JP3758819B2 - 固体電解質型燃料電池の解体方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、固体電界質型燃料電池の解体方法に関し、特に電池セルを構成する材料の分離回収が可能な解体方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
固体電解質型燃料電池(SOFC)は、空気極、固体電解質、および燃料極からなる三層構造を基本構造とする。
【0003】
図2は、従来の円筒型SOFCの単一セルの構造例を示す断面図である。図2中上側に示す図が、円筒の長軸方向に平行に切った断面図、図2中下側に示す図が、円筒の長軸方向に垂直に切った断面図である。ここでは、外側から円筒状の空気極21、固体電解質22、燃料極23の順で三層が構成されている。
【0004】
また、同図に示すように、空気極21の外表面上および燃料極23の内表面上にはそれぞれ集電材料24、25を備えることが多い。集電材料25の内側には、多数のガス吹き出し穴を有する燃料供給管兼導電管26が備えられている。
【0005】
燃料供給管兼導電管26内には、水素(H2)等の燃料ガスが供給され、ガス吹き出し穴から吹き出したガスは、集電材料25の空隙を通って燃料極23の表面に供給される。また、この燃料供給管兼導電管26は、燃料極23の引き出し電極としての役割も有し、集電材料25を介して燃料極23に電気的に接続される。
【0006】
円筒外部には、空気(Air)等の酸化ガスが供給され、集電材料24の空隙を通って空気極21表面に供給される。
【0007】
空気極21に空気(Air)が供給されると、ここで酸素イオン(O2-)が生成される。このO2-は、固体電解質22中を移動し、燃料極23に到達する。燃料極23では、このO2-と燃料極23に供給されるH2とが反応し、電子(e-)を生成する。
【0008】
図3は、従来の平板型SOFCの構造例を示す分解斜視図である。単一セルは、板状の空気極31と、空気極31の一方の面上に形成される固体電解質32と、さらにその面上に形成される燃料極33とから構成される。同図に示すように、単一セルの上下には、インターコネクタでもあるセパレータ40、41が備えられる。空気極31とセパレータ40との間、または燃料極33とセパレータ41との間には、メッシュ状の集電材料34、35が備えられることが多い。
【0009】
固体電解質が良好な酸素イオン導電性を示すためには、高温条件が必要とされることから、これらのSOFCは通常800℃〜1100℃の高温で運転される。よって、SOFCを構成する固体電解質、空気極、燃料極としてはいずれも高温酸化雰囲気もしくは高温還元雰囲気で化学的安定性の高い材料が用いられる。
【0010】
例えば固体電解質としては、高温酸化還元雰囲気で化学的に安定であり、良好なイオン導電性を示す安定化ジルコニア(YSZ)が最も一般的に用いられている。空気極としては、高い電子導電性を有するとともに高温酸化雰囲気で化学的に安定なランタンストロンチウムマンガナイト(La(1-y)SryMnOx)等、燃料極としては高い電子導電性を有するとともに高温還元雰囲気で化学的に安定なニッケル(Ni)とYSZのサーメット等がそれぞれ用いられる。
【0011】
また、空気極側集電材料としては、高温酸化雰囲気で安定であり、高い導電性を有する白金(Pt)や金(Au)、燃料極側集電材料としては、高温還元雰囲気で安定であり、高い導電性を有するニッケル(Ni)フェルト等が用いられることが多い。セパレータとしては、高温の酸化還元雰囲気で化学的に安定であるとともに、高い電子導電性を示すランタンクロマイト系酸化物(LaCrOx)等が用いられることが多い。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
空気極として用いられるランタンストロンチウムマンガナイト(La(1-y)SryMnOx)等の材料や集電材料として用いられている白金(Pt)や金(Au)等の貴金属は高価な材料である。このためSOFC発電プラントが使用済みとなり、解体される際には分離回収し、再利用することが望まれる。
【0013】
しかし、SOFCを構成する固体電解質、空気極および燃料極は、いずれもセラミックスを主材料として用いており、電気特性や強度を保つために焼結などの過程を経て、共にしっかりと固着されている。また、空気極とその表面に配される集電材料も高温運転される間に、互いにしっかりと固着されてしまう。このため、使用済みのSOFCからこれらの各材料を分離回収することは極めて困難である。
【0014】
また、空気極の主成分であるマンガン酸化物等は、産業廃棄物に指定されている材料であるため、発電プラントの運転停止に伴い、大量の産業廃棄物がでる恐虞れがある。
【0015】
本発明の目的は、構成部材を容易に分離回収可能な固体電解質型燃料電池の解体方法を提供することである。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に記載した解体方法の特徴は、固体電解質と、前記固体電解質の一方の面に形成された燃料極と、前記固体電解質の他方の面に形成された空気極と、前記空気極上に固着された集電材料とを有する固体電解質型燃料電池の解体方法において、前記空気極の温度を500℃〜1200℃とする条件下、該空気極の表面を還元ガス雰囲気に晒すことにより、前記空気極から前記集電材料を分離する工程を有することである。
【0017】
上記請求項1の方法によれば、空気極の表面層が還元されて脆くなる。このため集電材料が固着されている空気極表面が粉末状と化し、容易に空気極から集電材料を分離することが可能となる。
【0018】
本発明の請求項2に記載した解体方法の特徴は、請求項1の方法において、前記還元ガスを水素ガスと不活性ガスとの混合ガスとすることである。
【0019】
上記請求項2の方法によれば、請求項1の方法を用いた際に起こる空気極の還元反応を確実に起こすことができる。
【0020】
本発明の請求項3に記載した解体方法の特徴は、請求項2の方法において、前記混合ガスに対する水素ガスのモル分率を1%〜4%とすることである。
【0021】
上記請求項3の方法によれば、水素ガスのモル分率が爆発限界内にあるため、作業の安全を確保できる。
【0022】
本発明の請求項4に記載した解体方法の特徴は、固体電解質と、前記固体電解質の一方の面に形成された燃料極と、前記固体電解質の他方の面に形成された空気極とを有する固体電解質型燃料電池の解体方法において、前記固体電解質、燃料極および空気極の温度を700℃〜1200℃とし、該燃料極表面に還元ガスを供給するとともに、該空気極表面への酸化ガスの供給を停止した条件で、前記空気極と前記燃料極とを電気的に接続することにより、前記固体電解質と前記空気極とを分離する工程を有することである。
【0023】
上記請求項4の方法によれば、空気極と燃料極間の電位差が存在すると、その電位差により、空気極から酸素イオンが脱離し、この酸素イオンが固体電解質を介して燃料極に移動する。この酸素イオンの脱離反応に伴い、空気極が還元され、粉末状の物質に変化する。固体電解質との接合界面の空気極が粉末化するため、空気極と固体電解質を分離回収することが可能となる。
【0024】
本発明の請求項5に記載した解体方法の特徴は、請求項4の方法の前記固体電解質と前記空気極とを分離する工程において、前記空気極がマイナス電位、前記燃料極がプラス電位となるように両電極間に電圧を印加することである。
【0025】
上記請求項5の方法によれば、前記空気極と前記燃料極との間に確実に電位差が発生するため、空気極の還元反応をより確実に効率よく進行させることができる。
【0026】
本発明の請求項6に記載した解体方法の特徴は、請求項4または請求項5において、還元ガスを水素ガスと不活性ガスとの混合ガスとすることである。
【0027】
上記請求項6の方法によれば、請求項4または請求項5の方法を用いた際に起こる空気極の還元反応を確実に起こすことができる。
【0028】
本発明の請求項7に記載した解体方法の特徴は、請求項6の方法において、前記混合ガスに対する水素ガスのモル分率を1%〜4%とすることである。
【0029】
上記請求項7の方法によれば、水素ガスのモル分率が爆発限界内にあるため、作業の安全を確保できる。
【0030】
本発明の請求項8に記載した解体方法の特徴は、固体電解質と、前記固体電解質の一方の面に形成された燃料極と、前記固体電解質の他方の面に形成された空気極と、前記空気極上に固着された集電材料とを有する固体電解質型燃料電池の解体方法において、前記固体電解質、燃料極および空気極の温度を700℃〜1200℃とし、該燃料極表面に還元ガスを供給するとともに、該空気極表面への酸化ガスの供給を停止した条件で、前記空気極と前記燃料極とを電気的に接続することにより、前記固体電解質と前記空気極とを分離する第1工程と、前記第1工程後、前記空気極の温度を500℃〜1200℃とし、該空気極の表面を還元ガス雰囲気に晒すことにより、前記空気極から前記集電材料を分離する第2工程とを有することである。
【0031】
上記請求項8の方法によれば、第1工程により固体電解質と空気極とを分離できるとともに、第2工程により空気極から集電材料を分離できるため、固体電解質型燃料電池から空気極を独立に分離回収することが可能となる。
【0032】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について説明する。解体の対象とするSOFCは、従来の円筒型、平板型いずれのSOFCでもよい。
【0033】
これらのSOFCの代表的な各構成材料は、例えば固体電解質がYSZ、空気極がLa(1-y)SryMnOX、燃料極がNi−YSZサーメット、空気極側集電材料がPt、Au、燃料極側集電材料がNiフェルトである。
【0034】
(第1の実施の形態)
本発明のSOFCの解体方法の第1の実施の形態について説明する。この解体方法は、空気極表面に固着している集電材料を空気極から分離できる方法である。
【0035】
この方法は、SOFCの運転を止め、空気極、燃料極へのガスの供給を停止した後、空気極を高温に維持した状態で、空気極表面に水素ガス等の還元ガスを供給する工程のみからなる。
【0036】
この工程において、空気極表面では以下の(1)式に示す還元反応が進行する。
【0037】
空気極側: La(1-y)SryMnOx+H2 → X1+H2 O ・・(1)
上記(1)式の還元反応により生成される生成物X1の組成は明かではないが、例えば、MnO、LaxOy、SrxOy等の多数物質となることが予想される。発明者等の経験によれば、生成物X1はぼそぼその脆いものであり、粉末化され易いことが確認されている。即ち、上記(1)式の反応の結果、集電材料が固着している空気極表面が粉末化し、集電材料が容易に空気極から分離できるようになる。
【0038】
上記(1)式の反応速度は空気極側の温度に依存するため、現実的な反応速度を得るためには、例えば500℃以上、好ましくは800℃以上とすることが好ましい。また、SOFCの動作温度を越える高温に設定すると、セル構成材料間の反応や周辺設備への熱負荷の問題が生じる虞れがある。よって1200℃程度を上限温度とすることが好ましい。
【0039】
空気極表面に供給する還元ガスは、例えば水素(H2)ガスと窒素(N2)ガス等の不活性ガスとの混合ガスを用いるとよい。なお、混合ガスに対する水素ガスのモル分率を1〜4%程度に設定すれば、作業の安全性を確保できる。なお、水素ガス以外の燃料ガスを用いてもよい。
【0040】
図2に示すような、空気極を円筒外部に備えた円筒型SOFCでは、上述の方法を用いることにより、空気極側集電材料24を容易に分離回収することが可能となる。回収できるPt等の貴金属材料は、組成変化がなく、当初の価値を維持したものであるため、分離回収によるメリットは大きい。
【0041】
なお、平板型SOFCにおいては、集電材料を介さず直接空気極とセパレータとが固着されている構造のものも多い。セパレータ材料としては、一般に空気極材料より還元雰囲気でより安定なランタンクロマイト系酸化物(LaCrOx)等の材料が用いられている。このため、セパレータと空気極の間に還元ガスを流すと、空気極がより早く還元される。この結果、セパレータと空気極との界面部分の空気極が脆い生成物X1にかわり、空気極からセパレータを容易に分離することが可能となる。
【0042】
(第2の実施の形態)
本発明のSOFCの解体方法の第2の実施の形態について説明する。この解体方法は、特に固体電解質と空気極とを分離できる方法である。
【0043】
この方法では、SOFCの運転を止め、空気極への酸化ガスの供給を停止した後、空気極、固体電解質および燃料極の温度を高温に維持した状態で、燃料極表面に水素ガス等を含む還元ガスを供給する。さらに、燃料極がプラス電位、空気極がマイナス電位となるように、両電極間に電圧を印加する。
【0044】
燃料極と空気極の電位差によって、各電極では、以下の(2a)、(2b)の反応が進行する。
【0045】
空気極側: La(1-y)SryMnOx+2e- → Y1+02- ・・(2a)
燃料極側: H2 + 02- → H2O+2e- ・・(2b)
空気極では、両電極間の電位差によって移動してきた電子(e-)の作用により、空気極材料から一部の酸素がカイ離してイオン化する。この酸素イオン(02-)は固体電解質を通って燃料極に達し、そこで水素(H2)と化合し、水とともに電子(e-)を生成する。生成された電子(e-)は、再び両電極の電位差によって、空気極に流れ込み、上述の一連の反応を促す。
【0046】
通常の運転時においては、空気極表面に酸化ガスが連続的に供給されるため、空気極側で発生する02-の供給源は、供給される酸化ガスである。しかし、上述の条件下においては、空気極表面への酸化ガスの供給は停止されており、酸素分圧が低いため、空気極自身が02-の供給源となる。この結果、空気極が還元され、上記(2a)式の反応が進行し、生成物Y1が生成される。
【0047】
生成物Y1は、第1の実施の形態における生成物X1とほぼ共通するものである。即ち、第1の実施の形態における反応式(1)での生成物X1と同様に、MnO、LaxOy、SrxOy等を含む多数物質になると予想される。よって、Y1もX1と同様にぼそぼその脆い物質であり、粉末化され易いものである。
【0048】
上記(2a)式の反応は、固体電解質との界面に接する空気極からまず起こる。この反応により、固体電解質に固着している空気極部(固体電解質/空気極界面)が粉末化し、空気極を固体電解質から容易に分離することが可能となる。
【0049】
上記(2a)、(2b)式の反応時の空気極、固体電解質および燃料極の温度は、反応速度があまり遅くならないような温度に設定することが好ましい。また、上記反応においては、02-が固体電解質中を移動することが前提となるので、固体電解質が良好な酸素イオン導電性を示す必要がある。これらのことを考慮すると、700℃〜1200℃の条件とすることが好ましい。
【0050】
燃料極表面に供給する還元ガスは、例えば水素(H2)ガスと窒素ガス(N2)等の不活性ガスとの混合ガスとする。勿論水素以外の燃料ガスを用いてもよい。混合ガスに対する水素ガスのモル分率を1%〜4%とすれば、作業の安全性を確保できる。
【0051】
【実施例】
上述した第1、第2の実施の形態に基づく固体電解質型燃料電池セルの解体方法の実施例について以下に説明する。ここでは、主に、図2に示すような円筒型セルを解体の対象とする。
【0052】
図1(a)〜図1(d)は、通常運転時および運転停止後の各解体工程におけるSOFCの主要構成部分の断面を概念的に示した図である。
【0053】
図1(a)は、通常運転時のSOFCの主要構成部分の断面を示す。固体電解質12を中心として、左側に空気極11、右側に燃料極13が備えられており、これらの3層は互いにしっかりと密着している。空気極11の外表面には集電材料14が、燃料極13の外表面には集電材料15が固着している。
【0054】
固体電解質12はYSZ、空気極11はLa(1-y)SryMnOx、燃料極13はNi−YSZサーメット、空気極側集電材料14はPt、燃料極側集電材料15はNiフェルトとする。
【0055】
運転中において、空気極側集電材料14の外部には空気(Air)が流され、燃料極側集電材料の外部には水素(H2)が流される。各集電材料は空隙を有するため、その空隙を通り各供給ガスは各電極表面に供給される。
【0056】
空気極11には、外部回路を介して電子(e-)が供給され、電子(e-)と空気極11との反応により酸素イオン(O2-)が発生する。O2-は固体電解質12を通り、空気極11から燃料極13に移動し、そこで供給されるH2と反応し、電子(e-)を発生する。この電子(e-)は、外部回路を介して空気極11に流れる。なお、運転中の電池セルの温度は800℃〜1200℃に設定されている。
【0057】
以下の工程は、装置が高い温度を維持している間に行うことが好ましい。
【0058】
まず、図1(b)に示すように、第2の実施の形態の方法に従い、燃料極側13に水素(H2)を2〜3モル%含む不活性ガスを供給する。一方、空気極11側への空気の供給は停止し、そのままの状態とする。なお、空気供給停止後不活性ガス等を流すことはかまわない。
【0059】
図1(b)に示すように、空気極11がマイナス電位、燃料極13がプラス電位となるように、両電極間に電圧を印加する。両電極間に設ける電位差は、通常動作時に発生する電位差と同等以上でよい。短時間で済ませるには、印加電圧は高い方が望ましい。
【0060】
固体電解質12との界面に接する空気極11では第2の実施の形態における(2a)式の反応が進行し酸素イオン(O2-)が発生する。発生したO2-は固体電解質を介して空気極11から燃料極13に移動し、燃料極13では第2の実施の形態における(2b)式の反応が進行し、電子(e-)が発生する。
【0061】
この結果、空気極では(2a)式の還元反応が進行し、粉末化しやすい生成物Y1が生成される。図1(b)に示すように、この反応はまず、固体電解質12との界面の空気極11表面でおこるため、空気極11を固体電解質12から容易に分離することが可能となる。
【0062】
なお、装置の運転停止直後においては、空気極11と燃料極13との間には、酸素イオン(O2-)濃度の濃淡による電位差が存在するため、両電極に外部から電圧を印加しなくても、両電極を短絡させるだけで、上述の反応を進行させることもできるが、効果は少ない。
【0063】
次に、第1の実施の形態基づく解体工程を行う。この解体工程も、装置が余熱により高い温度(500℃以上)を維持しているうちに行うことが好ましい。
【0064】
図1(c)に示すように、第1の実施の形態に基づき、空気極11側にH2を約2〜3モル%含むN2ガスを流す。燃料極13側には、特にガスを流す必要はない。空気極11表面では、第1の実施の形態において示した(1)式に示す還元反応が進行し、これに伴い粉末化しやすい生成物X1が生成される。Ptの集電材料14と空気極11との分離が可能になる。
【0065】
その後、装置を完全に冷却し、装置の機械的な解体作業を行うことになる。図1(d)に示すように、上述の2つの工程によって、空気極側集電材料14、空気極11および固体電解質12とは容易に分離できる。集電材料14と空気極11はそれぞれ単独で回収可能となり、再利用することができる。
【0066】
なお、固体電解質12、燃料極13および燃料極側の集電材料15は、この段階でも固着したままである。しかし、燃料極13の材料であるNi−YSZサーメットは、固体電解質12の材料であるYSZと集電材料15の材料であるNiの混合材であるため、固着されたままの3層をそのまま粉砕再処理することによって、燃料極材料として再利用することができる。
【0067】
また、NiとYSZとの融点温度には大きな開きがあるため、これを利用して混合廃材から両者を分離回収することも困難なことではない。
【0068】
なお、図2に示した円筒型SOFCは、円筒の最も内側に燃料供給管26を有しているが、これもNi製の管を用いることができるため、固体電解質12等と一緒に粉砕再処理することができる。
【0069】
上述した、第1、第2の実施の形態に基づく工程は、運転時の装置形状をほぼ維持したまま行うことができる簡易な工程であり、しかも、上述の実施例に示すように、発電停止後すぐに行えば、装置の余熱を利用することができるので、効率よく、低コストで行うことができる。
【0070】
以上、実施例に沿って本発明の説明を行ったが、本発明はこれらに制限されるものではない。例えば、解体対象となるSOFCの空気極材料は、上述したLa(1-y)SryMnOXには、限定されず、これ以外のランタンコバルトネート(LaCoOX)やランタンマンガネート(LaMnOX)を母体としたペロブスカイト型酸化物であってもよい。
【0071】
【発明の効果】
以上に述べたように、本発明の固体電解質型燃料電池の解体方法によれば、使用済み電池セルから構成材料ごとの分離回収が容易に可能となる。分離回収されるこれらの材料の純度は高く、電池製造材料として有効に再利用を図ることができる。これによって固体電解質型燃料電池の発電プラントの再建コストを低減することが可能となる。さらに近年問題となっている産業廃棄物の発生を抑制することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例における解体方法の各工程におけるSOFCの主要構成部分の断面図である。
【図2】従来の平板型SOFCの構成例を示す装置の斜視図である。
【図3】従来の円筒型SOFCの構成例を示す装置の断面図である。
【符号の説明】
11、21、31・・・空気極
12、22、32・・・固体電解質
13、23、33・・・燃料極
14、24、34・・・集電材料
15、25、35・・・集電材料

Claims (8)

  1. 固体電解質と、
    前記固体電解質の一方の面に形成された燃料極と、
    前記固体電解質の他方の面に形成された空気極と、
    前記空気極上に固着された集電材料とを有する固体電解質型燃料電池の解体方法において、
    前記空気極の温度を500℃〜1200℃とする条件下、該空気極の表面を還元ガス雰囲気に晒すことにより、前記空気極から前記集電材料を分離する工程を有することを特徴とする固体電解質型燃料電池の解体方法。
  2. 前記還元ガスが、水素ガスと不活性ガスとの混合ガスであることを特徴とする請求項1に記載の固体電解質型燃料電池の解体方法。
  3. 前記混合ガスに対する前記水素ガスのモル分率が1%〜4%であることを特徴とする請求項2に記載の固体電解質型燃料電池の解体方法。
  4. 固体電解質と、
    前記固体電解質の一方の面に形成された燃料極と、
    前記固体電解質の他方の面に形成された空気極とを有する固体電解質型燃料電池の解体方法において、
    前記固体電解質、燃料極および空気極の温度を700℃〜1200℃とし、該燃料極表面に還元ガスを供給するとともに、該空気極表面への酸化ガスの供給を停止した条件下で、前記空気極と前記燃料極とを電気的に接続することにより、前記固体電解質と前記空気極とを分離する工程を有することを特徴とする固体電解質型燃料電池の解体方法。
  5. 前記固体電解質と前記空気極とを分離する工程において、前記空気極がマイナス電位、前記燃料極がプラス電位となるように両電極間に電圧を印加することを特徴とする請求項4に記載の固体電解質型燃料電池の解体方法。
  6. 前記還元ガスが、水素ガスと不活性ガスとの混合ガスであることを特徴とする請求項4または請求項5に記載の固体電解質型燃料電池の解体方法。
  7. 前記混合ガスに対する水素ガスのモル分率が1%〜4%であることを特徴とする請求項6に記載の固体電解質型燃料電池の解体方法。
  8. 固体電解質と、
    前記固体電解質の一方の面に形成された燃料極と、
    前記固体電解質の他方の面に形成された空気極と、
    前記空気極上に固着された集電材料とを有する固体電解質型燃料電池の解体方法において、
    前記固体電解質、燃料極および空気極の温度を700℃〜1200℃とし、該燃料極表面に還元ガスを供給するとともに、該空気極表面への酸化ガスの供給を停止した条件下で、前記空気極と前記燃料極とを電気的に接続することにより、前記固体電解質と前記空気極とを分離する第1工程と、
    前記第1工程後、前記空気極の温度を500℃〜1200℃とし、該空気極の表面を還元ガス雰囲気に晒すことにより、前記空気極から前記集電材料を分離する第2工程とを有する固体電解質型燃料電池の解体方法。
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