JP3755142B2 - 車両振動低減装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両を加減速する際に発生する車両の振動を内燃機関の制御によって低減する車両振動低減装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、特開昭58−48738号公報に示すように、車両を急激に加速・減速する際に、それに伴って生じる内燃機関の発生トルクの変動によって駆動系に振動が発生し、これが車両を振動させる原因になることが知られている。この振動を低減するために、上記公報では、加減速時の駆動系の振動を機関回転数の変動としてとらえ、この機関回転数の変動を抑制するように点火時期を補正することで、車両の振動を低減するようにしている。
【0003】
しかし、実際の機関回転数は内燃機関の燃焼のばらつきや加減速時の過渡的な空燃比のずれなどの影響を受けて変動するため、例えば車両が加速状態で、機関回転数が上昇していなければならない状況で、瞬間的に機関回転数が低下してしまうという現象が発生することがある。このような現象が発生すると、上記公報のように機関回転数の変動のみを見て制御する方法では、実際には点火時期を遅角側に補正すべき状態であるにも拘らず、反対に進角側に補正してしまうおそれがあり、却って振動を増幅しかねない。
【0004】
このような不具合を解消するため、特開平5−79391号公報に示すように機関回転数の他に、機関負荷(吸気管圧力)も考慮し、これら双方の検出値を基にして、予め設定された二次元マップから内燃機関の発生トルクを算出した後、この発生トルクとトランスミッションのギア位置とに基づいて目標機関回転数を設定し、実際の機関回転数がこの目標機関回転数と一致するように点火時期を補正することが考えられている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、加減速時に車両を振動させる原因は、内燃機関の発生トルクの変動によって生じる駆動系の振動であることは前述した特開昭58−48738号公報にも記載されているが、より詳細に言えば、加減速時の発生トルクの変動によってディファレンシャルギアのバックラッシュが発生し、このバックラッシュによるギアの衝突エネルギがトリガーとなって振動が発生し、それがサスペンションのバネ系の振動を引き起こして、車両を振動させる。従って、車両の振動を低減するには、振動のトリガーとなるディファレンシャルギアのバックラッシュによるギア衝突エネルギを低減することが最も効果的である。
【0006】
しかるに、前述した特開平5−79391号公報のものは、内燃機関の発生トルクを算出して目標機関回転数を設定し、機関回転数をこの目標機関回転数に合わせるように点火時期を補正するだけであるから、サスペンションのバネ系の振動による車両振動を低減する効果は期待できるが、車両振動のトリガーとなるディファレンシャルギアのバックラッシュによるギア衝突エネルギの低減についてはあまり大きな効果を期待できない。このため、ディファレンシャルギアのバックラッシュによる最初の車両振動が十分に低減されず、車両振動低減効果が未だ不十分である。
【0007】
本発明はこのような事情を考慮してなされたものであり、従ってその目的は、加減速時の車両振動のトリガーとなるディファレンシャルギアのバックラッシュによる振動を効果的に低減することができて、車両振動低減効果を向上させることができる車両振動低減装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
ところで、加減速時にディファレンシャルギアのバックラッシュが発生すると、そのバックラッシュによるギア衝突エネルギに応じて内燃機関の発生トルクが変化する。従って、内燃機関の発生トルクの変化量からディファレンシャルギアのバックラッシュによるギア衝突エネルギを推定可能である。
【0009】
この関係に着目し、本発明の請求項1では、回転数検出手段及び負荷検出手段により検出した機関回転数と機関負荷とに基づいて内燃機関の発生トルクを発生トルク演算手段により演算し、この発生トルクの変化量に基づいてディファレンシャルギアのバックラッシュによるギア衝突エネルギをギア衝突エネルギ演算手段により演算する。そして、このギア衝突エネルギを抑制するために必要なトルク(以下「抑制トルク」という)をギア衝突エネルギの演算値に基づいて抑制トルク演算手段により演算し、この抑制トルクに応じて内燃機関の制御量を補正手段により補正する。これにより、加減速時の車両振動のトリガーとなるディファレンシャルギアのバックラッシュによるギア衝突エネルギを効果的に低減することができて、車両振動低減効果を向上することができる。
【0010】
ところで、吸気管圧力や吸気量等の機関負荷の変化が内燃機関の発生トルクの変化を引き起こすまでには、若干の時間遅れがあり、しかも、この遅れ時間は、機関回転数が低いほど長くなるという特徴がある。
【0011】
従って、内燃機関の発生トルクの演算方法としては、請求項1のように、負荷検出手段により検出した機関負荷のデータを回転数検出手段により検出した機関回転数に応じて遅延処理し、それをなまし処理することによって内燃機関の発生トルクを演算するようにすれば良い。このようにすれば、機関負荷と機関回転数とに基づいて発生トルクを精度良く演算することができる。
【0012】
また、ディファレンシャルギアのバックラッシュによるギア衝突エネルギを抑制するために必要な内燃機関の発生トルク(抑制トルク)は、トランスミッションを介してディファレンシャルギアに伝達される。従って、請求項2のように、抑制トルクの演算に用いるパラメータをトランスミッションのギア位置に応じて設定することが好ましい。このようにすれば、トランスミッションのギア位置に合った適切な抑制トルクが演算され、トランスミッションのギア位置に左右されない安定した振動抑制効果が得られる。
【0013】
ところで、ディファレンシャルギアのバックラッシュによるギア衝突エネルギを抑制するための抑制トルクは、加速時には加速力を低下させる方向に働き、減速時には減速力を低下させる方向に働く。従って、この抑制トルクが過度に働きすぎると、加速中であるのに車速が低下したり、減速中であるのに車速が上昇したりするおそれがあり、ドライバビリティが低下する。
【0014】
これを避けるために、請求項3のように、加速時に機関回転数が低下したとき、又は、減速時に機関回転数が上昇したときに、前記補正手段による補正を解除又は制限することが好ましい。このようにすれば、加速中の車速の低下や減速中の車速の上昇を未然に防ぐことができ、振動抑制効果とドライバビリティとを両立させることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。まず、図1に基づいて内燃機関制御システム全体の概略構成を説明する。内燃機関11の吸気管12にはスロットルバルブ13が設けられ、このスロットルバルブ13が全閉したときにそれがスロットル全閉スイッチ14によって検出される。スロットルバルブ13の下流側には、機関負荷のデータとなる吸気管圧力Pm を検出する吸気管圧力センサ15(負荷検出手段)が設置され、更にその下流側には燃料噴射弁16が取り付けられている。
【0016】
また、内燃機関11には、各気筒に取り付けられた点火プラグ17に高電圧を配電する点火装置として、イグナイタ18、点火コイル19、ディストリビュータ20が組み付けられている。イグナイタ18は点火コイル19に組み付けられ、後述する電子制御ユニット21からの点火信号に同期して点火コイル19の一次コイルの電流を遮断することで二次コイル側に高電圧を誘導させ、その高電圧をディストリビュータ20によって各気筒の点火プラグ17に配電するようになっている。
【0017】
上記ディストリビュータ20内には、内燃機関11のクランク軸の回転数に応じた周波数の機関回転数Ne信号を出力するクランク角センサ22(回転数検出手段)が取り付けられ、この機関回転数Ne信号が電子制御ユニット21に取り込まれ、機関回転数Ne信号のパルス間隔によって機関回転数Neが検出される。尚、図示はしないが、内燃機関11の発生トルクは、マニュアル式のトランスミッションとディファレンシャルギアを介して車輪に伝達され、車両を走行させる。トランスミッションのギア位置(変速比)は、ギア位置センサ23によって検出される。
【0018】
上述した各種センサ、スイッチの出力は、電子制御ユニット21内にI/Oポート24を介して取り込まれる。この電子制御ユニット21は、CPU25、ROM26、RAM27、システムコントローラ28、I/Oポート24等を備えたマイクロコンピュータを主体として構成され、ROM26に格納されている内燃機関制御用の各種プログラムをCPU25で実行することで、点火プラグ17の点火時期を制御すると共に、燃料噴射弁16に与える噴射パルスを制御し、燃料噴射量を制御する。更に、この電子制御ユニット21は、加減速時にディファレンシャルギアのバックラッシュによって発生する車両振動を低減するために、図2乃至図4に示す各ルーチンを次のように実行する。
【0019】
図2に示す車両振動低減ルーチンは、所定時間毎に繰り返し実行される。本ルーチンの処理が開始されると、まずステップ101〜103の処理により、内燃機関11の発生トルクを演算する。ここで用いられる発生トルクの演算方法は、吸気管圧力Pm の変化が内燃機関11の発生トルクの変化を引き起こすまでには若干の時間遅れがあり、しかも、この遅れ時間は、機関回転数Neが低いほど長くなるという特性を利用し、まずステップ101で、吸気管圧力センサ15によって検出される吸気管圧力Pm を取り込み、次のステップ102で、クランク角センサ22によって検出される機関回転数Neに応じて遅延時間Tdを設定する。この遅延時間Tdの設定方法としては、次の2通りの方法がある。
【0020】
▲1▼予め試験データ又は理論値によって機関回転数Neと遅延時間Tdとの関係を図7に示すようにマップ化してROM26に記憶しておき、検出した機関回転数Neに応じてそのマップから遅延時間Tdを求める。
▲2▼遅延時間Tdは機関回転数Neに反比例する点に着目し、Td=k1 /Ne(但しk1 は定数)により算出する。
【0021】
そして、上記▲1▼又は▲2▼の方法で求めた遅延時間Tdだけ吸気管圧力Pm の検出データを遅延させて、図5(b)に示すように、吸気管圧力Pm の検出データを時間Tdだけ平行移動させ、吸気管圧力Pm の遅延値Pmdlay を求める。この後、ステップ103で、この遅延値Pmdlay を次式によりなまし処理(一次遅れ処理)することで、内燃機関11の発生トルクτPmdlay を算出する。
【0022】
τPmdlay(i)={τPmdlay(i-1)・a+Pmdlay ・b}/(a+b)
ここで、τPmdlay の添字(i) は今回の値を示し、(i-1) は前回の値を示し(以下、同様に表記する)、a,bはなまし係数である。上記ステップ102,103の処理は、特許請求の範囲でいう発生トルク演算手段として機能する。
【0023】
そして、次のステップ104で、ディファレンシャルギアのバックラッシュによるギア衝突エネルギδτを、内燃機関11の発生トルクτPmdlay の変化量から算出する。つまり、ギア衝突エネルギδτを次式により算出する。
【0024】
δτ(i) =τPmdlay(i)−τPmdlay(i-1)
この算出方法は、加減速時にディファレンシャルギアのバックラッシュが発生すると、そのバックラッシュによるギア衝突エネルギδτに応じて内燃機関11の発生トルクτPmdlay が変化するという特性を利用したものである。上記ステップ104の処理は、特許請求の範囲でいうギア衝突エネルギ演算手段として機能する。
【0025】
この後、ステップ105で、図3の抑制トルク演算ルーチンを実行し、ギア衝突エネルギδτを抑制するために必要な抑制トルクτpresをギア衝突エネルギδτの履歴に基づいて演算する。この場合、ディファレンシャルギアのバックラッシュによるギア衝突エネルギを抑制するために必要な内燃機関11の発生トルク(抑制トルクτpres)は、トランスミッションを介してディファレンシャルギアに伝達されるため、抑制トルクτpresの演算に用いるパラメータA〜Eをトランスミッションのギア位置に応じて設定することが好ましい。
【0026】
この観点から、図3の抑制トルク演算ルーチンでは、まずステップ111,112で、トランスミッションのギア位置が1速、2速、3速以上のいずれであるかを判別し、1速の場合には、ステップ113に進み、2速の場合には、ステップ114に進み、3速以上の場合には、ステップ115に進む。これにより、トランスミッションのギア位置に応じてパラメータA〜Eを設定する。この後、ステップ116で、抑制トルクτpresを、ギア衝突エネルギδτの履歴に基づいて次式により算出する。
τpres=A・δτ(i) +B・δτ(i-1) +C・δτ(i-2) +D・δτ(i-3) +E・δτ(i-4)
【0027】
この場合、ギア衝突エネルギδτの過去4回以内の履歴データを用いて抑制トルクτpresを演算するようにしたが、過去3回以内、或は過去5回以上の履歴データを用いて抑制トルクτpresを演算するようにしても良い。以上説明した図3の抑制トルク演算ルーチンは、特許請求の範囲でいう抑制トルク演算手段として機能する。
【0028】
この抑制トルク演算ルーチンを終了すると、図2のステップ106に戻り、抑制トルクτpresに応じて点火時期補正量Sopenを演算する(このステップ106の処理は特許請求の範囲でいう補正手段として機能する)。この点火時期補正量Sopenの演算方法としては、次の2通りの方法がある。
【0029】
▲1▼予め、試験データ又は理論値によって、抑制トルクτpresと点火時期補正量Sopenとの関係を図8に示すようにマップ化してROM26に記憶しておき、演算した抑制トルクτpresに応じてそのマップ値から点火時期補正量Sopenを求める。
【0030】
▲2▼点火時期補正量Sopenは抑制トルクτpresにほぼ比例する点に着目し、抑制トルクτpresに定数k2 を乗算して点火時期補正量Sopenを算出する(Sopen=τpres×k2 )。
【0031】
そして、上記▲1▼又は▲2▼の方法で求めた点火時期補正量Sopenは、次のステップ107で、ガード処理される。このガード処理は、図4に示すルーチンによって次のように実行される。まず、ステップ121で、点火時期補正量Sopenが上限ガード値MAXよりも小さいか否かを判定し、もし点火時期補正量Sopenが上限ガード値MAX以上であれば、ステップ122に進み、点火時期補正量Sopenを上限ガード値MAXでガードし、Sopen=MAXとする。そして次のステップ123で、点火時期補正量Sopenが下限ガード値MINよりも大きいか否かを判定し、もし、点火時期補正量Sopenが下限ガード値MIN以下であれば、ステップ124に進み、点火時期補正量Sopenを下限ガード値MINでガードし、Sopen=MINとする。この処理により、点火時期補正量Sopenは、MIN≦Sopen≦MAXの範囲で設定され、これによって失火やノッキングの発生が防がれる。
【0032】
この後、ステップ125で、今回の機関回転数Ne(i) から前回の機関回転数Ne(i-1) を差し引いて、機関回転数変化量ΔNeを算出し、続くステップ126で、この機関回転数変化量ΔNeに基づいて加速時(ΔNe>0)か否かを判定し、加速時であれば、ステップ127に進み、機関回転数変化量ΔNeが所定値kacc (ここでkacc は0に近い値又は負の値)よりも小さいか否かを判定し、もしΔNe<kacc であれば、ステップ128に進み、点火時期補正量Sopenを0にして、補正が働かないようにする。
【0033】
このような処理を行う理由は、次の通りである。ディファレンシャルギアのバックラッシュによるギア衝突エネルギを抑制するための抑制トルクτpresは、加速時には加速力を低下させる方向に働き、減速時には減速力を低下させる方向に働く。従って、この抑制トルクτpresが過度に働きすぎると、図6(c)に点線で示すように、加速中であるのに機関回転数Neが低下して車速が低下したり、減速中であるのに車速が上昇したりするおそれがあり、ドライバビリティが低下する。
【0034】
これを避けるために、加速時に、ΔNe<kacc になれば、加速が妨げられていると判断し、その時点で、図6(d)に示すように、点火時期補正量SopenをキャンセルしてSopen=0とし、加速中の車速の落ち込みを未然に防止する。この場合、点火時期補正量Sopenのキャンセル処理に代えてSopen=Sopen×k3 (但しk3 <1)の演算を行って、点火時期補正量Sopenを小さくするようにしても良く、これによっても、加速中の車速の落ち込みを未然に防止することができ、スムーズな加速を確保することができる。
【0035】
一方、減速時には、ステップ126からステップ129に進み、機関回転数変化量ΔNeが所定値kdec (ここでkdec は0に近い値又は正の値)よりも大きいか否かを判定し、もしΔNe>kdec になれば、減速が阻害されていると判断し、ステップ130に進み、点火時期補正量SopenをキャンセルしてSopen=0とし、減速中の車速の上昇を防ぐ。この場合も、点火時期補正量Sopenのキャンセル処理に代えて、Sopen=Sopen×k4 (但しk4 <1)の演算を行って、点火時期補正量Sopenを小さくするようにしても良く、これによっても、加速中の車速の上昇を未然に防止することができ、スムーズな減速を確保することができる。
【0036】
以上説明した図4のガード処理ルーチンは、特許請求の範囲でいうガード手段として機能する。このガード処理ルーチンを終了した後、図2のステップ108に戻り、発生トルクτPmdlay 、ギア衝突エネルギδτ、機関回転数Neについて次のように履歴データを記憶して、本ルーチンを終了する。
Pmdlay(i-1)=τPmdlay(i)
δτ(i-1) =δτ(i)
δτ(i-2) =δτ(i-1)
δτ(i-3) =δτ(i-2)
δτ(i-4) =δτ(i-3)
Ne(i-1) =Ne(i)
【0037】
以上説明した図2の車両振動低減ルーチンを所定時間毎に繰り返し実行することで、加減速時に発生するディファレンシャルギアのバックラッシュによるギア衝突エネルギδτを抑制するために必要な抑制トルクτpresを算出し、この抑制トルクτpresに応じて点火時期補正量Sopenを算出し、点火時期を補正して内燃機関11の出力をギア衝突エネルギδτを抑制する方向に補正する。これにより、加減速時の車両振動のトリガーとなるディファレンシャルギアのバックラッシュによるギア衝突エネルギを効果的に低減することができて、車両振動低減効果を向上することができる。
【0038】
しかも、上記実施形態では、スムーズな加減速が妨げられる時に、点火時期補正量Sopenをキャンセル(0)又は小さくするガード処理を行うようにしたので、加速中の車速の低下や減速中の車速の上昇を未然に防ぐことができ、振動抑制効果とドライバビリティとを両立させることができる。
【0039】
この場合、点火時期補正量Sopenは、抑制トルクτpresに応じて設定されるため、点火時期補正量Sopenに代えて抑制トルクτpresをガード処理するようにしても良く、この場合でも、抑制トルクτpresのガード処理によって点火時期補正量Sopenが間接的にガード処理され、上記実施形態と同じ効果が得られる。
【0040】
また、上記実施形態では、抑制トルクτpresに応じて点火時期を補正することでギア衝突エネルギδτを抑制するようにしたが、点火時期に代えて、燃料噴射量やスロットル開度(電子スロットルシステムの場合)等、他の内燃機関制御量を補正するようにしても良い。
【0041】
また、上記実施形態では、内燃機関11の発生トルクτPmdlay を算出するための機関負荷データとして吸気管圧力Pm を用いたが、吸気量によって内燃機関を制御するシステムに本発明を適用する場合には、機関負荷データとして吸気量を用いるようにしても良い。
【0042】
また、上記実施形態では、内燃機関11の発生トルクτPmdlay を演算する際に、機関負荷(吸気管圧力Pm)を機関回転数Neに応じて遅延処理し、それをなまし処理することで発生トルクτPmdlay を演算するようにしたが、予め、試験データや理論値によって機関負荷、機関回転数Neと発生トルクτPmdlay との関係を二次元マップ化してROM26に記憶しておき、検出した機関負荷と機関回転数Neに応じてこの二次元マップから発生トルクτPmdlay を求めるようにしても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す内燃機関制御システム全体の概略構成図
【図2】車両振動低減ルーチンの処理の流れを示すフローチャート
【図3】抑制トルク演算ルーチンの処理の流れを示すフローチャート
【図4】ガード処理ルーチンの処理の流れを示すフローチャート
【図5】アクセル開度、発生トルクτPmdlay 、ギア衝突エネルギδτ、抑制トルクτpres、点火時期補正量Sopenの経時的変化を示すタイムチャート
【図6】ガード処理の働きを説明するタイムチャート
【図7】機関回転数Neから遅延時間Tdを設定するマップを概念的に示す図
【図8】抑制トルクτpresから点火時期補正量Sopenを設定するマップを概念的に示す図
【符号の説明】
11…内燃機関、13…スロットルバルブ、15…吸気管圧力センサ(負荷検出手段)、21…電子制御ユニット(発生トルク演算手段、ギア衝突エネルギ演算手段、抑制トルク演算手段、補正手段)、22…クランク角センサ(回転数検出手段)、23…ギア位置センサ。
Claims (3)
- 内燃機関の回転数(以下「機関回転数」という)を検出する回転数検出手段と、
内燃機関の負荷(以下「機関負荷」という)を検出する負荷検出手段と、
前記回転数検出手段及び前記負荷検出手段により検出した機関回転数と機関負荷とに基づいて内燃機関の発生トルクを演算する発生トルク演算手段と、
前記発生トルク演算手段により演算した発生トルクの変化量に基づいて車両駆動系のディファレンシャルギアのバックラッシュによるギア衝突エネルギを演算するギア衝突エネルギ演算手段と、
前記ディファレンシャルギアのバックラッシュによるギア衝突エネルギを抑制するために必要なトルク(以下「抑制トルク」という)を前記ギア衝突エネルギ演算手段により演算したギア衝突エネルギに基づいて演算する抑制トルク演算手段と、
前記抑制トルク演算手段により演算した抑制トルクに応じて内燃機関の制御量を補正する補正手段とを備え、
前記発生トルク演算手段は、前記負荷検出手段により検出した機関負荷のデータを前記回転数検出手段により検出した機関回転数に応じて遅延処理し、それをなまし処理することによって内燃機関の発生トルクを演算することを特徴とする車両振動低減装置。 - 前記抑制トルク演算手段は、前記抑制トルクの演算に用いるパラメータをトランスミッションのギア位置に応じて設定することを特徴とする請求項1に記載の車両振動低減装置。
- 加速時に機関回転数が低下したとき、又は、減速時に機関回転数が上昇したときに、前記補正手段による補正を解除又は制限するガード手段を備えていることを特徴とする請求項1又は2に記載の車両振動低減装置。
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