JP3754986B2 - 研磨剤用組成物およびその調製方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、シリコンウェーハや半導体デバイス基板の表面または端面、または表面を酸化膜や窒化膜等で被覆した表面または端面の研磨加工を行なう研磨用組成物および該研磨用組成物の調整方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、シリコンウェーハあるいは半導体デバイス基板(以下ウェーハ等と略記する)の研磨加工を行なう研磨用組成物として、酸化珪素またはその水和物をコロイド状に分散した懸濁液、所謂コロイダルシリカを含有する組成物が多数提案されている。
たとえば、米国特許第3170273号公報では、シリカゾル及びシリカゲルが研磨剤として提案されている。また、米国特許第4910155号公報では、半導体ウェーハの絶縁層の研磨剤としてフュームドシリカの水性分散スラリーの使用が開示されている。特開平7−221059号公報には、細長く歪んだ球状のシリカ粒子からなるコロイダルシリカが高い研磨速度を示す事が記載されている。特開2001−11433号公報には、球が数珠状につながった形体のシリカ粒子からなるコロイダルシリカが高いシリコン研磨速度を示す事が記載されている。
一方、液組成においても非常に多くの提案がなされている。米国特許第3328141号公報では、該懸濁液のpHを10.5〜12.5の範囲内にすることにより、研磨速度が増大する事が開示されている。米国特許第4169337号公報では、アミン類を研磨用組成物に添加することが開示されている。特開平2−158684号公報には、水、コロイダルシリカ、分子量10万以上の水溶性高分子、水溶性塩類からなる研磨用組成物が開示されている。更に特開平5−154760号公報では、水溶性アミンの一種であるピペラジンを、シリカゾルまたはシリカゲルのシリカ基準にて、10〜80重量%含む研磨組成物を使用した研磨方法を開示している。
これら開示されている方法は、アルカリ性の母液にシリカの微細粒子を分散させたスラリーやコロイダルシリカに、様々な添加剤を加えることにより研磨剤の分散性を上げたり、加工力の安定性を図ったり、加工速度を増加するものであって、現在要求される研磨性能すなわち、高速でかつ安定した研磨速度、加工後の洗浄性の良いこと、研磨面の平坦性等に十分対応できるものではなかった。
【0003】
特開平11−315273号公報、特開平11−302635号公報、特開平11−302634号公報および特開2000−158329号公報には、酸解離定数の逆数の対数値が8.0〜12.0の弱酸及び/または弱塩基を使用して、弱酸と強塩基、強酸と弱塩基あるいは弱酸と弱塩基の何れかの組み合わせのものを添加することによりpHの緩衝作用を有する緩衝溶液としたコロイダルシリカ組成物が開示されている。緩衝液の使用は、外的条件の変化によるpHの変化が少なく、繰り返し使用においても変化の少ない安定した研磨用組成物を提供しているが、pHが低くなる分だけ研磨速度が低くなり、さらなる改良が望まれていた。
特に近年電子回路の高集積化およびウェーハ自体の大型化に伴いシリコンウェーハ、半導体デバイス基板表面の高度な平坦化が必須となっている。さらに、生産効率を向上させるため、加工速度が速い研磨用組成物が望まれている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者等は上述の、従来の研磨用組成物が持つ問題点に鑑み、鋭意研究を行ない、研磨用組成物溶液として、特定の粒度を有する酸化珪素の粒子を含むコロイド、すなわちコロイダルシリカのアルカリ性水溶液であって、pHの緩衝作用を有し、特定のイオン構成を構築することで、安定した高速加工が達成されることを見出し、本発明を完成するに至ったものであり、その目的となすところはpHの変化が少なく、かつ研磨速度が高速で、繰り返し使用においても変化の少ない安定した研磨を行うことができる、研磨後の洗浄性を改善した研磨用組成物を提供すること及び該研磨用組成物を調整する方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上述の目的は、平均一次粒子径が30〜200nmの実質的に単分散である酸化珪素粒子がその濃度が1〜25重量%であるコロイド溶液からなり、該コロイド溶液が、pH8.7〜10.5の間で緩衝作用を有する緩衝溶液として調整されたものであり、成分の一つにフッ素イオンもしくはフッ素が配位した陰イオンをフッ素原子として1〜100ミリmol/Kgの濃度で含有することを特徴とする研磨用組成物によって達成される。この研磨用組成物は、例えば15〜65重量%の濃厚原液を使用の都度、水、有機溶剤、塩類を含んだ溶液あるいは水と有機溶媒の混合物で希釈して調整することができる。
【0006】
酸化珪素の微粒子はその製法から気相法酸化珪素と液相法酸化珪素に二分される。気相法酸化珪素としてはフュームドシリカを水性媒体に分散させたスラリーが半導体研磨に多用されてきたが、この微粒子は粒度分布が広く、更に凝集して二次粒子を構成し、典型的な多分散系である。液相法酸化珪素は水ガラスを原料とした一般のコロイダルシリカと、有機珪素化合物の加水分解法によって得られる高純度コロイダルシリカがある。本発明に用いる酸化珪素微粒子のコロイド溶液は、この一般のコロイダルシリカと高純度コロイダルシリカである。特に水ガラスを原料とした一般のコロイダルシリカは安価であり、研磨速度も速く、好適に用いられる。
【0007】
本発明に用いるコロイド溶液に含まれる酸化珪素の微粒子は平均一次粒子径が30〜200nmの実質的に単分散である酸化珪素粒子であり、好ましくは40〜100nmのものが用いられる。ここで言う平均一次粒子径とは、窒素吸着BET法により測定される比表面積を、球状粒子の直径に換算したものである。 コロイダルシリカのBET法粒径(比表面積)については、THE CHEMISTRY OF SILICA Solubility,Polymerizatoin,Colloid and Surface Properties,and Biochemistry(P344-354,RALPH K.ILER著,A Wiley-Interscience Publication JOHN WILEY & SONS P )に詳細に記載されている。計算式は粒子径(nm)=2720/比表面積(m2/g)である。
【0008】
平均一次粒子径が、30nmより小さい粒子の使用は緩衝液成分の電解質濃度を高くしたときにコロイド溶液が凝集し易く、研磨用組成物としての安定性が低下し、さらに研磨後のウェーハ表面に付着した粒子の洗浄性が低下する。また、平均一次粒子径が、200nm以上の粒子の使用は、デバイス研磨では配線幅に近く好ましくない。特に、複数枚の研磨に循環使用する際には、研磨屑やパッド屑の濾過除去が必要となるが、200nm以上の粒子では、屑との分離が出来なくなる。また、他の用途でも、粗大粒子が沈降し製品の経時安定性確保が難しくまた、価格的にも不利である。
【0009】
このような意味から、微細粒子や粗大粒子を含まない実質的に単一の粒度である単分散の粒子を使用することが必要となる。本発明で言う、実質的な単分散とは、電子顕微鏡法、遠心沈降法、レーザー光散乱法等の一般のコロイド粒子径測定法で測定された、個数平均径(Dn)と体積平均径(Dv)または重量平均径(Dw)の比(Dv/Dn)または(Dw/Dn)が1.00〜1.50の範囲にあることと定義する。単分散のコロイダルシリカとしては日本化学工業(株)製「シリカドール」、多摩化学工業(株)製「TCSOL703」、扶桑化学工業(株)製「超高純度コロイダルシリカPL−7」等がある。実質的な単分散でない分散系を多分散と記載する。多分散のコロイダルシリカとしては、DuPontAirProducts NanoMaterials L.L.C.社の「Syton」、「Mazin」、「Ascend」等がある。
【0010】
酸化珪素の濃度は、実際の研磨加工時において1〜25重量%であることが肝要であり、より好ましい範囲は、シリコンウェーハや半導体デバイス基板の表面研磨では3〜15重量%であり、端面研磨では10〜25重量%が良い。研磨時の酸化珪素の濃度が、3重量%未満であると研磨加工速度は低くなり実用的ではない。研磨時の酸化珪素濃度が高くなれば研磨加工速度自体は増大するが約25重量%を越えるとウェーハへの汚染が増大し、洗浄性が悪化する。
【0011】
以下、本発明をさらに説明する。
本発明においては研磨用組成物のpHは8.6〜10.5の範囲にあることが肝要である。更に好ましくはpHは9.5〜10.5の範囲にあることが良い。pHが8.6以下であると研磨速度は著しく低下し実用の範囲からは外れる。また、pHが10.6以上になると、ウェーハへの汚染が増大し、洗浄性が悪化する。そしてまた、このpHは摩擦、熱、外気との接触あるいは他の成分との混合等、考えられる外的条件の変化により容易に変化するようなものであってはならないが、本発明においては研磨用組成物溶液自体を、外的条件の変化に対してpHの変化の幅の少ない、いわゆる緩衝作用の強い液とすることをその必要条件とするものである。
【0012】
本発明の緩衝溶液を形成するイオンとしては、陰イオンは一例をあげると、塩酸、硝酸、フッ酸、硫酸などの強酸やホウ酸、炭酸、燐酸及び水溶性の有機酸等の弱酸があげられ、またその混合物であってもかまわない。特に好適なのは炭酸イオンもしく炭酸水素イオンである。陽イオンとしては、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属イオン、アンモニウム、コリン、テトラメチルアンモニウム等のアンモニウムイオン、エチレンジアミン、ピペラジン等のアミン類イオンなど水酸イオンと対をなしてアルカリ性を示すもので、それらの混合物でも良い。特にカリウムイオンやテトラメチルアンモニウムイオンやそれらの混合物が好ましい。本発明で述べる緩衝溶液とは、上述のイオンの組み合わせで形成され、酸、アルカリ、塩として添加され、イオンとして解離している状態及び、未解離の状態が共存している溶液を示し、少量の酸または、塩基が混入してもpHの変化が少ないことが特徴である。
【0013】
成分の一つにフッ素イオンもしくはフッ素が配位した陰イオンをフッ素原子として1〜100ミリmol/Kgの濃度で含有することが必要である。特に、本発明のようにpH緩衝液を使用して比較的低いpHで研磨を行う場合には、このような浸食作用の大きい成分を用いることが必要である。フッ素イオンはフッ酸として添加しても良く、上記の各塩基のフッ化物として添加することもできる。フッ素が配位した陰イオンとしては、テトラフルオロホウ酸イオンやヘキサフルオロ珪酸イオンが良い。これらは酸化珪素15〜65重量%の濃厚原液に添加しておくこともできるが、原液を使用の都度希釈して調整するときに添加しても良い。フッ素イオンもしくはフッ素が配位した陰イオンは、シリコンウェーハや半導体デバイス基板の表面または端面、または表面を酸化膜や窒化膜等で被覆した表面または端面の研磨速度を向上させると同時に、研磨加工後の洗浄性の向上作用がある。フッ素イオンもしくはフッ素が配位した陰イオンをフッ素原子として1ミリmol/Kg以下では充分な研磨速度は得られない。100ミリmol/Kg以上の添加は、浸食が強すぎて平坦な鏡面を得ることが出来ず、洗浄性も悪化する。好ましくは3〜60ミリmol/Kgである。
【0014】
また、一般的には酸化珪素濃度25〜65%の高濃度の組成物を調製しておき、水あるいは、水と有機溶媒の混合物で希釈して使用することが便利である。 高濃度の組成物には酸化珪素以外の上記必須成分のうちいずれかを欠いておき、希釈時に添加することもできる。
【0015】
本発明の研磨組成物の物性を改良するため、界面活性剤、分散剤、沈降防止剤などを併用することができる。界面活性剤、分散剤、沈降防止剤としては、水溶性の有機物、無機層状化合物などがあげられる。また、本発明の研磨組成物は基本的には水溶液としているが、有機溶媒を添加してもかまわない
【0016】
【実施例】
次に実施例及び比較例をあげて本発明の研磨用組成物、およびそれを用いた研磨加工方法を具体的に説明するが、特にこれにより限定を行なうものではない。
実施例で用いた単分散コロイダルシリカは、平均粒子径15nmは「シリカドール30」、平均粒子径40nmは「シリカドール30G」、平均粒子径80nmは「シリカドール40G−80」、平均粒子径120nmは「シリカドール40G−120」を使用し、その他の平均粒子径のコロイダルシリカは水ガラスを原料として製作した。個数平均径(Dn)と体積平均径(Dv)は、日機装(株)製マイクロトラックUPAを用いて測定し、その比(Dv/Dn)が1.00〜1.50の範囲にあることを確認した。多分散コロイダルシリカとは以下のようにして作成した。平均粒子径15nmの「シリカドール30」、平均粒子径40nmの「シリカドール30G」、平均粒子径80nmの「シリカドール40G−80」、平均粒子径120nmの「シリカドール40G−120」を任意の比率で混合し、平均粒子径40nm、(Dv/Dn)が2.0となるようにした。
【0017】
また、水酸化テトラメチメルアンモニウム(以下TMAHと略記)としては市販の水溶液を使用した。また、上記TMAH水溶液を炭酸ガスで中和して炭酸水素テトラメチメルアンモニウム(以下TMAHCと略記)を作成した。作成方法は以下のようにした。20%TMAH水溶液を500mlのガス洗浄瓶に入れ、炭酸ガスを微細泡状にして12時間吹き込み、TMAH水溶液に吸収させTMAHC溶液を得た。炭酸化の定量は、希塩酸で中和滴定を行い滴定曲線の変曲点より計算し、中和度は97%であった。
【0018】
フッ素は試薬のフッ酸水溶液、ホウフッ化水素酸水溶液、ケイフッ化水素酸水溶液を使用し、同様に試薬のフッ化ナトリウム、ケイフッ化ナトリウム、フッ化カリウムを使用した。炭酸塩は試薬の炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウムを使用した。そのほか水酸化ナトリウムは工業用の50%水溶液を希釈して使用した。
【0019】
実施例1〜5および比較例1〜3のシリコンウェーハの表面研磨の実施例を示す。表1に示した組成となるよう調整した研磨組成物を用いて、以下の研磨条件で鏡面研磨加工を実施した。
研磨装置:スピードファム株式会社製、SH−24型片面加工機、
定盤回転数:70RPM
プレッシャープレート回転数:50RPM
研磨布:SUBA400(ロデールニッタ社製)
面圧力:200g/cm2
研磨組成物流量:80ml/分
研磨時間:2分
工作物:4インチ、酸化膜1200nm付きシリコンウェーハ。
研磨組成物のpHはpHメーターを用いて測定した。また、研磨面の評価は、集光灯下で肉眼にてヘイズ及びピットの状態を観察した。また、研磨速度は、研磨前後のシリコンウエハーの重量差より求めμm/分に換算した。
結果を表1に示した。実施例1〜5は比較例1〜3に比べ研磨速度が大きく、表面状態は良好である。
【0020】
実施例1〜5および比較例1〜3における研磨組成物の調整方法は以下のとおりである。
比較例1〜2と実施例1〜2:希釈したTMAH水溶液にフッ化水素酸水溶液を所定量添加混合し、次いで炭酸水素カリウムを添加し攪拌下で溶解させた。この添加剤溶液を各粒子径のコロイダルシリカに攪拌下添加して、最後に純水で希釈して表1の組成物とした。比較例1は平均粒子径15nmのコロイダルシリカを使用しており、比較例2は上記の方法で作成した多分散のコロイダルシリカを使用している。
実施例3:希釈したTMAH水溶液とTMAHC水溶液を所定量混合し、これにフッ化ナトリウムおよびフッ化カリウムを所定量添加し攪拌下で溶解させた。次いで、この添加剤溶液をコロイダルシリカに攪拌下添加して、最後に純水で希釈して表1の組成物とした。
実施例4:希釈したTMAH水溶液とTMAHC水溶液を所定量混合し、これにフッ化水素酸水溶液を所定量添加混合し、次いで炭酸水素カリウムを添加し攪拌下で溶解させた。次いで、この添加剤溶液をコロイダルシリカに攪拌下添加して、最後に純水で希釈して表1の組成物とした。
比較例3:フッ化水素酸水溶液を添加しなかった以外は、実施例4と同じにして表1の組成物とした。
実施例5:希釈したTMAH水溶液とTMAHC水溶液を所定量混合し、これにホウフッ化水素酸水溶液を所定量添加混合し、この添加剤溶液をコロイダルシリカに攪拌下添加して、最後に純水で希釈して表1の組成物とした。
【表1】
【0021】
実施例6および比較例4の研磨組成液を循環使用したシリコンウェーハの表面研磨の実施例を示す。表2に示した組成となるよう調整した研磨組成物を用いて、研磨条件は実施例1と同じにして、研磨組成液を10回循環使用して、10枚のウェーハ研磨実験を行い、各回毎の研磨組成物のpHと研磨速度を測定した。結果は表2に示した。実施例6のpHは比較例4と比べ循環回数9回まで変化が少なく,研磨速度は大きい。
【0022】
実施例6および比較例4における研磨組成物の調整方法は以下のとおりである。実施例6:希釈したTMAH水溶液とTMAHC水溶液を所定量混合し、これにフッ化水素酸水溶液を所定量添加混合し、この添加剤溶液をコロイダルシリカに攪拌下添加して、最後に純水で希釈して表2の組成物とした。
比較例4:TMAH水溶液とTMAHC水溶液を添加せず、フッ化ナトリウムと水酸化ナトリウムだけをコロイダルシリカに攪拌下添加して、最後に純水で希釈して表2の組成物とした
【表2】
【0023】
実施例7〜11および比較例5〜7のシリコンウェーハの端面研磨の実施例を示す。表3に示した組成となるよう調整した研磨組成物を用いて、以下の研磨条件方法で鏡面研磨加工を実施した。
研磨装置:スピードファム株式会社製、EP−IV型端面加工機
ドラム回転速度:800RPM
ウェーハ回転速度:70秒/REV
ウェーハ回転数:4回/枚
研磨布:DRP−II(スピードファム社製)
荷重:2.5Kg
研磨組成物流量:250ml/分
工作物:8インチ、酸化膜800nm+ポリシリコン膜2000nm付きシリコンウェーハ
研磨組成物のpHはpHメーターを用いて測定した。また、研磨面の評価は、集光灯下で肉眼にてヘイズ及びピットの状態を観察した。また、研磨速度は、研磨前後のシリコンウエハーの重量差より求めmg/分に換算した。
結果を表3に示した。実施例7〜11は比較例5〜7に比べ研磨速度が大きく、表面状態は良好である。
【0024】
実施例7〜11および比較例5〜7における研磨組成物の調整方法は以下のとおりである。
実施例7:希釈したTMAH水溶液にフッ化水素酸水溶液を所定量添加混合し、次いで炭酸水素カリウムおよび炭酸水素ナトリウムを添加し攪拌下で溶解させた。次いで、この添加剤溶液をコロイダルシリカに攪拌下添加して、最後に純水で希釈して表3の組成物とした。
実施例8〜9:希釈したTMAH水溶液とTMAHC水溶液を所定量混合し、これにホウフッ化水素酸水溶液を所定量添加混合し、この添加剤溶液をコロイダルシリカに攪拌下添加して、最後に純水で希釈して第3表の組成物とした。
実施例10:希釈したTMAH水溶液にフッ化水素酸水溶液を所定量添加混合し、次いで炭酸水素ナトリウムを添加し攪拌下で溶解させた。次いで、この添加剤溶液をコロイダルシリカに攪拌下添加して、最後に純水で希釈して表3の組成物とした。
実施例11:希釈したTMAH水溶液とTMAHC水溶液を所定量混合し、これにケイフッ化水素酸水溶液を所定量添加混合し、次いでケイフッ化ナトリウムを添加し攪拌下で溶解させた。次いで、この添加剤溶液をコロイダルシリカに攪拌下添加して、最後に純水で希釈して表3の組成物とした。
比較例5:単分散のコロイダルシリカに替えて、上記の方法で作成した多分散のコロイダルシリカを使用した以外は、実施例10と同じにして表3の組成物とした。
比較例6:希釈したTMAH水溶液にフッ化水素酸水溶液を所定量添加混合し、次いで炭酸水素ナトリウムを添加し攪拌下で溶解させた。次いで、この添加剤溶液をコロイダルシリカに攪拌下添加して、最後に純水で希釈して表3の組成物とした。この組成物はpHが8.2であった。
比較例7:希釈したTMAH水溶液にフッ化水素酸水溶液を所定量添加混合し、次いで炭酸水素ナトリウムを添加し攪拌下で溶解させ、更に水酸化ナトリウム水溶液を添加混合した。次いで、この添加剤溶液をコロイダルシリカに攪拌下添加して、最後に純水で希釈して表3の組成物とした。この組成物はpHが11.0であった。
【表3】
【0025】
【発明の効果】
以上の説明で示される通り、本発明の研磨組成物は、平均一次粒子径が30〜200nmの実質的に単分散である酸化珪素粒子がその濃度が1〜25重量%であるコロイド溶液からなり、該コロイド溶液が、pH8.7〜10.5の間で緩衝作用を有する緩衝溶液として調整されたものであり、成分の一つにフッ素イオンもしくはフッ素が配位した陰イオンをフッ素として1〜100ミリmol/Kg含有することを特徴とする研磨用組成物は、pH変化が少なく、研磨速度が速く、洗浄性が良好な事が判明した。本発明の研磨組成物を使いシリコンウェーハ、半導体デバイス基板を研磨表面の品質を落とさず、安定に高速研磨する事が出来る。
Claims (5)
- 平均一次粒子径が30〜200nmの実質的に単分散である酸化珪素粒子がその濃度が1〜25重量%であるコロイド溶液からなり、該コロイド溶液が、pH8.7〜10.5の間で緩衝作用を有する緩衝溶液として調整されたものであり、成分の一つにフッ素イオンもしくはフッ素が配位した陰イオンをフッ素原子として1〜100ミリmol/Kgの濃度で含有することを特徴とする研磨用組成物。
- 緩衝溶液を形成する陽イオンが、カリウムイオン及び/または、ナトリウムイオン及び/または、テトラメチルアンモニウムイオンであることを特徴とする請求項第1項記載の研磨用組成物。
- 緩衝溶液を形成する陰イオンが、炭酸イオン及び/または、炭酸水素イオンを含むことを特徴とする請求項第1項又は請求項第2項の何れか1項に記載の研磨用組成物。
- ナトリウムの含有量が2ミリmol/Kg以下である請求項第1項乃至3項の何れか1項に記載の研磨用組成物。
- 平均一次粒子径が30〜200nmの実質的に単分散である酸化珪素粒子がその濃度が25〜65重量%であるコロイド溶液からなり、該コロイド溶液が、pH緩衝作用を有する緩衝溶液として調整されたものであり、成分の一つにフッ素イオンもしくはフッ素が配位した陰イオンをフッ素原子として5〜500ミリmol/Kgの濃度で含有し、該コロイド溶液を、水、有機溶剤、塩類を含んだ溶液で希釈することを特徴とする、請求項第1項乃至4項の何れか1項に記載の研磨用組成物を調整する方法。
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