられる。本反応は、トルエン、エーテル、ジグライム、テトラヒドロフラン、メタノール、エタノールなど、あるいはそれらの混合溶媒中で行われ、−78℃から50℃で円滑に進行する。
【0057】
【化23】
【0058】
(第六工程)
本工程は、一般式(6)で表されるフェノール誘導体を炭酸セシウムの存在下、下記一般式(16)
R14Z3 (16)
(式中、Z3 は、Cl、Br、I、OSO2CH3、
【0059】
【化24】
【0060】
を示し、R14は前記に同じ。)で表される化合物でアルキル化して、一般式(7)で表される化合物を製造するものである。本反応は、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシドなどの溶媒中、1〜5当量、好ましくは2当量の炭酸セシウムを用いて行われ、0〜100℃で30分から24時間処理することにより容易に実施することができる。
【0061】
(第七工程)
本工程は、一般式(7)で表される化合物を還元することにより一般式(8)で表されるジアルデヒド誘導体を製造するものである。本反応に用いられる還元剤としては、水素化ジイソブチルアルミニウム、水素化アルミニウムリチウム、水素化ビス(メトキシエトキシ)アルミニウムナトリウム、水素化ビス(2−メトキシエトキシ)アルミニウムナトリウム/N−メチルピペラジンなどが挙げられる。本反応は、トルエン、エーテル、ジグライム、テトラヒドロフランなど、あるいはそれらの混合溶媒中で行われ、−78℃から50℃で円滑に進行する。ここで、R10の直鎖、又は分枝状のC1〜C6の低級アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、イソプロピル基などが挙げられる。
【0062】
R11の直鎖、又は分枝状のC1〜C6の低級アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、イソプロピル基などが挙げられる。R13の直鎖、又は分枝状のC1〜C6の低級アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、イソプロピル基などが挙げられる。ジアルキルアミノ基の具体例としては、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジブチルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基、ピロリジニル基、ピペリジニル基などが挙げられる。
【0063】
R14の直鎖、又は分枝状のC1〜C6の低級アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、イソプロピル基などが挙げられる。本発明の出発物質となる下記一般式(2a)
【0064】
【化25】
【0065】
(式中、X1 、X2 、環AおよびR5 は前記と同じ。)で表される化合物も本発明の重要中間体であり、例えば以下に述べる方法によって製造することができる。
【0066】
【化26】
【0067】
(第八工程)
本工程は、一般式(17)(式中、Y1 は、Br、I、OSO2CF3、X1、X2 および環Aは前記と同じ。)で表される化合物と一般式(18)で表されるアクリル酸誘導体(式中、R16は、メトキシ基、エトキシ基、ベンジルオキシ基、Y2は水素原子、トリメチルスタニル基、トリブチルスタニル基を示す。)をパラジウム触媒下でクロスカップリング反応させることにより一般式(19)で表されるジアクリル酸エステル誘導体を製造するものである。本反応は公知の方法(例えば「実験化学講座 第4版、396〜427頁、(1991年)、丸善」)に従って行うことができる。
【0068】
(第九工程)
本工程は、一般式(19)で表されるジアクリル酸エステル誘導体のエステルを除去して一般式(2a)で表されるジアクリル酸誘導体を製造するものである。本反応は公知の方法(「プロテクティブ・グループス・イン・オーガニック・シンセシス」、231〜265頁、(1991年)、ジョーン・ウィリー&サンズ)に従って行うことができる。
【0069】
(第十工程)
本工程は、一般式(20)で表されるジアルデヒド誘導体とマロン酸を縮合させて一般式(2a)で表されるジアクリル酸誘導体を製造するものである。本反応は公知の方法に従って行うことができる。
【0070】
上記一般式(4)及び(5)で表される化合物のラセミ体、及びその光学活性体は公知の方法(例えば、「テトラヘドロン レターズ(Tetrahedron Lett.)」27巻、4103頁、(1986年)、「ジャーナル オブメディシナル ケミストリー(J. Med. Chem.)」37巻232頁(1994年)、「バイオオーガニック アンド メディシナル ケミストリーレターズ(BioMed. Chem. Lett.)」2巻、755頁、(1992年)、「ジャーナル オブ アメリカン ケミカル ソシエティー(J. Am. Chem. Soc.)」115巻9025頁(1993年)、「ジャーナル オブ オーガニック ケミストリー(J. Org. Chem.)」57巻2873頁(1992年)、特開平3−128379、特開平6−116269)に従って製造することができる。
【0071】
一般式(1)で表される化合物は、単独で、又は一種以上の周知の製剤上許容される補助剤と共に抗菌、抗腫瘍組成物として用いることができ、錠剤、カプセル剤、散剤、顆粒剤、アンプル剤等の経口又は非経口剤として供することができる。
【0072】
非経口的に用いる場合は静脈内投与、動脈内投与、腹腔内投与、皮下投与、筋肉内投与、胸腔内投与あるいは局所投与なども可能である。
【0073】
例えば一般式(1)で表される化合物、もしくはそれらの塩を生理食塩水やグルコース、マンニトール、ラクトースなどの水溶液に溶解して適当な医薬組成物とする。また、一般式(1)で表される化合物の塩を常法により凍結乾燥し、これに塩化ナトリウムなどを加えることによって粉末注射剤とすることもできる。更に、本医薬組成物は必要に応じ製剤分野で周知の添加剤、例えば製剤上許容される塩などを含有することができる。
【0074】
投与量は患者の年齢、症状により異なるが人を含む哺乳動物に対して0.00001〜100mg/kg/日である。投与は例えば1日1回または数回に分けて、または間欠的に1週間に1〜5回、2〜4週間に1回投与する。
【0075】
以下の実施例により本発明の有用性を示すが本発明は実施例に限定されるものではない。
【0076】
【実施例】
実施例1
【0077】
【化27】
【0078】
(S)−3−t−ブトキシカルボニル−1−クロロメチル−5−ヒドロキシ−7−トリフルオロメチル−1,2,3,6−テトラヒドロピロロ[3,2−e]インドール−8−カルボン酸メチル13.5mg(30μmol)に3M塩化水素−酢酸エチル0.6mlを加えて室温で1時間撹拌後、溶媒を留去した。得られた残渣と3,3´−(1,4−フェニレン)ジアクリル酸3.3mg(15μmol)及び1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩17.3mg(90μmol)を無水ジメチルホルムアミド0.3ml中、アルゴン気流下室温で一晩撹拌した。反応液に水を加えてクロロホルム−メタノール(5:1)で抽出し無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を留去して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール:アセトン=5:1:1)にて精製すると黄色結晶の(S,S)−3,3´−[3,3´−(1,4−フェニレンジアクリロイル)]ビス−[1−クロロメチル−5−ヒドロキシ−7−トリフルオロメチル−1,2,3,6−テトラヒドロピロロ[3,2−e]インドール−8−カルボン酸メチル]を3.3mg(25%)得た。
【0079】
[α]24 D=−21°(c=0.20、テトラヒドロフラン)
NMR(DMSO d6)δ:3.48(2H,t,J=8Hz),3.83(2H,d,J=8Hz),3.88(6H,s),4.28(2H, br),4.40-4.49(4H,m),7.30(2H,d,J=15Hz),7.70(2H,d,J=16Hz),7.87(4H, s),8.11(2H,brs),10.52(2H,br),13.02 (2H,br).
【0080】
実施例2
【0081】
【化28】
【0082】
(S)−3−t−ブトキシカルボニル−1−クロロメチル−5−ヒドロキシ−7−トリフルオロメチル−1,2,3,6−テトラヒドロピロロ[3,2−e]インド−ル−8−カルボン酸メチル13.5mg(30μmol)に3M塩化水素−酢酸エチル0.43mlを加えて室温で2時間放置後、溶媒留去した。得られた残渣と3,3’−(9,10−アントラセンジイル)ジアクリル酸4.8mg(15μmol)及び1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩17.3mg(90μmol)を無水ジメチルホルムアミド0.3ml中アルゴン気流下室温で一晩撹拌した。反応液に水を加え、析出した沈殿を濾取し、シリカゲルカラムクロマトグラフィ−(テトラヒドロフラン:クロロホルム=2:1)にて精製すると、黄色結晶の(S,S)−3,3’−[3,3’−(9,10−アントラセンジイル)ジアクリロイル]ビス−[1−クロロメチル−5−ヒドロキシ−7−トリフルオロメチル−1,2,3,6−テトラヒドロピロロ[3,2−e]インド−ル−8−カルボン酸メチル]が3.7mg(25%)得られた。
【0083】
[α]D 29=−144°(c=0.05、テトラヒドロフラン)
NMR(DMSO d6)δ:3.56(2H,t,J=10Hz),3.79-3.85(2H,m),3.87(6H,s),4.22-4.29(2H,m),4.33-4.47(4H,m),7.05(2H,d,J=16Hz),7.66(4H,dd,J=4 and7Hz),8.22(2H,s),8.37(4H,dd,J=7 and 4Hz),8.55(2H,d,J=16Hz),10.64(2H,s),13.11(2H,s).
【0084】
実施例3
【0085】
【化29】
【0086】
同様の方法により(S)−3−t−ブトキシカルボニル−1−クロロメチル−5−ヒドロキシ−7−トリフルオロメチル−1,2,3,6−テトラヒドロピロロ[3,2−e]インド−ル−8−カルボン酸メチル13.5mg(30μmol)と3,3’−(5,8−ジメトキシ−1,4−ナフタレンジイル)ジアクリル酸4.9mg(15μmol)から(S,S)−3,3’−[3,3’−(5,8−ジメトキシ−1,4−ナフタレンジイル)ジアクリロイル]ビス−[1−クロロメチル−5−ヒドロキシ−7−トリフルオロメチル−1,2,3,6−テトラヒドロピロロ[3,2−e]インド−ル−8−カルボン酸メチル]が2.2mg(15%)得られた。
【0087】
[α]D 30=−56°(c=0.05、テトラヒドロフラン)
NMR(DMSO d6)δ:3.52(2H,dd,J=9 and 11Hz),3.80-3.87(2H,m),3.88(6H,s),3.89(6H,s),4.23-4.31(2H,m),4.40-4.47(4H,m),6.77(2H,d,J=15Hz),7.10(2H,s),7.75(2H,s),8.16(2H,s),8.77(2H,d,J=15Hz),10.54(2H,s),13.06(2H,s).
【0088】
実施例4
【0089】
【化30】
【0090】
同様の方法により(S)−3−t−ブトキシカルボニル−1−クロロメチル−5−ヒドロキシ−7−トリフルオロメチル−1,2,3,6−テトラヒドロピロロ[3,2−e]インド−ル−8−カルボン酸メチル26.9mg(60μmol)と3,3’−[2,3−(エチレンジオキシ)−1,4−フェニレン]ジアクリル酸8.3mg(30μmol)から(S,S)−3,3’−[3,3’−(2,3−(エチレンジオキシ)−1,4−フェニレン)ジアクリロイル]ビス−[1−クロロメチル−5−ヒドロキシ−7−トリフルオロメチル−1,2,3,6−テトラヒドロピロロ[3,2−e]インド−ル−8−カルボン酸メチル]が4.1mg(15%)得られた。
【0091】
[α]D 30=−12°(c=0.05、テトラヒドロフラン)
NMR(DMSO d6)δ:3.51(2H,t,J=10Hz),3.79-3.85(2H,m),3.88(6H,s),4.23-4.32(2H,m),4.38-4.44(4H,m),4.46(4H,s),7.25(2H,d,J=16Hz),7.52(2H,s),7.89(2H,d,J=16Hz),8.10(2H,s),10.56(2H,s),13.07(2H,s).
【0092】
実施例5
【0093】
【化31】
【0094】
同様の方法により(S)−3−t−ブトキシカルボニル−1−クロロメチル−5−ヒドロキシ−7−トリフルオロメチル−1,2,3,6−テトラヒドロピロロ[3,2−e]インド−ル−8−カルボン酸メチル13.5mg(30μmol)と3,3’−[2,3−(メチレンジオキシ)−1,4−フェニレン]ジアクリル酸3.9mg(15μmol)から(S,S)−3,3’−[3,3’−(2,3−(メチレンジオキシ)−1,4−フェニレン)ジアクリロイル]ビス−[1−クロロメチル−5−ヒドロキシ−7−トリフルオロメチル−1,2,3,6−テトラヒドロピロロ[3,2−e]インド−ル−8−カルボン酸メチル]が2.4mg(17%)得られた。
【0095】
[α]D 30=−12°(c=0.05、テトラヒドロフラン)
NMR(DMSO d6)δ:3.52(2H,dd,J=9 and 11Hz),3.78-3.85(2H,m),3.88(6H,s),4.24-4.32(2H,m),4.32-4.45(4H,m),6.38(2H,s),7.28(2H,d,J=16Hz),7.37(2H,s),7.65(2H,d,J=16Hz),8.10(2H,s),10.58(2H,s),13.17(2H,s).
【0096】
実施例6
【0097】
【化32】
【0098】
同様の方法により(S)−3−t−ブトキシカルボニル−1−クロロメチル−5−ヒドロキシ−7−トリフルオロメチル−1,2,3,6−テトラヒドロピロロ[3,2−e]インド−ル−8−カルボン酸メチル26.9mg(60μmol)と3,3’−(2,3−ジエチル−1,4−フェニレン)ジアクリル酸8.2mg(30μmol)から(S,S)−3,3’−[3,3’−(2,3−ジエチル−1,4−フェニレン)ジアクリロイル]ビス−[1−クロロメチル−5−ヒドロキシ−7−トリフルオロメチル−1,2,3,6−テトラヒドロピロロ[3,2−e]インド−ル−8−カルボン酸メチル]が5.5mg(20%)得られた。
【0099】
[α]D 31=−16°(c=0.05、テトラヒドロフラン)
NMR(DMSO d6)δ:1.18(6H,t,J=8Hz),2.85(4H,q,J=8Hz),3.51(2H,t,J=10Hz),3.72-3.85(2H,m),3.88(6H,s),4.22-4.32(2H,m),4.38-4.48(4H,m),7.12(2H,d,J=16Hz),7.78(2H,s),7.99(2H,d,J=16Hz),8.11(2H,s),10.54(2H,s),13.06(2H,s).
【0100】
実施例7
【0101】
【化33】
【0102】
同様の方法により(S)−3−t−ブトキシカルボニル−1−クロロメチル−5−ヒドロキシ−7−トリフルオロメチル−1,2,3,6−テトラヒドロピロロ[3,2−e]インド−ル−8−カルボン酸メチル13.5mg(30μmol)と3,3’−(2,3−ジメトキシ−1,4−フェニレン)ジアクリル酸4.2mg(15μmol)から(S,S)−3,3’−[3,3’−(2,5−ジメトキシ−1,4−フェニレン)ジアクリロイル]ビス−[1−クロロメチル−5−ヒドロキシ−7−トリフルオロメチル−1,2,3,6−テトラヒドロピロロ[3,2−e]インド−ル−8−カルボン酸メチル]が2.1mg(15%)得られた。
【0103】
[α]D 32=−56°(c=0.05、テトラヒドロフラン)
NMR(DMSO d6)δ:3.52(2H,dd,J=8 and 11Hz),3.78-3.90(2H,m),3.88(6H,s),3.98(6H,s),4.23-4.33(2H,m),4.38-4.48(4H,m),7.30(2H,d,J=16Hz),7.53(2H,s),7.96(2H,d,J=16Hz),8.10(2H,s),10.56(2H,s),13.07(2H,s).
【0104】
実施例8
【0105】
【化34】
【0106】
同様の方法により(S)−3−t−ブトキシカルボニル−1−クロロメチル−5−ヒドロキシ−7−トリフルオロメチル−1,2,3,6−テトラヒドロピロロ[3,2−e]インド−ル−8−カルボン酸メチル13.5mg(30μmol)と3,3’−(2,5−ジメトキシ−1,4−フェニレン)ジアクリル酸4.2mg(15μmol)から(S,S)−3,3’−[3,3’−(2,3−ジメトキシ−1,4−フェニレン)ジアクリロイル]ビス−[1−クロロメチル−5−ヒドロキシ−7−トリフルオロメチル−1,2,3,6−テトラヒドロピロロ[3,2−e]インド−ル−8−カルボン酸メチル]が1.1mg(8%)得られた。
【0107】
[α]D 32=−26°(c=0.05、テトラヒドロフラン)
NMR(DMSO d6)δ:3.51(2H,dd,J=9 and 10Hz),3.79-3.94(2H,m),3.88(6H,s),3.90(6H,s),4.24-4.33(2H,m),4.39-4.49(4H,m),7.31(2H,d,J=16Hz),7.78(2H,s),7.88(2H,d,J=16Hz),8.11(2H,s),10.57(2H,s),13.08(2H,s).
【0108】
実施例9
【0109】
【化35】
【0110】
同様の方法により(S)−3−t−ブトキシカルボニル−1−クロロメチル−5−ヒドロキシ−7−トリフルオロメチル−1,2,3,6−テトラヒドロピロロ[3,2−e]インド−ル−8−カルボン酸メチル13.5mg(30μmol)と3,3’−(1,1’−ジフェニル−4,4’−ジイル)ジアクリル酸4.4mg(15μmol)から(S,S)−3,3’−[3,3’−(1,1’−ジフェニル−4,4’−ジイル)ジアクリロイル]ビス−[1−クロロメチル−5−ヒドロキシ−7−トリフルオロメチル−1,2,3,6−テトラヒドロピロロ[3,2−e]インド−ル−8−カルボン酸メチル]が1.7mg(12%)得られた。
【0111】
[α]D 32=−36°(c=0.05、テトラヒドロフラン)
NMR(DMSO d6)δ:3.50(2H,dd,J=9 and 11Hz),3.78-3.90(2H,m),3.88(6H,s),4.23-4.32(2H,m),4.38-4.52(4H,m),7.29(2H,d,J=15Hz),7.71(2H,d,J=15Hz),7.84(4H,d,J=8Hz),7.93(4H,d,J=8Hz),8.11(2H,s),10.56(2H,s),13.07(2H,s).
【0112】
実施例10
【0113】
【化36】
【0114】
同様の方法により(S)−3−t−ブトキシカルボニル−1−クロロメチル−5−ヒドロキシ−7−トリフルオロメチル−1,2,3,6−テトラヒドロピロロ[3,2−e]インド−ル−8−カルボン酸メチル13.5mg(30μmol)と3,3’−(1,4−ナフタレンジイル)ジアクリル酸4.0mg(15μmol)から(S,S)−3,3’−[3,3’−(1,4−ナフタレンジイル)ジアクリロイル]ビス−[1−クロロメチル−5−ヒドロキシ−7−トリフルオロメチル−1,2,3,6−テトラヒドロピロロ[3,2−e]インド−ル−8−カルボン酸メチル]が3.0mg(22%)得られた。
【0115】
[α]D 32=−41°(c=0.05、テトラヒドロフラン)
NMR(DMSO d6)δ:3.53(2H,t,J=10Hz),3.78-3.92(2H,m),3.88(6H,s),4.25-4.34(2H,m),4.45-4.54(4H,m),7.36(2H,d,J=15Hz),7.74(2H,dd,J=3 and 6Hz),8.16(2H,s),8.20(2H,s),8.36(2H,dd,J=6 and 3Hz),8.51(2H,d,J=15Hz),10.60(2H,s),13.09(2H,s).
【0116】
実施例11
【0117】
【化37】
【0118】
同様の方法により(S)−3−t−ブトキシカルボニル−1−クロロメチル−5−ヒドロキシ−7−トリフルオロメチル−1,2,3,6−テトラヒドロピロロ[3,2−e]インド−ル−8−カルボン酸メチル13.5mg(30μmol)と3,3’−(1,4−アントラセンジイル)ジアクリル酸4.8mg(15μmol)から(S,S)−3,3’−[3,3’−(1,4−アントラセンジイル)ジアクリロイル]ビス−[1−クロロメチル−5−ヒドロキシ−7−トリフルオロメチル−1,2,3,6−テトラヒドロピロロ[3,2−e]インド−ル−8−カルボン酸メチル]が2.3mg(16%)得られた。
【0119】
[α]D 32=−36°(c=0.05、テトラヒドロフラン)
NMR(DMSO d6)δ:3.54(2H,t,J=10Hz),3.78-3.93(2H,m),3.89(6H,s),4.27-4.36(2H,m),4.46-4.57(4H,m),7.43(2H,d,J=15Hz),7.62(2H,dd,J=3 and 6Hz),8.19(4H,s),8.30(2H,dd,J=6 and 3Hz),8.67(2H,d,J=15Hz),9.04(2H,s),10.60(2H,s),13.07(2H,s).
【0120】
実施例12
【0121】
【化38】
【0122】
同様の方法により(S)−3−t−ブトキシカルボニル−1−クロロメチル−5−ヒドロキシ−7−トリフルオロメチル−1,2,3,6−テトラヒドロピロロ[3,2−e]インド−ル−8−カルボン酸メチル40.4mg(90μmol)と3,3’−(9,10−ジヒドロ−9,10−ジオキソ−1,4−アントラセンジイル)ジアクリル酸15.7mg(45μmol)から(S,S)−3,3’−[3,3’−(9,10−ジヒドロ−9,10−ジオキソ−1,4−アントラセンジイル)ジアクリロイル]ビス−[1−クロロメチル−5−ヒドロキシ−7−トリフルオロメチル−1,2,3,6−テトラヒドロピロロ[3,2−e]インド−ル−8−カルボン酸メチル]が1.6mg(4%)得られた。
【0123】
[α]D 32=−48°(c=0.05、テトラヒドロフラン)
NMR(DMSO d6)δ:3.53(2H,dd,J=9 and 10Hz),3.79-3.91(2H,m),3.88(6H,s),4.24-4.34(2H,m),4.41-4.51(4H,m),7.11(2H,d,J=16Hz),7.95(2H,dd,J=3 and 6Hz),8.10-8.19(4H,m),8.21(2H,s),8.53(2H,d,J=16Hz),10.61(2H,s),13.10(2H,s).
【0124】
実施例13
【0125】
【化39】
【0126】
同様の方法により(S)−3−t−ブトキシカルボニル−1−クロロメチル−5−ヒドロキシ−7−トリフルオロメチル−1,2,3,6−テトラヒドロピロロ[3,2−e]インド−ル−8−カルボン酸メチル13.5mg(30μmol)と3,3’−(2,2’−ビピリジル−5,5’−ジイル)ジアクリル酸4.4mg(15μmol)から(S,S)−3,3’−[3,3’−(2,2’−ビピリジル−5,5’−ジイル)ジアクリロイル]ビス−[1−クロロメチル−5−ヒドロキシ−7−トリフルオロメチル−1,2,3,6−テトラヒドロピロロ[3,2−e]インド−ル−8−カルボン酸メチル]が2.4mg(17%)得られた。
【0127】
[α]D 32=−35°(c=0.05、テトラヒドロフラン)
NMR(DMSO d6)δ:3.51(2H,dd,J=9 and 10Hz),3.77-3.92(2H,m),3.88(6H,s),4.25-4.33(2H,m),4.39-4.55(4H,m),7.47(2H,d,J=15Hz),7.78(2H,d,J=15Hz),8.13(2H,s),8.51(4H,s),9.08(2H,s),10.60(2H,s),13.09(2H,s).
【0128】
実施例14
【0129】
【化40】
【0130】
同様の方法により(S)−3−t−ブトキシカルボニル−1−クロロメチル−5−ヒドロキシ−7−トリフルオロメチル−1,2,3,6−テトラヒドロピロロ[3,2−e]インド−ル−8−カルボン酸メチル13.5mg(30μmol)と3,3’−(1,3−フェニレン)ジアクリル酸3.3mg(15μmol)から(S,S)−3,3’−[3,3’−(1,3−フェニレン)ジアクリロイル]ビス−[1−クロロメチル−5−ヒドロキシ−7−トリフルオロメチル−1,2,3,6−テトラヒドロピロロ[3,2−e]インド−ル−8−カルボン酸メチル]が3.5mg(27%)得られた。
【0131】
[α]D 27=−28°(c=0.05、テトラヒドロフラン)
NMR(DMSO d6)δ:3.51(2H,dd,J=9 and 10Hz),3.75-3.93(2H,m),3.88(6H,s),4.24-4.33(2H,m),4.38-4.53(4H,m),7.33(2H,d,J=16Hz),7.52(1H,t,J=8Hz),7.73(2H,d,J=16Hz),7.88(2H,d,J=8Hz),8.12(2H,s),8.25(1H,s),10.56(2H,s),13.06(2H,s).
【0132】
実施例15
【0133】
【化41】
【0134】
同様の方法により(S)−3−t−ブトキシカルボニル−1−クロロメチル−5−ヒドロキシ−7−トリフルオロメチル−1,2,3,6−テトラヒドロピロロ[3,2−e]インド−ル−8−カルボン酸メチル13.5mg(30μmol)と3,3’−(1,2−フェニレン)ジアクリル酸3.3mg(15μmol)から(S,S)−3,3’−[3,3’−(1,2−フェニレン)ジアクリロイル]ビス−[1−クロロメチル−5−ヒドロキシ−7−トリフルオロメチル−1,2,3,6−テトラヒドロピロロ[3,2−e]インド−ル−8−カルボン酸メチル]が3.9mg(30%)得られた。
【0135】
[α]D 28=−107 °(c=0.05、テトラヒドロフラン)
NMR(DMSO d6)δ:3.51(2H,t,J=9Hz),3.75-3.92(2H,m),3.87(6H,s),4.22-4.32(2H,m),4.38-4.50(4H,m),7.16(2H,d,J=15Hz),7.52(2H,dd,J=4 and 6Hz),7.97(2H,m),8.05(2H,d,J=15Hz),8.11(2H,s),10.57(2H,s),13.06(2H,s).
【0136】
実施例16
【0137】
【化42】
【0138】
同様の方法により(S)−3−t−ブトキシカルボニル−1−クロロメチル−5−ヒドロキシ−7−トリフルオロメチル−1,2,3,6−テトラヒドロピロロ[3,2−e]インド−ル−8−カルボン酸メチル27.0mg(60μmol)と3,3’−(4,4’−(1,1’:4’1”−タ−フェニル))ジアクリル酸11.2mg(30μmol)から(S,S)−3,3’−[3,3’−(3,3”−(1,1’:4’,1”−ターフェニル))ジアクリロイル]ビス−[1−クロロメチル−5−ヒドロキシ−7−トリフルオロメチル−1,2,3,6−テトラヒドロピロロ[3,2−e]インド−ル−8−カルボン酸メチル]が3.1mg(10%)得られた。
【0139】
[α]D 28=−19°(c=0.05、テトラヒドロフラン)
NMR(DMSO d6)δ:3.51(2H,dd,J=9 and 10Hz),3.78-3.94(2H,m),3.88(6H,s),4.24-4.34(2H,m),4.39-4.54(4H,m),7.37(2H,d,J=15Hz),7.58(2H,t,J=8Hz),7.78(2H,d,J=15Hz),7.81(2H,d,J=8Hz),7.83(2H,d,J=8Hz),7.92(4H,s),8.13(2H,s),8.18(2H,s),10.56(2H,s),13.07(2H,s).
【0140】
実施例17
【0141】
【化43】
【0142】
同様の方法により(S)−3−t−ブトキシカルボニル−1−クロロメチル−5−ヒドロキシ−7−トリフルオロメチル−1,2,3,6−テトラヒドロピロロ[3,2−e]インド−ル−8−カルボン酸メチル40.5mg(180μmol)と3,3’−(4,4’−(1,1’:4’1”−タ−フェニル))ジアクリル酸5.6mg(15μmol)から(S,S)−3,3’−[3,3’−(4,4”−(1,1’:4’,1”−タ−フェニル))ジアクリロイル]ビス−[1−クロロメチル−5−ヒドロキシ−7−トリフルオロメチル−1,2,3,6−テトラヒドロピロロ[3,2−e]インド−ル−8−カルボン酸メチル]が4.9mg(32%)得られた。
【0143】
[α]D 28=−17°(c=0.05、テトラヒドロフラン)
NMR(DMSO d6)δ:3.50(2H,t,J=10Hz),3.79-3.93(2H,m),3.88(6H,s),4.23-4.33(2H,m),4.38-4.53(4H,m),7.29(2H,d,J=16Hz),7.72(2H,d,J=16Hz),7.83(4H,d,J=8Hz),7.88(4H,s),7.93(4H,d,J=8Hz),8.13(2H,s),10.56(2H,s),13.06(2H,s) .
【0144】
実施例18
【0145】
【化44】
【0146】
同様の方法により(S)−3−t−ブトキシカルボニル−1−クロロメチル−5−ヒドロキシ−7−メチル−1,2,3,6−テトラヒドロピロロ[3,2−e]インド−ル−8−カルボン酸メチル31.6mg(80μmol)と3,3’−(1,4−フェニレン)ジアクリル酸8.7mg(40μmol)から(S,S)−3,3’−[3,3’−(1,4−フェニレン)ジアクリロイル]ビス−[1−クロロメチル−5−ヒドロキシ−7−メチル−1,2,3,6−テトラヒドロピロロ[3,2−e]インド−ル−8−カルボン酸メチル]が8.8mg(29%)得られた。
【0147】
[α]D 28=−15°(c=0.05、テトラヒドロフラン)
NMR(DMSO d6)δ:2.61(6H,s),3.41-3.47(2H,m),3.80(6H,s),3.77-3.90(2H,m),4.29-4.50(6H,m),7.30(2H,d,J=15Hz),7.66(2H,d,J=15Hz),7.87(4H,s),7.93(2H,s),10.11(2H,s),11.88(2H,s).
【0148】
実施例19
【0149】
【化45】
【0150】
同様の方法により(S)−3−t−ブトキシカルボニル−1−クロロメチル−5−ヒドロキシ−8−メチル−1,2,3,6−テトラヒドロピロロ[3,2−e]インド−ル27.0mg(80μmol)と3,3’−(1,4−フェニレン)ジアクリル酸8.7mg(40μmol)から(S,S)−3,3’−[3,3’−(1,4−フェニレン)ジアクリロイル]ビス−[1−クロロメチル−5−ヒドロキシ−8−メチル−1,2,3,6−テトラヒドロピロロ[3,2−e]インド−ル]が13.0mg(50%)得られた。
【0151】
[α]D 28=−42°(c=0.05、テトラヒドロフラン)
NMR(DMSO d6)δ:2.35(6H,s),3.54-3.63(2H,m),3.84-3.91(2H,m),4.00-4.10(2H,m),4.34-4.54(4H,m),7.03(2H,s),7.29(2H,d,J=16Hz),7.65(2H,d,J=16Hz),7.78(2H,s),7.86(4H,s),9.75(2H,s),10.68(2H,s).
【0152】
実施例20
【0153】
【化46】
【0154】
同様の方法により(S)−3−t−ブトキシカルボニル−1−クロロメチル−5−ヒドロキシ−1,2−ジヒドロピロロ[3,2−a]カルバゾ−ル14.9mg(40μmol)と3,3’−(1,4−フェニレン)ジアクリル酸4.4mg(20μmol)から(S,S)−3,3’−[3,3’−(1,4−フェニレン)ジアクリロイル]ビス−[1−クロロメチル−5−ヒドロキシ−1,2−ジヒドロピロロ[3,2−a]カルバゾ−ル]が1.5mg(10%)得られた。
【0155】
[α]D 28=−41°(c=0.05、テトラヒドロフラン)
NMR(DMSO d6)δ:3.83(2H,dd,J=8 and 11Hz),3.98-4.05(2H,m),4.34-4.42(2H,m),4.53-4.64(4H,m),7.18(2H,t,J=7Hz),7.34(2H,d,J=15Hz),7.39(2H,t,J=7Hz),7.51(2H,d,J=7Hz),7.69(2H,d,J=15Hz),7.90(4H,s),7.91(2H,d,J=7Hz),8.11(2H,s),10.08(2H,s),11.20(2H,s).
【0156】
実施例21
【0157】
【化47】
【0158】
同様の方法により(S)−3−t−ブトキシカルボニル−1−クロロメチル−5−ヒドロキシ−1,2,3,6−テトラヒドロピロロ[3,2−e]インド−ル−8−カルボン酸メチル9.5mg(25μmol)と3,3’−(1,4−フェニレン)ジアクリル酸2.7mg(12.5μmol)から(S,S)−3,3’−[3,3’−(1,4−フェニレン)ジアクリロイル]ビス−[1−クロロメチル−5−ヒドロキシ−1,2,3,6−テトラヒドロピロロ[3,2−e]インド−ル−8−カルボン酸メチル]が2.8mg(30%)得られた。
【0159】
[α]D 26=−8°(c=0.20、テトラヒドロフラン)
NMR(DMSO d6)δ:3.45-3.58(2H,m),3.80(6H,s),3.72-3.88(2H,m),3.94(2H,d,J=8.8Hz),4.31-4.44(2H,m),4.48(2H,d,J=8.8Hz),7.31(2H,d,J=15Hz),7.67(2H,d,J=15Hz),7.88(4H,s),7.93(2H,d,J=2.9Hz),7.97(2H,brs),10.21(2H,s),12.03(2H,s).
【0160】
実施例22
【0161】
【化48】
【0162】
同様の方法により(S)−3−t−ブトキシカルボニル−1−クロロメチル−5−ヒドロキシ−1,2,3,6−テトラヒドロピロロ[3,2−e]インド−ル−7−カルボン酸メチル38.1mg(100μmol)と3,3’−(1,4−フェニレン)ジアクリル酸10.9mg(50μmol)から(S,S)−3,3’−[3,3’−(1,4−フェニレン)ジアクリロイル]ビス−[1−クロロメチル−5−ヒドロキシ−1,2,3,6−テトラヒドロピロロ[3,2−e]インド−ル−7−カルボン酸メチル]が2.2mg(6%)得られた。
【0163】
[α]D 28=+21°(c=0.05、テトラヒドロフラン)
NMR(DMSO d6)δ:3.87(6H,s),3.90-3.99(2H,m),4.02-4.16(4H,m),4.28-4.37(2H,m),4.52-4.63(2H,m),7.26(2H,d,J=15Hz),7.22-7.30(2H,m)7.66(2H,d,J=15Hz),7.85(4H,s),7.92(2H,s),9.79(2H,s),11.61(2H,s).
【0164】
参考例1
【0165】
【化49】
【0166】
ナフトキノン100mg(0.62mmol)に10%パラジウム炭素10.0mgと無水テトラヒドロフラン2mlを加え、水素気流下、室温で2時間撹拌した。氷冷下、2,4,6−コリジン0.40ml(3.03mmol)と無水トリフレート0.26mg(1.55mmol)を加え、アルゴン気流下室温で2時間撹拌した。反応液をろ過し、溶媒留去した後、塩化メチレンを加え、水、1N塩酸、飽和食塩水で順次洗浄し無水硫酸ナトリウム上乾燥した。溶媒留去し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=10:1)にて精製すると無色オイルとして1,4−ビス−(((トリフルオロメチル)スルホニル)オキシ)ナフタレンが78.7mg(30%)得られた。
【0167】
高分解能マススペクトル C12H6 F6 O6 S2 として
計算値:423.9510
実測値:423.9512
【0168】
参考例2
【0169】
【化50】
【0170】
同様の方法により1,4−アントラキノン300mg(1.44mmol)から1,4−ビス−(((トリフルオロメチル)スルホニル)オキシ)アントラセンが450mg(66%)得られた。
【0171】
融点 152.5−153.5℃
元素分析 C16H8 F6 O6 S2 として
計算値:C,40.51;H,1.70
実測値:C,40.31;H,1.54
マススペクトル(m/z):474(M+)
【0172】
参考例3
【0173】
【化51】
【0174】
同様の方法により5,8−ジメトキシナフトキノン500mg(2.29mmol)から1,4−ビス−(((トリフルオロメチル)スルホニル)オキシ)−5,8−ジメトキシナフタレンが163mg(15%)得られた。
【0175】
融点 145.5−146.5℃
元素分析 C14H10F6 O8 S2 として
計算値:C,34.72;H,2.08
実測値:C,34.88;H,1.82
マススペクトル(m/z):484(M+)
【0176】
参考例4
【0177】
【化52】
【0178】
同様の方法により2,3−ジメトキシベンゾキノン100mg(0.59mmol)から1,4−ビス−(((トリフルオロメチル)スルホニル)オキシ)−2,3−ジメトキシベンゼンが218mg(84%)得られた。
【0179】
高分解能マススペクトル C10H8 F6 O8 S2 として
計算値:433.9565
実測値:433.9564
【0180】
参考例5
【0181】
【化53】
【0182】
同様の方法により5,5’−ジヒドロキシ−2,2’−ビピリジル280mg(1.49mmol)から5,5’−ビス−(((トリフルオロメチル)スルホニル)オキシ)−2,2’−ビピリジルが567mg(84%)得られた。
【0183】
融点 158.0−162.0℃
元素分析 C12H6 F6 N2 O6 S2 として
計算値:C,31.87;H,1.34;N,6.19
実測値:C,31.72;H,1.14;N,6.40
マススペクトル(m/z):452(M+)
【0184】
参考例6
【0185】
【化54】
【0186】
1,4−ビス−(((トリフルオロメチル)スルホニル)オキシ)ナフタレン30.0 mg(71μmol)とトリエチルアミン0.04ml(0.29mmol)とアクリル酸エチル0.16ml(1.5mmol)と1 ,3−ジフェニルホスフィノプロパン2.9mg(7.0μmol)と酢酸パラジウム1.6mg(7.1μmol)を無水ジメチルホルムアミド5mlに懸濁しアルゴン雰囲気下80℃で一晩撹拌した。塩化メチレンを加え5%塩酸、水、飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸ナトリウム上乾燥した。溶媒留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(塩化メチレン:ヘキサン=1:1)にて精製すると、黄色結晶として3,3’−(1,4−ナフタレンジイル)ジアクリル酸エチルが19.5mg(85%)得られた。
【0187】
融点 84.0−87.0℃
元素分析 C20H20O4 として
計算値:C,74.06;H,6.21
実測値:C,73.89;H,6.21
マススペクトル(m/z):324(M+)
【0188】
参考例7
【0189】
【化55】
【0190】
同様の方法により1,4−ビス−(((トリフルオロメチル)スルホニル)オキシ)アントラセン300mg(0.63mmol)から3,3’−(1,4−アントラセンジイル)ジアクリル酸エチルが169mg(71%)得られた。
【0191】
融点 98.5−99.5℃
元素分析 C24H22O4 として
計算値:C,76.99;H,5.92
実測値:C,76.76;H,6.04
マススペクトル(m/z):374(M+)
【0192】
参考例8
【0193】
【化56】
【0194】
同様の方法により1,4−ビス−(((トリフルオロメチル)スルホニル)オキシ)−9,10−ジヒドロ−9,10−ジオキソアントラセン100mg(0.20mmol)から3,3’−(9,10−ジヒドロ−9,10−ジオキソ−1,4−アントラセンジイル)ジアクリル酸エチルが49.0mg(61%)得られた。
【0195】
融点 222.5−224.5℃
元素分析 C24H20O6 として
計算値:C,71.28;H,4.98
実測値:C,71.09;H,4.93
マススペクトル(m/z):404(M+)
【0196】
参考例9
【0197】
【化57】
【0198】
同様の方法により1,4−ビス−(((トリフルオロメチル)スルホニル)オキシ)−5,8−ジメトキシナフタレン300mg(0.62mmol)から3,3’−(5,8−ジメトキシ1,4−ナフタレンジイル)ジアクリル酸エチルが219mg(92%)得られた。
【0199】
融点 119.0−122.0℃
元素分析 C22H24O6 として
計算値:C,68.74;H,6.29
実測値:C,68.50;H,6.27
マススペクトル(m/z):384(M+)
【0200】
参考例10
【0201】
【化58】
【0202】
同様の方法により5,5'−(1,4−ビス−(((トリフルオロメチル)スルホニル)オキシ))−2,2’−ビピリジル83.2mg(0.18mmol)から3,3’−(2,2’−ビピリジル−5,5’−ジイル)ジアクリル酸エチルが54.3mg(84%)得られた。
【0203】
融点 173.5−175.0℃
元素分析 C20H20N2 O4 として
計算値:C,68.17;H,5.72;N,7.95
実測値:C,67.89;H,5.64;N,7.93
マススペクトル(m/z):352(M+)
【0204】
参考例11
【0205】
【化59】
【0206】
1,4−ビス−(((トリフルオロメチル)スルホニル)オキシ)−2,3−ジメトキシベンゼン200mg(0.46mmol)と塩化リチウム58.5mg(1.38mmol)を無水ジメチルホルムアミド2.3mlに懸濁し、アルゴンガスを吹き込み脱気した後、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウムジクロリド16.1mg(23μmol)を加え100℃で30分撹拌した。続いて3−(トリブチルスタニル)アクリル酸エチル537mg(1.38mmol)の無水ジメチルホルムアミド0.5ml溶液を加え、100℃で30分撹拌した。塩化メチレンを加え、水、5%フッ化カリウムで順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:6)にて精製すると無色プリズム晶の3,3’−(2,3−ジメトキシ−1,4−フェニレン)ジアクリル酸エチルが18.6mg(14%)得られた。
【0207】
融点 88.5−89.5℃
元素分析 C18H22O6 として
計算値:C,64.66;H,6.63
実測値:C,64.45;H,6.66
マススペクトル(m/z):334(M+)
【0208】
参考例12
【0209】
【化60】
【0210】
3,3’−(1,4−ナフタレンジイル)ジアクリル酸エチル115mg(0.35mmol)と水酸化カリウム196mg(3.49mmol)をエタノール2mlに溶解し2時間還流した。1N塩酸を加えpH=1とし、析出した結晶を水、エタノールで順次洗浄し、乾燥すると黄色結晶の3,3’−(1,4−ナフタレンジイル)ジアクリル酸が90.2mg(95%)得られた。
【0211】
融点 350.0−355.0℃
高分解能マススペクトル C16H12O4 として
計算値:268.0736
実測値:268.0743
【0212】
参考例13
【0213】
【化61】
【0214】
同様の方法により3,3’−(1,4−アントラセンジイル)ジアクリル酸エチル200mg(0.53mmol)から3,3’−(1,4−アントラセンジイル)ジアクリル酸が152mg(89%)得られた。
【0215】
融点 328.5−338.0℃(分解)
高分解能マススペクトル C20H14O4 として
計算値:318.0892
実測値:318.0894
【0216】
参考例14
【0217】
【化62】
【0218】
同様の方法により3,3’−(9,10−ジヒドロ−9,10−ジオキソ−1,4−アントラセンジイル)ジアクリル酸エチル250mg(0.62mmol)から3,3’−(9,10−ジヒドロ−9,10−ジオキソ−1,4−アントラセンジイル)ジアクリル酸が215mg(100%)得られた。
【0219】
融点 323.0−338.0℃(分解)
元素分析 C20H12O6 として
計算値:C,68.97;H,3.47
実測値:C,68.71;H,3.31
【0220】
参考例15
【0221】
【化63】
【0222】
同様の方法により3,3’−(5,8−ジメトキシ−1,4−ナフタレンジイル)ジアクリル酸エチル100mg(0.26mmol)から3,3’−(5,8−ジメトキシ−1,4−ナフタレンジイル)ジアクリル酸が79.5mg(93%)得られた。
【0223】
融点 290.0−299.5℃(分解)
高分解能マススペクトル C18H15O6 として
計算値:327.0869
実測値:327.0934
【0224】
参考例16
【0225】
【化64】
【0226】
同様の方法により3,3’−(2,2’−ビピリジル−5,5’−ジイル)ジアクリル酸エチル100mg(0.28mmol)から3,3’−(2,2’−ビピリジル−5,5’−ジイル)ジアクリル酸が73.8mg(88%)得られた。
【0227】
融点 447.0−454.0℃(分解)
高分解能マススペクトル C16H12N2 O4 として
計算値:297.0875
実測値:297.0875
【0228】
参考例17
【0229】
【化65】
【0230】
同様の方法により3,3’−(2,3−ジメトキシ−1,4−フェニレン)ジアクリル酸エチル44.5mg(0.13mmol)から3,3’−(2,3−ジメトキシ−1,4−フェニレン)ジアクリル酸が36.3mg(98%)得られた。
【0231】
融点 304.0−315.5℃(分解)
高分解能マススペクトル C14H14O6 として
計算値:278.0790
実測値:278.0802
【0232】
参考例18
【0233】
【化66】
【0234】
同様の方法により3,3’−(9,10−アントラセンジイル)ジアクリル酸エチル200mg(0.53mmol)から3,3’−(9,10−アントラセンジイル)ジアクリル酸が161mg(96%)得られた。
【0235】
融点 310.5−319.0℃(分解)
高分解能マススペクトル C20H14O4 として
計算値:318.0892
実測値:318.0915
【0236】
参考例19
【0237】
【化67】
【0238】
水素化ビス(2−メトキシエトキシ)アルミニウムナトリウム(70%トルエン溶液)13.6g(47.1mmol)にN−メチルピペラジン5.20g(51.9mmol)の無水トルエン23ml溶液を加え、試薬を調整した。2,3−ジメトキシ−1,4−ベンゼンジカルボン酸メチル3.00g(11.8mmol)を無水トルエン120mlに溶解し上記試薬を−20〜−17℃に保ちながら加えた後、10分撹拌した。反応液に水を加え不溶物を除いた後、1N塩酸、水、飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸ナトリウム上乾燥した。溶媒留去し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(塩化メチレン)にて精製すると無色結晶の2,3−ジメトキシ−1,4−ベンゼンジカルボキシアルデヒドが1.84g(80%)得られた。
【0239】
融点 99.5−100.5℃
元素分析 C10H10O4 として
計算値:C,61.85;H,5.19
実測値:C,61.74;H,5.18
マススペクトル(m/z):194(M+)
【0240】
参考例20
【0241】
【化68】
【0242】
同様の方法により2,3−(エチレンジオキシ)−1,4−ベンゼンジカルボン酸メチル3.00g(11.9mmol)から2,3−(エチレンジオキシ)−1,4−ベンゼンジカルボキシアルデヒドが371mg(16%)得られた。
融点 139.0−140.5℃
元素分析 C10H8 O4 として
計算値:C,62.50;H,4.20
実測値:C,62.47;H,4.26
マススペクトル(m/z):192(M+)
【0243】
参考例21
【0244】
【化69】
【0245】
同様の方法により2,3−(メチレンジオキシ)−1,4−ベンゼンジカルボン酸メチル3.00g(12.6mmol)から2,3−(メチレンジオキシ)−1,4−ベンゼンジカルボキシアルデヒドが1.52g(68%)得られた。
融点 151.5−152.0℃
元素分析 C9 H6 O4 として
計算値:C,60.68;H,3.39
実測値:C,60.59;H,3.40
マススペクトル(m/z):178(M+)
【0246】
参考例22
【0247】
【化70】
【0248】
2,3−ジメトキシ−1,4−ベンゼンジカルボキシアルデヒド1.00g(5.15mmol)とマロン酸2.37g(22.8mmol)とピペリジン0.1mlとピリジン7.0mlの懸濁液を16時間還流した。反応液を氷冷し、1N塩酸を加えpH=2とした。析出した結晶を濾取し、水、エタノール、塩化メチレンで順次洗浄した。無色結晶として3,3’−(2,3−ジメトキシ−1,4−フェニレン)ジアクリル酸が1.34g(94%)得られた。
【0249】
参考例23
【0250】
【化71】
【0251】
同様の方法により2,3−(エチレンジオキシ)−1,4−ベンゼンジカルボキシアルデヒド1.01g(5.26mmol)から3,3’−(2,3−(エチレンジオキシ)−1,4−フェニレン)ジアクリル酸が1.39g(96%)得られた。
【0252】
融点 344.5−348.5℃
高分解能マススペクトル C14H12O6 として
計算値:276.0634
実測値:276.0634
【0253】
参考例24
【0254】
【化72】
【0255】
同様の方法により2,3−(メチレンジオキシ)−1,4−ベンゼンジカルボキシアルデヒド1.00g(5.61mmol)から3,3’−(2,3−(メチレンジオキシ)−1,4−フェニレン)ジアクリル酸が1.39g(94%)得られた。
【0256】
融点 334.0−338.0℃
高分解能マススペクトル C13H10O6 として
計算値:262.0477
実測値:262.0462
【0257】
参考例25
【0258】
【化73】
【0259】
同様の方法により2,3−ジエチル−1,4−ベンゼンジカルボキシアルデヒド59.8mg(0.31mmol)から3,3’−(2,3−ジエチル−1,4−フェニレン)ジアクリル酸が62.6g(74%)得られた。
【0260】
融点 264.0−268.0℃(分解)
高分解能マススペクトル C16H18O4 として
計算値:274.1205
実測値:274.1160
【0261】
参考例26
【0262】
【化74】
【0263】
同様の方法により(1,1’:4’4”−タ−フェニル)−4,4”−ジカルボキシアルデヒド80.0mg(0.28mmol)から3,3’−(4,4”−(1,1’:4’4”−タ−フェニル))ジアクリル酸が96.4g(93%)得られた。
【0264】
融点 340.0−345.0℃
元素分析(%) C24H18O4として
計算値:C,77.82;H,4.39
実測値:C,77.72;H,5.10
【0265】
参考例27
【0266】
【化75】
【0267】
同様の方法により(1,1’:4’4”−タ−フェニル)−3,3”−ジカルボキシアルデヒド859mg(3.00mmol)から3,3’−(3,3”−(1,1’:4’4”−タ−フェニル))ジアクリル酸が1.06g(95%)得られた。
【0268】
融点 337.0−343.0℃
高分解能マススペクトル C24H17O4 として
計算値:369.1127
実測値:369.1214
【0269】
参考例28
【0270】
【化76】
【0271】
2,3−ジヒドロキシ−1,4−ベンゼンジカルボン酸メチル5.00g(22.1mmol)を無水ジメチルホルムアミド50mlに溶解し、炭酸セシウム17.3g(53.1mmol)を加え、アルゴン雰囲気下室温で30分撹拌した。ヨウ化メチル3.31ml(53.2mmol)を加え、室温で2時間撹拌した。反応液を減圧濃縮し、塩化メチレンを加え、水、飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸ナトリウム上乾燥した。溶媒留去すると茶色オイルとして2,3−ジメトキシ−1,4−ベンゼンジカルボン酸メチルが5.55g(99%)得られた。
【0272】
マススペクトル(m/z):254(M+)
【0273】
参考例29
【0274】
【化77】
【0275】
同様の方法により2,3−ジヒドロキシ−1,4−ベンゼンジカルボン酸メチル5.00g(22.1mmol)から2,3−(エチレンジオキシ)−1,4−ベンゼンジカルボン酸メチルが5.54g(99%)得られた。
【0276】
融点 107.5−110.0℃
マススペクトル(m/z):252(M+)
【0277】
参考例30
【0278】
【化78】
【0279】
同様の方法により2,3−ジヒドロキシ−1,4−ベンゼンジカルボン酸メチル5.00g(22.1mmol)から2,3−(メチレンジオキシ)−1,4−ベンゼンジカルボン酸メチルが5.14g(98%)得られた。
【0280】
融点 208.0−210.0℃
マススペクトル(m/z):238(M+)
【0281】
参考例31
【0282】
【化79】
【0283】
2−アミノ−2−メチル−1−プロパノ−ル6.06g(68.0mmol)を無水塩化メチレン8mlに溶解し、2,3−ジメトキシ−1,4−ベンゼンジカルボン酸クロリド4.47g(17.0mmol)の無水塩化メチレン8ml溶液を内温5−10℃に保ちながら加えた後、室温で2時間撹拌した。反応液をろ過し、水で洗浄後、濾液と洗液を合わせて減圧濃縮した。得られた残渣に塩化メチレンを加え、無水硫酸ナトリウム上乾燥した。溶媒留去しベンゼンより再結晶することにより、無色プリズム晶としてN,N’−ビス−(2−ヒドロキシ−1,1−ジメチルエチル)−2,3−ジメトキシ−1,4−フェニレンジカルボキシアミドが6.27g(100%)得られた。
【0284】
融点 151.0−153.0℃
元素分析 C18H28N2 O6 として
計算値:C,58.68;H,7.66;N,7.60
実測値:C,58.65;H,7.79;N,7.44
マススペクトル(m/z):368(M+)
【0285】
参考例32
【0286】
【化80】
【0287】
N,N’−ビス−(2−ヒドロキシ−1,1−ジメチルエチル)−2,3−ジメトキシ−1,4−フェニレンジカルボキシアミド6.00g(16.3mmol)に塩化チオニル7.0ml(96.0mmol)を加え、室温で3時間撹拌後、さらに塩化チオニル7.0ml(96.0mmol)を加え、室温で1時間撹拌した。反応液をエーテル50ml中に注ぎ、上澄みをデカントで除き、残渣に水、10%水酸化ナトリウム水溶液を加えてpH=8とした後、エーテルで抽出し、無水硫酸ナトリウム上乾燥した。溶媒留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(塩化メチレン:エタノール=20:1)にて精製すると無色結晶として2,2’−(2,3−ジメトキシ−1,4−フェニレン)ビス−(4,4−ジメチル−2−オキサゾリン)が2.52g(47%)得られた。
【0288】
融点 84.5−85.5℃
元素分析 C18H24N2 O4 として
計算値:C,65.04;H,7.28;N,8.43
実測値:C,64.96;H,7.16;N,8.41
マススペクトル(m/z):332(M+)
【0289】
参考例33
【0290】
【化81】
【0291】
2,2’−(2,3−ジメトキシ−1,4−フェニレン)ビス−(4,4−ジメチル−2−オキサゾリン)2.00g(6.02mmol)を無水テトラヒドロフラン20mlに溶解し、氷冷しながら臭化エチルマグネシウム、0.92Mテトラヒドロフラン溶液16.4ml(15.1mmol)を30分で滴下後、室温で2時間撹拌した。反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液10ml、水30mlを順次加え、エーテルで抽出し、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウム上乾燥した。溶媒留去後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=2:1)にて精製すると、無色プリズム晶として2,2’−(2,3−ジエチル−1,4−フェニレン)ビス−(4,4−ジメチル−2−オキサゾリン)が1.98g(100%)得られた。
【0292】
融点 49.0−50.0℃
元素分析 C20H28N2 O2 として
計算値:C,73.14;H,8.59;N,8.53
実測値:C,72.97;H,8.56;N,8.46
マススペクトル(m/z):328(M+)
【0293】
参考例34
【0294】
【化82】
【0295】
2,2’−(2,3−ジエチル−1,4−フェニレン)ビス−(4,4−ジメチル−2−オキサゾリン)1.86g(5.66mmol)にニトロメタン5.0mlとヨウ化メチル7.0ml(122mmol)を加え、80℃で4時間撹拌した。反応液をエーテル30mlの中に注ぎ、析出した結晶を濾取し、エタノールより再結晶することにより、無色プリズム晶として2,2’−(2,3−ジエチル−1,4−フェニレン)ビス−(3,4,4−トリメチル−2−オキサゾリウム ヨーダイド)が2.62g(76%)得られた。
【0296】
融点 281.0−285.0℃
元素分析 C22H34I2 N2 O2 として
計算値:C,43.15;H,5.60;N,4.57
実測値:C,43.05;H,5.41;N,4.72
マススペクトル(m/z):329(M++1−2MeI)
【0297】
参考例35
【0298】
【化83】
【0299】
2,2’−(2,3−ジエチル−1,4−フェニレン)ビス−(3,4,4−トリメチル−2−オキサゾリウム ヨーダイド)2.45g(4.00mmol)をエタノール50mlに懸濁させ、氷冷しながら水素化ホウ素ナトリウム770mg(20.4mmol)を1時間で滴下した後,5℃で3時間撹拌した。反応液に2N塩酸を加えた後、エーテルで抽出し、飽和食塩水で千条後無水硫酸ナトリウム上乾燥した。活性炭を加え、ろ過し、溶媒留去すると、無色プリズム晶として2,3−ジエチル−1,4−ベンゼンカルボキシアルデヒドが102mg(13%)得られた。
【0300】
融点 32.0−34.5℃
高分解能マススペクトル C12H14O2 として
計算値:190.0994
実測値:190.0990
【0301】
実験例1
ヒーラ細胞増殖阻害活性:
ヒーラ(HeLa)S3細胞は2mMのグルタミン、100μg/mlの硫酸カナマイシン、10%の非働化牛胎児血清を含むイーグルの最小培地(Eagle’s Minimal Medium, 日水製薬(株)、東京)中で単層培地として炭酸ガス培養器内、37℃で維持された。1.8×103個の細胞を96ウエルプレートに播種し、翌日から被験化合物と72時間接触させた。モスマンらの方法(Mosmann,T.,J.Imunol. Meth.,65,55−63,1983)に準じ、3−[4,5−ジメチルチアゾール−2−イル]−2,5−ジフェニールテトラゾリウムブロマイド(MTT)を還元する能力として、化合物処理培養後の生細胞数を測定した。無処理細胞の生育に対する化合物処理細胞の生育の割合と化合物濃度の関係から算出した50%阻害濃度として細胞増殖阻害活性を表1に示した。
【0302】
実験例2
コロン26マウス結腸癌に対する効果:
1×106個のコロン26細胞を8週齢のCDF1雌マウス(日本エルシー(株)、浜松)の腋窩部の皮下に移植し、腫瘍が触指により確認される移植6日後に1回、尾静脈から化合物を投与した。化合物投与後1週間目に摘出した腫瘍の重量を測定し、化合物投与群の平均腫瘍重量(T)と対照群の平均腫瘍重量(C)の比(T/C)から得られた腫瘍増殖抑制率(TGI%=(1−T/C)×100)をもって抗腫瘍効果として表1に示した。
【0303】
なお、マウス最大耐用量(MTD,mg/kg)とコロン26マウス結腸癌に対する腫瘍増殖抑制率(TGI)が50%になる投与量(TGI50,mg/kg)の比を化学療法係数(MTD/TGI50)として、表1に示した。
【0304】
【表1】
【0305】
以上の結果から本発明化合物は、優れた抗腫瘍活性を示した。
【0306】
【発明の効果】
本発明化合物は、優れた抗菌活性及び抗腫瘍活性を有し、しかも癌細胞に対する選択性が高く低毒性である。本発明化合物には強い殺細胞活性と幅広い安全域での抗腫瘍活性が認められることから、抗癌剤に対する感受性が低下した腫瘍にも有効であるのみならず、癌患者の化学療法による負担の軽減が期待できる。
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