JP3758666B2 - フルオロアルキルカルボン酸誘導体、含フッ素重合体の製造方法及び含フッ素重合体水性分散液 - Google Patents

フルオロアルキルカルボン酸誘導体、含フッ素重合体の製造方法及び含フッ素重合体水性分散液 Download PDF

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Description

本発明は、フルオロアルキルカルボン酸誘導体、界面活性剤、含フッ素重合体の製造方法及び含フッ素重合体水性分散液に関する。
テトラフルオロオキセタンの開環反応により得られる化合物としては、XCHCFCOY(式中、Xは、RO−、又は、RCHCFCFO−であり、R及びRは、炭素数1〜3の飽和脂肪族基又はハロゲン化飽和脂肪族基等である。Yは、−ORであり、Rは、炭素数1〜3の飽和脂肪族基又はハロゲン化飽和脂肪族基等である。)で表される2,2−ジフルオロプロピオン酸誘導体が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。
しかしながら、テトラフルオロオキセタンの開環反応により得られる化合物として、カルボン酸塩は知られていない。また、テトラフルオロオキセタンの開環反応生成物が界面活性剤として使用できることも知られていない。
フッ素化単量体の重合において有用な界面活性剤として、Rf−(CH−Rf′−COOM(mが1〜3であり、Rfが炭素原子3〜8個を含むパーフルオロアルキル又はパーフルオロアルコキシであり、Rf′が炭素原子1〜4個を含む直鎖状又は分岐鎖状のパーフルオロアルキレン、MはNH、Li、Na、K又はH)で表される部分的にフッ素化されたものが知られている(例えば、特許文献2参照。)。しかしながら、この文献には、界面活性剤によってもたらされる表面張力の低下の程度、界面活性剤を分散剤として用いて得られたポリマーの平均一次粒子径に関する記載も示唆もない。
特開平2−223538号公報(請求項1) 特開平10−212261号公報
本発明の目的は、上記現状に鑑み、界面活性剤として好適に使用することができる新規化合物、並びに、上記新規化合物を用いた含フッ素重合体の製造方法、界面活性剤及び含フッ素重合体水性分散液を提供することにある。
本発明は、下記一般式(i)
Rf(OCHCFCFn1OCXCF(Rfn2COOM(i)
(式中、Rfは、直鎖状又は分枝状の炭素数1〜20のフルオロアルキル基を表し、上記フルオロアルキル基は、主鎖に1〜5個の酸素原子を含むものであってもよい。Rfは、直鎖状又は分枝状の炭素数1〜25のフルオロアルキレン基を表し、上記フルオロアルキレン基は、主鎖に1〜5個の酸素原子を含むものであってもよい。n1は、0〜3の整数を表し、n2は、0又は1の整数を表す。X及びXは、同一若しくは異なって、水素原子又はフッ素原子を表し、Mは、NH又は一価の金属元素を表す。)で表されることを特徴とするフルオロアルキルカルボン酸誘導体である。
本発明は、下記一般式(ii)
Rf(OCHCFCFn1OCHXCF(Rfn2COOM(ii)
(式中、Rfは、直鎖状又は分枝状の炭素数1〜20のフルオロアルキル基を表し、上記フルオロアルキル基は、主鎖に1〜5個の酸素原子を含むものであってもよい。Rfは、直鎖状又は分枝状の炭素数1〜25のフルオロアルキレン基を表し、上記フルオロアルキレン基は、主鎖に1〜5個の酸素原子を含むものであってもよい。n1は、0〜3の整数を表し、n2は、0又は1の整数を表す。Xは、水素原子又はフッ素原子を表し、Mは、NH又は一価の金属元素を表す。)で表されることを特徴とするフルオロアルキルカルボン酸誘導体である。
本発明は、上記フルオロアルキルカルボン酸誘導体からなることを特徴とする界面活性剤である。
本発明は、水性媒体中で重合を行うにあたり、上記フルオロアルキルカルボン酸誘導体を界面活性剤として使用することを特徴とする含フッ素重合体の製造方法である。
本発明は、含フッ素重合体からなる粒子が、上記フルオロアルキルカルボン酸誘導体又は本発明の界面活性剤の存在下で水性媒体に分散していることを特徴とする含フッ素重合体水性分散液である。
本発明は、上記含フッ素重合体水性分散液を凝析することより得られたことを特徴とする含フッ素重合体粉末である。
本発明は、上記含フッ素重合体水性分散液を凝析することより得られた含フッ素重合体凝集体であって、上記含フッ素重合体凝集体は、ポリテトラフルオロエチレン重合体粉末、溶融加工性樹脂からなる粉末若しくはペレット、又はエラストマー性重合体からなる凝固体であることを特徴とする含フッ素重合体凝集体である。
本発明は、上記含フッ素重合体水性分散液を用いて塗装、含浸又はキャスト製膜を行うことにより得られることを特徴とする膜である。
本発明は、上記含フッ素重合体粉末又は上記含フッ素重合体凝集体を用いて成形加工することにより得られることを特徴とする成形体である。
本発明は、下記一般式(3)
Rf(OCHCFCFn1OCXCF(Rfn2COF (3)
(式中、Rf、Rf、n1、n2、X及びXは、上記と同じ。)で表されるフルオロカルボン酸フルオリドをフルオロカルボン酸塩にすることにより上記フルオロアルキルカルボン酸誘導体を製造することよりなるフルオロアルキルカルボン酸誘導体の製造方法である。
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明のフルオロアルキルカルボン酸誘導体の一つは、上記一般式(i)で表される新規化合物である。
上記一般式(i)におけるRfは、直鎖状又は分枝状の炭素数1〜20のフルオロアルキル基を表す。上記炭素数の好ましい下限は3、より好ましい下限は1であり、好ましい上限は15、より好ましい上限は8、更に好ましい上限は6である。上記フルオロアルキル基は、炭素原子に結合する水素原子の一部又は全部がフッ素原子によって置換されたアルキル基である。
上記フルオロアルキル基は、主鎖に1〜5個の酸素原子を含むものであってもよい。上記Rfにおける酸素原子数の好ましい上限は3である。上記Rfにおける酸素原子数は、0であることが好ましい。
上記Rfとしては、主鎖に1〜3個の酸素原子を含むものであってもよい直鎖状又は分枝状の炭素数1〜7のフルオロアルキル基が好ましく、主鎖に酸素原子を含まない直鎖状又は分枝状の炭素数1〜7のパーフルオロアルキル基がより好ましい。
上記フルオロアルキル基又はフルオロアルキレン基に含まれていてもよい酸素原子は、フルオロアルキル基又はフルオロアルキレン基に含まれる場合、エーテル結合を形成しているものである。
上記Rfとしては、CF−、CFCF−、CFCFCF−、(CFCF−、CFCFCFCF−、CFCFCFOCF(CF)CF−、HCFCFCF−、又は、CFOCF(CF)CF−が好ましい。より好ましいRfは、CFCFCF−、(CFCF−及びCFCFCFCF−であり、更に好ましいRfは、CFCFCF−である。
上記一般式(i)におけるRfは、直鎖状又は分枝状の炭素数1〜25のフルオロアルキレン基を表す。上記炭素数の好ましい下限は2であり、好ましい上限は15、より好ましい上限は12、更に好ましい上限は7である。
上記フルオロアルキレン基は、主鎖に1〜5個の酸素原子を含むものであってもよい。上記Rfにおける酸素原子数の好ましい上限は4であり、より好ましい上限は3である。
上記Rfとしては、−CFOCF−、−CF(OCF(CF)CFn3OCF(CF)−(n3は、0〜4の整数を表す。)、又は、−CF(OCF(CF)CFn4(CFCFn5−(n4は、0〜5の整数を表し、n5は、0〜6の整数を表す。但し、n4及びn5は、3×n4+2×n5≦20の関係を満たす。)が好ましい。
上記一般式(i)におけるn1は、0〜3の整数を表す。上記n1の好ましい上限は2であり、好ましい下限は1である。
上記一般式(i)におけるn2は、0又は1の整数を表す。上記n2は、0であることが好ましい。
上記一般式(i)におけるX及びXは、同一若しくは異なって、水素原子若しくはフッ素原子を表す。上記X及びXは、少なくとも何れか一方がフッ素原子であることが好ましい。
上記一般式(i)におけるMは、NH又は一価の金属元素を表す。
上記Mとしては、加熱処理により容易に除去し得る点でNHが好ましい。
本発明のフルオロアルキルカルボン酸誘導体のもう一つは、上記一般式(ii)で表される新規化合物である。
上記一般式(ii)におけるRf、Rf、n1、n2及びMは、上記と同じである。
上記一般式(ii)におけるXは、水素原子又はフッ素原子を表す。上記Xは、フッ素原子であることが好ましい。
本発明のフルオロアルキルカルボン酸誘導体としては、
CFOCF(CF)CFOCHCFCOONa、
CFCFCFOCHCFCOONa、
CFCFCFOCHCFCFOCHCFCOONa、
FCHCFCFOCHCFCOONa、
CFHCFCFOCHCFCOONa、
CFCFCFCFOCHCFCOONa、
CFOCF(CF)CFOCHCFCOONH
CFCFCFOCHCFCOONH
CFCFCFOCHCFCFOCHCFCOONH
FCHCFCFOCHCFCOONH
CFHCFCFOCHCFCOONH
CFCFCFCFOCHCFCOONH
等の塩を形成したカルボキシル基に隣接して−OCHCF−を有するフルオロカルボン酸塩;
CFOCF(CF)CFOCFHCFCOONa、
CFCFCFOCFHCFCOONa、
CFCFCFOCHCFCFOCFHCFCOONa、
FCHCFCFOCFHCFCOONa、
CFHCFCFOCFHCFCOONa、
CFCFCFCFOCFHCFCOONa、
CFOCF(CF)CFOCFHCFCOONH
CFCFCFOCHCFCFOCFHCFCOONH
FCHCFCFOCFHCFCOONH
CFCFCFOCFHCFCOONH
CFHCFCFOCFHCFCOONH
CFCFCFCFOCFHCFCOONH
等の塩を形成したカルボキシル基に隣接して−OCFHCF−を有するフルオロカルボン酸塩;
CFOCF(CF)CFOCFCFCOONa、
CFCFCFOCFCFCOONa、
CFCFCFOCHCFCFOCFCFCOONa、
FCHCFCFOCFCFCOONa、
CFHCFCFOCFCFCOONa、
CFCFCFCFOCFCFCOONa、
CFOCF(CF)CFOCFCFCOONH
CFCFCFOCFCFCOONH
CFCFCFOCHCFCFOCFCFCOONH
FCHCFCFOCFCFCOONH
CFHCFCFOCFCFCOONH
CFCFCFCFOCFCFCOONH
等の塩を形成したカルボキシル基に隣接して−OCFCF−を有するフルオロカルボン酸塩
等が挙げられる。
本発明のフルオロアルキルカルボン酸誘導体は、上記一般式(i)で表したように、Rf(OCHCFCFn1−に隣接して、−O−CXCF−を有することに特徴がある(Rf、X、X及びn1は、上記と同じ)。上記−O−CXCF−は、後述する本発明のフルオロアルキルカルボン酸誘導体の製造方法におけるテトラフルオロオキセタンの開環付加反応により導入することができる。
本発明のフルオロアルキルカルボン酸誘導体の製造方法は、下記一般式(3)
Rf(OCHCFCFn1OCXCF(Rfn2COF (3)
(式中、Rf、Rf、n1、n2、X及びXは、上記と同じ。)で表されるフルオロカルボン酸フルオリドをフルオロカルボン酸塩にすることにより上記フルオロアルキルカルボン酸誘導体を製造することよりなるものである。
本発明のフルオロアルキルカルボン酸誘導体の製造方法において、上記Rfは、直鎖状又は分枝状の炭素数5〜7のフルオロアルキル基であることが好ましく、このとき上記フルオロアルキル基は、上述したように主鎖に1〜5個の酸素原子を含むものであってもよい。
上記一般式(3)で表されるフルオロカルボン酸フルオリドをフルオロカルボン酸塩にすることは、
(A)上記一般式(3)における末端の−COFを酸を用いて加水分解して−COOHに変換したのちアルカリを用いて中和することにより−COOMに変換する方法、
(B)上記一般式(3)における末端の−COFをエステル化し分離したのち鹸化することにより−COOMに変換する方法、又は、
(C)上記一般式(3)における末端の−COFをエステル化し分離したのち鹸化して−COOMに変換し次いで酸を用いて−COOHに変換したのちアルカリを用いて中和することにより−COOMに変換する方法
により行うものであることが好ましい。
上記一般式(3)で表されるフルオロカルボン酸フルオリドは、上記一般式(3)におけるn2が1である場合、下記一般式(2)
Rf(OCHCFCFn1OCXCFCOF (2)
(式中、Rf、n1、X及びXは、上記と同じ。)で表される中間体フルオロカルボン酸フルオリドにテトラフルオロエチレン及びヨウ素を非プロトン性極性溶媒中にて反応させることにより上記一般式(2)における末端の−COFを−CFOCFCFIに変換し更に発煙硫酸と反応させることにより−CFOCFCOFに変換することにより製造したもの、又は、
上記一般式(2)における末端の−COFをヘキサフルオロプロピレンオキシドを付加させて−CF(OCF(CF)CFOCF(CF)COF〔pは、0〜5の整数〕に変換したのち末端の−CF(CF)COFを−CF(CF)COIを経て−CF(CF)Iに変換し更に−CF(CF)(CFCFI(qは、1〜5の整数)に変換し次いで−CF(CF)(CFCFq−1CFCOFに変換することにより製造したものであることが好ましい。
上記一般式(3)で表されるフルオロカルボン酸フルオリドは、上記一般式(3)におけるn2が0である場合、上記一般式(2)で表される中間体フルオロカルボン酸フルオリドそのものである。従って、上述したRfの付加反応は必須ではないが、中間体フルオロカルボン酸フルオリドをフルオロカルボン酸塩に変換する方法も本発明のフルオロアルキルカルボン酸誘導体の製造方法に含まれる。
上記一般式(2)で表される中間体フルオロカルボン酸フルオリドは、
下記一般式(1)
Rf(OCHCFCFn1OCHCFCOF (1)
(式中、Rf及びn1は、上記と同じ。)で表される第一中間体をモノフルオロ化することにより得られた下記一般式(2a)
Rf(OCHCFCFn1OCHFCFCOF (2a)
(式中、Rf及びn1は、上記と同じ。)で表される第二中間体、又は、
上記第一中間体をジフルオロ化することにより得られた下記一般式(2b)
Rf(OCHCFCFn1OCFCFCOF (2b)
(式中、Rf及びn1は、上記と同じ。)で表される第三中間体であることが好ましい。
上記一般式(2)で表される中間体フルオロカルボン酸フルオリドは、上述したように第二中間体又は第三中間体であることが好ましいが、上記第一中間体そのものであってもよい。
上記第一中間体は、RfCOF(Rfは、上記Rf基の炭素数が1少ない基)で表されるフッ素含有酸フルオリドに、テトラフルオロオキセタンを開環付加する開環付加反応により得られるものである。開環付加反応については後述する。
本発明のフルオロアルキルカルボン酸誘導体の製造方法としては、特に限定されないが、例えば、
(1)RfCOF(Rfは、上記Rf基の炭素数が1少ない基)で表されるフッ素含有酸フルオリドに、テトラフルオロオキセタンを開環付加反応させることにより第一中間体Rf(OCHCFCFn1OCHCFCOF(Rf及びn1は、上記と同じ。)を合成し、必要に応じ、上記第一中間体をフッ素化することにより、上記一般式(2a)で表される第二中間体又は上記一般式(2b)で表される第三中間体に変換する工程、及び、
(2)上記第一中間体、第二中間体又は第三中間体の末端−COFを、−(Rfn2COOMに変換する工程
を含む方法等が挙げられる。
上記工程(1)において、上記RfCOFで表されるフッ素含有酸フルオリドは、例えば、RfがCFCFCF−である場合、CFCFCOFである。
上記工程(1)は、例えば、上記RfCOFで表されるフッ素含有酸フルオリドとテトラフルオロオキセタンとを、非プロトン性極性溶媒中でフッ素イオンを触媒として用いて反応させて、RfOCHCFCOFを得る方法(特許文献1に記載)により行うことができる。
上記フッ素イオンのイオン源としては、フッ化セシウム、フッ化カリウム、フッ化ナトリウム等のアルカリ金属フッ化物、テトラメチルウレア等が挙げられる。
上記非プロトン性極性溶媒としては、テトラグライム、ジグライム、トリグライム、ポリグライム等のグライム類、THF、ジオキサン、DMF、DMA、HMPT、アセトニトリル等が挙げられる。
上記フッ素含有酸フルオリドとテトラフルオロオキセタンとの反応は、通常、温度が−50〜200℃、圧力が0〜1MPaの条件のもとで1〜24時間撹拌しながら行うことができる。
上記フッ素含有酸フルオリドとテトラフルオロオキセタンとの反応の進行具合は、ガスクロマトグラフ等により観測する。
上記触媒の量としては、用いるフッ素含有酸フルオリドの全量に対し、モル換算で1〜100モル%であることが好ましい。より好ましい下限は、5モル%、より好ましい上限は、50モル%である。
上記溶媒の量としては特に限定されないが、用いるフッ素含有酸フルオリドの沸点と反応温度とから予想される圧力を下げる必要がある場合には多めに使用することができる。但し、多すぎると反応後の生成物の分離回収が困難になるので、用いるフッ素含有酸フルオリドの体積を1として、0.1〜1000倍であることが好ましい。より好ましい下限は、0.5倍、より好ましい上限は、2倍である。
上記フッ素含有酸フルオリドとテトラフルオロオキセタンとの合計モル量に占めるフッ素含有酸フルオリドの割合は、9〜95モル%の範囲が好ましい。上記フッ素含有酸フルオリドの割合は、収率の点で、より好ましい下限を、15モル%、より好ましい上限を、50モル%とすることができる。上記一般式(i)又は上記一般式(ii)におけるn1が0である場合、更に好ましい下限は、45モル%、更に好ましい上限は、55モル%である。上記一般式(i)又は上記一般式(ii)におけるn1が1である場合、更に好ましい下限は、30モル%、更に好ましい上限は、40モル%である。上記一般式(i)又は上記一般式(ii)におけるn1が3である場合、更に好ましい下限は、20モル%、更に好ましい上限は、30モル%である。
上記フッ素含有酸フルオリドと、テトラフルオロオキセタンとの反応に用いる反応容器としては、気密を保持することができ、撹拌できるものであれば特に限定されず、金属製容器、フッ素樹脂、その他のプラスチック等からなるプラスチック製容器、ガラス製容器(ただし水分が混入した場合腐食するおそれがある)の何れであってもよい。反応容器の選定は反応させる量、反応温度、反応圧力から行うべきである。
上記フッ素含有酸フルオリドとテトラフルオロオキセタンとの反応は、フッ素含有酸フルオリド1分子に対してテトラフルオロオキセタンが2個以上付加し得る反応であり、反応生成物は、一般にテトラフルオロオキセタンの付加数が異なる第一中間体の混合物となる。従って、上記第一中間体の混合物のなかから特定の付加数の第一中間体(以下、「目的とする第一中間体」ということがある。)を得る分離操作をフッ素化に先立ち行うことが好ましい。
上記分離操作は、適切な段数を有する精留塔を用いた精留により行うことができる。適切な段数は、残存原料たるフッ素含有酸フルオリドの沸点、非プロトン性極性溶媒の沸点、目的とする第一中間体の沸点等により決定される。
上記分離操作により目的とする第一中間体が分離された場合、その第一中間体に対して、必要に応じフッ素化を行うことができる。
上記フッ素化は、CoF、AgF、UF、OF、N、OFOF、IF、ClF等のフッ素化試薬;Fガス等の従来公知のフッ素ラジカル生成源を用いて行うことができる。
上記フッ素化には、金属製容器、フッ素樹脂製容器等が用いられる。
上記フッ素化に際し、溶媒は用いなくてもよいが、用いることもできる。例えば、アセトニトリル等の極性溶媒を用いた場合、上記第二中間体を高収率で得ることが可能である。完全フッ素化すれば上記第三中間体が得られる。
上記第二中間体と第三中間体とが混合物として得られた場合は、例えば、精留、蒸留等の沸点差を利用した分離精製方法により分離することができる。上記第二中間体と第三中間体との沸点差は小さいので高純度のものを得るには高段数の精留塔を必要とする。
上記分離操作によって目的とする第一中間体を分離することが困難である場合、メタノール等のアルコールを用いて末端の−COFをエステル化し、下記一般式(4)
Rf(OCHCFCFn1OCHCFCOOR (4)
(Rf及びn1は上記と同じ。但し、Rは、炭素数1〜10の水素原子がフッ素原子に置換されていてもよいアルキル基を表す。)で表される第一中間体末端エステル化物の混合物に変換したうえで第一中間体末端エステル化物を分離する。
上記第一中間体末端エステル化物は、目的としていた第一中間体とテトラフルオロオキセタンの付加数が同じで末端が−COOR(Rは、上記と同じ。)に変換されたものである。
上記第一中間体末端エステル化物の分離は、通常、精留、蒸留等の沸点差を利用した分離精製方法により行うことができる。上記第一中間体末端エステル化物は、第一中間体に比べて沸点が高いので、上記非プロトン性極性溶媒との組み合わせによっては、分離が容易になる場合がある。
また、末端エステル化物は、末端が−COFである場合のように水分と反応してフッ化水素酸を生成しガラスを腐蝕するおそれがないので、ガラス製の装置を安全に使用することができる。
上記工程(1)において、第一中間体は、上記一般式(i)においてX、Xの何れも水素原子であるフルオロアルキルカルボン酸誘導体の中間体である。第二中間体は、上記一般式(i)においてX、Xの何れか1つがフッ素原子であるフルオロアルキルカルボン酸誘導体の中間体である。第三中間体は、上記一般式(i)においてX、Xの何れもフッ素原子であるフルオロアルキルカルボン酸誘導体の中間体である。以下、「第一」、「第二」及び「第三」を付すことなく、単に「中間体」というときは、上記第一中間体、第二中間体及び第三中間体を含む概念を示す。
上記工程(2)は、上記一般式(3)におけるn2が0である場合、中間体の末端−COFを−COOM(Mは上記と同じ。)に変換することよりなる。
中間体は、酸を用いて加水分解し、副生するフッ化水素酸を除去し、蒸留することにより、下記一般式(5)
Rf(OCHCFCFn1OCXCFCOOH (5)
(Rf、n1、X及びXは上記と同じ。)で表される高純度のフルオロアルキルカルボン酸を得、次いでアルカリを用いて中和することにより、本発明のフルオロアルキルカルボン酸誘導体に変換することができる。この方法は、上述したフルオロカルボン酸フルオリドをフルオロカルボン酸塩にする方法(A)そのものである。
第一中間体末端エステル化物は、末端の−COOR(Rは、上記と同じ。)を鹸化して−COOM(Mは上記と同じ。)に変える方法(この方法は、上述したフルオロカルボン酸フルオリドをフルオロカルボン酸塩にする方法(B)に対応する。)、又は、−COOR(Rは、上記と同じ。)を鹸化し、次いで酸を用いて−COOHに変換したのちアルカリを用いて中和し−COOMに変える方法(この方法は、上述したフルオロカルボン酸フルオリドをフルオロカルボン酸塩にする方法(C)に対応する。)により、本発明のフルオロアルキルカルボン酸誘導体に変換することができる。
上記工程(2)は、上記一般式(3)におけるn2が1である場合、例えば、
方法(a):中間体、テトラフルオロエチレン及びヨウ素を、アセトニトリル中で反応させることにより、上記中間体末端−COFを−CFOCFCFIに変換し(J.F.C.10(1977)85−110に記載)、これを発煙硫酸と反応させることにより−CFOCFCOFに変換した後、続いて−CFOCFCOFにおける末端−COFの加水分解を行い、その後中和することからなる方法;
方法(b):中間体末端−COFを、ヘキサフルオロプロピレンオキシドを付加させることにより、−CF(OCF(CF)CFOCF(CF)COF(pは、0〜5の整数)に変換する反応(特開昭57−54147号公報に記載)、
上記末端−CF(OCF(CF)CFOCF(CF)COFにおける末端−CF(CF)COFを−CF(CF)COIに変換した後、−CF(CF)Iに変換する反応(特開平5−9150号公報に記載)、及び、
上記末端−CF(CF)Iを−CF(CF)(CFCFI(qは、1〜5の整数)に変換した後、−CF(CF)(CFCFq−1CFCOFに変換する反応(特開昭58−152839号公報に記載)
を順に行い、続いて上記−CF(CF)(CFCFq−1CFCOFにおける末端−COFの加水分解を行った後、中和を行うことからなる方法
等により行うことができる。
上記方法(a)及び方法(b)において、上記加水分解の方法としては、希硫酸等の酸を用いる方法が挙げられ、上記中和の方法としては、水酸化ナトリウム等のアルカリ金属水酸化物、又は、アンモニア水を用いる方法が挙げられる。
本発明のフルオロアルキルカルボン酸誘導体は、上述の構造を有することから、界面活性剤として優れた性質を示し、例えば、含フッ素重合体の重合における界面活性剤として好適に用いることができ、また、含フッ素重合体水性分散液における分散剤としても好適に用いることができる。
本発明のフルオロアルキルカルボン酸誘導体は、表面張力の低下が従来公知の界面活性剤に比べて少ないものである。表面張力の低下は、乳化力が増すことを表すので、表面張力の低下が少ない化合物は、通常、重合時の乳化剤として用いない。しかしながら、本発明のフルオロアルキルカルボン酸誘導体は、表面張力の低下が少ないものであるにもかかわらず、高い乳化力を有し、後述する含フッ素重合体の重合における乳化剤として用いた場合、含フッ素重合体からなる粒子の平均一次粒子径を大きくすることができる。
上記平均一次粒子径は、重合反応終了後の含フッ素重合体の濃度を実質的に変更する操作を未だ加えていない状態の分散液中に含まれる含フッ素重合体の粒子径の平均値である。
本発明のフルオロアルキルカルボン酸誘導体は、1種のみ使用しても上記効果を充分示すものであるが、2種以上を同時に使用してもよい。また、本発明のフルオロアルキルカルボン酸誘導体は、既知の他の界面活性作用を有する化合物と併用してもよい。
本明細書において、上記「含フッ素重合体」は、炭素原子に結合しているフッ素原子を有する重合体である。本発明において、上記含フッ素重合体は、フッ素含有単量体の1種又は2種以上を重合することにより得られるものであるが、フッ素原子を有しない非フッ素系の単量体をも共重合させて得られるものであってもよい。上記「フッ素含有単量体」は、炭素原子に結合しているフッ素原子を少なくとも1個有する単量体である。上記含フッ素重合体については、後述する。
本発明のフルオロアルキルカルボン酸誘導体は、写真乳剤、写真処理剤、化粧品、洗浄剤、気泡剤、消泡剤、グリース、潤滑剤、金属表面処理剤、離型剤、研磨剤、ワックス、結晶成長制御剤、セメント添加剤、消化剤、エッチング剤、皮革処理剤、医農薬、殺虫剤、固着防止剤、撥剤、通常の重合用界面活性剤、分散剤として好適に用いることができる。上記各用途において、本発明のフルオロアルキルカルボン酸誘導体は、1種又は2種以上を同時に使用することもできるし、他の物質と混合して使用することもできる。また、上記各用途において、公知の方法を採用することができる。
本発明の界面活性剤は、上述した本発明のフルオロアルキルカルボン酸誘導体からなるものである。
本発明の界面活性剤は、本発明のフルオロアルキルカルボン酸誘導体を1種のみ含有するものであっても、界面活性剤として充分に機能するものであるが、本発明のフルオロアルキルカルボン酸誘導体を2種以上含有するものであってもよい。
本発明の界面活性剤は、上記フルオロアルキルカルボン酸誘導体に加え、その他の界面活性作用を有する化合物をも含むものであってもよい。
上記その他の界面活性作用を有する化合物としては特に限定されず、例えば、アニオン系、カチオン系、ノニオン系又はベタイン系の界面活性剤の何れであってもよく、これらの界面活性剤は、ハイドロカーボン系のものであってよい。
本発明の界面活性剤は、本発明のフルオロアルキルカルボン酸誘導体と、所望により用いるその他の界面活性作用を有する化合物に加え、添加剤を含むものであってよい。上記添加剤としては特に限定されず、例えば、安定剤等の一般的な界面活性剤に通常用いられるものであってよい。
本発明の界面活性剤は、含フッ素重合体を製造するための重合時に存在させる乳化剤として好適に用いることができるほか、重合により得られた含フッ素重合体を水性媒体に分散させるための分散剤としても好適に用いることができる。
本発明の含フッ素重合体の製造方法は、水性媒体中で重合を行うにあたり、上述したフルオロアルキルカルボン酸誘導体を界面活性剤として使用するものである。
上記フルオロアルキルカルボン酸誘導体は、1種のみ使用しても含フッ素重合体の製造方法における界面活性剤としての効果を発揮するが、2種以上を同時に使用してもよい。また、上記フルオロアルキルカルボン酸誘導体は、その他の界面活性作用を有する化合物と併用してもよい。
本発明の含フッ素重合体の製造方法において、重合は、重合反応器に、水性媒体、上記フルオロアルキルカルボン酸誘導体、単量体及び必要に応じて他の添加剤を仕込み、反応器の内容物を撹拌し、そして反応器を所定の重合温度に保持し、次に所定量の重合開始剤を加え、重合反応を開始することにより行う。重合反応開始後に、目的に応じて、単量体、重合開始剤、連鎖移動剤及び本発明のフルオロアルキルカルボン酸誘導体を追加してもよい。
上記重合において、通常、重合温度は、5〜120℃であり、重合圧力は、0.05〜10MPaGである。重合温度、重合圧力は、使用する単量体の種類、目的とする重合体の分子量、反応速度によって適宜決定される。
上記「水性媒体」は、重合を行わせる反応媒体であって、水を含む液体を意味する。上記水性媒体は、水を含むものであれば特に限定されず、水と、例えば、アルコール、エーテル、ケトン等のフッ素非含有有機溶媒、及び/又は、沸点が40℃以下であるフッ素含有有機溶媒とを含むものであってもよいし、上記有機溶媒を含まない水であってもよい。例えば、懸濁重合を行うとき、水とフッ素含有有機溶媒とを合わせて用いることができる。
上記水性媒体は、後述する本発明の含フッ素重合体水性分散液における水性媒体として使用することができる。
上記重合において、上記フルオロアルキルカルボン酸誘導体は、合計添加量で、水性媒体の0.0001〜20質量%の量を添加することが好ましく、より好ましい下限は0.001質量%であり、より好ましい上限は15質量%、更に好ましい上限は10質量%、特に好ましい上限は1質量%である。上記添加量は、使用する単量体の種類、目的とする重合体の分子量等によって適宜決定される。
上記重合において、上記フルオロアルキルカルボン酸誘導体は、合計添加量で、水性媒体の0.0001〜20質量%の量を重合開始時に添加することがより好ましい。
重合開始剤としては、上述の重合温度範囲でラジカルを発生しうるものであれば特に限定されず、公知の油溶性及び/又は水溶性の重合開始剤を使用することができる。更に、還元剤等と組み合わせてレドックスとして重合を開始することもできる。上記重合開始剤の濃度は、単量体の種類、目的とする重合体の分子量、反応速度によって適宜決定される。
上記重合において、更に、目的に応じて、公知の連鎖移動剤、ラジカル捕捉剤を添加し、重合速度、分子量の調整を行うこともできる。
上記含フッ素重合体は、フッ素含有単量体を重合することにより得られるものであり、目的に応じて、フッ素非含有単量体をも共重合させることもできる。
上記フッ素含有単量体としては、フルオロオレフィン、好ましくは炭素原子2〜10個を有するフルオロオレフィン;環式のフッ素化された単量体;式CY=CYOR又はCY=CYOROR(Yは、H又はFであり、Rは、水素原子の一部又は全てがフッ素原子で置換されている炭素数1〜8のアルキル基であり、Rは、水素原子の一部又は全てがフッ素原子で置換されている炭素数1〜8のアルキレン基である。)で表されるフッ素化アルキルビニルエーテル等が挙げられる。
上記フルオロオレフィンは、好ましくは、炭素原子2〜6個を有するものである。上記炭素原子2〜6個を有するフルオロオレフィンとしては、例えば、テトラフルオロエチレン[TFE]、ヘキサフルオロプロピレン[HFP]、クロロトリフルオロエチレン[CTFE]、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン[VDF]、トリフルオロエチレン、ヘキサフルオロイソブチレン及びパーフルオロブチルエチレン等が挙げられる。上記環式のフッ素化された単量体としては、好ましくは、パーフルオロ−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソール[PDD]、パーフルオロ−2−メチレン−4−メチル−1,3−ジオキソラン[PMD]等が挙げられる。
上記フッ素化アルキルビニルエーテルにおいて、上記Rは、好ましくは、炭素原子1〜4個を有するものであり、より好ましくは水素原子の全てがフッ素によって置換されているものであり、上記Rは、好ましくは、炭素原子2〜4個を有するものであり、より好ましくは、水素原子の全てがフッ素原子によって置換されているものである。
上記フッ素非含有単量体としては、上記フッ素含有単量体と反応性を有する炭化水素系単量体等が挙げられる。上記炭化水素系単量体としては、例えば、エチレン、プロピレン、ブチレン、イソブチレン等のアルケン類;エチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル等のアルキルビニルエーテル類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、n−酪酸ビニル、イソ酪酸ビニル、吉草酸ビニル、ピバリン酸ビニル、カプロン酸ビニル、カプリル酸ビニル、カプリン酸ビニル、バーサチック酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ミリスチン酸ビニル、パルミチン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、安息香酸ビニル、パラ−t−ブチル安息香酸ビニル、シクロヘキサンカルボン酸ビニル、モノクロル酢酸ビニル、アジピン酸ビニル、アクリル酸ビニル、メタクリル酸ビニル、クロトン酸ビニル、ソルビン酸ビニル、桂皮酸ビニル、ウンデシレン酸ビニル、ヒドロキシ酢酸ビニル、ヒドロキシプロピオイン酸ビニル、ヒドロキシ酪酸ビニル、ヒドロキシ吉草酸ビニル、ヒドロキシイソ酪酸ビニル、ヒドロキシシクロヘキサンカルボン酸ビニル等のビニルエステル類;エチルアリルエーテル、プロピルアリルエーテル、ブチルアリルエーテル、イソブチルアリルエーテル、シクロヘキシルアリルエーテル等のアルキルアリルエーテル類;エチルアリルエステル、プロピルアリルエステル、ブチルアリルエステル、イソブチルアリルエステル、シクロヘキシルアリルエステル等のアルキルアリルエステル類等が挙げられる。
上記フッ素非含有単量体としては、また、官能基含有炭化水素系単量体であってもよい。上記官能基含有炭化水素系単量体としては、例えば、ヒドロキシエチルビニルエーテル、ヒドロキシプロピルビニルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテル、ヒドロキシイソブチルビニルエーテル、ヒドロキシシクロヘキシルビニルエーテル等のヒドロキシアルキルビニルエーテル類;イタコン酸、コハク酸、無水コハク酸、フマル酸、無水フマル酸、クロトン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、パーフルオロブテン酸等のカルボキシル基を有するフッ素非含有単量体;グリシジルビニルエーテル、グリシジルアリルエーテル等のグリシジル基を有するフッ素非含有単量体;アミノアルキルビニルエーテル、アミノアルキルアリルエーテル等のアミノ基を有するフッ素非含有単量体;(メタ)アクリルアミド、メチロールアクリルアミド等のアミド基を有するフッ素非含有単量体等が挙げられる。
本発明の製造方法により好適に製造される含フッ素重合体として、重合体における単量体のモル分率が最も多い単量体(以下、「最多単量体」)がTFEであるTFE重合体、最多単量体がVDFであるVDF重合体、及び、最多単量体がCTFEであるCTFE重合体等が挙げられる。
TFE重合体としては、好適には、TFE単独重合体であってもよいし、(1)TFE、(2)炭素原子2〜8個を有する1つ又は2つ以上のTFE以外のフッ素含有単量体、特にHFP若しくはCTFE、及び、(3)その他の単量体からなる共重合体であってもよい。上記(3)その他の単量体としては、例えば、炭素原子1〜5個、特に炭素原子1〜3個を有するアルキル基を持つフルオロ(アルキルビニルエーテル);フルオロジオキソール;パーフルオロアルキルエチレン;ω―ヒドロパーフルオロオレフィン等が挙げられる。
TFE重合体としては、また、TFEと、1つ又は2つ以上のフッ素非含有単量体との共重合体であってもよい。上記フッ素非含有単量体としては、例えば、エチレン、プロピレン等のアルケン類;ビニルエステル類;ビニルエーテル類が挙げられる。TFE重合体としては、また、TFEと、炭素原子2〜8個を有する1つ又は2つ以上のフッ素含有単量体と、1つ又は2つ以上のフッ素非含有単量体との共重合体であってもよい。
VDF重合体としては、好適には、VDF単独重合体[PVDF]であってもよいし、(1)VDF、(2)炭素原子2〜8個を有する1つ又は2つ以上のVDF以外のフルオロオレフィン、特にTFE、HFP若しくはCTFE、及び、(3)炭素原子1〜5個、特に炭素原子1〜3個を有するアルキル基を持つパーフルオロ(アルキルビニルエーテル)からなる共重合体等であってもよい。
CTFE重合体としては、好適には、CTFE単独重合体であってもよいし、(1)CTFE、(2)炭素原子2〜8個を有する1つ又は2つ以上のCTFE以外のフルオロオレフィン、特に、TFE若しくはHFP、及び、(3)炭素原子1〜5個、特に炭素原子1〜3個を有するアルキル基を持つパーフルオロ(アルキルビニルエーテル)からなる共重合体であってもよい。
CTFE重合体としては、また、CTFEと、1つ又は2つ以上のフッ素非含有単量体との共重合体であってもよく、上記フッ素非含有単量体としては、エチレン、プロピレン等のアルケン類;ビニルエステル類;ビニルエーテル類等が挙げられる。
本発明の製造方法により製造される含フッ素重合体は、ガラス状、可塑性又はエラストマー性であり得る。これらのものは非晶性又は部分的に結晶性であり、圧縮焼成加工、溶融加工又は非溶融加工に供することができる。
本発明の製造方法では、例えば、(I)非溶融加工性樹脂として、ポリテトラフルオロエチレン重合体[PTFE重合体]が、(II)溶融加工性樹脂として、エチレン/TFE共重合体[ETFE]、TFE/HFP共重合体[FEP]及びTFE/パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)共重合体[PFA、MFA等]が、(III)エラストマー性共重合体として、TFE/プロピレン共重合体、TFE/プロピレン共重合体/第3モノマー共重合体(上記第3モノマーは、VDF、HFP、CTFE、パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)類等)、TFEとパーフルオロ(アルキルビニルエーテル)類とからなる共重合体;HFP/エチレン共重合体、HFP/エチレン/TFE共重合体;PVDF;VDF/HFP共重合体、HFP/エチレン共重合体、VDF/TFE/HFP共重合体等の熱可塑性エラストマー;及び、特公昭61−49327号公報に記載の含フッ素セグメント化重合体等が好適に製造されうる。
上記パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)は、式:
Rf(OCFQCF(OCRCFCF(OCFOCF=CF
(式中、Rfは炭素数1〜6のパーフルオロアルキル基を表す。j、k及びhは、同一又は異なっていてもよい0〜5の整数である。Q、Q及びRは、同一又は異なって、F若しくはCFである。)で表されるものである。
本発明の製造方法により好適に製造される上述の(I)非溶融加工性樹脂、(II)溶融加工性樹脂及び(III)エラストマー性重合体は、以下の態様で製造することが好ましい。
(I)非溶融加工性樹脂
本発明の製造方法において、PTFE重合体の重合は、通常、重合温度10〜100℃、重合圧力0.05〜5MPaGにて行われる。
上記重合は、攪拌機を備えた耐圧の反応容器に、純水及び本発明にフルオロアルキルカルボン酸誘導体を仕込み、脱酸素後、TFEを仕込み、所定の温度にし、重合開始剤を添加して反応を開始する。反応の進行とともに圧力が低下するので、初期圧力を維持するように、追加のTFEを連続的又は間欠的に追加供給する。所定量のTFEを供給した時点で、供給を停止し、反応容器内のTFEをパージし温度を室温に戻して反応を終了する。
上記PTFE重合体の製造において、知られている各種変性モノマーを併用することもできる。本明細書において、ポリテトラフルオロエチレン重合体[PTFE重合体]は、TFE単独重合体のみならず、TFEと変性モノマーとの共重合体であって、非溶融加工性であるもの(以下、「変性PTFE」という。)をも含む概念である。
上記変性モノマーとしては、例えば、HFP、CTFE等のパーハロオレフィン;炭素原子1〜5個、特に炭素原子1〜3個を有するアルキル基を持つフルオロ(アルキルビニルエーテル);フルオロジオキソール等の環式のフッ素化された単量体;パーハロアルキルエチレン;ω―ヒドロパーハロオレフィン等が挙げられる。変性モノマーの供給は、目的や、TFEの供給に応じて、初期一括添加、又は、連続的若しくは間欠的に分割添加を行うことができる。
変性PTFE中の変性モノマー含有率は、通常、0.001〜2モル%の範囲である。
上記PTFE重合体の製造において、上述のフルオロアルキルカルボン酸誘導体は、上記本発明の含フッ素重合体の製造方法における使用範囲で用いることができるが、通常、水性媒体の0.0001〜5質量%の量を添加する。上記フルオロアルキルカルボン酸誘導体の濃度は、上記範囲であれば特に限定されないが、通常、重合開始時に臨界ミセル濃度(CMC)以下で添加される。添加量が多いとアスペクト比の大きい針状粒子が生成し、水性分散液がゲル状となり安定性が損なわれる。
上記PTFE重合体の製造において、重合開始剤としては、過硫酸塩(例えば、過硫酸アンモニウム)や、ジコハク酸パーオキシド、ジグルタル酸パーオキシド等の有機過酸化物を、単独で又はこれらの混合物の形で使用することができる。また、亜硫酸ナトリウム等の還元剤と共用し、レドックス系にして用いてもよい。更に、重合中に、ヒドロキノン、カテコール等のラジカル捕捉剤を添加したり、亜硫酸アンモニウム等のパーオキサイドの分解剤を添加し、系内のラジカル濃度を調整することもできる。
上記PTFE重合体の製造において、連鎖移動剤としては、公知のものが使用できるが、例えば、メタン、エタン、プロパン、ブタン等の飽和炭化水素、クロロメタン、ジクロロメタン、ジフルオロエタン等のハロゲン化炭化水素類、メタノール、エタノール等のアルコール類、水素等が挙げられるが、常温常圧で気体状態のものが好ましい。
上記連鎖移動剤の使用量は、通常、供給されるTFE全量に対して、1〜1000ppmであり、好ましくは1〜500ppmである。
上記PTFE重合体の製造において、更に、反応系の分散安定剤として、実質的に反応に不活性であって、上記反応条件で液状となる炭素数が12以上の飽和炭化水素を、水性媒体100質量部に対して2〜10質量部で使用することもできる。また、反応中のpHを調整するための緩衝剤として、炭酸アンモニウム、リン酸アンモニウム等を添加してもよい。
上記PTFE重合体は、重合が終了した時点で、水性分散液における固形分濃度が10〜40質量%、平均一次粒子径が0.05〜5000μmである。特に本発明のフルオロアルキルカルボン酸誘導体を使用することによって0.2μm以下の微小粒子径のPTFE重合体からなる粒子を有する水性分散液を得ることができる。上記重合終了時のPTFE重合体は、数平均分子量1,000〜10,000,000のものである。
上記PTFE重合体の水性分散液は、凝析と乾燥とを経てファインパウダーとして各種用途に使用することができる。
上記PTFE重合体の水性分散液に対して凝析を行う場合、通常、ポリマーラテックス等の乳化重合により得た水性分散液を、水を用いて10〜20質量%の重合体濃度になるように希釈し、場合によっては、pHを中性又はアルカリ性に調整した後、撹拌機付きの容器中で反応中の撹拌よりも激しく撹拌して行う。上記凝析は、メタノール、アセトン等の水溶性有機化合物、硝酸カリウム、炭酸アンモニウム等の無機塩や、塩酸、硫酸、硝酸等の無機酸等を凝析剤として添加しながら撹拌を行ってもよい。上記凝析は、また、インラインミキサー等を使用して連続的に行ってもよい。
上記凝析前や凝析中に、着色のための顔料や機械的性質を改良するための各種充填剤を添加すれば、顔料や充填剤が均一に混合した顔料入り又は充填剤入りのPTFE重合体ファインパウダーを得ることができる。
上記PTFE重合体の水性分散液を凝析して得られた湿潤粉末の乾燥は、通常、上記湿潤粉末をあまり流動させない状態、好ましくは静置の状態を保ちながら、真空、高周波、熱風等の手段を用いて行う。粉末同士の、特に高温での摩擦は、一般にファインパウダー型のPTFE重合体に好ましくない影響を与える。これは、この種のPTFE重合体からなる粒子が小さな剪断力によっても簡単にフィブリル化して、元の安定な粒子構造の状態を失う性質を持っているからである。
上記乾燥は、10〜250℃、好ましくは100〜200℃の乾燥温度で行う。得られるPTFE重合体ファインパウダーは、成形用として好ましく、好適な用途としては、航空機及び自動車等の油圧系、燃料系のチューブ等が挙げられ、薬液、蒸気等のフレキシブルホース、電線被覆用途等が挙げられる。
上記重合により得られたPTFE重合体の水性分散液は、また、ノニオン性界面活性剤を加えることにより、安定化して更に濃縮し、目的に応じ、有機又は無機の充填剤を加えた組成物として各種用途に使用することも好ましい。上記組成物は、金属又はセラッミクスからなる基材上に被覆することにより、非粘着性と低摩擦係数を有し、光沢や平滑性、耐摩耗性、耐候性及び耐熱性に優れた塗膜表面とすることができ、ロールや調理器具等の塗装、ガラスクロスの含浸加工等に適している。
(II)溶融加工性樹脂
(1)本発明の製造方法において、FEPの重合は、通常、重合温度60〜100℃、重合圧力0.7〜4.5MPaGにて行うことが好ましい。
FEPの好ましい単量体組成(質量%)は、TFE:HFP=(60〜95):(5〜40)、より好ましくは(85〜90):(10〜15)である。上記FEPとしては、また、更に第3成分としてパーフルオロ(アルキルビニルエーテル)類を用い、全単量体の0.5〜2質量%である範囲内で変性させたものであってもよい。
上記FEPの重合において、上述のフルオロアルキルカルボン酸誘導体は、本発明の製造方法における使用範囲で用いることができるが、通常、水性媒体の0.0001〜5質量%の量を添加する。
上記FEPの重合において、連鎖移動剤としては、シクロヘキサン、メタノール、エタノール、四塩化炭素、クロロホルム、塩化メチレン、塩化メチル等を使用することが好ましく、pH緩衝剤としては、炭酸アンモニウム、燐酸水素二ナトリウム等を使用することが好ましい。
(2)本発明の製造方法において、PFA、MFA等のTFE/パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)共重合体の重合は、通常、重合温度60〜100℃、重合圧力0.7〜2.5MPaGで行うことが好ましい。
TFE/パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)共重合体の好ましい単量体組成(モル%)は、TFE:パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)=(95〜99.7):(0.3〜5)、より好ましくは(98〜99.5):(0.5〜2)である。上記パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)としては、式:CF=CFORf(式中、Rfは炭素数1〜6のパーフルオロアルキル基)で表されるものを使用することが好ましい。
上記TFE/パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)共重合体の重合において、上述のフルオロアルキルカルボン酸誘導体は、本発明の製造方法における使用範囲で用いることができるが、通常、水性媒体の0.0001〜2質量%の量で添加する。
上記TFE/パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)共重合体の重合において、連鎖移動剤としてシクロヘキサン、メタノール、エタノール、四塩化炭素、クロロホルム、塩化メチレン、塩化メチル、メタン、エタン等を使用することが好ましく、pH緩衝剤として、炭酸アンモニウム、燐酸水素二ナトリウム等を使用することが好ましい。
(3)本発明の製造方法において、ETFEの重合は、通常、重合温度20〜100℃、重合圧力0.5〜0.8MPaGで行うことが好ましい。
ETFEの好ましい単量体組成(モル%)は、TFE:エチレン=(50〜99):(50〜1)である。上記ETFEとしては、また、更に第3モノマーを用い、全単量体の0〜20質量%である範囲内で変性させたものであってもよい。好ましくは、TFE:エチレン:第3モノマー=(70〜98):(30〜2):(4〜10)である。上記第3モノマーとしては、2,3,3,4,4,5,5−ヘプタフルオロ−1−ペンテン(CH=CFCFCFCFH)、2−トリフルオロメチル−3,3,3−トリフルオロプロペン((CFC=CH)が好ましい。
上記ETFEの重合において、上述のフルオロアルキルカルボン酸誘導体は、本発明の製造方法における使用範囲で用いることができるが、通常、水性媒体の0.0001〜2質量%の量で添加する。
上記ETFEの重合において、連鎖移動剤として、シクロヘキサン、メタノール、エタノール、四塩化炭素、クロロホルム、塩化メチレン、塩化メチル等を使用することが好ましい。
(III)エラストマー性重合体
本発明の製造方法において、エラストマー性重合体の重合は、攪拌機を備えた耐圧の反応容器に、純水及び本発明のフルオロアルキルカルボン酸誘導体を仕込み、脱酸素後、モノマーを仕込み、所定の温度にし、重合開始剤を添加して、反応を開始する。反応の進行とともに圧力が低下するので、初期圧力を維持するように、追加のモノマーを連続的又は間欠的に追加供給する。所定量のモノマーを供給した時点で、供給を停止し、反応容器内のモノマーをパージし、温度を室温に戻して反応を終了する。乳化重合する場合、ポリマーラテックスを連続的に反応容器より取り出すことが好ましい。
特に、熱可塑性エラストマーを製造する場合、国際公開第00/01741号パンフレットに開示されているように、一旦重合体微粒子を高い界面活性剤濃度で合成してから希釈して更に重合を行うことで、通常の重合に比べて、最終的な重合速度を速くできる方法を使用することも可能である。
上記エラストマー性重合体の重合は、目的とする重合体の物性、重合速度制御の観点から適宜条件を選択するが、重合温度は通常−20〜200℃、好ましくは5〜150℃、重合圧力は通常0.5〜10MPaG、好ましくは1〜7MPaGにて行われる。また、重合媒体中のpHは、公知の方法等により、後述するpH調整剤等を用いて、通常2.5〜9に維持することが好ましい。
上記エラストマー性重合体の重合に用いる単量体としては、フッ化ビニリデンの他に、炭素原子と少なくとも同数のフッ素原子を有しフッ化ビニリデンと共重合し得る含フッ素エチレン性不飽和単量体が挙げられる。
上記含フッ素エチレン性不飽和単量体としては、トリフルオロプロペン、ペンタフルオロプロペン、へキサフルオロブテン、オクタフルオロブテンが挙げられる。なかでも、へキサフルオロプロペンは、それが重合体の結晶成長を遮断した場合に得られるエラストマーの特性のために特に好適である。上記含フッ素エチレン性不飽和単量体としては、また、トリフルオロエチレン、TFE及びCTFE等が挙げられるし、1種若しくは2種以上の塩素及び/又は臭素置換基をもった含フッ素単量体を用いることもできる。パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)、例えばパーフルオロ(メチルビニルエーテル)も用いることができる。TFE及びHFPは、エラストマー性重合体を製造するのに好ましい。
エラストマー性重合体の好ましい単量体組成(質量%)は、フッ化ビニリデン:HFP:TFE=(20〜70):(20〜60):(0〜40)である。この組成のエラストマー性重合体は、良好なエラストマー特性、耐薬品性、及び、熱的安定性を示す。
上記エラストマー性重合体の重合において、上述のフルオロアルキルカルボン酸誘導体は、本発明の製造方法における使用範囲で用いることができるが、通常、水性媒体に対して0.0001〜5質量%の量で添加する。
上記エラストマー性重合体の重合において、重合開始剤としては、公知の無機ラジカル重合開始剤を使用することができる。上記無機ラジカル重合開始剤としては、従来公知の水溶性無機過酸化物、例えば、ナトリウム、カリウム及びアンモニウムの過硫酸塩、過リン酸塩、過硼酸塩、過炭素塩又は過マンガン酸塩が特に有用である。上記ラジカル重合開始剤は、更に、還元剤、例えば、ナトリウム、カリウム又はアンモニウムの亜硫酸塩、重亜硫酸塩、メタ重亜硫酸塩、ハイポ亜硫酸塩、チオ硫酸塩、亜リン酸塩若しくはハイポ亜リン酸塩により、又は、容易に酸化される金属化合物、例えば第一鉄塩、第一銅塩若しくは銀塩により、更に活性化することができる。好適な無機ラジカル重合開始剤は、過硫酸アンモニウムであり、過硫酸アンモニウムと重亜硫酸ナトリウムと共にレドックス系において使用することが、より好ましい。
上記重合開始剤の添加濃度は、目的とする重合体の分子量や、重合反応速度によって適宜決定されるが、モノマー全量の0.0001〜10質量%、好ましくは0.01〜5質量%の量に設定する。
上記エラストマー性重合体の重合において、連鎖移動剤としては、公知のものを使用することができるが、PVDFの重合では、炭化水素、エステル、エーテル、アルコール、ケトン、塩素化合物、カーボネートを用いることができ、熱可塑性エラストマーでは、炭化水素、エステル、エーテル、アルコール、塩素化合物、ヨウ素化合物を用いることができる。なかでも、PVDFの重合では、アセトン、イソプロピルアルコールが好ましく、熱可塑性エラストマーの重合では、イソペンタン、マロン酸ジエチル、酢酸エチルは、反応速度が低下しにくいという観点から好ましく、I(CFI、I(CFI、ICHI等のジヨウ素化合物は、重合体末端のヨウ素化が可能で、反応性重合体として使用できる観点から好ましい。
上記連鎖移動剤の使用量は、供給されるモノマー全量に対して、通常0.5×10−3〜5×10−3モル%、好ましくは1.0×10−3〜3.5×10−3モル%である。
上記エラストマー性重合体の重合において、PVDFの重合では、乳化安定剤としてパラフィンワックス等を好ましく用いることができ、熱可塑性エラストマーの重合では、pH調整剤として、リン酸塩、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等を好ましく用いることができる。
本発明によって得られるエラストマー性重合体は、重合が終了した時点で、固形分濃度が10〜40質量%、平均一次粒子径が0.03〜1μm、好ましくは、0.05〜0.5μm、数平均分子量が1,000〜2,000,000のものである。
上記エラストマー性重合体の平均一次粒子径は、例えば、He−Ne又はAr等のレーザー光源を備えた動的光散乱測定装置によって求めることができる。
本発明によって得られるエラストマー性重合体は、必要に応じて、炭化水素系界面活性剤等の分散安定剤の添加、濃縮等をすることにより、ゴム成形加工に適したディスパージョンにすることができる。上記ディスパージョンは、pH調節、凝固、加熱等を行い処理される。各処理は次のように行われる。
上記pH調節は、硝酸、硫酸、塩酸若しくはリン酸等の鉱酸、及び/又は、炭素数5以下でpK=4.2以下のカルボン酸等を加え、pHを2以下とすることからなる。
上記凝固は、アルカリ土類金属塩を添加することにより行われる。上記アルカリ土類金属塩としては、カルシウム又はマグネシウムの硝酸塩、塩素酸塩及び酢酸塩が挙げられる。
上記pH調節及び上記凝固は、いずれを先に行ってもよいが、先にpH調節を行うことが好ましい。
各操作の後、エラストマーと同容量の水で洗浄を行い、エラストマー内に存在する少量の緩衝液や塩等の不純物を除去し、乾燥を行う。乾燥は、通常、乾燥炉内で、高温下、空気を循環させながら、約70〜200℃で行われる。
本発明の含フッ素重合体の製造方法により、含フッ素重合体は、通常、上記重合反応により得られる水性分散液の5〜70質量%の濃度で得られる。
上記水性分散液における含フッ素重合体の濃度の好ましい下限は10質量%、より好ましい下限は15質量%、好ましい上限は40質量%、より好ましい上限は35質量%、更に好ましい上限は30質量%である。
上記重合反応により得られる重合上がりの水性分散液は、濃縮するか又は分散安定化処理等してディスパージョンとしてもよいし、凝析又は凝集に供して回収し乾燥して得られる粉末、凝集体その他の固形物としてもよい。本発明の含フッ素重合体の製造方法は、含フッ素重合体を製造するものであるが、製造した含フッ素重合体は、上記重合上がりの水性分散液に分散された含フッ素重合体であってもよいし、上記ディスパージョンに分散された含フッ素重合体であってもよいし、上記粉末、凝集体その他の固形物としての含フッ素重合体であってもよい。
上記「重合上がりの水性分散液」とは、重合反応終了後に含フッ素重合体の濃度を実質的に変更する操作を未だ加えていないものを意味する。上記操作としては、例えば濃縮、凝析、凝集等があり、これらの操作により、重合上がりの水性分散液中の含フッ素重合体からなる粒子(一次粒子)が凝集して、粒径が増大した粒子(二次粒子)が形成される。
本発明の含フッ素重合体水性分散液は、含フッ素重合体からなる粒子が、上述のフルオロアルキルカルボン酸誘導体又は本発明の界面活性剤の存在下に水性媒体に分散しているものである。
本発明の含フッ素重合体水性分散液は、重合上がりの水性分散液であってもよいし、上記重合上がりの水性分散液に上述の濃縮、分散安定化処理等の操作を行うことにより得られるディスパージョンであってもよいし、含フッ素重合体の粉末を上述のフルオロアルキルカルボン酸誘導体又は本発明の界面活性剤の存在下に水性媒体に分散させたものであってもよい。
本発明の含フッ素水性分散液において、上記「水性媒体」は、分散媒であり、水を含む液体である。上記水性媒体としては、水を含むものであれば特に限定されず、例えば、上述した本発明の製造方法で用いる水性媒体等を使用することができる。上記水性媒体は、重合における水性媒体をそのまま用いるものであってよい。
本発明の含フッ素重合体水性分散液において、上述のフルオロアルキルカルボン酸誘導体は、上述の一般式(i)における−COOMが上記水性媒体中において電離しているものであってもよい。
本発明の含フッ素重合体水性分散液は、上述した本発明のフルオロアルキルカルボン酸誘導体が含フッ素重合体への親和性と水性媒体への親和性との良好なバランスを有するので、上述の製造方法において界面活性剤として用いる場合と同様、優れた分散力を発揮することができる。
本発明の含フッ素重合体水性分散液が、重合上がりの水性分散液である場合、一次粒子の数平均粒子径は、好ましくは約0.03〜1μmである。本発明の含フッ素重合体水性分散液は、一次粒子の数平均粒子径が上記範囲内であっても、分散安定性や機械安定性に優れ、例えば重合時の重合槽内壁や攪拌翼等への付着を抑制することができる。より好ましい下限は、0.05μm、より好ましい上限は0.5μmである。
上記一次粒子の濃度としては、約5〜70質量%であることが好ましい。上記濃度のより好ましい下限は10質量%、更に好ましい下限は15質量%であり、好ましい上限は60質量%である。
一方、上記含フッ素重合体水性分散液は、濃縮、分散安定化処理等を行うことにより得られるディスパージョンである場合、含フッ素重合体からなる二次粒子を、好ましくは30〜70質量%の濃度で含む。
本発明の含フッ素重合体水性分散液において、上述のフルオロアルキルカルボン酸誘導体は、0.0001〜20質量%の濃度であることが好ましい。0.0001質量%未満であると、分散安定性に劣る場合があり、20質量%を超えると、存在量に見合った分散効果がなく実用的でない。上記含有量のより好ましい下限は0.001質量%であり、上記含有量のより好ましい上限は10質量%の濃度であり、更に好ましい上限は2質量%である。
本発明の含フッ素重合体水性分散液は、重合上がりの水性分散液を濃縮、分散安定化処理等の操作を行うことにより、ディスパージョンとして調製されたものであってもよい。
上記濃縮の方法としては公知の方法が採用され、用途に応じて、含フッ素重合体濃度を40〜70質量%に濃縮することができる。濃縮によりディスパージョンの安定性が損なわれることがあるが、その場合は更に分散安定剤を添加してもよい。
上記分散安定剤としては、上述のフルオロアルキルカルボン酸誘導体や、その他の各種の界面活性剤を添加してもよい。好ましい上記各種の分散安定剤としては、ポリオキシアルキルエーテル等の非イオン性界面活性剤、特に、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル(例えばローム&ハース社製のトライトンX−100(商品名))、ポリオキシエチレンイソトリデシルエーテル(日本油脂社製のディスパノールTOC(商品名))、ポリオキシエチレンプロピルトリデシルエーテル等のポリオキシエチレンエーテル類が挙げられるが、これらのみに限定されるものではない。
上記分散安定剤の総量は、上記ディスパージョンの固形分に対して0.5〜20質量%であることが好ましい。0.5質量%未満であると、分散安定性に劣る場合があり、20質量%を超えると、存在量に見合った分散効果がなく実用的でない。上記総量のより好ましい下限は2質量%であり、より好ましい上限は12質量%である。
上記重合を行うことにより得られた水性分散液は、また、用途によっては濃縮せずに分散安定化処理して、ポットライフが長い含フッ素重合体水性分散液に調製することもできる。使用する分散安定剤は上記と同じものが挙げられる。
本発明の含フッ素重合体水性分散液の用途としては特に限定されず、水性分散液のまま適用するものとして、基材上に塗布し乾燥した後必要に応じて焼成することよりなる塗装;不織布、樹脂成形品等の多孔性支持体を含浸させ乾燥した後、好ましくは焼成することよりなる含浸;ガラス等の基材上に塗布し乾燥した後、必要に応じて水中に浸漬し、基材を剥離して薄膜を得ることよりなるキャスト製膜等が挙げられ、これら適用例としては、水性分散型塗料、電極用結着剤、電極用撥水剤等が挙げられる。
本発明の含フッ素重合体水性分散液は、公知の顔料、増粘剤、分散剤、消泡剤、凍結防止剤、成膜助剤等の配合剤を配合することにより、又は、更に他の高分子化合物を複合して、コーティング用水性塗料として用いることができる。
上記含フッ素重合体水性分散液を用いて塗装、含浸又はキャスト製膜を行うことにより得られる含フッ素重合体膜もまた、本発明の一つである。
本発明の含フッ素重合体水性分散液の用途としては、また、含フッ素重合体水性分散液を凝析又は凝集に供して回収し、乾燥し、所望により造粒して得られる粉末を利用する用途が挙げられる。
上記凝析又は凝集は、従来公知の方法をそのまま採用することができる。例えば、上記水性分散液に攪拌下で凝析剤(凝集剤)を添加して凝析(凝集)させる方法、上記水性分散液を凍結・解凍することにより凝析させる方法(凍結凝析法)、上記水性分散液を機械的に高速攪拌することのみにより凝析させる方法(機械凝析法)、細いノズルから上記水性分散液を噴出させると同時に水を蒸発させる方法(スプレー凝析法)等が好ましく採用される。要すれば、凝集助剤を添加してもよい。乾燥は室温で放置してもよいし、250℃までの加熱状態で乾燥させてもよい。
上記含フッ素重合体水性分散液を凝析することより得られる含フッ素重合体粉末もまた、本発明の一つである。
上記含フッ素重合体水性分散液を凝析することより得られる含フッ素重合体凝集体であって、上記含フッ素重合体凝集体は、ポリテトラフルオロエチレン重合体粉末からなるファインパウダー、溶融加工性樹脂からなる粉末若しくはペレット、又はエラストマー性重合体からなる凝固体である含フッ素重合体凝集体もまた、本発明の一つである。
得られる粉末は、例えば、潤滑助剤を混合しペースト押出成形等に好適な成形材料として、又は、所望により顔料を混合し粉体塗料として、用いることができる。
上記含フッ素重合体粉末又は上記含フッ素重合体凝集体を用いて成形加工することにより得られる含フッ素重合体成形体もまた、本発明の一つである。
本発明のフルオロアルキルカルボン酸誘導体は、上述の構成よりなるので、含フッ素重合体の製造における界面活性剤として、また、含フッ素重合体水性分散液の分散剤として、更にその他の各種用途において好適に使用することができる。本発明の含フッ素重合体の製造方法は、上記フルオロアルキルカルボン酸誘導体を界面活性剤として使用するものなので、含フッ素重合体を効率良く製造することができる。
更に、本発明の含フッ素重合体水性分散液は、本発明のフルオロアルキルカルボン酸誘導体、又は、本発明の界面活性剤の存在下で含フッ素重合体からなる粒子が分散しているものなので、安定性、加工性等に優れている。
次に本発明を、合成例、実施例及び比較例に基づいて説明するが、本発明はかかる合成例及び実施例のみに限定されるものではない。
各実施例で行った測定の方法を、以下に示す。
固形分濃度:得られた水性分散液を150℃で1時間乾燥した時の質量減少より求めた。
表面張力:ウィルヘルミー法により25℃にて測定した。
標準比重(SSG):ASTM D1457−69に従い測定した。
平均一次粒子径(PTFE):固形分濃度を約0.02質量%に希釈し、単位長さに対する550nmの投射光の透過率と電子顕微鏡写真によって決定された平均粒子径との検量線を基にして、上記透過率から間接的に求めた。
上記透過率の測定は、動的光散乱測定装置マイクロトラック9340UPA(Honeywell社製)を用いて測定した。
平均一次粒子径(エラストマー性重合体):He−Ne又はAr等のレーザー光源を備えた動的光散乱測定装置によって求めた。
固形分含有量(P.C.):水性分散液1gを熱風乾燥炉にて150℃で1時間加熱したときの質量減少より求めた。
数平均分子量:ゲルパーミエーションクロマトグラフィー[G.P.C.]により、テトラヒドロフラン[THF]を溶出液として使用し、測定した。
ムーニー粘度:ALPHA MOONEY MV2000E(ALPHA社製)を用いて測定した。
引っ張り試験:JIS K 6251に準じて、ORIENTEC TENSILON RTA−1T(ORIENTEC社製)を用い測定した。
永久圧縮歪(Cs):JIS K 6262 に準拠した方法にて測定した。
硬度(Shore Aピーク値):ASTM D−1415に準拠した方法にて測定した。
合成例1
10Lのステンレス製耐圧反応容器に、予めモレキュラーシーブスで脱水したテトラグライム 2000gと、予めPで乾燥したCsF 100gとを入れ、窒素置換し、真空にした後、CFCFCOF 200gを圧入し、30℃に保った。これに2,2,3,3−テトラフルオロオキセタン約70gを約1時間おきに圧入し、反応させた。2,2,3,3−テトラフルオロオキセタンの仕込量が合計1750gに達したところで追加を止め、更に10時間以上反応させた。圧力変化が認められず、液層の2,2,3,3−テトラフルオロオキセタンがガスクロマトグラフィーでほとんど認められなくなった時点で残留ガスを放出し、窒素置換した後、オートクレーブを50℃に加温して、約4.0×10Paまで減圧し、CFCFCFOCHCFCOFの粗成物2470gを得た。
CFCFCFOCHCFCOFの粗成物を10段のオールダーショー精留塔で窒素下、常圧精留し、CFCFCFOCHCFCOF 2020gを得た。沸点は78℃であった。得られたCFCFCFOCHCFCOF 30gを希硫酸中に撹拌しながら徐々に注入し、加水分解した。これを希硫酸で数回洗浄し、減圧蒸留して、純粋なCFCFCFOCHCFCOOHを20.5g得た。得られたCFCFCFOCHCFCOOHの沸点は、約2.7×10Paの圧力下で84℃であった。得られたCFCFCFOCHCFCOOH 5.9gを29.8gの純水に完全に溶解したところ、pHは1.28であった。これに水酸化ナトリウム水溶液を滴下し、pHを7にした。得られた水溶液はCFCFCFOCHCFCOONaを19.8質量%含んでいた。上記水溶液を80℃で真空乾燥させて得られたCFCFCFOCHCFCOONa(固体塩)の融点をDSCで測定したところ、191.8℃であった。このCFCFCFOCHCFCOONaの0.2質量%水溶液の表面張力は68.5mN/mであった。2.0質量%水溶液の表面張力は48.0mN/mであった。
合成例2
合成例1で調製したCFCFCFOCHCFCOOHを、水酸化ナトリウム水溶液の代わりにアンモニア水を用いる以外は合成例1と同様にして、pH7に中和して、CFCFCFOCHCFCOONH水溶液(20.2質量%)を調製した。
得られたCFCFCFOCHCFCOONHの0.2質量%水溶液の表面張力は68.4mN/mであった。
合成例3
300mlのステンレス製耐圧反応容器に、予めモレキュラーシーブスで脱水したテトラグライム 70mlと、予めPで乾燥しておいたフッ化セシウム 1.25gとを入れ、窒素置換し、真空にした後、CFCFCFCOF 52.4gを圧入し、20℃に保った。これに2,2,3,3−テトラフルオロオキセタン約33.2gを約6回に分けて圧入し、反応させた。更に2時間以上反応させた。圧力変化が認められず、液層の2,2,3,3−テトラフルオロオキセタンがガスクロマトグラフィーでほとんど検知されなくなった時点で残留ガスを放出し、内容物を取り出し、精留により純粋なCFCFCFCFOCHCFCOF 32.3gを得た。沸点は2.5×10Paの圧力下で65.0℃であった。
得られたCFCFCFCFOCHCFCOF 28gを希硫酸中に撹拌しながら徐々に注入し、加水分解した。これを希硫酸で数回洗浄し、減圧蒸留して、純粋なCFCFCFCFOCHCFCOOHを25.7g得た。得られたCFCFCFCFOCHCFCOOHの沸点は、1.3×10Paの圧力下で75.5℃であった。得られたCFCFCFCFOCHCFCOOH 3.0gを水酸化ナトリウム水溶液で中和し、乾燥して目的化合物を得た。このCFCFCFCFOCHCFCOONaの0.2質量%水溶液の表面張力は63.4mN/mであった。2.0質量%水溶液の表面張力は37.5mN/mであった。
合成例4
合成例1で調製したCFCFCFCFOCHCFCOOHを、水酸化ナトリウム水溶液の代わりにアンモニア水を用いる以外は合成例1と同様にして、pH=7に中和して、CFCFCFCFOCHCFCOONH水溶液を調整した。
合成例5
ガス流通管を備えた100ml容量のPFA製容器に、合成例1で調製したCFCFCFOCHCFCOOH 39.6gを仕込み、窒素を20ml/分の流速で10分間流し、系内の酸素及び水分を除去した。この容器を60℃のウォーターバスで湯浴しながら、窒素で24%に希釈したフッ素ガスを、40ml/分の流速で15.3時間流通した。窒素で容器内を置換した後に、37.5gの反応物を回収した。この反応物を精留によって、常圧においてフラクション1(沸点58℃)25.1g及びフラクション2(沸点80.5℃)11.9gを得た。ガスクロマトグラフィーによる純度は、フラクション1が95%、フラクション2が99.5%であった。F−NMRによって−123.3ppmにスペクトルが出現していることよりフラクション1はCFCFCFOCFCFCOOH、−148.4ppmのスペクトルが出現していることよりフラクション2はCFCFCFOCHFCFCOOHであると同定された。各フラクション1gを10gの水に溶解し、アンモニア水を添加してpH=8に調整後、80℃で真空乾燥して、CFCFCFOCFCFCOONH及びCFCFCFOCHFCFCOONHを得た。
VDF/HFP重合体ラテックスの調製
実施例1
CFCFCFOCHCFCOONa 0.4gを、純水200mLに溶解し、500mL容量のオートクレーブに仕込み、窒素置換後、モノマーとして、VDF及びHFP(モル比、VDF:HFP=65:35)を仕込み、80℃において、0.85MPa下に、上記モノマー(モル比、VDF:HFP=65:35)を圧入により追加して、過硫酸アンモニウム(APS)0.04gと純水2.00gからなるAPS水溶液を添加して、重合を開始した。圧力が一定圧0.75MPaに下がったところで、上記モノマー(モル比、VDF:HFP=78:22)のガスを供給し、圧力を0.85MPaに戻した。上記VDF及びHFPの供給操作を3時間行い、残存モノマーを除去し、オートクレーブを冷却し、内容物を取り出した。取り出した水性分散液の固形分含有量(P.C.)は5.9質量%であり、含フッ素重合体の平均一次粒子径は102.8nmであった。生成した含フッ素重合体の組成をF−NMRにより測定したところ、モノマーのモル比は、VDF:HFP=78:22であった。
実施例2
CFCFCFOCHCFCOONaの量を4gに変更した以外は実施例1と同様にして、6時間重合した。得られた水性分散液の固形分含有量は5.0質量%であり、含フッ素重合体の平均一次粒子径は50.7nmであった。生成した含フッ素重合体の組成をF−NMRにより測定したところ、モノマーのモル比は、VDF:HFP=79:21であった。
実施例3
CFCFCFOCHCFCOONaの代わりにCFCFCFOCHCFCOONHを使用する以外は実施例1と同様にして、3時間重合した。得られた水性分散液の固形分含有量は、5.4質量%であり、含フッ素重合体の平均一次粒子径は217.3nmであった。生成した含フッ素重合体の組成をF−NMRにより測定したところ、モノマーのモル比は、VDF:HFP=79:21であった。
実施例4
内容積3Lのオートクレーブを使用し、純水1366mLとCFCFCFOCHCFCOONa 2.74gを仕込み、重合圧を1.55MPaにして、VDF及びHFPの重合を行い、圧力が1.45MPaとなった時点でVDF及びHFPを追加し、追加モノマーが8gとなった時点でI(CFCFI 2.94gを仕込み、3時間毎に過硫酸アンモニウムを追加する以外は、実施例1と同様にして18.8時間重合を行った。得られた水性分散液の固形分含有量は28.2質量%であり、含フッ素重合体の平均一次粒子径は266.6nmであった。生成した含フッ素重合体の組成をF−NMRにより測定したところ、モノマーのモル比は、VDF:HFP=76:24であった。
VDF/HFP重合体からなるエラストマーの調製
実施例5
実施例4で得られた水性分散液を、硫酸カリウムアンモニウム(カリ明礬)を用いて凝析し、純水で洗浄し、130℃で12時間乾燥した。エラストマー状のVDF/HFP重合体が得られ、ムーニー粘度はML1+10(100℃)=28.6であった。生成した含フッ素重合体の組成をF−NMRにより測定したところ、モノマーのモル比は、VDF:HFP=76:24であった。得られたエラストマー状のVDF/HFP重合体をTHFの0.1質量%溶液とし、数平均分子量、重量平均分子量、分子量分布を測定した。不溶解部分は認められなかった。Mn=62000、Mw=89000、Mw/Mn=1.4であり、ピークは単一であった。
上記VDF/HFP重合体のTHF溶液100部に対し、MTカーボン20部、トリアリルイソシアヌレート[TAIC]4部、ジアルキルパーオキサイド[架橋剤、商品名 パーヘキサ−25B(日本油脂社製)]1.5部を6インチゴムロールで混練りした。得られた組成物に対し、160℃にてJSRキュラストメーターII型で加硫度試験を行った。
結果を表1に示す。
Figure 0003758666
表1に示されるように、得られた組成物の加硫度が良いことが分かった。
上記組成物に対し、160℃×10分でプレス加硫(一次加硫)、続いて180℃、4時間の条件下でオーブン加硫(二次加硫)を行い、2mm厚のシートとP−24 O−リングを成形した。
上記2mm厚のシートから4号ダンベルを打ち抜き、引っ張り試験を行った。
また、上記P−24 O−リングを用いて、200℃、72時間の条件下で、25%圧縮を行い、圧縮永久歪(Cs)を測定した。
更に、硬度(Shore Aピーク値)を、上述の方法にて測定した。
結果を表2に示す。
Figure 0003758666
表2に示されるように、得られたエラストマー状組成物は、引っ張り強度が大きく、圧縮永久歪が低いことが分かった。
比較例1
CFCFCFOCHCFCOONaを用いない以外は実施例4と同様にして重合を行った。重合の終期には撹拌の回転に異常をきたし、重合終了後、冷却中に、撹拌を維持することが困難となった。オートクレーブ内は重合した重合体の約半数が内壁、撹拌軸に大量に付着していた。
PTFE水性分散液の調製
実施例6
内容量3Lの攪拌翼付きステンレススチール製オートクレーブに、脱イオン水1.5L、パラフィンワックス60g(融点60℃)、及び、CFCFCFOCHCFCOONH86mgを仕込み、系内をTFEで置換した。内温を70℃にし、内圧が0.78MPaになるようにTFEを圧入し、0.6質量%の過硫酸アンモニウム[APS]水溶液5gを仕込み、反応を開始した。重合の進行に伴って重合系内の圧力が低下するので、連続的にTFEを追加して、内圧を0.78MPaに保ち、反応を継続した。重合開始1.4時間後にTFEをパージして重合を停止した。この水性分散液の固形分濃度は、6.5質量%、標準比重は2.230、含フッ素重合体の平均一次粒子径は、340nmであった。
実施例7
CFCFCFOCHCFCOONHの量を8600mgに変更した以外は、実施例6と同様にして、5.5時間反応を行った。この水性分散液の固形分濃度は、29.2質量%、標準比重は2.211、含フッ素重合体の平均一次粒子径は、365nmであった。
実施例8
CFCFCFOCHCFCOONHをCFCFCFOCFCFCOONH 1.81gに変更した以外は、実施例6と同様にして、8.7時間反応を行った。この水性分散液の固形分濃度は22.1質量%、樹脂の標準比重は2.221、平均一次粒子径は274nmであった。
実施例9
CFCFCFOCHCFCOONHをCFCFCFOCHFCFCOONH 1.72gに変更した以外は、実施例6と同様にして、2.7時間反応を行った。この水性分散液の固形分濃度は13.5質量%、樹脂の標準比重は2.223、平均一次粒子径は340nmであった。
本発明のフルオロアルキルカルボン酸誘導体は、例えば、含フッ素重合体の製造における界面活性剤として、また、含フッ素重合体水性分散液の分散剤として適用することができる。

Claims (18)

  1. 下記一般式(ii)
    Rf(OCHCFCFn1OCHXCF(Rfn2COOM(ii)
    (式中、Rfは、直鎖状又は分枝状の炭素数1〜20のフルオロアルキル基を表し、前記フルオロアルキル基は、主鎖に1〜5個の酸素原子を含むものであってもよい。Rfは、直鎖状又は分枝状の炭素数1〜25のフルオロアルキレン基を表し、前記フルオロアルキレン基は、主鎖に1〜5個の酸素原子を含むものであってもよい。n1は、0〜3の整数を表し、n2は、0又は1の整数を表す。Xは、水素原子又はフッ素原子を表し、Mは、NH又は一価の金属元素を表す。)で表されるフルオロアルキルカルボン酸誘導体からなる
    ことを特徴とする重合用界面活性剤。
  2. Rfは、直鎖状又は分枝状の炭素数1〜7のフルオロアルキル基であり、前記フルオロアルキル基は、主鎖に1〜3個の酸素原子を含むものであってもよい請求項1記載の重合用界面活性剤。
  3. Rfは、CF−、CFCF−、CFCFCF−、(CFCF−、CFCFCFCF−、CFCFCFOCF(CF)CF−、HCFCFCF−又はCFOCF(CF)CF−である請求項2記載の重合用界面活性剤。
  4. n1は、0である請求項1、2又は3記載の重合用界面活性剤。
  5. Rfは、−CFOCF−、−CF(OCF(CF)CFn3OCF(CF)−(n3は、0〜4の整数を表す。)、又は、−CF(OCF(CF)CFn4(CFCFn5−(n4は、0〜5の整数を表し、n5は、0〜5の整数を表す。但し、n4及びn5は、3×n4+2×n5≦20の関係を満たす。)である請求項1、2、3又は4記載の重合用界面活性剤。
  6. n2は、0である請求項1、2、3、4又は5記載の重合用界面活性剤。
  7. 水性媒体中で重合を行うにあたり、請求項1、2、3、4、5又は6記載の重合用界面活性剤を使用することを特徴とする
    含フッ素重合体の製造方法。
  8. 重合用界面活性剤を構成するフルオロアルキルカルボン酸誘導体は、水性媒体の0.0001〜20質量%の量で使用するものである請求項7記載の含フッ素重合体の製造方法。
  9. 含フッ素重合体からなる粒子が請求項1、2、3、4、5又は6記載の重合用界面活性剤の存在下で水性媒体に分散している
    ことを特徴とする含フッ素重合体水性分散液。
  10. 請求項9記載の含フッ素重合体水性分散液を凝析することより得られた
    ことを特徴とする含フッ素重合体粉末。
  11. 請求項9記載の含フッ素重合体水性分散液を凝析することより得られた含フッ素重合体凝集体であって、
    前記含フッ素重合体凝集体は、ポリテトラフルオロエチレン粉末、溶融加工性樹脂からなる粉末若しくはペレット、又は、エラストマー性重合体からなる凝固体である
    ことを特徴とする含フッ素重合体凝集体。
  12. 請求項9記載の含フッ素重合体水性分散液を用いて塗装、含浸又はキャスト製膜を行うことにより得られる
    ことを特徴とする膜。
  13. 請求項10記載の含フッ素重合体粉末又は請求項11記載の含フッ素重合体凝集体を用いて成形加工することにより得られる
    ことを特徴とする成形体。
  14. 下記一般式(3)
    Rf(OCHCFCFn1OCXCF(Rfn2COF (3)
    (式中、Rf、Rf、n1、n2及びXは、前記と同じ。Xは、水素原子を表す。)で表されるフルオロカルボン酸フルオリドをフルオロカルボン酸塩にすることにより請求項1、2、3、4、5又は6記載の重合用界面活性剤を製造することよりなる重合用界面活性剤の製造方法であって、
    前記一般式(3)で表されるフルオロカルボン酸フルオリドは、前記一般式(3)におけるn2が1であるものであり、下記一般式(2)
    Rf (OCH CF CF n1 OCX CF COF (2)
    (式中、Rf 、n1、X 及びX は、前記と同じ。)で表される中間体フルオロカルボン酸フルオリドにテトラフルオロエチレン及びヨウ素を非プロトン性極性溶媒中にて反応させることにより前記一般式(2)における末端の−COFを−CF OCF CF Iに変換し更に発煙硫酸と反応させることにより−CF OCF COFに変換することにより製造したものであり、
    前記一般式(2)で表される中間体フルオロカルボン酸フルオリドは、
    下記一般式(1)
    Rf (OCH CF CF n1 OCH CF COF (1)
    (式中、Rf 及びn1は、前記と同じ。)で表される第一中間体をモノフルオロ化することにより得られた下記一般式(2a)
    Rf (OCH CF CF n1 OCHFCF COF (2a)
    (式中、Rf 及びn1は、前記と同じ。)で表される第二中間体である重合用界面活性剤の製造方法。
  15. 下記一般式(3)
    Rf (OCH CF CF n1 OCX CF (Rf n2 COF (3)
    (式中、Rf 、Rf 、n1、n2及びX は、前記と同じ。X は、水素原子を表す。)で表されるフルオロカルボン酸フルオリドをフルオロカルボン酸塩にすることにより請求項1、2、3、4、5又は6記載の重合用界面活性剤を製造することよりなる重合用界面活性剤の製造方法であって、
    前記一般式(3)で表されるフルオロカルボン酸フルオリドは、前記一般式(3)におけるn2が1であるものであり、下記一般式(2)
    Rf (OCH CF CF n1 OCX CF COF (2)
    (式中、Rf 、n1、X 及びX は、前記と同じ。)で表される中間体フルオロカルボン酸フルオリドにヘキサフルオロプロピレンオキシドを付加させることにより前記一般式(2)における末端の−COFを−CF (OCF(CF )CF OCF(CF )COF〔pは、0〜5の整数〕に変換したのち末端の−CF(CF )COFを−CF(CF )COIを経て−CF(CF )Iに変換し更に−CF(CF )(CF CF I(qは、1〜5の整数)に変換し次いで−CF(CF )(CF CF q−1 CF COFに変換することにより製造したものであり、
    前記一般式(2)で表される中間体フルオロカルボン酸フルオリドは、
    下記一般式(1)
    Rf (OCH CF CF n1 OCH CF COF (1)
    (式中、Rf 及びn1は、前記と同じ。)で表される第一中間体をモノフルオロ化することにより得られた下記一般式(2a)
    Rf (OCH CF CF n1 OCHFCF COF (2a)
    (式中、Rf 及びn1は、前記と同じ。)で表される第二中間体である重合用界面活性剤の製造方法。
  16. Rfは、直鎖状又は分枝状の炭素数5〜7のフルオロアルキル基を表し、前記フルオロアルキル基は、主鎖に1〜5個の酸素原子を含むものであってもよい請求項14又は15記載の重合用界面活性剤の製造方法。
  17. 一般式(3)で表されるフルオロカルボン酸フルオリドをフルオロカルボン酸塩にすることは、
    (A)前記一般式(3)における末端の−COFを酸を用いて加水分解して−COOHに変換したのちアルカリを用いて中和することにより−COOMに変換する方法
    により行うものである請求項14、15又は16記載の重合用界面活性剤の製造方法。
  18. 一般式(3)で表されるフルオロカルボン酸フルオリドをフルオロカルボン酸塩にすることは、
    (B)前記一般式(3)における末端の−COFをエステル化し分離したのち鹸化することにより−COOMに変換する方法、又は、
    (C)前記一般式(3)における末端の−COFをエステル化し分離したのち鹸化して−COOMに変換し次いで酸を用いて−COOHに変換したのちアルカリを用いて中和することにより−COOMに変換する方法
    により行うものである請求項14、15又は16記載の重合用界面活性剤の製造方法。
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